DeNA(☆9対1★)阪神 =リーグ戦3回戦(2020.06.28)・横浜スタジアム=
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阪神
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DeNA
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勝利投手:平良 拳太郎(1勝0敗0S)
敗戦投手:中田 賢一(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆DeNAは先制を許した直後の1回裏、佐野、宮崎、戸柱の3者連続適時打で3点を奪い、逆転に成功する。4-1で迎えた7回には、柴田と大和の連続適時打で3点を追加した。投げては、先発・平良が6回1失点の好投で今季初勝利。敗れた阪神は、打線が5安打1得点と沈黙した。

◆DeNA新4番の佐野恵太内野手(25)が絶好調。開幕から8試合に出場して31打数11安打、打率3割5分5厘。開幕戦から8試合連続で安打を記録しているのは佐野だけだ。今日も快音が出るか。

◆DeNA-阪神のスタメンが発表された。DeNAの先発は平良拳太郎投手(24)、阪神の先発はソフトバンクから移籍して今季初登板となる中田賢一投手(38)。 1軍初昇格した前日27日DeNA戦でいきなり逆転3ランを放ったジェリー・サンズ外野手(32)は2試合連続で6番スタメン起用され、2日連続でジャスティン・ボーア内野手(32)、ジェフリー・マルテ内野手(29)との助っ人野手3人スタメンが実現した。 3人併用が続き注目のスタメンマスクは梅野隆太郎捕手(29)が2戦ぶりに先発。打率0割9分5厘と本調子ではない福留孝介外野手(43)は2戦連続でスタメンを外れた。

◆阪神が糸井嘉男外野手(38)の適時打で2試合連続の先制に成功した。 初回からDeNA先発の右腕平良を攻め込む。先頭の近本が四球で出塁すると、すかさず盗塁。1死二塁から3番糸井が外角変化球を捉え、三遊間を破った。二塁走者の近本は快足を飛ばして悠々と生還。試合開始から13球の速攻だった。糸井は27日の2ランに続く、2試合連続打点となった。

◆阪神中田賢一投手(38)が移籍後初先発で初回に3失点した。 1回表に1点リードをもらったが、1回裏に5安打を集められて3失点。 2死二塁から4番佐野に左翼フェンス直撃の同点二塁打を許すと、5番宮崎には勝ち越しの右中間適時二塁打、6番戸柱にも中前適時打を浴びた。 通算100勝右腕はオフにソフトバンクから移籍。当初は開幕ローテ有力候補だったが、実戦で不安定な投球が続いた結果、1軍開幕ローテから外れていた。

◆阪神阪神に新加入した中田賢一投手はホロ苦いタテジマデビュー戦になってしまった。今季初登板初先発は1回に大砲のソト、オースティンを抑えた後、暗転した。2死二塁で、佐野に外角速球を強振され、左翼フェンス直撃の適時二塁打を許した。 速球の制球を欠き、変化球主体の組み立てになる。なおも2死二塁。宮崎に初球の高め外角スライダーを的確に打たれ、右中間突破の適時打を浴びた。戸柱には低めフォークを拾われて中前適時打...。先制の1点を守れず、4連打など5安打を集中されて、痛恨の3失点を喫してしまった。 「立ち上がりがすべてだった。立ち上がりさえ、しのいでいれば、球数的にもっと長いイニングを投げることができた。連戦が続くなかで早くマウンドを降りてしまったことは申し訳ないですし、すごく悔しい」 開幕ローテーションを逃したが、チャンスが巡ってきた。試合前までDeNAに通算17勝7敗1セーブで、球団別で最多勝利数を誇る好相性だった。2回以降は走者を出しながら粘ったが4回3失点で降板。矢野監督は「球は良かったと思うよ。立ち上がりはみんな難しい。もう1回、チャンスがある球に見えた」と評した。新天地での白星はお預けだったが、有力視される7月5日広島戦の先発で再トライする。【酒井俊作】

◆DeNAの4番佐野恵太内野手が開幕から9試合連続安打となる同点の適時二塁打を放った 。1点を追う1回2死二塁、阪神先発中田の外角低め145キロ直球を左越えにはじきかえした。「追い込まれていたのでコンパクトにスイングすることを心掛けました。ランナーをかえすことができよかったです」と笑顔で話した。

◆阪神の新助っ人ジャスティン・ボーア内野手(32)の左投手アレルギーが深刻だ。「5番一塁」で先発。7回の先頭、DeNA2番手の左腕石田に対したが、外角直球に見逃し三振。来日後の実戦から続く対左投手の連続無安打は26打席となった。シーズンでは8打数無安打。 26日の同カードでは相手先発が左腕今永のためにスタメンも外れた。左対左の克服が早急の課題となる。

◆阪神は1回に糸井の適時打で1点を先制。DeNAはその裏、4番佐野から3者連続の適時打で3点を奪い逆転した。 DeNAは5回、戸柱の内野ゴロの間に1点を追加。先発平良が丁寧な投球で6回まで2安打1失点に抑えた。 DeNAは終盤に5点を追加。継投で逃げ切りカード勝ち越しを決めた。平良が1勝。阪神は打線が機能しなかった。中田が1敗。

◆阪神は再び打線が沈黙し、22年ぶりとなる開幕3カード連続負け越しを喫した。 ソフトバンクから移籍してきた先発中田賢一投手(38)が虎デビュー戦で4回3失点。1点先制直後の1回裏にいきなり3失点する苦しい内容で、今季初黒星となった。 打線は1回表に3番糸井の適時打で幸先よく先制したが、2回以降はゼロ行進。前日27日DeNA戦で劇的な決勝逆転3ランを放った新助っ人ジェリー・サンズ外野手(32)も4打数無安打と抑え込まれた。 結局、打線は5安打1得点。中継ぎ陣も打ち込まれ、これで開幕9試合を終えて借金5の単独最下位。開幕から3カード連続負け越しは、最下位に沈んだ98年の吉田義男監督時代以来の屈辱だ。

◆高卒7年目で初の開幕ローテーションを務めるDeNA平良拳太郎投手が今季初勝利を挙げた。 変化球を低めに集めて6回を2安打1失点。変則右腕は「戸柱さんとコミュニケーションを取り、打者の反応を見ながら全球種を使えたことは良かったです」と話した。ラミレス監督も「素晴らしいピッチング。戸柱とのコンビもさえていたね」と評価した。

◆DeNAが快勝。0-1の1回に佐野、宮崎の適時二塁打などで3点を奪い逆転。4-1の7回には柴田の適時打と大和の2点二塁打で加点した。平良が6回1失点で今季初勝利。阪神は投打とも精彩を欠き、3カード連続の負け越し。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が開幕から続いていた代打勢の連続無安打をストップさせた。 8回1死で代打登場すると、左腕エスコバーの151キロ直球を強振し、左中間二塁打を決めた。 これが開幕から代打21人目での初安打。この日も5回に高山、7回に北條が代打で凡退していたが、大山がなんとか負のデータに終止符を打った。

◆阪神は再び打線が沈黙し、22年ぶりとなる開幕3カード連続負け越しを喫した。阪神の開幕から3カード連続負け越しは1998年(平10)以来22年ぶり。同年は3度目の就任をしていた吉田義男監督のもと、大豊泰昭、パウエル、そして矢野輝弘(後に燿大、現監督)ら大型補強を敢行しシーズンに臨んだ。だが5位広島に8ゲーム離された最下位。吉田監督は退任し、代わって前ヤクルトの野村克也監督を迎えた。 9試合終了時点で2勝7敗も98年以来で、球団ワーストタイ。過去6度のうち優勝は1度もない。63年3位、72年2位と盛り返したが、89年は5位で91、95、98年と3シーズン連続で最下位に沈んでいる。

◆38歳のベテランが、打線の灯火を消さない。阪神糸井嘉男外野手(38)が先制適時打を含むチーム唯一のマルチ安打で意地を見せた。 初回、DeNA先発平良の立ち上がりをたたいた。先頭の近本が四球で出塁すると、すかさず二盗。1死二塁で3番糸井がキッチリかえした。フルカウントからの6球目、外角低めに落ちる140キロシンカーを流し打ち。走者を警戒して広く空いた三遊間を破った。二塁走者の近本は快足を飛ばして生還。2試合連続打点の糸井は塁上でオリジナルの「糸巻き」ポーズを披露し、喜びを表現した。試合開始から13球、わずか5分の速攻だった。 超人は最後まで諦めない。8点ビハインドの最終回。先頭打者として3番手左腕エスコバーに食らいついた。追い込まれてから外角低めスライダーをバットに当て、三塁前へのボテボテのゴロで全力疾走。間一髪で一塁に駆け込み、内野安打をもぎ取った。手術した左足首の不安を感じさせない、2試合連続のマルチ安打。自身の休養日となった26日を挟み、連続試合安打を「7」に延ばした。試合状況に関係なく、最後まで全力プレーを貫いた。 3番に座って好調をキープする。開幕は1番に入ったが、打線改造によって3戦目からクリーンアップで起用。昨季100試合で先発した定位置で6戦3度のマルチ安打。打率4割1分7厘と結果を残している。27日の同カードで今季1号2ランを放った際には「絶対勝つ!」と、闘志を前面に表したコメント。元気のない打線の中で、ベテランが気を吐いている。 得意の夏場を前に、チーム3冠の成績ですでにフルスロットル。気温の上昇とともに、調子をさらに上げていく。気持ちを切り替え、名古屋に向かう。昨季、対中日は打率3割4分4厘と5球団で最も得意とした相手。背番号7のバットが、打線の呼応を待っている。【奥田隼人】

◆梅野バズーカは20年も健在だ。阪神の梅野隆太郎捕手が開幕から9試合目で5試合目の先発マスク。 まずは4回2死一塁から二盗を試みた梶谷を楽々と刺した。ベースまで滑り込む気を失わせるほど余裕のタイミングだった。6回2死一塁から再び梶谷の二盗を防ぎ、今季は3度企画された盗塁をすべて刺している。

◆矢野阪神が歴史的貧打で98年以来の開幕3カード連続負け越しとなった。8得点を奪った前日27日から一夜明け、5安打1得点と打線が沈黙した。開幕9試合で12球団ワーストとなるチーム打率2割4厘。球団では2リーグ分立後、ワースト3位となる低空飛行だ。投手陣も踏ん張れずに、2勝7敗。泥沼から抜け出させるのか。苦しい戦いが続く。勢いが2日続かない。矢野監督の悩みも深い。 「(好転の)きっかけになりそうな試合、2つしか勝ってないけど、2つとも2ケタ安打を打って、これで波に乗ってくれたらなというところがありながら...。今日も立ち上がり1点取って、あそこから点取れない。波に乗れないな、というのはもちろんある」 11安打するなど劇的な逆転勝利を飾った前夜から一転し、連打なしの5安打。今季初勝利の23日は12安打を記録したが、翌24日に4安打1点負け。前回同様、今回も打線は沈黙。今季初連勝とはいかなかった。 4番マルテ、5番ボーア、6番サンズと2戦連続で助っ人3野手そろい踏み出場のMBS打線で臨んだ。だが、前日逆転3ランを放ったサンズは無安打。2点を追う4回1死一、二塁でDeNA平良の外角球に手が出ず、見逃し三振。最終回も見逃し三振だった。 ボーアは9回にパットンから安打を放つなど、上昇気配をみせている。ただ、7回に石田から見逃し三振を喫し、対左腕とは来日後の実戦で26打席連続無安打(シーズンでは8打数無安打)。"左腕アレルギー"は解消できなかった。 さらに気がかりなのは1番近本。初回に四球と盗塁で先制点に貢献したが、2試合連続無安打で打率は規定到達者ワーストの1割1分4厘。矢野監督も「チカが機能してくると、相手にとっても嫌になる。近本の復調というか、まずは何回もチャンスメークを多くできるというのがウチにとって大事と思うけど」。昨年159安打でセ新人最多安打記録を更新したヒットメーカーの復調を願う。 チーム打率は12球団ワーストの2割4厘しかない。長い猛虎史を見ても、開幕9試合を終えた段階では、2リーグ分立後、ワースト3位となる数字だ。得点も19で12球団唯一の10点台。歴史的貧打もひびき、開幕から3カード連続負け越しは98年以来、22年ぶり。9試合終えた時点での2勝7敗も同年以来。打線の低迷だけでなく投手陣も12球団ワーストのチーム防御率5・42と、厳しい数字が並ぶ。次週こそ白星を連ねて、低空飛行から脱出したい。【松井周治】 ▽阪神清水ヘッドコーチ(逆転勝ちした27日の前戦の流れを生かせず)「今日は大事だったんだけど、こういう結果になって申し訳ない。(ビジター残り6試合は)1戦1戦、今まで以上に集中して1打席、1球に集中してやるしかない。悪い流れなんだけど、それを断ち切れるように1人1人がもう1回、元気出して、うちらしい野球をしていくしかない」 ▽阪神井上打撃コーチ(ボーアについて)「スイング自体も彼本来のものに近づいてきている。左に1本出るのも時間の問題だと思う。(近本は)できていたものができない状態で彼ももがいている。休みも挟むので、コミュニケーションの中で解消する方向に持っていけたら」 ▼9試合を終えた時点での阪神チーム打率2割4厘は、2リーグ分立後の球団ワースト3位。(1)59年1割8分9厘、(2)62年2割3厘に次ぐ。もっとも今年より悪かった両年は、ここから挽回。59年は最終的に2位に浮上。62年は小山正明、村山実の両エースが計52勝を稼ぎ、初のセ・リーグ優勝を果たしている。今年も続くか。

◆阪神の今季初連勝は、またもお預けとなった。初回に1点を先制したが、直後に先発中田賢一投手(38)が逆転を許すなど苦しい展開。前日は劇的な逆転勝利を飾ったが、この日は再び打線も沈黙して5安打1点のみ。チームは98年以来、22年ぶりの開幕3カード連続負け越しを喫した。 試合後の矢野燿大監督(51)の主なコメントは以下の通り。 -先発中田は 矢野監督 球は良かったと思うよ。走りも良かったし。立ち上がりはみんな難しい。2アウトまでいったんでね。そのあとの勝負球というのが...佐野やったっけ? 追い込んでちょっと高く真っすぐいったのが。全体的にあそこはコースが高くなったかなというのはあったけど。ボール自体は結構いいのが来てたし、そのあと粘ったというのは評価できるしね。 -次回は 矢野監督 チャンスあるという球に俺は見えたんだけど。 -先発が5回投げてない試合が続く 矢野監督 もちろん我慢してやりたいのもあるし、日曜日でチーム状況を考えたら、追いつかないと勝ちはないので。そういうところで代えていくしかないところで。打線も活発だったり、余裕があればいかせられるんだけど。チーム状況で、中田にはそういう部分もあったけど。仕方がないかなと。早めに仕掛けるようなチーム状況になっている。 -打線も初回はいい形だったが、続かなかった 矢野監督 きっかけになりそうな試合、2つしか勝ってないけど、2つとも2ケタ安打を打って、これで波に乗ってくれたらなというところがありながら、今日も立ち上がり1点取って、あそこから点取れないというね。波に乗れないなというのはもちろんあるし。誰か1人悪いということじゃないけど。初回はチカが四球取ってというのが。生きてくるかなと思うんでね。チカが機能してくると、相手にとっても嫌になるんでね。近本の復調というか、まずは何回もチャンスメークを多くできるというのがウチにとって大事と思う。

◆DeNA・梶谷隆幸外野手が28日、阪神3回戦(横浜)に「1番・中堅」で出場。四回2死一塁から、チーム今季9試合目で初盗塁となる二盗を試みたが、失敗に終わった。  昨季もリーグワーストの40盗塁。今季もオースティン、ソト、ロペス、宮崎ら大砲が並ぶ。ラミレス監督はこの日の試合前、「チャンスがあれば走ってもいいが、ラインアップを見ても走れるのは梶谷と大和ぐらいなので、無理してする必要はない。盗塁したら勝てるというわけではないので、ネガティブにとらえる必要はない」と語っていた。

◆ソフトバンクから阪神に移籍した中田賢一投手(38)が28日のDeNA戦(横浜)で今季初登板初先発するも4回80球を投げて7安打3失点で降板。一回に5本の長短打を浴びて3点を失った。  「立ち上がりがすべてだったと思います。立ち上がりさえ、しのいでいれば、もっと長いイニングを投げることができたと思うので」  糸井の左前適時打で先制した直後、先頭の梶谷に右中間二塁打。2死までこぎつけたが、佐野に左翼フェンス直撃の適時二塁打。続く宮崎に左越えの適時二塁打で勝ち越されると、戸柱にも中前に3者連続となる適時打を許した。  二回以降は制球も安定。三回には安打と四球で無死一、二塁のピンチも後続を打ち取り無得点に切り抜けた。五回の攻撃で代打を送られた右腕は「連戦が続く中で、早くマウンドを降りてしまったことは申し訳ないですし、すごく悔しいです」と話した。

◆阪神はDeNAに1-9で敗れて、このカード1勝2敗と負け越し。吉田監督時代の1998年以来22年ぶりとなる開幕から3カード連続の負け越しとなった。  昨オフ、ソフトバンクからトレードで移籍した中田が今季初登板初先発したが、一回に5本の長短打を浴びて3失点。五回の攻撃で代打を送られて4回3失点で降板した。救援陣の伊藤和、谷川、福永も失点を積み重ねた。  打撃陣は一回、糸井の先制打による1点だけ。前日27日に1軍昇格して同戦に即先発し、起死回生の逆転3ランを放ったサンズは4打数無安打に終わった。

◆DeNAが昨日、逆転負けの悪夢を払拭。阪神に大勝し、このカード勝ち越しを決めた。  DeNAは一回、阪神に先制点を奪われたが、その裏、宮崎の右中間への適時二塁打など3点を取って逆転。五回に1点、七回に3点、八回にも2点を追加した。  DeNA先発の平良は6回を2安打1失点でマウンドを降り、その後は2番手・石田、3番手・エスコバー、4番手・パットンが阪神打線を無失点に抑え込んだ。  昨日、大逆転勝利を飾った阪神打線は5安打と沈黙した。

◆DeNAは28日、阪神3回戦(横浜)に9-1で快勝した。新4番・佐野恵太内野手(25)が2安打2打点をマーク。12球団でただ一人継続する開幕からの連続試合安打を「9」に伸ばし、今カード勝ち越しに導いた。首位・巨人を0・5ゲーム差で追う2位・DeNAは、30日から直接対決に臨む。  前夜は九回2死から悪夢の逆転負け。この日も一回に先制を許し、重苦しい空気が漂った。振り払ったのはDeNAの新主将で新4番。佐野が一振りで流れを変えた。  「(点を)取られた後だったので、すぐに追いつけるように。風にうまく乗って伸びてくれた」  0-1の一回2死二塁、直球をすくい上げて左翼フェンス直撃の同点二塁打とした。12球団でただ一人継続する開幕からの連続安打を9試合に伸ばすと、チームはここから4連打3得点。試合をひっくり返した。  米大リーグ、レイズに移籍した筒香から4番を受け継いだプロ4年目には"4番の精神"が根付きつつある。現役時代、3球団で4番を務めたラミレス監督は、こう哲学を伝授する。  「代打ならカウント3-0や2-0で『待て』のサインが出ることもある。でも、4番は逆。直球の多いカウントで仕留める。それが4番」  佐野は第2打席、カウント3-0から迷いなくフルスイング。昨季は代打が主戦場だった男が教えを体現した。  6年連続負け越し中の阪神との3連戦で昨年7月以来の勝ち越しを果たし、開幕からのホーム9連戦を6勝3敗で終えた。チームは9試合中6試合で2桁安打を記録。この日、チーム打率を12球団唯一の3割台(・306)に乗せた。  「いい打者に挟まれてノビノビやれている」と佐野。頼もしさを増す新4番とともに、いざ敵地での首位攻防戦に臨む。(浜浦日向)

◆前夜の九回2死からハマの守護神・山崎からサンズが打った逆転3ランは夢であったのか? と疑心暗鬼にさえなりそうな、わずか5安打の梅雨入り打線に逆戻り...。  てか、本日俺はホームランこそなかったものの、14安打中7本の二塁打を放ったDeNA打線を見て、突然とてつもなく重大なことに気付いたのだ!!  それは『阪神打線だけ昭和のセ・リーグ打法に祖先返りしてるー!!』なのだ。要するに他の11球団は、まず強く振ることありきのパ・リーグ野球の型なのに阪神だけ、まずバットにボールを当てることありき、に見えたのだ。  これって、もしかしたら知らず知らずのうちに、「本拠地の広い甲子園ではスタンドインは難しいからヒットを重ねていこう」が、弊害となり積もり積もってしまったのでは...。ゾ~ッ!!  ならば、それを払拭するにはバットを強く振って振って振りまくるしかないのだ(ボール球は駄目よ!!)。よって、次の中日戦からは27アウト全部三振でも許す~。その代わり、ソフトバンクの柳田や西武の森くらい振りまくったれー!!

◆先発の平良が6回2安打1失点の好投で、今季初勝利を挙げた。7年目で初の開幕ローテ入りをつかんだ右腕は、2試合連続でクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を達成。阪神戦は2年ぶりの白星で「相手に的をしぼらせないように、6回ではあるが試合はつくれているので、これからも続けていきたい」と笑顔で振り返った。(横浜) 今季初登板で1回0/3を2安打無失点のDeNA・エスコバー 「結果も良かったし、今後につながる登板になった」 2打点&好リードのDeNA・戸柱 「勢いに乗ることができて、平良も投げやすくなってよかった」

◆阪神は28日、DeNA戦(横浜)で1-9と完敗し、最下位に終わった1998年以来となる球団ワーストタイの開幕から3カード連続負け越しとなった。前日27日に連敗を止めた勢いを持ち込めず、借金は再び「5」となり、単独最下位は変わらず。矢野燿大監督(51)は打率・114と苦しむ近本光司外野手(25)の奮起をうながした。  27個目のアウトまで、ベンチから祈るような声援が響いた。諦めてはいない。ただ、現実は残酷だ。一方的なスコアを厳しい表情でみつめた矢野監督は、この1敗の重みを認めた。  「(浮上の)きっかけになりそうな試合。波に乗ってくれたらというところがありながら、立ち上がりに1点取って、あそこから点を取れない。波に乗れないなというのは、もちろんある」  一回に近本の四球に二盗を絡め、糸井が左前適時打。幸先よく先制も、直後に中田が3失点で逆転を許すと、打線は二回から沈黙した。前夜は九回2死からサンズの来日初本塁打など2桁安打で劇的逆転勝ち。昨季16勝8敗1分と大きく勝ち越したDeNA戦、しかも8勝をあげた横浜。勢いづくはずの一戦なのに、結果は5安打1得点。1試合平均1・4得点と貧打に悩んでいた2日前までに一夜で逆戻りした。  開幕から3カード連続負け越しは最下位に終わった1998年以来22年ぶり。2勝7敗で今季最多タイの借金5。打線の低調は投手陣も巻き込んだ悪循環を生む。先発の中田に五回に代打を送り、前日27日の岩貞と同じ4回降板。完全に後手に回った。  「追いつかないと勝ちはない。打線も活発だったり、余裕があれば、(先発を長く)いかせられるけど。早めに仕掛けるようなチーム状況になっているんで」  結果的にエドワーズ、守屋らの離脱で層が薄い救援陣の防御率9・43も目立つ。負の連鎖を食い止めるために、キーマンを指名した。  「チカ(近本)が機能してくると、相手にとっても嫌になるんで」  この3連戦も9打数1安打の近本は打率・114に低迷。得点どころか好機も少ない現状で、いかに好調の糸井とマルテにつなぐか。1番打者の重要性は一回に証明された。開幕の2番から早々に配置転換も、将が期待する姿は変わらない。  「近本の復調というか、まず何回もチャンスメークを多くできるというのが大事だと思う」  首位と4・5ゲーム差は今季最大で、24日から6位のまま。打開の鍵を握る背番号5に、一刻も早い覚醒が求められる。(安藤理)

◆5安打で1点しか奪えずに完敗。阪神打線の得点力不足は深刻だ。近鉄の4番打者として活躍し、西武や中日の打撃コーチを務めた本紙専属評論家・土井正博氏(76)は「最大の誤算は近本の不振。きれいに打とうとし過ぎ。ただ近本さえ復調すれば得点力は一気にアップする」と、リードオフマンの復活が今後の虎の浮沈を左右すると指摘した。  サンズの逆転弾での劇的勝利から一夜。本来なら勢いがつくはずだが、今の阪神打線は、そんな気配すら感じない。  ボーアの不振、福留の不振など、理由は山ほどあるが、得点できない最大の原因は近本の不振に尽きる。攻撃の基本は1番と4番。塁に出て相手にプレッシャーをかける役割の1番打者が開幕9試合で打率・114では、この惨状も当然だ。  昨年、159安打でセ・リーグ新人シーズン最多安打を記録した近本だが、ことしは開幕から苦しみ抜いている。打席で「きれいに打とう」「うまく打とう」という意識が強すぎる。結果、打たされているように映る。  私は打撃コーチ時代に「詰まることを嫌がるな」「詰まっていい」と言い続けてきた。詰まることを嫌がると、投手寄りの肩(近本なら右肩)が開いてしまう。打たされているような打球が多くなってしまうのだ。  確かに詰まると、ボテボテの打球になったりするが、近本はその打球を内野安打できる足を持っている。  さらに、相手投手の立場に立てばいい。近本を歩かせることは絶対に避けたい。すると、初球からフォークなどボールになる確率が高い特殊球はまず来ない。カウントが悪くなることが嫌だからだ。1、2球目のストライクゾーンに絞っていけばいい。他の打者より圧倒的に有利なんだ、と思って打席に立つべき。  近本が塁にさえ出れば、その後の打者の攻め方も変わってくる。バッテリーは走られるのが嫌だから、外寄りの真っすぐ系が増える。糸原、糸井ら近本を塁上において打席に立つ打者もアドバンテージが得られる。打線全体が得をする。  相手ベンチで戦ったときに「1番・赤星」ほど厄介に感じた選手はいない。近本は、まさに赤星タイプ。打線をあれこれいじるよりも、近本の復調。それが得点力アップの近道だ。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
621 0.750
(↑0.036)
-
(-)
11154
(+12)
30
(-)
12
(+2)
7
(+2)
0.282
(↑0.008)
3.330
(↑0.42)
2
(-)
DeNA
630 0.667
(↑0.042)
0.5
(-)
11145
(+9)
29
(+1)
10
(-)
0
(-)
0.306
(↑0.013
3.000
(↑0.25)
3
(-)
広島
531 0.625
(↑0.054)
1
(-)
11143
(+10)
27
(+3)
15
(+3)
3
(+1)
0.281
(↑0.013)
2.850
(↓0.02)
4
(-)
ヤクルト
450 0.444
(↓0.056)
2.5
(↓1)
11137
(-)
44
(+12)
10
(-)
6
(+1)
0.256
(↓0.013)
4.170
(↓0.59)
5
(-)
中日
360 0.333
(↓0.042)
3.5
(↓1)
11128
(+3)
44
(+10)
5
(-)
1
(-)
0.277
(↓0.001)
4.960
(↓0.66)
6
(-)
阪神
270 0.222
(↓0.028)
4.5
(↓1)
11119
(+1)
52
(+9)
7
(-)
8
(+1)
0.204
(↓0.005)
5.420
(-)