阪神(★1対4☆)巨人 =リーグ戦20回戦(2019.08.30)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:田口 麗斗(2勝3敗1S)
(セーブ:中川 皓太(4勝2敗16S))
敗戦投手:髙橋 遥人(3勝6敗0S)

本塁打
【巨人】丸 佳浩(24号・9回表2ラン)

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◆巨人は1-1で迎えた7回表、丸の適時打で勝ち越しに成功する。そのまま迎えた9回には、丸の2ランが飛び出しリードを広げた。投げては、2番手・田口が3回無失点で今季2勝目。敗れた阪神は、先発・高橋遥が7回2失点と好投するも、打線が援護できなかった。

◆阪神高橋遥人投手(23)は14試合の先発で防御率2・86も、3勝5敗と黒星先行。失点35に対して登板時の援護点が25点で、平均援護点は2・42。 相手先発の巨人高橋優貴投手(22)の同5・91とは対照的に、打線の援護に恵まれていない。

◆阪神ピアース・ジョンソン投手(28)が体調不良のため、ベンチを外れることになった。 微熱があり風邪の症状で、この日の朝に兵庫・西宮市内の病院に行き、自宅療養する。 ジョンソンは28日の中日戦(甲子園)で、風邪の症状を訴えてベンチを外れていた。この時は病院へは行かなかった。

◆阪神大山悠輔内野手(24)が、今季121試合目にして初めてスタメンから外れた。大山が守っていた三塁には北條が入った。 大山は今季開幕から4番でスタメン出場を続けていたが、8月10日広島戦(京セラドーム大阪)から打順を6番に下げていた。 今季はここまで120試合に出場し、478打数125安打で打率2割6分2厘。グラウンドコンディション不良で中止となった29日も、発表されたスタメンから外れていた。

◆巨人岡本和真内野手(23)が、先制の適時二塁打を放った。 1回、2死から丸が右前打で出塁。盗塁と暴投の間で三塁に進んだ後、2-2からの内角145キロの直球に振りまけず、左翼線にはじき返した。「このところ先制点が取れてなかったので、打てて良かった」とコメントした。今月、月間の自己最多となる9本塁打をマークする「夏男」の一打から、試合が動いた。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(28)が同点打を放った。 先制を許した直後の1回裏2死一塁から、左翼線へ適時二塁打。「ボールにコンタクトすることだけに集中できたよ。その結果がタイムリーとなってくれて良かったね」。8月10日広島戦(京セラドーム大阪)から16試合連続で4番を務める助っ人が、先発の高橋遥をすぐさま援護した。

◆阪神が4回裏終了後に、人文字イベントを開催し、左翼と右翼の両アルプス席に黄色い「虎」の文字を浮かび上がらせた。 「3、2、1、ガオー!」のかけ声とともに、観客が黄色、黒のタオル掲げてきれいな人文字を作り、伝統の一戦に挑む阪神にエールを送った。

◆阪神の足のスペシャリスト植田海内野手が2年連続2桁盗塁となる今季10盗塁目をマークした。 1点を追う7回、先頭で安打出塁した木浪の代走で登場。1死後、福留への4球目にスタートし、送球をかいくぐって滑り込んで二塁を陥れた。同点には結びつかなかったが、昨季の19盗塁に続いて、大台に乗せた。

◆阪神高橋遥人投手(23)が111球の熱投を見せるも、7回9安打2失点で降板した。「終盤のピンチの場面でも続投させてもらったのに、踏ん張りきることが出来ず、自分自身に悔しいですし、期待してもらったチームに申し訳ないです」。 初回にいきなり盗塁と暴投がからみ2死三塁から、岡本に左翼線へ先制の適時二塁打を浴びた。直後に味方が同点に追いつくと、粘りの投球をつづけた。先頭打者を出塁させても併殺に打ち取るなど、要所を抑えてしのいだ。 しかし1-1の7回2死一、二塁、丸に内角への148キロ直球をとらえられ、痛恨の右前適時打を許した。 7回9安打2失点。23日ヤクルト戦(神宮)に続く4勝目はならなかったが、先発の仕事は果たした。

◆巨人は初回、2死三塁の好機をつくり、岡本の適時打で先制。阪神もその裏、マルテの適時打ですかさず同点に戻した。 中盤も両軍投手が好投。阪神先発の高橋遥は6回を7安打1失点。巨人も継投で阪神打線を5安打に抑え同点のまま7回に入った。 同点の7回、巨人が丸の右前適時打で勝ち越し、これで3連勝。阪神は好機での凡退が続き、投手を援護できず3連敗となった。 巨人田口が2勝目、中川が16セーブ、阪神高橋遥人が6敗目。

◆4位阪神が優勝マジック18の首位巨人と対戦。阪神は高橋遥、巨人は高橋が先発。 巨人は丸の3打点などで快勝。阪神は3連敗。 巨人田口が2勝目、中川が16セーブ、阪神高橋遥人は6敗目。

◆巨人田口麗斗投手が好リリーフで2勝目をマークした。同点の5回から登板し、3回を3安打無失点。 7回2死二塁のピンチで原監督とマウンドで意思確認し、マルテの申告敬遠を選択。一、二塁から糸原を二飛に仕留めしのいだ。今季41試合目の登板で52回2/3、873球を投げ抜いてきた。イニングまたぎはチーム最多の13試合目。「去年まではなかった経験ができている。チームの勝ちに関わっていきたい」と充実感を漂わせた。

◆巨人は3連勝でマジック17とした。 9回に丸の2試合連続2ランで突き放しての勝利に、原辰徳監督(61)は「非常に1点が重い形のゲームだったんですが、勝ち越しを許さずに徐々にという部分で。最後丸の2ランは見事だったですね」と言った。 丸の本塁打はバックスクリーンに飛び込んだ。「(2番坂本勇の)敬遠というのが、彼の中で少し火をつけてくれた感じはしますね」。7回には決勝適時打も放ち「あれが、見事ですね。あれも、ですね」と加えた。 2番手で登板した田口は3回無失点の好投。 「(先発)高橋がね、なかなかリズムに乗りきれないで、1点で粘っていたところはあったんですけど。田口がしっかり3イニング投げてくれた。あの辺でゲームは締まった。何となく攻撃、守りのリズムも出てきて攻撃に生かしてくれた」。7回は原監督自らマウンドへ向かい、敬遠策を指示。「意思をしっかりと伝える。全員が統一した形で勝負に挑んでいく。そういう風にしたかったですね」。 4回1失点の先発高橋については「球数も含めて、まだ彼はできるでしょう。もう少しできるピッチャーだと思いますね」と次回以降の登板に期待した。

◆巨人田口麗斗投手(23)が、好リリーフで2勝目をマークした。 同点の5回から登板し3回を3安打無失点。7回2死二塁のピンチで原監督とマウンドで意思確認し、マルテの申告敬遠を選択。一、二塁から糸原を二飛に仕留めしのいだ。 今季41試合目(うち先発は2試合)の登板で52回2/3、873球を投げ抜いてきた。イニングまたぎはチーム最多の13試合目。「去年まではなかった経験ができている。チームの勝ちに関わっていきたい」と充実感を漂わせた。 首脳陣もタフネス左腕を高評価した。原辰徳監督は「彼は我々にとって、幅のあるブルペン陣の1人ですね。一番、幅があるでしょうね。その点では思い切って、あそこで(先発の高橋)優貴から代えられたのも、田口という投手がいたからというところですね」と信頼を口にした。宮本投手総合コーチも「さすがです。投手陣のオールラウンドプレーヤー。頼もしい存在です」とたたえた。

◆阪神北條史也内野手が今季初めて三塁で先発出場し、4回に中前打を放った。 スタメンは17日巨人戦(東京ドーム)以来。「追い込まれたら簡単に終わらないように」。先頭打者となった2回と6回の打席では、空振り三振と二直に倒れたが、2ストライクから粘った。「追い込まれる前にしっかり捉えられるようにしたい」。1打席1打席に全力を尽くしていく。

◆阪神岩崎優投手が15試合ぶりに失点した。 1-2の9回に登板。2死二塁から丸に121キロスライダーをとらえられ、バックスクリーンへ2ランを浴びた。ここまで防御率1点台で抜群の安定感を見せていたが、7月24日DeNA戦(甲子園)以来の失点。試合後は「次は抑えられるように、また頑張ります」と話した。

◆丸で始まり、丸で終わる"三重丸"の活躍だった。巨人丸佳浩外野手(30)が、決勝打を含む4安打3打点の大暴れ。走攻守3拍子にわたる活躍でチームを3連勝に導き、優勝マジックを17とした。「厳しい試合を勝てたのはよかった」。広島時代と合わせ、自身4連覇にまい進する男が1勝の重みをかみしめた。 巨人ファンだった幼い頃から、憧れを抱いた「伝統の一戦」で、移籍後初の4安打を刻んだ。1回、チーム初安打の右前打が号砲だった。二盗を決め、暴投の間に三塁に進塁し、岡本の適時打で生還。6回に2安打目を放つと、直前の坂本勇の敬遠で迎えた同点の7回2死一、二塁から、決勝の右前適時打を放った。 原監督の目に「(前の打者が)敬遠というのが何回目なのか。少し火をつけてくれた感じはする」と映った打席で勢いを加速させた。1点リードの9回には、2戦連発の24号2ランをバックスクリーンへ。9回2死の守備ではダイビングキャッチで試合を締めた。原監督は「今日は二重丸。(走攻守)三重丸だ」と称賛した。 4月、移籍後初の甲子園での「伝統の一戦」に歴史と重みを感じた。「お客さん、球場全体の熱量。特別なもの」と受け止めた。プロ入り前の巨人阪神戦の思い出には「高校から寮生活なので、中学で止まってて...。(阪神の)ムーアは覚えています」と挙げたが、この日観戦に訪れた子供たちに、丸が強烈なインパクトを残した。【久保賢吾】

◆阪神矢野燿大監督が29日に来季に関する去就を球団と話し合っていた鳥谷への思いを口にした。 これまでも試合前の準備を怠りない姿勢に感服し、この日は「練習でも飛び込むとかね。多分、いままですることが、トリ自身なかったと思う。当たり前のレベルの高い選手として、ああいう立場で実績もありながら、そういうことをするのは簡単なことじゃないと俺は思う。すごくチームにとってプラスになっている」と話した。 この日は出番がなかったが「個人だけのために俺はやらない。一番大事なのは勝つこと」と説明。あくまで勝利を目指すための駒として適材適所で起用する考えだ。

◆夏休み最後の野球観戦に来た子どもたちは絵日記に「夏の大山」を書けない。開幕4番を張り、奮闘してきた阪神の若きスラッガー大山悠輔内野手(24)が今季初めてスタメンから姿を消した。 登場したのは3点を追う9回無死一塁。代打で起用されたが、中川の初球を打ち上げ、右飛に倒れた。チームは「スミ1」の敗戦。自らへの悔しさを押し殺すように、無言でロッカーへと引き揚げた。 豪雨の影響で中止になった前日29日の中日戦も発表された先発オーダーに名前はなかった。この日で2割6分1厘、12本塁打。春先から好調が長続きせず、矢野監督も「悠輔が悪いというよりも北條の状態もいい。状態のいい北條でいこうかなと」と説明していた。逆転でのCS進出に向けて後に引けない。チーム最多の68打点を挙げ、得点圏打率も3割2分6厘だが、好調の北條を抜てき。指揮官は目の前の1勝を奪いに行く用兵を決断し、153試合連続先発出場で途切れた。 大山がいない打線は迫力を欠いた。1回にマルテが同点打を放ったが2回以降は無得点。矢野監督は「負けてる時は、だいたい同じような感じになってしまっている。チャンスはつくるけど、結局、1本が出ない形になってしまっている。なかなかうまくいかないのは、そういう部分」と悩ましげだった。北條も4回に安打こそ放ったが、起爆剤にはならなかった。 巨人戦5連敗となり、甲子園では8月1日以降、白星がない。指揮官は29日に「明日からの3連戦、もちろん、3つ取るつもりで戦っていく。1戦必勝しかない」と意気込んでいた。雨が降って1時間遅れのナイターだったが、完全な力負け。もう夏が終わる甲子園で、宿題はまだまだ山積みだ。チームもジリ貧の3連敗。3位広島と3ゲーム差で変わらないのが、せめてもの救いだ。【酒井俊作】

◆阪神近本光司外野手の快足が同点を呼び込んだ。 1回無死一塁。二塁正面へのゴロは完全な併殺コース。1度はアウト判定だったが、矢野監督のリクエストでセーフに覆った。今季初の併殺打は消え、俊足で塁上に残る。マルテの左翼線二塁打で一塁から長駆生還した。それでも近本は5打数無安打の結果に「悔しいです」と渋い表情。2リーグ分立の50年以降で規定打席に到達した新人で、シーズン併殺打なしは98年阪神坪井だけ。近本が達成なら2人目のレアケースになる。

◆阪神鳥谷敬内野手(38)が30日、来季の去就を白紙とした。前日29日、事実上の戦力外通告といえる"引退勧告"を受けたことが判明。同日に球団幹部と話し合いの場を持ち、球団の方針を伝えられたことを認めた上で、今後について「どうするかは、まだ考えていない」と話した。当面はクライマックス・シリーズ争いに集中。シーズン終了後、他球団での現役続行を目指すのか、今季限りで現役引退するのか、熟考することになりそうだ。鳥谷はクラブハウスへと続く通路奥で足を止めた。巨人3連戦初戦前の甲子園室内練習を終えた午後3時過ぎのこと。落ち着いた表情で「話した方がいいかな?」と振り返った。谷本球団副社長兼球団本部長が、前日29日に鳥谷と話し合いの場を持ったことを明かした-。そんな質問が飛ぶと、「昨日会って話をしました。球団がどう考えているのかを聞きました」と静かに言葉を並べた。 今季は5年契約の最終年。積極的な若手登用に傾くチーム状況の中、代打中心の出番で状態を上げられずにいる。8月25日の敵地ヤクルト戦後には「自分もこれが最後(の神宮)になるかもしれないので...」と発言。一気にその去就に注目が集まる中、前日29日の午前中に揚塩球団社長、谷本球団副社長、嶌村球団副本部長の3人と会談した。この場で球団側の方針が伝えられた。 谷本球団副社長は内容について「本人が私にしゃべってくれと言っているなら別ですけど、皆さんに今の段階でしゃべるべきではない」と説明。鳥谷も「(自分は)言われた側なので、球団の方に聞いてください」と話すにとどめたが、事実上の戦力外通告といえる"引退勧告"を受けたとみられる。この日、鳥谷の穏やか表情には覚悟がにじみ出ているようにも映った。 球団は必要とあらば再会談も辞さない覚悟。ただ、球団の方針が急転するとは考えにくく、鳥谷は現実として他球団で現役続行する道を模索するか、今季限りでの現役引退を選ぶかの二択を迫られることになる。長年「虎の顔」を任されてきたベテランは去就について「自分がどうするかは、まだ考えていません」とした。当面は逆転CSを目指してグラウンドに集中。シーズン終了を待って、熟考期間に入ることになる。 この日の巨人戦は8回2死で8番梅野が打席に入った際、ネクストバッターズサークルに登場。9回は左腕中川が登板したこともあり、出番はなかった。チームは3連戦初戦を落としたが、3位広島との3ゲーム差は変わらず。まずは来るべき勝負どころに向けて鍛錬を続ける。【佐井陽介】

◆阪神は好機での凡退が続き、投手を援護できず3連敗となった。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -高橋遥は内角にも強い球もあった。状態は 状態的にはいいとは思わなかった。そのなかでよく粘っていた。シーズンを通して調子がいいということだけじゃないんでね...。そのなかでダブルプレーを取ったり、しのいでしのいでというところだった。もちろん抑えてほしかったし、粘ってほしかった。すべてが経験になると思う。 -鳥谷が来季について球団と話した 俺らもしゃべれることはない。別にないけど、俺はずっと鳥谷自身がいつも試合に出るときも出ないときも、いつも準備して、そのなかのベストを尽くしているのを見ている。俺も監督という立場でいうと、そういうところがすごく感謝というか、ある意味スゴイというかね。当たり前にそれができるというのがトリのすごさ。それくらいしか、俺にしゃべれることはない。 -出番はなかったがいい場面でと考えている 俺はチームのためと思っている。俺のなかではチームにとってもプラス。得点取るためにもプラス。勝つためにもプラス。一番大事なのは勝つこと。でも、俺はチーム1人1人の選手の気持ちもくんでやりたいなかで、みんなはいろいろ書くのが仕事やから、それはいいけど、俺のなかではそういう順番があって使っている。トリのためだけにいまのこの時期で、それはできないじゃん。だってチームがある。それはしないし、変わらないよ、何も。

◆巨人は、丸の決勝打を含む4安打3打点の大暴れで3連勝。優勝マジックを17とした。原辰徳監督のコメント。 「今日は二重丸。(走攻守)三重丸だ」

◆阪神・高橋遥人投手(24)が30日の巨人戦(甲子園)に先発し、一回2死三塁で岡本に先制の適時二塁打を浴びた。  試合は降雨により1時間遅れの午後7時開始となった。注目の一回、2死から丸に右前打を浴びると、続く岡本への4球目に丸が二盗。打者へ投じた球は暴投となり、三塁まで進塁を許してしまった。一気に2死三塁とピンチを迎えると、岡本に左翼線へ適時二塁打を浴び、先制点を献上した。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(28)が30日の巨人戦(甲子園)の一回2死一塁で左翼線へ適時二塁打を放ち、同点に追いついた。  1点を先制された直後の一回。2死一塁で打席に入り、カウント1-1からの3球目、内角低め123キロを振り抜いた。打球は左翼線を転々とし、一走の快足・近本が生還。同点の適時二塁打とした。

◆阪神のマルテが0-1の一回に同点の二塁打を放った。2死一塁で高橋の変化球をうまく拾って左翼線へ運び、一塁走者の近本が快足を飛ばして生還。チームにとって16イニングぶりの得点となり「ボールにコンタクトすることだけに集中できた」と振り返った。  不振の大山に代わり、10日から任されている4番打者としての打率は試合前までで3割4分。「いつもチャンスが来たら(走者を)かえしたいと思っている」と意気込むスラッガーが打線を支えている。

◆阪神・高橋遥人投手(24)が30日の巨人戦(甲子園)に先発し、7回9安打2失点も今季4勝目をつかむことはできなかった。  「七回まで入らせてもらったので絶対抑えてやるという気持ちでしたが、力不足です。力不足でも、絶対抑えないといけない場面だった。チームに申し訳ないです」  降雨により開始が1時間遅れたアクシデントの中の力投も、報われなかった。「(開始が1時間遅れたことは)関係ないです。自分のやることは変わらないので」。一回2死三塁から岡本に左翼線へ適時二塁打を浴び先制を許したが、その後は踏ん張り六回まで1失点の粘投。六回裏の攻撃では2死一塁で代打が出されず打席に送られ、七回もマウンドに上がった。  しかし再び試合が動いたのはその七回だった。1死から石川の右前打、田口の投前犠打で2死二塁とされると、坂本を3ボールから申告敬遠。一、二塁と走者を背負って、丸にやられた。フルカウントからの6球目、148キロ直球を振り抜かれ、右前へ。痛恨の勝ち越し打を献上し、思わず帽子を取ってうなだれた。  高橋遥は巨人との前回対戦の16日(東京ドーム)でも7回4安打2失点の好投も白星ならず。雪辱を果たしたいマウンドだったが、あと一歩及ばなかった。

◆巨人・丸佳浩外野手(30)が30日、阪神戦(甲子園)の1-1の同点で迎えた七回、勝ち越しの右前適時打を放ち、勝負強さを発揮した。  2死一、二塁。阪神先発の高橋遥がフルカウントから投じた高めの直球を捉えた打球は、水しぶきを上げながら右翼の芝を転がった。丸はこの日3安打目のヒットで、二回以降両軍無得点で膠着ムードだった試合を動かした。  一回には右前打を放ち、二盗を決めて次打者の岡本の左翼線二塁打で先制のホームを踏むなど、この時点で3安打1打点。球団史上3人目の1イニング5打点を記録した前夜に続き、攻撃をもり立てた。

◆巨人の丸が勝負強さを見せた。1-1の七回2死一、二塁で右前に勝ち越し打を放つと、九回には中越えへの2ランでとどめを刺した。29日にも満塁アーチなどで1イニング5打点をマークしたが、舞台が移っても4安打3打点。リーグ優勝が近づく中で「普段通りを逆に意識する。今まで通りにやる」と平常心を強調した。  一回は右前打と盗塁で先制機を演出。中堅守備でも九回2死からの飛球を鮮やかに好捕した。走攻守で活躍した主力打者に、原監督は「見事だった。きょうは二重丸、いや三重丸だ」と褒めたたえて笑った。 高橋(先発して4回1失点) 「もったいない四球が多かった」 石川(3安打。五回に代打で放った左前打に) 「同点で代打に行ったので、とにかく塁に出ようと思っていた」

◆近本は一回無死一塁から一度は二ゴロ併殺となったが、一塁アウトの判定がリクエストでセーフとなった。ここまで540打席で併殺打はなし。1998年の坪井智哉(阪神)以来となる新人史上2人目となるシーズン無併殺も見えてきた。それでも5打数無安打に終わり、「悔しいです」と唇をかんだ。

◆マルテが一回2死一塁から左翼線へ適時二塁打を放った。1点を先制された直後に取り返し、試合の流れを渡さなかった。「集中して1打席1打席やる中で結果が出るのがベストなので」。これで4番では打率・347(49打数17安打)、8打点と存在感。それでも敗戦とあって「きょうは最終的にチームが負けているので」と厳しい表情だった。

◆ウグググ...オレは泣きながら腹を立てるのだ!! 昭和の男としてはこんな敗戦を許せるかー!!  一部報道で鳥谷の引退説が流れている...。それはそれで実力の世界だから仕方ないだろう。でも、本当に実力の世界か? 最大のライバル、巨人に6安打で1点のみ(てか、久しぶりに甲子園に戻ってきて28日の零封負けに今日は1得点)って...。  これだけ打てないなら鳥谷がレギュラーで全試合出場でいいやん、と俺は食ってかかりたくなるよ。鳥谷が自らユニホームに別れを告げるというのなら、猛虎打線はガンガンと打ちまくってやらねば。野球武士道の恥さらしもいいところやろ!!  好投した高橋遥を見殺しにして、鳥谷を送ってやることさえままならない虎に、オレ達虎党は、この先、何を求めて生きてけばいいんや。鳥さん、来季もやったれー!!

◆阪神は30日の巨人戦(甲子園)で「人文字イベント」を実施した。入場者全員に黒と黄色の「伝統の一戦オリジナルリバーシブルタオル」をプレゼント。四回終了時にスタンドで掲げ、両アルプススタンドに黄色の「虎」の人文字が作られた。

◆高橋遥は7回9安打2失点で6敗目(3勝)。同点の七回2死一、二塁で丸に手痛い勝ち越し打を浴びた。「七回まで入らせてもらったので絶対抑えてやるという気持ちでしたが、力不足です。力不足でも、絶対抑えないといけない場面だった。申し訳ないです」。六回2死一塁で回ってきた自身の打席では代打が送られなかっただけに、痛恨の一打に悔しさをにじませた。

◆甲子園球場のスタンドにレジェンドの姿がありました。  「記者席や放送席には座るけど、ここ(ネット裏の観客席)は初めてだなあ」  甲子園歴史館が開催している「練習見学付きスタジアムツアーOB便」(午後2時の部)でファンと触れあったサンケイスポーツ専属評論家の江本孟紀氏です。東映-南海-阪神の通算11年間で113勝を挙げた江本氏は今回がツアー初登場。チケット即完売の人気ぶりでした。  「球場内を見学して、ひとりずつ江本さんと写真を撮って、ネット裏の席から一緒に練習を見ながらのトークショー。みんな喜んではったわ」  同行した編集委員上田雅昭も、冒頭の挨拶から笑わされました。  「私、プロ生活は10年半です。11年ではなく、ちょっと事情があって、10年と"半分"」  1981年夏「ベンチがアホやから」発言をして引退を表明する騒ぎになったことを"つかみ"に爆笑を誘いました。さらに、プロ通算7本塁打の打力も持ち合わせていた江本さんは、阪神1年目の76年5月5日の広島戦で外木場義郎から2ランと3ランを放ちながら結局追いつかれて9-9で引き分けた思い出なども披露しています。  「左翼スタンドを指さして『あのころはラッキーゾーンがあったけど、2本ともスタンドに運びましたよ』。次にアルプス席を見ながら『あそこを田淵幸一という選手をおぶって登りました。何度も往復しました。死にそうでした。でも田淵幸一は僕をおぶりませんでした』と。ネタがいっぱいで、みんな爆笑につぐ爆笑やったわ」  参加したファンから「近本選手は新人王を獲れますか?」の質問が出ると「獲っておかしくない。資格は十分」と即答。「でも(ヤクルトの)村上選手が...」と続けた質問者に、「打率2割3分でしょ。いくらホームランを打っていても2割3分では。村上がホームラン王を獲ったら話は違うけどね」と、質問コーナーでもまた大喜びさせたのです。  「今回が初めてやったけど、何度も出てもらったらいいのになあ」  同感です。そしてレジェンドといえば、いま注目は鳥谷。去就問題については紙面をお読みください。トラ番が猫の手も借りたい忙しさだったため"トラの手"になるべく、出勤前に取材を手伝ったデスク阿部祐亮は複雑な表情でした。  「みなさん、歯切れが悪かったです。最初にうかがった人は、『○○さんに聞いて』。○○さんに聞くと、その人は『△△さんに聞いて』。△△さんは、○○さんに聞いてとおっしゃってましたよと言ったら、『やっかいな話やなあ』と」  いや、やっかいなのは...。「どうしてこうなるんでしょうか。鳥谷選手は、タイガースの歴史の中でもレジェンド中のレジェンドなのに」。  その鳥谷は、いつも通りの鳥谷でした。  「きょうも午前11時半から打撃練習をしていました。全体練習が終わると、立ち止まって取材に答えてくれました。そのときも普段通りです。淡々と話してました」  鳥谷を囲んだトラ番新里公章も、神妙な口調でした。"10年半"のようなドタバタがまた繰り返されるのでしょうか。聞いたら、こう答えられるのですかね。  「○○さんに聞いて」  江本さんに聞くか。

◆五回から2番手で登板した田口が3回無失点で2勝目(3敗)を挙げた。七回には犠打も決め、「どこでもいけるように心の準備はしていた」とうなずいた。今季は6月に2度の先発があるが、その他は救援でフル回転。ワンポイントからロングリリーフもこなす23歳左腕の奮闘ぶりに、原監督は「ブルペン陣で一番幅がある」とたたえた。

◆大山が今季121試合目で初めてスタメンを外れた。1-4の九回無死一塁から代打で登場したが、初球を右飛。試合後は無言でクラブハウスへと引き揚げていった。  開幕から4番に座ったが、期待に応えられず、106試合目で4番から6番へ。中止となった前日29日の中日戦(甲子園)でついにスタメンを外れると、この日も先発に名前はなく、昨年8月30日のヤクルト戦(甲子園)以来、153試合ぶりにベンチスタートとなった。  清水ヘッドコーチは「どう捉えるか。絶対外されない選手になろうって。打てないところで打ってやろうと工夫しながら、そこの壁をぶち破ってほしい」と奮起を促した。残り22試合。結果を出して定位置を取り戻す。

◆――鳥谷が球団と来季について話し合った  矢野監督「俺はずっとその、鳥谷自身がいつも試合に出るときも出ないときも、いつも準備して、その中のベストを尽くしてるっていうのは見ているし。まあ俺も監督という立場で言うと、そういうところはすごく、感謝というか、ある意味やっぱりすごいというかね、当たり前にそれができるというのがトリのすごさやと思う」  ――きょうは兼ね合いで出番がなかったが、これからも「いいところ」で起用していく  「いいところっていうか、それはもう俺は、チームのためと思ってるし。個人だけのためには俺はやらないからね。うん。俺の中ではチームにとってもプラス。で得点取るためにもプラス、勝つためにもプラス、で一番大事なことって勝つことだし、チームだし、でも俺はチームの一人一人の選手の気持ちも汲んでやりたいっていう中で。俺の中ではそういう順番があって使ってるだけやから。トリのためだけに、今のこの時期で、それはできないじゃん?」

◆午後10時を過ぎ、鳴り物応援が禁止された甲子園のG党は、必死にオレンジタオルを振り回した。1点リードの九回2死二塁。巨人・丸佳浩外野手(30)が駄目押しの24号2ランをバックスクリーンに突き刺した。  「なんとか1点でも、と思った。結果的にホームランが出てよかった」  降雨の影響で試合開始が1時間遅れた伝統の一戦。一回は右前打で出塁し、二盗に成功し、岡本の左翼線二塁打で生還した。同点の七回2死一、二塁では決勝の右前適時打を放ち、移籍後初の4安打で3打点の大暴れ。チームは3連勝で、優勝へのマジックナンバーは17に減った。  昨季まで広島でリーグ3連覇に貢献した"V請負人"。巨人の5年ぶりリーグ優勝へ、また一歩前進しても「今まで通りやるべきことをやる、というのは変わらない」と最後までクールだった。  結果次第ではマジック消滅の可能性もあった一戦に勝ち、上機嫌の原監督は「きょうは二重丸...。いや、三重丸!」と満面の笑みで丸をたたえた。5連勝の2位・DeNAにも尻尾はつかませない。 (谷川直之) 一回の適時二塁打で3試合連続打点をマークした巨人・岡本 「よかったです。また頑張ります」 先発で4回1失点の巨人D1位・高橋(八戸学院大) 「もう少しストライクを取れるようにならないと。(初の甲子園登板は)すごかった。他の球場とは違う。次はしっかりこの球場で勝ちたい」

◆阪神は1-4で敗れ、巨人戦5連敗となった。試合後、矢野燿大監督(50)は球団から引退勧告を受けた鳥谷敬内野手(38)について「感謝」を口にした。一方で「個人だけのためにはやらない」と今後も"特別扱い"しないことを明言。逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出を目指し、采配を振っていく。  現時点で、指揮官として言えることは、ほぼない。それでも矢野監督は鳥谷に「感謝」という言葉を使った。誰にも負けない実績を持ちながら、矢野虎を築こうというときに、真っ先に「挑戦」を宣言してくれた男でもあった。宿敵に敗れた試合後、鳥谷について必死で言葉を紡いだ。  「俺も監督という立場で言うと"そういうところ"はすごく、感謝というか、ある意味やっぱりすごいというかね」  他の誰も鳥谷と同じ経験をすることはできない。他の誰にも到達できぬところまで登り詰めたはずなのに、鳥谷は当たり前に、やるべきことをやり続けた。選手としてもともに戦い歓喜を味わった仲でありながら、矢野監督はそんな鳥谷と戦えたことを、率直に「感謝」した。  "そういうところ"という言葉に込めたのは、まずは準備のこと。「試合に出るときも出ないときも、いつも準備して、その中のベストを尽くしてる」。将としても、就任直後に「遊撃一本」での勝負を直訴してきた鳥谷の立ち居振る舞いに、日々、覚悟を感じ取っていた。「練習でも飛び込むとかね、そんなこと、たぶん今までトリ自身がなかったと思う。当たり前のレベルの高い選手」。"そういうところ"が、今まさに若手へ響いているところだった。戦い続ける背中を見せ続けていることが、尊かった。  平均年齢27・4歳のスターティングメンバーは、この日も1点しか奪えずに巨人に敗れた。これで巨人には7月28日から5連敗。首位を走る宿敵と、またも今季最大タイの11・5ゲーム差になった。3位広島が敗れたことでCS進出圏へは3ゲーム差のままだが、後ろの5位中日に2ゲーム差に詰められた。  1時間遅れで始まったゲーム。鳴り物が響かなくなった午後10時を過ぎても、九回にトドメの2点を奪われても、席を立たない人たちがいた。一つの時代が過ぎるとしても、変わらず鳥谷を待つ人たちがいた。結局は出番なし。今季121試合目で65度目の欠場に終わった。  指揮官は「チームのためにやってる。個人だけのためにはやらないから。トリのためだけに、今のこの時期で、それはできない」と改めて語る。残り22試合。チームに多くのものを残しながら、「1」の背中がかすんでいく。 (長友孝輔)

◆ユニホーム脱いで-。阪神が、今季5年契約最終年の鳥谷敬内野手(38)に引退勧告をしていたことが30日、分かった。前日29日に球団幹部が鳥谷と直接会談し、揚塩健治球団社長(58)が「ユニホームを脱いでください」と勧告。この日、大阪・野田の電鉄本社で行われた藤原崇起オーナー(67)=電鉄本社会長=への定例オーナー報告会で"了承"された。タテジマ一筋16年の功労者を来季構想外にして、タイガースが生まれ変わる。  結論から伝えた。タテジマ一筋16年。チームのために身を粉にしてくれた鳥谷に対し、球団はついにボールを投げた。前日29日午前にクラブハウスで行われた球団首脳3人と鳥谷の緊急会談。冒頭、揚塩球団社長は単刀直入だった。  「鳥谷くん、ユニホームを脱いでください」  普段なら試合へ向けた準備を行う時間に呼び出され、背広組と向かい合った。"このひと言"で確実に、誰よりも多い通算2082安打を放ってきた男の来季の居場所は、阪神ではなくなった。今季で、虎で、引退してくれという「勧告」に違いなかった。  一夜明けたこの日午前、自身も会談に同席した谷本球団副社長は「話し合いの場を持ったのは事実です。昨日(29日)の午前中。あれだけのレジェンドプレーヤーですので丁寧にやらないといけないので」と明かした。だが、具体的な内容について問われると「本来は自分で出処進退を決められる数少ないプレーヤー。そこは本人が決める話ですし、話し合いの中身については、今の段階でみなさんにしゃべるべきではないと思います」と明言を避けた。  ボールは投げた。あとは、鳥谷自身が決めること。「答えはまだ。まだ全然出てないです」とも語った。レジェンドであり、球団の宝といえる男の進退問題だけに、大阪・野田でこの日行われた定例のオーナー報告では球団幹部から藤原オーナーへの報告も行われ、"了承"を得たもようだ。  チームは今季も、クライマックスシリーズ(CS)進出へ一歩も引けない状況。今まさに過渡期に差しかかっており、若返りは急務だ。鳥谷が今季残してきた打率・208、0本塁打、0打点という数字が、得点圏で40打席連続適時打なしという事実が、重すぎた。2004年に虎入りし、全試合遊撃出場で05年のリーグ優勝に貢献し、歴代2位の1939試合連続出場の記録も打ち立ててきた大功労者に違いないが、ここで断を下さざるを得なかった。  球団からのボールを受け止めた鳥谷は、午前11時半から室内練習場で打撃練習を行い、いつもと変わらぬ調子で黙々と汗を流した。全体練習後に報道陣に囲まれると、立ち止まって口を開いた。  「昨日会って話をして、球団がどう考えているのかっていうのは聞きましたし。自分がどうするのかっていうのはまだ全然考えていないですけど。内容についてはね、自分は言われた方なので、自分が言うことじゃないので」  八回にはネクストバッターズサークルに向かった。しかし、最後まで出番なし。チームも1点止まりで巨人に5連敗を喫した。残り22試合、決断が迫られるタテジマ生活。2020年へ大きく舵を切る矢野虎に、鳥谷の姿はない。 ★鳥谷の経過  鳥谷は九回に代打で遊撃内野安打を放った25日のヤクルト戦(神宮)で今季の神宮最終戦を終えると「神宮というか自分も最後かもしれないので、いい打席だったと思います」とコメント。翌26日に「(深い意味は)全然ない。来年2軍だったら(神宮での試合は)最後かもしれない」と説明したが、谷本球団副社長は「しかるべきタイミング」で直接話し合いの場を設ける方針を明かした。鳥谷は27日の中日戦(甲子園)の練習前にサンケイスポーツの直撃に「(自分の進退を)どうするかは僕の自由ですからね」と話した。

◆阪神OBの江本孟紀氏(72)=サンケイスポーツ専属評論家=が30日、球団から引退勧告を受けた鳥谷に対して、「もう限界」「よく頑張った」とねぎらいの言葉を送った。同時に「強打の2番・鳥谷」がいない阪神が、送りバントを採用しない野球に疑問を呈した。  鳥谷の引退勧告が大きな話題になってしまっている。私に言わせればもう限度、限界だろう。現在の起用法や、成績をみても、「そろそろ」というところまで来ている。ここまでプレーを続けられたこと自体、素晴らしいし、よく頑張った。間違いなく、阪神の歴史に名を残す功労者だ。  どこで踏ん切りを付けるか。チームが若返りを目指して、新しい選手を起用していることなどを考えれば、鳥谷本人が一番分かっているはず。他球団にいくということは考えず、将来の阪神の指導者を目指してもらいたい。  そんな鳥谷の現状を思いながら、1点を争うこの日の試合を見た。優勝へばく進する巨人との大きな差は2番打者だった。阪神は2番・近本に送りバントをさせてもおかしくない場面、計3度(一、三、七回)ですべて強攻した。結果は一度も好機を広げられず、それどころか走者を進めることもできなかった。近本が悪いというより、近本がかわいそうな采配だ。  これは強打の2番・坂本勇がいる巨人がやるべき野球。近本は将来的に期待できる選手ではあるが、現時点で坂本勇と同列に扱うことは間違いであり、失敗。巨人は坂本勇にもバントを命じることがあるぐらいなのだから。もし、全盛時の鳥谷が2番にいたなら、この采配は正解かもしれない。でも、この采配に適応できる鳥谷はもういない。  そして、阪神が一番忘れてはいけないことがある。それは、好投を続ける高橋遥を勝たせること。そのためにも、今の阪神は2番に送りバントを命じるべきだ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

◆打つ手、打つ手がバチバチ当たる。こうなると、原監督の独壇場だよね。  試合を決めた九回。先頭の石川が中前打。スコアは2-1。当然、続く陽にはバントをさせると思いきや、強攻。これが空振り三振で終わると、代走の重信に二盗。坂本勇が凡退すると、丸が中堅に2ラン。もはや、何をやっても、結果を「吉」と導く状態といえたよ。  そもそも、先発の高橋を4回、91球で交代させたところから、"ゾーン"に入っていた。「オープナー」だか「ショートスターター」だか...。そこまでやる必要もないのに、2番手・田口にスイッチ。その田口にも、絶妙のタイミングで間を与えていた。七回2死二塁でマルテを迎えたとき、さっさと申告敬遠にして、マウンドに歩み寄り、田口に笑顔を投げかけた。田口は糸原を難なく二飛に打ち取り、結局は3回無失点だ。  投打とも、きっちりと計算通りの展開に持ち込んだ。これぞ、優勝を引き寄せる監督の、勝負勘といっておくよ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
68502 0.576
(↑0.003)
M17
(↑1)
23574
(+4)
473
(+1)
154
(+1)
70
(+2)
0.260
(↑0.001
3.670
(↑0.02)
2
(-)
DeNA
64563 0.533
(↑0.004)
5
(-)
20514
(+6)
503
(+4)
135
(+1)
37
(-)
0.246
(↓0.001)
3.790
(-)
3
(-)
広島
61603 0.504
(↓0.004)
8.5
(↓1)
19514
(+4)
521
(+6)
121
(-)
69
(+1)
0.253
(-)
3.690
(-)
4
(-)
阪神
55606 0.478
(↓0.004)
11.5
(↓1)
22445
(+1)
497
(+4)
82
(-)
80
(+2)
0.249
(↓0.001)
3.550
(-)
5
(-)
中日
54632 0.462
(↑0.005)
13.5
(-)
24463
(+7)
471
(+1)
78
(+1)
59
(-)
0.264
(↑0.001)
3.880
(↑0.02)
6
(-)
ヤクルト
48732 0.397
(↓0.003)
21.5
(↓1)
20558
(+1)
630
(+7)
145
(-)
54
(+1)
0.245
(↓0.001)
4.700
(↓0.02)