ソフトバンク(★3対7☆)西武 =リーグ戦14回戦(2019.07.10)・福岡ヤフオクドーム=
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西武
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ソフトバンク
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勝利投手:ニール(4勝1敗0S)
敗戦投手:和田 毅(2勝2敗0S)

本塁打
【西武】岡田 雅利(1号・5回表ソロ),木村 文紀(4号・5回表ソロ),山川 穂高(29号・7回表2ラン),中村 剛也(14号・7回表ソロ)

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◆西武が一発攻勢で勝利。西武は2点ビハインドで迎えた5回表、岡田と木村のソロなどで一挙4点を奪い、逆転に成功する。7回には山川と中村の2者連続本塁打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・ニールが今季4勝目。敗れたソフトバンクは、投手陣が振るわなかった。

◆ソフトバンク和田毅投手が緊急降板した。 4回までは無失点の好投。2点リードの5回に2本のソロ本塁打で同点に追いつかれると、2死走者なしから秋山に四球、源田にも左前打を浴びた。 2死一、二塁で外崎への2球目を投じたあと、足を気にするような動きを見せ、ベンチに下がった。治療を受けたが、マウンドには戻らず2番手田中に交代した。

◆西武中村剛也内野手が、通算400号に王手をかけた。7回、4番山川の2ラン直後の打席。 2球目のカーブを打ち、左翼ポール直撃の14号ソロを放った。これで歴代20人目となる400本塁打まであと1本と迫った。

◆西武中村剛也内野手が通算400本塁打へ王手となる今季14号。松田遼からは初アーチで、中村が本塁打を打ったのは231人目。阿部(巨人)の230人を抜いて本塁打を打った投手数のプロ野球新記録となった。 昨年終了時の中村は223人から放ち、ローズ(オリックス)と阿部の228人(阿部は今年2人追加)金本(阪神)の226人に次いで4位タイだったが、今年は14本のうち半分以上の8本を新顔から打って一気に新記録をつくった。

◆ソフトバンクの後藤芳光球団社長(56)は10日、契約最終年の工藤公康監督(56)について、来季以降の続投に前向きな考えを示した。 この日、ヤフオクドームで西武14回戦を観戦し「まだ7月ですから」とし、具体的な議題に上がる時期ではないことを前置きしつつも「ぼく個人の希望としては、そうですね」と、引き続き指揮を任せたい考えがあることを明かした。工藤監督は15年の就任以降、2度のリーグ優勝と3度の日本一にチームを導いている。今季は柳田ら主力に故障者が相次ぐ中で、交流戦優勝も果たすなど、前半戦を終えた時点でパ・リーグ首位を独走。後藤社長は、手腕を高く評価している。

◆西武山川穂高が前半戦最後の試合で復活の1発を放った。 7回、打った本人が驚くほど芯に捉えて、左翼スタンド中段へと運ぶ29号2ラン。バットの芯を見つめながら一塁へ走った。30本に王手をかけ「インサイドの真っすぐを、久しぶりに引っ張ることができた」と納得した。

◆風は吹いていなかった。無風のヤフオクドームで、西武中村剛也内野手(35)が通算400号に王手をかけた。 たたみかけたのは7回。4番山川の2ランで3点差に突き放した直後の打席だった。2球目のカーブをとらえて左翼ポール直撃の14号ソロ。「うまくバットを残すことができた。いいバッティング。ポールに当たってくれてよかった。変に力むこともなくタイミングを合わせられた」と手応えを口にした。 打席ではドッシリとかまえ、投手と対峙(たいじ)する。その中で、風は不要と言い切る。「風が邪魔。顔に当たるのが特に嫌なんです。打球が伸びるとかどうこうじゃなくて、打席で風を感じたくない」。399本のアーチを積み重ね、歴代20人目の400号にあと1本と迫った中村にも、邪魔な存在だった。実際に今季メットライフドームを除く、完全ドーム球場では打率3割4分8厘、7本塁打。本塁打の半分が敵地での屋根付き球場だった。 松田遼からの1発で、231人目の投手から本塁打。一足早く新記録を更新した。後半戦に持ち越しとなった大台は「次こそ早く打ちたい。マジで早く打つ。オールスターブレイクは休んで、リフレッシュします!」。チームは貯金1で3位に浮上し、ターン。逆転Vへの追い風となる400本を見据えながら、気持ちよく後半戦を迎える。【栗田成芳】

◆西武秋山翔吾外野手が歴代3位に並ぶ678試合連続フルイニング出場を果たした。 たたみかけた7回の攻撃は、秋山の左翼フェンス直撃二塁打から始まった。前半戦ラストの9連戦、無安打は1試合だけで複数安打は4試合。安定した打撃を披露した。チームも貯金ターンを決め「これで後半戦に向けていい意味でリセットして臨める」と話した。

◆ソフトバンクは2位に7ゲーム差をつけて前半戦を終了。パ・リーグで7ゲーム差以上の首位ターンは98年日本ハム(2位西武に8ゲーム差)以来になる。 セ・リーグでは巨人が2位に9・5ゲーム差をつけており、両リーグで首位が7ゲーム差以上つけて前半戦終了は63年(巨人10ゲーム差、南海8ゲーム差)と90年(巨人9・5ゲーム差、西武9ゲーム差)に次いで3度目。

◆ソフトバンクは敗れたが前半戦を首位で折り返した。柳田ら主力に多くの故障者が出たが、育成出身の周東ら若手が台頭。今季スローガンに掲げた「奪Sh!」のもと、目指した走塁改革も順調に進んだ。 2位以下を大きく引き離す戦いぶりで、後藤芳光球団社長(56)は、契約最終年の工藤公康監督(56)の続投に前向きな考えを示した。白星では締めくくれなかったが、堂々の首位ターンだ。この日の戦いでも、主力に故障者が続出した中で躍進の原動力になった「走塁改革」の一端を見せた。 3回の攻撃。先頭打者の9番牧原が内野安打で出塁。続く周東はエンドランで、二塁カバーに動いた遊撃源田の逆を突く左前打だ。一、三塁から周東が盗塁でチャンスを広げ、福田の犠飛で先制点を取った。グラシアル、松田宣も盗塁を決め、84試合終了時点でリーグ3位の76盗塁。昨季143試合でリーグ5位だった80盗塁に迫る。スローガン「奪Sh!」のもと走るチームに生まれ変わった。 就任5年目の工藤監督にとって、苦悩の前半戦だった。「全然、あっという間じゃないです。今年が一番長いですかね」と苦笑いで振り返る。開幕直後から柳田ら主力にけが人が続いた。戦力のやりくりに頭を悩ませたが、例年以上に若手が躍動した。この日1番で2安打した周東は、開幕前に育成から支配下に上がったばかり。ブルペンもルーキー甲斐野をはじめ、椎野や高橋純らが入り若返った。この日も高卒2年目の田浦がプロ初登板で好投。故障者が戻る後半戦へ向けて、戦力に厚みが増した。 「勝負」とにらんだ交流戦以降の12試合、ここを10勝2敗で大きく勝ち越すことができた。指揮官は「選手たちがしっかり集中力を持って戦ってくれた。本当に良くやってくれた」とたたえた。苦しんだことが、実りの秋につながると信じている。【山本大地】

◆厳しいシチュエーションだったと思う。ソフトバンク田中は、降板した和田に代わって5回2死一、二塁、外崎の打席中からマウンドに上がった。前日(9日)に今季初昇格。シーズン初マウンドは、外崎に2点適時三塁打を打たれ、続く6回には2つの四球を与えて降板した。24球。和田が出した走者だから自らの失点は、ない。 緊張もあったろう。だが、田中の姿からは「向かって行く気持ち」が感じられなかった。ネット裏から目を光らせる他球団スコアラーも同じ意見だった。「田中はかわす投手じゃない。球の強い投球はストライクゾーンで勝負しないと。それがなかった」と、首をひねっていた。 プロ3年目。16年ドラフトでは5球団が競合した期待のドラ1右腕。3年目の飛躍といきたいところが、ベンチにいい印象は残すことができなかった。「田中? うーん、そうですね。ボール自体悪くない。もっと向かっていくというか、その方が結果もよくいくと思う。もっと気持ちを出したほうがいい」。試合後の工藤監督の歯切れも悪い。 期待の大器は、いつ自らの殻を打ち破ってくれるのだろうか。田浦が思いきり腕を振って投げ込む姿、9回代打で粘って四球を選んだ栗原...。後輩の姿をどう目に焼き付けたのだろう。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆西武・岡田雅利捕手(30)が10日、ソフトバンク14回戦(ヤフオクドーム)で今季1号ソロを放った。  「打った瞬間の感触は良かったです。まだまだ試合は続くので守備の方もしっかり頑張ります」  1点を追う五回1死から和田の直球を一閃し、左翼のホームランテラス席に白球を運んだ。今季9試合目のスタメンマスクで"いぶし銀"の男が貴重な一発。さらにこの回、木村の4号ソロと外崎の2点三塁打で逆転に成功した。

◆ソフトバンクのデスパイネが1点を先制した三回、チーム2点目の適時打を放った。2死二塁から、追い込まれながらも外角のツーシームをしぶとく中前へ運ぶと、俊足の周東が悠々と生還した。これが今季50打点目で、5年連続で50打点以上となった。  2死三塁で迎えた第1打席は一球も手が出ずに見逃し三振に倒れたが、2度目の好機はしっかりと生かした。「チャンスで打てて良かった」と話した。

◆西武の中村が通算400本塁打まであと1本に迫った。6-3の七回に松田遼のカーブを捉え、左翼ポール直撃の14号ソロ。13試合ぶりの一発に「久しぶりに打てて良かった」と喜んだ。  2ランを放った山川に続く2者連続の本塁打でダメ押しに成功し「(400本塁打は)前半戦中に打ちたかったけど、チームが勝ったし良かった」と連敗ストップに安堵。後半戦へ向け「間が空いてしまうけど、リフレッシュして頑張る」と話した。 外崎(五回に勝ち越しの2点三塁打) 「簡単に空振りしないようにいこうと思った。必死に食らいついた」 ニール(六回途中3失点で4勝目) 「何とか踏ん張ることができ、先発投手としては最低限の仕事ができたかなと思う」

◆2年目のソフトバンク・田浦文丸投手(19)がプロ初登板を果たし、2イニングを完璧に抑えた。  「緊張はしませんでした。ファームでやってきたこと以上のものが出せました」  前日9日に昇格して、八回から登板した。先頭の岡田をこの日最速タイの147キロで遊飛。金子侑を二ゴロの後、木村からチェンジアップで空振りを奪い、プロ初奪三振も記録した。九回も秋山、源田、外崎の上位を封じて2イニング連続の三者凡退で終えた。  「ブルペンでも緊張しなくて『大丈夫かな』と思いました。いくぞといわれたときだけ少し緊張しましたが、緊張している場合ではないと気持ちの整理ができました」  熊本・秀岳館高で4度の甲子園を経験した度胸は抜群だ。

◆ソフトバンクは10日の西武戦(ヤフオクドーム)に3-7で敗れたが、首位でシーズン前半を終えた。球宴前に2位と7ゲーム差の独走は、パ・リーグでは、1998年の日本ハムの8ゲーム差以来の大差だ。  主砲の柳田ら主力に故障が続出しながらも、経験の浅い若手が何人も活躍。工藤監督は「けが人が多い中で若い選手がよく頑張ってくれて、野手も投手もカバーしてくれた」と納得。ベテランの内川、松田宣に「先頭に立って引っ張ってくれている。元気にベンチの雰囲気を作ってくれたり、助言をしてくれたり、プレー以外でも支えてくれた」と感謝した。

◆ソフトバンクは前半戦を勝利で締めくくることはできなかったが、工藤監督は重要視していた交流戦後の12試合を10勝2敗で終え「選手たちが集中力を持って戦ってくれた結果が出た」と納得の表情だった。  2位に7ゲーム差をつけての首位で折り返す。シーズン序盤からけが人の続出に悩まされながらも、そのたびにチャンスを得た若手が台頭した。「思い切ってやってくれた。よく頑張ってここまで来られた」とねぎらった。

◆リーグ2連覇を目指す西武は3位で前半戦を終えた。昨季ともに2桁勝利を挙げた多和田、榎田が振るわず2軍で再調整となるなど投手陣が誤算で、辻監督は「戦力がそろわず、なかなか波に乗れなかった」と話した。  首位ソフトバンクには7・5ゲーム差をつけられた。「やっぱり強いと認めざるを得ない。層の厚さを感じる」とうなった

◆ソフトバンクの2年目左腕、田浦がプロ初登板で2回を完璧に抑えた。八回にマウンドに上がり、伸びのある直球と大きな変化球で翻弄。木村からプロ初の三振を奪い、九回は1番秋山からの上位打線を3人で仕留めた。「打たれたら仕方ないという感じで投げられたのが良かった」と白い歯を見せた。  熊本・秀岳館高では春夏通じ、4度の甲子園に出場。ドラフト5位で入団し、2軍で経験を積んできた。「緊張はなかった。ファームでやってきた以上のものを出せた」と力を出し切った様子だった。 田中(同点の五回途中で今季初登板。2点三塁打を浴び) 「ああいう場面でチョイスしてもらって、ああいう結果になったのは悔しいし申し訳ない」

◆先発の和田が五回に脚の張りを訴えて緊急降板した。岡田、木村に一発を浴び、外崎への2球目を投じた後に、脚を気にするそぶりを見せてベンチへ。急きょ登板した田中が2点三塁打を浴びた。2敗目を喫した38歳左腕は「あのような形で降板することになり、本当に申し訳ない」。それでもチームは2位・日本ハムと7ゲーム差で前半戦終了。工藤監督は「しっかり集中力を持って戦ってくれた」と選手をたたえた。

◆新旧本塁打王の連弾で3位浮上だ!! 西武は1点リードの七回に山川穂高内野手(27)&中村剛也内野手(35)の大砲コンビが2者連続本塁打。貯金「1」で前半戦を終えた。  「いったなと思いました。インサイドの球を引っ張ることができた。そこは収穫ですね」  まずは山川が七回2死三塁で、148キロの直球を左中間席中段へ29号2ラン。「色を変えたら」という森の助言で、この打席から練習用の白木のバットを使用。アーチの感触を確かめるように"相棒"を握ったまま一塁へ歩を進めた。前日9日までの月間打率は・103。「一通り持っている引き出しをやった。ヒット狙い、変化球狙い、トップの位置も変えた」。もがき苦しむ中で、2年連続の30号に王手をかけた。  "兄貴分"も大台にリーチをかけた。山川の一発の興奮が冷めやらぬうちに、続く中村が左翼ポール直撃の14号ソロ。通算399号は231人目からの本塁打となり、巨人・阿部の230人を抜いてプロ野球新記録となった。  「(400号まで)あと2本から期間が空いた。前半戦のうちに打ちたかったけど、チームが勝てたし、よかった」  "どすこい弾"と"おかわり弾"の共演は今季5度目で4勝1分け。首位のソフトバンクとは7・5ゲーム差だが「倒さないと優勝できない」と山川。残り61試合。昨季王者が、逆転Vに向けて後半戦から再スタートを切る。 (花里雄太)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
48324 0.600
(↓0.008)
-
(-)
59359
(+3)
318
(+7)
115
(-)
76
(+3)
0.255
(-)
3.440
(↓0.04)
2
(-)
日本ハム
41394 0.513
(↓0.006)
7
(-)
59354
(-)
347
(+5)
58
(-)
36
(+1)
0.257
(↓0.001)
3.830
(-)
3
(1↑)
西武
41401 0.506
(↑0.006)
7.5
(↑1)
61423
(+7)
404
(+3)
94
(+4)
87
(+1)
0.258
(-)
4.360
(↑0.02)
4
(1↓)
楽天
40402 0.500
(↓0.006)
8
(-)
61367
(+6)
358
(+7)
86
(+1)
27
(-)
0.251
(↑0.002)
4.200
(↓0.03)
5
(-)
ロッテ
39402 0.494
(↑0.007)
8.5
(↑1)
62368
(+5)
351
(-)
99
(-)
53
(+1)
0.246
(-)
3.910
(↑0.05)
6
(-)
ORIX
36425 0.462
(↑0.007)
11
(↑1)
60293
(+7)
359
(+6)
55
(-)
77
(+5)
0.234
(↑0.001)
3.870
(↓0.02)