阪神(★2対4☆)DeNA =リーグ戦5回戦(2020.07.11)・阪神甲子園球場=
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DeNA
00000001341001
阪神
0200000002811
勝利投手:石田 健大(1勝0敗0S)
(セーブ:山﨑 康晃(0勝1敗5S))
敗戦投手:藤川 球児(0勝2敗2S)

本塁打
【DeNA】ソト(5号・9回表2ラン)
【阪神】ボーア(4号・2回裏2ラン)

  DAZN
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◆DeNAが逆転勝利。DeNAは1点ビハインドの9回表、1死一塁から桑原の安打に相手失策が絡み同点とする。続くソトが値千金の2ランを放ち、勝ち越しに成功した。投げては、先発・今永が6回2失点の好投。敗れた阪神は、守護神・藤川が踏ん張れなかった。

◆阪神-DeNAの一戦はともに開幕投手を務めた阪神西勇輝投手(29)とDeNA今永昇太投手(26)の投げ合い。両者の先発対決は19年の2度と、6月26日に続いて4度目で、過去3戦は西勇1勝1敗、今永1勝2敗。今日はどちらが勝利するか。

◆甲子園球場は午後4時半過ぎから降り始めた小雨の影響で、同5時ごろに内野グラウンドにシートが敷かれた。 試合開始時間は同6時の予定だが、この先の天気次第では開始時間の遅延の可能性もある。 阪神は、前日10日の同カードでも雨天のなか試合を敢行。3-2と阪神がリードしたまま、5回裏の攻撃開始前に雨天コールドで勝利を収めた。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が西勇輝投手(29)、DeNAが今永昇太投手(26)。とにも開幕投手を務めたエースの投げ合いとなる。 阪神打線は6月26日に敵地で今永と対戦し、8回4安打無得点に抑えられた。この試合では左腕対策として北條、上本、陽川と右打者をスタメンに並べていたが、今回は連勝中の勢いを重視。野手は3試合連続同じオーダーとなった。

◆阪神-DeNA5回戦は降雨の影響により、午後6時の試合開始時間を遅延して行われる。 同4時半過ぎから降り始めた雨の影響で、阪神園芸が同5時ごろに内野グラウンドにシートを敷いた。その後、場内に「試合開始を遅らせて行う予定です」というアナウンスがあり、雨が上がった午後6時にシートの片づけ作業を開始した。 作業開始の際には場内の観客から、阪神園芸に対して拍手が送られた。

◆DeNAタイラー・オースティン内野手(28)が、右手の違和感のためベンチ外となった。球場には来たが、試合前の打撃練習を行わず治療を施したという。 走攻守で全力プレーを続ける新助っ人は、これまでも右肘上部の張りや、左太ももの張りでスタメンを外れることがあった。

◆阪神-DeNA5回戦は降雨の影響により当初の予定から46分遅れ、午後6時46分に試合が開始された。 同4時半過ぎから降り始めた雨の影響で、阪神園芸が同5時ごろに内野グラウンドにシートを敷いた。その後、場内に「試合開始を遅らせて行う予定です」というアナウンスがあり、雨が上がった午後6時にシートの片づけ作業を開始した。作業開始の際には場内の観客から、阪神園芸に対して拍手が送られた。 そして同6時15分ごろに、場内に「本日の試合は(午後)6時45分ごろの試合開始を予定しております」とアナウンスされ、両軍選手がグラウンドでアップを開始していた。 天候が心配されるなか、有観客試合2日目も球場に駆け付けたファンに野球を届けることができた。

◆虎党のみんな、見てたかい!? 阪神新外国人のジャスティン・ボーア内野手(32)が、ファンの前で公式戦初アーチをかっ飛ばした。0-0の2回第1打席。二塁打の大山を置き、DeNAの先発今永の真ん中低めのカットボールをすくい上げた。打球は虎党の声援に後押しされるように、左中間スタンドへ一直線。ボーアは高々とバットを放り投げ、今季4号となる先制2ランを決めた。今季3発は右方向だったが、初の左方向。バースの弾道をほうふつさせる1発だった。 ダイヤモンド1周後、ベンチ前ではおなじみの「ファイアボール」ポーズは披露しなかった。「悠輔(大山)にファイアボールをお願いされたから、代わりにやってもらったよ(笑い)」と明かし、ノリノリで大山にポーズを促した。直後の3回の守備に就く際には、球場のファンから「ボーア! ボーア!」とコールを受けた。紳士な助っ人は、右手で帽子をとってスタンドに一礼。来日後初めて本拠地で受ける大合唱は、感無量の瞬間だ。 チームは6月26日に敵地で今永と対戦。左腕に苦手傾向のあったボーアは、同試合で来日初めてスタメンを外された。助っ人として屈辱的な思いを味わった日から2週間後。その悔しさを第1打席で晴らした。今季4本のアーチのうち3本は左腕から放っており、心配していた「左腕アレルギー」もウソのよう。さらに、阪神の打者が甲子園で今永から本塁打を放つのは4年ぶりだった。 8回にも左前へ運び、今季3度目の複数安打を記録。9回に藤川が逆転を許して空砲になったが、直近5試合は18打数8安打で打率4割4分4厘、3本塁打9打点と絶好調だ。矢野監督も「完璧なホームランでしたし、あの後ももう1本ヒットも出ている。状態としても上がって来ている」と高評価。メジャー通算92発の期待の助っ人が上昇気流に乗ってきた。【只松憲】 ▼阪神ボーアが先制の4号2ラン。開幕直後は18打席連続無安打だったが、6月24日のヤクルト戦で初安打を放つと調子を上げ、7月1日の中日戦で来日初本塁打。初安打を打った試合から13戦は40打数15安打、打率3割7分5厘と急上昇。シーズン前から苦戦していた左腕に対しても、打率こそ1割9分だが、4本の本塁打のうち3本が左腕(岡田、メルセデス、今永)からと対応しつつある。

◆阪神西勇輝投手(29)がファンのエールを背に6回1/3、6安打無失点と奮闘した。「(岩崎)優がピンチで踏ん張ってくれて本当に感謝です」。7回1死二塁、大和に四球を与えた場面で、西勇は降板を告げられた。マウンドで何度も悔しそうな表情を浮かべ、ベンチへ歩いて行く西勇に、ひときわ大きく温かい拍手が送られた。今季初勝利を挙げた5日広島戦から、中5日での登板で粘りの投球を見せた。 6月26日DeNA戦に続き、2度目の今永との開幕投手対決。「相手投手が今永だったので何としても先制点は与えないという意識を持って投げました」。前回は7回1失点で敗戦。この日は今永よりも先にマウンドを降りなかった。ボーアの2ランで先制した直後の3回には、1番梶谷から3連続空振り三振。味方の援護に好投で応えると、いつもより笑みがはじけた。走者を背負いながらも失点は許さず、リリーフ陣につないだ。 登板前日の10日、西勇はファンのために、と意気込んでいた。「ファンの方々が無事に球場に見に来られるようになったのはうれしいことですし、どんな人数でも観に来てくれるファンの方々のために、チームのためにもいいパフォーマンスを出したいと思います」。そんなエースをファンも助けた。この日、西勇がピンチを迎えるたびに、虎党はより大きな拍手で後押しした。5回2死一、三塁、3番ソトをチェンジアップで追い込むと、どこからともなく手拍子が起こった。ファンのエールを背に投げ込んだスライダーは、外角高めに決まり空振り三振。西勇と捕手梅野の激しいガッツポーズに、また大きな拍手が沸き起こった。今季2勝目とはならなかったが、ファンとともにエースの投球を見せた。【磯綾乃】

◆一振りで敗れかけた試合を一振りでひっくり返した! DeNAネフタリ・ソト外野手が、土壇場で決勝5号2ランを放った。1点差で迎えた9回に敵失で追いつき、なお1死一塁。阪神の守護神藤川の4球目、外角145キロ直球を完璧にはじき返し左中間席最前列に運んだ。悠然とダイヤモンドを周回した2年連続本塁打王は「感触自体は完璧でした。うまく前で捉えることができた」と振り返った。 エース今永がボーアに浴びた2回の2ランが重くのしかかった。オースティンを欠く中、打線がしぶとさを見せた。8回に宮崎の内野ゴロの間に1点。9回1死一塁では、桑原の中前打を阪神植田が処理を誤る間に、梶谷が好走塁で本塁を陥れた。ラミレス監督は「初めて土曜に勝つことができた。選手たちがあきらめることなくいい仕事をしてくれた。すごく良かったと思う」と全員をたたえた。 観客4943人のほとんどが虎党だったが、数少ないDeNAファンを喜ばせた。ヒーローのソトは「少しでもファンがいるのはまったく違う。声援があるとプレーにも力がもらえる」と笑顔を見せた。順位は3位のままだが、敗れた首位巨人と0・5差。ファンの声援も力に、一丸で首位をうかがう。【鈴木正章】

◆阪神大山悠輔内野手がつなぎの4番を体現した。0-0の2回先頭、DeNA先発今永の初球を積極的にたたいた。 125キロスライダーを捉え、左翼線へチーム初安打となる二塁打。試合前まで相手エースとの通算対戦成績は22打数9安打2本塁打。打率4割超の好相性そのままに、先制機を演出した。 助っ人のパフォーマンス代行!? でチームを盛り上げた。二塁打後、5番ボーアの先制2ランで生還した。本塁でヒーローを迎え入れると、B砲の代名詞「ファイアボール」ポーズをやりたいと本人に直訴。快諾も得て、ベンチ前では満面の笑みで両手を前に突き出した。 その積極性は打席でも見られた。2回の第1打席以降も、全打席で初球からスイングしていった。開幕三塁のマルテが左ふくらはぎの張りを訴え、4日広島戦(マツダスタジアム)の途中から代わって「4番三塁」にを任され続けている。同打順に入ってからは5試合連続安打を含む15打数8安打3本塁打、打率は驚異の4割3厘をマーク。昨年は"春の大山"が絶好調だったが、今季は"夏の大山"が絶好調。チャンスを手放さず、結果で猛アピールを続けている。 9日巨人戦でも、大山の安打が続く主砲の決勝弾を呼んだ。昨季も4番を張ることが多かったが、日頃から「打順は関係ないので」と、4番目の打者としての意識を持った。今季も意識は同じ。「後ろにつなぐ気持ちで」。あくまでのチームの勝利を最優先に。つなぐ4番大山がいい味を出している。【奥田隼人】

◆阪神は2回にボーアの4号2ランで先制。DeNAは2回2死一、三塁で大和が凡退するなど、走者を出しながら3回まで無得点。 中盤は両軍の投手が好投した。西勇は巧みにボールを散らす投球。今永は力強いボールで押し込み、阪神2点リードのまま7回へ。 DeNAは1点差で迎えた9回に相手の適時失策で同点とし、ソトの5号2ランで逆転勝ち。阪神の連勝は4で止まった。

◆阪神は守護神藤川が今季2度目のセーブ機失敗で、連勝は「4」でストップした。先発のエース西勇が7回途中無失点の力投。主砲ボーアの先制2ランでリードを保ち、終盤を迎えた。西勇から2番手岩崎、3番手スアレスが1点を失うも2-1で最終回。4番手には守護神藤川がマウンドに上がった。 しかし、DeNAの反撃にあった。1死から四球を出すと、桑原には中前打。打球を処理しようとした中堅植田がファンブルし、その間で一気に同点を許した。最少失点でしのぎたかったが、続く3番ソトに145キロ直球を捉えられ、決勝2ランを左中間席まで運ばれた。2試合目となった有観客試合のスタンドからは、ため息と悲鳴が漏れた。藤川はここで、無念の降板。登板5試合で早くも2敗が付いた。試合後には球団広報を通じ「西や、みんなが頑張ってゲームを作ってくれていたのに、こういう形になり本当に申し訳ないです」とコメントした。 藤川は今季ここまで2セーブを挙げ、日米通算250セーブまであと「5」に迫っていた。しかし、6月25日ヤクルト戦(神宮)のサヨナラ被弾に続く、2度目のセーブ失敗。借金は再び「5」となった。

◆阪神の守護神藤川球児投手(39)が今季4度目のセーブ機で2度目の失敗となった。1点リードの9回に4番手で登板。1死から四球を出すと、桑原に中前打を浴びた。この回から中堅に入った植田が、三塁を狙った一塁走者梶谷を刺そうとしたが、焦ってファンブル。一気に同点の生還を許した。1死一塁。何と同点で切り抜けたかったが、続く3番ソトに145キロ直球を捉えられて2ランを被弾。有観客試合のスタンドからは、ため息と悲鳴が漏れた。藤川はここで無念の降板となった。 試合後、藤川は球団広報を通じて「(先発の)西や、みんなが頑張ってゲームを作ってくれていたのに、こういう形になり本当に申し訳ないです」とコメントした。 藤川は同試合で5試合目の登板。ここまで2セーブを挙げ、日米通算250セーブまであと「5」に迫っていた。しかし、5戦のうち4試合で失点。6月25日ヤクルト戦(神宮)でも、セーブ機で逆転サヨナラ弾を浴びていた。

◆5連勝目前、阪神が痛恨の逆転負けを喫した。新外国人ジャスティン・ボーア内野手(32)が先制2ランを放ち、1点リードで迎えた9回。中堅植田海内野手(24)の適時失策で同点とされると、藤川球児投手(39)がソトに痛恨の勝ち越し2ランを浴びた。上限5000人のファンを甲子園に迎えての2戦目。藤川が肩を落として降板する姿に、聖地は悲しみに包まれた。阪神が9回、1点のリードを守れなかった。マウンドを託されたのは、もちろん守護神藤川だ。藤川にとっては今季の有観客試合初登板。勝利でゲームを締めくくりたかったが、1死後、まさかの展開が続いた。 梶谷に四球。続く桑原に中前打を打たれた。一、三塁になるかと思われたが、その打球をセンターに入っていた植田がしっかりさばけず、一塁走者だった梶谷の生還を許してしまった。 同点とされ、さらに1死一塁からも思わぬシーンが繰り広げられた。藤川がソトに勝ち越しの2ランを被弾し、ゲームをひっくり返されてしまった。藤川は22球で交代した。 完全な勝ち展開だった。0-0の2回。二塁打の大山を塁に置き、ボーアが先発左腕、今永の真ん中低めのカットボールをすくい上げた。打球は左中間スタンドへ一直線。今季4号2ランはファンの前での公式戦初アーチだった。 ダイヤモンドを1周後、ベンチ前ではおなじみの「ファイアボール」ポーズは披露せず。「悠輔(大山)にファイアボールをお願いされたから、代わりにやってもらったよ(笑い)」と明かし、ノリノリで大山にポーズを促した。 チームは6月26日に敵地で今永と対戦。左腕に苦手傾向のあったボーアは、同試合で今季初めてスタメンを外された。助っ人として屈辱的な思いを味わった日から2週間後。その悔しさを1発で晴らした。今季4本のアーチのうち3本は左腕から放っており、心配していた「左腕アレルギー」もウソのよう。さらに、阪神の打者が甲子園で今永から本塁打を放つのは4年ぶりだった。 8回にも3番手国吉から左前へ安打を放ち、この日はマルチ。直近5試合は18打数8安打で打率は4割4分4厘と絶好調だ。ホームランを放った後の3回の守備に就く際には、球場のファンから「ボーア!ボーア!」と大合唱でコールを受けた。以前「ファンの皆さんの前で勝てるように頑張るよ」と意気込んでいた紳士な助っ人は、右手で帽子とってスタンドに一礼。あとは勝利の瞬間を待つだけだった。 試合後の整列。藤川はボーアらと並び、スタンドに深々と頭を下げた。この悔しさは、マウンドで晴らすしかない。【只松憲】 ▼阪神藤川がソトに決勝2ランを浴びた。今季は6月25日のヤクルト戦で西浦に逆転サヨナラ3ランを打たれており、登板5試合で早くも2本目の被弾だ。昨季は救援で56試合に登板したが、被本塁打は3本。17、18年も52、53試合で3本ずつ、阪神に復帰した16年も救援38試合では3本だった。10年に58試合で7本打たれたことはあるが、日米通算250セーブを目前に、守護神が苦しんでいる。

◆観客が入って2試合目となった一戦。阪神はファンに勝利を届けることはできなかったが、矢野燿大監督はスタンドから送られた声援に改めて感謝した。「昨日もそれは感じた。みなさんの後押しも十分、届いてありがたかったし、心強かったです」。 先発西勇は今季初の中5日で7回途中無失点と試合を作った。そのエースに対しては「西らしく丁寧に投げ切ってくれた。ランナーを出しても、粘り強くいってくれた」とねぎらった。先制2ランの主砲ボーアについても「完璧なホームランでしたし、あの後ももう1本ヒットも出ている。状態としても、上がってきているのかなと思います」と上昇気配を感じ取った。 ただ、打線は3回以降、追加点を刻めなかった。チャンスは作ったもののあと1本が出ず、指揮官は「そこら辺が打線のこれからの課題。何回かチャンスはあったので、そこで取れるようにしていきます」と前を向いた。

◆5連勝目前、阪神が痛恨の逆転負けを喫した。新外国人ジャスティン・ボーア内野手(32)が先制2ランを放ち、1点リードで迎えた9回。中堅植田海内野手(24)の適時失策で同点とされると、藤川球児投手(39)がソトに痛恨の勝ち越し2ランを浴びた。上限5000人のファンを甲子園に迎えての2戦目。藤川が肩を落として降板する姿に、聖地は悲しみに包まれた。矢野燿大監督は、9回の同点とされた場面の中堅植田のプレーについて「(芝の状態は)言い訳にならない。目付けというか、ランナーが(三塁に)行ったの見えたので、ちょっと目が離れたような感じには見えた」と話した。 この場面、走者の生還には植田に失策がついた。

◆虎党にとってはショッキングな光景が繰り広げられた。阪神1点リードの9回。マウンドを託されたのは、もちろん守護神藤川球児投手だ。だが、リードを守りきれず、逆転負け。試合後、藤川は球団広報を通じ「西や、みんなが頑張ってゲームを作ってくれていたのに、こういう形になり本当に申し訳ないです」とコメントした。 1死から反撃にあった。梶谷に四球を許すと、桑原に中前打を打たれた。一、三塁になったかと思われた場面で、守備陣にミスが出た。8回裏に代走出場し、この回から中堅守備に入っていた植田が、打球を処理しようとしたがファンブル。一塁走者・梶谷の一気の生還で同点に追いつかれた。 さらにまさかの展開は続いた。直後、藤川が続く3番ソトに145キロ直球を捉えられ、決勝2ランを被弾。有観客試合で初登板の中、1/3回3失点(自責は2)、22球で交代を告げられた。藤川は日米通算250セーブに残り5と迫っているが、本来の投球とはほど遠い内容が続いている。これで今季5試合目の登板だが、早くも自身2敗目。まだ1度も走者を出さずに終えたゲームがない。矢野燿大監督も「いいとは思ってるわけではないけど。抑えは球児で。現状、俺の中で決めているわけだし。その中で、投げていく中で良くなっていってくれたらなというところで、みてるんで」と語る。 勝利をつかむ目前のところで、チームの連勝は4で止まった。借金は再び5に。矢野監督も「悔しいですし、あのままなんとか勝ちたかったですが、勝負にいったんでしょうがないです」。指揮官は藤川の今後については「今すぐどうこう決められる...終わったばかりなんで、今すぐ考えられない。みんな(報道陣)に言えるようなことは何もないです」と語るにとどまった。守護神として藤川が完全復調するか、勝利の方程式の再編となるのか。いずれにせよ、必勝リレーが文字通り揺るぎないものでなければ、なかなかチーム浮上とはいかない。【松井周治】 ○...3番手で登板のスアレスは1点を失った。2点リードの8回に登板。四球と2本のヒットで無死満塁のピンチを招いた。宮崎の遊ゴロで1点を失ったが2死までこぎつけ、代打戸柱は159キロの直球で空振り三振。からくもリードは守った。

◆ABCラジオ朝の顔で、大の阪神ファンである道上洋三アナウンサー(77)が11日に甲子園で阪神-DeNA2回戦を生観戦。同局ラジオの長寿番組「おはようパーソナリティ 道上洋三です」の名物アナが、待ち焦がれた六甲おろしや4番大山への熱い思いを観戦記としてしたためた。周りのお客さんから、「六甲おろし、歌われへんな」と慰められました。監督でも選手でもオーナーでもないのに、励まされた。悔しい試合でした。前半はタイガースのいいところが全部出て、後半は悪いところが全部出た。6回裏に走者が2人いて、ボーア、サンズで連続三振。あそこで追加点が取れず防戦一方になった。追加点が取れない所と抑えの藤川が不安要素でしたが、それが出てしまった。 先制点は最高の展開でした。4番大山が「照れず」にやってくれた。あのレフト線へのツーベースから試合が始まった。 大山、高山が中心にならないと、タイガースはこの先、5年も10年もないとずっと思っていた。でも昨年まで、「4番サード大山」と言われると、彼は照れながらバッターボックスに入るねん。僕にはそう見えた。ヤクルトの村上はあの若さで俺は4番だという構えをしている。三振しても知らん顔でベンチに帰ってくる。4番に照れる男が、4番に照れなくなるのを待っていた。この日は、照れずに4番を打った。今、タイガースで最も当たっているし、このまま行ってほしい。 矢野監督も本当は大山、高山を使いたいという気持ちがあると思いますが、外国人に頼らざるを得なかった。MBSですか。ABCの人間としては、一番嫌な見出しをニッカンがつけはった(笑い)。2回には大山に続き、ボーアが先制2ラン。あれぐらい、やってもらって当たり前なんです。ただ今永というエース、しかも左腕から、左中間にもっていった。エースとの対戦が続くわけではない。今後も失投を右中間、左中間にもっていけるということ。他のチームも警戒する1発になった。5、6番だと4番よりも楽に打てるので、やっぱり大山ですよ、鍵を握るのは。 六甲おろしに飢えていたんです。コロナ禍で開幕が遅れ、歌いたくても歌えない。僕も4月20日から1カ月、自宅からのリモート出演になりました。番組では、全国トップクラスの淀川工科吹奏楽部OBを中心に、「六甲おろし数珠つなぎ」という企画を設け、演奏してもらいました。教会で流れるような荘厳な響きに、リスナーから「泣きました」という反応があった。トラックの運転手は車を止めて、聞いていたそうです。「なんで泣けてくるんやろ...」と。僕もそうですが、それぐらい飢えていた。 笛や太鼓、ラッパがないのもいいもんですね。投手が抑えてベンチに戻ってくる時の万雷の拍手。1球1球のお客さんの反応が直にグラウンドに伝わっている感じがした。「西がんばれ」とか「藤川任せたで」-、そんな声はマウンドまで絶対に聞こえている。DeNA山崎は「ウワーッ」と声を上げて投げていた。今までの甲子園では分からなかった。ピンチになった時は水を打ったように静かになる。1点差の緊張感みたいなものが、今までとは全然違う。5000人足らずでも、試合なりの雰囲気になっていった。これからも応援はこのほうがいい。そう感じました。六甲おろしは聞けませんでしたが、趣の違う、大人の雰囲気で観戦できた。やはり甲子園はいいですね。

◆阪神は守護神の藤川が打たれ痛恨の逆転負け。矢野燿大監督のコメント。 藤川が今季5試合目の登板だが、早くも自身2敗目。まだ1度も走者を出さずに終えたゲームがない。 「いいとは思ってるわけではないけど。抑えは球児で。現状、俺の中で決めているわけだし。その中で、投げていく中で良くなっていってくれたらなというところで、みてるんで」 9回、同点とされた場面の中堅植田のプレー(中前打を後逸)について。 「(芝の状態は)言い訳にならない。目付けというか、ランナーが(三塁に)行ったの見えたので、ちょっと目が離れたような感じには見えた」 連勝は4でストップ。 「悔しいですし、あのままなんとか勝ちたかったですが、勝負にいったんでしょうがないです」 藤川の今後について。 「今すぐどうこう決められる...終わったばかりなんで、今すぐ考えられない。みんな(報道陣)に言えるようなことは何もないです」

◆DeNAはソトが土壇場で決勝5号2ラン。アレックス・ラミレス監督のコメント。 「初めて土曜に勝つことができた。選手たちがあきらめることなくいい仕事をしてくれた。すごく良かったと思う」

◆阪神のジャスティン・ボーア内野手(32)が2試合ぶりとなる4号2ランを放った。  0-0の二回、大山が三塁線を破る二塁打で出塁。ボーアはカウント2-1から難敵・今永のカットボールをフルスイング。打球は高々と舞い上って左中間席にスタンドに飛び込んだ。  前回6月26日(横浜)には今永に8回無得点に抑えられた阪神打線。左投手を苦手にしているボーアはスタメンを外れて、今永とは対戦機会がなかった。セ・リーグを代表する左腕からの一発だけに、チームにとってもボーアにとっても価値ある一発となった。

◆また球児が打たれた! 阪神がDeNAに2-4と逆転負け。連勝は「4」で止まった。2-1の九回に登板した藤川球児投手(39)が、また背信投球だ。  1死から梶谷に四球。桑原に中前に運ばれ、中堅に入った植田がゴロを後逸。この間に、一塁走者の梶谷が一気に生還して同点に。さらに悲劇が待っていた。藤川はソトに投げた直球を左中間スタンドに被弾。ここで守護神は降板となった。  この日はエースと4番が奮闘した。ボーアが二回、今永のカットボールを左中間席へ運ぶ4号先制2ラン。投げてはエース西勇が6回1/3を6安打無失点の好投。七回1死一、二塁で西勇からバトンを受けて登板した岩崎が無失点に抑えた。八回に登板したスアレスは1失点を許したが、なんとか踏ん張った。しかし、最後に悲劇が待っていた。

◆DeNAが逆転勝ち。1-2の九回1死一塁から桑原の中前打が後逸を誘い、同点。ソトの2点本塁打で勝ち越した。4番手の石田が今季初白星。阪神は西勇が6回1/3を無失点と好投したが、藤川で逃げ切りに失敗。4連勝で止まった。

◆DeNAが阪神のクローザー藤川を攻略した。1-2の九回1死一塁から桑原が粘った末の8球目を中前打。これを植田が後逸する間に梶谷が俊足を飛ばして一気に生還した。甲子園に落胆のムードが漂う中、続くソトは甘い速球を捉えて左中間席へ。勝ち越し2ランとし「チャンスで三振していたので取り返せて良かった」と喜んだ。  今永、西勇の両エースによる投手戦で中盤まで進んだ一戦。打線は八回無死満塁から内野ゴロで1点返しただけなど、拙攻を続けたが、最後に重量打線の怖さを見せつけた。ラミレス監督も「選手は決して諦めることなく、いい仕事をした」と目を細めた。(甲子園)

◆阪神の西勇はチームが九回に逆転を許して勝ち星は逃したが、七回途中無失点と好投した。「相手投手が今永だったので、何としても先制点は与えないという意識を持って投げた」とエース対決に燃えた。  雨の影響で試合開始が46分遅れたが、影響を全く感じさせない。内外角に制球良く投げ分け、ピンチでも粘った。五回2死一、三塁でソトを空振り三振に仕留めると、ガッツポーズ。今季、自身初めて観客の前で登板して持ち味を示し、矢野監督も「西らしい投球」とねぎらった。(甲子園)

◆DeNAの今永は6回2失点。チームが九回に逆転して2敗目は免れたが、6月26日では投げ勝ったエース対決で西勇に劣る格好となった。  8回無失点だった前回対戦では先発を外れていたボーアに、二回に甘く入ったカットボールを2ランにされた。その後は粘って追加点を許さなかったが、援護を引き出せなかった。「相手が西投手だったので、先にマウンドを降りないことを心掛けていた」と悔しさをにじませた。(甲子園)

◆2-0の八回に登板したセットアッパーの阪神・スアレスは1点を献上した。先頭のソトに四球を与えると、連打を許し満塁のピンチ。宮崎の遊ゴロの間に失点したが、代打・神里を投ゴロ、代打・戸柱を空振り三振に仕留めて同点のホームは踏ませなかった。失点は、2日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、登板3試合ぶりとなった。

◆阪神・岩崎が2-0の七回1死一、二塁のピンチで、好投していた先発の西勇に代わって登板。梶谷を中飛、代打・桑原を空振り三振に仕留めて無失点で切り抜けた。「西さんが頑張ってくれていたので、ゼロに抑えることができてよかった」。逆転負けを喫したが、セットアッパー左腕は7月に入って4試合連続で無失点と安定感は抜群だ。

◆阪神・糸原は4試合連続安打で存在感を放った。三回2死走者なしから先発・今永の高めの直球を中前へ運び、出塁。続く大山も四球を選んでチャンスの起点となったが、得点には至らなかった。一時は1割台まで低迷していた打率も同・245まで復調。代打での途中出場を含め、ここまで全試合出場をしている主将が勝利に向け、快音を響かせ続ける。

◆阪神の4番・大山が好調を続けている。二回先頭で左翼線への二塁打を放ち、ボーアの先制弾を演出した。左ふくらはぎを痛め、この日に登録抹消となったマルテに代わって、4日の広島戦(マツダ)から途中出場。翌日から4番に座ると4試合で打率・462(13打数6安打)2本塁打、5打点。代役ではなく、本物の4番へと成長する。

◆八回に代走で出場した阪神・植田が痛恨のミスだ。そのまま九回に中堅に入ったが、1死一塁で桑原の打球を処理しようとして後逸。一走・梶谷の生還を許し、同点とされた。藤川が続くソトに勝ち越しの2ランを被弾。試合前の雨で外野の芝も水を含んでいたが、矢野監督は「言い訳にならない。目付けというか、ランナー(一走)が見えたので、ちょっと目が離れたような感じには見えた」と厳しかった。

◆雨上がりの甲子園の空に豪快な放物線を描いた。ファンの歓声が響く中、ボーアがダイヤモンドを一周。試合開始を待っていたファンを歓喜の渦に包み込んだ。  降雨のため46分遅れてのプレーボール。試合を動かしたのは二回だ。無死二塁で打席に立つと、カウント2-1からの4球目。DeNAのエース・今永の低め138キロのカットボールをすくい上げると、浜風が後押しすると、白球は左中間へと飛び込んだ。  チームとして今季初の5試合連続本塁打。前日10日から有観客試合が始まったばかり。自身にとっては虎党の前での初アーチとなり、甲子園は興奮に包まれた。  ベンチへと戻ってくるとおなじみとなった"ファイアボール"を披露...するかと思われたが、直前に二塁打を放っていた大山に対して、テレビカメラを指差し、自身の"ファイアボール"をするように指示。  「悠輔(大山)にファイアボールをお願いされたから代わりにやってもらったよ(笑い)」。笑顔でその理由を明かした。パフォーマンスは譲ったが、守備に就く際に巻き起こった「ボーア」コールには帽子を取ってしっかり応えた。  対左には打率・190(21打数4安打)と苦手としていたが、今季4発目は左腕から。4本塁打中3本が左投手と左右は関係ない。  さらに、シーズンではこれが初の中堅から左方向への本塁打。甲子園は右翼から左翼方向へ浜風が吹き、左打者には不利とされているが、広角に打てれば逆風も関係ない。  逆方向へ一発が打てるのもしっかりとした準備があるからだ。以前から「自分の中で調子がいいときというのは逆方向、センター方向にも強い打球が打てているとき」と話し、フリー打撃から逆方向を意識して取り組んでいる。雨天が続いているため、室内での練習も多いが、5試合連続安打とまさしく絶好調だ。  2-1となった八回2死一塁からは右方向に寄ったシフトの間をつく左前打で、この日4打数2安打2打点。打率も・268まで上昇した。  試合に敗れたため、空砲となってしまったが、メジャー通算92発のパワーは本物。調子を上げてきているB砲が次は勝利に導くアーチをかける。(菊地峻太朗)

◆DeNAは11日、阪神5回戦(甲子園)に4-2で逆転勝利。九回に敵失で同点とし、なお1死一塁からネフタリ・ソト内野手(31)が左中間席へ勝ち越しの5号2ランを放った。打線はタイラー・オースティン内野手(28)が欠場する中でも今季12度目の2桁安打をマークし、有観客試合で初勝利。セ・リーグ3位は変わらないが、首位の巨人に0・5ゲーム差まで詰め寄った。  4943人が詰めかけた甲子園。スタンドの阪神ファンから「球児、頑張れ~!!」と声援が飛んだ直後だった。DeNAのソトが劇的な決勝2ラン。勝利目前の敵地が静まりかえった。  「感触は完璧。打った瞬間にいったと思ったけど、思ったより手前に落ちたね。でも、自分のホームランでチームの勝ちに貢献できてうれしいよ」  劇的なドラマが生まれたのは1点を追う九回。1死一塁から桑原の中前打を中堅手・植田が後逸し、その間に一走の梶谷が生還した。場内のどよめきが収まらない中、続くソトが虎の守護神、藤川が投じた145キロの直球を捉えた。打球は左中間席へ。自身4試合ぶりの一発で勝利に導いた。  ピンチを救った。今季、打率・327、3本塁打をマークしているオースティンが、右手の違和感でベンチ入りメンバーから外れた。迫力を欠いた打線は西勇にプレッシャーをかけられず、七回まで無得点だった。  「もちろん、彼がいなければ打線は劣るが、仕方のないこと。一人一人が自分の仕事をすれば勝てると思っていた」。2、3番コンビを組み、練習では打撃論を交わすこともある新助っ人の不在をカバーし、2安打2打点の活躍で打線を引っ張った。  試合後のヒーローインタビュー。数は少なくても、甲子園まで駆けつけた熱いベイスターズファンの声援が耳に届いた。  「いるといないでは全然、違う。すごくうれしい」とソトは感謝した。昨季まで2年連続で本塁打王に輝いた大砲が、大きな1勝を呼び込んだ。(浜浦日向)

◆勝利を信じてベンチで声を出し続けたが、まさかの展開に表情が固まった。西勇は再三ピンチを背負いながらも、粘りの投球で0封。しかし、九回に逆転され、白星もスルリとこぼれ落ちた。  「相手の(先発)投手が今永だったので、何としても先制点は与えないという意識を持って投げました」  試合中、球団広報を通じてそうコメントを残した右腕は、中5日のマウンドで119球と力投し、試合の流れを作った。  最大のピンチは五回。1死から安打と四球で一、二塁とされると、乙坂を一ゴロ、3番・ソトを外角のスライダーで空振り三振に斬り、ガッツポーズした。  3者連続の空振り三振で抑えた三回以外は、すべて走者を背負う苦しい展開となったが、なんとかしのいで2点のリードを守った。七回にも1死一、二塁とされ、6回1/36安打無失点で降板。2番手・岩崎も無失点で切り抜け、勝利の方程式で逃げ切る算段だったが...。九回に藤川がソトに勝ち越し2ランを浴び、勝利が幻となった。  矢野監督は「西らしく走者を出しても粘り強くいってくれた」とエースの奮投をたたえた。  西勇にとってこの試合が初めての有観客でのマウンド。チームの活動再開後には「ファンに(球場に)来てよかったなと思えるチーム作りもそうですし、強いチームでありたい」と話していたが、虎党に勝利を届けることはできなかった。  「連戦も続くと思うので、先発として長いイニングを投げることは大切だと思う」  試合前日にそう話していた。次こそ白星をつかみ、グラウンドで笑顔の花を咲かせる。(織原祥平)

◆阪神は2-1の九回に藤川球児投手(39)が打たれ、DeNAに2-4で逆転負け。連勝が4でストップした。今季5試合登板で防御率15・75と不調の守護神。矢野燿大監督(51)は今後の起用について明言を避けたが、このまま復調しなければ、選手生命の危機に直面する可能性もある。  待ちわびた勝利の瞬間を見守るはずだった虎党が声を失った。4943人からは悲鳴も出ない。甲子園が沈黙した。藤川でまさかの大暗転。連勝が4で止まった。  「西(勇)や、みんなが頑張ってゲームを作ってくれていたのに、こういう形になり本当に申し訳ないです」  守護神は球団広報を通じて、ざんげのコメントを残した。  1点リードの九回。ビジョンには今季導入された特別使用の映像が流れ、歓声に包まれながら登場した。先頭の大和を147キロの直球で右飛。しかし、ここから悪夢が待っていた。  梶谷に四球を出すと、続く桑原に粘られ8球目の直球を中前に運ばれた。すると、この回から中堅についていた植田がまさかの後逸。一走に生還され、追い付かれた。なおも1死一塁でソトを迎えると、カウント2-1からの4球目、高めに浮いた145キロを左中間スタンドまで運ばれた。大きな飛球を見上げながら唇をかむことしかできず、矢野監督はタオルを投げた。藤川は先発・西勇に迎えられ、うつむきながらベンチに下がった。  明らかにおかしい。今季ここまで2セーブをあげているが防御率15・75。登板5試合で4度失点し、三者凡退は一度もない。最少の1点リードで登板した2戦とも本塁打を浴びて逆転負け。とても守護神といえる結果を残せていない中、指揮官の胸中も穏やかではない。  「(状態が)いいとは思ってるわけではないけど、抑えは球児で。現状、俺の中で決めているわけだし。その中で、投げていく中でよくなっていってくれたらなというところで見ている」  開幕前から守護神に指名し、まだ17試合のうち5度しかマウンドに上がっていない。まずは変わらぬ信頼感を口にした。しかし、改めて今後の起用法を問われると「終わったばかりなんで、今すぐ考えられない。みんな(報道陣)に言えるようなことは何も無いです」と言葉をつぐんだ。  このまま不調の藤川を使い続けるのか、それとも配置転換や2軍での調整もあるのか。日米通算250セーブまであと『5』としたところで、先行きが不透明になってきた。今月21日に40歳を迎える守護神が崖っぷちだ。  「何もやることは変わらないのでね。前を向いて、胸を張ってやっていきます」  指揮官は懸命に気持ちを切り替えた。雨による整備のため試合開始が46分遅れながらも、ボーアの4号2ランで先制し、西勇が無失点で勝利の方程式につないだ。最高の勝ちパターンで5連勝を逃したダメージは大きい。勢いづいてきた矢野阪神に試練が訪れた。(大石豊佳)

◆泣くな西勇!! 強力なDeNA打線を相手に6回1/3を6安打無失点、7奪三振とほぼ完璧に封じ込んだのに白星がスルリとこぼれ落ちていった...。  うえーん、うえーん。怖い怖いソトに対して、三回は内角ぎりぎりのツーシームで空振り三振、そして五回の対戦では外へ逃げていくスライダーでまたもや空振りの三振。ソトはこの"内外"を限りなく広く使われた投球に、ストライクゾーンが横にした畳くらいに見えていたと思うのだ。  その西の芸術的投球を生かせず、九回は守護神の藤川がソトに逆転のアーチを...。西に泣くなと言った俺が大号泣してんじゃねーか。だけど、藤川を責めるのは、実は酷だと思う!!   前にも述べたが、老兵には老兵が生きるポジションを矢野監督が与えるべき。藤川は途中の一殺仕置人、スアレスを最後にして、落ちるボール切れ切れの馬場を八回がいいと思うのだ!!   試合とは別に、約5000人の観客を2日間みた俺が思ったこと...。  「昔のパ・リーグより、入ってるじゃん。これじゃ、ムース(ノムさんの現役時代のニックネーム)がヘソ曲がりになるのもわかるよ!」  猛虎ナインよ、5000人の幸せを感じて野球をしてくれ!!

◆藤川が九回、ソトに決勝弾を浴びた場面を振り返ろう。初球ボール。2球目空振り。ともに真っすぐだった。3球目、フォークが抜けて高めの完全なボール球に。そして4球目、真っすぐを痛打された。今の藤川を象徴している打席だ。  真っすぐが来ると分かっても打てない。バットに当たらない。これが全盛期の藤川。だが、今の藤川の真っすぐは、全盛時とは違う。ソトは3球目のフォークがボール球になった瞬間に、「勝負球は真っすぐしかない」と見切って、狙い打たれた。この日の真っすぐは、ここ何試合かと比較すると、まだ勢いはあったが、それでも中心打者には強打される。  どうすればいいか? 基本の真っすぐを生かすために、フォークを低めのストライクゾーンに制球する必要がある。この日のような、抜けて完全なボール球になるフォークではダメ。  藤川に、走りこめ、投げ込めとは言わない。フォークを磨け。登板間隔を空けたりしても無駄。マウンドで、1軍の実戦のなかで、取り戻すことだけが、藤川が復調できる道だ。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1061 0.625
(↓0.042)
-
(-)
10388
(+4)
60
(+9)
21
(+1)
12
(-)
0.263
(-)
3.490
(↓0.28)
2
(-)
ヤクルト
1071 0.588
(↑0.025)
0.5
(↓1)
10289
(+9)
89
(+4)
18
(+1)
16
(-)
0.250
(↑0.002)
4.360
(↑0.02)
3
(-)
DeNA
1180 0.579
(↑0.023)
0.5
(↓1)
10190
(+4)
69
(+2)
20
(+1)
3
(-)
0.292
(↓0.002)
3.560
(↑0.09)
4
(1↑)
広島
791 0.438
(↑0.038)
3
(↑1)
10385
(+19)
72
(+4)
19
(+1)
7
(+2)
0.285
(↑0.016)
4.100
(-)
5
(1↓)
中日
8111 0.421
(↓0.023)
3.5
(-)
10071
(+4)
101
(+19)
12
(+1)
3
(-)
0.261
(↑0.002)
4.960
(↓0.75)
6
(-)
阪神
6110 0.353
(↓0.022)
4.5
(-)
10348
(+2)
80
(+4)
18
(+1)
13
(-)
0.228
(-)
4.580
(↑0.1)