阪神(★2対12☆)ヤクルト =リーグ戦23回戦(2019.09.12)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:山田 大樹(5勝4敗0S)
敗戦投手:髙橋 遥人(3勝8敗0S)

本塁打
【ヤクルト】バレンティン(32号・1回表2ラン)
【阪神】大山 悠輔(13号・7回裏ソロ)

  DAZN
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◆ヤクルトは初回、山田哲の適時打とバレンティンの2ランで3点を先制する。そのまま迎えた4回表には、廣岡と塩見の連続適時打が飛び出すなど、終わってみれば14安打で12得点を挙げた。投げては、先発・山田大が7回途中2失点で今季5勝目。敗れた阪神は、投打ともに振るわなかった。

◆ヤクルトのバレンティン外野手(35)が、2試合ぶりの32号2ランを放った。 1点を先制した1回1死二塁、阪神先発高橋遥の2球目をバックスクリーン右へ放り込んだ。初回で流れを引き寄せる1発に「(カウントを)取りにきたツーシームを完璧に捉えることができました」と話した。 11日は休養したが、9月はこの日まで7試合で24打数8安打の打率3割3分3厘と好調。4番で復帰して即、結果を示した。

◆ヤクルト村上宗隆内野手がまたも記録に迫った。1回2死、阪神先発高橋遥に空振り三振を喫し、今季172個目。 球団記録でセ・リーグ最多は、04年岩村の173三振。三振については「そりゃあしたくないですよ、できるもんなら」。強打者の宿命とも言えるが「少なくできるように、技術も上げていかないと」と話している。

◆阪神高橋遥人投手は4回8失点(自責5)で降板した。 1回、3番山田の先制二塁打、4番バレンティンの2ランでいきなり3失点。4回には4安打に1四球、自身の失策が絡んで5失点した。 前回6日広島戦でも4回6失点と炎上。「前回に続いてふがいない投球をしてしまい、チームに申し訳ないです」と言葉に悔しさをにじませた。

◆阪神ドラフト1位の近本光司外野手が球団2人目の新人30盗塁を達成した。 3回1死から中前打で出塁。1死一塁で3番福留の初球に二盗を成功させた。新人の30盗塁はセ・リーグ6人目で球団2人目。リーグ、球団ともに01年赤星39盗塁以来となる。

◆"燕のゴジラ"ことヤクルト村上宗隆内野手(19)が、今季173個目の三振を喫し、04年岩村(ヤクルト)のセ・リーグ記録に並んだ。 5回1死一塁、阪神2番手の守屋から、この日2個目の三振を喫して到達した。三振への意識については「そりゃあしたくないですよ、できるもんなら」。ここまで33本塁打で92打点。三振は強打者の宿命とも言えるが「少なくできるように、技術も上げていかないと」と話していた。

◆ヤクルトは初回に山田哲の適時二塁打、バレンティンの32号2ランで3点を先制。阪神は2回2死満塁で高橋遥が粘るも遊ゴロ。 ヤクルトは4回、犠飛と4安打に敵失を絡めて5点を追加した。阪神の先発高橋遥は4回8失点で降板した。 ヤクルトが8回2死無走者から5連打で4点を加えて大勝。先発山田大は7回途中2失点で白星先行の5勝目。高橋遥は8敗目。

◆近本が12度目の猛打賞を記録し、プロ野球新人史上5位タイとした。プロ野球最多は58年長嶋(巨人)14度で、球団最多は48年別当と16年高山の13度。複数安打は40度目。マルチ安打の新人記録は56年佐々木信也(高橋)の54度だが、阪神では98年坪井の40度に並ぶ最多タイ。 ▼これで近本は通算146安打。12試合を残し、セ・リーグ新人最多の58年長嶋153安打にあと7とした。 ▼盗塁も30の大台に到達した。新人ではセ・リーグ6人目、阪神2人目。いずれも01年赤星39盗塁以来。なおプロ野球記録は97年小坂誠(ロッテ)56盗塁。

◆ため息交じりの甲子園にも希望の光はある。阪神近本光司外野手が足で、バットで存在感を示した。 まずは3点を追う3回。1死走者なしからヤクルト先発山田大の直球を中前に運んで出塁。続く3番福留の初球、果敢にスタートを切った。30盗塁成功。相手捕手は、リーグトップ27盗塁を刺しているヤクルト中村からだった。盗塁部門1位、山田哲(33盗塁)の目の前で、その差を3に縮めた。「3点差あったんですけど、しっかり自分のスタートを切れれば良いかなと思っていた」。新人らしく企画数にこだわり、14度の盗塁死も経験となっている。「失敗も多いけどその分、走っているということ」。新人の30盗塁は球団で2人目、リーグでも6人目。ともに、近本が入団当初から憧れと語る01年赤星憲広以来の快挙となった。「大きい壁は越えられたかなと思います」。自慢の足で稼いだ偉業となった。 バットでも灯火は消さない。5回の第3打席に中前安打、7回の第3打席に遊撃への内野安打を放ち、8月4日広島戦(マツダスタジアム)以来、30試合ぶりの猛打賞を記録。実に12度目。こちらは14度でNPB新人記録の58年長嶋茂雄に「2」と迫った。 球団新人記録を塗り替えている安打数は、一気の加速で146本まで数字を伸ばした。シーズンは残り12試合。リーグ新人記録2位の17年中日京田(149本)まであと3本。こちらもトップに立つ58年巨人長嶋(153本)の記録更新にもグッと近づいた。 ただ、試合は大差の敗戦。自力CSの可能性も再び消滅した。「僕の打席は得点にもつながっていない。(本塁に)返ってこれなかったということ、一番大きな仕事ができなかったなと思います」と悔しそうに振り返った。 それでも、まだ戦いは終わったわけではない。最後の最後までチーム一丸となって走り抜く。「残り12試合。1つでも多く、チームのために走っていけたらいいかなと思います」。数々の記録を打ち立て続ける背番号5は、決して諦めてはいない。虎を引っ張るルーキーの輝きが、必ず道しるべとなる。【奥田隼人】 ▽阪神筒井外野守備走塁コーチ(近本の30盗塁について)「初球からいけたので。あと12試合、自分のやれることをどんどんチャレンジしていって欲しい」

◆リベンジを期した一戦で悪夢のような時間が続いた。阪神高橋遥人投手(23)が自己ワーストの1試合8失点を喫し、前回に続きプロ最短タイの4回で降板した。「こういう大事な試合で試合を壊してしまって、申し訳ないしかないです」。逆転CSへ勝利を重ねるしかない状況で、大敗に直結する大量失点だった。 初回、先頭広岡にいきなり右翼フェンス直撃の三塁打を浴びた。塩見を空振り三振に打ち取ったが、山田哲に左翼へ二塁打を許し先制点を献上。なおも1死二塁から4番バレンティンに、バックスクリーン右へ運ばれた。高橋遥はしばらくの間、ぼうぜんと見つめるしかなかった。 それだけでは終わらなかった。4回無死満塁のピンチを招くと中村の右犠飛で追加点。その後も自らの失策、連打と悪い流れは止まらない。この回打者一巡の攻撃を食らい一挙5点を失った。その間、ベンチの矢野監督は腕を組んだまま微動だにしなかった。「(リリーフ)温存とは思ってないけど。ここまで来ているから。(高橋遥にとって)全てがいい経験になるし。全てを含めてそうしました」。期待をかけたプロ2年目の左腕に"教育的続投"を課した。 前回6日広島戦で、高橋遥は4回6失点KO。ベンチ内で矢野監督からベースカバーを怠った点について「公開説教」を受け、涙を浮かべるシーンもあった。「やれることはもっとあった。この前の試合も期待して使っていただいて、任されていたのに、情けない、申し訳ないだけです」。悔しさを胸に上がったマウンドだったが、無念の早期降板となった。 3位広島が勝利しゲーム差は4・5差に。自力CS進出の可能性も再び消滅した。好投を続けていた左腕で痛い敗戦。「相手に自分の投球とかを覚えられて、1つの壁だと思う。それをどうするか、というところにぶち当たっていると思う。プロだから、やられたらやり返さないとあかん」と矢野監督。つらい夜を糧にするしかないが、今季残り試合が12しかないのも現実だ。【磯綾乃】

◆阪神大山悠輔内野手が意地の1発を放った。8点差の7回、1死から山田大からセンターバックスクリーンへ運ぶ13号ソロ。 大山は「練習のときから、バックスクリーンへ打つというか、その方向へ強い打球を打つ練習をしていた。自分が一番やりたかったこと。その結果、いい形で打てたからあの本塁打になったと思います」と納得の表情で振り返った。2戦連続でスタメン落ちしたが「1打席、1球1球を大事にしたい」と、定位置奪回へ結果で示す。 ▽阪神浜中打撃コーチ(大山の本塁打に)「北條といい競争をしてくれている。今日は悔しさを出してくれた。いい競争をしてくれれば」

◆阪神5回表の守備から出場した原口文仁捕手(27)がマルチ安打で奮起した。 その裏は先頭打者で左前打。「あの展開だったので、なんとか流れを作れるようにと思っていた」。後続が倒れたが、7回は大山のソロの後に再び左前打を放って2つの敵失などで生還。ただ、反攻を待ったリード面では浜地の2イニング目の8回に痛恨の4失点。「守る方でも粘らないとゲームが難しくなる。何とか頑張らないといけなかった」と声を落とした。

◆ヤクルト山田大樹投手が、今季最長6回2/3、最多112球の力投で5勝目を挙げた。 初回から援護を受け「3点取ってくれて、1点はいいと割り切っていけた。序盤をなんとか押さえられたのでよかった」と話した。2失点(自責点1)の好投で自身の連敗も4でストップ。「次も全力で勝ちにつなげるピッチングをしたい」と力強く話した。

◆リベンジを期した一戦で悪夢のような時間が続いた。阪神高橋遥が自己ワーストの1試合8失点を喫し、前回に続きプロ最短タイの4回で降板した。 矢野燿大監督の談話は以下の通り。 -高橋遥は被弾、集中打と前回と同じやられ方 調子ももちろん良くなかった。こうやって(シーズン通して)投げるのも初めて。終わったから「まあいいよ」という形ではすませたくないけど、まだまだ先のある投手なので、これをどうするかが大事になる。2回続けて、こういうことになった。どうしていくかの方がね。これからプロは何回も同じ打者とずっと対戦していく。そこをどうするかやね。 -投げるチャンスはまだある。次回に修正したい そら次にクリアできれば越したことはない。もちろん自分だけで投げるわけじゃないから。捕手にも助けてもらいながらの部分も含めてね。結果も出さないとあかんけど。そのなかで自分で「こうやっていけばいいかなとか、もっとこういうことが必要かな」とか。もちろん俺らもそういうことは伝えていくし。そうやっていくしかないね。

◆阪神・高橋遥人投手(23)が12日のヤクルト戦(甲子園)に先発し、一回に山田哲に左翼線適時二塁打、バレンティンにバックスクリーン右へ2ランを被弾し、3点を先制された。  一回、先頭の廣岡にいきなり右翼フェンス直撃の三塁打を浴びてピンチ。1死から山田哲にフルカウントからの146キロ直球を振り抜かれ、左翼線へ。1点を先制されると、なおも1死二塁でバレンティンにやられた。1ボールからの2球目、135キロをフルスイングされ、バックスクリーン右へ。スタンド中段に飛び込む一発でさらに2点を追加され、3-0とされた。

◆阪神・近本光司外野手(24)が12日のヤクルト戦(甲子園)の三回1死で中前打を放ち、今季144安打目。さらに続く福留の打席の初球で今季30盗塁目も成功させ、好機を演出した。  3点を追う三回。1死で打席に入ると、初球134キロ直球を中前へはじき返した。自身のもつ球団新人安打記録を更新する144安打目を放つと、足でも魅せた。続く福留への1球目で果敢にスタートを切り、30盗塁目。赤星憲広が持つ39盗塁の球団新人盗塁記録までもあと「9」に迫った。

◆阪神・高橋遥人投手(24)が12日のヤクルト戦(甲子園)に先発し、0-3の四回に中村に右犠飛を浴びるなど3失点し、6点差に広げられた。  一回に3点を先制されたが、二、三回は無安打に封じて無失点。立ち直ったかのように見えたが、四回に再びつかまってしまった。  先頭のバレンティンに左翼線二塁打、雄平に右前打を浴びて無死一、三塁。村上に四球を与えてさらに満塁のピンチを背負うと、中村に確実に決められた。2球で2ストライクと追い込んでからの3球目、147キロを振り抜かれ右翼への犠飛に。1点を追加され、4-0と点差を広げられた。  さらに、なおも1死1死一、三塁で奥村の投手と一塁手の間に落ちるボテボテのゴロを高橋遥が処理しきれず。自身に失策がつく悔しい当たりで三走が本塁にかえり、5-0に。山田大がスリーバント失敗で2死一、二塁からは廣岡にも左前適時打を献上してこの回3失点目。6-0と突き放されてしまった。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(19)が12日、阪神23回戦(甲子園)の五回の第3打席でこの日2つめの空振り三振に倒れ、今季の三振数が「173」に。球団記録かつプロ野球日本人最多記録(歴代5位)である、04年の岩村明憲(173三振)に並んだ。  三振か本塁打か-。19歳の村上が、豪快なスラッガーの証でもある記録を達成した。高卒2年目ながら、今季はチームでただひとり、開幕から全試合に出場中。11日の試合後まで33本塁打、92打点とバットで末恐ろしい数字を残してきた。  「2年目で33本はとんでもない数字だよ。彼はやっぱりハートが強いんだろうな。三振しても切り替えられるわけだから」と小川監督。  三振数は、打撃の"穴"の多さやバットコントロールなど課題を示すものでもあるが「かと言って、これからも彼の良さである一発の魅力は消さないようにしてほしい」とスケール感はそのままにさらに成長して欲しい"親心"を明かした。

◆阪神・近本光司外野手(24)が12日のヤクルト戦(甲子園)の五回1死一塁で中前打を放ち、今季145安打に到達した。  0-8の五回1死一塁。カウント1-2からの4球目125キロを振り抜いた打球は、中堅手の前にポトリと落ちる安打に。今季40度目のマルチ安打で好機を拡大した。  長嶋茂雄(巨人)の持つ153安打の新人安打記録までは、あと「8」。残り12試合での記録更新が現実味を帯びてきた。

◆阪神・大山悠輔内野手(24)が12日のヤクルト戦(甲子園)の七回1死でバックスクリーンへ13号ソロを放った。  0ー8の七回の守備から途中出場し、その裏の攻撃で魅せた。カウント1-1からの3球目、真ん中136キロをガツン。バックスクリーンに飛び込む豪快なアーチで一矢報いた。

◆阪神・近本光司外野手(24)が12日のヤクルト戦(甲子園)の七回2死一塁で遊撃内野安打を放ち、今季12度目の猛打賞をマーク。自身の持つ球団新人記録を更新し、146安打とした。  破竹の勢いで安打を量産した。近本が3打席連続安打で猛打賞。七回2死一塁で遊撃へ内野安打を放ち、相手失策も絡んで2死二、三塁と好機を拡大してその後の得点につなげた。  これで長嶋茂雄(巨人)の持つ153安打の新人安打記録までは、あと「7」。残り12試合での記録更新がますます現実味を帯びてきた。

◆近本が3安打を放ち、今季146安打。1955年の榎本喜八(毎日)に並び新人6位タイ。セ・リーグ記録は58年の長嶋茂雄(巨人)の153。日本記録は56年の佐々木信也(高橋)の180。  猛打賞は12度目。球団新人記録は48年の別当薫、2016年の高山俊の13度。セ・リーグ記録は長嶋の14度。  セ・リーグ新人30盗塁は2001年に39盗塁をマークした赤星憲広(阪神、円内)以来6人目。セ・リーグ記録は1952年の佐藤孝夫(国鉄)の45盗塁。日本記録は97年の小坂誠(ロッテ)の56盗塁。  40度目のマルチ安打は坪井智哉に並ぶ球団新人記録。

◆最下位ヤクルトに10点差の大負けって、やる気あるんか~い!! と血管ぶち切れそうになりながらも、ルーキー近本の3安打猛打賞にニンマリ。  144! 145! 146! うひょひょひょ~!! あと7本で、あの日本プロ野球最高のエンターテイナー長嶋茂雄さんのセ・リーグ新人安打記録に並ぶのだ!!  そこで、ハタと俺は考えた...。近本がミスターの記録を超えることを、俺はホントに心から願っているのだろうか? いや、もちろん、巨人の9年連続日本一で村山、江夏が真っ向から立ち向かって決められた『4番・サード・長嶋』を、阪神少年の俺はどれほど憎んだことか...。  ...なんだけど、俺の魂が昭和を愛し続けているのだ。石原裕次郎、美空ひばりに唐獅子牡丹の高倉の健さ~ん!! 巨人は認めないけど『巨人・大鵬・卵焼き』に例えられるように、大スターのなかで一番キラキラと輝いていた大ミスタープロ野球・長嶋茂雄!! その記録を、伝統だけの弱小球団のルーキーが塗り替えていいのか? 正直、阪神ファンだけど俺には分からない...。ただ、ミスターの記録を超えたら、近本も球史に残る打者にならんと、昭和の野球ファンは許さんぞ~!!

◆--高橋遥は次回までに修正してほしい  矢野監督「それはもう、次にすぐクリアできるに越したことはないけど。自分の中でも、もちろん自分だけでも投げるわけじゃないから。キャッチャーにも助けてもらいながらという部分も含めてね。自分で、プロだからやられたらやり返さないとあかんし。結果も出さないとあかんけど。その中で自分で『あ、こうやっていけばいいかな』とか『もっとこういうことが必要かな』って。もちろん俺らもそういうことは伝えていくし。そうやっていくしかないね」  --四回は最後まで投げ切らせたが、連戦の中でリリーフを温存する面と、あの回投げきってもらうという意図があったか  「いや温存とは思ってないけど、ここまで来ているから、別に。でもすべてがいい経験になるし。今言ったようにまだ連戦が続く中で、投げさせにくいピッチャーがその前にも投げているのでね。すべてを含めてそうしました」

◆まず...とても"カワイソウな当番デスク"白石大地の話からさせてもらいます。ヤツは出社した私めの顔を見るなり、喜々としてこういった。  「先輩ッ、きょうは大丈夫ですョ」。何が...「いえ、ここんとこ僕の当番の時は不思議に高橋遥人が先発なんですョ」。それで...「だから、前回のマウンドは6日の...広島戦でホラ三回に大量失点(5点)で...ベースカバーもうっかり忘れて...ベンチにもどって矢野監督から"公開説教"を受けたでしょ...。あれ以来ですから...彼もピリッとして今夜はキットがんばりマスよ!」。  いろんなご意見が読者の方にはあったと思います。アノ日にベンチで涙した高橋遥の記事はサブキャップ長友孝輔が期待をこめてこう書いた。  「スパートをかけたかった試合を、今季奮闘を続けてきた若き左腕がつまずき、落とした。(中略)やるべきことをやり切って、走りきるしかもう道はない...」  矢野監督はむしろコンコンと諭すように「何が問題なのか」を話して聞かせたのだ。  実は筆者は39歳で中日の監督に就任したばかりの若き熱血監督星野仙一のド迫力ぶりをつぶさに取材した。あるとき、期待したルーキー投手がふがいない投球をしたときに、東京ドーム(巨人戦)のベンチ裏で試合中にボコボコにした...。その話を聞きつけて、ボコボコの大先輩の西本幸雄氏(阪急・近鉄での鉄拳指導は有名。当時は解説者)が記者席で筆者の肩をトントン。「おい、アノ話は本当か...」と言うので、「本当です」とうなずいたら西本さんが思わず「星野はすごいヤツやな...」。その時、思わず「本家がいまさら驚いてドーするんですか」と言ったのを思い出す。  実は西本&星野流がいいのか。それとも矢野流のように諭すのがいいのか...については議論があるだろうが、西本、星野両監督の血潮もすべて選手への愛情からだ。もちろん矢野流もまた...。  2005年9月7日ナゴヤドームでの岡田阪神と落合中日のV争い。この日の試合で九回無死二、三塁と大ピンチでマウンドには久保田智之がいた。ここで谷繁の微妙な打球のクロスプレーの判定でセーフとなり、その時の阪神捕手は矢野で猛然と悔しがった。  この時、飛び出した監督岡田彰布(当時)は形相すさまじく抗議したが、今のようなリクエスト制度はない。激高した岡田監督は一度は選手全員をベンチに引き揚げさせた。放棄試合? 驚いた当時の牧田俊洋球団社長も岡田監督を説得にかかった。  指揮官はこれも織り込み済みで、選手を守備位置にもどしてマウンドの久保田に「こうなったら打たれろ。俺が責任をとったる。無茶苦茶したれ!」とすごい形相。これが岡田彰布という監督の「往生際の良さ」でもあった。久保田は2者連続三振でピンチを断った。試合は延長十一回に中村豊が決勝本塁打を放ち...その年、岡田阪神はリーグ優勝するのだ。  そのシーンとこの夜の四回、5失点した高橋遥を、ベンチで無表情を貫いて続投させた矢野燿大とが重なって見えたのは筆者だけか。  それにしても...若くして星野仙一は次々とアイデアを駆使して巨人を翻弄した。「次々といろんなことを考えつくなぁ」と言ったら、星野は「俺っていくつも仮面をもってるんだ」とニヤリとしてたっけ...。  心理学者ユングは「人は誰しも仮面(ペルソナ)をかぶっている」と言った。それが『自我の側面』だと。  かならずやこの夜の矢野監督が高橋遥に見せたペルソナは、来季に花を咲かせることを祈りたい...。

◆今季限りでの退団を表明している鳥谷が、八回1死で代打として登場。詰めかけた4万701人の虎党からの大きな歓声とともに打席に入ったが、結果は二ゴロ。3番手の大下に対し、カウント2-2からの5球目、外角146キロの直球を捉えきれなかった。前日11日は八回1死一塁で左翼線適時二塁打を放ち、今季初打点をマークしていたが、連夜の活躍とはいかなかった。

◆先発の山田大が七回途中7安打2失点(自責点1)と粘り、8月1日のDeNA戦以来となる5勝目(4敗)。「序盤を何とかゼロに抑えられたのが良かった。打線が点を取ってくれたのが一番」と山田大。「敵地は応援も楽しみ」と話す強心臓の左腕が、阪神ファンの大声援を背中に浴びながら、大勝を呼び込んだ。 32号2ランなど第3打席までに3安打、三塁打を放てばサイクル安打だったヤクルト・バレンティン 「アメリカ時代にやったことがある。(三振だった第4打席は)三塁打は狙わなかったが、安打を打とうとは思っていた」

◆若きスラッガーが豪快な記録を打ち立てた。ヤクルト・村上宗隆内野手(19)が五回に空振り三振を喫し、今季の三振数が173に到達。セ・リーグ記録かつ、プロ野球で日本選手最多記録(歴代5位)である2004年の岩村明憲(ヤクルト)に並んだ。  「結果はしっかりと受け止めてシーズンが終わってから反省し、来年は克服して三振を減らしていきたい」。村上は神妙に受け止めたが、今季33本塁打を放ち、92打点をたたき出した19歳としては糧になる記録でもある。  小川監督は「三振を駄目なものだと捉える向きもあるけれど、振りにいっての結果だから。今後も彼の良さは失わないでほしい」とスケールの大きな選手としての成長に期待する。チームは広岡が3安打するなど若手の躍動で快勝。3カードぶりに勝ち越し、逆襲の来季へ希望を示した。 (佐藤春佳)

◆プレーボールから10分と経たないうちに、また重たい展開にしてしまった。悔し涙と失点にまみれた、あの広島の夜から中5日。高橋遥はまた、大量失点を繰り返した。対応され、はね返されて自身3連敗。将来を思うからこそ8失点KOまで投げさせ続けたが、矢野監督も頭が痛かった。  「相手に自分のピッチングとか、いろいろ覚えられて、1つの壁だと思う。それをどうするかというところにぶち当たっている。まだまだ先のあるピッチャーなんでね。これをどうするかということの方が大事になる」  今季の「投」の成長株が、シーズン終盤に試練のときを迎えた。一回先頭の広岡に右翼フェンス直撃の三塁打を浴び、すべてが狂い始めた。1死三塁で山田哲に左翼線適時二塁打を浴び先制を許すと、続くバレンティンに中越え2ランを被弾。スコアボードの左端に強烈な「3」を刻まれてしまった。  今季の虎は、一回に3点以上を失うと、この試合まで6戦全敗だった。チームも、高橋遥自身もシュンとしてしまった。四回には4安打と自身の失策が絡む打者9人の猛攻を受け、一挙5失点。CS進出へ一歩も引けない、最下位との一戦を、とんでもないワンサイドゲームにしてしまった。  「大事な試合を壊してしまって申し訳ない。期待してまた使ってもらったのに情けないし、申し訳ないです」  4回8失点(自責5)KOに、高橋遥は肩を落とすしかなかった。自身3連敗で8敗目(3勝)となっただけでなく前回6日の広島戦(マツダ)から2戦連続の背信投球になった。あの夜は4回6失点と炎上しただけでなく、一塁ベースカバーを怠ったことで降板後のベンチで矢野監督から"公開説教"され、涙にまみれていた。悔しさをぶつけるはずが、悔しさだけではぶち破れない、大きな壁にぶつかった。  指揮官は「2回続けてかな、こういうことになった。どうしていくか。これからプロは何回も同じ打者とずっと対戦していくわけだから。そこをどうするか」と前を向くよう促す。  泣いてばかり、うつむいてばかりもいられない。虎を引っ張る左腕だから、ここで立ち止まってもらっては困る。 (長友孝輔) 高橋遥について阪神・福原投手コーチ 「キレを感じなかったし、逆球が目立った。次(の先発)に関しては、まだ...」

◆ミスターW超え見えた!! 阪神のD1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が今季146安打とし、12度目の猛打賞をマークした。巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(83)が持つセ・リーグ新人最多安打まであと7本。猛打賞もあと2まで迫り、2つの偉大な記録更新が見えてきた。最下位ヤクルトに大敗し、自力CSの可能性が再消滅するなか、近本が希望の光や!!  Hランプを灯す度に、聖地が揺れた。近本が一気に3安打を積み重ね、今季146安打。12度目の猛打賞もマークし、2つの偉大な記録へまた一歩近づいた。チームが大敗したなか降り注いだ希望の光。孤軍奮闘の活躍だった。  「(3安打も)得点につながっていなかった。(ホームに)かえってこられなかったので、一番大きな仕事ができなかった」  三回に中前打。五回にも中前に運び、40度目のマルチ安打で坪井智哉の球団新人記録に並んだ。勢いに乗った近本はもう止まらない。3度目の歓声が沸いたのは七回。2死一塁から快足を飛ばして遊撃内野安打をもぎとった。  61年前に樹立されたセ・リーグ不滅の大記録が見えてきた。長嶋茂雄が持つ新人安打記録153まであと「7」とし、猛打賞もあと「2」。7日の広島戦(マツダ)で高橋由伸(巨人)に並ぶ140安打を放った際、記録について「意識していない。いいところで打つことだけを考えている」と謙虚に話していたが、残り12試合でダブル達成の可能性は十分にある。  今季、チームは矢野ガッツに象徴されるように、前向きで明るく、元気ハツラツさを前面に出して戦ってきた。5、6月には最多貯金6までいったが、夏場から失速。徐々に歯車が狂いだした。そして、虎一筋16年の鳥谷が球団から引退勧告を受け、今季限りでの退団を表明。掛布雅之オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザー(SEA)も退団することが決まった。  さらに、ソラーテが今月6日の広島戦(マツダ)で「モチベーションが上がらない」と緊急帰阪し、契約解除で帰国。この日はメッセンジャーが2軍戦で悪態をついた。あんなに明るかったチームにはもう暗い話題しかない。  最下位ヤクルトに12失点を喫し、3連戦まさかの負け越し。3位広島とのゲーム差は4・5に広がった。自力CSの可能性が再び消滅し、14日にも優勝の可能性が完全になくなる。どんどんしぼんでいく虎党の期待。それでも、希望は残っている。ミスターの背中を追う近本の活躍が一筋の光だ。  三回、福留の打席では初球から積極的に動き、二盗を成功。今季30個目を決めた。「大きな壁は越えられたかな」。セ・リーグの新人では2001年に39個を記録した赤星憲広(阪神)以来となる大台に乗せた。  「残り12試合、一つでも多くチームのために走っていけたら」  重苦しいムードを振り払うかのように、偉大な記録へ突き進む。ただ前を向いて戦う背番号「5」の姿がもう一度、虎に勇気を与える。 (織原祥平)

◆最下位ヤクルトに負け越し。痛すぎる敗戦だ。ことしの阪神は、ここ一番の試合、絶対に負けられない試合に、ことごとく敗れてきた印象が強い。小さなミスの積み重ねが、最終的に痛恨の黒星に直結している。  この日でいえば先発・高橋遥が四回無死満塁から中村に犠飛を浴びた1球。せっかくカウント0-2と追い込みながら、真ん中に直球を投げて簡単に追加点を許した。不用意な攻めだった。  一回に山田哲に浴びた先制二塁打も、カウント0-2からフルカウントにしてしまい、最後は甘い直球。立ち上がりから球にキレがないことを、バッテリーは感じていたはずだから、チェンジアップなどを織り交ぜての攻めが必要だった。  攻撃面では二回無死一塁で糸原の打席。フルカウントから、2球連続でベンチはランエンドヒットのサイン。一塁走者マルテでも思い切って走らせる作戦は評価したい。ところが、糸原は左飛。何が何でも転がさなければいけないシーン。これもミスだ。  1つ1つのミスは小さくても、積み重なってCSが遠のく結果になった。 (サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
71572 0.555
(↑0.004)
M7
(↑2)
13613
(+8)
522
(+5)
166
(+3)
75
(+1)
0.260
(↑0.001)
3.750
(↓0.01)
2
(-)
DeNA
67633 0.515
(↓0.004)
5
(↓1)
10554
(+5)
560
(+8)
152
(+2)
38
(-)
0.245
(-)
3.880
(↓0.02)
3
(-)
広島
68643 0.515
(↑0.004)
5
(-)
8558
(+3)
555
(+2)
133
(+1)
76
(-)
0.254
(-)
3.580
(↑0.01)
4
(-)
阪神
60656 0.480
(↓0.004)
9.5
(↓1)
12493
(+2)
540
(+12)
87
(+1)
87
(+1)
0.252
(-)
3.580
(↓0.04)
5
(-)
中日
61672 0.477
(↓0.003)
10
(↓1)
13507
(+2)
505
(+3)
82
(-)
61
(-)
0.266
(↑0.001)
3.800
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
54772 0.412
(↑0.004)
18.5
(-)
10609
(+12)
679
(+2)
153
(+1)
57
(-)
0.244
(↑0.001
4.690
(↑0.03)