広島(☆5対4★)ヤクルト =リーグ戦19回戦(2019.08.21)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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ヤクルト
1102000004911
広島
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勝利投手:遠藤 淳志(1勝0敗0S)
(セーブ:中﨑 翔太(2勝3敗9S))
敗戦投手:ハフ(1勝4敗3S)

本塁打
【ヤクルト】村上 宗隆(29号・2回表ソロ)
【広島】鈴木 誠也(25号・3回裏2ラン),安部 友裕(7号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆広島は2点ビハインドで迎えた5回裏、菊池涼と鈴木の連続適時打で同点とする。そのまま迎えた8回には、代打・安部に値千金のソロが飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、5番手・遠藤がプロ初勝利。敗れたヤクルトは、9回に一打逆転の好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆ヤクルト山田哲人内野手(27)が、盗塁の連続成功を32とし、日本記録に並んだ。 1回の第1打席、二塁手の失策で出塁。続く4番バレンティンの1球目に仕掛けたが、捕手会沢の送球を二塁手菊池涼がジャンプして捕球しタッチ。敷田塁審の判定はアウトだったが、小川監督はすかさずリクエスト。検証の結果、判定は覆ってセーフとなった。 今季27個目の盗塁を決め、成功率は100%。昨季からは32連続で成功とした。11~15年にソフトバンク福田がマークした日本記録に並んだ。 盗塁は「いける時にいく」のがモットー。スタートが悪くても中間走、スライディングでカバーする。プロ入り後、盗塁の基礎をたたき込まれたのは、三木肇現楽天2軍監督だった。「年々、体に染みついている」と手応えをつかんでいる動きで、記録を樹立した。

◆ヤクルト村上宗隆内野手が29号ソロを放ち、高卒2年目以内では、歴代3位となる87年清原(西武)の29号に並んだ。 1-0で迎えた2回先頭で、カウント1-1から甘く入った広島先発野村の129キロチェンジアップを捉え、右翼席へ運んだ。「崩されることなくうまく打つことができました」と話した。 3試合ぶりの本塁打で高卒2年目以内では、セ・リーグ初となる30号に王手。打点も84に伸ばし、同年清原の83打点を抜き、歴代単独2位となった。広島野村からは、今季2本目の本塁打となった。

◆広島鈴木誠也外野手(25)が3回に同点2ランを放った。 2点を追う3回。2死一塁からヤクルト石川の低めスライダーを捉えた。舞い上がった打球はそのままセンターバックスクリーンに吸い込まれた。2戦連続となる25号が貴重な同点弾となり「甘く来たところを自分のスイングでしっかり捉えることが出来ました」と振り返った。

◆ヤクルトが1回に相手失策からバレンティンが先制打。2回は村上の29号ソロで加点。広島は3回に鈴木の25号2ランで同点。 ヤクルトが4回に石川の2点打で勝ち越すも、広島が5回に菊池涼、鈴木の連続適時打で追い付いた。両先発は5回持たず降板。 広島は8回、安部が7号ソロを放ち勝ち越し。そのまま逃げ切り今カードを勝ち越した。遠藤がプロ初勝利、中崎が5月29日以来の9セーブ目を挙げた。ヤクルトは競り負け連敗。8回に5番手で登板したハフが4敗目を喫した。

◆高卒2年目の広島遠藤淳志投手が、プロ26試合目で初勝利を挙げた。同点の8回に登板し、1回を無失点。その裏味方が勝ち越し、勝ち星が転がり込んだ。 初めてお立ち台に上がり「素直にうれしいです。(記念球は)両親にあげたい」。緒方監督は「初勝利と聞いてちょっとびっくりした。これだけ貢献してくれていたから。(今後は)後ろのところでと考えている」とセットアッパー昇格を予告した。

◆広島安部友裕内野手(30)が、チームを2位浮上に導く劇的代打弾を放った。同点の8回に代打で出場し、ヤクルト・ハフから7号勝ち越しソロ。メヒアや三好の台頭もあり、スタメンの機会を減らす中堅が存在感を示す1発でチームは連勝。首位巨人とのゲーム差6・5を維持した。午後9時10分。マツダスタジアムのボルテージが最高潮に達した歓声を一身に浴びた安部がダイヤモンドを1周した。代打で迎えたこの日の初打席。初球だった。ヤクルト・ハフのカットボールをフルスイング。捉えた打球は右中間席に吸い込まれた。キャリアハイのシーズン7号は値千金の勝ち越し弾。チームを勝利に導いた。 両先発が5回をもたず降板するなど、試合展開が遅かった。ベンチで出番を待ち続けた安部は、与えられた打席で全神経を集中させた。「代打の鉄則である、初球からいく。そのつもりでした」。覇気を前面に出した攻めの打撃が最高の結果をもたらした。 大きな仕事を成し遂げる8時間40分前、安部は1人、マツダスタジアムのグラウンドにいた。高温の影響で早出特打から練習が室内練習場で行われる中、安部は午後0時30分から約30分、打撃投手をトス役にロングティーでバットを振り続けた。「雨が降っていれば室内でやりますが、雨が降っていなかったので。ルーティンなので」。不振やコンディションの影響で出場機会が減っているが、体全体をしっかり使った練習法で打撃を確認。毎日のように午前11時ごろに球場入りし、いち早く汗をかいてきた成果が表れた。 広島は2試合続けて僅差の試合をものにして、9日以来の連勝。4カードぶりの勝ち越しとなった。敗れたDeNAを抜き、2位に浮上。首位巨人とのゲーム差6・5をキープした。緒方監督は「最後はザキ(中崎)が本当にギリギリのところで粘ってくれた。最後はマツダの力でしょう。今日も誠也があそこで2ランを打ってくれて、打線も"いける"という感じになった。安部もよく打ってくれた」とナインをたたえた。レギュラー再奪取を狙う安部とともに、広島の戦いもまだ終わっていない。【前原淳】 ▽広島東出打撃コーチ(左腕ハフに左の安部を代打に)「ハフは昨日(20日)も左打者に投げづらそうにしていたから」

◆ヤクルト山田哲人内野手が1回に盗塁を決め、昨年8月26日DeNA戦から通算32度連続盗塁成功とし、11~15年にソフトバンク福田がマークした日本記録に並んだ。 打者バレンティンの1球目に仕掛けたが、最初はアウトの判定。小川監督がリクエストし、長い審議の末にセーフとなった。「多分セーフだと思った。(タッチが)当たってないんちゃうかな」と今季27個目の盗塁を決めた。「素直にうれしい。自信になる。これで消極的にならず、もっと積極的に走っていきたい」と記録更新に意欲を見せた。

◆広島が接戦を制して2連勝を決め、DeNAを抜いて2位に浮上した。鈴木誠也外野手(25)が25号2ランを含む3安打3打点の活躍で勢いをつけ、安部友裕内野手(30)が同点の8回、決勝の7号ソロを放った。8回の1イニングを無失点に抑えた遠藤淳志投手(20)がプロ初勝利を挙げた。緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。 -楽には勝てない 緒方監督 最後、ザキ(中崎)が本当にギリギリのところで粘ってくれた。最後は、マツダ(スタジアム)の力でしょう。すごい声援がパワーになったし、声援で相手の選手を圧倒してくれたんじゃないか。ベンチで感じるものがあった。今日も誠也があそこで2ランを打ってくれて、打線も「いける」という感じになった。安部もよく打ってくれた。 -遠藤が初勝利 緒方監督 初勝利って聞いてちょっとびっくりした。これだけ貢献してくれていたから。えっ、そうなのって感じ。 -野村を4回で交代 緒方監督 今日はちょっと苦労していた。真っすぐのキレはよかったけど、カットボールにしてもチェンジアップにしても抜けが悪いなという感じで。追いついたあと、ああいうふうに(点を)取られる流れになってしまったから。また切り替えて、次の登板でがんばってくれればいい。 -ストッパー中崎は 緒方監督 流動的。経験ある投手なんであそこを任せているけど、また、フランスアとかあそこらへんが帰ってくればね。また、遠藤も...。今日はちょっと抜け球が多かったけど、彼にはそういうポジションのところで投げてもらおうと思うし...。9回はないよ、まだ。後ろのところでは考えているし、そのへんは流動的にやりたいと思います。

◆"燕のゴジラ"が、清宮世代の新・旗頭となる。ヤクルト村上宗隆内野手(19)が、3試合ぶりとなる29号ソロを放った。 1-0で迎えた2回先頭、カウント1-1から真ん中に入った広島先発野村の129キロチェンジアップを捉え、右翼席へ運んだ。「しっかり対応して打てたので、よかった」と振り返った。 セ・リーグ4位の29号。高卒2年目以内では、歴代3位となる87年清原(西武)の29号に並んだ。打点も84に伸ばし、同年清原を超える歴代単独2位。球史を彩ってきた偉大なスラッガーたちの数字に肩を並べつつある。 高校時代から"清宮世代"と呼ばれてきた。「そんなに気にしていないけど、たまに成績が出てくる時があると見る」という同学年には、高校時代から既に名前は全国区だった日本ハム清宮、ロッテ安田、広島中村奨がいる。村上は九州学院で甲子園に出場したのも1年夏の1度のみで、ドラフト1位ながら知名度はそこまで高くなかった。しかしそこから2年で、今季は新人王候補に挙がるほど。「やるからには1番が目標。ずっと出してくれる監督に尽きます」と感謝する。 試合後の表情は、さえなかった。4-4で迎えた8回2死一塁、広島5番手遠藤の内角チェンジアップを捉えたが、フェンス手前で失速し右飛。勝ち越しのチャンスを逃し、下唇をかみしめた。「あそこで本塁打を打てるバッターになりたい」。悔しさを糧にする。【保坂恭子】   ◆高卒2年目までの本塁打記録 53年中西(西鉄)の36本が最多。次いで86年清原(西武=1年目)が31本。村上は29号で、2年目の清原が87年に打った29本に並ぶ3位タイとなった。

◆広島が接戦を制して2連勝を決め、DeNAを抜いて2位に浮上した。鈴木誠也外野手(25)が25号2ランを含む3安打3打点の活躍で勢いをつけ、安部友裕内野手(30)が同点の8回、決勝の7号ソロを放った。8回の1イニングを無失点に抑えた遠藤淳志投手(20)がプロ初勝利を挙げた。緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。 -楽には勝てない 緒方監督 最後、ザキ(中崎)が本当にギリギリのところで粘ってくれた。最後は、マツダ(スタジアム)の力でしょう。すごい声援がパワーになったし、声援で相手の選手を圧倒してくれたんじゃないか。ベンチで感じるものがあった。今日も誠也があそこで2ランを打ってくれて、打線も「いける」という感じになった。安部もよく打ってくれた。 -遠藤が初勝利 緒方監督 初勝利って聞いてちょっとびっくりした。これだけ貢献してくれていたから。えっ、そうなのって感じ。 -野村を4回で交代 緒方監督 今日はちょっと苦労していた。真っすぐのキレはよかったけど、カットボールにしてもチェンジアップにしても抜けが悪いなという感じで。追いついたあと、ああいうふうに(点を)取られる流れになってしまったから。また切り替えて、次の登板でがんばってくれればいい。 -ストッパー中崎は 緒方監督 流動的。経験ある投手なんであそこを任せているけど、また、フランスアとかあそこらへんが帰ってくればね。また、遠藤も...。今日はちょっと抜け球が多かったけど、彼にはそういうポジションのところで投げてもらおうと思うし...。9回はないよ、まだ。後ろのところでは考えているし、そのへんは流動的にやりたいと思います。

◆間一髪のスライディングでヤクルト・山田哲人内野手(27)がプロ野球記録に並んだ。21日の広島19回戦(マツダ)で一回に二失で出塁し、続くバレンティンの初球に二盗を試みた。  二塁手・菊池のタッチが速くアウトの判定が下ったが、小川監督はすかさずリクエストを要求。約4分間の検証の結果、今度は審判の両手が大きく広がった。判定はセーフにくつがえり、昨年から続く盗塁の連続成功を「32」に伸ばした。2011年-15年に福田秀平(ソフトバンク)が達成した記録に並んだ。  ここまではすべて単独の二盗。開幕から27連続成功もプロ野球記録となった。試合前の時点ではセ・リーグ2位の盗塁数で、史上初となる失敗なしの盗塁王も視野に入る。  「そこ(成功率100%)は目指しているところだし、自分としてこだわりがある。走塁で貢献していきたい」と語る山田哲。「1番、自信がある」という足で新たな記録に名を刻んだ。

◆ヤクルトの村上が29号ソロを放って今季84打点目を挙げ、清原(西武)が同じ高校出2年目にマークした83打点を超えた。1-0の二回に先頭打者で、1ボール1ストライクから野村の甘く入ったチェンジアップを右中間へ運び「崩されることなくうまく打つことができた」と自賛した。  だが、その後は無安打でチームは敗れた。4-4の八回2死一塁では放った打球がフェンス手前で失速して右飛に倒れ「あそこで本塁打を打っていれば。あそこで打てるような打者になりたい」と悔しさをにじませた。

◆広島の2年目の遠藤が通算26試合目の登板でプロ初勝利を手にした。4-4の八回に登板すると2死から雄平に左前打を許したが、続く村上を右飛に仕留めた。その裏に代打安部の勝ち越し本塁打で白星が付き「素直にうれしい。ここに立てて幸せ」と初のお立ち台を堪能した。  茨城・霞ケ浦高からドラフト5位で入団した20歳の右腕。切れのある直球を武器に今季初登板を果たすと中継ぎとして存在感を示している。ウイニングボールを大事そうに握りしめ「両親にあげる。今まで育ててくれてありがとう」と感謝を述べた。

◆広島の鈴木が7月25日以来の3安打で3打点を挙げた。チームの2位浮上に貢献し「気は抜けない。より一層負けられない試合が続く。得点圏で仕事ができればと思う」と主砲としての責任感を口にした。  0-2の三回に石川のスライダーを捉えて2試合連続本塁打となる25号2ランを放った。五回には左前へ同点打、4-4の七回2死でも中前打で出塁し、二盗を決めて好機をつくった。  前日20日には九回に同点3ランを放ち、劣勢のチームを救った。2試合連続で逆転勝ちの立役者となり「ここ最近はいい(打線の)つながりが出ている」と納得の表情だった。 緒方監督(九回1死満塁をしのぎ、5月29日以来のセーブを挙げた中崎に) 「最後はザキが、ぎりぎりのところで踏ん張ってくれた」 野村(4回4失点) 「走者の出し方が悪く、粘り切ることができず、失点してしまった。球自体は悪くなかっただけに悔しい」

◆ヤクルトの石川は黒星こそ付かなかったものの五回途中まで4失点と苦しい投球だった。「5回、6回と投げないといけなかった。後ろの投手にしんどいところで投げさせてしまった」と反省した。  2-2の四回に自らの適時打で2点を勝ち越したが、五回に菊池涼と鈴木に痛打されて追い付かれた。2死一、二塁とピンチを広げて交代を告げられ「打たれた球は甘かった。(四回までに挙げた)4点で勝たないといけない試合だった」と悔しそうだった。 小川監督(九回1死満塁であと一本が出ず) 「それに尽きる」 山田哲(一回に今季27個目の盗塁を決め、昨季から32盗塁連続成功) 「もっと積極的にやっていきたい」

◆ヤクルトの若き大砲、村上宗隆内野手(19)が二回に野村のチェンジアップを右翼席へ運ぶ29号ソロ。「しっかり対応して打つことができました」と振り返った。  セ・リーグトップの打点を84に伸ばし、高卒2年目以内では1987年の清原和博(西武)を抜いて歴代2位に。1位の中西太(西鉄)が53年に記録した86打点にあと「2」とし、30本塁打に王手をかけた。8月は18試合で打率・284、9本塁打、15打点と好調をキープしている。  4-4で迎えた八回2死一塁は右翼へ大きな打球を放ったが、右飛に倒れ、試合後は「(チェンジアップに)合わせにいってしまった。あそこで打てるようになりたい」と敗戦に笑顔なし。背番号「55」が求めるのは、試合を決める一発だ。

◆八回に代打・安部が決勝ソロ。値千金の一発に、お立ち台で「入ったと思わなかったけど、声援のおかげでああいう結果になった」と本拠地を真っ赤に染めたファンに感謝した。「代打の鉄則で初球をしっかり振ろう」とハフの初球、浮いた変化球を振り抜いた。12年目で自己最多の7号は殊勲のアーチとなり、2度リードされながらも追い付いた打線の粘りを実らせた。

◆大事そうにウイニングボールを握りしめた。茨城・霞ケ浦高からドラフト5位で入団した2年目の広島・遠藤淳志投手(20)が通算26試合目の登板でプロ初勝利。お立ち台で両親への感謝の思いを口にした。  「(記念球は)両親に渡します。ここまで育ててくれてありがとう」  4-4の八回に5番手で登板し、1安打無失点。その裏の攻撃で自身の代打・安部が勝ち越しソロを放ち、白星が転がり込んだ。  「タオルで顔を拭いていて、ホームランの瞬間は見ていなかった。歓声が聞こえてきて、初勝利かもと思いました」  チームはヤクルトに連勝し、4カードぶりの勝ち越し。首位・巨人とは6・5ゲーム差のままだが、2位に浮上した。ブレークの気配が漂う若鯉が、ブルペン陣の救世主になる。 (柏村翔) 7月25日以来の1試合3安打で3打点を挙げた広島・鈴木 「より一層、負けられない試合が続く。得点圏で仕事ができればと思う」

◆ヤクルト・山田哲人内野手(27)が21日の広島19回戦(マツダ)で一回に二盗を決め、昨年から続く連続盗塁成功を「32」に伸ばし、ソフトバンク・福田秀平外野手(30)が持つプロ野球記録に並んだ。今季27盗塁目で、開幕からの連続成功はプロ野球新記録。試合は4-5で敗れたが、「一番、自信がある」と自負する足で、プロ野球史に名を刻んだ。  記録が迫っても、山田哲はひるむことなくスタートを切った。いつもと変わらぬスタート、中間走、スライディング-。敵失で出た一回2死。無駄のない洗練された技術で、二塁を陥れた。  「素直にうれしい。菊池さんがここ(目の前)に来たので、ビビりながらスライディングしました。(プロ野球記録は)自信になりますね」  一度はアウトの判定が下った。捕手・会沢からの送球は高く浮いたが、二塁手の菊池涼が捕り、素早く山田哲の左手にタッチしたかに見えた。だが「タッチされた感覚がなかったので、多分セーフだろうなと思いました」と背番号1。小川監督がリクエストを要求。約4分間の検証を経て、セーフに覆った。  2018年8月26日のDeNA戦から続く連続盗塁成功を「32」に伸ばし、ソフトバンク・福田秀平が11-15年にかけて作ったプロ野球記録に並んだ。開幕からの27連続成功は、松井稼頭央の26(西武時代の01年)を上回る新記録となった。  山田哲には、忘れられない盗塁がある。16年のDeNA戦で井納-戸柱のバッテリーから決めた30盗塁目だ。牽制(けんせい)されつつ、さらに投球はピッチドアウトされた。それでもスタートを切って成功させた。  「スタートも中間走も、スライディングも100点。相手に警戒された中で100点を出せた」とうなずく。「練習からやってきた準備が詰まっていたかな。それが自分のベスト。自信になっている。すごく記憶に残っていますね」といい、現在もこの完璧な盗塁を理想としている。  極意は「投手との間合い」。昨秋の日米野球で米大リーグ最高峰の強肩を誇るカージナルスのヤディエル・モリーナ捕手(37)から二盗を決めた際もこう話した。  「キャッチャーと勝負していないから。常にピッチャーと勝負している。そこに勝てれば、どんなに強肩でも、捕手がウエストしても走れる自信がある。実際そうしてきた」  元ヤクルト1軍ヘッドコーチで、現在は楽天の2軍監督を務める三木肇氏から学んだ盗塁技術に、磨きをかけてきた。  試合には敗れ、バットは5打数無安打、九回2死満塁で右邪飛に倒れて最後の打者となった。本塁打は31本放っているが、打率は・277に降下。4度目のトリプルスリー達成へはギリギリの戦いが続く中、大阪・履正社高の後輩は22日、夏の甲子園の決勝で初優勝を目指す。山田哲も先を見据えた。  「もっと(記録を)伸ばしていきたい。これで消極的になってもいけないし、これからも積極的に走っていきたい」。胸を張って「一番、自信がある」と断言する足で、球史に名を刻んだ。 (横山尚杜) ★山田哲と甲子園  履正社高で3年夏の1度のみ出場(2010年)。初戦となった2回戦の天理(奈良)戦で2安打をマーク。3回戦の聖光学院(福島)戦では、六回に相手先発の歳内(現阪神)から同点2ランを放った。しかし、八回に本塁打などで3失点し、敗退した。「3番・遊撃」として2試合に出場し、打率・667、1本塁打、2打点だった。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
64462 0.582
(↑0.004)
-
(-)
31539
(+5)
443
(+2)
143
(+2)
67
(+2)
0.262
(-)
3.690
(↑0.02)
2
(1↑)
広島
59543 0.522
(↑0.004)
6.5
(-)
27488
(+5)
471
(+4)
115
(+2)
68
(+2)
0.253
(↑0.001
3.520
(-)
3
(1↓)
DeNA
58543 0.518
(↓0.005)
7
(↓1)
28478
(+1)
471
(+3)
127
(-)
34
(-)
0.249
(↑0.001)
3.810
(↑0.01)
4
(-)
阪神
52576 0.477
(↑0.005)
11.5
(-)
28420
(+3)
480
(+1)
79
(+1)
74
(-)
0.249
(-)
3.600
(↑0.02)
5
(-)
中日
49622 0.441
(↓0.004)
15.5
(↓1)
30430
(+2)
456
(+5)
72
(-)
57
(+2)
0.262
(↑0.001)
3.950
(↓0.01)
6
(-)
ヤクルト
46672 0.407
(↓0.004)
19.5
(↓1)
28526
(+4)
587
(+5)
139
(+1)
46
(+1)
0.245
(-)
4.650
(↓0.01)