広島(★3対6☆)ソフトバンク =交流戦1回戦(2019.06.07)・マツダスタジアム=
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ソフトバンク
0000130026912
広島
0000000303601
勝利投手:千賀 滉大(6勝1敗0S)
(セーブ:森 唯斗(2勝3敗17S))
敗戦投手:床田 寛樹(5勝3敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】グラシアル(13号・6回表ソロ),福田 秀平(2号・9回表2ラン)
【広島】鈴木 誠也(16号・8回裏3ラン)

  DAZN
◆ソフトバンクが4連勝。ソフトバンクは5回表、真砂の適時打で先制する。続く6回には、グラシアルのソロと甲斐の2点適時打でリードを広げた。投げては、先発・千賀が7回無失点の好投で今季6勝目。敗れた広島は8回に鈴木の3ランで1点差に迫るも、中盤の失点が響いた。

◆ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手が今季初めてスタメンを外れた。この日からセ・リーグの本拠地開催。ここまで全試合にDHで出場していたデスパイネは、数日前から左翼守備の練習などをしてきたが、体調やコンディションを考慮され先発を外れた。 前日6日中日戦は代走を送られ途中交代。ベンチでは右肘をアイシングしていた。工藤監督は「肘の張りもあるみたい。(練習で)張り切っているようには見えました。昨日も多少、大事を取って代えたところもあるので。ケガしてはいけない。無理をさせることはない」と説明。打撃好調の主砲抜きで、広島に挑む。

◆序盤は投手戦。広島床田は3回まで1安打無失点。ソフトバンク千賀も2回1死一、二塁をしのぐなど3回まで無失点の滑り出し。 ソフトバンクが5回に真砂の右前適時打で先制。6回にはグラシアルの4戦連発となるソロなどで床田をKO。この回3得点。 広島が8回に鈴木の3ランで追い上げるも、ソフトバンクが逃げ切り交流戦負けなし4連勝。千賀が6勝目。広島は連敗となった。 ソフトバンク森が17セーブ、広島床田が3敗目。

◆広島田中広輔内野手がついに「甲斐キャノン」から盗塁を記録した。0-0の4回2死から四球で出塁。8番小窪の3球目に、千賀の投球フォームを盗み好スタート。捕手甲斐が送球できないタイミングで二塁に滑り込んだ。 昨年の日本シリーズでは、盗塁を試みた6者全員が甲斐に刺された。この日の初回にも菊池涼が憤死していたが、厚い壁を破った田中広は「去年は去年。今年は今年。その中でしっかり走れた」と話した。

◆広島鈴木誠也が16号3ランで意地を見せた。 4点を追う8回2死一、二塁。ソフトバンク2番手モイネロの149キロの真ん中高め直球を、左翼スタンドに運んだ。昨オフ、2年ぶりにソフトバンク内川との合同自主トレに臨んだ。打席に向かう心構えや打撃について助言をもらえる貴重な存在。その内川の前で会心の1発を放ち「いいピッチャーから打てたんでいいきっかけにしたい」と話した。

◆真っ赤に染まるスタンドを沈黙させた。ソフトバンク・グラシアルが、交流戦開幕から4戦連発となる13号ソロを左中間スタンドに突き刺した。 1点リードの6回1死。床田の147キロの低めの直球にコンパクトに合わせた。「低めの球だったけど、完璧に打ち返せた」。頼れる助っ人は涼しい顔で快音を振り返った。 セの本拠地のため、DH制の採用はなし。デスパイネが先発から外れ、グラシアルが今季初めて4番左翼でスタメン出場した。前2打席はともに内野ゴロに終わったものの、勝負どころではきっちり「主砲」の責任を果たした。 昨年秋。広島との日本シリーズ第6戦(マツダスタジアム)。ジョンソンの低めのボール球を左中間スタンドに運んでいた。「4連発? 今までも経験あるよ。(今日も)しっかり芯に当たったからね」。4連覇を目指すセ界王者が相手でも、強力助っ人には敵ではない。

◆ソフトバンクは昨年の日本シリーズで広島を圧倒した「甲斐キャノン」が、破られた。初回1死一塁でまず、菊池涼が企画。タイミングはアウトだったが、二塁川瀬が送球を捕れず(記録は盗塁死と川瀬の失策)。 4回2死一塁では田中広が二盗。甲斐はボールを握り直して送球できず、昨年日本シリーズから8度目の企画で初盗塁を許した。それでも「あまり意識していない。最終的にホームを踏ませなければいいと思っている」と、好リードと3安打で勝利に貢献した。

◆上々デビューだ。広島遠藤淳志投手(20)が7日、プロ初昇格した「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク戦でプロ初登板を果たした。4点を追う7回に3番手として登板し、プロ初三振を奪うなど、打者3人を無安打無失点に抑えた。チームが連敗した中で20歳右腕の躍動は希望の光。同期入団の山口らとともに、広島投手陣を刺激していく。初昇格した日に訪れた初登板にも、20歳遠藤は懸命に腕を振った。4点を追う7回に登板。「緊張で体がフワフワしていた。強気の投球でいこうと。必ず腕を振って自分の思った球を投げることを意識した」。いきなり真砂からスライダーでプロ初三振を奪うと、続く高田を三ゴロ。さらに3番内川にも真っ向勝負を挑み、三ゴロに打ち取った。球数14球、打者3人を完璧に抑える上々のデビューとなった。 高卒2年目での初昇格にも、「ようやくです」ともらした。同期入団で同い年の山口は一足早く5月6日に初昇格し、同30日にはプロ初勝利も手にした。プライベートでも仲のいい球友を祝福する気持ちも当然あった。だが「悔しさの方が強かった」とライバル心を隠そうとはしなかった。 根っからの負けず嫌いだ。おとなしそうなベビーフェースからは想像もつかないが、武闘派の一面がある。「子供のころからけんかっ早かった」。小学校に親が呼び出されたことも何度かあったという。強気な姿勢は投球につながった。プロ初登板で大きな緊張を背負いながらも、2年連続日本一のソフトバンクを相手に攻める気持ちを貫いた。 2死から対戦した内川とは16歳違う。「小さいころから見てきたスター選手。こうして戦えることを誇りに思う」とプロ野球選手になったことを実感しながらも、かぶりを振る。「でも今はプロ。ここからです。変化球のときにもっと腕を振れれば、もっといい投球ができると思う」。1歩目を踏み出したに過ぎない。 遠藤に続き、8回は再昇格の1年目島内が3者凡退に抑えた。若手投手の奮闘に緒方監督も「どんどん経験して、結果内容が良かったら自信にして頑張ってくれたらいい。(遠藤は)内容と結果を見ながら起用法を考えていきたい」と目を細めた。連敗とはなったが、チームに若手投手が新しい風を吹き込んでいる。【前原淳】 ▽広島佐々岡投手コーチ(初登板の遠藤に)「投げっぷりは良かった。力みはしょうがない。結果として無失点。いいスタートじゃないか」

◆ソフトバンク千賀滉大投手(26)が7回0封で6勝目を挙げ、12球団唯一の交流戦開幕4連勝に導いた。チームを勝たせる。それがエースの役割なら、千賀は投打でその役目をしっかり果たした。 序盤から走者を背負う場面が続いた。それでもホームは踏ませない。打撃好調の3番バティスタ、4番鈴木を迎えるとギアを上げた。「あの2人がキーポイントだと思っていた。打たせて取ろうと思っていったら、簡単に行かれる。思い切り抑えるつもりで行きました」。2打席目まで計4度の対戦をすべて空振り三振。3打席目も両者を打ち取った。要所をしっかり抑え、広島打線を分断した。 主砲デスパイネがスタメンを外れ、初対戦の広島先発床田に苦戦する打線にも、千賀が刺激を与えた。3回2死ではきれいに中前にはじき返し、チーム初安打。そして5回。前打者の川瀬が犠打を失敗して1死一、二塁の場面だ。送りバントが決められずに追い込まれたが、バスターで粘り、なんとか一塁ゴロで走者を進めた。「みんなにほめられてめちゃくちゃうれしかった」。真砂の先制打を呼び込む執念の打席だった。 「グラウンドを駆け回ったので、足が疲れた」。打者、走者としての奮闘もあり、足に張りが出た。今季の千賀にしては少ない105球で降板したが、工藤監督も「今日は落としたくない試合だった。いいピッチングをして、千賀に勝ち星がついてよかった」とほめた。チームも単独首位に返り咲いた。このまま勝ち続ける。【山本大地】

◆広島がソフトバンクに敗れ、交流戦は1勝3敗となった。緒方孝市監督(50)は敗戦の中、若いリリーフ陣の奮闘を収穫に挙げ、以下の談話を残した。-若い投手が活躍 緒方監督 どんどん経験してもらって、こういう結果、内容がよかったら、また自信にしてもらって、がんばってくれたらいい。 -遠藤が上々デビュー 緒方監督 こういう経験をしていく中で、投球内容と結果をみながら起用法を考えていきたい。 -中崎が乗れない 緒方監督 状態を上げていってもらわないと。 -鈴木が意地の3ラン 緒方監督 いい打撃をしてくれたと思います。

◆広島のドラフト2位ルーキー島内颯太郎が復活の1回完全救援だ。 2軍から急きょ呼ばれ、午後4時前に球場入り。8回に4番手で登場し、グラシアル、松田宣を最速151キロの直球で空振り三振に仕留めるなど、1回を完全に抑えた。開幕1軍入りしながら4試合で2軍降格し、2カ月ぶりの昇格だった。 「めちゃめちゃ緊張した。先頭を思ったところで真っすぐで三振を取れたのがよかった」と話した。

◆ソフトバンクが4連勝。千賀が7回を投げ、3安打無失点で6勝目を挙げた。4連投の森が17セーブ目。5回に真砂の適時打で均衡を破り、6回はグラシアルのソロと甲斐の2点二塁打で加点した。広島は投打がかみ合わなかった。

◆ソフトバンクは途中出場の福田秀平外野手が9回、貴重な1発を放って勝負を決めた。1点差の9回1死二塁。中崎のスライダーを左翼席に運ぶ2号2ラン。 「すごくいい場面だったし、甘い球だったので結果が出てよかった」。プロ通算17本目の本塁打だが、逆方向へのアーチはプロ初。「今までセンターとライトにしかホームランを打ってなかったし、納得のいく一打です」と笑顔だった。

◆ソフトバンクの真砂が先制の適時打を放ち、今季初打点を挙げた。五回2死一、三塁から「必死に球に食らいついていった」と、内角速球に詰まりながらも一塁手の頭上をしぶとく越した。  京都・西城陽高からドラフト4位で入団したプロ7年目の右打者。6日は途中出場で今季初安打を左投手から放った。この日は相手先発が左腕の床田のため初めて1番に起用され、期待に応えた。工藤監督は「振りたいところを我慢して、つなげようという気持ちが非常に出ていた」とたたえた。

◆ソフトバンクのグラシアルが4試合連続アーチとなる13号ソロを放った。1-0の六回に「低めの球だったけど、完璧に打ち返せた」と左中間席へ鋭く運ぶ。セ・リーグの本拠地で指名打者制がないため守備に不安のあるデスパイネは先発を外れた。代わりに今季初めての4番に座り、見事な打棒を発揮した。  昨季は54試合で9本塁打だったが、今季は36試合の出場でハイペースで本塁打を量産。「チームの中でいろんな話し合いをし、(来日)2年目が生きているね」と日本球界にしっかり順応している。

◆"甲斐キャノン"をついに突破した。四回2死一塁で、田中広が二盗に成功。甲斐には昨年、日本シリーズ記録の6連続盗塁阻止を許し、この日も一回に菊池涼が盗塁刺(二塁・川瀬の失策でセーフ)。チーム8度目の挑戦で重い扉をこじ開けた。試合前のコーチ会議で緒方監督は「走らないとうちの野球じゃない」と熱弁。試合は敗れたが、田中広の勇気ある盗塁がファンをスカッとさせた。

◆昨年の日本シリーズの再戦にふさわしく、両リーグの首位で激突だ。雪辱に燃える真っ赤な観客席を黙らせたのは鷹のエース。赤ヘルの中軸をねじ伏せたソフトバンク・千賀が6勝目を挙げた。  「あの2人がキー。そこを抑えないといけないと思っていました」  一回1死一塁でバティスタにカットボール。2死二塁で鈴木から155キロで連続の空振り三振を奪った。三回1死二塁では、一回と決め球を入れ替えて連続三振。「打たせて取ろうと思ったら、あの2人には簡単にやられる。思い切り抑えにいきました」と三振を狙って封じた。四回以降は無安打で7回3安打無失点。105球で早めの降板は、投球以外でも勝利に貢献したからだ。  「グラウンドをかけまわって足が疲れました」  三回2死の今季初打席で中前へ。通算3本目の安打はチーム初安打。五回1死一、二塁の一ゴロも先制点につながる進塁打になった。バント失敗の後、サインの確認に村松三塁ベースコーチの元へ。「(サインの)手が早くて全然分からなくて。間違えるよりは聞く方がいい」。バスターで2死一、三塁を作った。  「(進塁打を)みんなにほめられて、うれしかった。パ・リーグの投手は年に何打席かしかないので楽しみたいです」  強打者さながらのフェースガード付きのヘルメットで登場した。「ひと笑い取れたらと思って」。チームのバットを使う投手も多い中で「軽くて振りやすい」と同期の牧原モデルを発注。交流戦前から積極的に練習した。今季は筋力強化で球速が上がったが、打撃も「すごく飛ぶようになった」と笑顔。投打でチームの勢いを加速させた。  「交流戦はまだ続くので一戦一戦頑張ります」  チームは直近のリーグ戦で3連敗。首位から3位に転落していたが、過去7度優勝、207勝121敗12分けで最高勝率・631を誇る得意の交流戦で息を吹き返した。開幕4連勝でパ・リーグの単独首位にも立ち、セの王者には日本シリーズから5連勝だ。 (安藤理) ★2018年日本シリーズVTR  広島とソフトバンクが日本シリーズで初めて対戦した。マツダスタジアムでの第1戦は引き分け、第2戦は広島が先勝。ヤフオクドームに舞台を移し、第3、4戦に勝利したソフトバンクは第5戦で延長十回に柳田がサヨナラ本塁打。マツダスタジアムでの第6戦も制し、通算4勝1敗1分けで2年連続の日本一。日本シリーズ新記録となる6連続盗塁阻止のソフトバンク・甲斐が、育成出身選手では初のMVPに輝いた。

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
400 1.000
(-)
-
(-)
1423
(+6)
13
(+3)
12
(+2)
4
(-)
0.287
(↓0.011)
3.000
(-)
2
(2↑)
西武
310 0.750
(↑0.083)
1
(-)
1421
(+6)
17
(+2)
7
(+1)
4
(+1)
0.288
(↓0.003)
3.920
(↑0.58)
3
(2↑)
巨人
310 0.750
(↑0.083)
1
(-)
1411
(+4)
10
(+3)
5
(+1)
0
(-)
0.244
(↑0.006)
2.570
(↓0.15)
4
(2↑)
日本ハム
310 0.750
(↑0.083)
1
(-)
1413
(+3)
14
(+2)
2
(-)
4
(+1)
0.269
(↑0.019)
2.920
(↑0.29)
5
(2↓)
ORIX
210 0.667
(-)
1.5
(↓0.5)
159
(-)
5
(-)
1
(-)
1
(-)
0.308
(-)
1.670
(-)
6
(4↓)
阪神
220 0.500
(↓0.167)
2
(↓1)
1421
(+2)
14
(+3)
3
(-)
5
(-)
0.279
(↓0.04)
2.500
(↑0.83)
7
(-)
ヤクルト
120 0.333
(-)
2.5
(↓0.5)
1512
(-)
10
(-)
3
(-)
2
(-)
0.225
(-)
3.040
(-)
8
(4↑)
中日
130 0.250
(↑0.25)
3
(-)
1423
(+13)
20
(+3)
4
(+1)
1
(+1)
0.254
(↑0.03)
5.450
(↑0.93)
9
(-)
広島
130 0.250
(↓0.083)
3
(↓1)
1418
(+3)
21
(+6)
4
(+1)
2
(+1)
0.199
(↓0.003)
4.380
(↓0.52)
10
(-)
DeNA
130 0.250
(↓0.083)
3
(↓1)
147
(+2)
15
(+6)
2
(-)
1
(-)
0.234
(↓0.039)
3.710
(↓0.83)
11
(-)
ロッテ
130 0.250
(↓0.083)
3
(↓1)
1414
(+3)
23
(+4)
1
(-)
4
(+3)
0.233
(↑0.023)
5.250
(↑0.21)
12
(4↓)
楽天
130 0.250
(↓0.083)
3
(↓1)
1410
(+3)
20
(+13)
2
(-)
0
(-)
0.250
(↑0.024)
4.630
(↓2.3)