広島(★2対3☆)阪神 =リーグ戦1回戦(2019.04.05)・マツダスタジアム=
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阪神
1000002003901
広島
0011000002401
勝利投手:メッセンジャー(1勝0敗0S)
(セーブ:ドリス(0勝0敗2S))
敗戦投手:大瀬良 大地(1勝1敗0S)

本塁打
【阪神】中谷 将大(1号・7回表2ラン)
【広島】鈴木 誠也(3号・4回裏ソロ)

  DAZN
◆阪神が連敗を4で止めた。阪神は初回、大山の適時打で先制する。その後は逆転を許すも、7回表に代打・中谷が2ランを放ち、再びリードを奪った。投げては、先発・メッセンジャーが6回2失点の好投で今季初勝利。敗れた広島は、打線が4安打2得点と振るわなかった。

◆左足薬指を骨折している阪神梅野隆太郎捕手(27)が8番でスタメンに名を連ねた。 梅野は2日巨人戦(東京ドーム)で走塁の際に左足の指を負傷。翌3日に東京遠征中のチームを離れ、4日に骨折が発表された。ただ、チームドクターの「治療を続けながらであれば、試合出場は可能」という判断もあり、この日から1軍本隊に合流した。 試合前に打撃練習やノックなどで準備を整えた梅野は「やるしかないです。(患部は)固めています。あとはアドレナリンです」と表情を引き締めた。

◆阪神の4番大山悠輔内野手が先制のタイムリーを放った。1回2死二塁から広島大瀬良の140キロカットボールを詰まりながらもセンター前に落とした。 大山は「追い込まれてしまいましたが、なんとか打ってランナーをかえしたいという思いだけでした。初回のチャンスで先制することができて良かったです」とコメント。この試合まで18打席ノーヒット、打率0割9分5厘と苦しんでいた。

◆広島鈴木誠也外野手が、勝ち越しの3号ソロを放った。 1-1の4回先頭の打席で、メッセンジャーのストレートをジャストミート。左翼席場外に運んだ。 「自分のスイングでしっかりとらえることができました。勝ち越しのホームランになってよかった」と話した。

◆阪神中谷将大外野手(26)が今季1号となる逆転2ランを放った。1-2と1点を追う7回2死一塁の場面。 代打で打席に立つと、広島大瀬良の7球目直球をフルスイング。打球は低い弾道で黄色い左翼ポールに直撃した。 中谷は「追い込まれた状況で、必死にボールに喰らいついた結果が最高のホームランになってくれて、よかったです」とコメントした。

◆広島大瀬良大地投手(27)は痛恨の1球で今季初黒星を喫した。 2-1の7回2死一塁で、代打中谷に左翼ポール直撃の逆転2ランを打たれた。ファウルで粘られた7球目、143キロの真ん中やや高めのストレートだった。7回3失点の粘投も実らず「あの1球が抜けて甘く入ってしまったことが反省点です。あそこでもうひと踏ん張りしたかった」と話した。

◆阪神先発ランディ・メッセンジャー投手が6回2失点で今季初勝利を挙げ、日米通算100勝を達成した。 1回に大山の適時打で先制したが、3回に広島菊池涼の適時二塁打で追いつかれ、4回には鈴木のソロで勝ち越しを許した。6回には2死満塁のピンチを迎えたが、西川を二ゴロに打ち取ると7回に代打中谷の逆転2ランが飛び出て、メッセンジャーに勝利投手の権利が舞い込んだ。7回からは桑原、能見、ジョンソン、ドリスの4投手でリードを守り、節目の勝利を飾った。 メッセンジャーは18年8月10日DeNA戦で日米通算100勝に王手をかけながらも足踏み。勝てなかった期間に2軍で再調整することもあったが、10度目のチャレンジで達成した。

◆俺が引っ張るん弾! 広島鈴木誠也外野手(24)が阪神戦の4回に、一時勝ち越しとなる特大の1発を放った。2試合ぶり3号もチームは逆転負けを喫し、単独最下位に沈んだ。若き4番は開幕から好調を維持しながらも、チームが波に乗れない状況に悔しさをにじませる。停滞感を打ち破るためにも、4番がバットで引っ張って行く。素振りのようなきれいなスイングから放たれた弾道は、広島の夜空を切り裂いた。1-1の同点の4回。4番鈴木はメッセンジャーの138キロにバットを一閃(いっせん)。白球は左中間スタンドを大きく越え、棒球ネットを直撃する"場外弾"で一時は勝ち越しに成功した。 「打ったのはストレート。自分のスイングでしっかり、とらえることが出来ました。勝ち越しのホームランになって良かったです」 試合中、広報を通じてコメントが伝えられた。だがチームは終盤に逆転を許した。1点を追う8回、鈴木の右翼方向へ飛んだ飛球は惜しくもフェンス手前で糸井のグラブに収まった。「結果的にアウトになったので。何とか塁に出たかったですが、また明日頑張ります」。開幕から好調をキープも、チームとかみ合わず表情は厳しいままだった。 チームは開幕から苦戦が続いている。日替わりとなっている5番はこの日、安部が入るも、4打数無安打。開幕から7試合、5番打者の打率は1割1分5厘まで落ち込んだ。後続に当たりが出ていなければ、4番へのマークは必然的に高くなる。相手投手との相性などで打線を入れ替えるなど、首脳陣は策を講じるが、それも空転している。 チームは連敗で単独最下位に沈んだ。広島の桜は満開を迎えても、今季の緒方広島はまだ五分咲き。緒方監督は開幕時「形なんて決めていない。シーズンに入っても試しながら戦っていかなければいけない」と、厳しい戦いは覚悟していた。スタートでつまずいても取り返す力がなければ、4連覇など口にできない。チームの先頭に立つ覚悟を決めた4番は誰より自覚している。試合後、厳しい表情を崩さなかった鈴木はこれからも、何度でも、何度でも、バットでチームを鼓舞し続けていく。【前原淳】

◆広島は阪神3連戦の初戦を、中盤まで優位に進めながら逆転負けした。緒方孝市監督(50)の一問一答は以下の通り。 -途中までいい展開 緒方監督 粘り強く(大瀬良)大地も投げてくれたし、悔しい1球になってしまったかな。 -大瀬良はエース級との対戦が続く 緒方監督 しっかりゲームをつくってくれたしね。打線も援護できるように、1点1点しっかりと。攻撃の形としてはしっかりつくれてるんで。僅差で勝てなかったのは本当に悔しいけど、しっかりと、こういうゲームの中から勝ちきるゲームをどんどん増やしていかなければ。 -鈴木がいいところで1発 緒方監督 状態はいいよ、振りを見ても。打席で集中力もあるし。 -菊池涼も3回に同点適時打 緒方監督 キクはああいうところで、思い切ったスイングをしてくれるからね。 -レグナルトが転倒 緒方監督 滑ったでしょ、バント処理のところで。トレーナーとピッチングコーチが行って、問題ない、ぜんぜん投げられると(いう報告だった)。

◆やっとこの瞬間が来た。阪神ランディ・メッセンジャー投手(37)が、"10度目の正直"で日米通算100勝を達成した。1-1の4回に鈴木にソロ本塁打を浴びるも、粘りの投球で6回4安打2失点で降板。直後、代打中谷が逆転の2ランを放った。「チームにとっても大きい勝利。今日はみんながしっかり守ってくれて、打つべきところで打ってくれたよ」。 節目の白星は連敗を4で止める価値ある勝利。矢野監督も「いやあ良かったよね。まずは100いったので、ここから110、120とどんどん行ってもらったらうれしいです」と賛辞を送った。 昨年、メッセンジャーは妻のベネッサさんが翻訳してくれたある記事を読んだ。記事の主人公、京都共栄学園野球部の三木慶太さんは6年前、福知山花火大会の屋台爆発炎上事故に巻き込まれ、大やけどを負った。困難を乗り越え努力する姿に心を動かされたメッセンジャーは、サイン入りユニホームと自著を送った。 昨年10月上旬、本のお礼にやってきた三木さん家族と対面を果たした時、メッセンジャーは「Keep Same(いつも同じように)」という言葉を伝えた。「もっといい選手はたくさんいた。だけどいい時悪い時で、気分で落ち込んだり、ふてくされたり、またおごってしまったり。そのムラで野球が出来なくなっていったんだ」。ナイターの試合で遅くなっても、毎日朝早く起きて、子どもたちと一緒に朝食をとる。勝っても負けても同じ朝を迎える。その言葉を胸に、ここまで活躍し続けてきた。 昨季は8月上旬に日米通算99勝としたが、そこから8戦白星がつかず。今季開幕戦を含めて9戦持ち越された。待望の100勝。それでも見すえるのはその先だ。「うれしいのはうれしいけど、自分としてはNPBだけの100勝に意味がある。その時にもっと大きく喜びたい」。日本での100勝まではあと4勝。来日10年目の助っ人は腕を振り続ける。【磯綾乃】   阪神矢野監督(メッセンジャーについて)「今日は苦しい展開で良く粘って投げてくれた」 阪神福原投手コーチ(メッセンジャーについて)「良かったよ、梅野もいいリードをしてくれた。今日はランディがよく頑張ってくれて、日米100勝してくれて良かったです」

◆マツダスタジアム 中谷やったぞ! 阪神が劇的な逆転勝ちで連敗を4で止めた。 1点を追う7回、代打起用された中谷将大外野手(26)が左翼ポール直撃の1号2ラン。負ければ単独最下位の一戦で出た待望の会心弾に矢野燿大監督(50)も大喜びだ。貧打解消へ、1番遊撃で鳥谷敬内野手(37)を今季初めてスタメン起用した采配もズバリ的中。さあ6日も勝って5割復帰だ。中谷が豪快にボールを引っぱたいた。1-2と1点を追う7回2死一塁。矢野監督から代打で打席に送られると、カウント2-2からの7球目だ。広島大瀬良の高め直球を鬼の形相でつかまえた。打球は低い弾道のまま左翼方向へ一直線。黄色い左翼ポールに直撃した。 「このチャンスをつかむ、結果を残すという気持ちで打席に入った。追い込まれた状況で、必死にボールに食らいついた結果が最高のホームランになってくれて良かったです」 終盤に飛び出した値千金の1号逆転2ラン。静まり返っていた三塁ベンチがドッと沸く。勝ち投手の権利が転がり込んだベンチのメッセンジャーは、身を乗り出してガッツポーズ。矢野監督も両手を突き上げた。打った中谷も、もちろん喜び大爆発だ。 がむしゃらだった。一昨年には133試合に出場を果たし、生え抜きの日本人打者としては浜中治以来となるシーズン20本塁打を達成。だが、昨季は77試合の出場にとどまり、本塁打は5本と激減。今季もレギュラー候補に挙げられながら、中堅の定位置をルーキー近本に譲った。開幕からベンチを温める日々...。 「悔しい思いもありましたし、いつか目立ちたい。自分も結果を残したいと思っていました」 ズバリの采配的中だった。実は矢野監督が中谷をコールする前に、次打者席でスタンバイしていたのは同じ右打者の上本だった。長打力を期待して中谷にチェンジした矢野監督は「ズバリじゃないよ。俺じゃねえよ。打ったマサヒロ(中谷)がスゴイ!」とヒーローを大絶賛だ。チームは開幕2連勝からの4連敗。前カードの巨人3連戦では、ボコボコに打ち込まれて3連敗を食らった。漂い始めた沈滞ムードを吹き飛ばす劇弾は、逆襲を誓った男の意地だった。【桝井聡】   ▼阪神中谷が7回に決勝の代打逆転2ラン。中谷の代打本塁打は16年8月3日DeNA戦、17年7月23日ヤクルト戦、18年10月10日DeNA戦に続き通算4本目だが、これまでの3本はいずれもソロ本塁打。2ランは初で、逆転弾も

◆開幕から4番に起用されながら、打率0割9分5厘と苦しんでいた阪神大山悠輔内野手が先制のタイムリーを放った。1回2死二塁。広島先発大瀬良の140キロカットボールを詰まりながらもセンター前にはじき返した。 「開幕からずっと打ててなくて、チームにも影響していたと思う。先制点という大事なところで打てたのでよかったと思います」。期待にこたえられず、重圧を背負い続けた若き4番は今季2打点目となる先制打を素直に喜んだ。 続く第2打席も左前安打。大瀬良に対して、最初の打席から思い切りのいいスイングを見せた。その思いが結果につながった。それでも「ほっとしている部分はない。常に不安との戦いです。あすもゼロからなので、大事なところで1本打てるよう頑張ります」と大山。 矢野監督は「きょうだけでは判断できないけど、結果的に振り返ったらきょうになるようにね。あすから頑張っていってほしい」。チーム浮沈のカギを握る主砲が目覚めの起点となることを期待した。

◆阪神のベテラン福留が闘志全開のビッグプレーを見せた。 1点ビハインドの5回2死後、田中広の打球は左中間へ。ダイビングキャッチを試み、間一髪でグラブに収めた。「みんな何とかしようという気持ちが、こういう試合になったんじゃないですか」と振り返った。この日は無安打だったが、存在感を示した。

◆阪神矢野監督が必死の采配を振るい連敗を4で止めた。「1つ勝つのもしんどいし、毎日逃げられないし、逃げるつもりもない。前を向いて、こうやって俺らもやっていく中で、どうやって勝てるかをやっていかないとアカン」と話した。 鳥谷を1番遊撃で先発起用。1回にいきなり、理想の攻撃だ。先頭で大瀬良の速球を中前へ。先制点に導く好打になった。指揮官は「チームの現状、苦しい状況で前も代打で空気を変えたかったという話をしたけどトリがいくことで流れというか、空気が何かこう、変わる部分も期待した」と説明した。 前日4日までは東京ドームで巨人戦3連戦3連敗を喫した。悪夢を振り払う先制点を奪い、チームを好転させた。鳥谷の遊撃先発は16年8月11日広島戦以来、967日ぶり。ベテランも「とりあえず勝ってよかったです。それに尽きます」と胸をなでおろした。

◆阪神は5日、マツダで広島と対戦。一回に『4番・三塁』の大山悠輔内野手(24)の適時打で先制に成功した。  前日4日までに東京ドームで巨人に3タテされ、4連敗で広島に乗り込んだ。1番・遊撃で鳥谷を先発させると、いきなり中前打で出塁。続く近本の犠打で一死二塁とすると、糸井が二飛の後に4番が先制点をもたらした。カウント2-2から5球目のカットボールを中前打。「追い込まれてしまいましたが、なんとか打ってランナーを返したいという思いだけでした。初回のチャンスで先制することができてよかったです」。前日まで開幕6試合で打率・095と悩める主砲だったが、3連覇中の王者を相手にさい先よく一打を見舞った。

◆阪神・ランディ・メッセンジャーが日米通算100勝を達成した。5日の広島戦(マツダ)で先発し、6回4安打2失点で今季初勝利。昨季、あと「1」としてから"10度目の正直"での到達だ。  1-0の三回一、二塁とし、菊池に初球のカーブをとらえられ、左翼線へ適時二塁打を許した。その後は、好調の野間をしっかり二ゴロに仕留めて最少失点にとどめた。同点の四回。先頭の鈴木に勝ち越しとなるソロ本塁打を被弾。七回に自身の代打・中谷が逆転2ラン。自身に勝ち星の権利が転がりこむと、手荒い祝福を浴びせた。  昨年8月10日のDeNA戦(横浜)で大台にリーチをかけてから勝ち星に恵まれていなかった。今季もヤクルトとの開幕戦(京セラ)で7回6安打1失点と試合を作ったが勝敗はつかず、9試合連続白星なし。日米通算100勝目は持ち越しとなっていた。

◆勝ったぞ!! 阪神・中谷将大外野手(26)が5日、広島戦(マツダ)の七回、代打逆転2ラン。4連敗中のチームを救う千金の一発を放った。  「追い込まれた状況で、必死に食らいついた結果が最高のホームランになってくれてよかったです」  1-2で迎えた七回2死一塁、節目の日米通算100勝目をかけて先発したメッセンジャーの代打で登場。フルカウントの7球目、143キロ高め直球にフルスイングするとライナーの打球が左翼ポールに直撃した。ベンチに戻ると、勝利投手の権利が残ったメッセンジャーからは笑顔でキックをお見舞いされる手荒い祝福を受けた。試合後のヒーローインタビューでは「自分はチャンスが少ないんで、このチャンスをつかんで結果を残すと思って打席に入った、結果を出せてよかった。何も考えずしっかり投手と勝負することを考えた。(ポール際の打球については)走っていてずっと切れないでくれと思っていた」と話した。  悩める若き4番が勝利の扉を開いた。トンネルが長かった分、力強く両手をたたいた。左手を目いっぱい伸ばす。のどから手が出るほどほしかった「H」ランプだ。一回、大山が今季初の適時打を放ち、先制点をもたらした。  「追い込まれてしまったが、何とか打ってランナーを返したいという思いだけでした。初回のチャンスで先制することができてよかったです」  試合前打率・095(21打数2安打)。得点圏ではいまだ無安打と苦しんでいた。一回2死二塁。カウント2-2からの5球目、140キロカットボールに執念で食らいついた。最後は左手一本で中前に運び、開幕第2戦・3月30日のヤクルト戦(京セラ)の第2打席以来19打席ぶりの快音だ。昨季、15勝で最多勝&最高勝率でセ・リーグ2冠に輝いた大瀬良から貴重な先制点を奪った。四回には先頭で左前打。今季初のマルチ安打もマークした。  4番の一打をおぜん立てしたのが鳥谷だ。「1番・遊撃」で今季初スタメン出場。2016年6月26日の広島戦(マツダ)以来の同起用に、リードオフマンとして応えた。大瀬良の146キロ直球を中前に弾きかえし、今季チーム初の先頭打者安打。大山の適時打で生還した。ここまでD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)、北條に先発を譲ってきたが、貫禄の口火打。昨季は対大瀬良7打数無安打だったが、敵地でのひと振りで流れをもたらした。  左足の薬指骨折で一時離脱した梅野もチームに合流し、いきなり先発マスク。「やるしかない。(痛みは)ゲームに出てどうか」と闘志を燃やしていたが、四回1死満塁の好機で痛恨の二ゴロ併殺。一塁に頭から滑り込む執念を見せた。東京ドームで巨人に3連敗したが、敵地マツダスタジアムに乗り込み、リーグ3連覇の広島相手に執念の逆転勝ち。連敗を「4」で止め、借金を1とした。

◆阪神が七回、代打中谷の1号逆転2ランで広島に勝ち、連敗を4で止めた。広島は大瀬良、阪神はメッセンジャーが先発。阪神は一回2死二塁から大山が中前適時打を放った。広島は三回、菊池涼の左翼線適時二塁打で1-1に追いついた。広島は四回に鈴木が左翼へ3号ソロを放って2-1とリードを奪ったが、七回にメッセンジャーの代打中谷が逆転2ラン。桑原、能見、ジョンソン、ドリスの継投で逃げ切った。メッセンジャーは日米通算100勝を達成。広島は単独最下位に転落した。

◆阪神・中谷将大外野手(26)が5日、広島戦(マツダ)の七回、代打逆転2ラン。4連敗中のチームを勝利に近づける一発を放った。  「追い込まれた状況で、必死に食らいついた結果が最高のホームランになってくれてよかったです」  チームは一回に4番・大山の今季初適時打で先制しながらも、三、四回に1点ずつ失って1-2。しかし七回2死一塁、節目の日米通算100勝目をかけて先発したメッセンジャーの代打で中谷が登場。フルカウントの7球目、143キロ高め直球にフルスイングするとライナーの打球が左翼ポールに直撃した。メッセンジャーにも勝利投手の権利を与える大きな1号となった。

◆代打中谷の采配がズバリ的中し、5日の広島戦(マツダ)に逆転勝ちした阪神・矢野監督は試合後、まず先発したメッセンジャーを称賛した。  「開幕もいいピッチングをしてくれたけど、ランディに勝ちがつかなかった。今日も苦しい展開の中、よく粘って投げてくれた。もちろんまだ行ける状況やったんやけど、なかなかこう現状点が取れていないのであそこで変えざるを得なかったけど。将大(中谷)が大きな仕事をしてくれた。全部が報われたね」  代打逆転2ランの中谷については「もう何でも打ったらすごいでしょ。しかも大瀬良からね。あそこで将大の持ち味の長打力を出してくれたっていうのは粘ったとか、いろんなこともあるけど、結果あそこに打ったというのは本当にすごいと思う」と話した。1番鳥谷の起用など、打開策が当たっての連敗ストップ。骨折の梅野を先発起用する総力戦で昨年優勝の広島に今季初戦で勝ち、最下位を脱出した。

◆広島は鈴木が特大の一発を放った。1-1の四回にメッセンジャーの甘く入った直球を強振。打った瞬間に本塁打と確信する3号ソロを左越えに運び「積極的に自分のスイングができているんじゃないかなと思う」と手応えを口にした。  しかしチームは逆転負けを喫して借金が3に膨らんだ。この日は鈴木の脇を固める3、5番がそろって無安打。六回は満塁機を生かせず、七回もあと一本が出なかった。緒方監督は「攻撃の形はつくれている。僅差で勝てないのは悔しい」と視線を下げた。

◆ベンチで喜びを爆発させた。七回に自身の代打・中谷が逆転2ラン。日米通算100勝の権利が転がりこんだ阪神メッセンジャーはヒーローの頭を叩き、後ろから祝福のキック。手荒い祝福を浴びせた。  広島打線を相手に6回4安打2失点で先発の役割を果たした。節目の勝利を飾り、写真撮影に応じたが、インタビューは中谷に譲った。  「日本だけでの100勝の方が意味があると思っている。その時に大きく喜びたい」とあと4勝に迫ったNPB通算100勝を視野に静かにコメントした。  最初にピンチを背負ったのは1-0の三回。2死から先発の大瀬良に高めの直球をはじき返され、中越え二塁打。続く田中には四球を与えて一、二塁とし、菊池に初球のカーブをとらえられ、左翼線へ適時二塁打を許した。その後は、試合前時点で打率・500(22打数11安打)と好調の野間をしっかり二ゴロに仕留めて最少失点にとどめた。  同点の四回だ。先頭の鈴木に低めの138キロを左翼席へ運ばれ、勝ち越しとなるソロ本塁打を被弾。痛恨の一発を浴び、悔しさから思わずグラブをたたいた。  広島は昨季、登板4試合で1敗、防御率4・15と苦しまされた相手。だが2点に抑えると、自身の代打中谷が逆転弾の大仕事だ。  昨年8月10日のDeNA戦(横浜)で大台にリーチをかけてから勝ち星に恵まれていなかった。今季もヤクルトとの開幕戦(京セラ)で7回6安打1失点と試合を作ったが勝敗はつかず、9試合連続白星なし。日米通算100勝目は持ち越しとなっていたが、10度目の正直で、記念すべき1勝を手に入れた。

◆ムカシノコト、オボエテマスカ?  「人が書いてるのを見たら、笑けるなあ」  運動部長大澤謙一郎です。ナイターの前に行われた会議で、当番デスク白石大地が提出した『紙面予定コンテ』には景気のいい見出しがちりばめられていました。  1面 「大山 大瀬良撃ち お目覚め弾」  3面 「メッセ 日米通算100勝」  大澤がデスク時代に毎回のように出していた"妄想コンテ"です。阪神が勝ってほしい。にぎやかな紙面をつくりたいという思いを込めて、自分も散々書いてきたのに、後輩が書いたら「笑けるなあ」ですと。みんな苦笑いでした。  その妄想が的中します。一回、大山が先制の中前打。「お目覚め弾じゃないけど、お目覚め打ですね」。白石が部長席を見ながらニヤリ。1-0から追いつかれ、勝ち越されて、アララの展開になりかけましたが、七回にメッセンジャーの代打・中谷が逆転2ラン。6回2失点のメッセンジャーが日米通算100勝を挙げました。  『アベさん You are Finally マルガリ』  日本で10年目のシーズンを迎えて日本人選手扱いになり、『I,m Finally 日本人』と書かれたTシャツをつくったメッセンジャーが、次はそんな言葉を口にするかもしれません。  「約束したんですけど、ずっと守っていません。約束というか、ハッパをかけるための言葉だったんですけどね」  白石の隣のサブデスク席に座っていた阿部祐亮です。メッセンジャーが来日1年目の2010年、トラ番だった阿部はシーズン途中から先発で起用されはじめた彼に、こんな約束をしました。  「君が完投勝利を挙げたら、君が使っているバリカンで、自分の頭を丸刈りにするよ」  メッセンジャーはあのツーブロックのGIカットのような独特の髪形を自分でバリカンを操って仕上げています。それを借りて、同じ髪形になって祝ってあげよう-。今なら無謀な約束ですが、阿部は当時、完投できるわけがないと思っていたらしい。  「アメリカでもずっと中継ぎだったメッセは、力任せの投げ方でスタミナがなかった。でも頑張ってほしかったので、激励の意味でそう言ったんです。達成したときの楽しみがあった方が、頑張れるでしょ」  その後どうなったかはご存じの通り。メッセンジャーは先発の軸となって勝ち星を積み重ね、昨季までに日本で通算95勝。完投も16(うち10完封)。阿部は約束を守っていれば、この8年間で16回丸刈りにしているはずなのですが、しらばっくれたままなのです。  「大笑いしていましたけど、もう忘れていると思いますよ。なんせ、9年前ですから」  じゃ、今回の日米通算100勝がいい機会だから思い出してもらおう。今年はまた完投も期待できそうだし。  「ダメですよ。メッセンジャーはカタカナと平仮名は読めるし、意味もわかるから、変なこと書かないでくださいよ。面白がりだから、バリカンを持ってくるかもしれない」  言われた通りに、平仮名とカタカナだけじゃなく、『アベさん-』のところには、英語も混ぜといたよ。メッセンジャー、100勝おめでとう。次、完投したら、バリカン貸してね。

◆2日の巨人戦(東京ドーム)で左足薬指を骨折し一時離脱していた梅野は、強行出場で3試合ぶりに先発マスクをかぶりフル出場。メッセンジャーの日米通算100勝目をリードでアシストし「チームが勝つことで流れを変えたかった。こういう接戦を取ることが、ランディにとってもやりがいになる」。九回の第4打席では中前打も放ち、元気な姿を見せた。

◆♪ハッピーバースデー、ディア、ランディ(メッセンジャー)、ハッピーバースデー日米通算100勝!! おめでとう。そして虎の連敗ストップ、ありがとう!!  さらに、貧打の猛虎打線の中で、ハキダメに鶴のようにピカピカと光り輝いた中谷の代打逆転2ラン、ありがたやー!! この一発を最も喜んでいるのは、開幕から湿った打線の責任を感じているハマちゃん(浜中打撃コーチ)だろうね...。  おそらく試合後、眠りについても、カーン、中谷逆転ホームラン。ガバッ(夜中に目覚める)、ハ~ア...やっぱ夢かな...と半信半疑の夜を送ったと思うのだ。  ちなみに6連勝の巨人・元木コーチの場合は、気持ち良く寝た~。起きてテレビをつけると、おっ、昨夜のわが巨人の勝ちゲームのニュースね。沢村、ガンバレー!! あれっ? 沢村はきょう(6日午後2時開始)の先発だぞ...。ゲゲーッ、デーゲームだったんだァ(熟睡しすぎて寝坊)。マジにありそう。強いチームの余裕ですか...。  セ・リーグのエース、大瀬良に勝った自信で、そろそろ猛虎打線は大爆発といきまっせー!!

◆――メッセンジャーが流れを作った  矢野監督「開幕もいいピッチングをしてくれたけど、チームは勝ったけどランディ(メッセンジャー)に勝ちがつかなかったし、今日も苦しい展開の中、よく粘って投げてくれた」  ――(七回は)走者が一塁に残って、代打を上本から中谷に変えた  「いろいろ考えてね」  ――連敗が止まった  「しんどいよね。1個勝つのもしんどいし。毎日逃げられないし、逃げるつもりもないんだけど。前を向いて、俺らもやっていく中でね。どうやって勝てるかっていうのを見ていかなアカンし。こういうのを拾っていけるようにね。こういう形で連敗も止まったんでね。連勝できるようにね」  ――梅野も強行出場  「強行というか、あいつ自身も行くぞという気持ちで球場に来ていたしね。苦しい中でそういうみんなの気持ちというのは、いろいろな部分でつながったというかね。それの一つにしっかりリュウ(梅野)も入ってくれているしね」

◆鈴木が1-1の四回に、メッセンジャーの甘く入った直球を強振。左越えに3号ソロを運び「積極的に自分のスイングができているんじゃないかな」と手応えを口にした。しかし、鈴木の脇を固める3、5番がともに無安打に終わったことも響き、チームは逆転負けで単独最下位に転落。借金は3に膨らんだが、緒方監督は「攻撃の形はつくれている」と懸命に前を向いた。 133球の力投も実らなかった広島・大瀬良 「あの一球(中谷の逆転2ラン)が抜けて甘く入ってしまったことが反省点。あそこでもうひと踏ん張りしたかった」

◆久々に"定位置"に立った背番号1が、いきなり流れを呼び込んだ。1013日ぶりに鳥谷が「1番・遊撃」で先発。トップバッターで先制のホームを踏んだ。  「とりあえず勝ってよかったです」  4連敗中で乗り込んだマツダで、虎党のボルテージがいきなり上がった。鳥谷の名前がコール。するといきなり一回、先頭で5球目の146キロ直球を中前打で期待に応えた。近本の犠打で二進すると、4番・大山の適時打で生還。東京ドームでどん底に落とされたムードは、早々に変わった。  2016年6月26日の広島戦(マツダ)以来となる「1番・遊撃」。金本前監督のもとでは、同年途中に三塁にコンバートされて以降、二塁はあったが遊撃に戻ることは1度もはなく、頼りにされているとは言いがたかった。しかし矢野新監督になり、不退転の決意で遊撃に挑戦することを直訴。流れが変わった。  開幕こそD3位・木浪聖也内野手(ホンダ)に譲り、プロ16年目にして初めて開幕スタメンから外れる屈辱を味わったが、その開幕戦、サヨナラ勝ちを呼び込む代打三塁打で存在感を発揮。その後も指揮官は切り札として好機に備えさせた。そして、4連敗と苦しむチームのリードオフマンを鳥谷に託した。  矢野監督は「あの形で点を取れたので理想というか。チームが苦しい状況の中で、トリ(鳥谷)がいくことで何か流れが、空気が変わることを期待したのもある」とあらためて影響力の大きさを実感。遊撃に帰ってきた37歳が、虎を蘇らせた。(大石豊佳)

◆長く、暗いトンネルからようやく抜け出した。4番の大山が一回に先制の適時打を放ち、19打席ぶりに安打を記録。やっと出た快音に笑みがこぼれた。  「開幕してからずっと打てていなくて、自分自身情けないというか...。チームに影響していたと思うので、先制点という大事なところで打てたのはよかった。そういう一打を大切にしていきたいと思う」  本来の勝負強さが光った。一回、先頭の鳥谷が中前打で出塁すると、近本の犠打で1死二塁。糸井が凡退し、打順は大山へ。先発・大瀬良の5球目、外角の140キロカットボールに両腕をいっぱいに伸ばして、しぶとく中前に運んだ。今季それまで得点圏で9打席無安打。ようやく飛び出したタイムリーだった。  この日の背番号「3」は1本だけでは終わらなかった。四回の第2打席でも内角の直球を引っ張り、左前へ。得点にこそ結びつかなかったが、昨季15勝で最多勝&最高勝率でセ・リーグ2冠に輝いた大瀬良から今季初マルチをマークした。「1本より、2本、3本(打てるの)が理想なんですけど、大事なところでの1本も大切なので、そういうところでしっかり打てるように」と気を引き締めた。  大山の活躍に矢野監督は「明日から頑張っていってほしい。そういう(きっかけの)日にしてもらえると心強いけどね」と評価。4番としての役割を果たせず、苦悩の日々が続いていたが、起用し続けてくれる虎将への恩返しにもなった。  連敗脱出も開幕7試合連続3得点以下で球団ワーストに並んだ。それでも大山のバットが目覚めたことは何よりの収穫。  「明日は明日でまた0から始まるので。しっかりやっていきたい」  4番の逆襲はこれからだ。 (織原祥平)

◆自身の代打・中谷の逆転2ランをベンチで見届け、メッセンジャーが力強く拳を突き上げた。虎投の大黒柱は日米通算100勝目と連敗ストップに大喜びだ。  かつての相棒、阪神・藤井彰人バッテリーコーチ(42)がメッセンジャーに祝福メッセージだ。  来日2年目の2011年からコンビを組んだのが、楽天からFA加入した藤井コーチだった。  「一緒に食事をする機会があって。若い選手のことをとても見ていた。『なんであいつはもっと走らないんだ』『なんであんなに投げないんだ』とか。(来日2年目で)そんなところまで見てるのかと思った」  同年、メッセンジャーは12勝。ただ当時は気性も荒く、マウンドで自分を見失いかけると素手で捕手からの返球を受けることも。「だからわざとフワッとした球を返したり、グラブ側にボールを投げたり」。藤井コーチは懐かしそうに振り返り「100勝は本当にすごい数字。捕手の力なんて微々たるものだけど、少しは貢献できたんじゃないかな」と祝福した。

◆全力を尽くした先に、節目の白星が転がり込んできた。自身の代打・中谷の逆転2ランをベンチで見届け、メッセンジャーが力強く拳を突き上げた。虎投の大黒柱は日米通算100勝目と連敗ストップに大喜びだ。  「6回で降板することは嫌で仕方がないし悔しいですけど、きょうに限ってはよかった。チームにとっても大きな勝利だった。打つべきところでマサヒロ(中谷)が試合を決めてくれた」  1点を先制したその裏、一回先頭の田中広から8人連続アウトとさすがの安定感をみせつけた。1-0の三回2死二、三塁で菊池涼に同点二塁打を許し、四回には鈴木に勝ち越しソロを被弾。それでも流れは完全に渡さず、逆転劇を呼び込んだ。  「みんながいい野球をして勝てた、いい勝利だった」  昨年8月10日のDeNA戦(横浜)で99勝目を挙げて以来、"10度目の正直"でつかんだ今季1勝。これまで好投しても援護がない試合は何度もあった。この日も6回4安打2失点で役割は果たした。中谷が打たなければ、また白星を逃してしまう状況だったが、野球の神様はメッセンジャーに味方した。  来日10年目の今季から日本人扱い。背中で引っ張るだけではなく、若き虎投へ言葉の壁を超えて叱咤激励するようになった。「シッカリハシレ!」と声を張り上げ、尻をたたく。遠征先で空いた時間を利用して散歩に出かけ、たっぷり汗をかくからこその"金言"だ。  今年2月のキャンプ中、外国人選手との食事会を開催し「長いシーズン、苦しいときもあるけど頑張ろう!」と鼓舞した。グラウンド外でも惜しまない献身をチームメートは知っているからこそ、打線も、中継ぎ陣もフルパワーを出し切れる。  矢野監督は「ここから110、120とどんどん行ってもらったら、うれしいです」と期待を込めた。メッセンジャーも「NPBだけの100勝というほうが、意味があると思っています。そのときに、大きく喜びたい」と頼もしい。次なる目標へ、残り4勝。がんがん勝ちまくって、虎の歴史に名を刻む。 (新里公章) 九回を三者凡退で、今季2セーブ目を挙げた阪神・ドリス 「彼(メッセンジャー)もなかなか勝てていなかったけど、中谷のホームランで勝つことができた。そこに関われてよかった」

◆連敗脱出に導く代打弾や!! 阪神・中谷将大外野手(26)が広島戦(マツダ)で1-2の七回2死一塁で代打逆転2ランを放った。広島のエース大瀬良大地投手(27)を打ち崩す左翼ポール直撃の値千金の一発。負ければ単独最下位転落となるがけっぷちでチームの連敗を4で止めた。  わずか数センチが、天国と地獄を分けた。祈るようなまなざしで白球を見つめる。打球が左翼ポールに当たると、全力で拳を作った。代打・中谷が逆転の1号2ラン。試合をひっくり返し、チームの連敗も「4」でストップだ。  「走っている途中もずっと『切れないでくれ』と思って走っていた。それが入ってくれたので、よかったです」  2日からの巨人戦(東京ドーム)で3タテを食らい4連敗。この日も一回に先制しながらも一時逆転を許した。1-2の七回2死一塁。中谷はメッセンジャーの代打として打席に向かった。  大瀬良の直球とカットボールの揺さぶりに、必死に食らいつく。7球目、143キロ直球をフルスイングした。昨年10月10日のDeNA戦(甲子園)以来、自身4度目の代打弾は、メッセンジャーに日米通算100勝を届ける大仕事だ。  「(100勝は)終わった後に知ったんですけど。よく絡んでもらえるというか、しゃべってもらえるので。100勝につながってよかったです」。2011年入団の中谷にとって、1年先輩の助っ人右腕。試合終了後はベンチ裏で力強くハイタッチを交わした。  D1位・近本光司外野手(大阪ガス)に開幕中堅の座を奪われ、これが今季4打席目。勇気を持って起用した矢野監督も、ベンチで何度も拳を突き上げた。  長打を期待して上本から中谷に切り替えた。「(采配は)ズバリじゃないよ。打ったほうがすごいって。全然、俺じゃねえよ。あんな場面で打てる将大がすごい。将大の持ち味の長打力を出してくれた」。鳥谷を3年ぶりに「1番・遊撃」でスタメン起用。左足薬指骨折の梅野を"強行出場"させた。負ければ単独最下位のがけっぷちのなか、"必死のパッチ"で采配を振った。  中谷は地元・福岡への感謝を忘れない。「小郡市ふるさとスポーツ大使」を務め、年末年始に小郡球場で練習している。このオフ、十分すぎる施設を提供してくれる球場側の依頼に応え、自身のサインが入ったユニホームと特大の写真パネルをプレゼントした。  「(球場を)貸してくれて、自由に使わせていただいているので。本当に助かりますし、手伝ってくれる人も多いので」  今も球場玄関で飾られ、輝くユニホーム。球場関係者も「今まで知らなかった人にも知ってもらうことができています」。地元への恩返しはまだまだこれからだ。  「ここからスタートというよりかは、ずっと勝負だったので。与えられたところで結果を残すだけです」  チームは3位浮上も、ヒーローはすぐに表情を締めた。導火線についた火を、中谷がもっと大きな炎に変えていく。 (竹村岳) 中谷について阪神・浜中打撃コーチ 「最高の形にしてくれた。初球から振れていたのがよかったし、(中谷)将大のよさが出たと思います」

◆何といっても殊勲は代打・中谷の逆転弾だ。好投する大瀬良に対し、初球から振っていった(ファウル)。追い込まれてからは食らいついて粘る。打席での集中力は褒めたい。  同じことが4番で苦しんでいた大山にもいえる。一回の中前適時打、四回の左前打はともに追い込まれてから。特に1本目は必死で球に食らいついたから打てたものだ。  2人に共通していえることは「投球に対応する打撃がいかに大事か」。開幕からの大山を例にあげれば、カウント有利なときは自分の好きなように振っている感じだった。そうではなく、やはり来た球に対応しなければならない。  この日は追い込まれたら、来た球に対応して食らいついた。キッカケにしてほしい。今度はカウント有利な打席でもできるかどうか。これが、中谷ならレギュラーで出られるか、大山なら4番で結果が出せるかにつながる。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
610 0.857
(↑0.024)
-
(-)
136
(-1)
39
(+3)
19
(+2)
12
(+3)
4.000
(-)
0.000
(-)
2
(-)
ヤクルト
430 0.571
(↑0.071)
2
(-)
136
(-1)
26
(+8)
27
(+7)
6
(+2)
2.000
(↑1)
0.000
(-)
3
(1↓)
DeNA
340 0.429
(↓0.071)
3
(↓1)
136
(-1)
30
(+2)
30
(+3)
8
(+2)
2.000
(-)
0.000
(-)
3
(1↓)
中日
340 0.429
(↓0.071)
3
(↓1)
136
(-1)
31
(+7)
29
(+8)
6
(+3)
4.000
(↑1)
0.000
(-)
3
(2↑)
阪神
340 0.429
(↑0.096)
3
(-)
136
(-1)
14
(+3)
30
(+2)
3
(+1)
2.000
(-)
0.000
(-)
6
(1↓)
広島
250 0.286
(↓0.047)
4
(↓1)
136
(-1)
21
(+2)
26
(+3)
7
(+1)
3.000
(↑1
0.000
(-)