ヤクルト(★2対7☆)巨人 =リーグ戦5回戦(2019.04.24)・明治神宮=
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巨人
05000200071002
ヤクルト
0000000022811
勝利投手:髙橋 優貴(2勝0敗0S)
敗戦投手:ブキャナン(0勝1敗0S)

本塁打
【巨人】坂本 勇人(6号・2回表3ラン),ビヤヌエバ(4号・2回表ソロ)
【ヤクルト】西浦 直亨(3号・9回裏ソロ)

  DAZN
◆巨人は2回表、坂本勇の3ランとビヤヌエバのソロなどで5点を先制する。そのまま迎えた6回には、ビヤヌエバが2点適時打を放ち、リードを広げた。投げては、先発・高橋が5回無失点で今季2勝目。敗れたヤクルトは先発・ブキャナンが4回5失点と精彩を欠いた。

◆巨人のルーキー高橋優貴投手(22)が3度目の先発。 過去2試合で2本塁打を含む6安打されているが、被安打はすべて走者がいない場面。塁上に走者を置いた時は13打数0安打で8三振と、まだ安打を1本も許していない。

◆巨人坂本勇人内野手(30)が2夜連続で"初球"を完璧に打ち返した。 試合前にファーストピッチセレモニーで登場したギャオス内藤を前に打席に入った。無表情のまま、甘く入ってきた平凡な直球を左中間へはじき返した。「ドヤ顔」で引き揚げ、プレーボールに向けて仕切り直した。前日23日の第1打席でヤクルト原の初球を中越え二塁打し、先制のホームを踏んでいた。 本番はヤクルト先発ブキャナンの初球140キロ直球を見逃し。1打席目は遊ゴロに倒れた。

◆首位攻防戦2戦目は、連勝を狙う巨人が2回に5点を奪う先制攻撃を決めた。 1死二、三塁から、先発高橋優貴投手がプロ初安打を放ち、先制点を奪った。たたきつけた打球が三塁内野安打になり、プロ初打点。「打ったのは何か分かりません。前に飛んだのは分かったので、とにかく全力で走りました。どういう形であれ、先制点が取れたので良かったです」と喜んだ。 1死一、三塁とすると、続く1番坂本勇が142キロのカットボールを捉え、右中間に6号3ランをたたき込んだ。開幕からの連続試合出塁を21試合に伸ばす値千金の一打。「先制点が入ったあと、もう1点ほしい場面でした。追加点が取れてほっとしました」と言った。 さらに2死からは、3番ビヤヌエバが低めのボールゾーンに沈む134キロを左中間スタンドに運んだ。「打ったのはチェンジアップ。低めの球だったが、前に出されることなく、しっかりと芯で捉えることができました。チームのいい流れの中で、打たせてもらったホームランですね」と興奮。プロ2勝目を狙う高橋を大量点で援護した。

◆巨人の坂本勇人が6号3ランを放ち、先発高橋を強力援護した。1点先制した直後の2回1死一、三塁から、142キロのカットボールを右中間スタンドに運んだ。 「先制点が入ったあと、もう1点ほしい場面でした。追加点が取れてほっとしました」と喜んだ。開幕から続ける連続試合出塁を21試合に伸ばし、チームをけん引した。

◆巨人は2回、ヤクルト先発ブキャナンを攻め、坂本勇の6号3ラン、ビヤヌエバの4号ソロなど5安打で一挙5点を先制。 巨人は6回にもヤクルト2番手ハフを攻め、2四球とビヤヌエバの適時打で2点を追加した。巨人先発高橋は5回無失点で降板。 巨人が逃げ切り5連勝。貯金を7とした。高橋が今季2勝目を挙げた。ヤクルトは3連敗。先発ブキャナンが誤算だった。

◆ヤクルト先発デビッド・ブキャナン投手が期待を裏切った。 2回に坂本勇、ビヤヌエバに被弾するなど5安打で5点を献上。4回2死二塁の打席で代打を送られて退いた。結局4回94球を投げて8安打5失点、5三振2四球。「今日は結果からすると不用意なピッチングになってしまったところがあったと思う」と話した。チームは23日の巨人戦でも0-9と大敗。小川監督は「気持ちを切り替えてやるだけです」と話していたが、助っ人右腕の背信投球に神宮のファンも静まり返った。

◆巨人が5連勝となった。2回に高橋の適時打、坂本勇の3ラン、ビヤヌエバのソロで5点を先制。6回にはビヤヌエバの2点適時打で加点した。高橋は5回無失点と粘りの投球で2勝目。ヤクルトは今季初の3連敗を喫した。

◆悲劇のマウンドで"リベンジ"を果たした。巨人ドラフト1位左腕の高橋優貴投手(22)がヤクルト打線を5回5安打無失点に抑え、無傷のプロ2勝目を挙げた。2回にはプロ初安打初打点となる三塁適時内野安打も記録した。東海大菅生3年夏の西東京大会決勝でサヨナラ適時打を許し、憧れの甲子園を逃した日から1731日ぶりの神宮球場で輝きを放った。チームは5連勝で2位ヤクルトに2・5差とした。▼高橋が自ら先制打を放って2勝目を挙げた。ドラフト制後、V打点を記録した巨人の新人投手は66年6月26日広島戦と7月17日サンケイ戦の堀内、99年8月10日ヤクルト戦の上原、13年5月4日広島戦の菅野に次いで4人、5度目。高橋同様にV打を放った試合で全員白星を挙げている。66年堀内16勝、99年上原20勝、13年菅野13勝と、V打を放った3人は1年目に2桁勝利したが、高橋は何勝できるか。

◆悲劇のマウンドで"リベンジ"を果たした。巨人ドラフト1位左腕の高橋優貴投手(22)がヤクルト打線を5回5安打無失点に抑え、無傷のプロ2勝目を挙げた。2回にはプロ初安打初打点となる三塁適時内野安打も記録した。東海大菅生3年夏の西東京大会決勝でサヨナラ適時打を許し、憧れの甲子園を逃した日から1731日ぶりの神宮球場で輝きを放った。チームは5連勝で2位ヤクルトに2・5差とした。無我夢中だった。5回1死一、二塁。高橋はフルカウントからヤクルト・バレンティンのど真ん中へ「とりあえずストライクに行ってくれ!」と腕を振った。膝元の低さへスクリューが落ち、空振り三振。「よしっ!」とグラブをはたいた。続く雄平も三邪飛。「炭谷さんの要求通りに投げられた部分があったので抑えられました」。毎回得点圏に走者を置きながら、5回を無失点に抑えた。 5年前の夏は、このマウンドで悪夢を見た。14年7月、東海大菅生3年夏の西東京大会。日大鶴ケ丘との決勝に7回途中から2番手で登板した。1-1と同点の9回2死一、二塁。背番号11の高橋は帽子がずれるほど腕を振った。だが、右打者に内角高めの直球を左前へはじかれサヨナラ打に。ホーム後方で右膝をつき、ぼうぜんとした。 あと1勝で夢舞台を逃し、目標を見失った。夏休みの1か月間は寮から茨城の実家に戻ったが、ボールを1度も触らなかった。大好きだった甲子園のテレビ中継も一切見なかった。気晴らしに遊び歩き、夜遅く帰宅して母親に怒られた。過ぎる時間の中で自問自答を繰り返した。 ただ、結論は心の中で決まっていたのかもしれない。寮に戻ると自然と白球を手にしていた。八戸学院大に進み神宮を目指した。1度もたどり着けなかったが「今日ひとつ勝てたことでいい思い出ができました」。だからこそ「本当にプロを目指せる位置になったのは高校野球、特にその神宮での試合が一番です」と胸を張って言えた。 2回には「とりあえず来たボールを無我夢中で振りました。高校3年の時に神宮で打ったぶりですね」と三塁内野安打でプロ初安打初打点を記録。初勝利と同じく記念球は両親に渡す予定だ。苦い記憶を自らの手で上書きした。【桑原幹久】

◆巨人坂本勇人が6号3ランで先発高橋を援護した。 1点先制した直後の2回1死一、三塁から、142キロのカットボールを右中間スタンドに運び「コースに逆らわず打ちにいけるのは一番確率的にもいいこと」と言った。試合前のファーストピッチセレモニーではギャオス内藤のボールを左中間にはじき返し、球場を沸かせた。5連勝に「上位打線だけではなくて、チーム全員で攻撃できている」と手応えを感じている。

◆ヤクルトのドラフト5位ルーキーの左腕坂本光士郎投手が9回にプロ初登板。1死から陽岱鋼に中二塁打を打たれ、続く2人に連続四球。満塁のピンチで何とか炭谷を併殺に打ち取って無失点で切り抜けた。 試合後は「体が勝手に緊張していた。守備にすごく助けられた。コントロールが課題なのにフォームが練習と全然違った。これから修正していかないと」と反省しきりだった。

◆後輩へ叫んだ声がはね返ってきた気がした。東海大菅生3年の11月、高橋は後輩の秋季東京大会決勝の応援に行った。序盤、スタンドから「和貴! 俺の帽子を見ろ!」と、失策してうつむく1学年下の小磯和貴さんへ声を張り上げた。この日、寮を出発する際に「これをかぶって行けよ」と3年間をともにした帽子を手渡した。つばには「自分を信じろ」と記した。 その試合で、小磯さんは二松学舎大付の1年生エースで大江(現巨人)から2安打をマークした。チームも逆転勝ちでセンバツ切符をつかんだ。高橋は野球人生で1度も全国大会には出られなかった。「チャンスを全部つかめたらいいですけど、それは限りなく難しい。でも、はなから諦めるのか、最後まで食らいつくのかで差が出ると思う」。中学から大学まで同じチームだった後輩へ届けた青春時代のメッセージを今でも胸にとどめている。【桑原幹久】

◆巨人原辰徳監督(先発高橋の適時打に) 「非常に大きいですね。何とか、執念みたいな感じをね。バットがボールに当たったの初めて見たよ。(投球は)もう少し球数を考えて放るように、やっぱり精度、コントロールでしょう。勢いそのものはあると思います」

◆巨人・坂本勇人内野手(30)が24日、ヤクルト5回戦(神宮)の二回、6号3ランを放った。  巨人は二回に「9番・投手」の高橋の三塁への適時打で1点を先制。続いて1死一、三塁で坂本勇が打席へ。カウント2-0からブキャナンが投じた3球目、外角高めのカットボールを右中間席へほうり込み、4-0へとリードを広げた。「先制点が入った後、もう一点ほしい場面でした。 追加点が取れてほっとしました」とコメントした。  開幕から2番に座り、16日の広島戦(鹿児島・平和リース)からは1番を任される主将は、これで開幕から21試合連続出塁をマークした。  その後、ビヤヌエバにも左翼への4号ソロが飛び出し、チームはこの回5点を先取した。

◆巨人のドラフト1位・高橋優貴投手=八戸学院大=が24日、ヤクルト5回戦(神宮)に先発。9番に座り、回ってきた二回1死二、三塁の1打席目に、プロ初安打となる適時三塁内野安打を放ち、初打点も記録した。  相手先発・ブキャナンが投じた内角球を振ると、打球は高く弾み、三塁手の方向へ。高橋自身も全力で一塁を駆け抜け、セーフとなった。高橋の先制打を皮切りに、打線がこの回5点を入れた。

◆巨人のドラフト1位・高橋優貴投手が24日、ヤクルト5回戦(神宮)に先発し、5回5安打無失点と好投し、勝ち投手の権利を手にしてマウンドを降りた。  好調の打線から二回に5点の援護をもらい、リズムよくアウトを重ねた。三回には先頭の1番・荒木に左中間二塁打を許し、青木に四球を与えて無死一、二塁。クリーンアップを迎えたが、ともに勝負球のスクリューで山田を二飛、バレンティンを右飛に仕留めた。最後は雄平をスライダーで投ゴロ。ルーキーらしからぬ落ち着きでピンチを脱した。  五回を無失点に封じ、六回表の攻撃で代打を送られ、102球で後続にバトンタッチ。4奪三振、3四球の内容だった。

◆巨人の野上亮磨投手(31)が24日、ヤクルト5回戦(神宮)の六回から2番手として今季初登板し、3回1安打無失点の好リリーフを見せた。  この日、今季初昇格を果たした右腕は、5回無失点と好投したドラフト1位ルーキーの高橋からバトンを受け、7点リードの六回に登板。六回、七回をテンポよく三者凡退に打ち取り、3イニング目の八回2死で雄平に右前打を許したものの、続く大引をチェンジアップで空振り三振に仕留めた。  西武からFAで加入して2年目。開幕1軍からは外れたが、巡ってきたチャンスで結果を出した。

◆巨人は24日、ヤクルト5回戦(神宮)に7-2で快勝し、5連勝で首位の座を堅守した。  先発したドラフト1位・高橋(八戸学院大)が5回102球を要しながらも無失点と好投し、2番手の野上も3回無失点。九回に登板した吉川光が先頭の西浦にソロを浴びるなど2失点し、1974年8月以来、45年ぶり球団タイ記録となる4試合連続完封こそ逃したものの、危なげなく逃げ切った。  原監督はこの日今季初昇格を果たし、早速結果を出した野上を「素晴らしい。締まったゲームになった」とたたえた。最近登板した4試合中3試合で失点するなど不振の吉川光には「何とかいい形で立ち直ってもらいたいという感じだけど...」と復調を期待した。

◆セ・リーグ1位の巨人は24日、首位攻防となったヤクルト5回戦(神宮)に7-2で勝利し、5連勝を飾った。先発のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=が、5回5安打無失点で2勝目を挙げた。一問一答は以下の通り。  --プロ2勝目  「先輩方がたくさん打ってくださって、よく投げられたと思います」  --2回に5得点。  「1点をあげてもいいという気持ちでマウンド上がったので、そういう気持ちの余裕があったと思います」  --プロ初安打初打点  「自分のバットでという思いもあったんですけど、なんとか当たってくれと思ってバットを振りました」  --東海大菅生高校以来の神宮  「高校生の時に良いイメージで投げれていたので、そういったイメージで投げれたかなと思います」  --チームは5連勝  「チーム一丸となって、また明日も勝っていきたいと思います。また明日も応援よろしくお願いします」

◆セ・リーグ1位の巨人は24日、首位攻防となったヤクルト5回戦(神宮)に7-2で勝利し、5連勝を飾った。先発のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=が、5回5安打無失点で2勝目を挙げた。  「炭谷さんの考えたリードもあり、それに要求通りに投げられた部分もあったので、抑えられたのかなと思います」  バットでも魅せた。二回1死二、三塁の1打席目に、強くたたきつけて、プロ初安打となる適時三塁内野安打を放ち、プロ初打点も記録。「とりあえず来たボールを無我夢中で振りました。なんとか当たってくれと」と苦笑いで振り返った。  大学時代はDH制。安打は東海大菅生高3年時の2014年に夏の甲子園出場を目指した西東京大会準決勝、日大三高戦以来、5年ぶり。元中日投手で、同校の若林弘泰監督(52)も「二刀流なんか考えたことはないですね」と振り返るように、打撃は得意ではなかったが、決勝打でチームにも自身にも勝利を呼び込んだ。

◆ヤクルトは0-7の九回に2点を返すのが精いっぱいで、今季初の3連敗を喫した。小川監督は「(五回まで)毎回走者を出したけどつながらなかった」と肩を落とした。  雄平は一、三、五回の好機で凡退し「僕に責任がある」と唇をかんだ。2安打と気を吐いた西浦は「明日につなげないと駄目」と気持ちを切り替えた。 ブキャナン(4回5失点で今季初黒星) 「不用意な投球になってしまったところがあった」 ヤクルト・田畑投手コーチ(二回に5失点したブキャナンに) 「ビッグイニングをつくられるときつい。先発が試合をつくれていないことが勝てない原因になっている」

◆巨人が九回に失点し、20日の阪神戦の一回から続いていた無失点記録が35イニングでストップした。巨人の35イニング連続無失点は1995年7月18日の阪神戦の一回-同22日の中日戦の八回以来24年ぶり。  新人・高橋がデビュー2連勝。巨人の新人投手のデビュー2連勝以上は2015年の高木勇人(5連勝)以来4年ぶり。巨人の大卒新人投手で初登板先発勝利に続いて2連勝目も先発で挙げたのは、42年の藤本英雄以来77年ぶり2人目。  巨人の新人投手が勝利打点を挙げたのは13年5月4日の菅野智之(広島戦)以来6年ぶり。

◆チームの新人一番乗りで1軍昇格を果たしたD5位・坂本(新日鉄住金広畑)が九回にプロ初登板。巨人打線を1回1安打無失点に抑えた。好結果も2四球を反省した24歳左腕は、「制球が課題。練習のときとフォームが全然違った。修正していかないと」と次戦を見据えた。

◆坂本勇が1点リードの二回、右中間に6号3ランを放った。先発の高橋が先制打を放った直後にブキャナンのカットボールを捉え、「投手がああやってつないでくれたら、気持ち的にもいい感じで入れる。チーム全員で攻撃できている」と納得の表情だ。好調の主将は、開幕から続く連続試合出塁を自己最長の「21」に伸ばした。

◆投打がかみ合わず、今季初の3連敗。2カード連続の負け越しに小川淳司監督(61)は「打つ方につながりがなかった。走者は出したんだけれど」と渋い表情だ。  巨人の先発左腕、高橋の対策として左打者の太田と村上を外し、右打者の荒木と大引をスタメンに加えた。打線は五回まで毎回安打。だが、得点圏に走者を置いた状況で3度、打席に立った雄平がいずれも凡退。雄平は「1、2打席目は相手に合わせすぎた。どこかで打たないといけなかった」と悔やんだ。  先発のブキャナンも二回に坂本勇に3ランを浴びるなど5失点。序盤から劣勢に立たされた。小川監督は助っ人右腕について「坂本の本塁打が大きかった。もう少し踏ん張ってほしかった」と苦言を呈した。 (横山尚杜) 4回8安打5失点で初黒星を喫したヤクルト・ブキャナン 「不用意な投球になってしまったところがあった」 3連敗にヤクルト・田畑投手コーチ 「先発が試合を作れていない。責任を持って投げないと」

◆首位・巨人は24日、ヤクルト5回戦(神宮)に7-2で快勝。5連勝で2位の燕とのゲーム差を2・5に広げた。先発のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=が5回5安打無失点で開幕から2連勝。バットでも、二回に放った三塁への適時内野安打が決勝打になった。  高橋は真面目な性格だ。プロ初勝利を挙げた4日に中学と大学時代の監督に電話で報告。「いろいろな方に支えられているな、ということを実感した」。翌5日は午前9時半からジャイアンツ球場で行われる2軍練習に参加予定だったが、午前8時半にはユニホームを着てグラウンドへ。3軍が練習中だったためで、お世話になったチームスタッフに白星を報告。室内練習場にも向かい、スタッフに丁寧に頭を下げた。

◆首位・巨人は24日、首位攻防となったヤクルト5回戦(神宮)に7-2で勝利。5連勝で2位の燕とのゲーム差を2・5に広げた。先発のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=が5回5安打無失点で2連勝。バットでも、二回に放った三塁への適時内野安打が決勝打になった。チームは4試合連続無失点勝利の球団記録を逃したが、連勝街道を突き進む。  あのときと同じマウンドで、成長した姿を見せた。勝利の瞬間を三塁ベンチで見届けた高橋。プロ2勝目をかみしめた。  「(高校)3年で負けたときに大学、プロでいい思い出を作りたいという話をした。先輩たちの打撃に感謝して。いい思いができたと思います」  毎回走者を許すも、要所を締めた。三回は無死一、二塁のピンチを背負ったが、山田哲を二飛、バレンティンを右飛、雄平を投ゴロに。5回無失点で、球団の大卒新人では2007年の金刃憲人以来、12年ぶりに初勝利から2連勝を飾った。  バットでも魅せた。二回1死二、三塁からはプロ初安打となる決勝の三塁適時内野安打を放ち、「バットに当たったのがよかった」とプロ初打点も記録した。  2014年7月28日。夏の甲子園出場を懸けた、西東京大会決勝。東海大菅生高3年で背番号11を背負った高橋は、日大鶴ケ丘高と対戦した。1-1と同点の七回途中から神宮球場のマウンドに上がり、最後はサヨナラ負けで敗戦投手に。あれから約5年。プロの選手として、神宮のマウンドに立った。  高校時代の恩師で元中日投手、若林弘泰監督(53)には練習に取り組む姿勢からたたき込まれた。「ランニングの量も一番じゃないといけないぞ。他の選手にも負けるな」と言われ、己を磨いた。決勝戦を契機に、本気でプロを目指すと決意。引退後も、「絶対に練習に来いよ」と言われ、毎日グラウンドに向かった。  師が率いる母校は、秋季東京都大会準優勝で選抜大会出場を逃したが、現在は春季大会で4強に進んでいる。試合の結果をチェックしている高橋は「(選抜不出場の)悔しさというか、必死さは自分も見習わないといけない。母校には負けていられないですね」と原点回帰。若林監督と同じく東京ドームで1勝目を挙げ、この日の2勝目で師を超えた。  102球で降板し、次回は中5日で、平成最後の試合となる30日の中日戦(東京ドーム)に先発する可能性もある。高橋の快進撃は止まらない。(赤尾裕希)

◆首位を走っているから、言うのではない。巨人の野球は、明らかに昨年までとは違っている。  うならされたのは二回の攻撃。無死一、二塁で、打者・炭谷の場面。フルカウントから走者にスタートを切らせた。炭谷もまた、内角シュートにバットを折られながら、無理やり二塁へ転がして進塁打。これが効いて、一挙5得点につながった。  選手に任せて、結果を期待して待つのではない。思い切って局面を動かす。何が何でも、点を取る。先に先に、取りにいく。私の目には、原監督の優勝にかける執念だと映っている。  サインを出したからといって、選手が思惑通りにプレーしてくれるわけではない。キャンプから、こんこんと説き、意識付けを徹底してきた証拠だろう。  原監督はまた、若手や伏兵の使い方がうまい。不調な打者を楽な場面で代打に出し、感触を戻させようという、気配りも感じる。もちろん、主軸にも、送りバントを命じるときは命じる。大型打線の陰に隠れた、多彩でシビアな采配は、見過ごせない。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1470 0.667
(↑0.017)
-
(-)
122110
(+7)
73
(+2)
32
(+2)
8
(+2)
0.277
(↓0.001)
3.210
(↑0.06)
2
(-)
ヤクルト
12101 0.545
(↓0.026)
2.5
(↓1)
120115
(+2)
107
(+7)
25
(+1)
9
(+1)
0.247
(↓0.001)
4.300
(↓0.12)
3
(-)
中日
11100 0.524
(↓0.026)
3
(↓1)
12288
(-)
72
(+5)
19
(-)
16
(-)
0.279
(↓0.002)
3.420
(↓0.1)
4
(-)
広島
10120 0.455
(↑0.026)
4.5
(-)
12178
(+5)
101
(-)
20
(+3)
7
(-)
0.229
(↑0.003)
3.740
(↑0.18)
5
(1↓)
DeNA
9130 0.409
(↓0.02)
5.5
(↓1)
12183
(+1)
94
(+3)
25
(-)
4
(-)
0.237
(↓0.003)
3.800
(↑0.04)
5
(1↑)
阪神
9131 0.409
(↑0.028)
5.5
(-)
12086
(+3)
113
(+1)
18
(+1)
10
(-)
0.239
(↓0.001)
4.040
(↑0.14)