阪神(☆7対4★)広島 =リーグ戦15回戦・大阪ドーム=
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広島
00010 2010 483
阪神
00012 004× 7110
勝利投手:藤川 球児(3勝1敗1S)
(セーブ:ドリス(1勝3敗26S))
敗戦投手:今村 猛(2勝2敗1S)
  DAZN
◆阪神がシーソーゲームを制した。阪神は1-1で迎えた5回裏、福留と糸井の連続適時打で勝ち越しに成功する。その後逆転を許すも、8回に代打・原口と糸井の適時打などで4点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、2番手・藤川が今季3勝目。敗れた広島は、4番手・今村が誤算だった。

◆「17度目の正直」で広島の優勝マジック点灯阻止だ。今日14日からの広島3連戦(京セラドーム大阪)で先陣を切る阪神岩貞祐太投手(26)が、初のコイ料理を誓った。広島戦は過去5年間で16試合先発したが白星なく0勝10敗。防御率も5・88と大苦戦の相手だ。  「今までは(広島を)意識してきましたけど、それでいい結果が出たことがない。(今回は)他のセ・リーグ4球団と同じような(試合の)入りで、意識せずに投げたい。その状況に応じたベストな投球ができるようにやっていきたい」  この日は甲子園室内で投手指名練習に参加。ダッシュやキャッチボールなどで登板に備えた。強力な広島打線に対して、金村投手コーチからは「(鈴木)誠也が今当たっているということで、3番以前を塁に出さないこと。足を動かさないように。厳しい内角攻めも必要。打撃フォームを崩すような投球を期待したい」と指令も出た。  今季のチームは6回終了時点でリードしていると、37勝1分けの無敗神話がある。後ろに左右の両ベテラン能見、藤川ら盤石の救援陣が控えており、目指すは先手必勝の逃げ切りだ。  首位広島とは12・5ゲーム差離され、厳しい状況に変わりはない。まずは今日14日、広島に勝つしか優勝マジック点灯を先延ばしできる方法はない。チームは8月に入って6勝3敗と波に乗る。「自分のできる限りのことをやって、チームの勝ちにつなげられるように全力でいきたいと思う」。負けてばかりはいられない。岩貞が意地のコイ料理に挑む。【真柴健】

◆広島のクリス・ジョンソン投手(33)が今日の阪神戦に勝利すると15、16年に次いで3度目の2桁勝利だ。  広島投手の2桁勝利回数は北別府の13度が最多だが、外国人投手で3度以上記録すると球団では初めてとなる。

◆阪神梅野隆太郎捕手が同点適時打を放った。  1点を追う4回2死一、二塁。広島先発ジョンソンが投じた3球目、外角低めの132キロチェンジアップにバットを合わせた。  「いいピッチャーが相手でチャンスも少ない中で、なんとか同点にしたいと思い打席に入りました。いい形で追いつくことができました。このリズムで粘り強く守っていきたいです」とコメントした。

◆広島の松山竜平外野手(32)が、3年連続2桁本塁打に到達した。  2点をリードされた直後の6回、1死一塁で岩貞から右越えに10号同点2ラン。「打ったのはスライダー。点を取られた後だったので、何とかしたいと燃えました。同点になって良かったです」とコメント。4回にも先制打を放っていた。

◆<阪神7-4広島>◇14日◇京セラドーム大阪 阪神が逆転勝ちした。3―4と勝ち越された直後の8回、代打原口の中前打で同点。福留の押し出し四球、糸井がこの日4安打目の2点打で突き放した。広島は8回に野間の内野安打でリードを奪ったが、制球難の今村が逆転を許した。広島はきょう阪神に引き分け以上なら優勝マジックが点灯するはずだったが、お預けになった。

◆首位広島が阪神に敗れて2連敗となった。  6回に松山が10号同点2ラン。8回は野間の適時内野安打で勝ち越したが、その裏に今村が4失点で再逆転を許した。引き分け以上で優勝マジック点灯だったが、お預けに。以下は緒方孝市監督(49)の談話。  -打線は一時逆転  緒方監督 うん。選手はしっかりした、いいゲームをしてくれた。  -8回の失点は失策から  緒方監督 負けは自分の采配が悪い。また明日、しっかり戦うだけ。(足早に帰りのバスに乗り込む)

◆阪神糸井嘉男外野手が今季初の4安打で虎を勝利に導いた。  お立ち台には原口、福留と3人で上がり「前のバッターがめちゃくちゃいいんで、楽に入れてます」と主将の3番福留に感謝した。  この日の勝利で、首位広島の優勝マジック点灯を阻止。  「僕らはもう、負けられないんで、絶対勝つという気持ちで、明日からも戦っていきます。応援よろしくお願いします!」  右足腓骨(ひこつ)骨折が完治していなくとも、糸井は踏ん張る。

◆阪神が粘りの逆転勝ちを収めた。4回、1点を先制された直後に梅野の中前適時打で、すかさず同点に追いついた。再び1点を勝ち越された8回は代打原口の中前適時打や福留の押し出し四球、糸井の中前への2点適時打で一挙4得点。引導を渡した。  金本知憲監督は「広島相手に、広島にいつもやられている勝ち方というか。マジック点灯は(点灯したなら)現実として受け止めないといけないけど、だから頑張るのは違うと思う。日頃から選手は頑張ってくれています」と手応えを口にした。  4カード連続で初戦を奪い、長期ロードを優位に戦う。先週は3夜連続で首位広島のマジック点灯を阻んだが、この日も直接対決でまたも阻止だ。2打点の福留も「形うんぬんより、チームが勝てばそれでいい」と話す。  ベテランの活躍で、チームはさらに上位をうかがう。

◆阪神原口文仁捕手(26)が代打で同点打を放ち、勝利に貢献した。  1点を追う8回に藤川の代打で登場。1死一、三塁のチャンスで、フルカウントからの6球目、内角への落ちる球をとらえ、つまりながらも左中間に落とした。福留、糸井と並んでお立ち台に立ち、「勝ってよかったです。全員がつないでくれた打席だったので、なんとかかえす、そういう気持ちでいきました。必死のパッチでいきました!」と叫んだ。  代打での勝負強さは数字が証明する。今季は34打数17安打で5割。代打での得点圏打率は7割1分4厘と圧倒的だ。金本知憲監督(50)は「ここ一番で最高の集中力と言いますか、しぶとさと言いますか。毎回、毎回、いい仕事をしてくれます」。打席に立つごとに信頼度が高まっている。

◆意地のマジック点灯阻止だ。阪神糸井嘉男外野手(37)が適時打2本など今季初の4安打。首位広島戦を前に「負けられない。勝つしかない」と燃えていた4番が、有言実行で打線を引っ張った。3番福留の押し出し四球で勝ち越した直後の8回2死満塁。糸井が中前に力で押し込んで、2点適時打。「みんなつないでくれてたんで、なんとかかえしたいなと思って、かえせてよかったです」。金本監督も「福留と一緒で暑い時期にやってくれますし。2人が打ってくれると(打線が)機能します」と認めるほどの相乗効果だ。  8回に4点を奪っての逆転勝利。金本監督は「広島相手に、広島にいつもやられている勝ち方というか。マジックが点灯したら、現実として受け止めないといけないけど、だから頑張るのは違うと思う」とマジック点灯を阻んだ勝利をかみしめた。昨季は目の前で胴上げを見せつけられた。だから、糸井はお立ち台で叫んだ。「僕らはもう、負けられないんで。絶対勝つという気持ちで、明日からも戦っていきます。応援よろしくお願いします!」。今日15日も引き分け以下で広島のマジックが点灯する。厳しい戦いが続くが、まだまだセ界の灯は消さない。【真柴健】

◆今日こそ「M」点灯じゃあ~! 広島は、阪神に引き分け以上で優勝マジック点灯だったものの、逆転負け。6度目の点灯チャンスもお預けとなった。  8回に今村が打たれて悔しい逆転負け。それでも、打線は粘っこく攻めた。中でもベテラン松山竜平外野手(32)が2安打3打点と光った。3回まで左腕岩貞の前に走者を1人も出せずに迎えた4回。2死走者なしから丸の二塁打と鈴木の四球で一、二塁のチャンス。松山は初球を待っていた。「積極的にいきました。大振りせず、コンパクトスイングできた」。内角高め136キロ直球を、左前にライナーで先制打とした。試合前まで得点圏打率は3割4厘。いつもの勝負強さを生かした。  パンチ力も発揮した。1-3と逆転された6回1死一塁で、3年連続2桁となる10号同点2ランを右翼席前列にたたきこんだ。今度も初球。真ん中に入ってきたスライダーだった。試合前の時点で対左投手は2割4分3厘。「最近、左を相手に試合に出ていない。絶対に結果を出してやろうと思った」と燃えた。たっぷりの危機感は選手層の厚さの裏返しでもある。  マジック点灯は逃したが、8回に野間が一時勝ち越し内野安打を放つなど「らしさ」はみせた。緒方監督は「負けは自分の采配が悪い。選手はいいゲームをしてくれた」。この野球を続ければ、頂点がおのずと近づいてくる。【大池和幸】

◆41歳の阪神福留が"顔"で勝ち越し点を奪った。  8回に追いつき、なお2死満塁好機のフルカウント。今村の8球目、際どい内角高めを見逃し、決勝の押し出し四球を選んだ。「選んだのか、手が出なかったのか、どっちかです」。そう笑わせたベテランを、金本監督も「3-2になってから2球ファウルで、よく見極めてくれました」と絶賛した。  5回にも一塁への激走で適時内野安打を勝ち取るなど1安打2打点。出場6試合連続安打&打点をマーク中の8月は、打率4割4分8厘、3本塁打、9打点と絶好調だ。「それが僕たちの仕事。その中で若い選手が少しでも活躍してくれたら」。ベテランらしく若虎の大暴れも期待していた。

◆意地のマジック点灯阻止だ! 阪神糸井嘉男外野手(37)が適時打2本を含む今季初の4安打、3打点と大奮闘。首位広島戦を前に「勝つしかない」と燃えていた4番が有言実行で逆転勝ちを導いた。3番福留孝介外野手(41)も激走の適時内野安打&決勝の押し出し四球と、おじさんコンビが大活躍。今日15日も引き分け以下で広島の優勝マジックが点灯する状況が続くが、まだまだセ界の灯は消さない。  詰まりながらも、勝利を決定づける打球をセンター前に落とした。夏場の超人が止まらない。糸井が今季初の4安打。左にも右にも、コンパクトにさばいた。  「みんなつないでくれてたんで、なんとかかえしたいなと思って、かえせてよかったです」  福留が押し出し四球を選んで勝ち越した直後の8回2死満塁。4番が中前に力で押し込んでダメ押しの2者をかえした。「前のバッターがめちゃくちゃいいんで、楽に(打席に)入れてます」。主将福留と脅威の3&4番を形成。金本監督も「福留と一緒で暑い時期にやってくれますし。2人が打ってくれると(打線が)機能します。明日からも頼りにしています」と認めるほど相乗効果は抜群だ。  5回に福留が猛ダッシュの適時内野安打を放ち、1点を勝ち越した直後の無死一、三塁。主将の執念が乗り移ったかのように踏み込んで右前適時打を放ち、追加点をたたきだした。「孝介さんが全力疾走でつないでくれたので、いい流れの中で打つ事ができました」。右足腓骨(ひこつ)は完治していない。患部に特注レガーズを装着して出場する37歳が、41歳の先輩の全力疾走に燃えた。  この日の4安打で、8月の月間打率は5割1分6厘まで上昇。蒸し暑い季節がやってきた日本列島でも、超人が冷静にバットコントロールを高めている。さらに広島先発のジョンソンから3安打。これで今季は12打数8安打、打率6割6分7厘と抜群の相性だ。  好調の秘訣(ひけつ)は試合前のフリー打撃にある。打席に入ると、まずは外角球を左へ強く流す。打球の強弱を確認してから、豪快に引っ張ってスタンドインを連発するスタイル。だからこそ試合でも広角に打ち分けられる。金本監督は「広島相手に、広島にいつもやられている勝ち方というか。マジックが点灯したら、現実として受け止めないといけないけど、だから頑張るのは違うと思う」と優勝マジック点灯を阻んだ勝利をそう表した。  昨季は甲子園で赤く染まる胴上げを見た。「勝つしかない」。同じ悔しさは味わいたくない。糸井がお立ち台で叫んだ。「僕らはもう、負けられないんで。絶対勝つという気持ちで、明日からも戦っていきます。応援よろしくお願いします!」。可能性がある限り、諦めない。【真柴健】
 ▼糸井の1試合4安打は今季初で、昨年9月10日DeNA戦以来阪神移籍後2度目。4安打以上は日本ハム時代に3度(うち5安打が1度)、オリックスでは5度あり、プロ通算10度目となった。

◆代打の神様がまたやってくれた! 阪神原口文仁捕手(26)が同点打を放ち、広島の優勝マジック点灯阻止に貢献した。1点を追う8回、藤川の代打で登場。1死一、三塁からフルカウントで迎えた6球目だった。内角に甘く入った落ち球に詰まりながらも左中間手前に落とし、三塁走者の植田が生還。見事、逆転勝利につなげた。  「全員がつないでくれた打席だったので、なんとかかえす、そういう気持ちでいきました。必死のパッチでいきました!」  驚異的な数字が勝負強さを証明する。これで今季の代打成績は34打数17安打で打率5割。さらに、得点圏での代打は14打数10安打、7割1分4厘と抜群の勝負強さを発揮している。「今はこういう立場なので、出た時にチームプラスになれるように結果を残すだけです」。ベンチで出番に備え、準備を怠らない。金本監督は「ここ一番で最高の集中力、しぶとさといいますか。毎回、毎回、いい仕事をしてくれます」と信頼は絶大だ。  フォームを変えないことも好調の秘訣(ひけつ)だ。タイミングを取る際に、前足で踏み込んでから軸足の右足に体重を乗せ、また前足を踏み込んで打球にコンタクトする独特のフォーム。プロ7年目にして1軍に初出場し、ブレークした16年から変えていないという。「自分の体の仕組みからそういう形になった。参考とかはなくて。股関節のはまり具合とかの体の癖を頭に入れて作ってきた感じです」。ブレない姿勢が結果につながっている。  首位広島撃ちで勢いをつけた。チームは4位で、借金3を抱えるが、「ひとつでも上にいく気持ちがチーム全体にあるので、1戦1戦、戦っていきます」とネバーギブアップ。頼もしい新神様が8月反攻を引っ張る。【古財稜明】

◆今日こそ「M」点灯じゃあ~! 首位広島は、阪神に引き分け以上で優勝マジック点灯だったが逆転負けを喫した。  6度目の点灯チャンスもお預け。それでも松山竜平外野手(32)が6回に3年連続2桁本塁打となる10号同点2ラン、8回は野間峻祥外野手(25)が勝ち越しの内野安打など一時は逆転に成功した。2連敗も、首位独走は変わらず。今日15日の阪神戦も引き分け以上でマジックが点灯する。  8回に今村が打たれて悔しい逆転負けを喫したが、打線は粘っこく攻めた。中でもベテラン松山が2安打3打点と、光る活躍だった。3回まで左腕岩貞の前に走者を1人も出せずに迎えた4回。2死走者なしから丸の二塁打と鈴木の四球で一、二塁のチャンス。松山は初球を待っていた。  「積極的にいきました。大振りせずに、コンパクトスイングできた」。内角高め136キロ直球を、詰まりながらも左前にライナーで先制打を運んだ。試合前まで得点圏に走者を置いての打率は3割4厘。そんな勝負強さを生かした。  巧みなバットコントロールに続き、パンチ力も発揮。1-3と逆転された6回1死一塁で、10号同点2ランを右翼席前列にたたきこんだ。今度も初球。真ん中に入ってきたスライダーだった。「甘い球はどんどん振っていこうと思っていた。いい結果になって良かった。点を取られた後だったので、何とかしたいと燃えました」。3年連続2桁本塁打に到達した。  燃える要素があった。「最近、左を相手に試合に出ていない。絶対に結果を出してやろうと思った」。対左投手は試合前の時点で2割4分3厘。相手先発が左の場合はスタメンを外れることもあった。ここまで規定打席に到達して打率3割以上をマークしているが、危機感はたっぷり。選手層の厚さの裏返しでもある。  同点の8回には1死満塁から野間が、投手前に転がる執念の内野安打。「前に飛ばそうと食らいついていった」という一打で勝ち越したが、その裏には失策が引き金となって逆転を許した。今季100戦目での60勝到達はならず、マジック点灯もお預け。それでも緒方監督は「負けは自分の采配が悪い。選手はしっかりとした、いいゲームをしてくれた」と奮闘を評価。カープらしい野球をすれば、頂点がおのずと近づいてくるはずだ。【大池和幸】

◆阪神は1点先制を許した四回の裏に梅野の適時打ですぐに追い付いた。2死一、二塁でジョンソンの3球目、外角のチェンジアップに食らい付き、中前にはじき返し「いい投手が相手で、何とか同点にしたいと思い、打席に入った」と振り返った。  二回2死一、三塁の先制機で左飛に倒れていたが、次の打席で取り返した。プロ入りから広島戦で勝利がない先発の岩貞を打撃で援護し「いい形で追い付くことができた」と話した。

◆広島は3-3の同点で迎えた八回、一死満塁のチャンスを作ると、野間峻祥外野手(25)の内野安打で勝ち越した。  野間が放ったボテボテのゴロは一塁線へ。阪神の藤川が打球を取り損ね、ラッキーな形で1点をリードした。  自力優勝の可能性がある阪神との直接対決に勝てば「32」、引き分けでも「33」のマジックが点灯する。

◆阪神は1点を追う八回、代打・原口文仁捕手(26)の中前適時打で同点に追いつくと、二死満塁から福留孝介外野手(41)が押し出し四球を選び勝ち越し。続く糸井嘉男外野手(37)が中前2点適時打を放ち、突き放した。負ければ自力優勝の可能性が消滅し、広島に優勝へのマジックナンバーが今季初点灯した一戦で意地を見せた。広島はこの回から登板した今村猛投手(27)が誤算だった。  運命の3連戦は引き分けすら許されない。4位だが残り試合や直接対決が多いため、マジック対象チームの阪神。3つ勝たない以上、カープに優勝マジックを初点灯させてしまう。金本阪神3年目。昨季は9月18日(甲子園)に胴上げをみせつけられたが、過去2年、目の前でマジック初点灯を許したことはない。  ここで3連勝し12・5ゲーム差を9・5差にして残り8試合ならば、大逆転Vの可能性は残る。逆に1つ、2つと敗れれば、頂点への道は果てしなく険しくなる。虎が土壇場で踏みとどまった。

◆阪神は1点を追う八回、代打・原口文仁捕手(26)の中前適時打で同点に追いつくと、二死満塁から福留孝介外野手(41)が押し出し四球を選び勝ち越し。続く糸井嘉男外野手(37)が中前2点適時打を放ち、突き放した。負ければ自力優勝の可能性が消滅し、広島に優勝へのマジックナンバーが今季初点灯した一戦で意地を見せた。広島はこの回から登板した今村猛投手(27)が誤算だった。 原口 「勝ってよかった。全員がつないでくれた打席だったので、何とかかえすという気持ちだった」 福留 「緊張した。選んだのか手が出なかったのか、どちらか。逆転で勝てたことは大きい」 糸井 「みんながつないでくれたので何とかかえしたかった。4番目というイメージで打っている。前の打者(福留)がむちゃくちゃいいので楽に入れている。僕らは負けられないので、絶対に勝つという気持ちで戦っていく」

◆阪神は1点を追う八回、代打・原口文仁捕手(26)の中前適時打で同点に追いつくと、二死満塁から福留孝介外野手(41)が押し出し四球を選び勝ち越し。続く糸井嘉男外野手(37)が中前2点適時打を放ち、突き放した。  負ければ自力優勝の可能性が消滅し、広島に優勝へのマジックナンバーが今季初点灯した一戦で意地を見せた。広島はこの回から登板した今村猛投手(27)が誤算だった。阪神の金本監督は「原口はここ一番で毎回、本当にいい仕事をしてくれる」と評価していた。

◆広島は失策が失点に直結し、逆転負けを喫した。4-3と勝ち越した直後の八回、先頭の鳥谷の遊ゴロを田中が捕り損ね、4点を失う流れを招いた。この回から登板した今村は押し出しを含む2四球に、3安打を集められ「長打、連打を警戒しすぎた。詰めが甘かった」と声を落とした。  五回は福留の当たりを処理した一塁手の松山のトスを、ベースカバーに入ったジョンソンが捕球ミス。適時打にしてしまい、傷口を広げてから糸井にも打たれた。7連勝中だったジョンソンを立てたが、優勝へのマジックナンバー点灯は持ち越しに。それでも緒方監督は「選手はしっかりといい戦いをしてくれた。また明日、しっかり戦うだけ」と責めることはなかった。 松山(10号2ランを含む2安打3打点) 「甘いところは初球から振っていこうと思った。いい結果になって良かった」 野間(八回に適時打) 「追い込まれたので、何とか前に飛ばそうと食らい付いていった」

◆  --逆転勝ち  金本監督 「素直にうれしいですね」  --押し出し四球の福留も冷静だった  「3-2になって2球ファウル打ったんですかね。よく見極めてくれましたね」  --糸井は今季初の4安打。夏に入って絶好調  「福留と一緒で暑い時期にやってくれますし、あの2人が打ってくれると本当、機能しますので、明日からもまた、頼りにしています」  --五回の北條の粘りをどうみたか  「2番を打ってて、あれぐらいはやってくれないとね。バントも下手だしね(笑)。満塁の2-0からあんなボール球を振るぐらいの...ねぇ。ま、若さですけどね。足も遅いし。その分、守りを最近頑張ってるんだから、あれぐらいやってもらわないと」

◆虎の執念の雄たけびが、点灯しかけた鯉のマジックを吹き消したったわ!!  3-3の同点から炎のリリーバー藤川がよもやの失点で鯉のマジックがチョロチョロと点火しはじめた八回、鳥谷の相手エラーでの出塁をきっかけに、攻撃的采配の俊介のバスターエンドランあり、代打原口の「神様超えマジック」をあと7本(桧山の23本が球団最多)とする同点打!! さらに満塁から鬼の(虎党からは仏の)福留様が顔で決めた決勝押し出し四球、仕上げは超人糸井の2点打で、マジックをゲリラ豪雨が来たように消してやったのが、クワ~気持ちいいね~!!  大体、カープより本日阪神先発・岩貞の方が??? のマジックなのだ。過去5年間で広島戦に16度先発して1勝もなし(0勝10敗)。そして本日、7回6安打3失点だったのに、17回目もやっぱり白星なし...広島のマジック点灯よりこっちの方が魔法じゃないの?  この勢いで15日も首位広島をたたき、虎はペナントレースを終わらせない!! そして、秋には虎が鯉と入れ替わるミラクルマジックVを達成するのだー!!

◆引き分けでもマジック点灯という瀬戸際...。「いやぁマジックといってもカープはそれほど『やっとこさたどり着いた感』なんて全然ありませんよ」と広島担当柏村翔はいった。  これが"豪語"に聞こえるのは劣勢にある者のヒガミか。どれだけ広島はコツコツと堅実な野球を身につけ、勝ち星を積み重ねてきたことか。なんとなく甲子園の高校野球でキチンとした野球を見るとその延長線上にカープ野球の強さを見る...。柏村はそれをつぶさに見ている。  そういえば柏村は「この対阪神戦が終わるとやっと"夏休み"なんです。しばらく広島は炎天下の連戦続きでしたから、もうヘロヘロでした。えッ、いえ選手じゃなく僕が...です。久しぶりのエアコンの効いたドームでの試合なので張り切っていたのが丸選手。ですから今日は丸さんに要注意ですョ。僕ですか、そりゃあ睡眠不足で...。だからここらで滋賀の実家で一息いれてきますョ」と声を弾ませていた。  とにかくこの酷暑続きには寝不足に苦しんでいる方が多い。  この日の当番デスク大澤謙一郎がシミジミと独り言を言ってるので、どうした? と声をかけたらこんな事情があった。  「新聞は毎日発行するものなので、編集局にまとまったお盆休みはありません。前夜も普段通り夜中まで仕事して、日付けが変わった深夜に仕事の引き継ぎメールを書く毎日ですわ...とかグダグダ言いながら家に帰って寝て、朝起きてスマホをチェックしてびっくりしたんです。みると仕事のメールの返事の発信が午前5時2分ですョ。どこからだと思います? 甲子園球場のスタッフの方からの連絡です」  思わず大澤はそれまでボヤキ倒していた自分が恥ずかしかったそうだ。そうか...この時期は甲子園球場関係の職員さん、電鉄関係、それに阪神園芸の皆さんなど「若人の青春」にたずさわる方々はこんな時間からもう汗だくでフルスロットル状態なのである。  その頃、家族が実家に帰っていて"つかの間に独身"をいいことに冷蔵庫の中身を食べ放題? でバタンキューのヤツがいた。トラ番キャップの阿部祐亮だ。  「実は僕はその時間(早朝5時2分)あたりでハッと目が覚めたんですョ」と言う。おいおい、キャップは別に阪神電鉄には勤務しとらんだろが、なんでや...と言えば阿部曰く「それがヘンな夢をみてしまって...」どんな夢? 聞くと確かに奇妙な夢だ。なんでも阪神が1-0で広島に勝利したんだそうだ。そうか...で誰がその決勝点をたたき出したのか。「それがねえ陽川選手でした。ボテボテのゴロで...」。おいおい陽川選手は今2軍じゃないのか...ホラみろ、現実の京セラは中盤から乱戦気配じゃないか...。  実は阪神が日本一になった1985年のこの8月14日、甲子園では高校野球2回戦のPL学園-東海大山形戦。試合は桑田真澄&清原和博のPLが29-7という史上最多の「29得点」で圧勝している。実はこの時、東海大山形のエース藤原安弘は肘を痛めていて現在のルールなら「甲子園のマウンドには立てない」ほどの状態だった。しかし甲子園で一度は投げたい覚悟の先発...瀧投手は5回打者40人、132球失点20...で涙の降板。試合後の通路で、その藤原に桑田が歩み寄って「肘、大丈夫?」。東海大山形ナインの秘密に気がついていたのだ。ちなみにPLは先発桑田→九回一死から4番手投手は清原和博。4人に2四死球で失点0。アノ試合である。  遠い月日の向こうのドラマ...振り向くと2018年の京セラは胃が痛くなる大接戦から八回、4得点。これもまた胸が熱い...。

◆くぐってきた修羅場の数が違う。球筋を完全に見切って、白木のバットをピタッと止めた。ここが勝負の分水嶺。福留が冷静に押し出し四球を選んで勝ち越しに成功した。  「(打席では)緊張しました! 選んだのか、手が出なかったのか、どっちかです(笑) きょうはこうやって逆転で勝てたってことはすごく大きいと思います」  お立ち台の上から虎党を沸かし、気持ちよさそうに白い歯をみせた。代打原口の同点タイムリーで反撃ムードが最高潮に達した4-4の八回二死満塁。今村の内角高め142キロに球審の手はあがらず、跳ねるように一塁へと足を進めた。  8月の月間打率・448(29打数13安打)の夏男は脚力でも存在感を発揮した。同点の五回無死一、三塁ではボテボテの打球がマウンド横を転々とする間に激走し、一時勝ち越しの一塁適時内野安打とした。続く糸井の右前への安打に一、二塁間ではスピードを緩め、右翼・鈴木の動きをみて一気に加速し、三塁を陥れた。  さらには幻惑走法も。ロサリオの三塁へのゴロに一瞬、本塁突入の動きをみせたが、三塁に戻った。「自重しました。(判断は)難しいですね」。空いている三塁に送球できない西川は、一塁に悪送球を投げてしまった。点には結びつかなかったが"技能賞"ものの走塁技術だった。  マジック点灯を阻止する、価値ある1安打2打点。福留は「うちが先をみても仕方ない。本当に、その日その日で自分たちのできることをやっていく。それだけです」と表情を変えることなくいった。勝利への最善策を主将が背中で示し続ける。 (新里公章)

◆じらすように、手袋のマジックテープを何度も締め直す。落ち着き払った「代打・原口」が、球場の空気も、投手も、ひと振りで支配した。白球は緩やかな弧を描き、中前で弾む。値千金の、代打同点打だ。  「ホントに勝ててよかったです。全員がつないでくれた打席だったので。何とかかえす、そういう気持ちで。必死のパッチでいきました!」  1度は失いかけた試合だった。3-4と逆転を許した直後の八回。一死一、三塁を託された。ファーストストライクはファウル。呼吸を整え、どっしりと構え、フルカウントまで持ち込んで6球目を捉えた。今村が投じた勝負球、134キロを力いっぱい中前へ運んだ。代打打率はまた・500(34打数17安打)だ。驚異の勝負強さで試合を取り戻し、逆転劇をひっぱり込んだ。  金本監督も「ここ一番でね。最高の集中力といいますか、しぶとさといいますか、非常に毎回毎回、いい仕事をしてくれます」と最敬礼だ。もちろん目指すのはスタメン捕手。だが、この勝負の時期に「最高」としか言いようのない、金本監督の勝負手になっている。  「今は、こういう立場なので。何とか出たときにチームのプラスになれるように、結果を残すだけだと思うので」  ベンチで声をからし、投手が降板すれば真っ先に駆け寄りお尻を叩く。出番がないまま敗れる悔しさも何度も味わった。それでも、何でも言い合える人が、どんな日も支えてくれた。「きょうはダメだった~!!」と、車に乗り、発進させる前に愛妻に電話するのが日課だ。他にも、何でも話し合う。ある夜。自宅近くの道端の側溝に、どこの少年が落としたのか、おにぎりが落ちているのを見つけた。「すごい、おむすびころりんだ! 見せてあげなきゃ!!」とすぐに写真を送信。おかしさも、悔しさも、分かち合いたい人が居る。  チャンスも突然、転がってくる。うまく拾える日ばかりではないが、やるしかない。家族のため、チームのため、何とかしたいという、原口のすべてが詰まった「代打打率・500」だ。  「1つでも上にいく気持ちはチーム全体であるので。負けられない戦いが続くので」  1つずつ、弾き返してきた。チームのためになるのなら、神経をさらに研ぎ澄ます。5割でとどまらない頼もしさが、今の原口にはある。 (長友孝輔)
★桧山記録あと6  すでにシーズン試合数の4分の1以上で起用されているため、シーズンが今ここで終わったと仮定した場合、原口の代打打率・500はセ・リーグ新記録となる(1位は大洋・長崎慶一の・469、1974年)。シーズン代打安打では桧山進次郎が持つ球団記録「23」(2008年)まで、あと6に。西山和良(1963年)、切通猛(1977年)、永尾泰憲(1982年)が持つ球団3位の記録「18」まで、あと1に迫った

◆絶対あきらめん!! 引き分けた瞬間、広島に優勝マジックが点灯する3連戦初戦、阪神・糸井嘉男外野手(37)が今季初の4安打、3打点の大暴れで逆転勝ちした。前日「勝つしかないよ」と話した通り、有言実行の乱れ打ちで首位に11・5差で2位に0・5差接近。超人の夏はこれから本番だ!!  熱い六甲おろしの大合唱が、ドームの屋根にこだました。その中で"主役"は静かに、悠然とグータッチ。3連勝しか許されない首位・広島との初戦で、ドラマチックな逆転勝利。中心に立ち、執念を体現したのが糸井だ。トドメの2点打で鯉をノックアウト。大好きな京セラでのお立ち台。黄色に染まった景色は、最高だ。  「みんながつないでくれて、なんとか(走者を)かえしたいと思っていました。かえせてよかったです!!」  1試合引き分けても広島に優勝マジック点灯を許す3連戦。大事な初戦はシーソーゲームだった。1点を追う八回一死一、三塁に代打・原口に中前適時打が飛び出し4-4の同点に。その後、二死満塁となり福留の押し出し四球で再逆転した。虎に流れが傾いたところで、糸井の出番だ。初球に狙いを定める。今村の130キロスライダーを力強く振り抜くと、打球は中前に弾んだ。リードを3点に広げる貴重なタイムリーでケリをつけた。  得意のジョンソンから二回、四回に先頭打者として安打を放つと、五回無死一、三塁では右前適時打。今季初の4安打に加え、3打点。前日「相手がどこでも負けられないから、勝つしかないよ」と話した通りの暴れっぷりだ。8月打率は・516(31打数16安打)。右腓骨骨折の影響を感じさせない活躍で、チームを引っ張っている。  金本監督も「広島相手に、いつも広島にやられている勝ち方というかね。負け方というか」と逆転勝ちに手をたたいた。糸井の貴重な一打にも「この点差ですから。すべての1点が重いし、大きかった」と感服だ。  11日のDeNA戦(横浜)に"相棒"が観戦にきてくれた。昨オフに自主トレをともに行ったトレーナー、石井良亮氏だ。右腓骨骨折してからも大阪のジムで何度も一緒にトレーニングを重ねていた2人。早期復帰を目指す超人は、心からの本音を漏らしていた。  「早くチームに戻って、貢献したい」  糸井が先発落ちした試合は2勝9敗。チームを離れることが、何より悔しかった。休んでいる間も筋力を落とさないために、欠かさず上半身をトレーニング。足を骨折しながらも糸井は「いけるいける」と超人ぶりを発揮していたという。  石井氏は「オフよりも体重が落ちているのに、筋肉量は上がっている。理想的な体。食事の効果も出て、体力面は問題ないと思います」と太鼓判を押した。7月31日に37歳になったが、超人伝説はまだまだこんなものじゃない。  「僕らはもう負けられないので! 絶対勝つという気持ちでやっていきます!」  お立ち台で高らかに宣言した。11・5差で追う鯉の尻尾も、最強の超人がいれば必ずつかめる。 (竹村岳)

◆負ければマジック点灯の状況で、素晴らしい試合を見せてもらった。八回の原口の同点打、五回の北條の粘りに粘った末の好機を拡大した左前打。執念を感じた。  その昔、ライバルにマジックが点灯すると、相手は若手中心に切り替えて、一気に優勝に加速することが多かった。だからこそ、私を含めてタイガースのナインは必死で阻止しようと戦った。そんな姿を思い出させてくれる試合だった。  ただ、あえて苦言も呈したい。先発した岩貞。立ち上がりはリラックスした、軸がブレない文句なしの投球だった。だが、走者を許すと急にリズムが狂った。  そして六回。味方が2点勝ち越した直後で、何が何でも抑えなければいけないのに、先頭打者・丸に初球が甘く入って中前打。一死後、松山に初球が甘くなって同点2ラン。梅野のミットは外角に構えていた。岩貞に長打はいけない、という思いがあれば低めに投げるだろうし、引っかかってワンバウンドになったはず。それが高く浮いてしまうとは。  これを見たベンチも、ナインも、おそらく「何をしてるんや」と感じたことだろう。今の時代、7回3失点は合格ピッチと判断されるが、この試合に限っては、岩貞がリードを守って勝たなければいけない試合だった。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
593920.602
(↓0.006)
0
(-)
43514
(+4)
440
(+7)
130
(+1)
57
(-)
0.266
(-)
4.01
(↑0.01)
2
(↑1)
ヤクルト
485010.49
(↑0.005)
11
(↑1)
44454
(+6)
478
(+5)
96
(+1)
54
(-)
0.267
(↑0.001)
4.38
(-)
3
(↓1)
巨人
515420.486
(↓0.004)
11.5
(-)
36474
(+5)
434
(+6)
105
(-)
49
(-)
0.259
(-)
3.88
(↓0.02)
4
(-)
阪神
464910.484
(↑0.005)
11.5
(↑1)
47385
(+7)
426
(+4)
60
(-)
48
(+2)
0.248
(↑0.001)
4
(-)
5
(-)
DeNA
455420.455
(↑0.006)
14.5
(↑1)
42400
(+6)
465
(+5)
119
(+2)
59
(-)
0.25
(↑0.001)
4.26
(↓0.01)
6
(-)
中日
455910.433
(↓0.004)
17
(-)
38427
(+5)
475
(+6)
66
(+1)
50
(+1)
0.261
(-)
4.35
(↓0.01)