日本ハム(★0対5☆)ヤクルト =オープン戦1回戦(2019.03.23)・札幌ドーム=
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ヤクルト
02102000051000
日本ハム
0000000000100
勝利投手:石川 雅規(2勝0敗0S)
敗戦投手:金子 弌大(0勝1敗0S)
  DAZN
◆日本ハムは、先発・金子が5回8安打5失点。新天地で迎える開幕へ向け、課題を残す結果となった。対するヤクルトは、先発・石川が4回1安打無失点の好投。ベテラン左腕が万全の仕上がりを見せた。

◆ヤクルト広岡大志内野手が先制の適時打を放った。 2回2死一塁、日本ハム先発金子の2球目143キロ直球を左中間への適時二塁打とした。「コントロールのいい投手なので、追い込まれる前に積極的に打ちにいきました」とコメント。小川監督の先発起用に、見事にこたえた。

◆ヤクルトの開幕ローテーション入りが濃厚となっている石川雅規投手が、シーズンへ万全の仕上がりを見せた。 先発し、4イニングを被安打1の無失点、52球で流れを作った。4回には日本ハム1番からの好打順で西川、大田、王から3者連続三振を奪った。「調子はいい方だと思います。シーズンも同様に1人1人丁寧に抑えていきたいと思います」とコメントした。

◆日本ハムの浦野博司投手が「勝利の方程式」入りへ、猛アピールした。ヤクルトとのオープン戦に2番手で登板。2三振を含む3者凡退と快投をみせた。 オープン戦とプレシーズンゲームは計4試合で3回2/3を投げ、被安打3の無失点を継続する。「昨年と同じ、どこでも投げるというスタイル。勝負球(フォーク)が甘かったし、変化球もあんまり、まだかなと思う」と反省を忘れなかった。

◆日本ハム鶴岡慎也捕手がチーム唯一の安打を放った。3回1死、2球で追い込まれながらも、ヤクルト石川の変化球を左前へはじき返した。 オープン戦は打率3割超と好調で「しっかりバットが振れている」という。今季からバッテリーコーチを兼務するベテランは「青木のスイングを見てモチベーションが上がって来たんだよ」と、この日2安打したヤクルトの同学年に刺激を受けていた。

◆ヤクルト石川雅規投手(39)が、まさに"ピンポイント"の投球を披露した。シーズン前最後の登板となった日本ハム戦(札幌ドーム)に先発し、4回を被安打1、無失点に抑えた。 3回1死で迎えた「ファウルの達人」中島卓也との攻防が真骨頂。12球の根比べを制し併殺に封じた。安定感抜群プロ18年目、通算163勝の左腕は、30日阪神戦(京セラドーム大阪)での先発が予定されている。技術と技術のぶつかり合いに、石川は粘り勝ちした。3回に初めて安打を許し、1死一塁で迎えたのは中島卓。ボールとストライクを反復し、平行カウントとなってからファウルが6球、続いた。 高低、内外を繰り返しバットの芯を外そうとする石川に、食らいつく中島卓。オープン戦らしからぬ空気が充満した。12球目。「根気で負けないように。なんとか前に飛ばしてもらおうと思っていた」。外角の遠い場所から、真ん中低めへ鋭くシュートを沈めた。直前の11球目に、外角低めへ逃げるボール球のスライダーをまいておいた。同じ場所から逆方向に曲げ、誘いをかけた。 厄介者のタイミングを外す併殺に、4回の3者三振。勝負への準備は終わった。「いろんな球種でストライクがとれたし、思った所に投げられた。オープン戦でも、シーズン同様の気持ちで1人1人抑える投球を意識している」と手応えを口にした。 下支えしているのは、18年間コツコツと続けてきた投げ込みだ。2月の浦添キャンプでは午前と午後の両方でブルペンに入る日を作るなど、合計1000球以上を投げ、みっちり肩を仕上げてきた。以前は2000球以上を投げ込んだシーズンもあったという。年齢を重ね徐々に球数は減っているが「投げ込み」という原点的な調整法が体に染みついている。 「投げ込みは、勉強と同じなんですよ。1回で覚える人がいれば、何回も復習する人もいる。毎年、少しずつでもフォームは違うから、再現性を高めるために投げ込んでいるんです」 山本昌、工藤公康、三浦大輔。制球力で日本球界に名前を刻んできた投手は、キャンプでの投げ込みを何より大切にしていた。「同じように活躍したいと思って見ていた。お話を聞いたりして、そこから続けてきた。年齢がいって、体も変わった部分があって僕も投げられなくなってきている。でも、これからも"意味のあるボール"を投げたいと思っている」。現役最多の163勝投手。黙々と培った技術で勝利を引き寄せる。【保坂恭子】

◆6試合ぶりにスタメン出場したヤクルト広岡大志内野手が結果を残した。 2回2死一塁、日本ハム金子の2球目の直球をとらえ、左中間への先制適時二塁打とした。2年連続開幕スタメンへ「去年とは、打席の感覚や気持ちが違う。投手と勝負できている。必死にアピールしていく」と意気込んだ。

◆完敗にも、日本ハム栗山英樹監督(57)の声は明るかった。「早く準備して出来上がった状態で、ゆったり開幕したいと思うけど、これが野球」。20日ぶりの本拠地・札幌ドームは、攻守に波乱の展開となった。「札幌に帰って来て、選手の中にも(開幕が)ちらついている感じが見える」。どこか落ち着かない空気が漂う中、1週間後に迫った本番に向けて気持ちを引き締めた。 守っては、開幕2戦目で先発予定の金子が制球に苦しんだ。オープン戦最長の5回を投げて8安打5失点。百戦錬磨の右腕は「低めに投げたい気持ちから、頭が突っ込んで腕が振れなくなった。気がついて修正したかったけど、遅かった」と、冷静に反省の言葉を紡いだ。記録に残らない守備のミスもあり、マウンドで奮闘する背番号19を助けられなかった。 攻撃は、わずか1安打に封じられ、オープン戦12試合目で初の零敗を喫した。先発した技巧派左腕、石川を筆頭にヤクルト投手陣にもてあそばれ、たった打者28人の攻撃に終わったが、指揮官は「開幕の時にこういう風になるよりは、全然いい」と、前向きに捉えた。「プロだから打たなきゃダメなんだけど、緊張感が生まれたから良かったんだよ。公式戦だったら大変なことになる。それは、俺が言わなくても、選手たちが一番良く分かっているから」。開幕スタートを決めるため、この日の敗戦が最高の良薬になると信じている。【中島宙恵】

◆ヤクルト・広岡大志内野手(21)が23日、日本ハムとのオープン戦(札幌)に「7番・遊撃」で先発し、二回2死一塁から金子の143キロの直球を捉え、左中間へ先制の適時二塁打を放った。  開幕スタメンを狙う21歳は「制球のいい投手なので追い込まれる前に積極的に打ちました」と振り返った。

◆ヤクルト・石川雅規投手(39)が23日、日本ハムとのオープン戦(札幌)に先発し、4回1安打無失点の好投を見せた。  制球が抜群で無四球で4奪三振。1安打許したが、後続を遊ゴロ併殺打に打ち取り打者12人で片付けた。石川は「調子はいいほうだと思います。シーズンも同様に一人一人丁寧に抑えていきたいと思います」と開幕前を万全な状態で迎える。

◆ヤクルトの広岡が適時二塁打を放った。二回2死一塁で、1ストライクから金子の速球を捉えて左中間へ運び「金子さんは全ての球がすごいので、追い込まれる前に何とかしようと思った」と振り返った。  昨季は遊撃手で開幕戦に先発出場したが、徐々に打撃の調子を落とし、西浦に正遊撃手の座を奪われた。「今は投手と勝負できている。僕はアピールするだけ。必死でやる」と定位置奪取へ意気込んだ。 大下(2回無失点) 「あんな(いい)真っすぐは今までになかった。こういう球を続けていきたい」 小川監督(4回を投げて1安打のみに抑え込んだ石川に) 「本当に良かった」 ヤクルト・田畑投手コーチ(4回無失点の石川に) 「テンポも良かったし、緩急をうまく使っていた」

◆日本ハムの近藤と浅間が腰に張りがあるために欠場した。栗山監督は「けが人が多くなっているので大事を取らせてもらった」と軽症であることを強調した。  清宮が右手首付近を骨折し、先発ローテーション入りが確実だったマルティネスも右前腕部を痛めて開幕戦の出場は絶望的と故障者が相次いでいる。栗山監督は「開幕の方が大事。ここまで来たら無理するところじゃない」と話した。 栗山監督(1安打に終わった打線に) 「開幕のときにこうなるよりはいい。緊張感が生まれたなと思う」

◆先発の金子は5回8安打5失点。押し出しを含む3四球を与えるなど、オープン戦最後の登板で課題を残した。30日の開幕2戦目、古巣のオリックス戦に先発予定の35歳右腕は、「頭が突っ込んで腕が出てこなかった。課題が出たが、オープン戦なのでいい意味で捉えたい」とシーズンに向けて、表情を引き締めた。

◆「6番・遊撃」で先発した広岡が、二回2死一塁から日本ハム先発、金子の直球を捉え、左中間に先制の適時二塁打を放った。1軍定着を狙う21歳は「全部のボールがすごい投手。追い込まれるまでに何とかしようという気持ちだった」。オープン戦の9安打中で3本塁打、5二塁打と長打力を発揮しており、「昨年よりは打席に入る感覚や気持ちが違ってきている」と着実にレベルアップしている。

◆制球、緩急、テンポが抜群-。ベテラン左腕の持ち味が詰まった濃密な4イニングだった。ヤクルト先発の石川雅規投手(39)が、4回無失点の快投。許した安打は三回の鶴岡の1本だけで、四回は3者連続三振で開幕前最後の登板を終えた。  「いろんな球でストライクをとれた。シーズンも同様に一人一人抑えていきたい」  封印していたカットボールを解禁し、凡打を量産。チームは5試合連続で一回に失点していたが、ベテラン左腕は一回を三者凡退で立ち上がった。初めて走者を背負った三回は中島を11球粘られながらも遊ゴロ併殺打に仕留め、予定の4回を無四球で投げ終えた。  田畑投手コーチは「カットボールをうまく使えていた。テンポもよかったし緩急もいい。2つ目でいきます」と開幕2戦目(対阪神、京セラ)の先発を明言。小川監督も「よかったですね。しっかり投げ切れていた」とうなずいた。  通算163勝の左腕は「シーズンまで、しっかりいい時間を過ごしたい」。プロ18年目のシーズンが、いよいよ始まる。(横山尚杜)

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
843 0.667
(↓0.06)
-
(-)
64
(+2)
52
(+5)
12
(-)
7
(+1)
0.234
(-)
3.380
(↓0.07)
2
(2↑)
ORIX
952 0.643
(↑0.028)
0
(↓1)
61
(+4)
51
(+2)
11
(-)
19
(-)
0.261
(-)
2.030
(-)
2
(2↑)
ソフトバンク
950 0.643
(↑0.028)
0
(↓1)
52
(+5)
49
(+2)
13
(+1)
9
(+1)
0.251
(↑0.007)
3.430
(↑0.11)
4
(2↓)
楽天
742 0.636
(↓0.064)
0.5
(-)
59
(+3)
43
(+4)
12
(+1)
8
(-)
0.246
(↓0.007)
2.970
(↓0.11)
5
(2↓)
巨人
960 0.600
(↓0.043)
0.5
(-)
70
(+5)
61
(+8)
16
(+2)
12
(+2)
0.252
(↑0.003)
3.950
(↓0.29)
6
(-)
ロッテ
661 0.500
(↑0.045)
2
(↑1)
57
(+8)
48
(+5)
10
(+3)
13
(+1)
0.248
(↑0.013)
3.520
(↓0.12)
7
(1↑)
西武
671 0.462
(↑0.045)
2.5
(↑1)
57
(+4)
73
(+3)
8
(-)
18
(+1)
0.249
(↓0.004)
4.150
(↑0.09)
8
(1↑)
中日
792 0.438
(↑0.038)
3
(↑1)
50
(+4)
58
(+3)
10
(+1)
10
(+1)
0.214
(↑0.001)
3.020
(↑0.06)
9
(3↓)
DeNA
574 0.417
(↓0.038)
3
(-)
53
(+3)
64
(+4)
14
(+1)
5
(-)
0.251
(↓0.001)
3.640
(↑0.03)
10
(1↑)
ヤクルト
691 0.400
(↑0.043)
3.5
(↑1)
71
(+5)
77
(-)
16
(-)
19
(-)
0.255
(↑0.001
4.300
(↑0.29)
11
(1↓)
日本ハム
363 0.333
(↓0.042)
3.5
(-)
46
(-)
45
(+5)
14
(-)
8
(-)
0.259
(↓0.015)
3.810
(↓0.12)
12
(-)
阪神
4111 0.267
(↓0.019)
5.5
(-)
47
(+2)
66
(+4)
11
(-)
16
(+1)
0.226
(↑0.004)
3.820
(↑0.13)