DeNA(★2対4☆)広島 =リーグ戦14回戦・横浜スタジアム=
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広島
22000 0000 4100
DeNA
01000 0001 270
勝利投手:大瀬良 大地(12勝5敗0S)
(セーブ:中﨑 翔太(0勝0敗25S))
敗戦投手:京山 将弥(5勝3敗0S)
  DAZN
◆広島は初回、丸の2ランで幸先良く先制する。続く2回表には、菊池と田中の適時打で2点を追加した。投げては、先発・大瀬良が8回1失点の快投でリーグ単独トップとなる今季12勝目。敗れたDeNAは、先発・京山が試合をつくれず、打線もつながりを欠いた。

◆広島が快勝し、連敗を2で止めた。前回白星を献上したDeNA京山に対し、打線は1回から丸の2ランで先制。  2回は菊池と田中の適時打で2点を追加した。先発大瀬良は8回1失点で、リーグ単独トップとなる12勝目。就任4年目で通算300勝目に到達した緒方孝市監督(49)の談話は以下の通り。  -大瀬良が好投  緒方監督 今日は素晴らしかったね。真っすぐ、スライダー、カーブ、フォークとね。投球内容が(長い)イニングにつながった。  -打線は序盤に得点  緒方監督 前回苦戦した相手に対して、打ち損じることなく、ひと振りで仕留めてくれた。  -打順を入れ替え、菊池を8番にした  緒方監督 自由に振れるんじゃないか。チャンスでは回ってくるけど、制限なくスイングができる。  -監督300勝  緒方監督 選手の頑張り。それを支えるコーチ、裏方さん、スタッフ。何よりカープファンの後押しがあって、積み上げられた数字。

◆DeNAが4月6日以来4カ月ぶりに最下位へ転落した。広島に敗れ、阪神が勝ったため順位が入れ替わった。  後半戦での最下位は15年以来3年ぶり。アレックス・ラミレス監督が就任してからは初めての屈辱となった。前夜のサヨナラ勝ちの勢いはなく、7安打は単発に終わり2得点。2回までの4失点を追い上げる力はなかった。  同監督は「1、2回の4失点が響いた。リリーフ陣は頑張ってくれたが、打線が援護できなかった。起こりうることだが、そうなってしまった」と、敗戦を振り返った。

◆タナキクマル解体。広島が打線を組み替えた。打撃不振が続く菊池涼介内野手(28)を8番に下げ、打撃状態が上向きの安部友裕内野手(29)を2番で起用した。  菊池は1試合スタメンを外れたのみで、開幕から2番での先発出場を続けていた。だが、打率は2割3分6厘と低迷。前日3日も2度、好機で凡退するなど4打席無安打で8回の打席で代打が送られた。チームの顔ともいえる1番からの田中、菊池、丸の「タナキクマル」の並びが変更となった。広島のスタメンは以下の通り。

◆広島の丸佳浩外野手(29)が2戦連発となる24号先制2ランを放った。  1死一塁で低め直球を右翼席へ。「コンパクトにスイング出来ました。良い風が吹いてましたね」と振り返った。

◆広島菊池涼介内野手(28)が2回にチーム3点目をもたらした。  無死二塁の好機で粘って9球目を左前適時打。打撃不振から今季のスタメン出場では初めて2番を外れ、8番で起用された。「打ったのはカットボールかな。とにかく必死にいきました」と3試合ぶり安打を振り返った。

◆広島の主軸が、緒方監督へ記念の勝利を届けた。勝利への号砲を鳴らしたのは不動の3番丸だ。1回1死一塁で追い込まれながら、DeNA京山の直球を強振した。「僕がイメージしていたよりも飛んでくれたのでビックリした」。風にも乗った打球は、右翼席中段への先制24号2ランだ。  早くも自身のシーズン最多本塁打を更新した。「より自分のポイントで打てるようになった。自分のポイントまで呼び込む確率も増えてきていると思います」。昨季MVP受賞の打棒はさらに磨きがかかっている。  この日、丸の前を打つ2番は菊池ではなく、安部だった。試合前まで打率2割3分6厘と不振が続いたもう1人の主軸は、672日ぶりに2番以外でのスタメン。それでも「何番でもやることは変わらないので」と2回に適時打。さらに田中の中前飛球に判断良くスタートを切り、二塁から一気に本塁を奪う好走塁で4点目をもぎ取った。  緒方監督は史上7位、球団最速で通算300勝を達成した。「選手の頑張り。それを支えたコーチ、裏方、スタッフ。何よりカープファンの後押しがあって積み上げられた数字」。指揮官とともに成長を続けるチームの柱が、記念星をプレゼントした。【前原淳】

◆広島大瀬良大地投手(27)がリーグ単独トップとなる12勝目を挙げた。8回1失点の力投で、DeNA戦2年ぶり白星。自己最多タイとなる1シーズン3完投は次回以降に持ち越しとなったが、1週間前に敗れた京山との投げ合いを制してリベンジに成功した。チームの連敗を2で止め、緒方孝市監督(49)に通算300勝目をプレゼントした。  もはやエースの貫禄すら漂う力投だった。大瀬良が12勝目を挙げ、リーグトップで並んでいた中日ガルシアを突き放した。自己最多10勝は既に更新。再び白星を重ね、笑顔が輝いた。  「勝てるのはいいこと。何とか勝ちをまた増やし続けていければいい。11勝からは初の体験だし、新鮮な気持ちですね」  1週間前に投げ合った京山との再戦。だがそんな意識よりも、試合前から自分と闘っていた。「ブルペンからストライクが入らず、感覚も悪くて大丈夫かなと思った。結局、真っすぐを戻すことはできなかった。見せ球にしながら、いろんな球種を使っていこうと思った」。好調でなくても、きっちりと結果を出せるのが今季の大瀬良だ。 不安だった初回を3人で片付けた。2回は1死から宮崎にソロ本塁打を被弾も、連打は許さない。初めて先頭を出した8回も併殺でピンチの芽をつみ取った。「とにかくストライク先攻で、点を取ってもらったので、行けるところまで行こうと。それが良かった」。打者28人と対戦して3ボールになったのは2度だけだった。 DeNA戦勝利は中継ぎで手にした16年以来。同カードの先発登板では、プロ初完封を達成した14年9月6日以降5連敗中だった。今季もセの5球団の中で、1チームだけ勝てていなかった。苦手をつくらないのは勝負の鉄則。勝ったことで、また次に進める。 9回は抑えの中崎に託したが、8回1失点は堂々の内容。前夜に5人を注ぎ込んだ救援陣を休ませることができた。早い降板が目立つ先発陣の中で奮闘が光っている。緒方監督も「素晴らしい投球。内容がこの(長い)イニングにつながった」と絶賛した。その指揮官に300勝目をプレゼントする形になった右腕は、「何とか僕で勝てて良かった」と笑った。最短の優勝マジック点灯は、7日だ。【大池和幸】

◆打順を入れ替えた広島東出打撃コーチは、今後の入れ替えも示唆した。  「キク(菊池)はレギュラー。野間が帰ってきたら、安部と西川、松山、バティ(スタ)、メヒアの6人で3つの席を争ってもらう。後半は守備力が大事になるので、同じ(打撃の調子)だったら守備がいい選手を使う」。優勝へ向けた戦いとともに、チーム内の激しいレギュラー競争からも目が離せない。

◆DeNAは京山、広島は大瀬良が先発した。広島は一回、一死一塁から丸が右越え24号2ランを放ち先制した。二回は西川が左中間への二塁打で出塁し、菊池の左前適時打で1点。続く大瀬良の犠打で一死二塁とすると、田中が中前適時打を放ち4-0とした。  DeNAは二回、宮崎が中越えの18号ソロを放ち、1点を返した。

◆広島は打線の組み替えが奏功した。不振の菊池をプロ7年目で初めて8番で先発に起用。田中、菊池、丸の自慢の「タナキクマル」の上位を崩して臨んだ打線で二回までに4点を奪った。緒方監督は「打ち損じることなくしっかり一振りで仕留めてくれたのが大きかった」とたたえた。  この白星で、監督就任4年目で通算300勝に到達。「選手の頑張り。コーチ、裏方、何よりカープファンの後押しがあって積み上げられた数字」と周囲への感謝の言葉を口にした。

◆広島の丸が今季92試合目で24号を放ち、昨季マークした自己最多の本塁打数を更新した。一回1死一塁で、4球目の低めの速球を捉えて、右翼席へ先制2ランを放ち「僕がイメージしていたよりも飛んでくれたのでびっくりした」と目を丸くした。  6月と7月はともに本塁打を8本ずつ記録。前日3日のソロに続く一発で、8月に入っても3本目と量産態勢を維持。「より自分のポイントで打てるようになった。自分のポイントまで呼び込む確率も増えてきている」と手応えを深めている様子だった。

◆広島は一回に丸の24号2ランで先行し、二回に菊池と田中の適時打で2点を加えた。大瀬良は8回を本塁打の1失点でリーグ単独トップの12勝目。九回は中崎がしのぎ25セーブ目を挙げた。DeNAは京山が序盤に4失点し最下位転落。

◆DeNAは相性の良かった大瀬良に抑え込まれて50敗目を喫し、4月6日以来となる最下位に転落した。前日3日にサヨナラ勝ちした勢いに乗りたいところだったが、先発の京山が二回までに4点を失った。ラミレス監督は「序盤での0-4は相手が大瀬良じゃなくても非常にタフなスコアだ」と嘆いた。  先発投手が7試合連続で二回までに先制を許している。青山ヘッドコーチは「(序盤の失点を)意識し過ぎて腕が振れていない」と分析。ブルペンでの調整法の見直しなど対策を進めている。 宮崎(2試合連続となる18号ソロ) 「打球が低かったので、正直入るとは思わなかった。後ろにつなぐ気持ちだった」 京山(5回4失点で3敗目) 「毎回先頭打者を出してしまい、自分のリズムをつくれなかった」

◆大瀬良を打てず、先発の京山も序盤の4失点で劣勢を作った。ラミレス監督は「序盤でいきなり0-4となると、相手が大瀬良でなくてもタフだ」と厳しい表情。毎回、先頭の出塁を許した京山については「広島というチームは先頭が出ると、そこにつけ込んでものにする。4失点で済んだことが驚きだ」とため息をついた。ヤクルトに勝った阪神に抜かれて最下位に転落した。

◆大瀬良はキレのあるフォークを武器に8三振を奪うなど、5安打1失点でハーラー単独トップの12勝目。防御率も2・43でリーグトップに躍り出て、「ストライク先行でいきました。こういう形で勝てて良かった」と笑顔をみせた。先発でのDeNA戦白星は、2014年の9月6日の横浜以来、1428日ぶり。苦手イメージを払拭し、3連覇、そして自身初のタイトル(新人王を除く)目指して突っ走る。

◆丸が一回一死一塁で京山の144キロ直球を振り抜き、右翼へ先制の24号2ラン。昨年の23発を上回り、自己最多を更新した3番打者は「コンパクトにスイングしました。いい風が吹いていました」と"ハマカゼ"に感謝した。4月28日の阪神戦(マツダ)の守備の際に右太もも裏を負傷し、約1カ月の離脱があったが、驚異的なペースでアーチを量産している。

◆いつものように、ベンチ前でナインと勝利のタッチを交わした。就任4年目の広島・緒方監督が球団史上6人目、同最速で通算300勝に到達。49歳の指揮官は余韻にひたることなく、静かに感謝の言葉を口にした。  「選手の頑張り、それを支えるコーチ、カープファンの後押しがあって積み重ねた数字です」  1950年代に指揮した白石勝巳、70年代後半から80年代にかけて黄金期を築いた古葉竹識-。"ミスター赤ヘル"山本浩二も、恩師・三村敏之も、現役時代に共に戦った野村謙二郎も抜く速さで節目の勝利を重ねた。  野手総合コーチから監督に昇格した2015年。「レギュラーだと言って、あぐらをかいている選手は必要ない」と厳しい姿勢を打ち出し、チーム内競争をあおった。1年目こそ4位に低迷したが、2年目の16年に25年ぶりの優勝。遊撃・田中、二塁・菊池、中堅・丸のセンターラインを中心に、若い鈴木らを加えた生え抜きの選手を鍛え上げ、常勝軍団を作り上げた。  前夜に延長サヨナラ負けを喫し、2連敗で迎えたこの日も緒方カラーを存分に発揮した。試合前時点で打率・236と不振だった菊池を、不動の2番からプロ7年目で初の8番へ降格。好調の安部を2番に抜てきした。チームの顔だった「タナ(田中)キク(菊池)マル(丸)」の1~3番を躊躇なく解体し、荒療治を施した。  危機感をあおられた菊池は2-0の二回無死二塁で京山のカットボールをとらえて左前適時打。大瀬良の犠打で二進し、田中の中前へのポテンヒットで、一気に本塁に生還。「自分は何番でもやることは変わらない」と反発力をみせた。  指揮官は菊池の8番について「自由に振れるから」と涼しい顔だ。絶対的な練習量に、安穏とできないチーム内の競争。だから、カープは強い。次は球団史上最速となる最短7日の優勝マジック点灯、そして、球団史上初の3連覇だ。 (柏村翔)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
543710.593
(↑0.004)
0
(-)
51473
(+4)
406
(+2)
118
(+1)
54
(-)
0.263
(-)
4.06
(↑0.02)
2
(↑1)
巨人
485010.49
(↑0.005)
9.5
(-)
44445
(+6)
402
(+4)
96
(+2)
47
(-)
0.261
(-)
3.88
(↑0.01)
3
(↓1)
ヤクルト
444710.484
(↓0.005)
10
(↓1)
51424
(+9)
452
(+10)
90
(+2)
54
(-)
0.266
(↑0.001)
4.42
(↓0.05)
4
(↑2)
阪神
404710.46
(↑0.007)
12
(-)
55348
(+10)
396
(+9)
53
(+1)
46
(+1)
0.246
(↑0.001)
4.04
(↓0.05)
5
(↓1)
中日
445210.458
(↓0.005)
12.5
(↓1)
46402
(+4)
440
(+6)
64
(-)
48
(+1)
0.262
(↑0.001)
4.39
(↓0.02)
6
(↓1)
DeNA
425020.457
(↓0.005)
12.5
(↓1)
49366
(+2)
426
(+4)
111
(+1)
56
(-)
0.247
(-)
4.17
(↑0.01)