巨人(★1対4☆)ヤクルト =リーグ戦9回戦(2019.05.12)・東京ドーム=
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ヤクルト
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巨人
1000000001400
勝利投手:高梨 裕稔(4勝2敗0S)
(セーブ:梅野 雄吾(0勝1敗3S))
敗戦投手:山口 俊(4勝1敗0S)
  DAZN
◆ヤクルトは1点を追う3回表、山崎の適時三塁打で同点とする。さらに雄平の適時二塁打、川端の適時打が飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、先発・高梨が5回1失点で今季4勝目。なお、この試合で巨人・坂本勇がセ・リーグ新記録となる開幕から36試合連続出塁を達成した。

◆ヤクルトは3回に打線がつながり、3点を奪い逆転した。 1点を追う3回無死一塁で、山崎晃大朗外野手が巨人先発山口の147キロ直球をとらえて右中間を破る三塁打を放ち、1点を返した。「特にサインは出ていなかったので、低く強い打球を打つことを心がけました」と話した。 無死三塁で、今季初めて3番に入った雄平外野手が149キロ直球を右中間へはじき返し、二塁打で1点を挙げて勝ち越した。「山崎が三塁まで走ってくれたので、内野ゴロでもいいという楽な気持ちで打席に入りました。打ててよかったです」とコメントした。 さらに1死二塁のチャンスで、途中出場で5番に入った川端慎吾内野手が右前打を放ち、1点を追加した。

◆巨人坂本勇人内野手(30)が、開幕からの連続試合出塁記録を36試合とし、セ・リーグ新記録を樹立した。 1回裏1死、ヤクルト先発高梨の外寄り135キロのフォークボールを中前にクリーンヒットした。 2リーグ制後、セ・リーグ記録の97年金本知憲(広島)の35試合から更新させた。日本記録は83年スティーブ(西武)の40試合。 坂本勇は10日には球団記録だった77年王貞治の34試合を抜いている。

◆巨人は1回に亀井の中犠飛で先制。ヤクルトは3回に山崎の適時打三塁打、雄平の適時二塁打、川端の右前適時打で3点を奪った。 ヤクルトは先発高梨が5回1失点で粘り、2点リードで2番手ハフにスイッチ。巨人山口は、今季最短の3回3失点で降板した。 ヤクルトは9回に太田の左前適時打で1点を追加した。巨人は再三のチャンスを生かせずに連敗。山口は今季初黒星を喫した。 ヤクルト高梨が4勝目。

◆ヤクルトは0-1の3回に山崎の適時三塁打、雄平の適時二塁打、川端の適時打で3点を奪い逆転し、9回に太田の適時打で加点した。高梨が5回1失点で4勝目。9回は梅野が締めた。巨人は10残塁の拙攻で犠飛の1点にとどまった。 巨人坂本勇人が第1打席でセ・リーグ記録を更新する開幕36試合連続出塁となる中前安打を放った。ヤクルトは2年目19歳の村上が初めて4番に入った。

◆巨人坂本勇人内野手が開幕戦から36試合連続出塁。2リーグ制後、開幕戦からの連続試合出塁は83年スティーブ(西武)の40試合で、セ・リーグでは97年金本(広島)の35試合を抜く新記録。 ヤクルト3連戦はすべて第1打席で安打を放ったが、今季の第1打席は32打数14安打、打率4割3分8厘で、打席別では第1打席の打率が最も高い。なお「開幕戦」からの条件を外した連続試合出塁のセ・リーグ記録は01年松井(巨人)の65試合で、36試合以上は坂本勇でリーグ38度目。

◆巨人坂本勇人内野手(30)が、セ界新記録を塗り替えた。 1回1死、カウント1-1からの135キロフォークを中前へ。クリーンヒットで開幕からの連続出塁を36試合に更新した。97年金本(広島)を上回るセ・リーグ単独トップ。自身は大記録を打ち立てたが、チームは連敗。主将は「なかなか点が入っていない。後から出てきた投手陣が頑張ってくれた。打者陣がつながっていかないと」と勝敗を最優先した。 記録に対する注目度が徐々に高まってきた一方で、坂本勇自身は逆に感心が薄まっている。記録についての質問には「もうその話はいいかな」と興味を示さない。143分の1試合、1勝を突き詰めるルーティーンに個人記録が強引に割ってはいる余地はない。連続出塁記録の継続確率は数字上では約90%の高確率。好打者、打線の柱だという事実がサイエンスからも証明されている。 未知を意味する「X」にまつわる因果関係もある。ナイター後に東京ドームの選手サロンで夜食をオーダーしているが、お気に入りは東京都発祥のブランド豚「TOKYO X」を使用したシューマイだ。豚しゃぶ、サムギョプサルなども日替わりでメニューに並ぶ。ビタミンB群が豊富に含まれ、疲労回復を助ける。プロ野球記録の83年スティーブ(西武)の40試合まであと4試合。プロ野球記録の先にある、未知なる領域へと突き進む。【為田聡史】

◆巨人は1回に先制したが、4安打に封じられて連敗を喫した。原辰徳監督は「(1回は)チャンスらしいチャンスはあれぐらい。難しいですね」と言った。 4番岡本は5回1死一、二塁で3球連続フォークを空振りするなど、2打席連続で3球三振。指揮官は「すごいボール球を振っているように、横からは見えるね。あれがストライクであるならば打撃を少し考える必要があるでしょう」と指摘した。

◆ヤクルト高梨裕稔投手が5回を6四球ながら、被安打1の1失点で4勝目を挙げた。 カーブとフォークを効果的に使い、5回2死一、二塁では岡本をフォークで3球三振。「一昨日悔しいゲーム(19失点)をして、なんとか勝ち越して帰ろうとチーム全員が思っていた。みんなでとった2勝」と話した。地元千葉から両親が駆けつけた。母・早苗さんは、日本ハムからのトレードが決まった際に「自分らしく頑張って」と応援してくれた。母の日に手にしたウイニングボールを「あげます」と笑った。

◆ヤクルトが連勝で、巨人に勝ち越した。ケガ人を多く抱える状況で、球団史上最年少タイで、村上宗隆内野手(19)が初めて4番に入った。 2-1と勝ち越した直後の3回無死二塁、カウント2-2から巨人先発山口のフォークに空振り三振を喫し、追加点を奪えず。3打数3三振1四球と結果は残せなかった。 少ないチャンスで、打線がつながった。1点を追う3回に先頭の太田が四球を選ぶと、山崎が右中間を破る三塁打で同点に追いついた。無死三塁で、今季初めて3番に入った雄平の二塁打で1点を追加。1死二塁で、途中出場の川端がしぶとく右前打を放ち、3点目を挙げた。小川監督は「こういう状況の中、うまくつないだ。効果的にタイムリーが出て、いい攻撃だった。チャンスはたくさんあるので、その中で結果を出せば次につながる」と話した。 今カードは、初戦を7-19と今季ワーストの19失点で落とした。最悪のスタートだったが、2連勝で勝ち越し。指揮官も「今の状況で、巨人に勝ち越したのが大きい」と喜んだ。 坂口、バレンティンに次いで青木、山田哲もスタメンを外れた。さらに西浦も途中交代したピンチを、勝利で切り抜けた。これからも、試練をチーム一丸となって乗り越えていく。

◆ヤクルト西浦直亨内野手(28)が、12日の巨人9回戦(東京ドーム)で途中交代した。 5番遊撃でスタメン出場も、2回の守備から退いた。練習中に足を傷め、試合中に病院へ向かった。小川監督は「状態は、あまりよくない」と明かした。スタメンを外れた青木宣親外野手(37)と山田哲人内野手(26)は、14日からの広島遠征(マツダスタジアム)のメンバー入りする見込み。

◆巨人山口俊投手が試合を作れず今季初黒星を喫した。 直球、変化球ともに制球に苦しみ、3回までに84球を要した。流れに乗れず5安打4四球3失点と今季最短でマウンドを降りた。「状態は悪くなかった分、慎重になりすぎてしまった。開幕当初のようにストライクで勝負することを意識したい」と反省した。

◆巨人坂本勇人内野手の出塁率4割2分8厘とは、文字通り42・8%の確率で出塁し、57・2%の確率で出塁できないことを意味する。 1日4打席に立つと仮定すると、全ての打席で出塁できない確率は57・2%を4回かけた10・7%で、逆に89・3%(100%-10・7%)の確率で1日1度は出塁するということになる(1日5打席なら93・9%)。とはいっても、それを36試合続けられる確率はわずか1・7%。確実に確実を積み重ね、今の記録に到達した。 ちなみにシーズンの残り107試合で出塁を続ける確率は? 89・3%を107回かけた数字は...約0・0005%。今の坂本勇が毎年挑んだとしても、20万年に1回という天文学的な偉業だ。

◆ヤクルトがチーム一丸となって、巨人から大きな1勝を手にした。試合前の東京ドームに「4番ファースト村上」のアナウンスが流れると、ファンからはどよめきが起こった。球団史上最年少タイで4番に座ったのは、高卒2年目、19歳の村上。3打数無安打1四球に終わったが「(4番の)意識はまったくなかった。チームが勝ったので良かった。また明後日から頑張ります」と前向きに話した。 窮地で、打線がつながった。1点を追う3回に先頭の太田が四球。無死一塁で、今季先発4試合目の山崎が右中間へ三塁打を放ち同点。雄平、川端とベテランも続き、3点を挙げて逆転した。青木、山田哲がスタメンを外れ、さらに主力の西浦も途中交代する緊急事態。約2年ぶりの猛打賞をマークした山崎は「僕にとってはチャンス。役割を目いっぱい果たして、勝つのがベスト」ときっぱり。小川監督も「こういう状況だからこそ、脇役の活躍が貴重」と評価した。 巨人に連勝し、ゲーム差は1。開幕戦のクリーンアップで、ただ1人出場を続ける雄平は「すごい選手も残っている。力を合わせれば、巨人にも勝てる。自信にしていいと思う」と胸を張った。試練を乗り越え、チームはさらに強くなる。【保坂恭子】

◆ヤクルト村上宗隆内野手が初めて4番で先発出場した。村上は19歳3カ月で、10代の先発4番は87年8月16日日本ハム戦の清原(西武)以来32年ぶり。清原は高卒1年目の86年に4試合、87年は20歳までに52試合で4番に座った。 ヤクルトでは国鉄時代の53年7月12日巨人戦で、19歳3カ月の町田が打って以来66年ぶり2人目。村上が町田に並び球団史上最年少の4番となった。ちなみに町田も村上も初の4番は3打数0安打に終わっている。

◆巨人・坂本勇人内野手が12日のヤクルト戦(東京ドーム)に「2番・遊撃」で出場し、1997年に金本知憲(広島)がマークしたセ・リーグ記録を超える開幕から36試合連続出塁を達成した。  一回1死。ヤクルトの高梨のフォークを中前へライナーではじき返した。第1打席での中前打は3試合連続。一塁に到着すると、場内アナウンスとバックスクリーンの大型ビジョンで記録到達が知らされ、主将はヘルメットを取ってスタンドに頭を下げた。プロ野球記録は1983年のスティーブ・オンティベロス(西武)がマークした40試合。

◆ヤクルト・西浦直亨内野手(28)が12日、巨人9回戦(東京ドーム)に「5番・遊撃」で先発したが、二回の守備から退いた。  下半身のコンディション不良を訴えた模様で、試合中に病院へ向かった。一回の第1打席では見逃し三振に倒れていた。  チームは離脱者が続出しており、前日に上半身のコンディション不良を訴えた山田哲はこの日先発を外れ、体調不良を訴えている青木はベンチを外れた。

◆ヤクルト・高梨裕稔投手(27)が12日、巨人9回戦(東京ドーム)で先発し、5回1安打1失点の粘投を見せた。6四球と制球が乱れたが、フォークボールを有効に使い6奪三振。失点は一回の犠飛のみだった。  右腕は「内容の悪い投球になってしまい、短いイニングで降りてしまったのが反省です。悪いなりに最低限の投球ができたかなと思います」と振り返った。

◆ヤクルト・高梨裕稔投手(27)が5回1安打1失点、3連勝で4勝目(2敗)を挙げた。チームは令和初の「TOKYOシリーズ」を勝ち越し、巨人とのゲーム差「1」に迫った。  高梨は一回、1死一塁から連続四球で満塁のピンチを招くと亀井に中犠飛を許し先制点を与えた。その後は粘りの投球を見せ追加点を許さず、五回を投げきりマウンドを救援陣に託した。  打線は1点を追う三回、無死一塁から山崎が適時三塁打を放ち同点に追いつくと、続く雄平が右フェンス直撃の適時二塁打を放ち勝ち越した。1死二塁から川端が右前適時打を放ちこの回、3点を奪った。九回は1死三塁から太田が左前適時打を放ちトドメをさした。  ヒーローの高梨は 「今日は野手のみなさん、中継ぎのみなさんに助けられての勝利なので感謝したいと思います。一昨日、すごい悔しいゲームをチームでして、なんとしても勝ち越して帰ろうとみんな思っていたので、気持ちでなんとか粘って最小失点でいけたかな」と振り返った。  巨人勝ち越したことについて「チームみんなで取った1勝。明後日からもたくさん勝って優勝を目指してがんばりたい」と前を向いた。

◆巨人の坂本勇が一回に開幕から36試合連続出塁のセ・リーグ新記録を樹立した。1死で高梨に対し、身をかがませながら外角寄りのフォークボールを巧みに捉え、中前へはじき返した。あっさりと記録を塗り替え「たまたま」と淡々と振り返った。  七回にも三塁内野安打をマークし、3試合連続の複数安打で打率を3割4分9厘に上げた。13本塁打、30打点と合わせてリーグトップを走る。  ただ、主将として表情は晴れない。打線は2試合連続で1得点に終わり、チームは連敗。「なかなか点が入っていない。後から出る投手も頑張ってくれている。打者陣はもうちょっとつながっていかないといけない」と自身の記録よりもチームのことで頭がいっぱいのようだった。

◆ヤクルトは坂口とバレンティンが戦列を離れ、青木と山田哲が欠場した中で打線が効果的に得点した。0-1の三回無死一塁で山崎が適時三塁打を放ち、雄平が適時二塁打で続くと、なお1死二塁で川端が右前へ適時打して一挙3点を奪って逆転した。  3安打の山崎は「後ろにつなぐ気持ちだった。僕にとっては出場するチャンス」と胸を張った。小川監督は「こういう状況でうまくつないだ。脇役の活躍は貴重」と選手をたたえた。

◆ヤクルトの西浦が二回の守備で退いた。左脚を痛めたとみられる。試合中に病院で診察を受け、足を引きずりながら「まだ痛みはある」と顔をゆがめて球場をあとにした。小川監督は「(登録)抹消になるかもしれない」と話した。

◆「2番・左翼」で先発した4年目外野手の山崎が反撃の口火を切った。0-1の三回無死一塁で、右中間を破る適時三塁打を放ち、続く雄平の適時打で勝ち越しのホームを踏んだ。日大出身の25歳は一回に投手強襲安打、四回にも中前打を放ち、2017年9月7日のDeNA戦以来、2年ぶりの猛打賞を記録。「後ろにつなぐ気持ちがいい結果につながった」と胸を張った。九回には22歳の1番・太田が駄目押しの左前適時打を放つなど、若手野手陣が小川監督の起用に応えた。

◆開幕からの5連勝を狙った山口は、3回5安打3失点で今季初黒星。84球で4四球とボール先行の投球となり「開幕当初のストライクで勝負する、というところをもう一度大事にしていきたい」と反省した。宮本投手総合コーチは「少し(腕が)横振りになってしまっているところもある」と指摘した。

◆ヤクルト・西浦直亨内野手(28)が12日、巨人9回戦(東京ドーム)に「5番・遊撃」で先発したが、二回の守備に就くことなく、途中交代した。試合前の練習で下半身のコンディション不良を訴えており、試合中に東京都内の病院で検査を受けた。小川監督は「状態はよくない」と説明し、試合後に本人は「まだ痛みはあります」と語った。 途中交代の西浦に代わって5番に入り、三回の1打席目に直球を右前に運ぶ適時打を放ったヤクルト・川端 「フォークボールなら三振していた。割り切って打席に入った」

◆先発したヤクルト・高梨裕稔投手(27)は5回1失点で粘り、自身3連勝で4勝目(2敗)を挙げた。6四球を与えながら1安打しか許さず「野手、中継ぎの皆さんに助けられた。粘って最少失点でいけたのはよかった」と笑顔を見せた。  一回に直球の制球に苦しみ、安打と2四球で1死満塁のピンチを招いた。亀井の犠飛で先制されたが、続く山本を見逃し三振に仕留めると、カーブとフォークボールを有効に使い、踏ん張った。  母の日に最高のプレゼントとなった。オフに日本ハムからトレードで加入。本拠地が札幌から千葉県の実家に近くなり、母・早苗さんからは「自分らしく頑張りなさい」と背中を押された。  スタンドで見守った両親の前で力投し、ヒーローインタビューでは晴れ姿を披露。「勝つ瞬間を見せることができれば、それが一番の親孝行」とうなずき、ウイニングボールを母に渡すことを明かした。

◆22年ぶりの大記録も、あっさりと決めた。坂本勇人内野手(30)が、一回にヤクルト先発の高梨から中前打で出塁。開幕戦から36試合連続出塁を達成し、1997年に金本知憲(広島)がマークしたセ・リーグ記録を塗り替えた。  「先制点は意識しているけど、なかなか点が入っていない」  記録達成時にはオーロラビジョンに「祝 セ・リーグ新記録達成」と映し出され、G党の大歓声が響いた。敗戦に悔しさたっぷりの主将だが、阪神時代は同じ背番号6だった"鉄人"を抜き、83年にスティーブ(西武)がマークした40試合連続出塁のプロ野球記録へ、挑戦権を手にした。  「母の日」に記録を止めるわけにはいかなかった。母・輝美さん(享年47)はプロ1年目の2007年に他界した。中学卒業後、地元の兵庫を離れて青森・光星学院高(現・八戸学院光星)へ進んだ最大の理由は「3人兄弟を育てるお母さんに迷惑をかけたくなくて、寮生活をしたいとずっと思っていたから」。母親思いだった次男坊が天国へ偉業を届けた。  五回は遊失で出塁し、七回は三塁内野安打で5打数2安打、3出塁。ただ、打線全体では4安打1得点に終わり、連敗で令和初の「TOKYOシリーズ」を負け越した。  「あとから投げた投手も頑張っていたので、打者陣がもっとつながらないといけない」  打率・349、13本塁打、30打点は依然としてリーグ3冠。主将は現状に満足することなく、G打線を引っ張る。 (谷川直之) 打線は2戦連続で1得点。五、七回の好機で2打席連続の3球三振に倒れた岡本に巨人・原監督 「すごいボール球を振っているように見える。あれがストライクならば、打撃を少し考える必要があるでしょう」

◆ヤクルトは12日、巨人9回戦(東京ドーム)に4-1で快勝した。今季初めて3番に入った雄平外野手(34)が三回無死三塁から決勝の適時二塁打を放ち、令和最初の「TOKYOシリーズ」を勝ち越した。バレンティン、青木、山田哲らを欠き、さらにこの日は西浦も故障で途中交代する中で、ベテラン、若手が結束し、鮮やかな逆転勝利をつかんだ。首位・巨人とは1ゲーム差。4年ぶりのV奪還へ、手負いの燕はチーム一丸となって突き進む。  ベテランの背中が頼もしかった。1-1の三回無死三塁。雄平が巨人先発、山口が投じた149キロの内角直球を振り抜いた打球は、右中間フェンスを直撃した。  「チャンスで打てたことはよかった。いない選手はもちろんすごい選手だけれど、きょう出た選手もすごい選手たち。力を合わせればこうやって勝つことができる」  鍛え上げた分厚い胸板を揺らしながら、二塁に到達するとニッコリと笑った。25歳の山崎が放った同点打に続き、欠場した山田哲の代わりに今季初めて3番に入った34歳が、貴重な勝ち越し点をたたき出した。  故障者続出のチームは、まさに"ヤ戦病院"だ。坂口、バレンティン、青木に加え、この日は山田哲が上半身のコンディション不良で今季初めて欠場した。首位相手に3月29日の開幕戦メンバーから1-4番がごっそりと抜け、苦戦は必至だった。さらに正遊撃の西浦もコンディション不良を訴え、二回の守備からベンチに退くなど、重苦しい雰囲気だった。  首脳陣の入念な準備がピンチを救った。小川監督は「そのためにキャンプで底上げをしてきた」と19歳の村上を2年目で初めて4番に据え、太田、山崎、宮本、塩見ら若手を先発起用した。今年2月のキャンプは午前8時半から早出練習を開始し、居残り練習の終了は午後8時。この日、起用した若手は全員1軍キャンプに抜擢(ばってき)し、"地獄のキャンプ"で鍛え上げてきた。  母の日。雄平にとっても特別な試合だった。2008年に結婚し、2人の娘を育てる父となり、改めて母親のありがたみを感じている。「何でものびのびと自由にやらせてくれましたね」という母は地元の神奈川から宮城・東北高へ野球留学する際も温かく送り出してくれた。右腕にはピンクのリストバンドを装着し、「言葉でいうのは恥ずかしいので...」と洋服をプレゼントした。  チームは首位巨人に連勝を飾り、令和最初の「TOKYOシリーズ」は2勝1敗で、1ゲーム差まで肉薄した。小川監督は「チャンスはたくさんあるので結果を出せれば次につながる。こういう状況で勝てたのは大きい」と目尻を下げた。  チーム一丸で戦うのは、球団創立50周年を迎えた燕軍団のスピリット。全員野球で2015年以来、4年ぶりのリーグVを狙う。 (横山尚杜) 2点リードの九回1死三塁で左前適時打を放ったヤクルト・太田 「内野ゴロでもいい場面。いいコースに打てた。五回の失策を高梨さんがカバーしてくれたのが大きかった」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
21141 0.600
(↓0.018)
-
(-)
107189
(+1)
135
(+4)
48
(-)
20
(+2)
0.268
(↓0.003)
3.500
(↓0.02)
2
(-)
ヤクルト
21162 0.568
(↑0.012)
1
(↑1)
104193
(+4)
177
(+1)
47
(-)
17
(+1)
0.248
(↑0.001
4.150
(↑0.09)
3
(1↑)
広島
19181 0.514
(↑0.014)
3
(↑1)
105133
(+8)
151
(+1)
35
(+1)
22
(+4)
0.234
(↑0.004)
3.190
(↑0.06)
3
(-)
阪神
19182 0.514
(↓0.014)
3
(-)
104151
(+2)
164
(+5)
25
(-)
24
(+2)
0.241
(↓0.001)
3.540
(↓0.03)
5
(-)
中日
17200 0.459
(↑0.015)
5
(↑1)
106137
(+5)
139
(+2)
25
(-)
24
(-)
0.263
(↓0.001)
3.680
(↑0.05)
6
(-)
DeNA
13240 0.351
(↓0.01)
9
(-)
106133
(+1)
170
(+8)
41
(+1)
7
(-)
0.233
(↑0.001)
4.180
(↓0.12)