中日(☆5対0★)阪神 =リーグ戦1回戦(2020.06.30)・ナゴヤドーム=
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阪神
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中日
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勝利投手:柳 裕也(1勝1敗0S)
敗戦投手:青柳 晃洋(1勝1敗0S)

本塁打
【中日】アルモンテ(1号・7回裏満塁)

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◆中日は両軍無得点のまま迎えた6回裏、阿部の適時打で先制に成功する。続く7回には、アルモンテのグランドスラムが飛び出し、相手を突き放した。投げては、先発・柳が7回無失点の好投で今季初勝利。敗れた阪神は、2番手・能見がつかまり、打線も5安打無得点と沈黙した。

◆中日-阪神1回戦の先発メンバーが発表された。阪神先発の青柳晃洋投手(26)は、今季初先発の23日ヤクルト戦(神宮)で7回途中無失点と好投し、チームに今季初勝利をもたらした。阪神の4~6番は、この日も3人の外国人野手「MBS砲」が並んだ。

◆阪神ジャスティン・ボーア内野手(32)が、"来日初エラー"を記録した。2回1死、中日高橋の緩いゴロを捕球しようとしたが、打球はグラブをかすめて一塁線をコロコロ。 高橋は一塁に生き、ボーアは天を仰いだ。阪神は昨季両リーグ最多の102失策だったものの、今季はここまで投手小川の1失策だけ。2回にセンター前へ安打したボーアだったが、今季野手では初の失策となった。ただ、青柳が続く阿部を併殺に打ち取り、ことなきを得た。

◆阪神青柳晃洋投手(26)が、今季2試合目で初めて失点した。両チーム無得点で迎えた6回2死一、二塁で中日阿部にフルカウントからの100球目、変化球を捉えられ、右前に運ばれた。二塁走者の平田が先制のホームを踏んだ。 前回登板の23日ヤクルト戦(神宮)では7回途中まで無失点と好投し、チームに今季初勝利をもたらしていた。7回に代打を送られ、6回1失点。「試合の入りはよかったのですが、自分自身のミスを含めランナーをためてしまったのは反省点です。その中でも何とか粘りの投球はできたのであとはチームが逆転してくれることを信じて応援します」と語った。

◆阪神が中日先発の柳を攻めきれず、7回まで無得点。3回に先頭の梅野が二塁打を放ち無死二塁とするが、青柳が送りバントを失敗するなど先制チャンスを逃した。 4回1死から連続四球で一、二塁とするがサンズが併殺打。6回1死一、二塁でもマルテが三ゴロ併殺。7回2死一、二塁でも代打大山が三ゴロに倒れ、好機をつかんでも生かし切れず、6回1失点と好投の青柳を援護できない。

◆阪神能見篤史投手(41)が、今季チーム初となる満塁弾を浴びた。 0-1の7回、先発の青柳のあとを受けて登板。先頭の木下拓を三振に取るも、武田に四球、大島に右前打、平田に四球で1死満塁。今季早くも5試合目の登板となるベテラン左腕は、アルモンテに初球を左翼スタンドに運ばれ、一気に4点を失った。

◆中日は柳、阪神は青柳が先発。柳は3回無死二塁のピンチを背負うが、無失点で切り抜けた。青柳も3回1安打無失点と好投。 中日は6回2死一、二塁から阿部の右前適時打で1点を先制。先発柳は、阪神打線を6回まで3安打無失点に抑えた。 中日は7回にアルモンテの1号満塁弾で加点。3投手での無失点リレーを決め、先発柳は今季初勝利を挙げた。阪神は2連敗。阪神青柳は1勝1敗。

◆今季初昇格した阪神の右腕馬場皐輔投手が即アピールした。 中継ぎ要員として望月とともに1軍へ合流。8回に4番手で登板し、スプリットで2三振を奪うなど3者凡退に片づけた。 「今シーズン1軍での初登板だったのですが、しっかり落ち着いて自分の持ち味である低めに投げることができました。意識して取り組んでいたことが出せましたし、次につながる投球ができたと思います」。昨季6月以来の1軍マウンドで17年のドラ1が結果を残した。

◆出口はどこだ? 阪神打線が打てない。中日投手陣に完封リレーを許し、直前のDeNA戦から18イニング連続無得点。矢野監督は「突破口が見えない」と苦しい現実に青息吐息。首位巨人と早くも5・5ゲーム差。試合消化数の違いはあれど、阪神が過去優勝したシーズンで最大逆転は6・5差まで。いやなデータが忍び寄る。シーズン2度目のゼロ封負けを喫した。先発青柳が6回1失点と力投も援護できず。矢野監督は「ゴロをよく打たせて、らしいピッチングができたと思う。打線が打てないので、それに尽きるよね」と力なく話した。チームは開幕から10試合を終えて2勝8敗。借金は今季ワーストを更新して6まで膨らんでしまった。 虎打線がまるで金縛りにあったようだ。特徴的だったのは、結成3試合目となった「MBS」トリオ。4回には1死から4番マルテ、5番ボーアが連続で四球を選んで1死一、二塁の好機をつくったが、6番サンズが中日柳のカーブを引っかけて最悪の三ゴロ併殺。6回は1死一、二塁で、マルテが三ゴロ併殺。中軸の助っ人野手3人が11打席1安打では、打線に爆発力は生まれない。 ゼロ地獄が続く。6月28日DeNA戦の2回から17イニング連続無得点。この日も得点圏に走者を4度置いたが、本塁どころか三塁すら踏むことが出来なかった。今季最多の3併殺打が歯がゆさを強める。矢野監督も「これだけみんな悪いとね...。ちょっと...」と言葉が続かない。チーム打率は12球団ワーストの2割1厘。貧打解消の糸口が見えない状況で、指揮官は必死に前を向く。 「明日も試合がもちろんあるんで。何か変えたいんやけど、なかなか突破口というのが見えない状況。何とか個人個人の状態を上げることがないとね」 首位巨人がDeNAを下し、ゲーム差は5・5差に広がった。阪神がリーグ優勝した過去5シーズンのうち、首位との最大ゲーム差は64年の6・5差。7月1日に阪神●、巨人○なら危険水域に足を踏み入れることになる。まだ、始まってわずか10試合。だが、異例のシーズン120試合制を考慮すれば、1つの負けの意味は大きい。打線立て直しは急務だ。【桝井聡】 ▼阪神が10試合消化時点で2勝8敗は、球団ワーストタイ。過去2度あり、63年は3位と巻き返したが、91年はそのまま最下位に沈んでいる。 ▽阪神井上打撃コーチ マルテやサンズも、ボールを狙っていた結果が三塁ゴロになっている。そこを問い詰めると、今度はバットが出なくなる。もちろん勝ちにこだわってやっている。最終的に投手が打たれたが小まめに1点、2点と入れられない野手のせい。絶好調の人間がなかなか出てこないのが、こういう結果になっている。何かのキッカケをつかむまで、我慢。中途半端でちゃらんぽらんな練習をして、全然何もしていのならば仕方ないが、みんながやることをやっている。そういうところは見てきている。見守る側としては、我慢してあげないといけないと思う。

◆阪神先発青柳晃洋投手(26)の開幕2連勝はならなかった。6回4安打1失点と力投したが、打線の援護に恵まれなかった。 「試合の入りは良かったのですが、自分自身のミスを含め、ランナーをためてしまったのは反省点です」 初回はツーシームを主体に3者凡退。2回1死からボーアの失策で走者を出すも、阿部を外角低めのツーシームで遊ゴロ併殺。4回1死一塁の場面でも、高橋を初球のツーシームで一ゴロ併殺打に打ち取った。4回まで12個のアウトのうちゴロアウトが9個。打たせて取る持ち味がさえた。 0-0の6回、先頭の平田に四球を出し、最後は2死一、二塁から阿部に内角へのツーシームを捉えられて先制の右前適時打。「3-2にした時点で、カウント負けだったかなと。打ち取れるボールで勝負しにいったんですけど、結果として落ちてしまった」。粘りの投球を見せていただけに、痛恨の1球となった。 今季初先発だった前回23日ヤクルト戦は、7回途中無失点で初白星。この日も走者を出しながら1失点で踏ん張り、カード頭として頼もしい投球を続けている。青柳の防御率0・75は、ここまで2戦を投げたセパ両リーグの先発投手陣の中で1位だ。矢野監督も「ゴロをよく打たせて、らしいピッチングができたと思う。打線が打てないので、それに尽きるよ」とねぎらった。チームを引っ張る好投を続け、次回は白星をつかみたい。【磯綾乃】

◆阪神近本光司外野手に3試合、14打席ぶりのヒットが生まれた。6回に先頭打者で迎えた第3打席。詰まった当たりだったが、ジャンプした遊撃京田が捕れず、レフト前へ落ちた。 6月26日のDeNA戦の4回に打って以来の1本が出た。ただ、1回と3回は2打席連続で空振り三振に倒れるなど、4打数1安打。本来の調子には遠いが、1歩ずつ状態を上げていく。

◆2試合連続スタメンマスクの阪神梅野隆太郎捕手が、リードと好守とバットで青柳を盛り立てた。 0-0の5回無死一、二塁。木下拓が捕手前に転がした打球を素早く処理して三塁送球。セーフと判定されたが、矢野監督のリクエストにより、アウトに覆った。 1死一、二塁から柳、大島を打ち取り、無失点で切り抜けた。打っても3回の初打席で右翼フェンス上部を直撃する二塁打を放ち、見せ場をつくった。

◆阪神能見篤史投手の今季チーム初となる満塁被弾で試合は決した。0-1の7回に2番手で登板。1死から2四球と大島の安打で満塁を許し、アルモンテに初球の直球を左翼席へ運ばれた。 能見が満塁弾を浴びたのは、07年4月29日の広島戦で広瀬に打たれて以来。10試合で早くも5度目の登板で通算5失点となり、試合前2・25だった防御率は10・38にふくれあがった。ベテラン左腕にとって痛恨の1球、被弾になった。1死走者なしでフルカウントから代打武田の内角を厳しく突いた直球がボールになった際、珍しくポーカーフェースをほどいて何かつぶやく場面があった。

◆中日ソイロ・アルモンテ外野手が来日3年目で初のグランドスラムで試合を決めた。 1点リードの7回1死満塁。阪神能見の内角ストレートをさばき、左翼席中段へ1号満塁本塁打。「(満塁弾は)アメリカの2A時代に打って以来。人生2度目だよ」。早出特打でロングティーで調整した成果が表れ、ヒゲのスイッチヒッターはご機嫌だった。

◆阪神は今季2度目の完封負け。矢野燿大監督のコメント。 先発青柳が6回1失点と力投も援護できず。 「ゴロをよく打たせて、らしいピッチングができたと思う。打線が打てないので、それに尽きるよね」 6月28日DeNA戦の2回から17イニング連続無得点。 「これだけみんな悪いとね...。ちょっと...。明日も試合がもちろんあるんで。何か変えたいんやけど、なかなか突破口というのが見えない状況。何とか個人個人の状態を上げることがないとね」

◆中日与田剛監督(7回無失点の柳について) 「制球が非常に良かった。緩急をうまく使えた。配球も、木下拓がうまくリードした」

◆阪神が30日、中日戦(ナゴヤドーム)の守備でミスを連発した。  最初のミスは二回1死、高橋の一塁線のゴロをボーアが前に出てグラブを下ろすも捕球しきれず。来日初失策で、これがチームの野手で今季初エラーとなった。  続く三回、先頭・京田の投ゴロを青柳が一塁へバウンド送球。記録は内野安打となったが、十分にアウトを取れるはずの打球だった。  どちらも失点には至らず、互いに無得点のまま試合は中盤戦に突入。阪神は昨季12球団最多の102失策を喫したが、今季はこの試合前までエラーは投手のD6位・小川(東海大九州)が20日巨人戦(東京ドーム)で犠打処理をミスした1つだけだった。

◆中日・柳裕也投手(26)が30日、阪神1回戦(ナゴヤドーム)に先発し、7回無失点と好投した。  「何回もピンチがありましたがベンチが信じて続投させてくれたので、その思いに応えたかった」  試合前から意識していた、マルテ、ボーア、サンズの助っ人トリオをしっかりと封じ込めた。  四回は1死から、マルテとボーアともにフルカウントから連続四球を与えたが、サンズを三ゴロ併殺に、六回も1死一、二塁で4番・マルテを三ゴロ併殺に抑えてピンチを断った。  いずれも結果球は試合を通してカウント球としても有効的に投げ込んでいたカーブ。的を絞らせることなく散発の3安打のみ。7イニング中4度も得点圏に走者を背負う苦しい投球が続いたが、118球の熱投で7個のゼロを並べてみせた。

◆中日のソイロ・アルモンテ外野手(31)が30日、阪神1回戦(ナゴヤドーム)に「3番・左翼」で出場し、1-0の八回1死満塁で左翼への今季第1号となるアーチを放った。  「積極的にいった。みんなが塁を貯めてくれたので、外野フライでもいいという気持ちで打席に臨んだ。インコースの厳しいボールだったが、いい反応で打てました」  先発した柳が7回を無得点に抑える好投を見せていた。1点差の中で八回は1死から柳の代打・武田が四球を選び、大島の右前打と平田の死球で満塁。ここでアルモンテに打順が巡ってきた。  阪神の左腕・能見の投じた初球、142キロの直球をうまく肘をたたみ振り抜くと、打球は無人の左翼席で弾んだ。貴重な一発は背番号「42」にとって来日初となる満塁弾だった。

◆阪神は30日、ナゴヤドームで中日に0-5で敗れた。開幕から10試合を消化して2勝8敗となり、2勝しかできなかったのは1991年以来29年ぶり3度目で、球団史上ワーストタイとなった。  先発の青柳は2つの併殺を奪うなど粘りの投球。0-0の六回2死一、二塁から阿部に適時打を浴びたが、この1失点だけ。6回4安打1失点で2番手・能見につないだ。七回にそのベテラン左腕がアルモンテに満塁弾を許して大勢が決した。  打線は散発5安打。3併殺の拙攻で今季2度目の完封負けとなった。10試合で19得点と貧打が重くのしかかっている。

◆粘投していた阪神・青柳がマウンドで悔しそうな表情を浮かべた。30日の中日戦(ナゴヤドーム)、0-0の六回、2死一、二塁。阿部に投じたツーシームを右前に運ばれた。6回1失点に抑えても援護なし。初黒星を喫したサイド右腕はうなだれた。  「試合の入りは良かったのですが、自分自身のミスを含め、走者をためてしまったのは反省点です」  今季初登板だった6月23日のヤクルト戦(神宮)は七回途中1安打無失点の好投。チームの連敗を「3」で止めた。  開幕から9試合。これが阪神の先発陣が挙げた唯一の白星だった。先発投手が五回をもたずに降板したのが4試合もある。中継ぎ投手の負担軽減のためにも、長いイニングを投げて勝つことをテーマに掲げた。  「カードの頭を任されている以上、長いイニングを投げなければいけない責任感がある。(中日は)いい打者が多く、一発もあるチーム。丁寧に投げていきたい」  ピンチは招いたが、五回まで得点は許さなかった。三回。先頭・京田の投手正面へのゴロを処理し、一塁へバウンドさせて送球。これがツーバウンドとなってセーフ(記録は内野安打)にしてしまう。ここから2死一、二塁のピンチを招いたが、平田をスライダーでバットの空を切らせた。四回は1死一塁で、高橋をツーシームで一ゴロ併殺。迎えた五回、安打と死球で招いた無死一、二塁のピンチもしのいだ。6回1失点と最少失点に抑えたが、無援に泣いた。  2番手・能見が七回につかまり、アルモンテに満塁被弾と炎上。開幕10試合を終え、2勝8敗の惨状だ。

◆阪神は30日、ナゴヤドームで5位の中日に0-5で敗れた。矢野監督は6回1失点と好投しながら打線が援護できなかった先発青柳について「ゴロを打たせて、らしいピッチングができたけど、打線が打てないんで。それに尽きるやろうなあ」と話した。  得点圏に4度走者を進めたが、あと一本が出なかった。5安打で今季2度目の零敗を喫した深刻な貧打について「これだけみんな悪いとね。四球、四球をもらってるところもあってもね。本当にちょっと苦しい状況ではあるんだけど。あしたも試合はもちろんあるんで、何とか変えたいんだけど、なかなか突破口がみえない」と話した。  1点を追う六回2死一、二塁で右投手の柳に対して、右の代打に大山を選択した。左の代打は福留、高山らが控えていたが「どうせ左がきたってね。絶対に左が来る場面。だったら柳対悠輔(大山)で勝負にいったんで」と説明したが、三ゴロに倒れ、無得点に終わった。  糸井とマルテは好調だが、他の打者の状態が上がってこない。  「マルちゃん(マルテ)と嘉男(糸井)がね、いいというよりも本来の自分の力を出してくれているけど、みんな、まわりがね。まあ、リュウ(梅野)もまあ別に悪くないけど。つながらないんで、どうやってもこれは。本当に前を向いてやるしかない。それしか言いようがなくて申し訳ないんやけど」と声を絞り出した。

◆1日の中日戦(ナゴヤドーム)に先発する阪神・秋山は30日、ランニング、キャッチボールなどで調整した。ガンケルが抹消されたため、中5日での登板となる。  「初回の入り、先頭打者への入りを大事にして、しっかり踏ん張っていけば、長いイニングを投げられると思う」と自信をみせた。前回6月25日のヤクルト戦は七回途中6安打無失点で、春季キャンプの実戦から34イニング連続無失点と好調をキープしている。

◆投手戦で粘りを発揮してつかんだ今季初勝利。右のエースとして期待を背負うからこそ、中日・柳は懸命に腕を振った。  「相手の青柳さんもいい投球をされていたので、絶対に点数をあげないという気持ちで腕を振りました」  7回を無失点。4イニングで得点圏に走者を背負う苦しい投球が続いたが、試合前から警戒した助っ人トリオには、四回にサンズ、六回にはマルテにカーブを引っかけさせて、ともに三ゴロ併殺と仕事をさせず。118球で7個のゼロを並べて役目を全うした。  前回6月23日のDeNA戦(横浜)では6回3失点で、浜口との投手戦に投げ負けた。翌日、伊東ヘッドコーチから「今年のお前はこういう試合が増える。そういう試合を勝っていくことで成長につながる」と声をかけてもらった。好投手との投げ合いも多い、裏ローテの頭(火曜日)。今度はしっかりとチームに勝利をもらたした。  「次もチームが勝てるよう、1球1球腕を振っていきたいと思います」  昨年12月に第1子の長男が生まれ、パパとしても1勝。愛妻と愛息に届ける思い出のウイニングボールとなった。(須藤佳裕)

◆阪神・馬場が昇格し、今季初登板。4番手として八回のマウンドに上がると、2つの三振を奪うなど打者3人を完璧に抑え「しっかり落ち着いて持ち味である低めに投げることができた。意識して取り組んでいたことが出せたし、次につながる投球ができたと思う」とうなずいた。守屋、エドワーズの離脱で手薄な中継ぎ陣。ロングリリーフも可能な右腕が窮地を救う。

◆痛恨の一撃にがっくりと肩を落とした。0-1の七回から2番手で登板した阪神・能見は2つの四球などで1死満塁のピンチとすると、アルモンテに本塁打を許した。今季は試合前まで4試合で計4回1失点、防御率2・25と安定していたが...。救援陣崩壊の流れに飲み込まれてしまった。

◆切り札として登場した阪神・大山も不発。1点を先制された直後の七回2死一、二塁。好投の青柳の代打で三ゴロに倒れた。福留と、中日・柳に昨季8打数5安打の高山も残っていたが、矢野監督は「(福留と高山には)絶対に左(投手)がくる。だったら柳対悠輔で勝負」と選択。大山は28日のDeNA戦(横浜)で代打で二塁打。井上打撃コーチも「横浜でもいいの(打球)を打ったから」と期待したが、封じられた。

◆う、打てな~い...グスン(涙)。10試合目だけど、1桁安打は実に7試合(しかも全て6安打以下だかんね)。青柳かわいそうだよ~6回を4安打1失点で黒星って...。どーすりゃいいのよ!!  今年はコロナウイルスの影響もあり試合数が120と少ないだけに、この2勝8敗は普通に考えたら絶望的なのだ!!  これはですね、現在無観客試合ですが、7月に5000人のお客さんを入れ、そしてもしかしたら8月に5万人の大観衆がスタンドにあふれる、あの真のプロ野球が戻ってくる...そこまで借金20で絶望的な阪神タイガースがファンの熱い熱い後押しにより、あれよあれよの30連勝をしてプロ野球界を(そしてコロナで元気を失った日本を)元気づけようという、前振りに違いないのだ...。  とでも思わなきゃ、この弱さやってられへんわー!! そんな妄想の世界を浮かべなきゃ日々がつらいよー!! 阪神さん、全国の虎党を1日も早く妄想からマトモな試合になる現実に戻してくれー!!

◆打てなくとも、1点ビハインドで耐えていた。ワンチャンスで追いつき、追い越せる。逆転への望みは七回、アルモンテのグランドスラムで絶たれた。ざんげしたのは今季から虎に加わった、井上打撃コーチだった。  「最終的に投手がポンと打たれたけど、それは小まめに1点とか2点とか数字をとれない野手のせい」  2番手・能見が1死満塁のピンチを招くと、アルモンテに被弾。大勢が決した。  自慢のリリーフ陣、というフレーズが信じられないことになってきた。  今季の救援防御率は10・01。昨年の2・70とは雲泥の差だ。投手陣で粘って接戦をものにするのが矢野虎だった。しかし今季は接戦を終盤に突き放され、結果的に大敗が相次いでいる。  救援陣は開幕から10試合連続失点。12球団唯一、2番手以降で無失点リレーがない。貧打と投壊の負のスパイラルは大きくなるばかりだ。  誤算も大きい。岩崎、スアレス、藤川の勝ちパターンに準じる役割を、まずは新外国人エドワーズに託すもくろみだった。しかし、わずか1試合の登板で、右肩コンディション不良を訴えて26日に抹消。その代役は新人のD6位・小川(東海大九州)に託すことになったが、ルーキーも不安定だった。この日の能見も同じ。昨季は島本や守屋、ドリスが担ったポジション。ここが定まる目途がたたない状況では、同じことの繰り返しだ。  この重苦しい雰囲気を吹き飛ばすのは打線しかない。打線が活気づけば、ブルペンも復活の兆しが見えてくるはず-。  井上打撃コーチは「やることはやってきているだけに、見守る側とすれば我慢をするしかない。なにかのきっかけをつかむまで我慢」と歯を食いしばったが...。具体的なプランが見当たらないのも事実。打たないから、投手が踏ん張れない。悪循環に陥っている。

◆阪神・近本が14打席ぶりの安打を放った。六回、先頭で打席に入ると、柳の129キロ変化球にうまくバットを合わせ、左前打。久々の感触に表情を緩めた。しかし、三回1死二塁の好機では痛恨の空振り三振。2打席連続でバットが空を切るなど、本調子からは遠い。チーム浮上のキーマンとして、この「H」ランプを復調のきっかけとしたい。

◆粘投も報われなかった。0-0の六回2死一、二塁。中日・阿部の打球が一、二塁間をゴロで抜けると、青柳はマウンド上で顔をしかめた。  「打ち取れるボールで勝負しにいったが...。結果として打たれてしまったので。フルカウントにしたのが反省です」  6回103球を投げて4安打1失点。4四死球。二回以降、毎回走者を許す苦しい投球が続いたが、低めを丁寧についてゴロアウトは8つ。最少失点にしのいでいた。  "青柳劇場"もあった。三回、京田の投手正面のゴロを処理して、一塁にバウンドさせて送球。これがツーバウンドとなってセーフ(記録は内野安打)にした。その後、2死一、二塁のピンチを招いたが、平田をスライダーでバットの空を切らせると、五回には内野安打と死球で作った無死一、二塁のピンチを切り抜けた。相手から次々と投前へのバントを狙われたが、封じ込めた。  今季初登板だった23日のヤクルト戦(神宮)は七回途中1安打無失点。開幕から10試合を消化したが、阪神の先発陣が挙げた唯一の白星だった。この日も6回1失点。打線の援護に恵まれず、防御率0・75でセ・リーグトップに浮上したのは、あまりにも皮肉。矢野監督は「ゴロ打たせて"らしい"ピッチングができたけど、打線が打てないんで。それに尽きるやろうなあ」とフォローした。  青柳は「負けちゃったんで。悔しいです」と歯を食いしばった。西勇とともに3連戦の頭を任されている。いくら好投しても負けは負け。青柳の次回登板は、甲子園開幕となる7月7日の巨人戦が有力。この悔しさは、敵地で開幕3連敗を喫した"伝統の一戦"でぶつける。(三木建次)

◆どこまで極貧やねん! 阪神は中日に5安打零封負け。開幕10試合を2勝8敗とし、1991年以来、球団ワースト記録となった。1試合平均1・9得点では、勝てるはずがない。首位・巨人とは早くも5・5ゲーム差。矢野燿大監督(51)の嘆き節は止まらないが、もうええ加減、どうにかしてくれ!  ホームが遠いどころか、三塁も踏めなかった。好機を作っても一瞬で終わる。虎ベンチの声は回を追うごとに消えていった。1試合平均1・9得点で勝てるわけがない。打つ手もなくなった矢野監督は意気消沈していた。八方ふさがりの状況に追い込まれた。  「う~ん、これだけみんな悪いとね。本当にちょっと、苦しい状況ではある。何とか変えたいんだけど、なかなか突破口がみえないんで」  最大の勝負手は1点を追う七回2死一、二塁だった。好投していた青柳に代打・大山を選択。ベンチでは経験豊富な福留や、柳と昨季8打数5安打の高山もいたが、「(福留と高山には)絶対に左(投手)がくる」と相手の動きを見込んだ。しかし、大山は三ゴロ。助っ人陣も不発だった。四回1死一、二塁ではサンズが三ゴロ併殺。八回1死一塁で糸井も二ゴロ併殺。今季最多の3併殺を頼みの綱が演出し、2度目の零封負けだ。  開幕10試合で2勝8敗は1991年以来の球団ワースト記録で、29年ぶり3度目の屈辱となった。リードできず、中盤以降に突き放される同じパターン。8敗はすべて2得点以下だ。10試合を消化した時点で19得点は、59年の17得点に次ぐ球団ワースト2番目。チーム打率・201も3番目。"歴史的貧打"の打線は17イニング連続無得点と重症だ。  「なんとか個人個人で状態を上げるっていうことがないと、やっぱり。打順(の組み方)といってもそんなに。なんかこう、(効果が)あるかなっていうのもあるので」  打線の組み替えに糸口を探してきた指揮官は今季初めて前の試合と同じオーダーを組んだが、正攻法もむなしい。試合前には打撃不振の近本に約2分間、身ぶり手ぶりで助言。六回先頭で近本は14打席ぶりの安打を放ったがホームが遠かった。  就任1年目の昨季は3位も、チーム得点はセ・リーグワーストの538(1位は巨人の663)。攻撃に厚みを増すべく、井上打撃コーチの加入など首脳陣を改革。さらにマルテ、サンズ、ボーアと野手助っ人3人制を基本線としたが、大誤算。開幕からひたすら最下位をひた走るとは、誰が想像しただろうか...。  「つながらないんで、どうやっても。本当に前を向いてやるしかない。それしかいいようがなくて申し訳ないんやけど」  打開策どころかヒントを探すことすら難しい。首位・巨人と5・5ゲーム差、5位と2ゲーム差も今季最大。危機的状況だ。(安藤理)

◆七回に2番手でマウンドに上がった阪神・能見には力みがあったように見えた。武田の四球、平田の四球の時点で、外に落とすなどの緩急も少なく、珍しいなと感じた。自分のペースにはまってこないまま走者をため、詰まらせるはずのアルモンテへの内角直球が、甘く入った。  能見は本来であれば、内角を挟みながら、右打ちの外国人打者もうまく打ち取れる投手だ。四球の後の、外国人に対する初球で、ベテランらしくなかった。このチーム状況で、どうしても抑えなくてはと、力みが入ったのだろう。  ビハインドで終盤を迎え「ここで踏ん張ってくれれば」というところで中継ぎ陣が失点を重ねてしまうゲームが続く。ベンチとしては、能見でそういったものを断ち切ろうと思ったのだろうが、1点も与えられないという悪循環に、能見までもが陥ってしまった。  まずは打線が大量点を取っていくことが薬だ。そしてリリーフは、1、2点負けている展開でも1、2回をキッチリと抑えられる投手が出てこなくては、軌道に乗っていけない。この投打のチグハグを、一刻も早く解消していかなくてはいけない。(本紙専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
721 0.778
(↑0.028)
-
(-)
11059
(+5)
32
(+2)
15
(+3)
8
(+1)
0.277
(↓0.005)
3.200
(↑0.13)
2
(1↑)
広島
531 0.625
(-)
1.5
(↓0.5)
11143
(-)
27
(-)
15
(-)
3
(-)
0.281
(-)
2.850
(-)
3
(1↓)
DeNA
640 0.600
(↓0.067)
1.5
(↓1)
11047
(+2)
34
(+5)
10
(-)
0
(-)
0.293
(↓0.013)
3.240
(↓0.24)
4
(-)
ヤクルト
450 0.444
(-)
3
(↓0.5)
11137
(-)
44
(-)
10
(-)
6
(-)
0.256
(-)
4.170
(-)
5
(-)
中日
460 0.400
(↑0.067)
3.5
(-)
11033
(+5)
44
(-)
6
(+1)
1
(-)
0.272
(↓0.005)
4.450
(↑0.51)
6
(-)
阪神
280 0.200
(↓0.022)
5.5
(↓1)
11019
(-)
57
(+5)
7
(-)
9
(+1)
0.201
(↓0.003)
5.440
(↓0.02)