日本ハム(★1対3☆)楽天 =リーグ戦18回戦(2019.08.01)・札幌ドーム=
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楽天
1010000013701
日本ハム
1000000001700
勝利投手:辛島 航(7勝5敗0S)
(セーブ:松井 裕樹(1勝5敗28S))
敗戦投手:有原 航平(11勝5敗0S)

本塁打
【楽天】浅村 栄斗(23号・9回表ソロ)

  DAZN
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◆楽天は初回、浅村が適時打を放ち、幸先良く先制する。直後に同点とされるも、3回表に茂木の適時打が飛び出し、勝ち越しに成功した。投げては、先発・釜田が3回1失点。その後は4人の継投でリードを守った。敗れた日本ハムは、2回以降は散発の5安打と打線がつながりを欠いた。

◆首位に0・5ゲーム差と迫った日本ハムは、リーグ最多11勝の有原航平投手(26)が先発。チーム100試合目までに12勝すると、球団では11年ダルビッシュ以来となる。 有原が自己最多を更新する12勝目を挙げられるか。

◆カード勝ち越しがかかる楽天が「ショート・スターター」で継投に入った。 7月27日の2軍戦で2回30球を投げて中4日で先発の釜田佳直投手(25)は1回に暴投で追いつかれ、2回も先頭打者をストレートの四球で出すなど苦しみながら、3回を内野安打2本、2四球で1失点と粘投。球数は53球だったが、4回から2番手で辛島航投手(28)が今季16試合目で初めて救援としてマウンドに上がった。 リードした状態でバトンをつないだ釜田は「とにかく1人ずつ1人ずつと思って投げました。リードを保った状態で次につなげて良かったです」とホッとした様子で話した。 辛島も3回3安打3四球と毎回走者を背負いながら無失点。2人で1点のリードを保ち、終盤に持ち込んだ。

◆楽天は1回、浅村の中前適時打で1点を先制。その裏、ミスで追いつかれたが、3回に茂木の中前適時打で再び勝ち越した。 楽天は先発の釜田に代わって、4回から辛島が登板。日本ハムは5、6回と、それぞれ2死一、二塁の得点機を生かせず。 楽天は7回からハーマンがマウンドへ。継投で反撃をかわした。辛島が7勝目。日本ハムは有原が7回5安打2失点も、打線の援護なく5敗目。

◆決死のヘッドスライディングも、及ばなかった。1点を追う7回2死二塁で、日本ハム中田翔内野手に打席がまわった。 「打球が弱かった。最後(打球が)跳ねたしね」。中前へ抜けるかという当たりは、遊撃寄りに守っていた二塁手・浅村によって阻まれ二ゴロに。シフトの網に見事にかかり「ついてないな、という感じ。有原を援護できなかったのも悔しかった」。4打数無安打を嘆いた。

◆日本ハムが編み出した「ショートスターター」戦術で楽天に競り負けた。 今季から新たに導入した投手起用法を初めて相手に採用され、奪った得点は初回の1点のみ。プラン通りの継投に打線が抑え込まれ、5カードぶり、後半戦初のカード負け越しを喫した。2日からは、1・5ゲーム差の首位ソフトバンクとの直接対決3連戦(札幌ドーム)。切り替えて、負けられない首位攻防戦に臨む。栗山英樹監督は敗戦が決まると潔く帽子を脱いで、グラウンドに一礼した。「あと1歩も、あと100歩も勝ちきれなかったら一緒」。落とした接戦は、日本ハムが他球団に先駆けて取り組んできた新戦術「ショートスターター」に屈した形となった。 楽天先発の釜田、第2先発の辛島に3回ずつを投げられ、奪った得点は初回の1点のみ。ともに攻略できそうなところまで追い詰めながら継投でかわされ、最後は勝利の方程式に抑え込まれた。新戦術の先駆者である栗山監督は「ずっと、ああいう形が(他球団の起用の中にも)挟まると言ってきた。だから、普通な感じだよ」と振り返った。 事前に楽天の戦略は想定した打線で臨んだが、攻略しきれなかった。7番に右投げ、左投げにとらわれない両打ちの杉谷をスタメン起用。各打者の調子も見極めながら、どんな投手が来ても対応できるように攻撃の布陣を組んだが、うまくかみ合わなかった。試合全体でも3犠打を駆使して得点圏に走者を進め続けたが、あと1本が出なかった。 チームは後半戦5カード目にして初の負け越しとなったが、引きずってはいられない。2日からは首位ソフトバンクとの首位攻防3連戦に突入する。栗山監督は「この3つ、来週(10日からヤフオクドームで)の3つも大事になってくる。できる限り、やれることをやりたい。全員で取りにいくしかない」。負けられない首位攻防戦へ、気持ちを切り替えた。【木下大輔】

◆日本ハム有原航平投手が早大の1学年後輩茂木にまたしてもやられた。 1回先頭で三塁打を打たれ先制への口火を切られると、3回には勝ち越しの中前適時打を許した。これで今季11打数6安打3打点、5割4分5厘と苦戦。7回5安打2失点と粘ったが「まっすぐがしっかり投げられなくて苦しい投球になった。次はもっといい投球がしたい」と前を向いた。 楽天茂木(3回の決勝打を含め日本ハム有原から2安打で今季対戦は11打数6安打)「いい投手なのは変わりない。このボールを打つ、このコースを打つという整理ができている」

◆楽天が、日本ハムのお株を奪う今季初の「ショート・スターター」を成功させた。先発釜田佳直投手が3回2安打1失点で粘ると、1点リードの4回からはローテーションの一角である辛島をマウンドへ。3回3安打3四球と毎回走者を背負いながらゼロでしのぎ、7回以降の勝利の方程式に託した。 平石監督は「2人の良さを引き出す新たな試み」とうなずいた。肩肘の手術明けのシーズンとなる釜田のスタミナと開幕からローテを守る辛島の蓄積疲労。それぞれの不安要素を補い合った。2軍戦から中4日の釜田に起用法が伝えられたのは、チームが札幌入りした7月29日。「短い分、しっかり1人1人という気持ちだった」。常にひょうひょうとしている辛島も慣れない起用に必死で腕を振った。「自分が先発なら同点まではいいかなと思えるけど、初めての経験で難しさはあった」。一方で2人をリードした太田は「(同じ投手で)2打席目以降をあまり考えなくていい分、出し惜しみせず、いいボールを続けられた」と言った。 自らに勝ちはつかなかった釜田は「多少はチームの力になれたかな」。チーム最多7勝目の辛島は「僕も釜田も、(1人でも)ビシッと抑えられる投手にならないと」と誓う。10連戦最初のカード勝ち越しを決めた奇策が、新たな刺激も生んでいる。【亀山泰宏】

◆楽天が誇る不動のリードオフマン、茂木栄五郎内野手(25)が再び難敵に土をつけた。日本ハム有原から3回に決勝の中前適時打。1回にも先制の足掛かりとなる右翼フェンス直撃の三塁打を放つなど、今季11勝を挙げている早大の先輩攻略に大きく貢献。チームに10連戦最初のカード勝ち越しをもたらした。茂木のバットがチームに勢いをもたらした。1回は先頭打者としてカウント3-1から内角直球を強振。右翼フェンス最上部にぶち当てた。三塁まで到達して日本ハム内野陣に前進守備を敷かせ、浅村の先制打を呼び込んだ。3回無死二塁では追い込まれてからフォークを軽打して中前へ。「最低でも1死三塁をつくろう、と。追い込まれたので、とにかくヒットゾーンにと思っていました」と振り返った。 有原からは5月の対戦でも決勝本塁打。この日のマルチ安打で今季11打数6安打、対戦打率5割4分5厘をマークしている。昨季までの通算が30打数5安打の1割6分7厘。明らかな変化の理由を理路整然と語る。「いい投手なのは変わりない。去年までは全部を打ちにいってしまっていた。今年は『このボールを打つ』『このコースを打つ』と割り切って、整理して打席に入れています」。シンプルだが、アプローチにひと手間を加えたことがはまっている。 開幕から96試合で先発を外れたのは1試合だけ。疲労を考慮し、今季2度目となる指名打者で起用された。「監督の意図は分かっている。配慮してもらっている分、今日は打席でチームに貢献したかった」と集中力をとぎすませ、銀次と並ぶチーム最多今季10度目の猛打賞を決めた。平石監督も「(茂木)栄五郎は、ずっといい姿でやってくれている。本当に大きい」と目を細める。真夏の過酷な10連戦も、茂木が力強く突破口を開く。【亀山泰宏】

◆楽天の茂木が2試合連続複数安打をマークした。1-1の三回無死二塁では中前へ適時打。有原に対し、1ボール2ストライクから外角の変化球を捉え「追い込まれていたので、とにかくヒットゾーンにと思っていた」と笑顔で話した。  一回には先頭打者で三塁打を放ち、浅村の適時打で生還。今季、試合前まで8打数4安打と相性のいい早大の先輩、有原から次々と快音を響かせた。

◆日本ハムの有原は制球がばらつきながらも7回5安打2失点と試合をつくったが、打線の援護に恵まれず自己最多を更新する12勝目はならなかった。「大事な試合で先に点を取られると流れが悪くなる」と一回に先制点を奪われたことを反省した。  首位ソフトバンクとの差は再び1・5ゲームに開いた。「2試合続けて初回に点を取られている。対策を取っていきたい」と唇をかんだ。 栗山監督(7回2失点で5敗目を喫した有原に) 「我慢して投げてくれていて、何とか点を取ってあげたかった。申し訳ない」 木田投手チーフコーチ(7回2失点の有原に) 「一、三回と点を取られてしまったが、それぞれ最少失点でしのいでくれた」

◆楽天は釜田、辛島の先発投手の2人の継投が決まった。釜田が立ち上がりに1点を失いながらも三回まで投げると、辛島が四回から3回無失点と好投。日本ハムが駆使し、短いイニングで代える「ショートスターター」と同じような起用法で相手のお株を奪った。  釜田は昨年、右肩と右肘の手術を受けていたことに加え、先発で投げ続けた辛島の疲労を考慮。長いイニングを投げさせない継投策を選んだ。平石監督は「今回はこういう選択もありだと思った」とうれしそうに話した。 楽天・伊藤投手チーフコーチ(釜田から辛島の継投に) 「いろいろなバリエーションができれば。どうやったらいい試合ができるかと考えていた」 釜田(先発で3回1失点) 「とにかく一人ずつ一人ずつと思って投げた」 辛島(四回から3回無失点で7勝目) 「いい流れに乗りたいという気持ちだった」

◆楽天の浅村が攻守で勝利に貢献した。一回に中前へ先制適時打を放つと、2-1の九回には右翼ポール直撃の23号ソロで貴重な追加点を挙げた。最近5試合で4本塁打と量産態勢に入り「完璧。チームが勝てるように。それだけ」と喜んだ。  二塁の守りも光った。2-1の七回2死二塁で中田の中前に抜けそうな打球を好捕し、素早く一塁へ送球してアウトにした。「投手が頑張っていたので。失点を防げた」と満足そうにうなずいた。

◆浅村が攻守で活躍した。一回は中前に先制打。九回には右越えに貴重な追加点となる23号ソロを放った。ここ8試合で6発と爆発し「右方向に打てるということが、調子が上がっている証拠だと思う」と好感触を明かした。七回の二塁守備では、中前に抜けそうな打球を好捕。平石監督は「先制、一発、ナイスプレー、ものすごく大きかった」と絶賛した。

◆先発の有原が7回5安打2失点の力投も、打線が1得点と援護できず。栗山監督は「何とか点を取りたかった。申し訳ない」と唇をかんだ。5カードぶりの負け越しを喫し、首位ソフトバンクとのゲーム差は1・5に広がった。2日からは本拠地でソフトバンクと直接対決3連戦。指揮官は「全員で(勝利を)取りに行くしかない」と語気を強めた。

◆先発2投手の継投策に、相手ベンチは目を丸くした。釜田が先発で3回1失点、辛島が2番手で3回無失点。平石監督の"秘策"で、楽天が3-1での勝利をもぎ取った。  「2人の良さを何とか引き出せないかと常にイメージしていた。戦略上のことは言えないけど、毎回やるわけではない」  メジャー流の"ショートスターター"を得意とする日本ハムのお株を奪った。釜田は昨季8月に右肩と右肘の手術を受けており、患部の疲労を配慮。辛島は試合前の時点で、今季の日本ハム戦に防御率2・52と相性がよく、起用された。  釜田は「とにかく、一人ずつ、一人ずつと思って投げました。リードを保った状態で次につなげてよかった」と納得の表情。7勝目の辛島は「初めての経験。いつもとは違う疲労感がある」と、肩の荷を下ろした。  計5投手の力投で、貯金2。指揮官は「釜田が試合を壊さなかった。辛島の方が、1点リードの展開で精神的に疲労感が出たと思う」とねぎらった。夏場の10連戦中と疲労が蓄積する中で、絶妙な采配が光った。 (広岡浩二) 5投手を好リードした楽天D2位・太田(大商大) 「(先発、2番手は)いけるところまでいくということで、出し惜しみせずいい球を一巡目から使い切った。前日からイメージとシミュレーションをした」

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
53424 0.558
(↑0.005)
-
(-)
44414
(+11)
386
(+10)
135
(+3)
85
(+2)
0.249
(↑0.001)
3.540
(↓0.05)
2
(-)
日本ハム
51434 0.543
(↓0.005)
1.5
(↓1)
45423
(+1)
397
(+3)
68
(-)
41
(+1)
0.257
(-)
3.760
(↑0.01)
3
(-)
西武
49461 0.516
(↓0.005)
4
(↓1)
47499
(+10)
471
(+11)
109
(-)
103
(-)
0.258
(-)
4.350
(↓0.07)
4
(-)
楽天
48462 0.511
(↑0.006)
4.5
(-)
47417
(+3)
398
(+1)
98
(+1)
35
(+1)
0.251
(-)
3.940
(↑0.03)
5
(-)
ロッテ
46482 0.489
(↑0.005)
6.5
(-)
47439
(+7)
429
(+6)
117
(+1)
61
(+2)
0.247
(↑0.002)
4.100
(↓0.01)
6
(-)
ORIX
41515 0.446
(↓0.005)
10.5
(↓1)
46343
(+6)
427
(+7)
67
(+1)
87
(+1)
0.235
(↑0.001)
3.970
(↓0.03)