広島(☆3対1★)中日 =リーグ戦11回戦(2019.05.22)・マツダスタジアム=
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中日
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広島
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勝利投手:大瀬良 大地(4勝2敗0S)
敗戦投手:ロメロ(3勝3敗0S)

本塁打
【広島】會澤 翼(4号・5回裏2ラン)

  DAZN
◆広島が破竹の9連勝。広島は1点を先制して迎えた5回裏、會澤が2ランを放ち、貴重な追加点を挙げる。投げては、先発・大瀬良が、6者連続三振を奪うなど、9回3安打1失点8奪三振の快投で今季4勝目。敗れた中日は、先発・ロメロが試合をつくるも、打線が援護できなかった。

◆広島会沢翼捕手(30)がリードを広げる4号2ランを放った。 1-0の5回2死一塁で、中日先発ロメロのストレートを右翼ポール際のスタンドに運んだ。「後ろにつなぐ気持ちでいきました。大地(大瀬良)が頑張っているのでいい援護点になりました」と話した。

◆広島が2回に敵失で先制。2死一、三塁から野間の三塁への当たりが高橋の後逸を誘った。先発大瀬良は3回まで7奪三振で完全。 広島は5回に会沢の4号2ランで突き放した。大瀬良は6回1死から加藤に右前打を許したが、6回まで無失点を続けた。 中日は7回2死からビシエド、高橋の連打で1点返したが反撃及ばず。広島が逃げ切り、連勝を今季最多の9に伸ばした。 広島大瀬良が4勝目、中日ロメロが3敗目。

◆広島大瀬良大地投手(27)が魂の力投だ。緒方孝市監督(50)が父義雄さんが亡くなったため不在だった中日11回戦(マツダスタジアム)で9回3安打1失点の完投勝利。 悲しみを胸にチームを離れた指揮官に勝利の報を届けた。自身4勝目で、チームは今季最長の9連勝。がっちりと首位をキープした。なお、この日は高信二ヘッドコーチ(52)が監督代行を務めた。 大瀬良はお立ち台に上がり、最後は鈴木と西川からウオーターシャワーも浴びせられていた。 大瀬良のヒーローインタビューは次の通り。 -ナイスピッチングでした 大瀬良 ありがとうございます! -9回の表、マウンドに上るとき、たくさんの拍手を受けていました。 大瀬良 9回に上がるときはいつも大きな声援をいただいて、力をもらっているので、なんとかしっかりと試合を締めくくりたいなと思ってマウンドに上がりました。 -途中までノーヒットノーランいくんじゃないかという勢いだったですが、投球を振り返って 大瀬良 そうですね、そこに関してはあんまり興味はなかったんですけど、それだけ調子はよかったのかなと思っていたので、とにかくストライクゾーンの中で打ってもらって、守りに助けられながら頑張っていきたいなというふうには思っていました。 -一番よかったところは 大瀬良 序盤にカットボールで思うように空振りも取れてましたし、まっすぐでも差し込んでいたので。やっぱりまっすぐが軸になると思うので、そこがよかったのかなと思ってます。 -序盤の6者連続三振。お見事だったですが、どんなことを考えていたんですか 大瀬良 まあ、三振を取るようなタイプでもないので、調子がいいのかなぐらいで思ってたんですけど、まあ最後まで投げられてよかったかなと思います。 -1度も先頭打者の出塁を許しませんでしたね 大瀬良 序盤、前回、前々回と序盤のほうで点数を取られてましたし、毎回先頭打者は打ち取って自分優位の中で勝負できるようにと思って投げてたので、結果的にはそうなってよかったと思います。 -早めに追い込んで、ボール球を振らせる投球もできたのでは 大瀬良 序盤はボール球を振ってもらってたんで、よかったかなとは思います。 -中日戦は3戦3勝。全部完投です。 大瀬良 ありがとうございます。そうですね、先発でマウンド上がる以上は最後まで投げたいという思いの中で毎回上がっているので、たまたまだと思いますけど、そうなっているということで、最後まで投げきることは先発としては最高の形だと思います。 -バッティングでは大瀬良さんのヒットが点につながりましたよ 大瀬良 9番目にバットを持って立つので、なんとかアクションを起こしたいなと思って打席には立ってます。その結果、ああいう形になってよかったかなと思います。 -チームは9連勝。週末は東京ドームに乗り込みます。チームを代表してひと言 大瀬良 毎回大きな声援をありがとうございます。まだまだ連勝を伸ばしていけるようにファンのみなさんと一緒に戦っていきたいと思います。これからもよろしくお願いします!

◆中日の借金が今季最多の6に膨らんだ。広島先発大瀬良に1点を返すのが精いっぱい。6回途中までは6連続三振を含むパーフェクトペースも許し、コイのエースに今季3連続完投負けを喫した。 打線も今季ワーストの3安打。2カード連続で負け越しになった。 与田監督は悔しさをかみ殺し、さばさばと振り返った。「元気が出てないのでなく、力がない。元気と能力は違う。2試合で3点しか取れていない。ここは素直に認めてやっていくしかない。投手も先取点を取られないという、基本のことをやっていくしかない」。最下位から首位に返り咲いた広島とは対照的に、最下位DeNAと0・5差となり、竜のしっぽに火が付いた。

◆広島大瀬良大地投手(27)が魂の力投だ。緒方孝市監督(50)が父義雄さんが亡くなったため不在だった中日11回戦(マツダスタジアム)で9回3安打1失点の完投勝利。悲しみを胸にチームを離れた指揮官に勝利の報を届けた。自身4勝目で、チームは今季最長の9連勝。がっちりと首位をキープした。また、高信二ヘッドコーチ(52)が監督代行を務めた。監督不在の中、エースが魂の投球を見せた。試合前に緒方監督の父義雄さんの訃報と指揮官不在を知った。「監督が掲げられている野球をしっかりやることが僕たちができること。とにかく守り勝つ野球をと思ってマウンドに上がりました」。弔い星を誓ったマウンドで、その気持ちは投球に乗り移った。 終始、力で押した。真っすぐとカットボールが全投球数の約75%を占めた。「ボール球を振ってくれて、空振りも多かった。アツ(会沢)さんもメインで要求してくれたので、調子がいいのかなと迷うことなくいけました」。直球の精度を欠いた前回登板からきっちり修正。時折、曲がりの大きなスライダー、緩いカーブ、縦のフォークを効果的に織り交ぜた。 2回から6者連続三振を奪い、4回表の前には中日が円陣を組んだ。「早打ちしてくるのかなと思ったので、打たれるまではしっかりストライクゾーンに投げようと」。冷静な判断で球数を減らした。テンポのいい投球が守りにリズムを与え、好守連発の好循環。まさに守り勝つ野球で勝利をたぐり寄せた。 この日も赤と青がはっきりと見えていた。スタンドのファンの姿だけではない。ホームベース上にも赤と青が見える。「今年は相手の得意なコースに赤、苦手なコースに青をイメージしながら投球するようにしているんです」。対戦してきた経験とスコアラーのデータを照らし合わせながら、打者の得意不得意が視覚化できるようになった。 中日戦3試合連続完投勝利(1完封)でチームを今季初の9連勝に導いた。自身登板日に限れば6連勝。一時最大8あった借金は、貯金8。お立ち台では鈴木と西川からたっぷりの氷水をぶっかけられ「寒いっすね。でもアイシング完了です」と笑った。V字回復したチームの中心には、エースに成長した右腕がいる。【前原淳】   ◆広島会沢 序盤からいい投球をしてくれた。全部の球種が良かったですし、テンポも良かった。 ◆広島佐々岡投手コーチ 真っすぐが良かった。カットもキレキレだった。(6回に松井佑の三遊間への打球を)小窪がファインプレーしたときに(完全試合を)やると思ったんだけどね。 ◆広島小窪(6回、松井佑の三遊間に抜けようという当たりを好捕)「大地がいいリズムで投げていたんで。右打者は三塁線はないと思って、ちょっと三遊間に寄っていた。あわてて投げた2バウンドを(一塁バティスタが)よく捕ってくれて助かりました」。

◆広島が一丸野球で中日を破り、連勝を今季最多の9に伸ばした。緒方孝市監督(50)が、22日朝に死去した父義雄さんの通夜、葬儀に出席するため、就任5年目で初めて欠場。 高信二ヘッドコーチ(52)が監督代行を務める中、大瀬良が気迫の投球で今季3度目の完投勝ちを収めた。会沢が4号2ランでアシストし、守備陣も再三の好守で支えるなど、1つになって弔い星を届けた。監督代行として広島を9連勝に導いた高ヘッドコーチは、ベンチ裏でかみしめた。「監督がいない中、1試合だけですけど、勝ってゆっくりお父さんを送ってもらえるのはよかった」。午前9時ころ、緒方監督から父義雄さんがこの日死去したことを、電話で伝えられた。84歳だった。チームを離れた監督に「頼みます」と後を託された。同監督の欠場は就任5年目で初めて。悲しみに沈む指揮官のため、勝つしかなかった。 ナインの思いも同じだった。先発大瀬良の奮闘に呼応するように、女房役の会沢が1点リードの5回に4号2ランをかっ飛ばした。ロメロの外角直球を右翼ポール際へ。「監督のためにじゃないけど、監督がいなくてもしっかりしたゲームができてよかった」。6回先頭の守りでは三塁小窪が三遊間の強い当たりをダイビングキャッチし、一塁に2バウンド送球でアウトに。9回の守りでは、先頭阿部の一、二塁間を抜けようかという当たりを、二塁菊池涼が芸術的なスライディングキャッチで阻んだ。 ナインはジェットコースターのようなシーズンを、監督とともに歩んでいる。3連覇中の王者として臨んだはずが、一時は借金8、首位に7ゲーム差の最下位に沈んだ。打線が機能せず、守備もミスを連発。そこから猛烈に巻き返し、2度目の8連勝で初の単独首位に立ったところでの訃報だった。連勝を途切れさせるわけにいかなかった。 高ヘッドは「今日は(大瀬良)大地に尽きる。打つ方も会沢がいいところで打ったし、守備も菊池がよく守った。小窪もいいプレーが出た」とねぎらった。そして「こういう引き締まったゲームを、あさってからの東京ドームでもやっていきたい」と話した。緒方監督は24日巨人戦から再び指揮を執る予定。しっかりと連勝のバトンを渡す。【村野森】

◆広島西川龍馬内野手が2試合連続の2安打で、出場試合の連続試合安打を16に伸ばした。8試合連続して5番左翼で先発。 中日先発ロメロから3回に中前打を放ち、5回にも中前打を放って会沢の中押し2ランを呼び込んだ。「(状態が)いいか悪いかはわからないけど、わりかしボールは見えていた。(連続安打は)あまり気にしないようにしている」と話した。

◆広島が今季初の9連勝で貯金「8」とし、首位を守った。緒方孝市監督はこの日、父義雄さんが同日亡くなったため、チームを離れ、高信二ヘッドコーチが監督代行として指揮を執った。  広島は二回、相手の失策で1点を先制すると、五回2死一塁で会沢が右越え4号2ランを放ち、2点を追加し3-0とした。先発の大瀬良は五回まで一人の走者も許さない完璧な投球を披露。六回1死から加藤に初安打を許したが、3安打1失点の完投で4勝目(2敗)を挙げ、24日に復帰する予定の緒方監督を安心させた。

◆広島の会沢が4号2点本塁打を放った。1-0の五回2死一塁で、1ストライクからロメロの速球に合わせると、打球は右翼ポール際に吸い込まれた。「後ろにつなぐ気持ちでいきました」と話した。  好投を続ける先発の大瀬良を勇気づける一発に「大地(大瀬良)が頑張っているので、いい援護点になった」と喜んだ。(マツダ)

◆中日のロメロは5回3失点と踏ん張れなかった。五回2死一塁では会沢に外角の直球を右翼ポール際に運ばれ「最後に本塁打を打たれた球は甘く入ってしまった」と悔やんだ。  3敗目を喫し、与田監督は「5回3失点は満足いく数字ではない。投手は先取点を取られないようにしないといけない」と厳しかった。

◆2連敗で借金は今季最多の6となった。4月に完封を許すなど相性の悪い大瀬良には今季3連敗。与田監督は「打線に力がない。素直に受け止めた中で、やっていくしかない」と力負けを認めた。六回の加藤の右前打がチーム初安打。七回にビシエド、高橋の連打で1点こそ返したが、反撃はそこまでだった。これで2カード連続の負け越し。現在5位だが、最下位のDeNAが0・5ゲーム差まで迫ってきた。 七回に適時二塁打の中日・高橋 「甘く来た球を逃さず打つことができた」 打線に中日・村上打撃コーチ 「大瀬良の出来がいいからといっても、何とかしないといけない。次はやり返したい」

◆エースが、快刀乱麻の投球を披露した。広島・大瀬良が立ち上がりから中日打線を寄せ付けず、3安打無四球1失点、91球の完投で、チームを2017年9月以来の9連勝に導いた。  緒方監督の父・義雄さんがこの日朝亡くなり、監督不在で臨んだ一戦で"弔い星"をつかみ、「練習前のミーティングで聞きました。最後まで投げたい。監督が掲げる"守り勝つ野球"をしたいと思っていた。先発として投げ切るのは最高の形」とうなずいた。  勝利に向かってナインを鼓舞するピッチングだった。一回をわずか10球で三者凡退で仕留めると、二回先頭の4番・ビシエドから6者連続三振。六回1死までひとりの走者も出さない、完全投球で圧倒した。  指揮官にとっては突然の別れだった。義雄さんは2016年に肺の病気で体調を崩すまでは佐賀・鳥栖市で魚の卸売り加工業や鮮魚店を経営。近年は家業を娘夫婦に譲って経営から退き、自宅で療養していたが、毎年正月に帰省すると「今年こそ日本一だぞ」と激励してくれていた。母・孝子さんが1995年にがんで52歳で他界しており、両親を失った悲しみは大きい。大瀬良の投球に鼓舞されたナインも、二回に相手失策で先制すると五回には会沢が2ランを放つなどして、広島から約221キロ離れた佐賀に元気を届けるプレーで快勝した。  お立ち台で今季最多3万2137人の歓声を独り占めした大瀬良は、ヒーローインタビューの直後に鈴木と西川から氷が入った水をぶっかけられた。肩肘を気遣う投手に対してはあまりない手荒い祝福だったが、「急に歓声が大きくなったので何かあるのかなと思った。もうアイシングが終わっていたので良かった」。笑みを浮かべ、気持ち良さそうに空を見上げた。  単独首位に立ってからも勢いは衰えず、この日DeNAに敗れた巨人とのゲーム差を1・5とした。緒方監督は24日の巨人戦(東京ドーム)から復帰する予定。眼下の敵を相手に首位固めに入る。 (柏村翔)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
26181 0.591
(↑0.01)
-
(-)
98176
(+3)
168
(+1)
41
(+1)
25
(-)
0.245
(-)
2.970
(↑0.05)
2
(-)
巨人
23181 0.561
(↓0.014)
1.5
(↓1)
101213
(+1)
164
(+5)
53
(+1)
24
(-)
0.265
(↓0.001)
3.580
(↓0.04)
3
(-)
阪神
23212 0.523
(↑0.011)
3
(-)
97177
(+3)
197
(+2)
32
(+1)
29
(+3)
0.245
(↑0.001)
3.700
(↑0.04)
4
(-)
ヤクルト
21232 0.477
(↓0.011)
5
(↓1)
97217
(+2)
223
(+3)
52
(+1)
19
(-)
0.246
(↑0.001)
4.330
(↑0.06)
5
(-)
中日
19250 0.432
(↓0.01)
7
(↓1)
99152
(+1)
168
(+3)
28
(-)
27
(-)
0.256
(↓0.004)
3.740
(↑0.03)
6
(-)
DeNA
18250 0.419
(↑0.014)
7.5
(-)
100170
(+5)
185
(+1)
53
(+3)
10
(+1)
0.239
(↑0.001)
3.920
(↑0.07)