中日(0対0)阪神 =リーグ戦19回戦(2019.08.13)・ナゴヤドーム=
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阪神
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中日
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勝利投手:-
敗戦投手:-
  DAZN
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◆中日は先発・大野雄が8回途中7安打無失点6奪三振の力投を披露。対する阪神の先発・青柳も、8回途中7安打無失点6奪三振の好投を見せる。両先発の降板後は中日が4投手、阪神が5投手の継投で無失点のまま踏ん張り、3時間59分の投手戦は規定により引き分けに終わった。

◆先発は中日大野雄、阪神青柳。大野雄は3回2安打無失点と好投した。青柳も5安打を許しながらも、3回を無失点で切り抜けた。 大野雄は6回まで4安打無失点と好投を継続した。阪神青柳も4回以降、6回までパーフェクトに抑え、調子を上げた。 大野雄、青柳ともに8回途中を無失点で降板した。中日、阪神ともににリリーフ陣を打ち崩せず延長に突入した。 阪神は11回1死一、二塁も高山が併殺に倒れた。中日も攻め手を欠いたまま延長12回を終了。スコアレスの引き分けに終わった。

◆中日大野雄大投手が1000投球回を達成した。初回、先頭の阪神近本を一ゴロに抑え、区切りのイニングに到達。この日は5イニングで得点圏に走者を置いたが、7回2/3で今季最多の131球を投げ、7安打無失点に抑えた。 「次はあと1アウトが取れるように頑張ります」。今季8勝目を逃したが、防御率を2・73とし、同部門リーグ2位に浮上した。

◆阪神青柳晃洋投手が8回途中7安打無失点と好投した。内外角を丁寧に投げ分け、変化球でタイミングをずらし、打者に仕事をさせなかった。 4番ビシエドは3打数無安打で2奪三振。降板するまで走者を置いても崩れず、三塁ベースを踏ませない内容。「試合前から梅野さんと話し合った通りの投球をすることが出来ました」。前回登板の7日ヤクルト戦は5回6失点で6四死球と制球を乱したが、今季2度目の四死球ゼロと立て直した。2カ月ぶりとなる今季6勝目は逃しても胸を張れる投球だった。

◆阪神青柳晃洋投手(25)が、両チームとも三塁を踏めないという珍しい投手戦を演じた。 中日先発の左腕大野雄との投げ合い。青柳は初回、1死一、二塁のピンチを招くも4番ビシエドを併殺打に仕留めた。以降は安定感抜群の投球を披露。直球にスライダー、シュートを交えてストライクゾーンを広く使い、的を絞らせず。前回先発の7日ヤクルト戦(神宮)で5回6四死球と乱した制球も、この日は無四球。丁寧にコースを突いて、8回途中7安打無失点。三塁を踏ませない好投で、スコアボードに「0」を並べた。8回、先頭の代打藤井に中前安打を許したところで、2番手岩崎にマウンドを譲った。岩崎は後続を無失点に抑えた。 一方、打線は投手戦に付き合う格好となった。今季3戦2敗と苦手にしている大野雄を、この日も攻略できず。2番手藤嶋に代わる8回2死まで、7安打無得点。中日打線と同じく三塁を踏めず、こちらもスコアボードに「0」が並んだ。 青柳は6月12日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)を最後に約2カ月、勝ち星から遠ざかっていた。この日も打線の援護に恵まれず、6勝目はお預けとなった。

◆阪神のドラフト1位、近本光司外野手(24)が球団新人安打数で5位タイとなる122安打目を放った。 3回の第2打席で中日先発の左腕大野雄から遊撃へ内野安打。5回の第3打席にも中前へ運び、マルチ安打とした。50年徳網茂氏の122安打に並んだ。 この日を含めて残りは36試合。球団記録は16年高山の136安打。セ・リーグ記録は58年長嶋茂雄氏の153安打。

◆中日ソイロ・アルモンテ外野手(30)が7回守備から遠藤と交代した。6回2死走者なしで、遊ゴロを放った際に下半身を痛めた模様。ベンチへ戻る際には与田監督やトレーナーに付き添われて戻った。

◆中日大野雄大投手(30)が1000投球回を達成した。初回、先頭の阪神近本を一ゴロに抑え、区切りのイニングに到達。 この日は5イニングで得点圏に走者を置いたが、7回2/3で今季最多の131球を投げ、7安打無失点に抑えた。「次はあと1アウトが取れるように頑張ります」。 今季8勝目を逃したが、防御率を2・726とし、同部門リーグ2位に浮上した。

◆レーシングドライバーの中嶋一貴氏(34)が始球式に挑戦した。 所属のトヨタガズーレーシングのウエアを身につけ、始球式に初挑戦。104キロの直球をノーバウンドでストライクゾーンに投げ込んだ。 「レースより何倍も緊張した。一発勝負ですからね。インコースに行ってビックリした。3ケタを出したかったので良かった。次のレースやル・マンでもまた勝てるようにしたい」と中嶋氏。同氏は愛知・岡崎市出身で、今年、自動車耐久レース、第87回ルマン24時間で連覇を達成したばかりだ。

◆中日が今季2度目の引き分けとなった。8安打を放ち得点圏に3度走者を進めたが、あと1本が出ず。 与田剛監督は「(先発、リリーフとも)よく抑えた。毎日勝ちたい。負けなかった粘り強さを評価したい」と、振り返った。 この日で15試合連続安打を放っていたアルモンテが、6回の遊ゴロで交代。8月月間打率4割4分の助っ人が離脱する可能性もあり、シーズン終盤へ暗雲も立ちこめた。

◆よく守ったが、打てなかった...。阪神が中日と0-0で引き分けた。先発青柳が8回途中無失点と好投し、救援陣も続いた。その一方で4番マルテ、5番ソラーテの助っ人コンビで1安打と元気がなかった。今季6度目の引き分けで、このカードは6勝12敗1分けとなり、2年続けて勝ち越しはなくなった。ナゴヤドームのスコアボードには「0」しか並ばなかった。3時間59分の攻防は徒労に終わり、矢野監督も浮かない顔だった。「ずっと0でいければ、もちろん負けることはない。ただ投手にそんな負担をかけられない。今日の反省としては点を取らんと。1年間、ここまで戦ってきた課題もそこに出ているのはチームとしてはある」。救援陣がしのいでも勝ちきれない。今季の戦いを象徴する。 助っ人からオーラが出ない。威圧感や期待感はいまだに薄い。最大のチャンスは両軍無得点の7回だ。1死一、二塁の先制機。マルテの気合は空回りした。初球変化球を打ち損じてボテボテのゴロは投手前へ。悪夢の併殺に倒れた。 4番は4試合目だが、真価を発揮できない。5回も2死一、二塁の好機で1球目を空振り後、遊飛に倒れていた。同じような状況で初球から積極的に振って出たが、中日バッテリーの思うツボ...。指揮官は「もちろん決めてほしいし、そのために来てもらってる。ソラーテにしてもマルテにしても。そういう選手」と指摘した。9日広島戦(京セラドーム大阪)で左足首を負傷した糸井の2軍離脱が大きく響いている格好だ。 得点力アップを見込んで獲得した新外国人ソラーテも7月下旬の合流直後の勢いが消えた。この日も「5番二塁」で先発。3回には2死一、二塁で打席が巡ったが、大野雄の内角低め速球に反応できず見逃し三振に倒れた。思わず白井球審に歩み寄るなどフラストレーションのやり場がない様子だった。5打数1安打だったがストライクゾーンに戸惑い、守備のミスでリズムをつかめないのが現状だ。 勝負の夏場に起爆剤として期待された「ソラマル」だが、まだスポット的な活躍しか見せていない。中日のアルモンテ、ビシエドが快音を連発して不気味さを示すのと、まるで対照的だ。助っ人野手に泣かされた近年と同じ光景が、今年もシーズン佳境に見られる。 今季はナゴヤドームで慢性的な貧打に陥っている。前日12日から20イニング連続無得点の窮状だ。またも「鬼門」のジンクスがよみがえる。貧打が響き、今季6度目のドロー。もどかしい、名古屋の夜になった。【酒井俊作】

◆阪神の守護神藤川球児投手が最終回をきっちり締めた。味方が12回表に得点できず、勝利の可能性は消えていたが「最後までやっぱり、たくさんファンが見に来てくれているので、いつでも全力です」とボールに力を込めた。 先頭の4番ビシエドを三ゴロに仕留めると、危なげなく3者凡退。「また明日頑張ります」とすぐに次戦を見据えた。

◆10回に4番手で登板した阪神能見篤史投手が3連続三振でぴしゃりと抑えた。 「とにかく先頭を出さないことだけ気をつけました」。先頭の京田、加藤と3球で空振り三振。藤井も4球目の143キロ直球で見逃し三振に仕留め、わずか10球で仕事を終えた。6日ヤクルト戦(神宮)から登板した5戦連続で無失点に抑えている。

◆阪神近本光司外野手(24)のバットが止まらない。中日戦で3回は先頭打者で遊撃内野安打、5回は1死走者なしから中前打を放って今季34度目のマルチ安打。ともに得点には結びつかなかったがリードオフマンとしての役割を果たした。 「得点につながれば一番よかったんですけど...。凡打の内容もよくなるようにできればと思います」 これで今季122安打とし、球団新人では1950年の徳網茂と並んで5位につけた。マルチ安打は年間44度ペースの換算で、球団新人最多である坪井智哉の40度(98年)も狙え、セ・リーグ新人最多の長嶋茂雄の48度(58年)も視界に入ってきた。 安打数の記録には「考えるとダメなので。あまり考えてません」と話す。だが、打って、走って、ファンを魅了する近本の人気は止まらない。球団のグッズショップで販売されているレプリカユニホームはS、M、Lサイズが売り切れで、入荷待ち。担当者は「(9日の)京セラドーム初戦では、あと少し在庫があったんですが3戦目(11日)には売り切れてしまいました。人気なので、すぐに発注します」と説明。球団公式サイトで購入しようにも完売のため「近本」の欄だけ選択できなくなっている状態だ。 伝え聞いた近本は「え! 売り切れなんですか? たくさん応援してもらえてありがたいです」とファンへの感謝を口にした。「CHIKAMOTOって書いてある、自分のユニホームを着て球場に来てもらって本当にうれしい。グラウンドからスタンドを見たときに『5』を見つけると『あ、今日も頑張ろう!』って。僕のグッズを持って、応援してくださっているファンの方からパワーをもらってます」と元気の源であることも明かした。 近本の奮闘が、ファンを魅了し、さらに虎を強くする。【真柴健】

◆阪神の0-0引き分けは、18年9月24日巨人戦以来。中日戦に限ると、62年5月3日ダブルヘッダー第1試合以来、57年ぶり。 この試合は中日球場(現ナゴヤ球場)で行われ、阪神・村山実、中日・権藤博の両エースが、ともに被安打5で延長12回を完投した。

◆阪神藤原崇起オーナー(67=電鉄本社会長)が、ビジターの中日戦を視察した。 チャンスであと1本が出なかったが「みんな頑張っているから、いい記事を書いてください」と穏やかな表情で球場を後にした。2日前の広島戦(京セラドーム大阪)も視察した。

◆よく守ったが、打てなかった...。阪神が中日と0-0で引き分けた。先発青柳が8回途中無失点と好投し、救援陣も続いた。その一方で4番マルテ、5番ソラーテの助っ人コンビで1安打と元気がなかった。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -青柳が素晴らしい投球しただけに外国人2人のどちらかが打ってれば...。 まあまあ、それは誰かがね...。打ってればっていう試合はある。俺自身の反省もある。誰かのせいではないというか、チームとしての責任。そんなん言い出したら、俺にももちろん責任があるし。 -青柳は好投 本当にしっかりゴロも打たせられるし、抑え方も、内容もよかった。これでまたちょっと落ち着ける。安心はしてほしくないけど、ちょっとよくない投球が続いていた。次も今日みたいな投球を期待しています。 -マルテはチャンスで積極的な初球打ち。相手バッテリーの配球にはまった 言い出したらいろいろなっちゃう。俺もあんまり選手のマイナスを言い出したら、ナンボでもそんなんね。どうチームを前に向けていくかが俺にとって大事。 -救援陣が踏ん張った 今日の流れで言うと持っていかれる。こっちがチャンスを作っても決められない。後攻めの方が圧倒的に有利の中で抑えるのは、本当に中継ぎ陣の頑張り。 -0-0の引き分けは前向きに受け止めるか もちろん、もちろん。どう点を取るかは、残り試合のチームにとって大事な部分になると思う。

◆6月に行われた伝統の自動車耐久レース、ルマン24時間でトヨタ8号車のドライバーとして2連覇を遂げた中嶋一貴が始球式を行った。104キロの直球は内角へのストライクとなり「まともに投げられて良かった」と安堵した様子だった。  父は元F1ドライバーの悟氏。自身初という始球式は「レースの時よりも何倍も緊張した」と語った。来年に向けては「次のシーズンもチャンピオンになれるようにしっかりやっていきたい」と意気込んだ。

◆中日の大野雄は粘りながら今季最多の131球を投じ、7回2/3を無失点に抑えた。それでも2死から梅野に左前打を許して降板し「次はあと1アウトを取れるように頑張りたい」と悔しがった。  この日は6四球を出すなど制球がいまひとつだった。打線の援護がない中でも併殺を奪うなど味方の好守にも助けられ、相手にホームベースを踏ませなかった。

◆阪神の近本が2安打を放った。三回は持ち味の俊足を飛ばして遊撃への内野安打とし、五回も中前に運んだ。1番打者として大きな戦力となっているルーキーは今季既に122安打。2016年にセ・リーグの新人王となった高山が持つ、球団新人記録の136安打も視野に入る。  ただ、点には結びつかず「得点につながれば一番良かったんですが...。他の打席でもできることがあったかなと思う」と浮かない表情だった。

◆中日のアルモンテは六回、右脚を痛めた。試合中に名古屋市内の病院へ向かい、球団は「右大腿直筋筋腱移行部の損傷」と診断されたと発表した。14日に出場選手登録を抹消する予定。今季も打率3割2分9厘と好調だった。

◆序盤での拙攻が響いて打線が流れをつくることができず、今季2度目の引き分けとなった。7回2/3を無失点に抑えた大野雄を援護して勝利投手にすることができず、与田監督は「いろいろな細かいところを練習してやっていくしかない」と悔しそう。一方、大野雄の後を受けた藤嶋、岡田らの救援陣は全員が好結果を出した。指揮官は「みんな、よく投げてくれた。負けなかった粘りは評価できる」と前向きに捉えた。

◆ウググググ...。苦しい延長十二回、0-0と両チームとも三塁ベースも踏めない...。これが真夏のプロ野球の『Bクラス・決め手がない地獄』なのか!?  中日先発の大野雄、そして阪神先発の青柳をはじめ、両チームの投手陣が持てる力を十二分に発揮しての大投手戦で、引き分けという見方があると思う。  そう思いながらも、チャンスに甘い球をミスショットしたり、あっさり初球で併殺打を打つ4番・マルテに歯ぎしりガリガリ...。それでもまだ耐えていたのに、完璧にインコースのストライクなのに「OH! NO!!」と天を見上げる見逃し三振の打席。そしてそれ以上に、凡打で全力疾走をしないソラーテの負け犬のような姿に許せ~ん!!  アメリカンドリームって、0・1%の可能性の夢を実現させることちゃうんかい!! せめてそれを追い求める姿を猛虎ナインに見せてくれよー!!  こんなことなら虎の将来のために「何があろうが右打ち禁止」の十字架を背負わせて(いや、かなりむちゃなのは分かっていますよ)、4番・大山悠輔でええやん!!

◆中日のソイロ・アルモンテ外野手が阪神19回戦(ナゴヤドーム)の六回、遊ゴロで一塁に駆け抜けた際に右足を痛めて交代。試合中に名古屋市内の病院で診断を受け「右大腿直筋筋腱移行部の損傷」と診断された。14日に出場選手登録を外れる。

◆エッ! 阪神が勝っとるがナ...と編集委員上田雅昭は思わず小さな声をもらした...。  前日12日は新聞休刊日で、13日は宅配の新聞はありません。ですが、スポーツ紙は即売特別版をコンビニや駅売店などで発売して、読者のニーズに応えているわけです。  で、昼過ぎに上田は名古屋の宿舎から外に出て「アチチッ」と炎天下を脱兎の如く走り、近くのコンビニに飛び込み各社の即売特別版を買い込みました。はてさて...ライバル社は昨夜の阪神の1-5と中日の初登板ルーキー梅津にいいようにあしらわれた展開をどんな編集、記事にしているのか...と各紙を広げて彼は腰を抜かした。  各紙...「逆転の阪神、両リーグ最多の28度目!」とデカデカ。つまり...阪神が勝っているんです。ん、どういうこっちゃ...最近、物忘れや目がクラクラすると思ったが...ついに俺も来るモノが来たか...とギクリとした。  で、そこからがさすがに上田だ。あわてず騒がず...よく見ると...日付が1日前の12日付じゃないか。なんと「1日古い新聞」を売っていた。それで店員さんに文句を言おうとしたら...明らかにその店員さんは外国人アルバイト...上田は冷静に「これはあわてて買い込んだ俺も悪かった。それにしても...」と言った。  読者の皆さまはよくご存じでしょうが、われわれの商品はたとえ1日でも過去のモノだと1銭の値打ちもないわけです。ハハン、これは何かの間違い...そうでした。それでモノ静かな上田は「俺もガツガツしてたから悪かったヮ」と苦笑してコトなきをえた。  どうやら即売特別版がおかげさまですぐ完売したため、その店員さんは奥から前日のを持ち出して並べた? かもしれない。一瞬でも「阪神が勝ったと思わせてもろたしなぁ...」。彼はNHK土曜朝の人気番組『チコちゃんに叱られる』(5歳の女の子が何かといえば「ボーッと生きてるんじゃねぇよ!」というのが人気)を思いだして「俺もチコちゃんに叱られるヮ」とつぶやいた。  しかし...だ。実はそれが冗談ではすまなくなった。スコアをごらんいただいたらわかるでしょうが、ナゴヤドームは0-0行進。まさにチコちゃんに「ボーッと生きてんじゃねぇョ!」という展開。青柳、大野雄の両投手がまなじりをけっして絶妙の投手戦となりました。  台風10号はよほどヒマなのか、それとも「みんながそんなにワイワイいう阪神タイガースちゅうのはどんなチームやねん。あんだけの拙攻でも、ファンはどのチームより熱心に球場に声援にかけつけるのは、どこに魅力があるんかいナ...いっぺん見てみたろ...」と思ったかもしれない。だから、まともに関西に一直線に来そうなのだ。  そんな不気味な生暖かい風が吹く真昼の鳴尾浜にひょいと現れたのがドラ番三木建次だ。「このクソ暑いのに...何しに来たの...」と顔が広いから2軍の残留組からヒヤカシの問いかけ。「いや、これからナゴヤドームに行くんや。今、夏休み組が多いから俺が取材にきたんョ...」。ビヤ樽は居残り組の藤浪晋太郎を眺めながら「あんなエエ球をビュンビュン投げとるのに...日焼け顔の晋太郎投手を見るのは複雑やで...」とポツリ。そう言い残して...大急ぎでナゴヤドームに走ったのであります。  しかし...だ。いくらナゴヤドームはエアコンがきいていて快適とはいえ、息苦しいほどの緊迫感。八回に両投手ともに思いを残して降板...。必死の投手戦なのか、拙攻のアブラ汗なのか...。  閑(しずけ)さや 岩にしみ入る 蝉の声...(芭蕉)

◆--青柳は素晴らしい投球。外国人2人のどちらかが打っていれば...  矢野監督 「まあまあ、誰かが打ってればっていうのはこういう試合はあると思うし。俺自身の反省っていうのもあるし。誰かのせいっていうことではないというか、チームとしての責任っていうかね。やらなあかんところがあると思う。そんなん言い出したら、俺にももちろん責任があるし」  --青柳は好投だった  「久しぶりというか、本当にしっかりゴロも打たせられるし、抑え方としてもすごく内容もよかったし。本当は点を取られるまで青柳をいかしたかったんだけど、ちょっと状況的にも俺の中でも代えざるを得ないというところで代えてしまったけど。次も今日みたいなピッチングを期待しています」  --リリーフ陣も踏ん張った  「後攻めのほうが圧倒的有利になる中で抑えられるっていうのは、中継ぎ陣のの頑張りやし。島本とか見てても、こういう僅差で投げるからこそ成長できる部分っていうのは大きいと思う」

◆能見は延長十回に4番手で登板すると、7番・京田から3者連続三振に仕留めた。「先頭を出さないことだけを考えていました」。2軍での再調整から6日に再昇格後、これで5試合連続無失点。ベテランの復調は終盤戦に向けて明るい材料だ。

◆延長十二回に登板した藤川は三者凡退として、引き分けに持ち込んだ。「最後までお客さんが見てくれたので。また明日頑張ります」。先頭のビシエドを初球の低めの変化球で三ゴロ、平田には外角147キロで一邪飛。最後は福田をフォークで空振り三振に斬った。登板6試合連続セーブとはならなかったが、安定感のある投球で虎の救援陣を引っ張っている。

◆島本は延長十一回に登場。先頭の代打・堂上を内角への直球で空振り三振として1死。続く大島には浮いたフォークを左前に運ばれたが、代打・阿部を内角の直球で遊ゴロ併殺に料理して、任務完了。無失点でつないで「しっかり0で抑えられてよかったです」とうなずいた。今季は46試合に登板し、防御率2・32と安定感を維持している。

◆4番のマルテがブレーキとなった。3度、二塁に走者を置いて無安打。主砲となった4試合目で初めてノーヒットに終わった。「残念ながら打てなかった。打ちたい気持ちはいつもある」。三回2死二塁では四球を選んでつないだが、五回2死一、二塁では遊飛、七回1死一、二塁では最悪の投ゴロ併殺に倒れた。矢野監督は「打ちにいって打てなかった。明日以降にぶつけてくれたら」と奮起を促した。

◆九回に登板したジョンソンも三人斬りで竜打線をピシャリと抑えた。「梅野くんのリードもあったし、みんないい仕事ができたと思うよ」。先頭のビシエドを右飛、平田も中飛に打ち取ると、最後は福田を外角のカーブで空振り三振に仕留めた。これで今季44試合登板でセ・リーグ単独トップとなる32ホールド目をマークした。

◆阪神は中日と延長十二回の末、0-0で引き分けた。「1番・中堅」で出場したD1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が2安打を放って通算122安打とし、球団新人記録の歴代5位タイに浮上した。先発した青柳晃洋投手(25)は7回0/3で7安打を許しながらも、無失点の粘投。久々に好投して終盤戦へと期待を抱かせた。  本塁は踏めなくても、一歩ずつ確かに、虎の歴史に足跡を刻む。苦しく険しい12イニングのゼロ行進だったが、得点の匂いを最も漂わせたのは、やはり近本だった。立ちはだかった大野雄に揺さぶりをかける2安打で、今季122安打に。球団の新人安打記録で、1950年の徳網茂氏に並ぶ5位タイとした。  「得点につながるのが一番良かったですけど」  両軍で唯一6打席に立ったが、一度も生還は果たせず。試合後も悔しさを隠せなかった。だが、積み上げてたどり着いた数字の輝きはあせない。三回先頭で遊撃内野安打を放つと、五回1死でも痛烈に中前打。なんとしてでも本塁に迫ろうとしぼり出した、8試合ぶり今季34度目のマルチ安打で、69年前の記録に手をかけた。大阪タイガースの正捕手として活躍した徳網氏と、新人年122安打で肩を並べた。  今や打つたび、走るたびに記録がつきまとう虎の一番星だ。走者を出しながらもゼロを並べてきた大野雄の投球も、近本の力でわずかにほころびを見せた。脚力を警戒するあまり、五回1死一塁から北條に四球。一、二塁になったが、ここは福留、マルテの3、4番が倒れ、チャンスがついえた。近本は三回と五回の2度、二塁上で悔しい攻撃終了を迎える形になってしまった。  2016年の高山が持つ球団新人安打記録「136」までは、残り34試合で14。試合を重ねるごとに頼もしさと力強さを増す近本なら、必ず狙える。前半戦は87安打のうち23安打が内野安打だったが、後半戦の35安打のうち内野安打は3安打のみ。虎を引っ張り、白球も力強く引っ張って、次々と上を目指していく。  延長十二回の先頭では10球粘り、気持ちを見せたが一ゴロに倒れた。「凡打の内容が良くなっていけるように考えています。でも、他のこと(打席)でもっとできることはあったかなと思います」と反省の言葉が口をつく。何とか動かそうとしても動かなかった、この試合の悔しさを胸に。近本はこのまま突き進む。 (長友孝輔)

◆これまでの悔しさをぶつけるように右腕を振った。青柳が気迫の投球でスコアボードに刻んだ「0」は7個。グラウンドで一人気を吐いたが、打線の援護に恵まれず、7試合ぶりの白星をつかむことはできなかった。  「梅野さんが(配球を)考えてくれた。これまで(の登板)は危ない球が多かった。しっかりリードしてくれました」  ここしばらくは、プロ1年目のように制球難が顔をのぞかせていた。前回7日のヤクルト戦(神宮)では、今季ワーストの6四死球。7月24日のDeNA戦(甲子園)、同31日の中日戦(甲子園)はともに2四死球ながら、不安定な内容だった。だが、この日は四死球なし。調整方法は「これまでと変えていない」というが、酸いも甘いもともにしてきた梅野のリードで立ち直った。  序盤も苦しい展開をしのいだ。一回1死から大島に左前打されると、アルモンテにも左翼線にポトリと落とされて一、二塁。ここは4番・ビシエドを外角141キロで遊ゴロ併殺に料理し、無失点にしのぎ「あそこで切れたのは大きかった」。二回も2死から京田と加藤に連打を浴びて一、二塁とされたが、大野雄を捕ゴロとして乗り切った。  ただ、チームも勝ちきれなかったうえに「ヒットを7本も打たれているので」と当然のように満足感はなし。それでも「きょうはいい感覚で丁寧に投げることができた。またきょうみたいな投球ができるように」と前を向いた。  息を吹き返した右腕が次も躍動し、チームを勝利に導く投球をする。 (織原祥平)

◆大、大、大拙攻...。阪神は中日戦(ナゴヤドーム)で延長十二回の末に0-0でドロー。藤原崇起オーナー(67)=電鉄本社会長=が日帰り弾丸生観戦する前で、12残塁3併殺のもどかしすぎる拙攻で、先発・青柳ら投手陣の好投に応えられなかった。矢野燿大監督(50)も「反省」-。この日の引き分けで、今季の中日戦の勝ち越しがなくなった。  お盆休みにまさかの大凡戦。6度も得点圏に走者を進めながら、一度も三塁を踏めずにスコアレスドロー。12残塁&3併殺の拙攻で、弾丸視察に訪れた藤原オーナーにもいいところを見せられなかった。投高打低の今季を象徴する内容に、矢野監督もうなだれた。  「ピッチャーにもそんなに負担をかけられない。きょうの反省として点を取らないとね。俺の反省もある」  今季2敗を喫していた大野雄と4度目の対戦。毎回のように二塁まで走者を進めながら、例によってあと1本が出ない。六回には2死一、二塁と先制のチャンスで、打席にそのまま青柳。好投していただけに代打を送らなかったが、二ゴロで攻撃はあえなく終了した。結果的に1点あれば勝てただけに、これが裏目。指揮官は「チームの責任っていうかね。俺にももちろん責任があるし」と結果を背負い込んだ。  七回1死一、二塁ではマルテが、八回無死一塁では大山が、延長十一回1死一、二塁では高山が併殺打。この日はお盆休みを利用して藤原オーナーが観戦に訪れた。日帰りのため延長十回途中で球場を後にしたが、拙攻に腹を立てるどころか「みんな頑張っているから、いい記事を書いてあげてください」と愛する虎を擁護して去った。  総帥のビジター観戦は2度目。前回7月3日はオーナー会議の後の横浜で、試合のために遠征するのは初めてだ。今春は甲子園で観戦すれば9連勝。横浜でも4-3でチームが競り勝つ瞬間を見届けた。11日の広島戦(京セラ)では球場を訪れ「みんなで攻撃していこう」とハッパをかけたばかり。その日も6-5で競り勝ったのだが...。竜とのスコアレスドローは57年ぶりの珍事だ。  「どう点をとるかっていうのは、残り試合も大事な部分になる」  将は残り34試合へ、懸命に前を向いた。20イニング連続無得点で、中日戦は6試合を残して勝ち越しがなくなった。3位広島とは5ゲーム差に広がり、Aクラス入りへ正念場。このままでは勝負の9月は乗り切れない。 (大石豊佳) 勝ちきれなかったことに阪神・清水ヘッドコーチ 「苦しいよね。結果を出す世界なので、明日は結果を出せるようにしないと」 無得点での引き分けに阪神・浜中打撃コーチ 「点を取れていない。そこが課題。(投手陣が)いいピッチングをしていたし、点を取ってあげたかった」

◆青柳の好投と自慢の救援陣が力を発揮しての12回無失点。投手力はやはり素晴らしい。ただ、それでも中日に勝てなかった。これで残り対戦6試合を残して、勝ち越しがなくなった。5位・中日戦の借金がそのままチームの借金になっている。  確かに打線が打てないのも反省点だが、指摘したいのは、クリーンアップにあまりに打たれすぎ。試合が始まる前の時点で阪神戦打率がアルモンテ・455。阿部(この日はスタメン落ち)・351、ビシエド・300。さらには下位の加藤・324。特定の打者を抑えられないのは、準備の時点で「?」がある。  打たれるには必ず根拠がある。スコアラーが提示するデータなどをもう一度検証して、バッテリー間で話し合い、もう一度突き詰めていってもらいたい。今、対処しないと来季まで尾を引くことになる。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
58462 0.558
(↓0.005)
-
(-)
37513
(+1)
433
(+2)
138
(-)
60
(-)
0.262
(↓0.001)
3.810
(↑0.02)
2
(-)
DeNA
56503 0.528
(↓0.005)
3
(-)
34464
(+7)
438
(+8)
122
(+1)
33
(+1)
0.250
(-)
3.710
(↓0.05)
3
(-)
広島
56513 0.523
(↑0.004)
3.5
(↑1)
33466
(+2)
441
(+1)
108
(-)
66
(-)
0.253
(↓0.001)
3.440
(↑0.03)
4
(-)
阪神
49546 0.476
(-)
8.5
(↑0.5)
34397
(-)
464
(-)
72
(-)
71
(+1)
0.249
(↓0.001)
3.640
(↑0.04)
5
(-)
中日
48572 0.457
(-)
10.5
(↑0.5)
36413
(-)
431
(-)
70
(-)
51
(-)
0.262
(↓0.001)
3.930
(↑0.05)
6
(-)
ヤクルト
43642 0.402
(↑0.006)
16.5
(↑1)
34487
(+8)
560
(+7)
127
(+2)
44
(+1)
0.242
(↑0.001)
4.670
(↓0.01)