阪神(☆3対1★)DeNA =リーグ戦9回戦(2020.08.02)・阪神甲子園球場=
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DeNA
1000000001611
阪神
00000201X3700
勝利投手:馬場 皐輔(1勝0敗0S)
(セーブ:スアレス(0勝0敗6S))
敗戦投手:平良 拳太郎(2勝2敗0S)

本塁打
【DeNA】梶谷 隆幸(9号・1回表ソロ)

  DAZN
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◆阪神は1点ビハインドで迎えた6回裏、大山が2点適時打を放ち、逆転に成功する。投げては、2番手・馬場が1回無失点。その後は3投手の継投でリードを守り、馬場はプロ初勝利をマークした。敗れたDeNAは、先発・平良が力投を見せるも、打線が援護できなかった。

◆DeNAタイラー・オースティン内野手(28)が、首の張りのため2試合連続でベンチ入りメンバーから外れ、横浜へ戻った。 7月31日の同カードの6回2死、右翼の守備でフェンスに激突。その後もプレーを続けたが、試合後に首に違和感と腫れを訴えた。1日も腫れが引かずベンチを外れていた。 試合前にオンライン取材に応じたラミレス監督は「まだ首の張りが残っている。今日もあがりにして、プレーできないので横浜に帰して治療に専念してもらおうと思っている」と説明した。登録抹消の可能性を問われると「そこまで悪くない。火曜日(4日中日戦)にプレーできればいいというレベルかな」と話した。 走攻守で全力プレーを続ける新助っ人は、これまでも右肘上部の張りや、左太ももの張り、右手人さし指痛などでたびたび欠場している。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が岩貞祐太投手(28)、DeNAが平良拳太郎投手(25)。両投手は7月12日にも甲子園で投げ合い、岩貞が8回無失点、平良が6回1失点の投手戦も岩貞に軍配が上がった。今季2度目の対決となる。 阪神は岩貞が先発した今季6試合は5勝1敗、勝率8割3分4厘。先発投手別で最高の数字を残しており、6月27日DeNA戦から5連勝と好成績だ。岩貞自身も今季、甲子園で12イニングを投げて防御率1・50と抜群の安定感。結果を残す本拠地マウンドで好投なるか。 DeNAは新助っ人オースティンが首の張りで2試合連続ベンチ入りメンバーから外れた。7月31日の同カードで、守備の際に右翼フェンスに激突し、試合後に首に違和感と腫れを訴えていた。

◆前日1日の悪夢が続いているかのように、阪神の先発岩貞祐太投手(28)が、先頭打者に初球本塁打を浴びた。 午後6時1分の試合開始直後、DeNAの1番梶谷に投じた142キロ直球が、左中間スタンドに吸い込まれた。あっという間に先制を許した。 前日1日にもDeNA打線に計5本塁打を被弾。甲子園で5本塁打以上を浴びたのは、10年8月1日中日戦で6本塁打を浴びて以来、10年ぶりのことだった。この日も早速パワーを見せつけられる形となった。

◆DeNA梶谷隆幸外野手(31)が、今季9号となる先頭打者本塁打を放った。 1回無死、阪神岩貞の初球、真ん中低め142キロ直球を完璧にはじき返した。グングン伸びた打球はセンターやや左へ着弾。2試合連続となる1発に「いい感じで捉えることができました。風にも乗ってくれて良かったです。平良のため先制することできうれしいです」と笑顔で話した。

◆阪神の先発岩貞祐太投手(28)が、5回5安打1失点で降板した。 午後6時1分の試合開始直後、DeNAの1番梶谷に初球の142キロ直球をとらえられ、先制の左中間本塁打を浴びた。続く宮崎に四球を出すも、ソトを遊ゴロ併殺打に打ち取り、4番佐野も遊ゴロに仕留めて最少失点。その後は粘りの投球を続け、走者を出しながらも失点は許さなかった。 1点を追う5回裏2死一、三塁の場面で、代打福留を送られ降板。絶好の得点機だったが、福留が三邪飛に倒れ、岩貞は3勝目の権利を得られなかった。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が4番の働きだ。 1点を追う6回1死二、三塁。平良の外角スライダーにバットを合わせ、右前にポトリと落とした。渋い一撃で逆転の2点タイムリーを放った。「チャンスの場面でしたし打つだけでした。それだけです」。チーム最多の22打点に積み上げ、勝負強さを見せつけた。難攻不落の平良を攻略し、試合の主導権を引き寄せた。

◆DeNAは初回、先頭梶谷の初球本塁打で先制。阪神は3回に2死三塁の好機も、DeNA平良の好投を前に得点できなかった。 阪神は6回1死二、三塁、4番大山が右前2点適時打を放ち逆転に成功。DeNAは好機にあと1本が出ず、得点を奪えない。 阪神が逃げ切り、勝率を5割に戻した。馬場がプロ初勝利。DeNAは勝率5割に逆戻り。オースティンの不在が響いた。

◆DeNAは好投の平良を援護できずに逆転負けを喫し、引き分けを挟んだ連勝は3で止まった。今季初めて2番で起用された宮崎が1安打2四球と機能し、3回から6回までいずれも得点圏に走者を進めながら、あと1本が出なかった。 ラミレス監督は「平良はすごくいい投球をした。打線も勝たせようとベストを尽くしたが、打つときもあれば打たないときもある」と話した。平良の登板した日曜日は4連敗となった。

◆阪神糸井嘉男外野手が15打席ぶりの快音で大山の逆転打をお膳立てした。 0-1の6回無死一塁の第3打席で、甘く入った平良のスライダーを鋭い打球で右前へ。無死一、三塁と好機を広げた。一時は打率2割4分まで低迷したが、矢野監督は「嘉男(糸井)もずっと苦しんで、もがきながらやっている中で1本出て。これで上がっていってくれたら」と期待を寄せた。

◆"馬場劇場""の後に、うれしい展開が待っていた。17年阪神ドラフト1位の馬場皐輔投手(25)がプロ3年目で初勝利を挙げた。 1点を追う6回にマウンドへ。先頭のロペスを二飛に打ち取るも、倉本、大和に連続四球。平良の犠打の後、再び戸柱に四球を出し2死満塁のピンチを招いた。「フォアボール3つ出してしまったんですけど、今日ストライク入らないなっていう気持ちは全くなかった。全部厳しいところに投げていったのを、最後まで続けていきました」。迎えた1番梶谷の内角に145キロ直球をずばっと投げ込むと、力ない三邪飛が大山のグラブへ。直後に大山の2点適時打で逆転し、白星が舞い込んできた。 プロ初のお立ち台。「え~まあ...、ようやく初勝利できてよかったです」と初々しさ全開。ウイニングボールの行方を聞かれると、さらにはにかんだ。「えっと、今、僕は新婚なので、奥さんに渡したいと思います」。幸せ全開のインタビューに、甲子園全体が温かい拍手に包まれた。 今年1月に結婚を発表。愛妻はおいしい料理でサポートしてくれる。大好物はおいしいネギ塩豚丼だ。「しっかり作ってもらってるんで、その分僕も頑張らないとってやっぱり思うんで、それが投球につながってるのかなと思います」。さらに自宅では、妻が持つミットを目がけて投球練習も。学生時代やり投げの選手だった愛妻は、夫の多彩な変化球も受けられるようになったという。2人で歩いた就寝前の散歩では「活躍するぞ」と誓い、日々の支えに感謝の1勝となった。 プロ3年目の今季は中継ぎで開花。2軍監督時代も見守ってきた矢野監督は「自作自演のところはありましたけど。この1つの勝利が自信になってどんどん大きなピッチャーになっていってくれたらと思います」。7月21日の広島戦でピンチをしのいだ後に見せた豪快な「馬場ガッツ」が話題を集めた。「これからもしっかり抑えて、馬場ガッツできるように頑張っていきたいと思います」。お立ち台できっぱり宣言。矢野ガッツに負けじと、気迫の馬場ガッツでチームを盛り上げる。【磯綾乃】 ◆馬場皐輔◆ ばば・こうすけ。1995年(平7)5月18日生まれ、宮城県出身。仙台育英-仙台大を経て17年ドラフト1位で阪神入り。180センチ、94キロ。右投げ右打ち。今季年俸は1400万円(推定) ▽阪神岩貞(梶谷に初回初球先頭弾を浴びるも、5回5安打1失点) 先制点を取られてしまったことは反省点ですが、その後は何とか粘ることができたと思います。

◆阪神が接戦で逆転勝ちを収め、3連敗で止めた。 1点を追う6回1死二、三塁で4番大山が右前に逆転の2点適時打。 その直前に救援登板で1イニングを抑えた馬場にプロ3年目の初勝利が転がり込んできた。継投策が奏功し、守護神スアレスは今季6セーブ目を挙げた。

◆阪神矢野燿大監督が攻めの采配で流れを引き寄せた。 5回1失点の先発岩貞スイッチを決断すると、6回から惜しげもなく中継ぎを投入。 6回攻撃では糸井が右前打で無死一、三塁の好機をつくると、代走島田をコール。プロ初盗塁を決めた島田が決勝のホームを踏んだ。矢野監督は「今日1日、全員で野球できて勝ったというのは大きいと思う」と笑顔で振り返った。

◆阪神江越大賀外野手が気迫の本塁ヘッドスライディング生還で勝利を決定づけた。 1点リードの8回、左前打で出塁したサンズの代走で出場すると、大山の死球で二進、ボーアの中飛で三進。続く梅野は遊撃へのゴロになったが「前に(打球が)飛んだので走りました」と、全身を投げ出して3点目をもぎ取った。リードを2点に広げた好走塁。矢野監督は「大賀(江越)しかセーフになれないような、スタートとスピードとスライディング」と絶賛した。

◆阪神が接戦で逆転勝ちを収め、3連敗で止めた。1点を追う6回1死二、三塁で4番大山悠輔内野手(25)が右前に逆転の2点適時打を放った。 救援登板で1イニングを抑えた馬場皐輔投手(25)にプロ3年目の初勝利が転がり込んできた。矢野燿大監督(51)の主な一問一答は以下の通り。 -4番大山のバットで逆転 矢野監督 ラッキーなヒットでしたけど。どんな形であれね、欲しかった点なのでうれしかったです。 -8回の追加点は江越の足が効いた 矢野監督 大賀らしいね。大賀しかセーフになれないような、スタートとスピードとスライディング。すべて大賀らしい。まぁ打ったのは大山ですけど、MVPというか、それは島田の盗塁かなと思ってます。 -岩貞は5回1失点 矢野監督 ランナー出しながらも粘って投げてくれましたし。MVPと言いましたけど、ピッチャー陣が出たピッチャー粘ってくれたっていうのはもちろん前提としてあるので。きょう1日全員で野球できて勝ったというのは大きいと思います。 -馬場はなんとかしのいでプロ初勝利 矢野監督 自作自演のところはありましたけど、馬場も3年目ですか、ドラフト1位で入ってなかなか1軍でっていうのができない中で僕も2軍監督で見てきましたし、この1つの勝利が自信になってどんどん大きなピッチャーになっていってくれたらと思います。 -連敗を止め、明後日から9連戦 矢野監督 明日ゆっくり休んで、火曜からジャイアンツですし、しっかりジャイアンツたたいて9連戦で大きく勝ち越せるようにがんばっていきます。

◆17年阪神ドラフト1位の馬場皐輔投手(25)がプロ3年目で初勝利を挙げた。馬場のあとを受けた3人の0封リレーも決まった。まずは7回から3番手で登板したジョー・ガンケル投手が2番宮崎、3番ソト、4番佐野の上位打線を手玉に取り、ゴロアウト3つで3者凡退。中継ぎ転向後、4試合連続無失点の快投だ。「良い打順だったから、何としても抑える気持ちを持って、打者に向かって投げることができたよ」。笑顔の2ホールド目。 矢野燿大監督も「いつも表には気持ちが出ないけど、すごく向かっていく気持ちとか、日本で頑張りたいという思いが強いピッチャー」とたたえた。 8回から4番手の藤川球児投手も5番ロペスから146キロの真っすぐで空振り三振を奪うなど無失点。最後はロベルト・スアレス投手が難なく3人斬りで6セーブ目を挙げ、逆転勝ちを締めた。 ▽阪神スアレス(9回を3者凡退で6セーブ目) 大事な場面で、コントロール良く四球を与えずに3人で抑えることができて良かったよ。これを続けていけるように頑張りたいね。

◆これが4番! 阪神大山悠輔内野手(25)が逆転の2点タイムリーを放ち、1分けを挟む連敗を3で止めた。DeNA平良の前に0行進で、今夜もかと嫌なムードが漂った矢先。本塁打&打点のチーム2冠が、6回1死二、三塁でしぶとく右前に落とす勝負強さを発揮し、虎党を歓喜に導いた。チームを借金から5割に押し戻し、4日からは5差で追う首位巨人3連戦。「勝つだけ」と必勝宣言した4番が一気の3連倒を目指す。連敗を止めたのは、4番の泥臭い一打だった。「ウル虎の夏」初勝利を待ちわびたファンの思いが、大山の打球を後押しした。1点を追う6回1死二、三塁。先発平良の外角128キロスライダーに食らいついた。「どんな形でもランナーを返すことだけを考えていました」。当たりは良くなかったが、フラフラと上がった白球は右前で弾んだ。ウル虎限定のレプリカユニホームをまとったスタンドが、その瞬間を待っていた。 2度目の対戦となった好調右腕を返り討ちにした。平良は試合前まで防御率1・88でリーグ2位、開幕から6戦連続クオリティー・スタート(6回以上かつ3自責点以内)と、抜群の安定感を見せていた。前回対戦の7月12日(甲子園)では、投手戦の中で大山が平良から先制V打。この日は前試合の再現とばかりに、逆転V打で試合を決めた。 引き分けを挟んでの連敗を3で止めた。白星がなかった4試合、大山は16打数3安打。打線の軸となる4番の成績は、チームの勝敗に直結する。「自分が打てば勝ちにつながるし、打てなかったら負ける。そういう立場にいることは分かっている。大事な場面で打てて良かったと思います」。昨季は4番スタメンを108試合張った。重責と戦いながら、主軸としての強い自覚がある。 矢野監督は殊勲打を評価した上で、さらなる高いレベルを求めた。「もちろんどんな形でも点になればいい。でも、もっと大きな打者に育ってもらいたい。ヨシッ! という部分と、もっと! という部分を悠輔自身も持っていると思う」。言葉は熱を帯び「これからもランナーがいるところで、相手が絶対打たせないと投げてくるボールをどう打ち返すかが4番だと思う。そういうバッティングを期待しています」と力を込めた。 チームは抱えた借金を1日で返済して勝率を5割に戻し、4日からは勝負どころの9連戦に挑む。最初のカードは首位を走る巨人を甲子園で迎え撃つ。お立ち台に上がった背番号3はきっぱり言った。「もう勝つだけだと思うので、チーム一丸となって頑張っていきたいと思います」。現在5ゲーム差。4番の有言実行で3連倒、一気に2差まで詰めにいく。【奥田隼人】

◆17年阪神ドラフト1位の馬場皐輔投手(25)がプロ3年目で初勝利を挙げた。 1点を追う6回にマウンドへ。先頭のロペスを二飛に打ち取るも、倉本、大和に連続四球。平良の犠打の後、再び戸柱に四球を出し2死満塁のピンチを招いた。「フォアボール3つ出してしまったんですけど、今日ストライク入らないなっていう気持ちは全くなかった。全部厳しいところに投げていったのを、最後まで続けていきました」。迎えた1番梶谷の内角に145キロ直球をずばっと投げ込むと、力ない三邪飛が大山のグラブへ。直後に大山の2点適時打で逆転し、白星が舞い込んできた。馬場の仙台大時代の恩師、森本吉謙監督 ガッツポーズが話題になっていましたが、「変わらないな、あのままだな」とスタッフたちと話していました。中学生がプロ野球選手になったような、純粋で天真らんまんな子。大学時代も気持ちを前面に出していました。逆に集中しすぎると結果が出なかったので、目つきが変わったら、すぐにマウンドに行っていたこともあります(笑い)。年末年始にあいさつに来てくれた時に、相変わらずニコニコして楽しそうな感じだったので、安心しました。初勝利はうれしいですし、陰ながら楽しみにしています。

◆17年阪神ドラフト1位の馬場皐輔投手(25)がプロ3年目で初勝利を挙げた。 1点を追う6回にマウンドへ。先頭のロペスを二飛に打ち取るも、倉本、大和に連続四球。平良の犠打の後、再び戸柱に四球を出し2死満塁のピンチを招いた。「フォアボール3つ出してしまったんですけど、今日ストライク入らないなっていう気持ちは全くなかった。全部厳しいところに投げていったのを、最後まで続けていきました」。迎えた1番梶谷の内角に145キロ直球をずばっと投げ込むと、力ない三邪飛が大山のグラブへ。直後に大山の2点適時打で逆転し、白星が舞い込んできた。馬場の仙台育英時代の恩師で、現学法石川(福島)の佐々木順一朗監督 昔から自分の世界を作る子で、周りにこびるような子ではなかった。よくみんなで「馬場ワールド」って呼んでました。スピードを上げるのが命、というような選手で、試合で打たれた時に「ストレートが走らなくて...」って言っていたので「それより、勝つこと考えろよ」と言ったのを覚えています。仙台大に行って、少しずつ大人になっていった。近頃よく投げているなと、頼もしく思っていました。初勝利を挙げても調子に乗るのではなく、彼はまい進してくれると思います。

◆17年阪神ドラフト1位の馬場皐輔投手(25)がプロ3年目で初勝利を挙げた。 馬場の初勝利をアシストしたのは、17年ドラフト同期で4位の阪神島田海吏外野手(24)だ。矢野監督が「僕の中の今日のMVPは島田の盗塁」とべた褒め。テレビ会見を終えても、興奮は冷めなかった。 「むちゃくちゃデカいよ! 1点負けている状況であそこで走る勇気と、実際セーフになるのは本当にプロ。近本がスタメンから出ている状況で走るのと訳が違う。ああいうプレーに対する価値はすごく大きい」 まさに勝負を分ける快走になった。2点を追う6回無死一、三塁。糸井の代走で塁上へ。「いつでも行けたら行け」。島田自身の判断に委ねるグリーンライトだった。サンズへの1-2からの4球目に仕掛けた。戸柱が送球しやすい外角速球だったが、高速ピッチで駆け、二塁に滑り込んだ。 島田 スタートがうまく切れたら行こうと準備は前もってできていた。思い切って行く勇気だけしっかり持って。アウトになったらどうしようとか何も考えず、成功するイメージだけ持って入れたので決まった。 殊勲のプロ初盗塁を決めると控えめに両腕でガッツポーズを見せた。「いま思うとちょっと恥ずかしい。でも気持ちが出た」と笑う。二、三塁に好機を広げ、大山の2点打で決勝のホームを踏んだ。馬場のプロ初勝利を演出。「同期で一緒にやってきた仲なので僕もうれしい」と喜びを分かち合った。 熊本・宇土市立鶴城中では野球部に所属しながら3年時は陸上のジュニア五輪に出場。100メートルで、のちに日本人初の9秒台をマークした桐生祥秀に先着した脚力を持つ。勝負どころで光った自慢の脚力。1軍戦力としてさらなる勝利貢献を目指す。

◆阪神・大山悠輔内野手(25)が2日、DeNA9回戦(甲子園)で0-1の六回に逆転の適時打を放った。先頭の近本が右前打を放つと、続く糸井も右前打を放ち、無死一、三塁。さらに糸井の代走・島田が盗塁に成功し、二、三塁と好機を拡大。1死となったところで大山がカウント1-1から平良の128キロスライダーをバットの先で捉え、逆方向へ。打球は右前へポトリと落ち、二走・島田も生還して一気に逆転した。阪神は八回にも1点を追加して勝利。馬場がプロ初勝利となった。

◆DeNAは2日、阪神9回戦(甲子園)に1-3で敗れた。連勝が「3」で止まり、勝率5割に戻った。梶谷が一回に初球先頭打者本塁打を放ったが、その後はチャンスを生かせず。その1得点のみに終わった。  先発の平良は、六回に大山の打ち取った当たりが右前にポトリと落ちる不運な適時打で逆転を許したが、それ以外はほぼ完璧な投球で7回6安打2失点。12球団でただ一人、開幕から全7試合でQS(6回以上投げて自責点3以下)達成となったが、またも援護に恵まれず2敗目(2勝)を喫した。

◆DeNAは2日、阪神9回戦(甲子園)に1-3で敗れた。連勝が「3」で止まり、勝率5割に戻った。  先発の平良は、六回に大山の打ち取った当たりが右前にポトリと落ちる不運な適時打で逆転を許したが、それ以外はほぼ完璧な投球で7回6安打2失点。12球団でただ一人、開幕から登板全試合(7試合)でのクオリティースタート(6回以上投げて自責点3以下)を継続した。  しかし、ラミレス監督が「小技よりも攻撃的にしたかった」と宮崎を今季初めて2番で起用するなど組み替えた打線は、一回に梶谷が初球先頭打者本塁打を放ったが、その後はチャンスを生かせず1得点止まり。好投むなしく平良は2敗目を喫した。  平良は好投を続けながら7月5日以来、白星から遠ざかっている。指揮官は「(七回の続投は)どうしても、きょうは彼に勝ってもらいたい思いが強かったので。打者もベストを尽くしている。間違いなくいえることは、平良は毎回素晴らしい投球をしてくれているということ」と残念そうに語った。

◆DeNAの平良は1球に泣いた。抜群の制球力で五回まで2安打、無得点に抑えていたが、六回1死二、三塁で大山に逆転の2点打を許した。それも鋭い変化のスライダーでバットの芯を外した当たりが、不運にも右前に落ちた。  後続を断ち、七回もピンチで耐えた。安定感を裏付けるように、6回以上を投げて自責点3以下の投球を開幕から7試合に伸ばした。援護なく2敗目を喫した成長株は「(相手打線に)つながりをつくらせない投球を心掛けたい」と課題を口にした。 ラミレス監督(平良に) 「毎回素晴らしい投球をしてくれている。何とか彼を勝たせたかった」

◆DeNAの梶谷がプレーボール直後の初球をスタンドに運んだ。岩貞の真ん中に来た142キロ速球を振り抜き、左中間へ。開幕から不動の1番打者は、今季早くも3本目、通算7本目の初回先頭打者本塁打に「いい感じで捉えることができた。風にも乗ってくれた」と謙虚に振り返った。  2戦連発の9号。試合数が今季は120に減った中、2017年にマークした自己最多の21本塁打を上回るペースで量産中だ。三回は中前、五回は左前に運び、3安打は4度目。近年けがに泣いたベテランが復活を印象づけている。

◆阪神の馬場が3年目で待望のプロ初勝利を挙げた。0-1の六回に2番手で登板。3四球で2死満塁を招きながらも無失点で切り抜けると、その裏に味方が逆転。試合後はウイニングボールを手にし、自身初のお立ち台で「ようやく初勝利できてよかった」と初々しく喜んだ。  宮城・仙台育英高から仙台大を経て、2018年にドラフト1位で阪神入り。今季は中継ぎで12試合に登板し、防御率1・64と安定した投球を続けている。ルーキーイヤーに2軍監督として指導した矢野監督も感慨深げで「この一つの勝利が自信になって、どんどん大きな投手に育ってほしい」と期待を寄せた。 岩貞(5回1失点) 「先制点を取られてしまったことは反省点だが、その後は何とか粘ることができた」 スアレス(6セーブ目) 「四球を与えずに3人で抑えることができて良かった。続けていけるように頑張りたい」

◆江越も足で、貴重な3点目を奪った。2-1の八回先頭で左前打を放ったサンズの代走で出場。三塁まで進んで1死一、三塁から、DeNAの内野は前進守備。ここで梅野の打球は遊撃に転がったが、迷わず本塁に突入した。頭から滑り込んで見事に生還。ビッグプレーとなり「前に飛んだので走りました」と笑顔。矢野監督も「大賀(江越)しかセーフになれないような、スタートとスピードとスライディング」と称賛を惜しまなかった。

◆3年目でつかんだ待望のプロ初勝利。だが、馬場は心底喜んではいなかった。0-1の六回2死満塁。梶谷を145キロの直球で三邪飛に打ち取ったが「意図的にやっているのではない」という派手な"馬場ガッツ"は、出なかったからだ。  「初勝利はできて、よかったです。でも、こういうピッチングはしたくないんで。もっともっとレベルアップしていきたいです」  初めての甲子園でのお立ち台。逆転打を放った大山と並んだが、反省の弁と、本当に自分でいいんですか? という表情が愚直な男らしかった。  実際、矢野監督を、ファンをやきもきさせた。1死から倉本、大和に連続四球。平良の犠打で2死二、三塁から、戸柱も歩かせて満塁。打席には先頭打者弾を含む3安打の梶谷を迎えた。  それでも...。「四球3つ出したが、ストライクが入らない感じではなかった」。周囲が思っている以上にマウンドでは冷静だった。直後の攻撃で逆転。6月27日の伊藤和に続き、"矢野チルドレン"にプロ初勝利が転がり込んできた。  仙台大からドラフト1位で2018年に入団するも、過去2年の1軍登板は4試合。今季は、これで12試合。結果を残すたびに、ポジションも僅差の場面に変わってきた。3年目の飛躍について「僕はファーム歴が長いので。(2軍で)しっかりやってきたことがマウンドで継続してできているのではと」と自己分析。どんな打者に対しても真っ向勝負するハートの強さを挙げた。  そんな馬場の表情がお立ち台でほころんだのは、ウイニングボールはどうするのか、と突っ込まれたときだった。  「えっと、僕、新婚なので嫁さんに渡したいと思います」。今年1月に結婚を発表した夫人(名前は非公開)へのメッセージだ。「食事もしっかり作っていただいているので、僕もがんばらないと。一番好きなのは、ネギ塩豚どんです!」と笑わせた右腕は、最後に真顔でこう締めくくった。  「(ゼロに)抑えているが、内容がよくない。次の登板は3人できれるような投球をしたい」  プロ野球人生の中で決して忘れない日でも、決して浮かれてはいなかった。(三木建次) ★その時  馬場の初勝利を伝え聞いた母校・仙台大の森本吉謙(よしたか)監督(45)は「プロ野球の投手ですから、白星が手に入ってホッとしているのかなと思います。陰ながら『よかったね』という感じですね」と喜んだ。年始に仙台大に訪れた際には、昨季にファーム優秀投手賞を受賞したことなどの報告を受けたという。少しずつステップアップしていく姿に「大学でもできないことを1個ずつクリアしていった。これからもしっかり頑張ってほしい」と期待を込めた。

◆足攻で逆転の道を切り開いた。六回、代走・島田が二盗に成功して大山の2点打を演出。3年目にして値千金のプロ初盗塁だ。  「思い切って行く勇気だけしっかり持って、代走で行ったんですけど。成功するイメージだけ持って入れたので決まったのかなと思います」  0-1で迎えた六回。無死から近本、糸井の連打で一、三塁となったところで、一走に指名された。「(盗塁の)サインは出ていないというか、いつでも行けたら行けというところで」。指揮官の期待は言わずもがな。一打で逆転するためには、走るしかなかった。  続くサンズの打席でカウント1-2から4球目、迷いなくスタートを切った。右足から滑り込み、判定はセーフ。両拳を握りしめる渾身のガッツポーズは思わず出てしまい「今思うとちょっと恥ずかしいんですけど...でも気持ちが出たんだと思います」。得点圏に進み、大山のタイムリーで逆転のホームを踏んだ。  同期入団の馬場(1位、島田は4位)の初白星にも貢献。「同期はやっぱり思い入れもあるので。僕も頑張りたいですし、うれしい勝利になった」と喜びも倍増だ。  矢野監督は「MVPというか、それは島田の盗塁かなと思ってます」と最大級の賛辞を贈った。50メートル5秒8の俊足で、球団史上最多381盗塁の赤星憲広氏がつけた背番号53を背負う。これが今季5試合目の出場(4打数1安打)。課題の打撃は自覚していて、なかなか出場機会に恵まれない。しかし、この大事な場面で記録した初スチールは、今後の糧になるはずだ。  「勝負強さというか、ここぞっていうところで打てる選手にこれからなっていきたい」  七回2死一、二塁では右飛に倒れ、悔しさも残した。島田も含めチームはこの日3盗塁で、リーグトップの31盗塁。103盗塁ペースで、23試合も少ないのに昨季の100を上回るペースだ。自慢の足が生きれば生きるほど、矢野虎はセ界の上へと駆け上がっていく。(大石豊佳)

◆これが4番の仕事だ! 阪神は甲子園でDeNAに3-1で勝利し、1分けを挟んだ連敗を3で止めた。0-1の六回に大山悠輔内野手(25)が好投手・平良から千金の逆転2点打を放った。勝率を再び5割に戻し、8月戦線はここからが本番。さあ、4日からは首位巨人を皮切りに勝負の9連戦だ!!  祈るように打球の行方を見つめた虎党の思いが届いた。落ちろ-。ふらふらっと舞い上がった白球が右翼手・ソトの目の前で弾む。これぞ4番の執念! 甲子園に響く拍手の嵐に、ウル虎イエローユニホームに身を包んだ大山が、一塁ベース上でほおを緩めた。  「どんな形でもランナーをかえすことだけを考えていました。ここのところ打てていなかったので、大事な場面で出てよかったです」  0-1で迎えた六回。無死二、三塁から3番・サンズが空振り三振に倒れ、打席に向かった。「結局最後は打つか打たないか。ただ『打つだけ』と打席に入った」-。  平良の128キロスライダーにしぶとく食らいついた。なだれ込むように2走者が生還。4番が7月29日のヤクルト戦(神宮)以来、4試合ぶりに打点を挙げ、一気に試合をひっくり返した。  「なかなか打てていない投手だったので、ああいうところで打つのが自分の仕事。自分が打てたら勝つし、打てなかったら負ける」  前日までの4試合で計7得点と、勢いをなくしていた虎打線。引き分けを挟んで3連敗中と苦しい状況に、若き主砲は責任を一手に感じていた。セ・リーグ防御率2位(1・99)の好投手相手に、なかなかチャンスは来ない。ここで決める-。大山の執念が連敗脱出、そして1日での5割復帰に導いた。  昨季、108試合で4番を務めた男に漂い始めた自覚と風格。矢野監督は「どんな形であれ、欲しかった点なのでうれしかった」とたたえた。それでも手放しでは褒めない。「もっと大きな打者に育ってもらいたい。走者がいるところで、相手が『絶対打たせない』という思いで投げてくる球をどう打ち返すかだと思う」とハッパをかけた。  将の期待は大山の胸にも届いている。サンズ(21打点)を抜くチームトップの22打点を挙げながら、逆転打は今季初。どれだけ自身が打とうがチームが負ければ「結果がすべて」と唇をかみしめる。一切の妥協を許さないこの姿勢があれば、まだ強くなれる。  4日からは、勝負の9連戦が始まる。その皮切りは5ゲーム差で首位を走る巨人との3連戦(甲子園)だ。指揮官が「ジャイアンツを叩いて9連戦で大きく勝ち越せるようにがんばっていきます」と誓えば、大山も言葉に力を込めた  「走者がいなければ出塁、走者がいればかえす。シンプルなこと。それが出来る、出来ないでチームの勝敗も変わってくる。きょうみたいなところで打つことが絶対必要。こういう一打を増やしていきたい」  追い求めているのは勝利につながる一打のみ。甲子園で見せた4番の執念が、これからも虎を救っていく。(原田遼太郎)

◆最近の阪神打線は下降線。特にボーアの状態が一時に比べると落ち、得点力がダウンしている。苦しい状況だが、そんな時に足を生かして点が取れるのが、ことしの阪神の持ち味。スタメンの近本、植田、ベンチの島田、江越、熊谷ら、他球団と比較しても俊足がズラリと揃っている。  象徴的だったのは八回、梅野の遊ゴロで三走・江越がゴロゴーで生還したシーン。あの場面、DeNAの遊撃・大和はどういう根拠なのか、投手のすぐ横付近を守っていた。そこへ打球が飛んだ。対する江越のスタートは素晴らしかった。さらにコリジョンルール下では有効なホームへのスライディング。守る側、攻める側ともに「これぞプロフェッショナル」と叫びたくなるプレーの応酬だった。ここ一番で、足を使ったスーパープレーが阪神に出るところを称賛したい。  六回の逆転の場面も、足のある近本が先頭打者で右前打を放ち出塁したことが大きかった。その後の島田の二盗も見事。足にスランプはないと言われる。阪神の足を使った攻撃は、今後も相手球団には脅威になるだろう。 (本紙専属評論家)

◆2018年ドラフト1位の馬場皐輔投手、プロ初勝利オメデトウ!! でも、この1勝はあくまでも「はじめの一歩」。ここから虎党に夢を与え続ける快投を頼むでェ!!  そして、その馬場にプロ初勝利をもたらしたのは矢野監督の名采配に他ならないのだ!!  0-1で送り出した六回のマウンド。馬場はゲームを壊したくないという緊張感があったのだろう。3四球で打者に一回に初球先頭打者本塁打を含む3安打でノリにノッている梶谷を打席に迎えたのだ。俺、正直そのとき、「この場面、馬場はムリや...。能見に代えてえなあ」とメソメソしていたけど、矢野監督は代える気配は一切なし。そして、結果は初球の三邪飛で3アウト。そのとき、俺は思った。『矢野燿大は三原脩である!!』  NPB監督勝利数1687の三原脩は試合後半の山場で、それまで3安打放っている打者に対して勝負させたのだ! その理由は「打者が人生で4安打の確率なんてほとんどないわ~」。いや、そんないい加減な...。  でも、その通りです!4番・大山のポテン逆転2点打で勝率5割に戻した虎の食らいつき感もいいじゃない! さあ、首位・巨人に気持ち悪く勝ったら本物の野球やー!!

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
22122 0.647
(↓0.02)
-
(-)
84181
(+2)
119
(+9)
54
(+2)
23
(-)
0.264
(↓0.003)
3.240
(↓0.17)
2
(-)
ヤクルト
17155 0.531
(-)
4
(↑0.5)
83166
(-)
187
(-)
34
(-)
22
(-)
0.249
(↓0.002)
4.610
(↑0.14)
3
(-)
DeNA
18182 0.500
(↓0.014)
5
(-)
82159
(+1)
141
(+3)
44
(+1)
5
(-)
0.271
(↓0.002)
3.660
(↑0.01)
4
(-)
阪神
17172 0.500
(↑0.015)
5
(↑1)
84148
(+3)
146
(+1)
37
(-)
31
(+3)
0.247
(-)
3.750
(↑0.08)
5
(-)
中日
15213 0.417
(-)
8
(↑0.5)
81120
(-)
173
(-)
19
(-)
7
(-)
0.244
(↓0.003)
4.070
(↑0.12)
6
(-)
広島
13194 0.406
(↑0.019)
8
(↑1)
84165
(+9)
173
(+2)
39
(+2)
15
(-)
0.281
(↑0.001)
4.460
(↑0.07)