DeNA(★3対8☆)阪神 =リーグ戦4回戦(2019.04.23)・横浜スタジアム=
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阪神
21003020081311
DeNA
0000003003621
勝利投手:青柳 晃洋(1勝2敗0S)
敗戦投手:上茶谷 大河(0勝2敗0S)

本塁打
【阪神】福留 孝介(2号・5回表3ラン)
【DeNA】佐野 恵太(2号・7回裏3ラン)

  DAZN
◆阪神は初回、4番・大山の適時打などで2点を先制する。その後は、2回表に近本の適時二塁打で加点すると、5回には福留の3ランが飛び出し、試合を優位に進めた。投げては、先発・青柳が7回途中3失点の好投で今季初勝利。敗れたDeNAは、先発・上茶谷が試合をつくれなかった。

◆阪神の4番・大山悠輔内野手(24)が先制打を放った。 1回1死二、三塁の好機に、DeNA先発上茶谷のスライダーをとらえ、しぶとくセンター前に運んだ。阪神打線は巨人投手陣に2試合連続完封負けを喫しており、これが19イニングぶりの得点だった。大山は「前回、青柳さんの登板のときに援護することができなかったので、初回から先制できてよかったです」。 ここ2戦、好投しながら援護がない青柳に先制点をプレゼントできたことを喜んだ。さらに、福留の右犠飛で1点を追加。福留は「いいところで回ってきたので、何としてもかえそうと思って打席に入りました。最低限の仕事ができてよかったです」と話した。

◆阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)が適時二塁打で先発青柳を援護した。 3回2死三塁のチャンスで、同じドラフト1位のDeNA上茶谷のカットボールをとらえ、左中間を破った。「青柳さんがしっかりと送ってくれたので、内野安打でもいいと楽な気持ちで打席にはいることができました。その結果がタイムリーとなってよかったです」と、1死二塁から犠打で三塁へ進めた青柳に感謝していた。

◆DeNA上茶谷大河投手(22)の初勝利はならなかった。 ドラフト1位右腕が中6日で先発。ここまで3戦で白星なしと勝ち運に見放されていたが、この日は立ち上がりから苦戦。糸原、糸井、大山に3連打を浴びるなどいきなり2失点。2回にも近本に適時打を浴び、2回まで3失点してしまう。3、4回は無失点に切り抜けるも、5回2死一、二塁で福留にバックスクリーンへの3ランを浴びて、マウンドの前でガックリとしゃがみ込んだ。続く梅野に中前打を浴びて、無念の交代。4回2/3を投げて8安打6失点。またしても初勝利を挙げられなかった。 降板後「制球が安定せずにカウントを悪くしてしまい、自分のリズムで投球することができませんでした。甘く入ったボールを打たれてしまい、また打たれたボールは高かったので、長打になってしまったと思います。チームにいい流れを作ることができず、申し訳ないです」とコメントした。 ▽DeNAラミレス監督(上茶谷について)「3、4回は良くなったが、最後に3点取られてしまった。(4併殺の打線も)それも野球の1つ。何もすることができなかった」

◆阪神福留孝介外野手(41)が2号3ランを放った。3点リードの5回2死一、二塁でDeNA上茶谷の初球ストレートをセンターバックスクリーンへたたき込んだ。 打った瞬間に歩き出すほど手応え十分の1発。福留は「青柳がいい投球を続けてくれていたので、チャンスで1点でも多く追加点をと思っていました。いい形でとらえることができました」と話した。1回に犠飛、3回には右前打。昨季、4割5分9厘と打ちまくった相性のいい球場で、この日も大暴れだ。

◆阪神青柳晃洋投手(25)が、DeNA打線を相手に7回途中3失点(自責点2)にまとめ、今季初勝利を挙げた。 毎回のように走者を背負った。1、2回は1死一塁。4、5回は無死一塁。だが、ことごとくダブルプレーに切って取った。4つの併殺でピンチを切り抜け、7回に佐野に3ランを浴びるまで無失点投球。 ここ2試合は好投しても勝ちがつかなかったが、この日は打線が7回までに8得点で大量援護をもらった。青柳は「味方が早く点を取ってくれたので、自分のペースで投げることができました。要所、要所を併殺でしのぐことができたことはよかったですが、最後のホームランは詰めの甘さが出てしまいました」と反省しながらも、味方打線に感謝した。

◆DeNAが今季初の6連敗を喫した。先発のドラフト1位右腕上茶谷大河投手(22)が立ち上がりから苦しんだ。糸原、糸井、大山から3連打を浴びるなど2失点すると、2回には「ドラフト1位対決」となった近本から適時打を浴びて3失点目。5回にも福留に3ランを打たれて、中盤までに大量リードを許した。 打線も毎回のように走者を出すも、4併殺とつながらず。7回に佐野の3ランで一矢報いるのがやっとで、投打にかみ合わなかった。これで借金3。アレックス・ラミレス監督(44)は「(上茶谷は)3、4回は良くなったが、最後に3点取られてしまった。(4併殺の打線も)それも野球の1つ。何もすることができなかった」と振り返った。

◆阪神青柳晃洋投手が7回途中を3失点に抑え、今季4度目の登板で初勝利を挙げた。走者は出したが、4併殺でピンチを切り抜けた。今季は投球内容もよく、カード初戦に抜てきされた。首脳陣の期待に応える好投だった。-今日は中5日でマウンドに上がりました。どの辺に注意して投げようと思ったんですか 青柳 5日でも6日でも関係ないので、チームが勝てるように、それだけ意識して投げました。 -今日の投球で一番よかったところ、どの辺でしょうか 青柳 ゴロでゲッツーとれたんで、それで野手がゲッツー取ってくれたんで、リズムに乗ることができましたし、ゼロに抑えることができたんで、よかったなあと思います。 -今日は序盤から打線の援護ありました。2回までに3点取ってくれましたね。 青柳 早い段階で取ってもらえたので、楽に投げることができましたね。 -地元神奈川で今日が初勝利です 青柳 この地元横浜で勝てるのが、一番うれしいです。 -目の前にハマのタイガースファンがたくさんいます。どんな光景ですか 青柳 すごくうれしいですね。甲子園とは別の歓声があるので、横浜でどんどん勝っていきたいと思います。 -チームの連敗も止めた。連敗ストッパーですね 青柳 それは野手の方々が打ってもらえたので、僕の勝ちはたまたまということで、明日からも、野手の方々にいっぱい打ってもらいます。 -最後に次回に向けて意気込みを 青柳 今日3点取られたんで、ゼロに抑えて、完封目指して頑張ります。

◆これがE評価? 阪神近本光司外野手が巧みなバットコントロールを見せつけた。 2回に追加点となる適時二塁打、7回2死満塁でもダメ押しの左中間2点適時打を放って3打点をマーク。今季6度目となるマルチ安打で打率を2割9分3厘とした。「追い込まれてから粘ることもできた。三振も頭に出てくるけど、後ろのバッターにつなげるように意識しています」。新人で12球団一番乗りとなるプロ1号をマークし、ここまで3本塁打を記録。身長170センチの身体から生み出す、豪快なスイングも特徴的だ。 発奮材料がある。eスポーツでも使用されているゲームソフト「実況パワフルプロ野球2018」(コナミ)が23日に無料アップデートされ、ドラ1の近本が登場。走力はもちろん「A」評価だが、打撃ではパワー、ミートともに「E」評価だった。伝え聞いた近本は、苦笑いで「シーズンが終わったときにどれだけ(能力が)上がっているかですね」と評価急上昇を誓っていた。5回には二盗も成功させ、今季3盗塁目。こちらは「A評価」を証明。現実の世界では、パワプロの能力値を裏切る活躍を見せつけている。成長著しい新顔が、虎を引っ張る。【真柴健】

◆令和も頼むで! 阪神福留孝介外野手(41)が得意のハマスタで大暴れした。5回に試合を決める2号3ランを放つなど2安打4打点。26日に42歳を迎えるベテランが健在ぶりを見せつけ、チームは3連敗でストップ。昨年は10勝3敗と大きく勝ち越した横浜で逆襲が始まった。打った瞬間に確信した。5回2死一、二塁。福留がDeNA上茶谷の初球143キロを鋭いスイングで完璧につかまえた。「青柳も良い投球を続けてくれていたので、チャンスで1点でも多く追加点を、と思っていた。(初球は)常に最初から。自分から仕留めにいこうとしている」。歓声に包まれた打球は、グングン伸びてバックスクリーンに吸い込まれる。試合を決定づける2号3ラン。打球の行方を見届けるとゆっくりと歩き出した。 港町の心地いい風が、大ベテランの背中を押す。昨季は横浜で打率4割5分9厘、3本塁打、11打点と、わが家の庭とばかりに打ちまくった。横浜でのシーズン初戦となったこの試合でも初回には1死一、三塁かライナー性の完璧な当たりで右犠飛。3回には右前打を放った。2安打を放ち今季初の4打点と大暴れ。やはり相性は抜群だ。 愛する家族がベテランを支えている。家に帰れば1男1女のパパだ。19日は長女・桜楓(はるか)ちゃんの8歳の誕生日だった。金曜日のナイターゲームだった当日は「もう寝てるよ」と苦笑いだったが、週末には家族そろって桜楓ちゃんが大好きなアイスケーキでお祝いした。グラウンドでも豪快な打ち上げ花火で4日遅れのバースデープレゼントだ。 福留も26日に42歳の誕生日を迎えるが、経験に裏打ちされた技術、読みはズバ抜けている。打率こそ2割3分9厘だが、得点圏打率になるとリーグ2位の4割6分2厘に跳ね上がる。勝負強さがその証しだ。矢野監督も「いい打球が増えている。今日も孝介の4打点が大きかった」と最敬礼だ。巨人に3連敗を食らって乗り込んだ憔悴(しょうすい)の横浜で打線が先発野手全員安打の13安打8得点と大爆発。最下位から逆襲へ。ベテランの一撃がチームにカツを入れた。【桝井聡】

◆確信のリクエストも実らなかった。6回1死三塁から近本の遊ゴロで、三塁走者・木浪聖也内野手が本塁へ突入。遊撃手大和が本塁に送球し、アウト判定となった。 微妙なタイミングで矢野監督もリクエストを要求したが、リプレー検証後に判定が覆ることはなかった。矢野監督は「こっちから見たらセーフに見えたけど。審判の判断だから、それは仕方がないと思うけど...」とコメント。木浪も「セーフだと思ったんですけど」と悔しがった。

◆阪神梅野隆太郎捕手が今季4度目の猛打賞で首位打者キープだ。 2打席凡退後、5回に上茶谷から中前に運ぶと、7回と8回には2打席連続で左前に運んだ。直近の巨人戦は2試合無安打だったが打率を3割7分5厘に上げた。「カード頭に勝ててアドバンテージが取れたのは良かったです」。受けては青柳らを好リード。攻守にわたる活躍で連敗ストップに貢献した。

◆阪神青柳晃洋投手(25)が、今季初勝利を挙げた。DeNA打線を相手に7回途中3失点(自責点2)にまとめ、4度目の登板で今季初勝利。チームの連敗も3で止めた。 川崎市出身で横浜市に実家がある青柳にとって、地元での登板は新人だった16年8月4日に先発して以来。そのときは4回途中3失点でKOされていた。リベンジも果たし、勝利投手となった。青柳は「うれしかった。(球場には)母も来ていると思います。親や友だちの前で勝てたのはうれしいし、よかったです」と喜んだ。 ピンチの芽を鮮やかに刈り取った。1、2回は1死一塁。4、5回は無死一塁。走者を背負っても青柳は落ち着いていた。次打者に内野ゴロを打たせ、次々とダブルプレーに仕留めた。4併殺で切り抜け、7回に佐野に3ランを浴びるまで無失点。試合を作った。「シングルヒットならいいという、昨年(2軍監督だった)矢野さんの下で学んだ野球が体現できた」と振り返った。 青柳は、手に汗握る展開でも「秘策」を用意している。登板日のアンダーシャツは「長袖」を用意。「下投げだから、腕から伝ってくる汗がすごく気になる。だから、持ってるアンダーシャツは、ほとんどが長袖ですね。投げる時に伝ってきて滑るのは嫌なので。1球ずつロジンを付けるのも、そうです」と明かす。 今季初の中5日で、しかも週とカード頭の先発に起用され、矢野監督の信頼に結果で応えた。右腕は「初めてですし、週頭で使ってもらえたのは信頼してもらえているのかな」と話した。指揮官は「ちょっと今、投手が苦しい状況なんで、青柳に引っ張っていってもらいたいなっていうね」と好投をたたえた。今度は、青柳が連勝のスターターになる。【高垣誠】

◆阪神は23日、今季初めてとなる横浜でのDeNA戦でいきなり先制に成功した。  一回1死から糸原が二塁内野安打を放つと、糸井が左中間二塁打で続いて二、三塁。ここで4番・大山がカウント2-2からの6球目、外角のスライダーを中前に運んで先制に成功した。さらに一、三塁から福留が右犠飛を放ち、追加点。20、21日の巨人戦(甲子園)は2試合連続完封負けを喫したが、さい先よく19イニングぶりの得点を記録した。  大山は「打ったのはスライダー。前回、青柳さんの登板のときに援護することができなかったので、初回から先制することができてよかったです。まだ序盤なので、もっと援護できるようにがんばります」とコメントした。  二回には2死三塁からD1位・近本光司外野手(大阪ガス)の左中間適時二塁打で3点目。阪神は最下位に沈んだ昨年、横浜スタジアムでは10勝3敗で打率・288。今季もここまで7勝13敗1分の最下位と苦しんでいるが、いきなり好相性ぶりを発揮した。

◆阪神・福留孝介外野手(41)が23日、DeNA戦(横浜)で2号3ラン。DeNA先発のD1位・上茶谷大河投手(23)=東洋大=をKOした。  3-0の五回、阪神はエラーと四球で走者を出し、2死一、二塁として福留が打席へ。すると初球、真ん中の143キロを強振しバックスクリーンへ運んだ。6日広島戦(マツダ)以来となる今季2発目は、4試合ぶりの勝利を引き寄せる3ラン。「打ったのはストレート。青柳もいい投球を続けてくれていたので、チャンスで1点でも多く追加点をと思っていました。いい形でとらえることができました」とコメントした。続く梅野が中前打を放ったところで、上茶谷は降板した。

◆阪神はDeNAに8-3で勝ち、連敗を「3」で止めた。先発した青柳晃洋投手(25)が、出身地の横浜で七回途中3失点(自責2)と力投して、今季4度目の登板で初勝利を挙げた。  「地元・横浜で勝てるのが一番、うれしい。甲子園とは別の歓声がある。横浜でどんどん勝っていきたいです」  ヒーローインタビューで、ホッとした表情をみせた。  中5日でも安定感は抜群だった。キレのいいストレートで内角をえぐり、走者が出れば丁寧に低めに集めて五回までに4併殺を奪った。  前回対戦した10日のDeNA戦(甲子園)では、6回6安打1失点と好投も、打線の援護に恵まれずに2敗目。前回17日のヤクルト戦(神宮)でも、7回5安打無失点で勝ち投手の権利を持ったままマウンドを降りたが、中継ぎ陣が打ち込まれて、初勝利が幻と消えていた。  「ゴロでゲッツーがとれて、野手の方がしっかり守ってくれて、リズムよくいけた。僕の勝ちはたまたま。次回はゼロに抑えて、完封目指して頑張ります」  横浜市出身で、高校も神奈川県の川崎工科高。地元の虎党の歓声に、笑顔で応えた。

◆プロ初白星が遠い。DeNAのドラフト1位ルーキー上茶谷は、球が上ずり一回から2失点。0-3の五回は失投を福留に3ラン、続く梅野にも安打を許したところで交代を告げられた。8安打を浴び、4戦目でワーストの6失点(自責点3)で2敗目を喫し「制球が安定せず、自分のリズムで投球できなかった」とぼうぜんとした。  打線も横手投げの青柳のくせ球に凡打を重ね、4併殺打の拙攻。連敗は2016年6月に喫して以来の6に伸びた。ラミレス監督は「連敗中はほぼ毎日打順を変えてきたが、何かを変えないと、という意味で明日は我慢するよ」と自嘲気味に話した。

◆DeNAは阪神4回戦(横浜)で打っては五回までに併殺打4本、守備は2失策が失点に絡み3-8と完敗。2016年6月14-20日以来となる6連敗を喫した。  主将の筒香嘉智外野手は、四回の攻撃前に選手を集め円陣を組み「心ひとつにして戦っていこう」と呼びかけた。  七回に佐野の3ランで一矢報いた敗戦に、「チームの雰囲気はいいです」とキッパリ。「まだ4月ですし始まったばかり。必ず勢いに乗る時は来るのでそれまでしっかり準備しないといけない」と前を向いた。

◆DeNAは阪神4回戦(横浜)で打っては五回までに併殺打4本、守備は2失策が失点に絡み3-8と完敗。2016年6月14-20日以来となる6連敗を喫した。  ラミレス監督は「連敗の後には必ず連勝が来る。野球とはそういうものだ。今は雲に覆われているが、必ず雲は晴れる」と前向き。打線の起爆剤として、試合後には、2軍調整中の梶谷隆幸外野手の昇格が決まった。

◆今季初めてハマスタを訪れてビックリ。生まれ変わってたー!!  一塁側スタンドのその上に、広いウィング席がドーン! ネット裏の上方には、ゼイタクに野球を楽しめる個室観覧席がズラーリ。記者席もその並びにあるのだが、特大のガラス張りなので、なんだか沖縄・美ら海水族館のジンベエザメになったみたいでソワソワしっ放しの俺...。とにかく2019年のハマスタは興奮させてくれるので、野球ファンは集合!!  ハマスタ以上に生まれ変わったのが、本日初勝利を挙げた虎のサイダースロー(炭酸飲料じゃないよ。サイドとアンダーの中間)の青柳晃洋なのだ。オメデトウ!! 以前は制球に苦しみ、四球で自滅だったのに、本日は走者を出しても絶妙の制球力(?)で併殺打をなんと4個。てか、ここ2試合は6回1失点で黒星と、7回無失点で白星つかず。以前なら、本日こそはと力んで自滅していたと思うのだ。  ハマスタも青柳も生まれ変わったのだから、阪神が生まれ変われないはずがない。10連休もビックリの20連勝で生まれ変わったれー!!

◆別にヒマなわけではございませんが、誰の気持ちも同じです。この日サブデスクの阿部祐亮は出社前に阪神電車にとびのって甲子園に...そこから一目散で鳴尾浜に急ぎました。  鳴尾浜はソフトバンクとの2軍戦。行ってみて予測はしていたが驚いた。ちょっとした報道陣の数...それにテレビカメラも数台...ある程度予測はしてたけど...それだけ"アテにされているんだなぁ"とあらためて思った。もっとも、そのアテにしている側で連日コキつかわれて、それで女房子供を養っている阿部としてはやっぱり肩に力が入っていた。  「おや珍しい...」と声をかけられて振り向くと原口選手だ。元気そうなので一安心...。  「おや珍しい...」また振り向くと平田勝男2軍監督だ。いつもながら平田さんもタテ板に水...で平田節をタップリ...。  「おや珍しい...」振り向くと...ソフトバンクの久保康生2軍投手コーチである。この人も長く阪神のコーチをつとめたから、そりゃ気になるだろう。  こう書くとほとんど世界中の人々がタイガースのことを"心配"している(まさか)ようだけど...それほど当面の世間のフォーカスはその1点に集中しているんだ。  藤浪は...マルテは...  朝からそれをマークしていた新里公章は「ソレが...どうも本日はスルーなのかもしれません。つまり...藤浪投手もマルテ選手も明日の2軍戦にベールを脱ぐ...という感じでして...すいません」という電話だ。おいおいまるで"芝居の幽霊"だなぁ...(出そうで出ない)といったら新里が恐縮してたョ。  これで焦ったのが本日の当番デスクの白石大地だ。「今朝は、例のタイガー・ウッズが優勝したマスターズの取材でボクは会社の健康診断をうけそこなったので、朝早く病院でうけてきました。血液検査はまだ先ですがそれ以外の血圧、脈拍などはすべて正常と先生からお墨付きをいただいて出勤したのです。そしたら(アテにしてた)藤浪投手とマルテがともに出場しない...というのでボクは思わず血圧があがりまして...」。実はそれをあてこんで落ち着いていたら...2人ともが「芝居の幽霊」となって姿がかき消えたしだい。  こうなりますと白石は「アハハ...大丈夫です。阪神は横浜では強いんですから...ま、見ててください。大丈夫だぁ!」とでかい独り言で自らを鼓舞していた。  いかがですか。涙ぐましい...といえば可愛いけれど、かくもひたむきに猛虎の勝利を切実に祈っているんです。なぜかといえばDeNAのファンの皆様にはもうしわけないけど、まだAクラスをねらうポジションにいるじゃありませんか。それに比べて我がキズだらけの虎は..."空腹感"たっぷりのか細い遠吠えに思わず涙がこみあげてくるようじゃありませんか。  どうせまた上茶谷投手の剛球にのたうつのかしらん...と思いました。  しかし...です。こんな時こそ落ち着いている長友孝輔が「試合前のムードは明るかったですョ。なにしろみんなは横浜が好きですから...ま、大山選手に注目してください...」と指摘してきた。今は何かと風当たりは強いがとにかく振り切れ!  それが初回に先制打となった。こうなると阪神は久しぶりの「お茶漬けの味」からギトギトのステーキみたいなことになって...ご覧のとおりのゲーム。  青柳の絶妙のピッチングに久しぶりに美味い酒で放歌高吟...さぁこれで藤浪とマルテのそろい踏みとくりゃあいよいよか...(タッタ一つでこの単純な歓喜...)。  遅桜 なほもたづねて 奥の院...(虚子)

◆--青柳は中5日で丁寧に低めを  矢野監督「ピッチング自体はずっと安定してるし。今までの青柳のときは、一生懸命腕を振って投げることがメインになってた。今はバッターを見たり、自分でどういうアウトを取りたいという意図もしっかりありながら投げられてるのでね。横から見てても安心感あるというか。ちょっと今ピッチャーも苦しい状況なんでね。青柳に引っ張っていってもらえたらなって」  --火曜日に先発が粘った  「いい形で行ってくれたし、守屋とか島本もね。こういうところで投げていけることでね、また自信もついてくると思うし。青柳と孝介がね。いい流れをつくってくれた」  --六回の木浪でリプレー検証。セーフに見えたが  「こっちから見たらセーフに見えたんだけど。審判の判断だから、それは仕方ないと思うけど。あの映像だとセーフに見えたんだけど」

◆青柳が佐野に3ランを浴びた直後の七回1死から、岩崎が2番手で登板。後続を断って、流れを渡さなかった。「ヤギ(青柳)が頑張って投げていたので、なんとかつなげてよかった」。代打・楠本を三邪飛、続く関根を空振り三振に仕留めた。中継ぎとして5試合ぶりに登場し、2試合連続で無失点に抑えた。

◆D3位・木浪聖也内野手(ホンダ)は七回の失策を悔やんだ。1死一塁で正面のゴロをはじいてピンチを拡大し、直後、青柳が3ランを浴びて降板。「この球場は2バウンド目が弾むのは分かっていた。準備不足です」。二塁打で出塁した六回は三進後、近本の遊ゴロで本塁突入。アウトの判定で矢野監督がリクエスト。映像は微妙で木浪自身も「セーフと思ったんですが...」。判定は覆らず、試合後はちょっぴりホロ苦だった。

◆地元・横浜での声援に背中を押されながら、威力のある球をリズムよく投げ込んだ。中5日で先発した青柳が6回1/3を投げ、5安打3失点(自責2)。今季4試合目の登板にして待望の初白星を手にし、笑顔がはじけた。  青柳の恩師、帝京大・唐沢良一監督(49)は神奈川・相模原市の合宿所で教え子の勝利を知った。「大学時代に完封の意識が強かった。若手の成長のために、点差が開いたら、好投していても譲らせたいときがあった。『点を取られてないのに交代ですか?』ということもあった」。このオフの自主トレで母校を訪れたときの言葉にプロの自覚を見たという。「『145キロでも質が悪ければ打たれるから、(球の)質です』といってきた。これがプロとして感じていることだと思った」と振り返った。

◆「6番・捕手」でスタメン出場した梅野は五回の第3打席から中前、左前、左前と打ちまくり、今季4度目の猛打賞。打率・375で首位打者を堅持した。3試合ぶりの安打に「何とか今週打ちたい気持ちだった」とホッとした表情。若手投手陣をリードしての完勝に「(カードの)頭で勝つと、アドバンテージになる。とれてよかった」と声を弾ませた。

◆DeNAは打っては4併殺、守っては2失策がいずれも失点に絡んで完敗。2016年6月14-20日以来となる6連敗を喫し、起爆剤として2軍で調整中の梶谷の昇格が決まった。主将の筒香は四回の攻撃前に円陣を組んで「心を一つにして戦おう」。試合後も「まだ始まったばかり。必ず勢いに乗るときは来るので、しっかり準備しないといけない」とチームを鼓舞した。

◆一塁ベースで右拳を高々を突き上げ、横浜の黄色く染まった左翼席を沸かせた。大山がチーム19イニングぶりの得点を刻む先制タイムリーで、4番の仕事を果たした。  「勝ってよかったです。それ(味方投手への援護)がずっとできていなかったので、1点とれてよかったと思います」  一回1死二、三塁。カウント2-2からD1位・上茶谷大河投手(東洋大)の外角スライダーに食らいつき、中前へ運んだ。  大山、福留の中軸で一回に流れを呼び込み、矢野監督も「(上茶谷は)立ち上がり調子いいんかなという感じのところで、点取れたというのは流れが来たし、良かったと思います」と声を弾ませた。  大山は4試合ぶりの打点に加え、今季初盗塁も決めた。打って走って、存在感を高めていく。

◆昨年を知らない黄金ルーキーも、横浜を大好きになった。D1位・近本光司外野手(大阪ガス)は6打数2安打で、プロ最多となる3打点。5戦連続安打で快勝を呼び込んだ。  「三振っていうのは頭に出てくるんですけど、そういうところでもしっかり粘れるように、後ろのバッターにつなげるようにやっていきたい」  まずは2-0の二回2死三塁。追い込まれながらも粘りを見せて8球目、外角低めのカットボールを左中間へ運ぶ適時二塁打で貴重な追加点。さらに6-0とリードを広げた七回は無死満塁からD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)、青柳が凡退し、2死満塁となったところで打席へ。いけいけムードがしぼみかねない場面で、中前へ2点適時打でダメ押しした。矢野監督も「近本もあそこで、2死になってから打ったっていうのは大きかったと思う」と手放しで称賛した。  自身最多の3打点には「考えてなかったです」とにっこり。連続試合安打も5に伸ばしたが、久しぶりに決めたのが盗塁だ。五回先頭、遊撃・大和の失策で出塁すると糸井の打席で2ボールからの3球目で決めた。9日DeNA戦(甲子園)以来、11試合ぶりで今季3つめ。ここまで盗塁死は4で、打席以上に自慢の足はプロの壁にぶつかっていた。それでも果敢に攻めていく気持ちは失っていなかった。  トップバッターの座を手中に収めつつある背番号5。まだ最下位に沈む猛虎を、ルーキーが引っ張りあげる。 (大石豊佳)

◆地元・横浜での声援に背中を押されながら、威力のある球をリズムよく投げ込んだ。中5日で先発した青柳が6回1/3を投げ、5安打3失点(自責2)。今季4試合目の登板にして待望の初白星を手にし、笑顔がはじけた。  「勝ったのはうれしいですし、いつも通りやればいつか勝てるよと(福原コーチに)いわれていたので、いつも通りやって勝ちがついてよかったなと思う」  走者を出しても、凡打の山を築いた。一回、1死一塁でロペスを143キロの直球でつまらせて遊ゴロ併殺に料理。四回には先頭の神里に中前打を打たれたが、ソトを外角低めのツーシームでまたも遊ゴロ併殺に打ち取り、ピンチの芽を摘んだ。  阪神での1人の投手による1試合4併殺は、2008年3月30日の横浜戦(京セラ)で福原忍(現投手コーチ)が奪って以来球団タイ記録。「ゴロを打たせて、シングル(ヒット)はしようがないというのは去年、矢野さんから教わってきたことだったので」と確かな成長に胸を張った。  前回対戦した10日のDeNA戦(甲子園)では、6回を6安打1失点と好投も、打線の援護に恵まれず、2敗目を喫していた。前回登板の17日のヤクルト戦(神宮)でも7回5安打無失点で勝ち投手の権利を持ったままマウンドを降りたが、中継ぎ陣が打ち込まれ、今季初勝利は幻となっていた。  横浜スタジアムでの登板は、プロ入り後2度目。横浜出身で地元での今季初勝利に「横浜で勝ちがついたのはうれしい」と思わず笑みを浮かべた。  好投の背景には、類いまれなる集中力があった。春季キャンプを打ち上げ、沖縄から飛行機で移動する際、スマホで偶然、漫画『ちはやふる』を見つけて読んだ。「1巻から3巻までしか無料で読めなかったので、帰ってすぐに全巻まとめて買いました。41巻まで一気に読みましたよ」。競技かるたに熱中し、勝利を目指して努力するヒロインに自分を重ねながら、シーズンに向けて鍛錬を積んできた。  「僕が僕が、というよりチームが勝てるように。任せられた試合で先発として仕事がこなせるようにやっていきたい」  自分の結果よりも、あくまでチームの勝利が第一優先。誰よりも虎を思う男がこれからも勝利へと導く。 (織原祥平)

◆大好きハマスタで燃えた!! 阪神はDeNA戦に8-3で勝利し、連敗を3で止めた。「5番・左翼」で2試合ぶりスタメン出場の福留孝介外野手(41)が、五回に勝利を決定づける2号3ランを放つなど今季自身初の4打点をマーク。好相性のハマスタで2試合連続無得点だった打線も爆発し、今季初の先発野手全員安打。きょうも打ちまくるで!!  確信して夜空を見上げる。鮮やかにバットを放り上げ、白球も真っすぐに飛んでいった。元気復活の福留が、バックスクリーンへハマを突き放す3ランを含む4打点で元気注入。本拠地で屈辱にまみれた虎をよみがえらせた。  「常に最初から自分の打てるボールが来たら仕留めにいくつもりではいるけど。それがうまくいったというところじゃないですか」  3-0の五回。1死一、二塁から4番の大山が3球で見逃し三振に倒れ、2死となった直後だった。追加点が入らなければ、敵地のムードが一変する場面で、感覚を研ぎ澄ましたベテランが初球の143キロ直球をひと振りで「仕留め」た。ゲーム展開においても飛距離でも大きすぎる一発。NPB通算1000打点を決めた4月6日の広島戦(マツダ)での1号弾以来、14試合&49打席ぶりの2号3ランだった。  開幕から各球団との対戦が1巡して全17試合にスタメン出場。26日に42歳となるセ・リーグ最年長野手だが、虎を引っ張り続けてきた。移動ゲームが2戦あった16日からの1週間は、2戦で積極的休養。その間は打率・200(15打数3安打)と本来の姿ではなかったが、得意とする横浜でチームとともに一気に爆発だ。  一回の貴重な2点目を挙げる右犠飛とともに、今季初4打点。矢野監督も「いい打球も増えてきているし。これからもまだまだね。孝介には頑張ってもらいたい」と最敬礼した。  リフレッシュしたベテランが打線を引っ張り、今季初の先発野手全員安打で大勝。横浜スタジアムでは昨季も10勝3敗と、セ・リーグ本拠地球場で唯一貯金を作った。福留も2018年は打率・459、3本塁打、11打点。17年も打率・405、2本塁打、10打点と当たりまくっている地。「1回代えてみるとかね、今年阪神の本拠地を」と、オフのテレビ番組出演で福留らしいジョークも飛び出したほどだった。今季もここが、虎の逆襲の起点となる。  6位はそのままでも、4位タイの広島、DeNAを1ゲーム差で懸命に追う。「平成最後の伝統の一戦」を甲子園でも3連敗し、2戦連続零敗の6連敗で終えてしまった。立ち上がるきっかけをつかむなら、ここ横浜からだった。キャンプ中から「良ければ天国、悪ければあっという間に地獄みたいになる。その中で、その『地獄』になるところを、僕らがある程度、矢面に立てれば」と語ってきた。地獄に入りかけたところで、またも先頭に立って、チームを救ってみせた。  「みんな1日1日を新しい気持ちでやっているわけだし。そういう中でこういうゲームができて、またあしたやれたらいいんじゃないですか」  この地から授かるパワーを、復活した勢いを、簡単に止めない。きょうも勝って、真の逆襲につなげる。 (長友孝輔) 五回に3ランを放った福留について阪神・浜中打撃コーチ 「(本塁打は)きょう一番、大きかった。ここ一番で打ってくれる集中力はすごい」

◆青柳の脳裏をいろんな思いが駆け巡った試合だったと思う。自身が好投しながら白星に恵まれない。チームは連敗中。いざ、投げ始めるとまたしても好投。途中からはプロ初完投、初完封もよぎったのではないか。すべて、いい経験にしてもらいたい。そう振り返られる快投だった。  昨年までは三塁側に倒れてしまう投球フォームが、ことしはしっかり捕手に向かって投げられるようになった。これがキャンプから継続してできている。制球難に苦しんできた青柳が低めに丁寧に投げ続けられる最大の理由がここにある。ゴロでの4併殺が象徴的だ。  制球難を解消したといっても、荒れ球が消えたわけではない。二回の宮崎にぶつけそうな投球もあった。時々出現する抜け球。これがちょうどいい具合に「打者には怖い球」になっていた。  そして身につけた修正力。宮崎の四球の後に佐野を一ゴロ併殺打に。四回にはロペスにカウント3-0になりながらストライクを続けて見逃し三振。ベンチが安心できる投手に成長している。ガルシア、メッセンジャーらが離脱した先発陣だが、完投可能な青柳を軸にしたローテを組んでも問題ないだろう。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1370 0.650
(↑0.018)
-
(-)
123103
(+9)
71
(-)
30
(+1)
6
(-)
0.278
(↑0.005)
3.270
(↑0.18)
2
(-)
ヤクルト
1291 0.571
(↓0.029)
1.5
(↓1)
121113
(-)
100
(+9)
24
(-)
8
(-)
0.248
(↓0.005)
4.180
(↓0.08)
3
(-)
中日
1190 0.550
(↓0.029)
2
(↓1)
12388
(+2)
67
(+3)
19
(+2)
16
(-)
0.281
(↓0.004)
3.320
(↑0.02)
4
(1↑)
広島
9120 0.429
(↑0.029)
4.5
(-)
12273
(+3)
101
(+2)
17
(+1)
7
(-)
0.226
(↑0.002)
3.920
(↑0.1)
4
(-)
DeNA
9120 0.429
(↓0.021)
4.5
(↓1)
12282
(+3)
91
(+8)
25
(+1)
4
(-)
0.240
(↓0.001)
3.840
(↑0.05)
6
(-)
阪神
8131 0.381
(↑0.031)
5.5
(-)
12183
(+8)
112
(+3)
17
(+1)
10
(+3)
0.240
(↑0.005
4.180
(↑0.11)