中日(☆5対4★)阪神 =リーグ戦4回戦(2019.04.27)・ナゴヤドーム=
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阪神
3000001004600
中日
00041000X5801
勝利投手:又吉 克樹(1勝1敗0S)
(セーブ:鈴木 博志(0勝1敗8S))
敗戦投手:西 勇輝(2勝3敗0S)

本塁打
【中日】ビシエド(6号・4回裏3ラン)

  DAZN
◆中日は3点ビハインドで迎えた4回裏、大島の適時打とビシエドの3ランで4点を挙げ、逆転に成功する。続く5回には、阿部の適時打でリードを広げた。投げては、2番手・又吉が3回を無安打無失点に抑える好救援で今季初勝利。敗れた阪神は、先発・西が中盤に崩れた。

◆阪神梅野隆太郎捕手(27)が先制3点適時打を放った。 「チャンスはここしかないぐらいの気持ちで打席に入りました。初回から西さんを援護することができて良かったです。まだ始まったばかりなので、しっかりリードできるように頑張ります」 初回2死満塁、中日先発の佐藤優の2球目をはじき返した。真ん中高めにきた147キロ直球を右中間へ。打球が転々とするうちに、一塁走者福留も激走を見せて生還。3点を先取して先発西を援護した。

◆中日佐藤優投手(25)が3年ぶりの先発マウンドに上がった。当初は笠原が先発予定だったが、不整脈の疑いによる体調不良で先発を回避。前夜に打診されての緊急登板だった。 初回2死を取った後、2四球と安打で満塁。梅野に走者一掃の二塁打を浴び、いきなり3失点。3回4安打3失点で降板した。 「ゲームが作れなくて申し訳ない。テンポが悪いピッチングになってしまった」と佐藤。昨年、笠原とともに中日から2人だけ侍ジャパンメンバーに選出。初めて大舞台を経験した仲間の代役を務めきれず、佐藤は肩を落とした。プロ入り5度目の先発を白星で飾ることを逃したが、味方打線が4回に逆転。黒星はつかなかった。

◆中日は佐藤、阪神は西が先発。阪神は初回2死満塁から梅野の右中間二塁打で3点を先制した。西は3回を無安打無失点。 中日は4回、ビシエドの6号3ランなどで逆転、5回にも1点を追加。4回から登板した2番手の又吉は6回まで無安打無失点。 中日は7回に1点を失ったが継投で逃げ切り、連敗を3で止めた。又吉は1勝目。鈴木博は8セーブ。阪神は連勝が3でストップ。西が3敗目を喫した。

◆矢野阪神は与田竜の継投を粉砕できなかった。予告先発の笠原が体調不良のため登板回避。前日26日夜に中日球団から阪神に佐藤の代役が伝えられていた。1回、緊急先発となった佐藤の制球難につけ込んで梅野の3点二塁打で先制したが尻すぼみになった。 勝負の分岐点になったのは3回だ。2四球などで1死満塁。だが、陽川が低めのボール球を2球空振りして追い込まれると、浅い左飛で犠飛にならず、追加点を奪えなかった。指揮官も「陽川がボール、ボールを振っている。あれを見送れるというか、打ちにいくけど、どうにかしてほしいというのがある」と渋い表情だ。 この日は救援6人の継投にハマった。指揮官も「点を取れるところで取らない方が(西の被弾より)反省点」と話す。大リーグでは救援投手に初回から1、2イニング投げさせ、2番手に先発を登板させることが多い「オープナー」が話題だ。結果的にその形となった中日投手陣を完全に崩せなかった。 ▽阪神清水ヘッドコーチ(3回1死満塁を逸機)「あそこで点を取っておけば良かったんだけど...」 ▽阪神浜中打撃コーチ(3回1死満塁で陽川が左飛)「陽川がボール球に手を出してしまって向こうのバッテリーを助けてしまった。ああいうところで点を取れないとなかなか勝てない」

◆西もビシエドに打たれた...。阪神が先発に西勇輝投手(28)をたてて臨んだ12連戦の初戦で、まさかの逆転負けを食らった。 4回だ。無死一、二塁で、2球目の内角141キロシュートをビシエドに捉えられ決勝3ランを被弾。打球が左翼席に突き刺さるのを確認すると、西は1点を見つめた。試合後には「ビシエドのところですね。自分の中では勝負しにいったボール。狙いはゲッツーだった。その前の打席も勝負しにいっていた。もう少し、ラインか高さを...明確に持って投げるべきだった」と反省の言葉を並べ、チームバスに乗り込んだ。 試合前の時点でチームトップの防御率1・50だった西でもビシエドにやられ、虎投は竜の主砲に今季15打数7安打の打率4割6分7厘、3本塁打8打点とまさに天敵だ。西にとってはこの日は移籍後初の中5日登板だったが、今季初被弾。チームの連勝は3で止まった。 「この展開(3連勝)で流れを止めてしまった。先頭の(1番平田への)デッドボールが痛かった。しっかりと切り替えてやっていきたい」と語った西は、次戦も中5日で5月3日DeNA戦(甲子園)に先発する見込み。3回まで完全投球で試合に入るなど安定感は変わらず、虎を勢いづけてくれるはずだ。 矢野監督も「もちろん俺らは西とリュウ(梅野)を信じて、頑張ってくれという思いで送り出している」と語るなど、バッテリーへの信頼が揺るぐはずもない。ただ、チームは12連戦を黒星発進。借金4で平成期間中はあと3試合しかなく、借金完済は令和に持ち越しとなった。【真柴健】

◆中日ダヤン・ビシエド内野手が4回に逆転6号3ランを放った。好投西を捉える11試合ぶりのアーチ。直前には大島がチーム32イニングぶりの適時打を放ってムードを高め、4番が最高の仕事を果たした。 「低めだったけど、うまく捉えられた。いい流れに乗れた。(久しぶり本塁打は)気持ち良かった」。8安打で効果的な5得点を生んだ打線の復調も、12連戦の明るい光だ。

◆与田竜が今季最大のアクシデントを総力戦で乗り切った。12連戦の初戦を託された笠原が「不整脈の疑い」と診断され、先発を緊急回避。だが攻守に一丸で結束して3点ビハインドをはね返し、連敗を3で止めた。与田監督は「先発変更という形の中で、よく頑張ってくれた」とナインの奮闘をたたえた。 急きょ代役で佐藤が先発し、初回に3失点。だが2、3回は踏ん張り又吉にバトン。変則右腕は4回からの3イニングをパーフェクトに抑え、打線の逆転劇を呼び込んだ。与田監督は「素晴らしい投球。いい雰囲気にしてくれた。イニングも今季最長。時々、悪い球が行ったが、すぐに修正できた」と絶賛した。 3イニング登板は、先発だった17年6月13日の日本ハム戦で5回を投げて以来。自己最速タイの152キロもマークして今季初勝利をつかんだ。「緊張感がある中で、フラットな気持ちで投げられた。あの力感であのスピードが投げられた。不思議な感覚だった。独立リーグのとき以来かも」。プロ入り後、初めて味わう感覚だったという。「1日、1日。1イニングずつ、1人ずつ大切に投げて終わっていれば」。残り11連戦も大車輪の覚悟だ。 開幕投手の長期離脱もあり得る非常事態。試合前に与田監督は選手を集めた。「こういう時にみんなで助け合っていくしかない」。言葉通りに選手は躍動した。打線は3点を追う4回に大島の適時打とビシエドの3点本塁打で逆転。5回には阿部が追加点を挙げた。7回2死二塁のピンチは防御率0男の谷元がワンポイントで大山を打ち取った。 「名古屋でたくさんのファンに囲まれて戦えるのは幸せ。選手たちも元気が出る」と指揮官は話した。12連戦は9試合がホーム開催。危機を力に変え、与田竜が進撃する。【伊東大介】

◆阪神のルーキー近本光司外野手が8試合連続安打を記録した。2点を追う7回無死三塁。投前へのゴロは高くはずんで慌てたロドリゲスも捕球できず、軽々と適時内野安打になった。 「何とかして自分の仕事をしようと思っていた。結果的に、ああいう形になって良かった」。序盤は2打席連続で空振り三振したが意地を見せた。

◆20日ぶりに1軍登録された阪神藤川球児投手が圧巻の復帰マウンドを見せた。8回、先頭の井領を150キロで空振り三振に仕留めると、続く加藤、代打福田といずれも空振りで3者連続三振。 ベテランは「目の前のバッターを抑えることに集中すると自分で決めていた。シーズンは長いので、これからコマになれるようしっかりやりたい」。矢野監督は「素晴らしい投球だった。(1軍に)帰ってきて、チームのムードというか、そういうところでプラス材料」と絶賛した。

◆勝負の分岐点になったのは3回だ。2四球などで1死満塁。だが、陽川が低めのボール球を2球空振りして追い込まれると、浅い左飛で犠飛にならず、追加点を奪えなかった。阪神矢野燿大監督も「陽川がボール、ボールを振っている。あれを見送れるというか、打ちにいくけど、どうにかしてほしいというのがある」と渋い表情だ。 この日は救援6人の継投にハマった。指揮官も「点を取れるところで取らない方が(西の被弾より)反省点」と話す。大リーグでは救援投手に初回から1、2イニング投げさせ、2番手に先発を登板させることが多い「オープナー」が話題だ。結果的にその形となった中日投手陣を完全に崩せなかった。 その他の一問一答は以下の通り。 -序盤の西は完璧だった まあね。西らしい立ち上がりだったと思う。 -ビシエドに打たれた内角シュート。相手も狙っていたように映った それを言い出したら「たられば」になってしまう。打者だって全部打てるわけではない。試合のなかで、どこだけということはないんだけど、うちのやるべきことは、そっちの方が流れ的にも。あれ(西の被弾)は点を取れなかったあと。野球は流れがあるから。 -ポイントに挙げていたビシエドにまた打たれた 「たられば」を言い出すと、俺ら配球もそんな責められへんしね。振り返ったら、もうそうなっちゃう打順だし、そういう打者。 -向こうも中継ぎを刻んできた 先発だって(当初予定の笠原から)代わっているから、そうなるよね。 -1回に先制していただけに、3回の逸機が痛い もちろん西も頑張ってもらいたかった。言い出したらあるんだけど、やっぱりあそこで点をね。

◆中日が今季最大のアクシデントを総力戦で乗り切った。12連戦の初戦を託された笠原が「不整脈の疑い」と診断され、先発を緊急回避。だが攻守に一丸で結束して3点ビハインドをはね返し、連敗を3で止めた。与田剛監督のコメント。 「先発変更という形の中で、よく頑張ってくれた」 急きょ代役で佐藤が先発し、初回に3失点。だが2、3回は踏ん張り又吉にバトン。変則右腕は4回からの3イニングをパーフェクトに抑え、打線の逆転劇を呼び込んだ。 「素晴らしい投球。いい雰囲気にしてくれた。イニングも今季最長。時々、悪い球が行ったが、すぐに修正できた」 開幕投手の長期離脱もあり得る非常事態。試合前に与田監督は選手を集めた。 「こういう時にみんなで助け合っていくしかない」 「名古屋でたくさんのファンに囲まれて戦えるのは幸せ。選手たちも元気が出る」

◆中日・佐藤優投手(25)は27日、阪神戦(ナゴヤドーム)に先発して3回4安打3失点で降板した。この日、先発予定だった笠原祥太郎投手(24)が体調不良を訴えて佐藤が緊急登板。一回、2死から糸井に四球、続く大山の左前打と福留の四球で満塁とされ、梅野に右中間を破る走者一掃の適時二塁打を浴びた。二回以降も制球に苦しみ、三回の攻撃で代打が告げられた。  佐藤は「ゲームが作れなくて申し訳ない。テンポが悪いピッチングになってしまった」と肩を落とした。  0-3の四回、大島の適時打とビシエドの6号逆転3ランで中日が試合をひっくり返した。

◆阪神・西、6回7安打5失点で降板  先発の阪神・西=ナゴヤドーム(撮影・松永渉平)【拡大】  阪神・西勇輝投手(28)が27日の中日戦(ナゴヤドーム)に先発し、6回7安打5失点だった。  一回に味方が3点を先制。三回までをパーフェクトに抑えていたが、四回に捕まった。先頭・平田に死球、京田に右前打を浴びて無死一、二塁のピンチ。大島に二塁へ適時内野安打を浴び、1点を返された。  さらに、きわめつけは続くビシエド。2球目、141キロ直球を左翼席へ放りこまれ、逆転の3ランに。4-3とひっくり返され、悔しそうに天を仰いだ。  西は今季これまで4試合に登板し2勝2敗、防御率1・50と安定。すべての試合でハイクオリティースタート(7回以上を2失点以内)を達成するなど、抜群の安定感を誇っていた。中5日で託された12連戦の初戦だったが、好投で自身3勝目を挙げることはできなかった。

◆今季打撃好調の阪神・梅野が2安打3打点をマークした。一回2死満塁から「チャンスはここしかない、くらいの気持ち」と佐藤の直球を右中間への先制の3点二塁打。三回もバント安打を決めた。  捕手としては6回5失点の西を支えられず、リードを反省。「三回まではいい形で来られた。先頭が出て粘っていこうと思ったけど、一発打たれた」と浮かない表情だった。 矢野監督(二回以降は1点の打線に) 「点を取るところで取らないと。野球に流れはあるから」 藤川(この日1軍に復帰。八回に登板し、3者三振) 「まだシーズンは長いので、駒になれるようしっかりやっていきたい」 阪神・金村投手コーチ(西に) 「平田の死球で狂った。初戦だから打者を崩そうというのが強過ぎたのではないか」 阪神・清水ヘッドコーチ(ビシエドの本塁打に) 「長打を浴びないように対策していくしかない」

◆中日のビシエドが11試合ぶりに本塁打を放った。1点を返した後の四回無死一、二塁で西の内角低め直球を捉え、会心の当たりで左翼席へ。逆転3ランとなり「低めだが、うまく前で捉えることができた」とうなずいた。  前カードの広島3連戦は不調で、25日に1安打を打ったのみ。周囲の不安をよそに「好結果は毎回出るわけじゃない。これからも準備を重ねるだけ」と話し、今後の活躍を誓った。 与田監督(連敗が3でストップ) 「先発変更という形の中で、よく頑張ってくれた」 佐藤(笠原の代わりに先発し、3回3失点で登録抹消へ) 「自分の投球ができなかった。全てを見つめ直す」 大島(四回に適時打) 「チャンスだったので、追い込まれていたがうまくバットに当てられて良かった」

◆1軍昇格した藤川が八回に登板し、3者連続三振。先頭・井領を直球で、加藤&福田をフォークで空を切らせた。「目の前の打者を抑えることに集中しました。まだシーズンは長いので、使いやすい駒になれるように」と汗をぬぐった。1軍登板は6日の広島戦(マツダ)で3失点して以来だったが、頼もしいベテランが帰ってきた。

◆D1位・近本光司外野手(大阪ガス)が大山と並び、チームトップの14打点とした。七回無死二塁で「バントを見送り、空振りしてしまった」と反省するも、直後に捕逸で二走が三進。マウンド後方にたたきつける内野安打を放ち「何とか自分の仕事をしようと思っていました。結果的にあういう形になってよかった」と汗をぬぐった。自己最長の8試合連続安打と好調を維持している。

◆--西は三回まで素晴らしい内容だったが  矢野監督 「まあまあ...結果はというとアレやけど、まあね、西らしい立ち上がりだったと思う」  --前日からポイントに挙げていたビシエドに一発を許した  「それはしゃあない、しゃあないと言うとあれだけど、もうそんなタラレバ言い出したら俺ら配球もそんな責められへんしね。振り返ったらもうそうなっちゃう打順だし、そういうバッターだから。もちろん俺らは西とリュウ(梅野)を信じて、頑張ってくれという思いでもちろん送り出しているし。じゃあ結局、スライダー打たれたら、じゃあ『なんでインコース攻めないんだ?』みたいなことになるじゃん。それ言い出したらもう俺ら責められへんし、何もできへんから。向かっていく気持ちを持ってどんどん行くしかないし、それも打たれた結果というのはもちろん、反省する部分というか、次に対して、というのはやっていかなアカンけど。それを言い出したら...」  -三回1死一、二塁で梅野がセーフティーバント  「いや、すごく良いアイデア。視野を広くというか、状況読んで、場面読んで。ナイスアイデアやし、素晴らしいセーフティーやったと思う」  --昇格した藤川が好投した  「あそこで流れができたんで、九回いけるかな、という流れをね、作ってくれたピッチングやったし。まあ、そういう場面で、ねえ、球児が帰ってきて投げてくれるというのは、もちろんそういうチームのムードというか、そういうところもプラスの材料多いんで。素晴らしいピッチングだったと思う」

◆なんですか...昨日のナゴヤドームの試合は...。  いえ、怒ってるんじゃないんです。かといってもちろん喜んでるわけじゃない。これがホントの「キツネに鼻をつままれたような気分」というヤツです。最近の、はやり言葉でいいますと「オレオレ詐欺」にまんまとひっかかりそうになってコンビニの現金引き下ろし機の前で...ハッとして、息子のバカ面にまた腹がたって...ま、小銭をかすめとられたような...そんな気分で...(あの、俺は引っかかったことはないから推測デスが...)でもすっきりしなかったなぁ。このムカムカをどこの誰にぶつけたらいいんだろう。  「八十八夜の忘れ霜」といいます。急にまた寒さがぶり返してなんと底意地の悪い天気か...これを「霜の別れ」というのですが、女性を口説いてるんじゃねぇんだ。そんなまわりくどいことをいいたくはない。要するに寒い。10連休のスタートにふさわしいポカポカ陽気ではなかったんです。(みろ、本題に入りたくないからグダグダと気まぐれな天気への文句を書いてしまった...)  試合当日になって中日は予告先発投手を笠原(左腕)から佐藤(右腕)に変更を申し出た。「体調不良(不整脈?)だそうですから仕方ありませんが...」とトラ番司令塔役の長友孝輔が少しくぐもったトーンで電話をくれた。阪神にしてみれば「右でも左でも、ゴリラでも白鳥が出てきてもかまへんでぇ。打ったらエエんやろ...え」と威勢のいいことをいいたいけど本音のとこでは「おいおい左腕とみせて右腕かい...」と苦い顔にもなります。ところが一回2死から阪神はホイホイとチャンスをつくり満塁で梅野が走者一掃です。するとコロリンシャンと態度が変わってイヨッ梅ちゃんありがとさぁん! となる。でね、中日はタジタジとなるし、こっちはグイグイと圧倒してたんですよ...そしたらどないだ。四回裏の先頭平田への西投手の初球103キロのスローカーブ...まるで痛くないのを苦笑いしながらボテッと"受けた"(死球)平田選手31歳の老獪さたるや...この1球で西投手の芸術的な幻惑投法に乱れが生じて...打者一巡、ビシエドのホームランも出て空気は一変しちまったんです。  ま、もう少しいわせてちょんまげや。つまりアノ死球はどちらのチームにとって「痛かった!」かということ。  そこからまたゲームの流れを引き戻す場面は結構ございました。しかし...です。糸井-大山-福留のクリーンアップ(特に4番の大山に)に使ったボールの出し入れはいまさらここで繰り返しませんけど...あっさりサワヤカ...洗濯日和じゃないのに"洗剤のCM"をみせられてるような状態...ズバリ、これが「負けた気がしない"半煮え"の敗戦」というヤツ。  文句だけをいってるんじゃないです。悔しいんですヮ。  『平成』は1989年からスタートしました。阪神(監督村山)はその平成の初勝利を開幕戦(4月8日)広島に八回に一挙5点をもぎとり飾りました。仲田-野田-○中西。フィルダーの3ランでした。ピストル打線を嘆いていた村山監督は思わず「やっぱり一発や!」と大喜び。  そして...今、刻々と「平成の最終ゲーム」(30日、甲子園)が近づく...くしくもナイターはこの阪神-広島戦のみ。平成のオープニングと同じ相手...その有終の美を祈るばかりだけど。  情淡き 村やことしも 別れ霜...なんて寒々とした"光景"だけはみたくないのです。

◆梅野は一回2死満塁で右中間を破る3点二塁打。10試合ぶりの適時打を放つと、三回1死一、二塁では三塁前に絶妙なセーフティーバントを決め、満塁と好機を広げた。打率・349と好調も、チームの惜敗に「打つ方はね...。勝たないと意味がない」と厳しい表情。「連戦は長いので、先発には1イニングでも長くと思って、明日から切り替えてやっていくしかない」と前を向いた。

◆楽しい10連休がスタートの日に西で負けて、おもしろくね~!! 四回に4番・ビシエドの一発に沈んだが、それに関しては「ま、そういうこともあるさ。助っ人大砲はスゲー!!」くらいにしか思わなかったのだ。  予告先発の笠原が体調不良で佐藤がスクランブル先発となり、一回に梅ちゃん(梅野)が(い)やらしく走者一掃のタイムリー二塁打で中日をがっくりさせた。  さらに三回は大山と福留が(い)やらしく四球を選び、続く梅ちゃんが(い)やらしいバント安打で1死満塁。1本出ればの場面で陽川がベンチの「(い)やらしくいけよ」の「ら」と「さ」を聞き間違えたから、さあ大変。「緊急先発で佐藤もたいへんやなあ。そーか、やさしくいけの温情スイングってことやね」とアップアップの佐藤に対して3球連続でクソボールを振って、凡打でとどめをさせなかった...。  聞き間違いは定かじゃないけど、虎の「7番・一塁」がナバーロも中谷も陽川も(い)やらしくなーい!! ならば出場に飢えている上本、北條のやや小さめの一塁手の方が(い)やらしいと思うのだが...。

◆中日は笠原が体調不良のため先発を回避。代わりに先発した佐藤が3回3失点で降板後、又吉克樹投手(28)が打者9人を完璧に抑え、3回無失点で今季初勝利を手にした。  「(4イニング目も)まだ投げられるという思いがあった。笠原のためにも勝ててよかった」  佐藤とは3歳違いながら、よく食事をともにする。立ち上がりに3失点したものの、二、三回は得点を許さなかった後輩の佐藤から「何とか粘ってくれていい流れに向かった」と気概を感じた。この日は回をまたいでも冷静に投球。四回に回ってきた打席では2年ぶりの安打も放った。  チームはこの日から12連戦。連敗を3で止めて貯金1とした与田監督は救援陣を「先発変更という形の中でよく頑張ってくれた」とたたえた。

◆不意に現れた敵を、一度は捕まえかけて、捕り逃してしまった。追加点が入ってい「たら」、あそこで流れが変わらなけ「れば」、まったく違った12連戦のスタートになっていたかもしれない。矢野監督が痛恨の被弾よりも悔やんだのは、その直前。3-0の三回1死満塁での無得点だった。  「(ビシエドへの1球は)それを言い出したら"タラレバ"になっちゃう。それよりもやっぱり『点を取れるところで取らないと』というところの方が反省点」  予告先発されていた中日・笠原が体調不良で登板を回避。急きょ佐藤を迎え撃つことになった。2014年には同じように緊急登板してきた中日・浜田にプロ初完封を許していた嫌な記憶もあった。一回に幸先よく3点を先制。三回も2四球と梅野のセーフティーバントで1死満塁とした。ところが、陽川が浅い左飛に倒れて、攻撃の糸は切れた。続くD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)も空振り三振。直後の三回裏に西が逆転を許した。  「結局これも"タラレバ"になっちゃうんだけど、やっぱり(陽川は)ボール、ボール(球)を振ってるでしょ? あれが見送れるというか、打ちには行くんだけど、やっぱりこう、どうにかしてほしいというのはある」と、期待するからこその注文も口をついた。  3戦を残して3、4月の月間負け越しが決定。12連戦も黒星発進だ。  「ウチのやるべきことっていうと、まあそっちの(チャンスを逃した)方が、流れ的にもね。あれ(西の失点)は点が取れなかった後。野球は流れがあるから」  流れを手放しての逆転負けだから、なお悔しい。つまずきはしたが、連戦は続く。必ず、すぐにやり返す。(長友孝輔) ★中日・浜田、プロ初完封VTR  2014年5月7日。中日の予告先発・川上が試合当日の練習中に腰を痛め、登板回避。高卒2年目、19歳の浜田がプロ初先発した。「リリーフのつもりで」と飛ばす左腕に対し、阪神打線は苦戦。二回以降走者を出すも、決定力を欠き、6安打完封勝利を献上した。

◆西まで捕まるとは...。阪神は中日に4-5で逆転負け。3連勝で止まった。先発した西勇輝投手(28)が四回、虎が苦手とするビシエドに逆転3ランを許すなど、移籍後ワーストの5失点。ナゴヤドームで西は3連敗と"鬼門"のニオイを感じさせた。勝負の12連戦を黒星スタート。踏ん張りどころや!!  悔しさをにじませ、天を仰いだ。タテジマに袖を通し、初めて許した放物線。そして、5失点。6回で降板した西が、痛恨の1球に唇をかんだ。  「勝負にいった球だった。狙いはゲッツーだったんですけど、その前の打席でも4球くらい勝負にいっていた。配球の中でもう少し、ラインか高さを明確に持って投げられるようにしたいです」  四回無死一、二塁。大島の適時内野安打で3-1に詰め寄られた直後だった。ビシエドに対し、1ストライクからの2球目。内角低め141キロ直球を振り抜かれると、打球は左翼席へと吸い込まれていった。3点リードを守れず、ナゴヤドームではオリックス時代から4試合で0勝3敗。"鬼門"と化してしまった。  ビシエドは最も警戒していた打者だった。前日26日には矢野監督が「ビシエドを抑える」と気合を入れて、名古屋入り。西もビシエドに逃げることなく、内角を積極的に突いたが...。  金村投手コーチは「カードの初戦(の先発)を意識して、内角攻めをしすぎていた」と分析した。相手打者に対しての意識づけが強すぎたため、一辺倒になり、それを痛打されたという。「野村(広島)が中日打線を抑えているのは、ちどりの投球(内外角を交互に投げ分ける)。もっと西らしい、自分の投球をしてくれたら」。これまで西は開幕から日曜日を守っていたが、虎移籍後初の中5日。12連戦の頭としての責任感の強さが裏目に出てしまった。  西はV砲に今季4打数3安打。チームとしては今季15打数7安打8打点(打率・467)。6本塁打の半分を許しては、白星も逃げてしまう。  「いい展開で流れを止めてしまった。先制点を取ってもらって、長いイニングを投げたかったんですけど...。しっかり切り替えてやっていきたいです」  メッセンジャー、ガルシア、藤浪、秋山らが1軍戦線から離脱している。今、頼れるのは西しかいない。次こそ、勝利に導く。高い授業料だったと、笑って振り返られるときがくるはずだ。(箭内桃子) 西について阪神・福原投手コーチ 「攻めた結果。また対策していかないと」

◆いまさら言うまでもないが、西の持ち味はテンポ良く両サイドを緻密に突いて打たせて取る投球だ。立ち上がりはテンポも良く、西らしさが出ていたが、四回に平田に死球を与えて急にリズムが乱れた。京田の引っかけさせた打球が一、二塁間を抜け、さらに大島のボテボテ内野安打。リズムを大事にする投球は、こういう当たりがボディーブローのように効いてくるもの。そして、ビシエドが「打てるコース」に投げてしまった。  西に関しては移籍後初の中5日、最多失点、初被本塁打だが、それほど気にする必要はない。気持ちの持ち方で次回登板への影響はないだろう。  ただ、気になるのは阪神投手陣の対ビシエド。打たれているのは、ビシエドの腕が伸びきったところに投げているから。力勝負しては絶対に勝てない。  対策は単純明快。当たっても仕方がないからインハイへの直球。見逃されても仕方がないから外角へ逃げる変化球。四死球はやむを得ない...ぐらいの覚悟で投げていれば、相手はじれて、必ず崩れてくる。  結論的には今の阪神投手陣は弱点に投げきれていない。覚悟を持って投げ込んでほしい。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1580 0.652
(↑0.016)
-
(-)
120117
(+5)
88
(+4)
32
(-)
8
(-)
0.273
(↓0.002)
3.610
(↓0.02)
2
(-)
ヤクルト
13111 0.542
(↓0.023)
2.5
(↓1)
118126
(-)
111
(+2)
30
(-)
9
(-)
0.255
(↓0.002)
4.120
(↑0.09)
3
(-)
中日
12110 0.522
(↑0.022)
3
(-)
12093
(+5)
78
(+4)
20
(+1)
16
(-)
0.276
(↓0.001)
3.360
(↑0.02)
4
(-)
広島
12120 0.500
(↑0.022)
3.5
(-)
11982
(+2)
101
(-)
20
(-)
9
(+1)
0.227
(↓0.001)
3.420
(↑0.15)
5
(-)
阪神
10141 0.417
(↓0.018)
5.5
(↓1)
11895
(+4)
121
(+5)
20
(-)
10
(-)
0.239
(↓0.002)
4.060
(↓0.06)
6
(-)
DeNA
9150 0.375
(↓0.016)
6.5
(↓1)
11990
(+4)
104
(+5)
29
(+1)
4
(-)
0.240
(↑0.003)
3.710
(↑0.01)