ソフトバンク(★1対9☆)ロッテ =リーグ戦20回戦・福岡ヤフオクドーム=
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ロッテ
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ソフトバンク
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勝利投手:二木 康太(4勝6敗0S)
敗戦投手:大竹 耕太郎(3勝2敗0S)

本塁打
【ロッテ】中村 奨吾(7号・4回表ソロ),岡 大海(2号・8回表満塁),菅野 剛士(2号・9回表ソロ)

  DAZN
◆ロッテは4回表、中村のソロと鈴木の適時打で3点を先制する。8回には、角中の適時打と岡のグランドスラムで一挙5点を奪った。投げては、先発・二木が9回1失点の快投で今季4勝目。敗れたソフトバンクは、先発・大竹が試合をつくれず、打線も振るわなかった。

◆19年ラグビーW杯における、福岡の開催都市特別サポーターに就任した女優の橋本環奈(19)が始球式を行った。 橋本はラグビーW杯のTシャツに短パン姿で登場。ゆったりとしたフォームから、2バウンドで捕手甲斐のミットに収まった。 投球を終えて球場裏に引き揚げると、偶然にもソフトバンク王貞治球団会長とすれ違った。橋本は口をポカーンとあけて、驚いた表情。王会長も「今日は始球式だったんだね」と柔和な笑顔を見せ、がっちり握手を交わした。橋本は握手の後もしばらく余韻を引きずった様子で、驚いた顔のままだった。

◆ロッテ中村奨吾内野手(26)が38盗塁でリーグ単独トップに躍り出た。 先頭で中前打した8回に井上への5球目で二盗、7球目で三塁も陥れた。1試合複数盗塁は3盗塁した4月26日以来、今季3度目。日本ハム西川、西武源田と争う盗塁王のタイトルに「とれる時にとりたいというのはある。できるだけ走りたい」と意欲を見せた。 この日は7号先制ソロを含む2安打2盗塁の活躍で、1打点2得点。「今日みたいに先頭で出て走って、点につながるのが一番いい。自分で頑張りながらチームの勝利につながれば」と充実感をにじませた。 また二木康太投手(23)も4安打1失点で今季3度目の完投を見せ、投打がかみ合っての快勝だった。

◆せっかく日本ハムが獅子の足を止めたのに「王者の意地」は1日で終わってしまった。西武の試合が終わる前に、ソフトバンクはロッテに完敗。北の大地で、西武の10年ぶりのリーグ制覇が決まった。「何としても胴上げ阻止」。合言葉のように敵地・所沢で勝利し、最後の粘りを誓ったはずが、あまりにもあっさりとロッテに敗れた。この瞬間、夢の連覇は霧散した。 V逸の悔しさを募らせるならば、所沢で西武辻監督の胴上げの舞いを目に焼き付けた方がよかったのかもしれない。下位ロッテに敗れ、いつの間にやら「ああ終戦」より、レオブルーに染まった敵地で悔しさを肥やしにした方が、よほどCSでの闘争心も倍加するというものだろう。 試合後、工藤監督はミーティングを開いた。敗戦の将はクライマックスでの「下克上」を誓い、ナインを鼓舞した。リーグVがかなわなかったにしても「日本一」への道はまだ続いている。しっかりと気持ちを切り替えることができるだろうか。3位日本ハムとは5ゲーム差。ホークスの2位通過は確実視されるものの、勝負事は何が起きるか分からない。首の皮一枚で逆転Vを目指し続けたように、CS本拠地開幕となる2位確保は絶対条件だ。 「さあ、下克上」と声を上げてもチームの気持ちが1つにならなければ、勝利は望めない。過去、ホークスはプレーオフ、CSで1位以外で勝ち抜いた歴史はない。ある意味、シーズンの戦いよりもシビアな短期決戦。あっさりと敗れ去ったこの日の敗戦を見るにつけ、不安が募ってしまう。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ソフトバンクがロッテに敗れ、西武の優勝が決まった。リーグ連覇を逃した試合後、工藤公康監督(55)はナインを集め、ミーティングを行い、球団史上初の2位以下からの下克上日本一を誓った。3位日本ハムとは5ゲーム差。まずは残り8試合で2位を死守し、本拠地ヤフオクドームでのCSファーストステージから日本シリーズまで勝ち抜く。 ソフトバンクが先に敗れ、まだ試合中だった西武の優勝が決まった。ロッテ先発二木に4安打1失点で完投を許し、投手陣も終盤失点を重ねる完敗。3万3047人のファンが埋めていたスタンドも、最後には空席が目立った。 試合後、工藤監督は選手を集め、ミーティングを行った。工藤監督は「ケガ人が多い中、ここまでよく頑張った。敗戦の責任は私にあるから。ただ、悔しいという思いだけはこれからもしっかり持って戦ってほしい。この悔しさを晴らすのはCSでしかない」と語りかけた。 本気で奇跡を起こすつもりだった。前日9月29日に西武の目の前での胴上げを阻止した時も「奇跡を信じて頑張ります」と話した。道路が事故で渋滞する中、バスが何とか残り15分で羽田空港発福岡行き最終便に間に合った時には、運が向いているとプラスにとらえた。ソフトバンクが残り9戦全勝で西武が残り6戦全敗なら、逆転優勝。わずかな可能性を信じて戦った工藤監督は、試合後、報道陣の前に姿を見せると、ハァーッと深いため息をついた。「1年間見守ってくれたファンには、優勝できなかったことは心からおわびしたい」と連覇を逃した現実を受け止めた。 今季は8年ぶりに11勝13敗と西武に負け越し。今季の西武について「打撃がうちの投手陣でも抑えることができなかった。打つ、本塁打というのが投手陣に大きなプレッシャーとなったのかな」と話した。だが、「チャンスはなくなったわけではない。西武を倒して日本一になるんだと、みんなでひとつになって臨んでいきたい」と球団史上初の2位以下からの逆転日本一へ目標を切り替えた。04年にパ・リーグに導入されたプレーオフから何度も苦杯をなめてきた。4番の柳田も「チーム一丸で頑張るしかない」と気持ちは同じ。残り8試合、CSへ向け状態を上げていく。工藤ソフトバンクに消化試合はない。【石橋隆雄】

◆ロッテの中村が四回に先制の7号ソロを放った。早大の後輩でもある大竹の直球を捉えると、中堅左のグラウンドにせり出しているホームランテラス席に飛び込んだ。「感触は入るかどうかといった感じだったので入ってくれて良かった」と喜んだ。  チーム初安打でもあった一発で打線は活気づき、この回はさらに鈴木が満塁から2点適時打を放った。

◆ソフトバンクは投手陣が崩れ大敗。西武にリーグ優勝を許した。ロッテは一発攻勢で効果的に加点した。先発の二木が4安打1失点完投で4勝目(6敗)を挙げた。  ロッテは四回、先頭の中村がソフトバンク先発の大竹から左中間ホームランテラスに飛び込む7号ソロを放ち先制。さらに井上の左前打と2つの四球で無死満塁とすると、鈴木の中前2点打で差を広げた。  ソフトバンクは六回に一死二、三塁から柳田のニゴロで1点を返したが、ロッテは八回無死一、三塁から角中の右前適時打で差を広げると、さらに一死満塁で、代わったばかりの石川から岡がバックスクリーンに飛び込むグランドスラムを放ち大差をつけ、九回にも菅野の2号ソロでダメを押した。

◆ロッテの二木が今季2度目の完投勝利を飾った。失点は3点リードで前進守備をしなかった六回の内野ゴロによるものだけ。8月17日の楽天戦で完封勝ちしているが「制球が良く、今回の方がしっかり抑えられた。1人で投げ切れて良かった」と胸を張った。  190センチの長身から繰り出す直球とフォークボールに、スライダーも効果的に交ぜて打たせて取った。23歳のエース候補は「まだ100点ではない。来季につながるようにまたしっかり頑張る」と貪欲だった。 井口監督(3本塁打の打線に) 「もっと振って強いスイングをしようと言っている。こういういい当たりがどんどん出てくれたらいい」

◆ロッテは9月30日、敵地で3本のアーチをかけソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に9-1で快勝した。本拠地では苦闘が続くが、この日は先発の二木が立ち上がりから抜群の制球力でテンポよく快投。リズムに乗った打線の口火を切ったのは中村だ。  「感触はよかった。最近はいいスイングができている」  四回、先頭でバックスクリーン横に7号ソロ。そこから井上の安打、連続四球と鈴木の適時打で3点を奪い主導権を握った。さらに一挙5点を奪いビッグイニングとなった八回は、先頭で中前打。すかさず二盗を決め、さらに三盗にも成功した。この時点で単独トップとなる38個目の盗塁を決め「走れるときに走って、それがチームの勝ちにつながれば」と勝利を呼び込んだ。井口監督も「1試合に2つですから、大したもの」と高く評価した。  日本ハム・西川、西武の源田と激しく盗塁王のタイトルを争う。30日現在、ロッテは残り11試合あり状況は有利。それでも「西川は走り出したら止まらない。僕も警戒されるだろうがチャンスがあれば走って、取れるならタイトルは取りたい」と強く意識する。  チームは苦しい状況にあるが、初のタイトルに向けラストスパートをかける。

◆リーグトップの打率3割5分2厘をマークするなど打線をけん引してきたソフトバンクの柳田は、リーグ2連覇を逃したことに「クライマックスシリーズ(CS)に向けて頑張りたい。チーム一丸で頑張るしかない」と話した。  六回一死二、三塁では二ゴロで打点を挙げ、自己最多に並ぶ99打点に乗せた。34本塁打もすでに自己最多タイで「まずはそれじゃないですか」と本塁打、打点での自己記録更新を見据えた。 ソフトバンク・王球団会長(優勝を逃し) 「悔しいけど勝負事だから。CSでチャンスがある」 松田宣(リーグ連覇ならず) 「決まってみるとやはり悔しい。まずは残り8試合を頑張りたい」 大竹(四回に崩れて2敗目) 「ちょっとしたところ。リリーフの人に申し訳ない」

◆4打数無安打の柳田は「クライマックスシリーズに向けて頑張りたい。チーム一丸でやるしかない」と気持ちを切り替えた。六回一死二、三塁の二ゴロで、チーム唯一の得点。99打点は34本塁打とともに自己記録に並んだ。残り8試合での更新に「まずはそこじゃないですか」と淡々と話して引き揚げた。

◆夏場から驚異の粘りをみせたソフトバンクが力尽きた。1-9でロッテに大敗し、自軍の敗戦によって西武の優勝が決まった。工藤監督はナイン一人一人の肩をたたくと、ベンチ裏に集めた。  「けが人が多い中、よく頑張った。敗戦の責任は私にある。悔しい思いだけは持って、これからも戦ってほしい」  8月7日以降の31勝11敗に文句のつけようはない。三笠球団統括本部長は「よくやってくれた。優勝できなかったことは厳しく受け止め、リーグ優勝にふさわしいチームを作りたい」と話した。  故障続出が最大の誤算だが、主力の不振も響いた。球団幹部に「特に野手は年齢層が高い」という声もあり、世代交代を意識した再編成に着手する方向。現在の支配下選手は70人で、来季のスタートは「66、67人に」と同幹部。新戦力獲得を考えれば、10人近い"人員整理"が見込まれる。  王球団会長も常勝軍団の継続には「新旧の入れ替わり。新しい選手も伸びてきて、いい選手も獲って競争を激しく」と話している。契約最終年の高額年俸選手も多く、コストカットや大規模な血の入れ替えによる再出発は必至だ。

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
84522 0.618
(↓0.004)
優勝
(↑1)
5771
(+1)
636
(+4)
191
(-)
128
(+1)
0.273
(-)
4.27
(-)
2
(-)
ソフトバンク
76581 0.567
(↓0.004)
7
(-)
8641
(+1)
556
(+9)
191
(-)
78
(-)
0.267
(↓0.001)
3.97
(↓0.04)
3
(-)
日本ハム
71633 0.53
(↑0.004)
12
(↑1)
6569
(+4)
563
(+1)
137
(-)
87
(-)
0.251
(-)
3.79
(↑0.02)
4
(-)
ORIX
63725 0.467
(↑0.004)
20.5
(↑1)
3527
(+5)
556
(+2)
101
(+1)
96
(+2)
0.244
(-)
3.7
(↑0.02)
5
(-)
ロッテ
57723 0.442
(↑0.004)
23.5
(↑1)
11505
(+9)
570
(+1)
71
(+3)
119
(+2)
0.25
(-)
3.99
(↑0.02)
6
(-)
楽天
56793 0.415
(↓0.003)
27.5
(-)
5502
(+2)
570
(+5)
127
(+1)
62
(-)
0.241
(-)
3.84
(↓0.01)