広島(★4対5☆)阪神 =リーグ戦21回戦・マツダスタジアム=
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阪神
10012010051011
広島
0000300104621
勝利投手:才木 浩人(6勝8敗0S)
(セーブ:ドリス(1勝6敗30S))
敗戦投手:ジョンソン(10勝4敗0S)

本塁打
【阪神】ナバーロ(3号・4回表ソロ)
【広島】鈴木 誠也(30号・5回裏2ラン)

  DAZN
◆阪神は初回、2死一二塁から陽川の適時打で先制する。その後は、4回表にナバーロのソロで加点すると、5回には陽川の適時三塁打などで2点を追加した。投げては、先発・才木が5回3失点で今季6勝目。敗れた広島は、鈴木の30号2ランなどで追い上げを見せるも及ばなかった。

◆降雨のため、予定より1時間9分遅れて開始された一戦は、阪神が陽川尚将内野手の適時打で先手を取った。 初回2死一、二塁。早速巡ってきたチャンスで、広島先発ジョンソンの高めに浮いた変化球をたたいた。三遊間を抜き、二塁走者大山が生還。1点を先制した。

◆降雨のため、予定より1時間9分遅れて開始された一戦は、阪神が陽川尚将内野手の適時打で先手を取った。 初回2死一、二塁。巡ってきたチャンスで、広島の先発ジョンソンの高めに浮いた変化球をたたいた。三遊間を抜き、二塁走者・大山が生還。1点を先制した。 「追い込まれてしまいましたが、粘り強くなんとか後ろにつなごうという意識でした。雨で試合開始が遅れましたが、しっかり集中して打席に入ることができました」と話した。

◆阪神エフレン・ナバーロ内野手が3号ソロを放ち、追加点を挙げた。1点リードの4回。先頭で打席に立つと、中村祐の初球ストレートを捉えて中越えに運んだ。 8月9日巨人戦(東京ドーム)以来の1発。「積極性を失わないようにと自分に言い聞かせて、ファーストストライクをしっかりコンタクトすることができたよ」と振り返った。

◆雨が打ちつけるマウンドで力投した。阪神先発の才木浩人投手が5回3失点。6勝目の権利を手にして降板した。 降雨の影響で1時間9分の開始遅延、2回終了後には1時間2分の中断と、難しい状況でも集中を持続し4回まで無失点。5回に鈴木の本塁打などで1点差に迫られたが、踏ん張った。 「調子自体は悪くなく、自分の感覚で投げることができていただけに、5回の3失点はもったいなかったです。(長時間の中断は)初めての経験でしたが、その中でなんとか粘ってゲームを作れたことは良かったと思います」と話した。

◆広島鈴木誠也外野手(24)が自身初の30号2ランを左翼席に放った。 4点を追う5回。丸の二塁打で1点を返し、なおも2死二塁で鈴木は阪神才木の外角真っすぐにバットを合わせた。角度良く上がった打球は、そのまま左翼席へ。「いいポイントでしっかり捉えることが出来ました。点につながって良かったです」。大台に到達する30号2ランで1点差に詰め寄った。現在36発でセ・リーグ本塁打キングの丸とともに、広島では05年の前田と新井が達成して以来の30発コンビとなった。

◆阪神が日またぎ決着となる広島との死闘を制した。降雨のため、予定より1時間9分遅れ午後7時9分に試合開始。2回終了後にも雨のため1時間2分中断した。その後も雨が降り止まない中で試合が続き、手元の時計では0時3分をまわったところで試合終了。プロ野球史上9番目に遅い終了時間となった。 ヒーローとなった阪神陽川は、センター後方大型ビジョンの時計の針に目をやり「中断もあったので気持ちをもっていくのに難しい部分もあった。正直しんどかったです」と疲れきった様子だった。 史上最も遅い終了時刻は、92年9月11日阪神-ヤクルト戦の午前0時26分(延長15回、3-3で引き分け)。15年8月21日には広島-巨人戦が史上2番目に遅い午前0時21分に決着(延長11回、巨人が4-3で勝利)している。13年9月4日にソフトバンクが6時間1分に及ぶ死闘を制し日本ハムを下した際も0時を回り、お立ち台に立ったソフトバンク中村晃が「また今日も頑張ります」の名言?を残している。

◆阪神陽川尚将内野手が3安打2打点の活躍で日付またぎのゲームを勝利に導いた。 1回2死一、二塁、チェンジアップをしぶとく左前安打へ運んで先制点をもたらした。5回には適時三塁打を放ち、貴重な追加点となった。 ヒーローインタビューでは「中断もあったんで正直しんどかったです。(先制打の場面は)こういう天候だったので、初回に点を取っていい流れに乗って行ければいいなと思っていました」と振り返った。

◆広島ジョニー・ヘルウェグ投手(29)が異例すぎる深夜デビューを果たした。4-5の8回から5番手で登板。1四球は出したが無失点に抑えた。 この試合は1時間9分遅れで始まり、途中で1時間2分の中断などがあったため試合進行が極めて遅く、新加入右腕が第1球を投げたのは午後11時46分だった。 ヘルウェグは今年6月、ブルペン強化のために契約。2軍で157キロを計測した剛球が武器だ。この日も右のスリークオーターから150キロ超の速球を連発。最速は155キロだった。陽川を空振り三振にしとめたスライダーも切れ味が鋭かった。

◆広島は1時間9分遅れで始まり、2回裏終了時には1時間超の中断があった一戦を落とした。 再開後も雨が降り続け、グラウンドコンディションが悪い中で両軍ともに悪送球などのミスが目立ち、守備や走塁での影響も感じられた。中断による影響で2回降板のジョンソンが4敗目。優勝へ足踏みとなった。広島緒方孝市監督(49)の談話は以下の通り。 -悪天候の中難しい試合。 緒方監督 最悪のコンディションの中、選手たちはしっかりと集中力を保って選手たちは最後まで試合をやってくれた。ケガというところが一番怖かったけれど、それもなかったので。また明日からやるだけ。 -1時間超のインターバルが空いた影響で2回降板のジョンソンの次回登板は間隔を詰めるか 緒方監督 それは当然。

◆雨が打ちつけるマウンドで力投した。阪神先発の才木浩人投手が5回3失点で6勝目をゲットした。 降雨の影響で1時間9分の開始遅延、2回終了後には1時間2分の中断と、難しい状況でも集中を持続し4回まで無失点。5回に鈴木の本塁打などで1点差に迫られたが、踏ん張った。 「(中断は)初めての経験でしたけど、しっかりゲームを作れたのは良かったです。ただ、感覚が良かっただけに、2アウトからの失点はもったいなかった」と手応えと反省を口にした。

◆広島のクリス・ジョンソン投手は中断後のマウンドに上がらなかった。先発して2回を1失点。2回裏終了時に雨で1時間2分の中断になり、再開後のマウンドには中村祐太が上がった。 そのまま追いつくことができず、ジョンソンに4敗目がついた。10勝左腕は試合後、消化不良の胸中を正直に明かした。 「試合を始める状況じゃなかった。試合開始の際にも雨が降っていて、始まってからもずっと降り続けた。選手がケガをする可能性がかなり大きかった。自分以外にも8人の野手が守ってくれている。これから重要なプレーオフがある。ケガで彼らを欠くのがどれだけ大きなことか」 阪神の日程が詰まっており、簡単には試合を中止にできない事情にも言及した。 「日本でダブルヘッダーができるなら、プレーボールをかけなくてもよかったのかなと。米国ではまず(こういうケースは)ない。開始を待つか、ダブルヘッダーを組むかだね。もし阪神の日程がきついから試合をしたのなら、それは違うと思う」 あくまで、選手のコンディションを最優先すべきとの持論を語った。

◆阪神が大激戦の末、勝利を収めた。試合開始が1時間9分遅れ、午後7時9分にプレーボール。雨が降り続けるなか試合が行われたが、2度の中断を挟んで続行。試合終了は0時3分だった。 金本知憲監督は試合後「久々に午前様ですな」と笑顔。「試合が1時間遅れて、中断も1時間? 記憶にないし、中断は1時間超えたんちゃう? 超えてるよね。何より選手にケガがないのがね。滑って捻挫するとかピリッと来るとか、手を突くとかさ。それが一番、今日は心配だった。それがなかったからね。それだけでよしとして。第一に良し、2つ目は勝ったことですね」とホッとした表情で振り返った。

◆20日の広島-阪神21回戦戦がプロ野球史上14度目の2日がかりの試合となった。阪神が5-4で広島を下し、試合終了は21日午前0時3分。9回で決着がついた試合では史上最も遅い終了となった。降雨の影響で試合開始が1時間9分遅れ、2回裏終了後には1時間2分中断。さらに5回終了後にも12分間の中断。悪条件の中、両軍は総力戦を繰り広げた。広島のマジックは4のまま足踏みとなった。 深夜の大激闘だった。プレーボールから約5時間後、もう雨はあまり降っていない。9回裏、阪神の守護神ドリスが広島鈴木を空振り三振に仕留めて試合は終わった。前夜の神宮でのヤクルト戦から一夜明け、午前8時過ぎの新幹線で東京駅を出発。約4時間の移動による疲労とも格闘しながら日をまたいだ接戦を制し広島戦は3連勝。阪神金本監督は「久々のね。午前様ですわ」と笑った。 セ・リーグは8月28日から「連盟管理節」に入っていた。試合挙行の可否や試合開始の時刻の変更などを、セ・リーグ統括または当該試合の球審が代行する。これ以上は全日程の終了を遅らせたくない-。関係者は強い降雨の中で試合開始を模索した。午後6時開始予定の試合は1時間9分遅れで始まった。 強い雨にさらされ、2回終了後に1時間2分の中断。午後9時ごろに試合は再開された。雨は断続的に降り、グラウンドの整備が行われた5回終了後にも12分間の中断があった。金本監督は「5回がいっぱいいっぱいかなと思ったけど突然やんだからね。しんどかったね」と心境を吐露した。 この日、セ・リーグから新たに追加日程が発表され、阪神は10月9日に巨人戦(甲子園)が組み込まれた。この日の広島戦が中止となれば15連戦になる可能性もあった。「選手にケガがなかったから、それを第一の良しとして、2つ目は勝ったこと」と金本監督。最下位ながら3位巨人に1ゲーム差と迫り、上位進出への足掛かりを築いた。 ◆雨広島雨天メモ 午後6時開始予定の広島-阪神21回戦は09年のマツダスタジアム開場後、最も遅れた1時間9分遅れで始まった。セ・リーグで試合開始が最も遅れたのは07年9月24日の広島-ヤクルト戦(広島市民球場)で1時間29分遅れ。また、マツダスタジアムでの試合では、この日の1時間2分の中断は4位タイの長さで、最長は14年8月14日のヤクルト戦の1時間35分が最長(ノーゲーム)。

◆広島鈴木の自己最多30号が空砲となった。5回2死二塁で阪神才木から左翼席へ放り込んだ。1点差に迫り、熱心に応援を続けるファンを喜ばせた。「良いポイントでしっかり捉えることができた」と振り返った。キングの丸とともに、チーム13年ぶりの30発コンビの誕生も、試合に敗れてマジックは「4」のまま。 最後は9回2死、ドリスのフォークに空振り三振し「その後のチャンスで打てなかった。(悪条件は)相手も同じなので」と振り返った。 チームは雨に泣いた。5回、2番手の中村祐はバント処理で悪送球。5回2死一塁、左翼野間は足元を気にして阪神陽川の飛球の落下点に入れず、適時三塁打にしてしまった。鈴木の1発をもってしても、劣勢を変えられなかった。 ▼鈴木が自身初となるシーズン30号。鈴木は今季24歳で、24歳シーズン以下で30本以上は、球団では93年江藤(23歳=34本)に次ぎ2人目となった。また今季の広島は丸も30本塁打以上。チームの2選手が30発以上は、広島では05年(新井、前田)以来13年ぶり。

◆阪神の鉄壁リリーフ陣が"深夜"のリレーで勝利のバトンをつないだ。まだ雨の残る6回から登板したのは能見だ。1点リードの展開で1回無安打無失点でしのいだ。西川、田中、会沢を計9球で料理し、両軍初の3者凡退。試合を落ち着かせた。足場が悪い中でも冷静に腕を振った。 3番手は桑原。先頭の代打バティスタを空振り三振に打ち取った。野間には右前打を浴び菊池の犠打を自らが失策。1死一、二塁のピンチを招くも、決定打を許さない。丸、鈴木の計66発コンビを連続の見逃し三振。「失策してしまったので。次に行く機会があればしないように。なんとか切り抜けられてよかったです」と振り返った。 8回に登板した4番手藤川は1点を失うも、同点は許さなかった。1点リードの9回には守護神ドリスが9月1日以来の3者凡退締め。阪神では呉昇桓以来の2年連続30セーブをマークした。日にちをまたいでの登板。「10年以上は経験がないね。若い頃にあったくらいかな。(30セーブは)1個1個を積み重ねてきた結果です」と笑顔。チームを支えてきた中継ぎ陣が、大切にバトンをつなぎ切った。【池本泰尚】

◆新コイキラーだ。阪神才木浩人投手(19)が、広島戦3勝目となる今季6勝目を挙げた。難しい雨中のマウンド。ポケットの中のロジンバックを何度も触り、スパイクの裏にまとわりつく土も落とすシーンもあった。そんな状況でも、目の前の打者をねじ伏せることに集中。5回4安打3失点と踏ん張った。 「(中断は)初めての経験でしたが、しっかりゲームを作れたのは良かったです。ただ感覚が良かっただけに、2アウトからの失点はもったいなかった。(中断中も)自分は投げる気でいたし、気持ちを切らさずしっかり準備できました」 集中が切れてもおかしくない場面だった。降り続く雨の影響で、開始は1時間9分遅れた。さらに2回終了後に1時間2分の中断。再開後も雨が打ちつけるグラウンド。広島は先発ジョンソンを代え、2番手中村祐を送り出した。それでも才木は3回のマウンドに向かった。先頭の野間を直球で押し込み左飛、菊池は145キロ直球で空振り三振に仕留めた。丸は四球で歩かせたが、鈴木は外角フォークで見逃し三振に斬った。 注目を浴びるのが何よりもうれしい19歳だ。ドラフト候補だった須磨翔風高校3年時。文化祭では行き交う生徒たちから頼まれれば、ツーショットにも応じて回った。1発ギャグの注文を受ければ、鉄板ネタを披露した。今もなお「目立つことは大好きですね」と口にする右腕。難局に立たされても自分が最も目立ち、輝きを放つ舞台は簡単に譲らなかった。 マツダスタジアムでは9月6日に6回1失点と好投し、今季5勝目を挙げていた。この日もリーグ3連覇を目前にしている広島に対して粘り腰を発揮。6勝のうち半分が首位からとは何とも頼もしい。ホープの熱投が、沈んでいた虎を奮い立たせた。【吉見元太】

◆阪神は一回に5番陽川が先制打を放った。2死から安打と四球でつくった一、二塁で打席に入り、ジョンソンのチェンジアップを左前にはじき返し「追い込まれていたが、粘り強く何とか後ろにつなごうという意識だった」と振り返った。  雨の影響で試合開始が1時間9分遅れても「しっかり集中して打席に入ることができた」と力強く話した。五回には左中間三塁打で追加点を挙げた。

◆断続的に雨が振り続ける悪コンディションの中、阪神が深夜にまで及ぶ熱戦を制し連敗を2で止め、5位・中日にゲーム差なしと迫った。先発の才木が5回を投げ4安打3失点で6勝目(8敗)。広島の優勝へのマジックナンバーは4のまま。  広島はジョンソン、阪神は才木が先発した。試合は降り続いた雨のため、1時間遅れで始まった。阪神は一回、二死一、二塁とチャンスを作ると、陽川が左前適時打を放ち、先制した。試合は二回を終えたところで再び雨による中断に入った。約1時間の中断の後、試合が再開されたが、広島は三回から中村祐がマウンドに上った。  阪神は四回、先頭のナバーロがバックスクリーン右へソロを放ち2-0とした。五回には無死二塁で植田の犠打を相手投手が一塁へ悪送球。ボールがファウルグラウンドを転々とする間に二走の糸原が一気に生還した。さらに二死一塁で陽川が左中間に適時三塁打を放ち、4-0とした。  広島はその裏、二死一塁で丸が右中間に適時二塁打を放ち、1点を返した。さらに二死二塁で鈴木が左翼席へ2ランを放ち1点差とした。  阪神は七回一死二、三塁から中谷の犠飛で1点を追加した。広島は八回に会沢の犠飛で再び1点差としたが及ばなかった。

◆広島の4番鈴木が五回に2ランを放ち、自身初の30号本塁打に到達した。才木の外角速球を左翼席上段まで運び「いいポイントでしっかり捉えることができた」と手応えを口にした。  13日のDeNA戦で2016年に並ぶ29号をマークした際には「今は優勝するために、とにかく結果を出そうと思っている。数字のこととかは気にしてない」と話していた若き大砲。愚直な姿勢が好結果につながっている。

◆プロ野球広島-阪神21回戦は20日、広島市のマツダスタジアムで行われ、降雨の影響で試合は未明に及び、21日午前0時3分に終了した。阪神が5-4で競り勝った。  午後6時開始予定の試合は1時間9分遅れで始まり、強い雨にさらされ、二回終了後に1時間2分の中断。断続的に雨が降り、グラウンド整備の行われた五回終了後にも12分間の中断があった。  悪条件にも、球団史上初のリーグ3連覇が近づく広島ファンはチームカラーである赤色の雨具を身にまとって、鳴り物の応援が自粛された午後10時以降も熱心に声援を送った。阪神ファンも得点が入るたびに「六甲おろし」を声を張り上げて歌った。  今季のセ・リーグは西日本豪雨や台風などによる試合中止が相次いでおり、日程を消化するために簡単に試合を中止できない状況にある。

◆27年ぶりの地元胴上げが近づく広島は、本拠地9連戦は黒星スタートとなった。試合開始が1時間9分遅れ、さらに計1時間14分の中断がある悪条件の中、阪神に競り負け、マジックナンバーは4のままで足踏みとなったが、緒方監督は「最悪のコンディションの中、選手たちはしっかり集中力を保ってやってくれた」とねぎらった。  4点を先行されて主導権を握られても、五回に3点を奪い返すなど意地を見せた。八回にも再び得点して1点差に迫ったが、同点のホームが遠かった。試合終了時には日付も変わり、疲労が募る敗戦だった。 丸(五回に適時二塁打) 「打ったのはフォークボール。うまく拾うことができた」 ヘルウェグ(来日初登板は1回無失点) 「1軍でマウンドに上がれて、登板内容は良かったと思う」

◆阪神は広島の反撃に遭ったものの、日をまたいで終わった長時間の接戦を制した。広島戦3連勝とし、最下位ながら3位巨人に1ゲーム差に迫った。  3連敗を免れた金本監督は「久々に午前様ですな」と笑い、グラウンドの状態が悪い中での勝利に「選手にけががなかったから、それを第一に良しとして二つ目は勝ったこと」とほっとした表情を浮かべた。 ナバーロ(四回に3号ソロ) 「勝ちがついたのが大きいし、チームとして良かった」 阪神・香田投手コーチ(才木に) 「集中しづらい状況でよく頑張った。ブルペンで投球練習したり、上手に時間を使っていた」

◆阪神が東京から肩をおとして心が折れたような顔で広島に移動...マツダスタジアムにたどりついたのは...昼過ぎ。  ♪雨の日も 風の日も 泣いてくらす わたしゃ浮世の 渡り鳥...(西条八十『涙の渡り鳥』)  こんなことって誰が想像してました? キャンプの打ち上げで金本監督は胸をはって「お待たせしました...」っていったのです。もちろん監督はその"手応え"と確信があったからです。実際に連日、キャンプを訪ねてくる評論家もロサリオの豪快な打撃練習をみてド肝をぬかれ、こらホンマもんや! 誰だってそう思いました。  今年は肝臓が黙ってへんやろなぁ...♪酒が飲める、酒が飲める、猛虎快進撃で酒が飲めるぞぉ!  え、肝臓は...相変わらず文句ばっかりぬかしとります。そやかて...あんなにアテはずれの千鳥足では"やけ酒"の量は増えますがな。いっそのこと甲子園のすぐ近くの西宮の名酒で大吟醸『虎の涙』なんてのを売り出したら...売れると思うけどなぁ...気楽なことをぬかすなってか...はいはいスイマセン。  とにかく1時間9分遅らせてからのプレーボール。こういう時って球場の舞台裏ではどれほどのてんやわんやが演じられるかは、おわかりでしようか。  「ここまで切羽詰まってくると日程消化が最優先やからなぁ。しかしここの球場も別名『広島ドーム球場』といわれるぐらいに少々の雨では結構ゲームをがんばるんや。それはエエけど我々には締め切り(降版時間)ちゅうものがあるがな。まったく雨空に向かってボヤいても仕方ないけど...」と編集委員上田雅昭もブツクサ。原稿のスピードはピカイチだからヤツはもう「お好み村」のカウンターで広島焼をつまみながら冷えたビールをグイッとやっていて、マツダスタジアムにいる上田はいわば"セミの抜け殻"みたいなものなのだ。そう考えると予定が狂ったセミの抜け殻が記者席でモジモジしているのであります。つまり無粋な雨がすべての"思惑"をことごとくつぶしていく。  でね、こういう風雲急を告げる試合なのに1時間9分遅れでやっとプレーボール。一回表に阪神は大山(内野安打)→糸井(四球)→陽川が左前へ先制打だ。これが甲子園ならいきなり六甲おろしの大合唱だがタッタの1点。その裏、才木は打者5人に四球2、三振3で0点。ジョンソン24球、才木28球。いいですか、二回の攻防が終わってまた雨...8時1分ですョ。  仕事場は広島で、この結果をクビを長くしてまってくださっているサンスポの読者の皆様は広島と日本全国。パソコンを叩いて一度広島から→大阪本社へ。そこから整理部が紙面にして...印刷して...配送のトラック便に乗せて...山陽道をまっしぐらに雨の中を再び広島へ運ぶわけです。それならいっそのこと広島の記者席の裏側にスタッフがいてサッサッと紙面にしてそこで印刷したらエエがな...となりますがそんな小学校の壁新聞みたいなわけにはいかない悲しさ。ああ、こうしているうちにも降版時間は刻々と近づいて...。  広島エリアにも「猛虎党」はいらっしゃいます。その猛虎ファンにも満足していただかねばならず...それには勝利第一だけど...赤ヘルの終盤の反撃もすごいし...しかもまるで棚田状態のグラウンドのぬかるみ...どうすりゃいいのさ思案橋。  審判団も日程上のことを考慮するが単に"後回し"にするだけではない。  そして...雨は情け容赦なくふり続けて...♪夜が冷たい 心が寒い 渡り鳥かよ...虎の旅...か。

◆九回にマウンドにあがったドリスは、打者3人をきっちり抑え、2年連続の30セーブを挙げた。8月26日の巨人戦(東京ドーム)以来のセーブに「いつも一つ一つと思ってマウンドにあがっている。(30セーブのことは)知らなかったけどうれしいよ」。日付をまたぐ時間での登板は約10年ぶりといい、それでも最後まで集中力を切らさなかった。「一個一個のチャンスを残してきた結果。これからも続けていきたい」とさらなる記録へ意気込んだ。

◆――中断で間が空いたが、才木の続投は迷いはなかったか  金本監督「まあ...僕も心配したんだけど、まあ、香田コーチから行けますということだったんでね」  ――なかなかこういう展開は記憶にないのでは  「ないねえ...。試合が1時間遅れて、中断も1時間? まあ記憶にないし...。中断が1時間超えたんちゃう? 超えてるよね? まあでもね、何より選手にけががなかったのがすべて。捻挫するとかさ、ピリッと来るとか、手突くとかさ、それがやっぱ一番心配だったですね」  ――日付も変わって、なかなかない試合に  「まあねえ、ホント、ないから取れてよかったと思います」

◆アハハハハ...もう笑っちゃうしかないよ『お笑い日本プロ野球』。わが阪神が広島に勝利して、これで3位・巨人から最下位・阪神まで1ゲームの中に4チームって...どんだけレベルが低いんだよ!?  ちゅーか、恥ずかしくねぇーのか!? 本日の広島-阪神(マツダ)の試合なんて、日程を消化するためだけのファン無視の、ず~っと雨の中の試合。1時間9分遅れて始まり、1時間2分の中断。広島の名手・菊池が骨折してもええんかい!? 丸が故障してもかまわんのかー!? 阪神の糸井がどこかいわせても関係ないんかい!?  てか、広島は終電早いから、みんな夜通し歩いて帰宅してるよ!  来季は阪神、ヤクルト、広島、DeNAの屋根なし球場を本拠地にするチームは、ドーム球場の巨人、中日より開幕をその4球団で10日早く始めればいいのだ!!  そんな雨中の5回4安打3失点で6勝目をあげた19歳の才木くんは『雨ニモ負ケズ、カープニモ負ケズ』で悪くな~い!! 何が悪くないって、単に自分の自信のあるストレートを信じている、その姿なのだ!!  やられようが打たれようが...19歳の真っ向勝負がエースへの近道なのだ!! で、わが阪神CS出場、逆転で決めたれー!! で、借金が多くて恥ずかしいから、辞退したれー!!

◆雨粒を切り裂き、不屈の助っ人砲がまた強烈に自己主張だ。長い中断もあった。いつ終わってしまうか、分からない試合だった。次の1点こそが重要な局面で、ナバーロが打った。33試合ぶりの3号ソロアーチを、豪快に中越えへ突き刺した。  「こういう条件でプレーしたことはもちろんある。気持ちをキレさせないことが一番大事だし、それができた」  打席も、マウンドも、限界を超えてぬかるんでいた。1-0とリードしていた二回終了後。長い中断が挟まり、グラウンドにはたくさんの砂が入れられた。だが、まだまだ雨は降り続け、三回終了後にもまた大量の砂が運び込まれた。四回無死から広島の2番手・中村祐の1球目を、ギラついた目の助っ人砲が捉えた。外角137キロ直球をバックスクリーン右へ叩き込んだ。  6月29日の来日初1軍昇格から、この雨中の、首位広島を相手にした一戦で千金3号弾。8月9日の巨人戦(東京ドーム)以来33試合ぶり、自身の出場27試合ぶりで87打席ぶりの一発だった。キャプテンの福留が9月11日の中日戦(甲子園)で右太ももを痛め、この日で8試合連続でスタメンを外れた。だが、その期間「6番・一塁」に入り、見事にチームを支えているのがナバーロだ。  1点差に迫られていた七回一死一塁でも左中間二塁打を放ち、マルチ安打で追加点へつなげた。緊張感を持ち続けるのが難しい、深夜まで及んだ熱戦でもアツく戦い続けた。2007年の米球界のドラフトでは、全体の1453人中、1450番目の指名。そこからはい上がった気持ちの強さは半端じゃない。  「9月に入って好調なのは、いい準備ができていることだね」  不振続きで2軍降格となっているロサリオの来季去就が不透明となっている中、猛烈な残留アピールだ。苦労人の"遅れてきた助っ人砲"が、たしかな力を見せ始めた。 (長友孝輔)

◆降りしきる雨にも、1時間を超える中断にも、折れなかった。負けなかった。才木が雨のマツダスタジアムで5回3失点。6勝目をつかんた。  「(長期間の中断は)初めての経験でしたが、その中でなんとかゲームを作れたことはよかった」  一回からエンジン全開で投げた。先頭の野間、4番の鈴木には四球を与えたものの、それ以外の打者を全て空振り三振で切って取ってみせた。69分遅れの、午後7時9分より開始された試合。そんな悪条件をものともしない立ち上がりだった。  二回は田中に初めての安打を許したが、後続を打ち取り無失点。ここで、審判が中断を決めた。止まない雨でもブルペンでストレッチやキャッチボールを入念に行い、その時を待った。  「やるだろうなと思っていたので。次に投げる準備はしていました。言われずとも、投げるつもりでいました」  1時間以上の中断をへても、緊張の糸をほどくことなく三回、四回と無失点に抑え、4-0の五回は二死一塁から丸に右中間への適時二塁打で1点を失い、続く鈴木に左翼席への今季30号2ランを浴びて3失点。「五回の3失点はもったいなかった」と唇をかんだが、なんとかリードを守り切った。  周囲の声に耳を傾け、スポンジのように吸収してきた。クイックのスピードをあげるためにトレーナーに教えを請うて、通常のゆったりとしたスクワットのスピードをあげ、横の動きも組み合わせる方法を伝授された。投球に役立つと思えばどんな練習法にもトライしてきた。日々の研さんが勝負どころでいきてくる。  集中を切らさなかった背番号35を指揮官もねぎらった。金本監督は「まあ...僕も心配したんだけど、まあ、香田コーチから行けますということだったんでね」と目を細めた。6勝のうち、3勝を広島から挙げた。才木は「次までには直したい」と向上心を忘れないのも頼もしい。すべての経験を糧に、また一歩、エースへの階段を上っていく。 (邨田直人)

◆時計の針が午前0時を回る雨中の激闘に敗れて3連覇へのマジックナンバーは「4」のまま足踏み。最短の胴上げは22日に一日延び、プロ6年目でキャリアハイの30号到達となった広島・鈴木も、空砲となったことに悔しさをにじませた。  「いいポイントでしっかりとらえることができました。点につながって良かったです。(30号は)どうでもいいです」  0-4の五回、1点を返し、なお二死二塁で才木の140キロの直球をとらえた。途中で右手を離し、左手だけで払うようなスイングでスタンドへ。パワーをみせつける3試合ぶりのアーチで自身初、球団では丸に続いて30号に到達した。  30本塁打以上が同一シーズンに2人誕生するのは、球団では本拠地が旧市民球場時代の2005年の新井(43本)、前田智(32本)以来13年ぶり。開場10年目のマツダスタジアムでは初めてで新世代の赤ヘルを象徴する"最強タッグ"を襲名する一発となったが、試合後は「チャンスで打てなかった」と反省の言葉が口をついた。  雨でぬかるんだグラウンドに足を取られて、三回二死一塁では才木のフォークに見逃し三振。七回二死一、二塁でも桑原の速球に見逃し三振。九回二死ではドリスのフォークにバットが空を切った。  鈴木は「(雨は)相手も一緒なので」といいわけをしなかった。プロ6年目で大きく飛躍を遂げた24歳のスラッガーは、あくなき向上心でさらなる高みを目指す。 (柏村翔)

◆日付けを越えた雨中の死闘を制した! 阪神・陽川尚将内野手(27)が一回に先制打を放つと、五回にも適時三塁打。雨で開始が1時間以上遅れ、中断もあった"雨の決戦"で3安打2打点の活躍。マツダでは5年ぶり3連勝。3位・巨人とも1差に接近や!  泥臭くあらがい、午前0時3分に終わった死闘を制した。強まる雨脚、どろんこ状態のグラウンドコンディション、単独最下位で迎えた首位・広島との一戦。幾重の"負の要素"に虎は一歩も引かなかった。ナインの歓喜の声に、ベンチ裏の金本監督もようやく頬を緩ませた。  「ハッハッハ。久々の...午前様ですなあ。そうだねえ、まあ、五回がいっぱいいっぱいかなと思っていたら、そこから(雨が)やんだからね。しんどかったですね、ちょっと」  将の言葉に疲労と安堵を入り交じるが、勝利への道筋を切り開いたのが陽川だ。一回二死から大山が三塁内野安打、糸井は四球を選んで一、二塁とし、先発・ジョンソンの外角高め135キロを弾き返し、しぶとく三遊間を破る先制タイムリーをたたき出した。  「天候も天候だったので。(一回は)チャンスでまわってきて、結果が出てよかったです」  背番号55も胸を張る殊勲の一打に加え、左翼の守備では三回に野間の左翼線への打球にジャンプしながらつかみとって、慣れない外野守備でも見せ場を作り「求められることをしっかりできる準備はしているので」とうなずいた。  右足の負傷で万全ではない福留の"代役左翼"を感じさせない攻守に渡る全力プレーで、3-0の五回二死一塁から中村祐の137キロを左中間フェンス手前までかっ飛ばして適時三塁打でダメを押し、七回にも三走として中谷の中犠飛で貴重な5点目のホームを駆け抜けた。  1時間9分遅れで始まり、試合中にも計1時間14分中断した超がつく持久戦で今季3度目の猛打賞となる3安打2打点。期待に応えた仕事っぷりに虎将も「陽川ね、まあきょうは1点差だからね、全部大きい1点ですよ」と称えた。  27歳の豪快な打撃を支えるのは日頃の繊細な体への気配り。一人暮らしで自炊をする時間はなかなかないが、外食で足を運ぶのは栄養のバランスが取りやすい「家の近くにある定食の店にしています」。ナイター後はチームの食堂での食事は「サラダは多めにとるようにして(栄養面を)気をつけてますね」という。虎を救う一打も、守りも、日頃の努力があってこそだ。  マツダ3連勝は2013年7月5日-7日で勝利して以来、5年ぶり。単独最下位も3位・巨人とは1ゲーム差に縮まった。記憶にないほどの激戦を終え、金本監督は「何より選手にけががなかったのがすべて。それだけできょうもヨシとして、第一にヨシで、2つ目にやっぱ勝ったことですね」とナインをねぎらった。泥臭い価値ある1勝をきっかけに、ここから上昇気流に乗っていく。 (新里公章) ★審判「通常判断」  試合開始時間の変更について川口責任審判は「1時間をめどに遅らせるのはアグリーメントにも書いてある。球場側は最善の努力をしてくれたが仕方がない」と説明した。中断をはさみ、日付を越えながらも試合をやりきったことに関して、阪神の今後の過密日程が影響していることも考えられたが、「阪神の日程が詰まっていてもできなければ中止にする。常識の中でしか判断できない。通常の判断です」と強調した。

◆才木にとっては、ほとんど経験のなかった悪コンディションでの登板になった。降りしきる雨、ぬかるむマウンド。開始時間が1時間以上遅れた上に、試合中に再び1時間以上の中断。すべてが投手にとってマイナスの状況で、集中力を欠くことなく、投球を続けた。  若いからこそ集中力を維持できたのだろう。四回までゼロに抑えながら、五回に鈴木にうまく運ばれての2ラン。もったいなかったが、十分に評価していい内容だ。  相手の投手が素手で打球を処理してミスを重ねる中、才木はグラブで処理していた。悪コンディションでも基本を忘れない姿勢もいい。  正直、こんな状況で投げさせるのは酷だが、ファンは声援を送り続けたということは忘れてはいけない。どんな環境でもプレーするのがプロだ。  個人的にはCS制度は大賛成。消化試合がなくなり、最後まで真剣勝負が見られるからだ。ただし、その結果、ことしのような天候不順で順延が増えると、過密日程になっている。悪天候の中、強行される試合も出てくる。若い才木は、再びこんな状況で投げることもあるだろう。いい経験にしてほしい。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
75522 0.591
(↓0.004)
M4
(-)
14660
(+4)
586
(+5)
169
(+1)
79
(+1)
0.264
(↓0.001)
4.12
(-)
2
(-)
ヤクルト
65622 0.512
(-)
10
(↑0.5)
14602
(-)
617
(-)
122
(-)
64
(-)
0.268
(-)
4.26
(-)
3
(-)
巨人
61694 0.469
(-)
15.5
(↑0.5)
9587
(-)
550
(-)
140
(-)
59
(-)
0.257
(-)
3.88
(-)
4
(-)
DeNA
59682 0.465
(-)
16
(↑0.5)
14517
(-)
610
(-)
164
(-)
70
(-)
0.252
(-)
4.4
(-)
5
(-)
中日
61712 0.462
(-)
16.5
(↑0.5)
9578
(-)
615
(-)
91
(-)
58
(-)
0.266
(-)
4.38
(-)
6
(-)
阪神
57671 0.46
(↑0.005)
16.5
(↑1)
18527
(+5)
557
(+4)
82
(+1)
65
(-)
0.256
(-)
4.09
(-)