DeNA(☆6対4★)阪神 =クライマックスシリーズ2回戦(2019.10.06)・横浜スタジアム=
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阪神
00002100141001
DeNA
201001002X61113
勝利投手:山﨑 康晃(1勝0敗0S)
敗戦投手:岩崎 優(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】福留 孝介(1号・9回表ソロ)
【DeNA】ロペス(1号・1回裏2ラン),筒香 嘉智(2号・3回裏ソロ),乙坂 智(1号・9回裏2ラン)

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◆DeNAが劇的なサヨナラ勝利でファイナルステージ進出に逆王手をかけた。DeNAは3-3で迎えた6回裏、神里の適時打で勝ち越す。その後同点を許した直後の9回、代打・乙坂が値千金の2ランを放ち、試合を決めた。敗れた阪神は9回2死から福留のソロで追いつくも、5番手・岩崎が痛恨の一発を浴びた。

◆DeNAホセ・ロペス内野手が、先制2ランを放った。 1回2死二塁。阪神青柳の144キロを完璧に捉え、左翼スタンドの上段へ運んだ。「手応えもすごくよかったです。追い込まれていましたが、うまくとらえることができました」と振り返った。 第1戦で逆転負けし、後がない状況で意地の1発を放った。

◆DeNA筒香嘉智外野手が、2戦連発の2号ソロを放った。2点リードの3回先頭。阪神青柳の142キロを左翼スタンドのギリギリに運んだ。 「外角のボールに対して、逆らわずにうまく打つことができました。追加点をとることができてうれしいです」と振り返った。 CSファーストステージ第1戦では、先制の3ランをマーク。調子の良さをアピールした。

◆阪神上本博紀内野手が6回に同点となる左前適時打を放った。1点を追う6回2死三塁。途中出場の上本がバットで食らいついた。 4球目、外角にきた139キロを捉えると、打球は三遊間を割った。前日5日の初戦で、6点差を逆転しており、三塁側ベンチは大盛り上がり。上本も一塁ベースで左手を挙げて応えた。

◆レギュラーシーズン2位DeNAが、乙坂のサヨナラ2ランで勝利を収めた。これで1勝1敗のタイに持ち込んだ。 DeNAが1回2死二塁からロペスの左越え2ラン。3回には筒香も2戦連続となる左越えソロを放ち、序盤に3点を先行した。 阪神が5回北條と福留の連続適時打で2点かえし、6回に上本の適時打で同点。その裏、DeNAが神里の左前打で1点勝ち越し。 9回2死で福留が右翼席へ起死回生の同点弾を放ったが、DeNAはその裏に1死一塁で代打乙坂のサヨナラ本塁打で試合を決めた。 3位で先勝した場合は突破率が92・3%だったが、2位DeNAが一矢報いた。第3戦はDeNA平良、阪神高橋遥人が先発する。 ▽DeNA乙坂(サヨナラ本塁打を放つ)「勝ちました!入るとは思わなかった。手応えはありました。与えられたところでしっかり自分の力を発揮できるようにと思っていました」

◆DeNA(2位)が乙坂智外野手のサヨナラ2ランで阪神(3位)に競り勝ち、通算成績を1勝1敗とした。ファイナルステージ進出を懸けて7日に第3戦(横浜=午後6時)を行う。予告先発はDeNA平良拳太郎-阪神高橋遥人。 ▽DeNA乙坂(サヨナラ本塁打を放つ)「勝ちました!入るとは思わなかった。手応えはありました。与えられたところでしっかり自分の力を発揮できるようにと思っていました」

◆代打のDeNA乙坂智外野手がサヨナラ本塁打。プレーオフ、CSのサヨナラ勝ちは15年ファイナルS<1>戦ソフトバンク以来11度目となり、サヨナラ本塁打は04年1S<3>戦和田(西武)09年2S<1>戦スレッジ(日本ハム)に次いで3本目。代打サヨナラ本塁打は初めてだ。 日本シリーズのサヨナラ本塁打は17本あるが、代打では92年<1>戦杉浦(ヤクルト)だけ。ポストシーズンの代打サヨナラ本塁打は2本目だ。CSの乙坂はすべて代打で出場し、結果は17年1S<1>戦一ゴ、<2>戦左本、ファイナルS<2>戦中安、<5>戦三振、19年1S<2>戦右本。代打で通算5打数3安打、2本塁打、7打点となり、プレーオフ、CSで代打本塁打2本は乙坂が初めて。

◆DeNAの主砲筒香嘉智外野手が2戦連発となる技ありアーチを放った。 2点リードの3回。先頭打者として打席に立つと、カウント1-2から青柳の142キロ外角低めシュートを左翼席へ運んだ。「昨日はああいう嫌な負け方をした。ただ、今日は新しい1日が始まっている。また明日頑張るだけ」と7日の第3戦へ向けて意気込んだ。

◆前日に1回1/3を5失点と打ち込まれ、負け投手となったDeNAエスコバーが立ち直った。 7回1死一、二塁で登板。代打原口を中飛、糸原を二ゴロに仕留めた。わずか4球でピンチを切り抜け、雄たけびを上げた。「しっかり気持ちを切り替え、ベストを尽くしてやり返してやろうと思っていた。自分は投げれば投げるほど調子が良くなるタイプ。明日も投げて、巨人と対戦したい」と第3戦登板も希望した。

◆DeNA「JOKER」今永昇太投手が連投した。1点リードの6回に3番手で登板。自身の暴投も絡んで同点に追いつかれた。 シーズン中先発で13勝したエースが、救援で2連投。ブルペンでかんでいたガムをはき出し忘れてマウンドへ行くほど緊張し「慣れないですが中継ぎはゼロに抑えないといけない。やり返すチャンスをチームがくれた」と3連投に意欲を見せた。

◆42歳5カ月の阪神福留孝介外野手が9回2死に同点本塁打を放った。 プレーオフ、CSで40代選手の本塁打は通算10本目となり、福留は17年1S第1戦に次いで2本目。40代で2本は山崎(楽天)和田(中日)に次いで3人目だ。 プレーオフ、CSで9回に出た同点本塁打は4本目だが、過去3本は0死から1本、1死から2本。土壇場の9回2死からの同点弾は初めてだった。

◆激闘に敗れた阪神矢野燿大監督(50)は、今日7日の第3戦でのCSファーストステージ突破を誓った。 1点を追う9回2死で福留が同点弾。喜びもつかの間、その直後、岩崎が悪夢を見た。1死一塁で代打乙坂に速球を強振され、2ランは右翼席へ。だがサヨナラ負けを見届けた指揮官はサバサバと接戦を振り返った。 「すごいいいゲームやったんじゃないの、みんな。お互い、すごい、いいゲームできたと思う。その決め手が最後に向こうにあったというだけのこと」 死力を振り絞った。3点を追う5回に北條、福留の適時打で1点差に詰め寄ると、6回は代打上本が同点打を放った。試合を振り出しに戻した。何度も劣勢をはね返し、DeNAにしぶとさを見せつけた。前日5日は6点差をひっくり返した。プレーオフ、CSではプロ野球史上最大の逆転勝利。この日も瀬戸際で神懸かり的な執念が光った。 7日の第3戦で雌雄を決する。勝てば9日から巨人と戦うCSファイナルステージ進出。負ければ今季終了。指揮官は、とうの前から腹をくくっている。 「今日負けたから、どうこう言うのは別にない。やりきってくれたらいい。特別なことは、ここに来てできるわけじゃない。素晴らしい戦いをしてくれている。明日もやりきってくれたらいいだけじゃないかな」 シーズン終盤の6連勝でCS進出に導いた采配はブレない。この日は6回からガルシアに継投したが勝ち越された。7回は打撃好調の北條が出塁すると代走植田を投入。惜しくも二盗を阻まれたが勝負手を連発。前のめりに倒れた。 「明日も総力戦で行く。明日、最後どっちが勝つかで、ずっと6連勝のときからウチはそういう戦いをしてきている。明日になったからって、俺は何も変わらない」 負ければ今季限りで退団を表明した鳥谷のタテジマ最終戦になる。ベテランとともに日本一へ。再三の修羅場を乗り越えたナインに、再び意地の見せどころがやってきた。【酒井俊作】

◆3点リードを追いつかれた直後の6回だった。DeNA神里和毅外野手が阪神に傾きかけた流れを食い止めた。 2死二塁でガルシアの外角速球を流し打ち。三塁手のグラブをかすめた打球は左前へ抜け、一時勝ち越しの走者を迎え入れた。「点を取られた直後だったんで、必死でした」と執念を見せた。 初回からスタジアムのボルテージを上げた。1回先頭で気迫のヘッドスライディング。二塁内野安打でロペスの先制2ランにつなげた。ケガのリスクもあるプレーで普段はそうしない。「どんな形でも勝つ」と、強い気持ちが前日の逆転負けのムードを断ち切った。 4安打に続いて2安打。ファーストステージ2試合で6度快音を響かせ打線をけん引する。シーズン終盤は2軍で打撃の修正に取り組んだ。考えすぎると行き詰まる。いい意味で「テキトーに。軽い気持ちで打つようにしました」。打席に立ったらリラックス。感覚を重視する"なんくるないさ打法"で道が開けた。 負けたら終わりなのは次戦も同じ。「サヨナラは素直にうれしかった。でも明日勝たないと意味がないですよね」。ファイナルステージの挑戦権ゲットへ、リードオフマンが出なければ始まらない。【鎌田良美】

◆クライマックスシリーズ(CS)史上初の代打サヨナラ本塁打で、DeNAが逆王手をかけた。 DeNAの「ニコ」こと乙坂智外野手(25)が同点の9回1死一塁、右翼スタンドへ劇的な1発を放った。17年CSファーストステージの阪神戦でも代打本塁打を放っている。当時の記憶がよみがえったラミレス監督の起用に応える活躍。負ければ敗退の土壇場を「ハマのCS男」が救った。乙坂はニコっと笑った。「勝ちました」。お立ち台でそう言うと、ファンの悲鳴に近い雄たけびがこだました。「最初から最後までチームのみんなが頑張っていた。自分も力になれるよう、勝利に近づけるようにという思いだった。人生で初めてのサヨナラホームランです」。チーム全員の気持ちが乗り移った白球は、ハマっ子たちが待つ右翼席で跳ねた。 ラミちゃんの記憶を、再び現実のものとした。同点とされた直後の9回、1死から宮崎が左前打で出塁すると、指揮官の頭に2年前の記憶がよみがえった。17年、同じCSファーストステージ、同じ阪神戦、同じ1敗で迎えた第2戦。7回に代打で登場した乙坂は左翼へ1発を放ち、勝利に貢献した。普段はフィーリング20%の指揮官は「今日は120%フィーリング。だから佐野ではなく、乙坂」と送り出した。乙坂は「あの時はレフトスタンドだったし、球場も違うし、あんまり覚えていない」と言うが、ラミちゃんはニコニコだった。 京ちゃんも、ニコニコさせた。横浜スタジアムの関係者食堂で働く佐藤京子さんは「自分の息子みたいなもの。本当に打って良かった」と喜んだ。乙坂は試合後、同食堂で食事をすることが多い。お気に入りは名物の目玉チャーハン...ではなく、豚キムチ。「京~ちゃ~ん、おなか空いた」がお決まりのフレーズで、「僕の妻ですから」と冗談を言う間柄でもある。「いつも感謝しています。チームの監督、コーチ、選手、スタッフだけじゃない。ベイスターズは、そういう裏で支えてくれる人もみんなファミリーですから」。本拠地でのCS初開催。値千金の1発で支えてくれた人たちをニコっとさせた。 前日の大逆転負けを吹き飛ばし、これで逆王手。本名の「乙坂・ルーセロ・智・ニコラス」からニコと呼ばれる男は「とにかく、明日勝つだけ」と力強く言い切った。皆の笑顔の中心にニコがいた。【栗田尚樹】

◆阪神セットアッパー岩崎優投手がサヨナラ2ランを浴びた。1点ビハインドの8回裏に登板し、1イニングを無安打無失点。 福留の劇的同点弾が飛び出した直後の9回裏も続投したが、1死一塁から代打乙坂に甘く入った139キロ直球を右翼席に運ばれた。前日の第1戦は1イニングを3者連続三振。2連投でまさかの被弾を食らったが「重圧のある試合をまた明日できる。明日取れるようにしっかり頑張ります」と視線を落とさなかった。

◆今日こそ勝って、下克上日本一の夢をつなぐぞ! 阪神福留孝介外野手(42)が、土壇場同点弾でナインを勇気づけた。 1点を追う9回。ゲームセットまであと1死から夢を見させた。試合は乙坂のサヨナラ2ランで敗れたが、プレーオフ、CS史上2位の年長弾は、最終決戦となる7日のファーストステージ第3戦への大きな活力。敗れても爪痕を残した虎が、巨人への挑戦権を勝ち取りにいく。百戦錬磨の大ベテランが青く染まったハマスタを沈黙させた。3-4で迎えた9回。DeNA守護神山崎の3球目、150キロを一閃(いっせん)。打球はきれいな弧を描いて右翼席中段に突き刺さった。無表情のままダイヤモンドを一周した福留は「狙っていたというより、次に次に(つなごうと)思っていた」とコメント。8回から登板の山崎に完全に抑えられ、敗戦まで1死だった瀕死(ひんし)の戦況での劇的弾。ベテランの執念が、沈んだベンチを一気に活気づかせた。 反撃ムードを作ったのも職人のバットだった。0-3の5回。北條の適時二塁打で2点差に迫ると、なお、2死三塁の場面で右前に適時打を運んで1点差。今CS8打席目の初ヒットで、浜口をマウンドから引きずり下ろした。7回にはパットンの抜けたボールが背中に直撃したが、痛みを表情に出さずに一塁へ。試合後も「試合に出ているから大丈夫なんじゃないですか」と涼しい表情で話した。 「試合中に動いているボールは1つしかないんだから」。そう話す福留がグラウンドで気を緩めることはない。多くの修羅場をくぐり抜けた男は、ゲームセットの瞬間まで集中力を保ち続ける。そして、絶対に諦めない。だからこそ、ベンチでも若手選手にゲキを飛ばし続ける。この日も表情を崩したのは試合後のバスに乗る直前。解説で訪れたPL学園の大先輩・立浪和義氏から「すごかったなぁ」と、声を掛けられてようやく表情が和らいだ。 最後の最後までファイティングポーズを取り続けたベテランを矢野監督も大絶賛した。「すごいでしょ? さすがの経験というか、経験値と意地というか、そういうので孝介が打ってくれた」。試合はサヨナラ弾で逆王手をかけられたが、福留は悲観せず前を向く。「明日は何があっても最後。決着がつく。自分たちの準備をして自分たちの野球をやるだけ」と力を込めた。頼れる42歳がいる。最後の瞬間まで死力を尽くし、東京ドームに乗り込む覚悟だ。【桝井聡】

◆阪神オネルキ・ガルシア投手が今季中継ぎ5戦目で初めて失点した。同点に追いついた直後の6回1死から大和に四球を与えると、2死二塁で上里に勝ち越しの左前打を許した。 前日5日は2回から登板し3回1安打無失点と完璧な投球。連投となったが「特にそこは問題ない。マウンドにいる以上は全力でと思っている。それよりもフォアボールを出してしまったことが、点にからんだ」と悔やんだ。

◆初戦のヒーロー阪神北條史也内野手が、連日の適時打でCS男襲名の勢いだ。 3点を追う5回2死一塁。浜口の外角チェンジアップにうまく合わせて三塁線を破った。一塁走者上本が一気に生還し、苦戦していた左腕から初得点を挙げた。 「流れがちょっと悪かったけど、何とかこの回と思って。(浜口の)球数も増えてきて、そういうところで何とか流れを変えたいなと」。浜口の88球目、打線が苦しめられていた決め球を仕留めた。 7回にも左前安打を放って2戦連続のマルチ安打。初出場のCSは2試合で1本塁打を含む7打数4安打6打点の大当たりだ。最後はサヨナラ負けを喫したが、「集中力と狙い球とかを頭に入れて。(3戦目は)一発勝負なので、1打席でもムダにしたくない。そういう気持ちで」と切り替えた。

◆阪神先発青柳晃洋投手が痛恨の2発を浴びた。初回2死二塁でロペスに左翼へ先制2ランを献上。3回は筒香に左翼へソロを運ばれた。「ホームランでいかれてしまって、もう少し防ぎようがあったんじゃないかと思う」と悔やんだ。 故郷神奈川での先発だったが、3失点は全て本塁打。初のCSは4回で降板と悔しいものになった。

◆激闘に敗れた阪神矢野燿大監督は、今日7日の第3戦でのCSファーストステージ突破を誓った。 一問一答は以下の通り。 -この負けは監督はどう受け止めているのか みんな精いっぱいのことをやってくれた。勝負なんで。もちろん引き分けもあり得るやろうけど、勝ちか負けかがつく。やった結果なので明日取れるように。 -どっちに流れが転ぶか分からず、采配が難しい 難しいよ。毎日難しい。 -1勝1敗になった そんなん勝負やねんから思い切ってやるしかないやん、そんなん。ビビッてやるものじゃないしさ。ここまでの戦いを見てくれたらみんな素晴らしい戦いをしてくれている。思い切ってぶつかっていくだけのことやから。 -被弾した岩崎は奮闘してきた。明日の登板も もちろん、もちろん。優に頼らなあかん試合になると思うし、明日も。明日も総力戦で行くと思う。 -北條に代走植田だった。あそこは一番、点を取れる確率が高い選択肢か 一番、点を取れる選択肢っていうか...。別に今までの俺らの野球をやっているだけ。

◆DeNA宮崎敏郎内野手が2試合連続の3安打。プレーオフ、CSで2試合続けて猛打賞は、17年1Sのロペス(DeNA)以来9人目。 猛打賞は通算5度目で、プレーオフ、CSでは西岡(ロッテ、阪神)に並ぶ最多タイ。

◆クライマックスシリーズ(CS)史上初の代打サヨナラ本塁打で、DeNAが逆王手をかけた。DeNAの「ニコ」こと乙坂智外野手(25)が同点の9回1死一塁、右翼スタンドへ劇的な1発を放った。乙坂は最近、ジンジャーエールにはまっている。「ショウガは、体を温めてくれると聞いて。冷え性でもないんですけど、夏場はクーラーとかで、体が冷えると聞いて。体にいいのかなと思って」。 ソバを食す際にも大量のショウガを乗せるほど、とりこになった。「ご飯を食べる時はいつも緑茶だったんですけど、ショウガが入ってるジンジャーエールに変えました」と箱買いまでした。辛口ではなく、甘口がお気に入り。球場を熱くさせた劇的なサヨナラ弾は、常にホットな体のおかげかもしれない。【DeNA担当 栗田尚樹】

◆クライマックスシリーズ(CS)史上初の代打サヨナラ本塁打で、DeNAが逆王手をかけた。DeNAの「ニコ」こと乙坂智外野手(25)が同点の9回1死一塁、右翼スタンドへ劇的な1発を放った。17年CSファーストステージの阪神戦でも代打本塁打を放っている。当時の記憶がよみがえったラミレス監督の起用に応える活躍。負ければ敗退の土壇場を「ハマのCS男」が救った。 乙坂はニコっと笑った。「勝ちました」。お立ち台でそう言うと、ファンの悲鳴に近い雄たけびがこだました。「最初から最後までチームのみんなが頑張っていた。自分も力になれるよう、勝利に近づけるようにという思いだった。人生で初めてのサヨナラホームランです」。チーム全員の気持ちが乗り移った白球は、ハマっ子たちが待つ右翼席で跳ねた。 ラミちゃんの記憶を、再び現実のものとした。同点とされた直後の9回、1死から宮崎が左前打で出塁すると、指揮官の頭に2年前の記憶がよみがえった。17年、同じCSファーストステージ、同じ阪神戦、同じ1敗で迎えた第2戦。7回に代打で登場した乙坂は左翼へ1発を放ち、勝利に貢献した。普段はフィーリング20%の指揮官は「今日は120%フィーリング。だから佐野ではなく、乙坂」と送り出した。乙坂は「あの時はレフトスタンドだったし、球場も違うし、あんまり覚えていない」と言うが、ラミちゃんはニコニコだった。 京ちゃんも、ニコニコさせた。横浜スタジアムの関係者食堂で働く佐藤京子さんは「自分の息子みたいなもの。本当に打って良かった」と喜んだ。乙坂は試合後、同食堂で食事をすることが多い。お気に入りは名物の目玉チャーハン...ではなく、豚キムチ。「京~ちゃ~ん、おなか空いた」がお決まりのフレーズで、「僕の妻ですから」と冗談を言う間柄でもある。「いつも感謝しています。チームの監督、コーチ、選手、スタッフだけじゃない。ベイスターズは、そういう裏で支えてくれる人もみんなファミリーですから」。本拠地でのCS初開催。値千金の1発で支えてくれた人たちをニコっとさせた。 前日の大逆転負けを吹き飛ばし、これで逆王手。本名の「乙坂・ルーセロ・智・ニコラス」からニコと呼ばれる男は「とにかく、明日勝つだけ」と力強く言い切った。皆の笑顔の中心にニコがいた。【栗田尚樹】 ◆乙坂智(おとさか・とも)1994年(平6)1月6日、神奈川県生まれ。横浜高では3年春夏に甲子園出場。11年ドラフト5位で横浜入団。3年目の14年に1軍デビュー。同年5月31日ロッテ戦でプロ初打席を本塁打で飾る。今季自己最多の97試合に出場し、2本塁打、17打点、打率2割4分5厘。今季推定年俸2400万円。182センチ、83キロ。右投げ左打ち。 ◆乙坂の代打本塁打VTR 17年阪神とのCSファーストステージ第2戦。1点リードの7回1死一、三塁の好機に代打で登場。阪神桑原の初球を完璧に捉えると左翼ポール際に値千金の3ラン。球団初となるCS代打弾で試合を決定づけた。

◆6日の第2戦に先発予定の阪神・青柳が5日、自身初となるCS登板へ気合を入れた。「勝つしかないので。任されたイニングをゼロで帰るだけです」。試合前練習では長めにキャッチボールを行い、念入りに調整した。「前回(9月30日の中日戦)はゼロ(5回無失点)でしたが、調子がいいわけではなかったので。できることを全部やっていこうと思って」と表情を引き締めた。

◆阪神・青柳晃洋投手(25)が6日のDeNAとのクライマックス・シリーズファーストステージ第2戦(横浜)に先発し、一回2死二塁でロペスに先制の左越え2ランを被弾した。  一回、先頭の神里に二塁内野安打を許すと、1死後、筒香の二ゴロで2死二塁に。ロペスを打席に迎え、カウント1-2からの4球目、144キロを振り抜かれた。打球は高々と上がり、左翼席上段へ着弾。今季5試合で3勝2敗、防御率2・05と好相性のDeNA戦だったが、先手を取られてしまった。

◆阪神・青柳晃洋投手(25)が6日のDeNAとのクライマックス・シリーズファーストステージ第2戦(横浜)に先発し、0-2の三回に筒香に左越えソロを献上した。  三回、先頭の筒香にカウント1-2からの5球目。外角142キロを振り抜かれた打球は、ぐんぐん伸びて左翼席へ飛び込んだ。この日2本目の本塁打を許し、0-3とリードを広げられた。

◆DeNAの筒香嘉智外野手が連日の鮮烈アーチを放った。  6日のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦・阪神戦(横浜)に「3番・左翼」で先発。2-0で迎えた三回、先頭打者で打席に入ると、阪神先発・青柳が外角に投じた142キロの変化球をうまく拾い、左翼席前列に運んだ。  「外角のボールに対して、逆らわずにうまく打つことができました。追加点をとることができて嬉しいです」と筒香。  第1戦では一回に先制3ランを放っており、2試合連続となる2号ソロ。7-1から逆転負けを喫した前日の試合後はロッカーで「まだ終わったわけじゃない。明日に向けて頑張ろう!」と声をかけた主将が、自らのバットでもチームを鼓舞した。

◆阪神・北條史也内野手(25)が6日のDeNAとのクライマックス・シリーズファーストステージ第2戦(横浜)の五回2死一塁で左翼線へ適時二塁打を放ち、1点をかえした。  五回、1死で代打上本が中前打で出塁。2死で前日5打点を挙げた北條が打席へ。カウント2-2からの5球目、119キロに食らいつき、三塁手の左を抜く左翼線二塁打に。連日の活躍で打点を挙げ、1-3とした。

◆阪神・福留孝介外野手(42)が6日のDeNAとのクライマックス・シリーズファーストステージ第2戦(横浜)の五回2死三塁で右前適時打を放ち、2-3とした。  五回、2死一塁から北條の左翼線適時二塁打で1点をかえすと、ベテランも続いた。カウント1-1からの3球目、外角123キロを捉えて右前へ。1点差に迫る貴重な適時打を放ち、相手先発・濱口を引きずり下ろした。

◆阪神の上本博紀内野手(32)が6日のDeNAとのクライマックス・シリーズファーストステージ第2戦(横浜)で同点適時打。試合を振り出しに戻した。  2-3の六回、先頭の糸原が二塁内野安打で出塁。その後2死三塁となり、途中出場で9番に入っている上本が打席へ。今永の139キロを弾き返すと、打球は三遊間を突破。三走・糸原が生還し、最大3点差を追いついた。  上本は五回1死も代打で中前打。前日5日も安打を放っており、このシリーズ3打数3安打。ラッキーボーイとして、虎を窮地から救った。

◆DeNAのパットンが4-3の七回から登板したが打者3人に対して2安打1死球で降板した。  先頭の北條に左前打を許し出塁。次打者・福留の際に代走・植田が二盗失敗。しかし、福留に死球で出塁され、続くマルテに左前打を浴びたところで交代となった。代わったエスコバーが後続打者を抑えて無失点となったが、降板直後のパットンは顔を紅潮させていた。  助っ人右腕は8月3日の巨人戦で打ち込まれた後に、ベンチ内の冷蔵庫を殴りつけ右手小指を骨折し離脱。この日から1軍に復帰していた。

◆DeNAが阪神に競り勝ち、ファイナルステージ進出に逆王手をかけた。  負ければファーストステージ敗退と崖っぷちのDeNAは1点リードの九回に回またぎの山崎が福留に本塁打を許し同点に追いつかれた。しかしその裏、1死一塁から代打・乙坂が右スタンドへ本塁打を放ちサヨナラ勝ちを決めた。  ヒーローの乙坂は「勝ちました!」とファンの声援に応じると、サヨナラ本塁打については「入るとは思わなかったですけど、手応えはありました。サヨナラホームは初めてだったので、あまり実感は沸かないですけど、勝てて良かったです」と喜んだ。

◆阪神は第3戦の先発マウンドに高橋遥を送る。サヨナラ負けを見届けると、勝つしかない大一番へ「思い切って投げるだけ。シーズンの試合とは雰囲気が違うと思うが、それを逆に力に変えられるように」と緊張の面持ちで意気込んだ。  2年目の今季はシーズン中盤までは好投を続け、先発陣の軸として機能したが、9月に入って3試合続けて5失点以上を喫するなど、8月23日の3勝目を最後に勝ち星を手にできずに終えた。雪辱を期すサウスポーに、矢野監督も「腕を振って投げるしかない。あいつらしく向かっていってくれたら」とエールを送った。

◆DeNAの神里は3-3の六回に適時打を放つなど、2安打1打点で勝利に貢献した。前日の4安打に続いて好調を維持しているリードオフマンは「(状態は)悪くないのかなと思う。こういう勝ち方ができてよかった」と喜んだ。  一回の二塁内野安打ではヘッドスライディングで気迫を見せた。追い付かれた直後の六回は2死二塁でガルシアの速球を逆方向の左前へはじき返して適時打とした。「何としてでも走者をかえしたいと思った。必死に食らい付いた」とりりしい表情で振り返った。

◆DeNAの抑えの山崎は回をまたいで臨んだ九回、危なげなく2死を奪った後に福留に同点ソロを喫した。それでも続く4番マルテを三振と意地を見せた。「どういう状況でも投げるつもりだった。仲間が打ってくれたので、感謝の気持ち。とにかく入ってくれて良かった」と乙坂のサヨナラ本塁打を喜んだ。  継投に執念をにじませたラミレス監督は、巨人が待つファイナルステージ進出が懸かる第3戦について「今永も石田も可能性がある」と総動員を示唆した。 DeNA・ラミレス監督 「この終わり方は想像できない。チーム一体の勝利だ。乙坂の代打起用は120パーセント、フィーリングで決めた。明日も救援陣は全員準備させる」 ロペス(一回に先制2ラン) 「打った瞬間に本塁打と分かり、感情がこみ上げた」 エスコバー(七回のピンチで好救援) 「(痛打された5日は)難しい試合になったが、しっかりやり返してやろうという気持ちだった」 筒香(2-0の三回に2戦連発となるソロ) 「外角の球に対して、逆らわずにうまく打つことができた。自分のことより、チームが勝ったことがうれしい」 浜口(先発で4回2/3を2失点) 「球の走りや変化球の切れも良かった。全力で腕を振り、一つでも多くのアウトを取ろうと思った」

◆阪神は北條が五回に適時二塁打を放つなど、2安打1打点と攻撃陣を引っ張った。2安打5打点で大逆転勝ちの立役者となった第1戦に続いて快音を重ね「(打撃の)状態は気にせず、一発勝負なので一打席も無駄にしたくない」と必死の姿勢を強調した。  0-3の五回2死一塁で各打者が打ちあぐねていた浜口の浮いたチェンジアップを捉え、左翼線へ。「流れがちょっと悪かった。何とか変えようと思った」と反撃の一打を振り返った。 阪神・矢野監督 「精いっぱいやった結果、最後に決め手が向こうに行ったというだけ。負けたからどうこうというのはない。お互いにすごくいいゲームができた」 青柳(ロペスに2ランを浴び、4回3失点) 「コースも甘かったし、配球も後悔がある。シーズン中とは雰囲気が違う。経験できて良かった」 ガルシア(1回1失点) 「四球を出して点に絡んだ。気を付けないと」 阪神・清水ヘッドコーチ(接戦を落とし) 「これだけいい試合だったので、選手を責めることはない」 阪神・金村投手コーチ(岩崎に) 「(乙坂の)初球がバントの構えだったので、(ストライクを)取りにいったのではないかと思う」

◆セ・リーグ2位のDeNAは6日、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦(横浜)で劇的なサヨナラ弾で阪神を5-4で破った。  乙坂のサヨナラ弾を見届けた『ハマの守護神』山崎康晃投手は、「仲間が打ってくれた。本当に感謝の気持ちしかない」と最敬礼した。  八回から登板し、阪神打線を三者凡退の完璧投球。レギュラーシーズンでも1度しかなかった「回またぎ」で九回のマウンドにも上がり、近本、代打・木浪を簡単に打ち取った。しかし、ベテラン福留に甘く入った150キロの直球を右翼席に運ばれた。  「絶体絶命、僕の後には誰もいない、という気持ちで投げた。あの1球だけ失投でした」と悔やんだ山崎。決戦となる7日の第3戦でもブルペン入りし登板に備える。「もう一度心を入れ替えて、今晩からしっかり準備したい」と雪辱を誓い前を見据えた。

◆や、やられた...。代打・乙坂のサヨナラ2ランにシーズン中からの虎のミラクルが止められたあ...。いや、確かに連勝はストップしたけど、勢いは決して止まっていないのだ!! その証しが、1点リードされた九回2死からの神様・仏様・福留様の同点アーチなのだ!!  これで相手にも王手をかけられ、スタンドは青一色の大アウェーだけど振り返ってください。わが阪神の今季のペナント終盤の戦いは、常に崖っぷち...。逆境なら逆境ほど牙をむくのが矢野阪神の真骨頂なんやー!!  それに、令和元年の日本のキーワードは『シマシマ』なんです!! ミラクル阪神がタテジマなら、ラグビーW杯で快進撃中の日本のユニホームは赤いヨコジマ!! 阪神日本一&ラグビーは世界の頂点となり、この秋はダブルシマシマがシマ国日本を沸かすのだー!!  さあ、大一番! 『窮虎(きゅうこ)星を落とす』で追い詰められたときの力を見せてやれー!! できれば、先制点を献上してハラハラドキドキの展開はやめたって~な。

◆今季限りでの退団を表明し、現役続行を目指す鳥谷は、CS2戦連続で出場なし。福留のソロで追いついた九回2死では代打でネクストバッターズサークルに控えていたが、マルテが凡退し、打席は回ってこなかった。結果次第では7日がタテジマ最後の試合となるが、矢野監督は起用について「全部いい場面で」と話しており、勝負所での一打に期待が懸かる。

◆--九回の福留のホームランは意地を見せた  矢野監督「意地というか、すごいでしょ? さすがの経験というか、経験値と意地というか、そこで孝介(福留)が打ってくれたんじゃないの」  --どっちに転ぶかわからない展開で、采配が難しい  「毎日難しいよ」  --1勝1敗に  「そんなん勝負やねんから、思い切ってやるしかないやん。ビビッてやるものじゃないしさ。ここまでの戦いを見てくれたら、みんな素晴らしい戦いをしてくれている。思い切ってぶつかっていくだけのことやから。ここに来て、特別なことはできるわけでもないし。素晴らしい戦いをしてくれているんで。あしたもやりきってくれたらいいんじゃないか」  --七回、北條に代走・植田。あそこは一番、点が取れる確率が高い選択肢か  「一番取れる選択肢っていうか...。別に俺らの今までの野球やってるだけやけど。何かあった?」

◆神里がチームを活気づけた。一回の二塁内野安打では「やった方が勢いがつくかな」と一塁にヘッドスライディング。ロペスの先制2ランを呼び込んだ。3-3の六回には一時勝ち越しの左前適時打を放つなど2安打1打点で勝利に貢献した。前日の4安打に続き、CSで10打数6安打と絶好調の1番打者は「明日勝たないと意味がない」とりりしい表情で誓った。

◆青柳は自身初のCS登板で2発に泣いた。一回にロペスに特大の左越え2ランを、三回には筒香に左越えソロを浴び4回3失点。「筒香さんのは打ち取ったかな、という感じで入ってしまったけど。ロペスのところはコースが甘かった。投げきるなり、配球を変えるなりできた」と悔やんだ。自身初の規定投球回にも達し、9勝9敗と躍進したシーズン。CSファーストステージ突破をかけた大一番で、快投とはいかなかった。 3-3の六回に来日初の連投も、1回1失点だった阪神・ガルシア 「(連投は)問題ないです。それよりも四球を出してしまったこと(が反省)。次はしっかり抑えられるようにしないといけないです」

◆3試合制のプレーオフ、CSで1勝1敗となったケースはセ・パで16度。追いつかれた球団の突破率が75%(16度中12度)と高く、追いついた球団のファイナルステージ進出は2006年のソフトバンク、09年の中日、17年のDeNAと楽天の4度(突破率25%)しかない。セでは過去7度中2度で、突破率は28・6%。  プレーオフ、CSでのサヨナラ試合は15年ファイナルステージ第1戦(ソフトバンク3x-2ロッテ、十回に内川聖一の単打)以来4年ぶり11度目。DeNAは初めて。  プレーオフ、CSでの代打サヨナラ本塁打は史上初。サヨナラ弾は、04年の西武・和田一浩、09年の日本ハム・スレッジに次いで10年ぶり3人目で、セでは初。日本シリーズを含めたポストシーズンでは1992年日本シリーズ第1戦のヤクルト・杉浦享(満塁)に次いで27年ぶり2人目。  乙坂のCSでの代打本塁打は17年ファーストステージ第2戦に次いで2本目。プレーオフ、CSで代打弾を通算2本は最多。

◆"ハマの守護神"山崎は、乙坂の劇弾に「本当に感謝の気持ちしかない」と最敬礼した。この日は、レギュラーシーズンに1度しかない"回またぎ"での登板。2イニング目の九回、危なげなく2死を奪った後に福留に同点ソロを浴び「あの一球だけ失投」と悔やんだ。それでも続く4番・マルテを三振に斬って意地を見せた。継投に執念をにじませたラミレス監督は2連投中の今永、第1戦に先発した石田を含む投手陣を第3戦に総動員することを示唆。山崎は「もう一度心を入れ替えて、今晩からしっかり準備したい」と誓った。

◆無情の白球が横浜の空を飛ぶ...。信じて2イニング目を託したセットアッパー岩崎が、最後に力尽きた。しかし、悔いはない。3時間50分の死闘を終えた矢野監督は両軍をたたえると、すぐさま7日の運命の最終戦へ、目を向けた。  「お互いすごくいいゲームできたと思う。みんな精いっぱいのことをやってくれたと思うから。勝負なんでね。勝ちか負けかがつくので。やった結果なので、あした、取れるように」  福留の執念のアーチで追いついた直後の九回。延長戦も考えると最大4イニングを戦う可能性がある中、ベンチに残る投手は4人。指揮官は勝負に出た。シーズン終盤から7試合連続登板となった岩崎を続投させたが...。1死一塁から、代打・乙坂に痛恨のサヨナラ被弾。実に8試合、17日ぶりとなる敗戦で、ファイナルステージ進出は最終戦にもつれ込んだ。  しかし崖っぷちの戦いを続けてきた虎将は「きょう負けたから、どうのこうのと言うのは別にないよ」と泰然自若だ。岩崎についても「頼らなあかん試合になると思う。あしたも総力戦でいくと思うから」と強い信頼を口にすると、左腕も「重圧のある試合が、またできる。あしたとれるように、頑張ります」と気持ちを新たにした。  2試合計13投手を使ってきた。第3戦ももちろん総力戦。2年目左腕の高橋遥に先発を託す矢野監督は「腕振って投げるしかない。まだ技術でうまくできる感じのところまで、来ていないと思うし。あいつらしく向かっていってくれたら」と、背中を押した。  「最後どっちが勝つかっていうところ。ずーっと(リーグ戦最後の)6連勝のときからそういう戦いしてるから。俺は何も変わらないと思うんだけど。というか、変えられないし」  2年前のファーストステージでは甲子園で先勝しながらDeNAに連敗したが、悪夢は繰り返さない。挑戦者として全員の力を結集し、東京への道を切り開く。 (大石豊佳) 阪神・清水ヘッドコーチ 「こんないい試合をして、誰も怒れない。(7日は)意地の勝負になる。勝ちます」

◆セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦が行われ、レギュラーシーズン3位の阪神は2位のDeNAに4-6でサヨナラ負け。対戦成績は1勝1敗となったが、途中出場で同点打を含む2安打の上本博紀内野手(33)、前日5日に続く活躍となった北條史也内野手(25)の好調2人が、7日の第3戦、虎を勝利へと導く。  全員が予感していた。このまま何も起きないわけがない、と。食らいつき、最初に"何か"を起こしたのは上本だった。2日連続の代打安打で口火を切ると、前日のヒーロー北條の左翼線二塁打で一塁から一気にホームイン。完全な劣勢を"ラッキーボーイズ"の躍動が大接戦に変えた。  激戦の末に敗れたとあって、試合後の上本は「(1勝1敗でも)気持ちは一緒」と全身から悔しさを漂わせた。それでも、ベンチスタートだったこの2試合で刻んだ確かな結果は、チームを勇気づけ勢いづけるものだった。  前日5日の第1戦では1-3の五回先頭で今永から代打で左前打。この日は0-3の五回1死で代打に立つと、ナインがそこまで7三振と苦しんでいた浜口から、チーム2安打目となる中前打を放った。追い込まれながらボール気味の低め121キロをつかまえた。全員が打ちあぐねていたボールを鮮やかに拾い上げる一打で、虎ベンチはまたワイワイと沸き始めた。  こうなれば誰より頼りになるのが、第1戦で3ラン&逆転2点打を放って一躍ヒーローとなった北條だ。近本が倒れ2死になったが、上本を一塁に置いて、浜口の外角121キロを一閃。思いきり左翼線へ引っ張った。  「流れが悪かったので『なんとかこの回』と思っていた。(浜口の)球数も増えてきて、流れを変えたかった」  上本が長駆生還し、何としても欲しかった1点目が入った。シーズン中から指揮官が求め続けてきた、食い下がる気持ち、ここぞという場面を逃さない勝負強さが"ラッキーボーイズ"からほとばしった。敗れはしたが、だれもが目を見張る追撃だった。  上本は2-3の六回2死三塁では左前同点打。代打から大山を下げて二塁守備に残した指揮官のタクトに、2安打1打点と見事に応えた。矢野監督も「代打でずっと打って、いいところでも同点のヒット打ってっていうね。本当に、らしさっていうのは出てきていると思う」とうなずく。  自信を持って切れるカードがある。勢い付いたら止まらない北條もいる。こんな男たちがいるから、まだ虎はここで立ち止まるわけにはいかない。   (長友孝輔) ★CSファーストステージ  3試合制で行われ、勝利数の多い球団がファイナルステージに進出する。延長は十二回まで。セ・リーグはステージの勝ち上がりが確定した時点でコールドゲームとし、十二回裏を実施しない。引き分けの場合、再試合は行わない。セはファイナルステージ前日までに所定の試合を消化できない場合、その時点で勝利数の多い球団を勝者とする。パ・リーグはダブルヘッダーを実施する場合がある。勝利数が同じ場合はレギュラーシーズン上位チームが勝者となる。両リーグとも予告先発を実施。

◆セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦が行われ、レギュラーシーズン2位のDeNAが3位・阪神に6-4でサヨナラ勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。追い付かれた直後の九回、乙坂智外野手(25)がCS史上初となる代打サヨナラ弾を放ち、試合を決めた。劇的な勝利を飾ったDeNAは、7日の第3戦に勝つか引き分ければ2年ぶりのファイナルステージ進出が決まる。  横浜の夜空に舞った白球は、青く染まった右翼席へ吸い込まれた。乙坂が劇的なサヨナラアーチ。両拳を突き上げて生還すると、ウオーターシャワーで祝福された。  「勝ちました!! 入ると思わなかったけど、手応えはありました。サヨナラホームランは初めてなので実感が湧かないけど、勝ててうれしいです」  守護神・山崎が九回2死走者なしから追いつかれ、4-4で迎えたその裏の攻撃。1死一塁で代打として登場したのが乙坂だった。初球、バントの構えで揺さぶると、2球目の置きにくるような甘い直球を仕留めた。1勝1敗のタイとする起死回生の2ラン。CSでの代打サヨナラ本塁打は史上初の快挙だ。  左投げの岩崎に対し、今季は対左腕で打率1割台だった左打ちの乙坂。定石と異なる采配には伏線があった。雨中の"泥試合"となった2017年。乙坂は、同じ阪神とのCSファーストステージ第2戦(甲子園)で代打3ランを放つなど活躍し、同年のCSで代打の新記録となる5打点をマークした。  それから2年。ラミレス監督は「2年前の雨の甲子園がフラッシュバックした」と山崎に打順が回るところで代打を伝達した。「采配はデータ8割、フィーリング2割」を信条とするが、この日ばかりは「120%フィーリング」とニヤリ。横浜高から入団8年目の今季、自己最多97試合に出場した25歳の"CS男"が、勝負どころで期待に応えた。  前日は最大6点のリードをひっくり返され、大逆転負けを喫した。重苦しいムードを振り払うべく、主将の筒香はこの日の試合前、選手とスタッフをロッカールームに集め「失うものはない。勝つしかない!!」と鼓舞。最後は全員で肩を組んで気勢を上げた。その筒香は、三回に2戦連発となるソロを放ち、プレーでもナインを勇気付けた。  「自分の結果もうれしいけど、チーム全員で勝ち取った勝利がうれしい。明日も継続したい」と乙坂。2年前も初戦黒星から2連勝を飾り、ファイナルステージに進出した。今度はCS初開催となった本拠地で、栄光の歴史を繰り返す。 (湯浅大)

◆いざ決戦! 勝つしかない!! セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦で、レギュラーシーズン3位の阪神は2位のDeNAに4-6でサヨナラ負け。対戦成績は1勝1敗となったが、福留孝介外野手(42)が九回2死から同点弾を放つなど驚異的な粘りを見せた。7日、引き分けも許されない第3戦で、東京行きのチケットをつかむ!!  白球は弾丸のように日の落ちた横浜の空を飛び、一瞬で右翼席上段へ突き刺さった。ハマスタを青く染めたDeNAファンが静まり返り、左翼席の虎党と三塁ベンチは狂喜乱舞だ。福留が瀕死の虎をたたき起こした。"空砲"じゃない。第3戦につながる執念を、42歳が見せつけた。  「(本塁打は)狙って打つというより、次に次にと思っていました。よかったんじゃないですか」  球団最多を更新するCS通算5本塁打目は、2013年の桧山進次郎(阪神、44歳3カ月)に次ぐ、CS年長2番目のアーチ。ミスターオクトーバーは、乙坂のサヨナラ弾で敗れた試合後も表情一つ変えずに、頼もしく振り返った。  3-4の九回。イニングまたぎとなったハマの守護神・山崎の前に、近本、代打・木浪のルーキー2人があえなく凡退。あと1死...。万事休すの場面で、カウント1-1から150キロ直球を完ぺきにとらえた。  シーズン終盤からの連勝は7で止まったが、前日5日の6点差大逆転に続き、この日も粘り強さを見せた。先発の青柳が3点を失ったが、0-3の五回。北條の適時二塁打の後、2死三塁から福留がこのCS初安打となる右前適時打を放った。  2安打2打点。七回にパットンから右肩付近に受けた死球も「(試合に)出ているから大丈夫」と力強かった。  今季は両足ふくらはぎの張りなどで2度の登録抹消を経験したが、ギラギラの太陽が差す鳴尾浜で、若手野手への打撃指南も務めてきた。空振りを恐れ、手打ちになっていた19歳の高卒ルーキー小幡には「しっかり割れを作って。(仕留めるなら)一発で」。スイングを確認すると「そんな感じでいい! いまはバットが折れてもいいから」とうなずいた。惜しみなく技術を教え込み、自らは大舞台で、お手本のような一撃を放つ。  前日は北條に「俺の日じゃないから、お前がいってこい」と声をかけて肩の力を抜いてあげ、殊勲打に導いた。唯一無二の存在感を見せる主砲に、矢野監督も「すごいでしょ? さすがの経験値と意地というか」と大絶賛だ。  3位の阪神は3戦目に勝つしかない。引き分けすら許されない。やることは明白だ。福留は「どっちにしても、決着がつく。自分たちの準備をして、自分たちの野球をやること」と大一番を見据えた。決着をつける。もちろん勝つ。宿敵巨人がファイナルステージで待つ東京へ、必ず進む。決戦のときがきた。 (新里公章)

◆初戦を劇的逆転勝ちした阪神が一番やってはいけないのは、先制点を許すことだった。最悪の負け方で初戦を落としたDeNAは嫌なムードで第2戦に入ったはず。それが一回のロペスの一発で一瞬にして平常心に戻れてしまった。  惜しまれるのは青柳のロペスに対する攻め方。2死二塁で一塁は空いていた。もっともっと厳しく攻めなければいけなかった。慎重さに欠けていたし、もったいない。シーズン終盤からの"奇跡"を手放した瞬間だったかもしれない。  ただ、CSに入っての阪神打線はシーズン中にはあまり見られなかった反発力がある。"奇跡"に頼る必要がない、新たな勢いを感じる。  背景には、矢野監督の変化がある。以前はベンチからマウンド、打席ばかりを注視していた矢野監督が、スコアボードに視線を注ぐシーンが激増している。これは試合の流れを先読みしてさい配するようになっている証拠。先、先を見据えているから、継投もうまくいくし、代打も的中する。野球とはそういうもの。  七回、北條に代走を送ったシーンは、一番当たっている打者を引っ込め、その瞬間は「?」だったが、思い切り勝負していると考えれば、間違いとは言えない。  サヨナラ負けしたが、2度追いついた戦いは自信にすればいい。運命の3戦目、阪神に不利の要素は見当たらない。 (サンケイスポーツ専属評論家)

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