日本ハム(★1対3☆)ソフトバンク =リーグ戦21回戦(2019.09.14)・札幌ドーム=
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ソフトバンク
0010110003501
日本ハム
0001000001400
勝利投手:嘉弥真 新也(1勝2敗1S)
(セーブ:森 唯斗(2勝3敗32S))
敗戦投手:有原 航平(14勝8敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】松田 宣浩(29号・6回表ソロ)

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◆ソフトバンクは1-1で迎えた5回表、グラシアルが適時打を放ち、勝ち越しに成功する。続く6回には、松田宣にソロが飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、2番手・嘉弥真が今季初勝利。敗れた日本ハムは、打線が散発の4安打で1得点と振るわなかった。

◆日本ハム有原航平投手(27)は今季14勝のうち、本拠地の札幌ドームで7勝。 同球場でのシーズン勝利数は、07~09年ダルビッシュ、15年大谷がマークした8勝が最多で、有原が勝つと2人の最多記録に並ぶ。

◆ソフトバンクは3回、今宮の二塁打とグラシアルの犠打で2死三塁とし、日本ハム先発、有原の暴投で1点を先制した。 ソフトバンクは5回、グラシアルの右前適時打で、6回には松田宣の29号ソロで1点ずつを加え、日本ハム有原をノックアウト。 ソフトバンクは4回無死満塁のピンチを2番手の嘉弥真が1失点でしのぎ、5回以降は盤石な継投で逃げ切った。嘉弥真が今季初勝利、森が32セーブ目。日本ハム有原は8敗目。

◆日本ハムの今季3位以下が確定した。3季ぶりリーグ制覇の可能性が14日、完全に消滅した。 ソフトバンク21回戦(札幌ドーム)は4投手が必死の継投を見せたが、打線が散発4安打と振るわず、1-3で競り負けた。9回に堀瑞輝投手(21)がマウンドに上がり、パ・リーグ記録となる6人が50試合以上に登板。17年阪神のプロ野球記録に並んだ。札幌ドームでは6試合ぶりの敗戦で、ソフトバンクには5連敗となった。悲嘆に暮れる本拠地の札幌ドームで、日本ハムの救援陣が歴史に名を刻んだ。6回3失点で降板した先発の有原に代わり、7回から3投手が無失点リレー。故障離脱していた柳田や中村、グラシアルが戦列復帰した"完全体"のソフトバンクに挑んだ。 9回には4番手の堀がマウンドに上がり、2者連続三振を含む3者凡退。この21歳左腕の登板が、今季チームでは玉井、公文、石川直、宮西、秋吉に続き6人目の50試合登板となった。同一チーム内に50試合以上登板が6人は、パ・リーグ記録。17年、阪神のプロ野球記録に並んだ。 開幕から安定してローテーションを守っているのは、ハーラートップの有原ぐらい。駒不足の先発陣を補うため「ショートスターター」を導入したことで、ブルペンの負荷が増した。だが、若い投手にとってはチャンスだ。 厚沢ベンチコーチは「50試合登板は1軍の選手という証し」という。1年目24試合、2年目40試合、そして3年目の今季チーム最多60試合に登板した玉井は「積み重ねた結果。自信になる」。言葉通り、この日も3番手でマウンドに上がり、グラシアル、デスパイネ、柳田の中軸を3者凡退に仕留めた。 1つの大きな野望が消えたとはいえ、落ち込んでいる暇はない。栗山監督の表情は、思いのほかサバサバしていた。優勝の望みが完全に絶たれたことに「ごめんなさい」と頭を下げた上で「簡単なことではないのは分かっているけど、その方が何かが起こりそう」。5位からの逆転CS進出へ、感動のドラマをまだまだ諦めない。【中島宙恵】   ▼日本ハムの今季3位以下が10試合を残して確定した。14日時点で133試合60勝68敗5分けで、残り試合を全勝しても70勝68敗5分けで勝率は5割0分7厘。 首位ソフトバンクは残り11試合全敗でも勝率5割1分8厘(72勝67敗4分け)で、2位西武も残り10試合全敗で勝率5割2分1厘(74勝68敗1分け)となり届かない。

◆ソフトバンク松田宣浩内野手(36)が6回に29号ソロを放ち、自身3度目の30本台に王手をかけた。 1点リードの6回2死、日本ハム有原のフォークを左中間スタンドへ。この日の試合前練習で、親交のあるCS放送GAORAの実況の近藤祐司アナウンサーに本塁打を打つと宣言していた。8月4日の24号以来の札幌ドーム今季2本目。近藤アナは打球がスタンドに消えると「グッバイ。入りました。左中間」と冷静にしゃべり、松田宣がホームインする時には「ホットボーイ、熱男が打ちました」と実況した。 松田宣は「追い込まれていたので食らいついていった」。8月は23試合で打率1割8分2厘、2本塁打、7打点と不振だったが、9月は11試合で4本塁打、8打点。「ボールが飛び始めている。8月より打球が強くなっている」と復調を実感している。 0-0の2回、無死一、二塁での第1打席では、自らの判断で初球に投前犠打を決めた。「打てのサインだった。(送りバントの)サインは出ないタイプだが、残り12試合で無死一、二塁で打席に立つことはそうはない。(相手の)一、三塁手も後ろにいた。1回やってみようと。成功してよかった」と振り返った。 工藤監督は「(犠打は)自分でやってくれた。1点でもという思いから。よくやってくれた。本塁打も点がほしい時に取ってくれた」とほめた。

◆今季限りで現役を引退する日本ハム田中賢介内野手が、日本での通算1500安打へあと5本に迫った。 2点を追う9回2死に代打で登場。4万人を越える観衆からの大声援を受ける中、森から中前打を放ち、節目の記録へまた1歩前進。「ファンの人たちに良いところを見せられてよかった」と振り返った。

◆ソフトバンク森唯斗投手が節目の試合で32セーブ目を挙げた。 2点リードの9回、2死から安打と四球で走者を出したが、無失点で抑えた。「3人で終わりたい気持ちはありましたが、点を取られずに帰ってきてチームが勝てばいい」。森にとって入団以来6年連続となる今季50試合目の登板。「ずっと投げたい。まだまだ終わっていない。あと(残り全試合の)11行くつもりでいます」とフル回転する。

◆ソフトバンクが、救援陣の踏ん張りで優勝マジックを11に減らした。工藤公康監督(56)は先発武田を4回無死満塁であきらめ、継投策へ。2番手嘉弥真がこのピンチを1点でしのぐと、高橋純、甲斐野、モイネロ、森が無失点でつないだ。先にゲーム差なしで背中に迫る2位西武が勝っていた中で、落とせない1戦をブルペンの総力でもぎ取った。まだ4回。それでも工藤監督は動いた。無失点だった先発武田をあきらめ、1点リードの無死満塁で継投策に打って出た。左打者が続く並びに対し、コールされたのは左腕・嘉弥真だ。 まずは平沼に4球スライダーを続けて捕邪飛。続く宇佐見は、低めへの直球1球で遊飛に仕留めた。9番中島には粘られ、押し出し四球で同点にされたが、西川をフルカウントから見逃し三振。最後はスライダーを内角高めいっぱいに決めた。 初球、3球とボールになった内角球も伏線になった。春季キャンプでブルペンの打席に立った柳田が「グイグイ来る。怖さがある」と絶賛した内角攻めが、大量失点につながりかねない大ピンチを最少失点で食い止めた。味方が5回に勝ち越し、嘉弥真は今季初白星。「押し出したのは申し訳ないけど、なんとか1点に抑えられて良かった。チームが勝って良かった。みんなでつないだ勝利」と喜んだ。 3番手の高橋純は5回からの2イニングを完全投球。4番手の甲斐野も7回を3人で斬った。8回のモイネロも、2番大田からの好打順を3人で料理。9回は守護神の森がピンチを背負いながら、無失点で逃げ切った。 ブルペンの総力での1勝に、工藤監督も「つぎ込んででも、勝てるところは勝っていかないといけない。嘉弥真君が満塁の場面を1点でしのいでくれた。純平君、甲斐野君、モイネロも3人で抑えてくれた。さすがうちのリリーフ陣だなと思います」と胸を張った。 マジック点灯後の最初の試合をものにし、優勝へのカウントダウンを「11」とした。先に2位西武が勝って試合を終えていた中で、落とせない1戦だった。両者譲らない戦いは、まだまだ続く。指揮官は「大変だとは思いますが、残り11試合、みんなで頑張っていきたい」と力強く語った。【山本大地】 ▽ソフトバンク武田(先発も4回途中で1失点降板)「コースを狙い過ぎず、もっと大胆に攻めてもよかった。大事な試合で先発としての仕事ができず、チームに申し訳ない」 ▽ソフトバンク高橋純(3番手で2回を完全投球)「嘉弥真さんが(4回無死満塁を)1点で抑えてくれた。続いて抑えれば流れが来るな、と思っていました」 ▽ソフトバンク甲斐野(4番手で2点リードの7回を3人斬り)「松田さんが追加点も取ってくれたし、流れが来ている状態での登板だったので、しっかり抑えたいと思っていました」 ▽ソフトバンク・モイネロ(8回に登板し、打者3人で抑える)「先に投げたピッチャーも抑えてくれているので、自分もいい流れで投げられていると思う」

◆ソフトバンクのジュリスベル・グラシアル外野手が3番起用され、2戦連続で決勝打を放った。 同点の5回2死二塁、日本ハム有原の142キロの外角直球を右前へはじき返し、勝ち越し打に。「投手陣が頑張って(4回を同点の)1点に抑えたので、何とか勝ち越し点を取りたかった」。しびれる優勝争いは続くが「明日(15日)以降も100%の力を出し切る」と、全力プレーで勝利に貢献する。

◆無安打に終わった日本ハム中田翔内野手が悔しさを見せた。1回2死一塁で空振り三振に倒れるなど4打数無安打。 チームもソフトバンク投手陣を攻略できず「ファンの人たちが応援してくれているのも事実。最後まで良い試合を見せられたらいい」と、10試合となった残りのシーズンへ気持ちを高めた。

◆日本ハム渡辺諒内野手のチーム唯一のマルチ安打も勝利にはつながらなかった。 2回先頭で左前打、4回無死一塁で中前打とチャンスメークの2安打を記録も、白星には届かず。「チャンスメークできたところはうれしい。でもその後の2打席抑えられたので」と唇をかんだ。

◆タイトルをたぐり寄せる白星はつかめなかった。日本ハム有原航平投手(27)が、14日のソフトバンク21回戦(札幌ドーム)で6回を4安打3失点。自身のシーズン最多を更新する15勝目はつかめず、8敗目を喫した。試合後は報道陣からの問いかけにも言葉数は少なく、「いいところがなかった」と言い残し球場を後にした。 初回、2三振を奪うなど3者凡退で好発進も、2回以降は走者を背負う苦しい投球が続いた。3回2死三塁、デスパイネを打席に置いた場面で暴投し先制点を献上。味方打線が同点に追いついた直後の5回にグラシアルに勝ち越し右前適時打を許すと、6回には松田宣に左中間ソロ本塁打を浴びた。 勝利数、防御率、勝率の3つのタイトルが届く位置にいる右腕は「今日は粘ることができず、最後までずるずると悪い流れでいってしまいました。チームに申し訳ないです」と反省しきり。防御率は2・52となり、2位ソフトバンク千賀(2・83)との差が縮まり、勝率は6割3分6厘でトップ山岡の7割3分3厘と開いた。今季7勝している本拠地で、ダルビッシュ(07~09年)大谷(15年)に並ぶ同球場シーズン最多8勝目をつかめず、悔しさをにじませた。【山崎純一】

◆今季限りで現役を引退する日本ハム田中賢介内野手(38)が14日ソフトバンク戦の試合前に、北海道水産林務部から道産ダケカンバで作られたバットを贈られた。 田中賢は9回代打の打席で同バットを使い中前打。プロ野球選手が公式戦でダケカンバのバットを使うのは初で「打感は良かったです。ダケカンバのおかげで打てました。北海道に感謝ですね。(日本での通算)1500安打をこのダケカンバと一緒に達成できたらなと思います」と意気込んだ。

◆日本ハムは0-1の四回無死満塁から中島の押し出し四球の1点に終わるなど、好機を生かし切れず、リーグ優勝の可能性が完全に消滅した。栗山監督は「本当にごめんなさい。勝ちきらないといけない試合で勝ちきれない」と言うしかなかった。  ここまで14勝のエース有原は6回3失点にまとめたものの、味方が追い付いた直後の五回に先頭四球から勝ち越しを許すなど、リズムの悪い投球で8敗目。有原は「粘ることができず、最後までずるずるといってしまった。チームに申し訳ない」とうつむいた。

◆ソフトバンクの森が新人年から6年連続で50試合登板を果たし、2点リードの九回を締めた。2死一、二塁のピンチは二直で切り抜け「冷や冷やさせてすいません。点を取られずに(ベンチに)帰って、チームが勝てばいい」と胸をなで下ろした。  今季は故障で約1カ月離脱したが、ここまで32セーブを挙げている。激しい優勝争いの中「まだまだ終わっていない。あと(全残り試合の)11試合いくつもりでいる」と気合を入れ直した。

◆好機を生かし切れず、リーグ優勝の可能性が完全に消滅した。ここまで14勝のエース・有原航を打線が援護できず、栗山監督は「ごめんなさい。勝ち切らないといけない試合」と頭を下げた。クライマックスシリーズ(CS)進出に向けても、残り10試合で3位・ロッテに4・5ゲーム差と厳しい状況だ。それでも指揮官は「簡単なことでないのは分かっている。何か、しでかすほうが面白いだろう」と前を向いた。

◆踏ん張っていた相手のエースを沈めた。ソフトバンク・松田宣浩内野手(36)は2-1の六回2死から2球で追い込まれたが、3球目の浮いたフォークボールを強振。左中間越えに運ぶ29号ソロを放ち、日本ハム先発の有原をこの回限りで降板に追い込んだ。優勝へのマジックナンバーを「11」に減らす原動力になり「追い込まれていたので食らいついていった。良かった」と上機嫌だった。  8月はわずか2本塁打と低調だったが、9月に入り早くも4本目。転機になったと振り返るのは、8月31日の西武戦で放った一発だ。打席での構えを微調整したことで「しっかりボールが飛んでいる。打球が強くなっている感じ」と好感触をつかんでいる。2年連続3度目の30号到達を目前に「まずはまた1本打てるように頑張る」との言葉に力がこもった。  二回無死一、二塁では4月3日以来となる犠打を記録。サインではなく、工藤監督は「とにかく1点でも、という思いからだと思う。よくやってくれた」と本塁打と同様にたたえた。5年連続全試合出場も視界に捉えるベテランが熾烈な優勝争いの中、元気いっぱいだ。

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
72564 0.563
(↑0.004)
M11
(↑1)
11547
(+3)
516
(+1)
173
(+1)
108
(+1)
0.252
(-)
3.590
(↑0.02)
2
(-)
西武
74581 0.561
(↑0.004)
0
(-)
10711
(+4)
651
(+3)
167
(+2)
126
(+1)
0.266
(-)
4.360
(↑0.02)
3
(-)
ロッテ
66654 0.504
(↓0.004)
7.5
(↓1)
8605
(+3)
573
(+4)
154
(-)
74
(-)
0.247
(-)
3.880
(-)
4
(-)
楽天
64654 0.496
(↓0.004)
8.5
(↓1)
10567
(+2)
548
(+3)
132
(+1)
43
(+2)
0.250
(-)
3.840
(-)
5
(-)
日本ハム
60685 0.469
(↓0.003)
12
(↓1)
10529
(+1)
558
(+3)
89
(-)
47
(-)
0.251
(↓0.001)
3.840
(↑0.01)
6
(-)
ORIX
56686 0.452
(↑0.005)
14
(-)
13498
(+3)
584
(+2)
94
(-)
110
(+1)
0.244
(-)
4.080
(↑0.02)