ソフトバンク(☆3対2★)楽天 =リーグ戦23回戦(2019.09.05)・福岡ヤフオクドーム=
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楽天
0000100102601
ソフトバンク
10001100X3901
勝利投手:椎野 新(5勝2敗0S)
(セーブ:森 唯斗(2勝3敗29S))
敗戦投手:美馬 学(7勝4敗0S)

本塁打
【楽天】ブラッシュ(29号・8回表ソロ)
【ソフトバンク】髙谷 裕亮(1号・5回裏ソロ)

  DAZN
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◆ソフトバンクが接戦を制した。ソフトバンクは同点とされた直後の5回裏、高谷に今季1号となるソロが飛び出し、勝ち越しに成功する。続く6回には、松田宣が適時打を放ち、リードを広げた。投げては、2番手・椎野が今季5勝目。敗れた楽天は、打線がつながりを欠いた。

◆ソフトバンク中田賢一投手(37)が今季初登板。楽天戦は中日時代に0勝3敗も、ソフトバンク移籍後は10勝4敗と好相性。黒星は15年9月30日が最後で、16年6月26日から5連勝中。得意相手から今季初白星をつかめるか。

◆ソフトバンク高谷裕亮捕手(37)が5回に勝ち越しの今季1号ソロを放った。楽天に1-1の同点に追いつかれた直後、美馬の直球を右翼スタンドへ運び、嫌な流れを豪快に吹き飛ばした。 「とにかく出塁しようと打席に入りました。自分が一番驚いてますが、勝ち越せてよかった」。ベンチでナインとハイタッチをすると、最後にはグラシアルがシャドーボクシングで殴られ役として高谷のパンチを受けるパフォーマンス。普段と逆の役を演じる姿は球場のビジョンにも映し出され、ファンは大喜びだった。

◆ソフトバンクは1回2死二塁からデスパイネの左翼線への適時打で1点を先制。先発中田は3回まで1安打無失点に抑えた。 楽天は5回に同点としたが、ソフトバンクは5回に高谷の1号ソロで再び勝ち越し。6回にも1点を追加し、突き放した。 ソフトバンクは救援陣がなんとか踏ん張って勝利。連勝を4に伸ばした。椎野が5勝目。森は29セーブ目。楽天は打線があと1歩及ばず3連敗を喫した。美馬が4敗目。

◆楽天が同一カード3連敗を喫し、試合のなかったロッテに抜かれて8月10日以来となる4位に後退した。 美馬学投手が今季ソフトバンク戦5試合目で初黒星。シュートを軸に「横の揺さぶり」のイメージが強いが、フォークを武器に抜群の相性を誇ってきた。「さじ加減」で握りやボールの抜き方が近いチェンジアップと投げ分ける。美馬の先発時にマスクをかぶる堀内も「『落とす』より『抜く』球。左打者の外へ逃げる軌道でチェンジアップに近い。フォークの抜けが悪いと思ったらチェンジアップを使う。フォークが良ければチェンジアップを使う必要はない。2つの球種で1つみたいな感じ」と解説する。 初回に中村晃と柳田を連続三振。この日も威力を発揮したが、5回、高谷に甘く入った直球をスタンドまで運ばれた。「返してもらったのに、すぐ取られてしまった。あれじゃ、なかなか勝てない。6回を投げきりたかった」。今季リーグで4人しかいない規定投球回に到達している右腕は、強い口調で自分を戒めた。

◆ソフトバンクはベテラン勢の活躍で4連勝した。 37歳の内川聖一内野手は2安打で通算2158安打とし、ホークス所属選手では歴代3位に。さらに決勝弾は今年11月で38歳になる野手最年長の高谷裕亮捕手で、先発の37歳、中田賢一投手も5回途中まで1失点と好投した。高谷は「本塁打は奇跡。(中田は)直球にも力があったし、5回までは何とかしてあげたかった」とねぎらった。優勝マジックはお預けとなったが、ベテランが元気なのは頼もしい。

◆ピンチを切り抜けたソフトバンク2番手の椎野新投手(23)が、5勝目を挙げた。 同点とされた直後の5回2死一、二塁で登板。浅村を打ち取ると、6回も無失点。「今日(5日)は祖父が手術を受けていたので、いつもより気持ちが入った」。幼いころからプレーを見てくれた祖父への感謝の思いを、球にこめた。優勝争いでの登板に「1勝の重さが違う。気持ちを引き締めて投げている」と語気を強めた。

◆ベテラン勢の活躍で、ソフトバンクが4連勝を飾った。1点リードの6回2死、37歳の内川聖一内野手が左翼線へ二塁打を放ち、36歳松田宣の中越え適時二塁打につなげた。内川は8回にも中前安打を放って通算2158安打とし、秋山幸二氏、広瀬叔功氏を抜き、野村克也氏、門田博光氏に次ぐ球団歴代3位となった。内川は「よっしゃ! 」と喜んだ。 「2本の安打よりも(中田)賢一を勝たせてあげたかった」。内川を燃え上がらせたのは、今季チーム125試合目で今季初登板初先発の同学年の中田だった。勝利投手の権利まであと1死だった5回2死一、二塁から藤田に同点打を許し、降板。その直後の浅村の一塁への強いゴロを内川は好捕し、楽天の勝ち越しを阻止した。工藤監督は「守りの集中力がいい。元気はつらつという状態」とほめ、中田も「(内川の)強い思いは感じました」と感謝した。 決勝弾を放った高谷も同じ思いだった。今年11月で38歳になる野手最年長は、5回に今季1号ソロを右翼席へ。「本塁打は奇跡。(中田は)直球にも力があったし、5回までは何とかしてあげたかった。正直申し訳ないし、悔しい」と中田に勝ちをつけられなかったことを悔やんだ。 内川はお立ち台に立つ高谷の勇姿を、自分のスマートフォンで撮影。高谷モデルのバットを使うなど、お互いを高め合っている。混戦が続く終盤戦でのベテラン勢の頑張りに、高谷は「お互い競い合ってチーム力を高めていければいい」と話した。正捕手・甲斐の陰で出番がなくとも準備をし続けた高谷、なかなか1軍に呼ばれなくてもウエスタン・リーグで4人しかいない規定投球回を投げ抜いた中田、レギュラーとして出場を続ける内川。ベテランの活躍でチームは4連勝。2位西武の3連勝でこの日も優勝マジックはお預けとなったが、経験豊富なベテランたちが元気なのは頼もしい。【石橋隆雄】 ▽広瀬叔功氏(南海OBで通算2157安打)「内川だったらワシの安打数くらい抜くよ。同じ右打者やし、これからもどんどん数字を伸ばしてもらいたいわな」 ▽ソフトバンク王球団会長(楽天に3連勝し)「チームがそんなに調子よくない中で、3連勝は大きいよね。明日は千賀だし、千賀にも立ち直ってもらいたいからね。あと18試合がんばりましょう」

◆ソフトバンクのルーキー右腕、甲斐野央(ひろし)投手(22=東洋大)が、連投にも大事な7回を無失点で抑えた。 3-1で迎えた7回から3番手として登板。1死から安打を許すも併殺で切り抜けた。「残り試合も少ない。優勝争いのなか、緊張感をひしひしと感じて投げてます」。1年目ながらセットアッパーとして君臨して、9月に入って3試合で3イニング無失点。「1年目だからというのは言い訳にならない。しっかりと自分の役割を果たしたい」。150キロを超える速球を武器に、若き中継ぎ右腕が、相手打線に立ちふさがる。

◆今季チーム125試合目で今季初登板初先発したソフトバンク中田賢一投手(37)は、5回2死から同点に追いつかれて降板し、今季初勝利とはいかなかった。 1点リードの5回2死一、二塁。藤田に中前へ同点適時打を打たれ降板。「あれは単純に打たれただけ。5回は先頭打者を出塁させてしまったことがよくなかった」と反省した。 4回2/3、77球、3安打、3四球、1死球で1失点。工藤監督は「あそこまでいってくれれば。よく投げてくれた」とほめ、森ヘッドコーチも「2、3点はと思っていたが、1点で抑えた。100点」と高評価した。 中田は「チームが勝つようにと投げた。チームが勝ったのでよかった。最少失点で次の投手に渡せた。悔しさを持って、ファームで投げてもう1回あるか分からないが、チャンスに向けて準備したい」と、早ければ6日にも登録抹消となるが、先発陣が苦しい状況の中、大事な終盤戦での次の出番に備える。

◆負けられない試合を、ソフトバンクはきっちりものにした。ピタリと背中を追う西武とのV戦線。ベテラン高谷の今季1号アーチが飛び出したものの、先制、中押しの2得点はきっちり「タイムリー打」で挙げて逃げきった。 12球団トップのチーム本塁打168本が示すように、ホークス打線は豪快な打撃が売りである。4日までの2戦の得点はすべて6本塁打(計8点)で挙げたものだった。「ホームラン以外で得点がほしいね」。王球団会長は連勝にも少しばかり注文をつけていたが、打線が答えを出した。 ホークスの総得点に対する「本塁打依存度」は群を抜いている。この日の高谷の1発を含め、今季523得点に対して本塁打で挙げた得点が250点。実に48%が「本塁打得点」だ。ちなみに、西武打線は684得点のうち、253点が本塁打で挙げたもの。総得点の37%とホークスと比較しても10%の開きがある。総得点差も150点以上あり、本塁打以外でも「山賊打線」は、一気にたたみかける攻撃がうかがえる。 ホークスにとって残り18試合はまさにサバイバル。一戦必勝のトーナメント戦を誓って戦っているが、戦略も「アーチ依存」でいるわけにはいかない。6回2死から内川、松田宣の連打で中押ししたように「つなぐ」意識は緊迫したゲームの中ではさらに重要になってくる。豪快な空中戦は破壊力満点だが、大味な攻撃となる負の可能性もある。6日からは今季6勝15敗と大きく負け越している苦手ロッテとの4連戦。眼下の敵レオも気になるが、4連戦がVロードを大きく左右することは間違いない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ソフトバンクの中田は今季初登板で先発し、五回途中3安打1失点で勝敗はつかなかった。4四死球と荒れ気味の中で粘ったが、1-0の五回2死一、二塁から中前適時打を浴びて降板。新人年からの15年連続白星はお預けとなり「最少失点で次には渡せたけど、悔しさを持って、また次回(1軍で投げる)チャンスがもらえるようにやっていく」と話した。  今季は若手の台頭もあり開幕から2軍で調整してきた。優勝争いの懸かるシーズン終盤で出番を得た通算100勝、37歳のベテランは「チームが勝ったのは良かった」と安堵の表情を浮かべた。

◆楽天の美馬は六回途中3失点で5月17日以来の4敗目を喫した。1-1と追いついた直後の五回にソロを浴び、六回も2死から2者連続二塁打で1点を失った。「後悔の残る投球。六回は投げきりたかった」と悔やんだ。  首位ソフトバンクに3連敗を喫し、7・5ゲーム差に広がった。勝率は5割に戻り、ロッテに抜かれて4位に転落。クライマックスシリーズ進出に向けた厳しい戦いが続く。美馬は「落としていい試合はない。しっかりやらないと」と反省した。

◆野手最年長の汗が光った。今季初めて2試合連続で先発マスクを被ったソフトバンク・高谷が値千金の一発と好リードで4連勝に導いた。  「本塁打は奇跡です」  1-1とされた直後の五回1死、美馬の直球を右翼席へ。1号ソロで勝ち越した。「抑え捕手」だった37歳は7月まで1度だった先発出場が最近4試合で3度。優勝争いの要所で経験豊富なリードに頼る工藤監督からは「なくてはならない存在」と評され、バットでも大仕事をした。  今季初先発の中田が五回途中1失点で粘り、六回は2死から内川と松田宣の連打で追加点を奪うベテランデー。西武と1ゲーム差をキープした。高谷は「若手が出てきて負けないようにという相乗効果とか、チームがいい方向にいっているのでは」と仲間を見渡した。 (安藤理)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
68534 0.562
(↑0.004)
-
(-)
18523
(+3)
488
(+2)
168
(+1)
106
(+1)
0.252
(-)
3.580
(↑0.01)
2
(-)
西武
69561 0.552
(↑0.004)
1
(-)
17684
(+7)
632
(+3)
161
(+1)
124
(-)
0.267
(↑0.001)
4.460
(↑0.01)
3
(1↑)
ロッテ
62614 0.504
(-)
7
(↓0.5)
16564
(-)
540
(-)
147
(-)
72
(-)
0.248
(-)
3.870
(-)
4
(1↓)
楽天
61614 0.500
(↓0.004)
7.5
(↓1)
17543
(+2)
525
(+3)
127
(+1)
39
(-)
0.252
(-)
3.870
(-)
5
(-)
ORIX
55636 0.466
(↓0.004)
11.5
(↓1)
19478
(+3)
554
(+7)
87
(+2)
109
(-)
0.245
(↑0.001)
4.030
(↓0.02)
6
(-)
日本ハム
56655 0.463
(-)
12
(↓0.5)
17505
(-)
531
(-)
85
(-)
46
(-)
0.252
(-)
3.850
(-)