日本ハム(★3対5☆)楽天 =リーグ戦11回戦(2019.05.22)・札幌ドーム=
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楽天
0201110005912
日本ハム
0003000003610
勝利投手:古川 侑利(1勝1敗0S)
(セーブ:松井 裕樹(1勝1敗11S))
敗戦投手:有原 航平(5勝2敗0S)

本塁打
【楽天】ブラッシュ(13号・2回表2ラン),茂木 栄五郎(5号・5回表ソロ)

  DAZN
◆楽天は2回表、ブラッシュの2ランで先制する。その後同点で迎えた5回、茂木のソロで勝ち越しに成功すると、続く6回には茂木の適時打でリードを広げた。投げては、先発・古川が5回3失点で今季初勝利。敗れた日本ハムは、打線が好機を生かしきれなかった。

◆富良野市出身で現役看護師とシンガー・ソングライターの"二刀流"で活躍中の瀬川あやか(27)が22日、「ガリバースペシャルマッチ」と銘打たれた日本ハム対楽天戦(札幌ドーム)の試合前に君が代独唱を行った。 中古車販売「ガリバー」の北海道エリアCMに出演している縁で、君が代独唱の前にはミニライブも実施。「国歌を歌うのは、すごく特別な機会。終わってもまだ震えています」と感動していた。 日本ハム・ファンでもある瀬川は「生まれて初めて話した言葉は『ファイターズ』です...それはウソですけど、本当にファンです。同じ所属事務所でもある田中賢介さんからはミニライブ後に『良かったよ』と声をかけてもらいました」と笑顔で振り返っていた。

◆日本ハム先発の有原航平投手(26)が序盤から打線につかまった。 2回無死一塁から、ブラッシュに右翼席へ先制の2ランを浴びるなど4回までに3失点。味方の援護を受け同点で迎えた直後の5回には、先頭茂木に右翼席中段へと運ばれる勝ち越しのソロ本塁打を許すと、6回2死二塁ではまたしても茂木に中前への適時打を献上した。 6回を投げ98球9安打5失点(自責4)、リーグトップとなる6勝目を狙ったが、白星とはならなかった。「相手に先に点を取られてしまったことや、同点に追いついてもらった後にも点を許してしまったことで、試合の流れを持ってくるようなピッチングができませんでした。味方打線に同点にしてもらったにもかかわらず、早いイニングで降板してしまい、チームに申し訳ない気持ちです」と話した。

◆楽天茂木栄五郎内野手が早大の1年先輩有原から5号ソロを放った。 同点の5回無死、カウント1-1から右翼席へ勝ち越し弾をたたきこんだ。「打ったのはカットボールです。追いつかれた後の先頭だったので塁に出ることを考えていました。甘いボールをしっかり強くたたきましたね」としてやったりだった。

◆楽天6番ブラッシュ外野手が2回無死一塁の場面で先制2ランを放った。 カウント1-1から有原が投じた外寄り150キロ直球を豪快にライトスタンドへ運んだ。これで今季13号。うち日本ハム戦で4本を放っており、ロッテ戦と並んで最多。 「打ったのはストレート。相手はいいピッチャーだからね。とにかく集中して打席に入ったよ。チームのムードもいいし、まずは先制できて良かったヨ」と笑顔だった。

◆4回表、楽天の攻撃中にハウリングのような重低音の異音が鳴り響いた。 4回無死二塁の場面だった。日本ハム先発の有原が楽天今江に2球目を投じ、ファウルになった直後から約5秒間、球場内に異音が響き渡った。プレーも一時止まり、場内もざわついたが、異音が消えたことを審判団が確認した後に試合はすぐに再開した。 ちなみに有原は今江を一ゴロに抑えたが進塁打となって1死三塁。続く辰己に犠飛を打たれて、3点目を失った。

◆楽天は2回、ブラッシュの13号2ランで先制。先発の古川は3回まで3与四球も安打は許さず、無失点で切り抜けた。 日本ハムは3点を追う4回に平沼の適時打などで同点に。楽天は5回、茂木の5号ソロで勝ち越し。6回も1点を追加した。 楽天は6回から継投でリードを守りきって4連勝。先発古川が今季初勝利を挙げた。日本ハムは今季初の4連敗となった。有原2敗目。

◆楽天先発の古川侑利が5試合目の登板で今季初勝利を挙げた。 「打たれたくない気持ちが強くて慎重になりすぎて、大胆に攻めることができなかった」。140キロ台後半の直球、チェンジアップの抜けなど球自体は良かったが、厳しいコースに投げようとし過ぎて毎回の6四球。それでも粘って3失点にとどめた。「(1勝して)だいぶ気持ちの部分では大きい」と安堵(あんど)の表情だった。

◆日本ハム王柏融が左太もも裏のケガから復帰後初のマルチ安打を記録した。 4回1死一塁でチャンスを広げる右前安打を放つなど4打数2安打とした。「チームに貢献できればいい。練習どうこうよりも、自分の調子は試合でしかわからない。じっくりとやっていきたい」と話した。

◆日本ハム近藤健介外野手が11試合連続安打を記録した。 5回2死で右中間を破る三塁打、さらに9回1死一塁では松井から右翼線二塁打でチャンスメークをするなど2安打を放った。勝利には結びつかなかったが「(9回の安打に)追いかけていた場面だったのでよかった。明日にもつながると思う」と話した。

◆日本ハムが今季初の4連敗を喫した。楽天11回戦(札幌ドーム)はチーム勝ち頭の有原航平投手(26)を先発に立てたが楽天打線に攻略され、本拠地では今季初黒星となる2敗目。 打線が3点差を追いついた直後の5回に勝ち越しを許すなど、試合の流れをたぐり寄せることができなかった。頼りの右腕が崩れてチームは2カード連続の負け越しで、今季ワーストタイの借金2となった。試合が振り出しに戻った直後だった。有原のカットボールは、決して失投には見えなかった。「でも、やっぱり、打たれているので...」。4回に打線が3点差を追いつき、迎えた5回先頭。早大の1学年後輩、楽天茂木に内角高めに食い込む、得意球をフルスイングされた。打球は高い弧を描いて右翼席中段へ。決勝の5号ソロの行方を見つめ、うつむいた。痛恨の1球になった。 2回も、決して失投には見えなかった。「でも、やっぱり、高さとコースが甘かった」。無死一塁でブラッシュに先制13号2ランを浴びた。打たれたのはカウント1-1からの3球目、外角への150キロ直球。1球前は148キロのツーシームで内角をえぐっていた。踏み込ませないための布石を打っていたが、逆方向へ、パワーで運ばれた。「そこまでの攻め方とかを考えないといけない」と結果を重く受け止めた。 何よりも、チームを勝たせられなかった責任を感じていた。「ああいう結果が一番、チームの流れも悪くなる。連敗を止められなかったのが、すごく申し訳ない」。この試合の重要性を分かっていたからこそ、自分を責める言葉しか出てこなかった。 チームは今季初の4連敗で借金も今季ワーストの2と膨らんだ。1週間前の楽天3連戦から、あえて1、2戦目の先発を入れ替えて臨んだが、結果が裏目に出た。長いシーズンを見越して、試行錯誤しながら用兵をつかさどる栗山監督は「勝ちきれないのは必ず理由がある。しっかり、こっちの頭の中も含めて整理して、しっかりやります」と振り返ったが、口調は重かった。シーズン前半戦のヤマ場である5週連続6連戦は始まったばかり。「次の登板は、しっかり頑張りたい」と前を向いた有原がフル回転しなければ、勝負どころは乗り切れない。【木下大輔】

◆絶好のチャンスに日本ハム中田翔内野手が不発に終わった。 1発出れば逆転サヨナラという9回1死二、三塁で、抑えの左腕松井の前に空振り三振に倒れた。 「悔しいですし、自分の力のなさを痛感した。気持ちを切らさないようにプラスにとらえてやっていきたい」と前を向いた。

◆楽天の切り込み隊長、茂木栄五郎内野手(25)が早大の1年先輩でもある日本ハム有原を打ち砕いた。 決勝の今季5号ソロを含む2安打2打点をマーク。チームを今季2度目の4連勝に導いた。先週14日の対戦では有原に8回1失点の好投を許し、1-13と大敗。「次はやり返したい」と誓っていた茂木の意地の大活躍だった。 茂木の体が躍動した。3-3と追いつかれた直後の5回表。「引っ張れる球を待っていた。内角の球でやられることが多かったので、1球でも強くはじき返せたら、また攻め方も変わるんじゃないかと思って」。カウント1-1から有原が投じた内角高めカットボールにこん身のスイング。楽天ファンのいる右翼席中段へ決勝の今季5号を突き刺した。 6回にも「バットに当てたら何とかなる」と、外角チェンジアップを拾うようにして中前適時打。追加点でチームの4連勝をグイッと引き寄せた。試合後のお立ち台では「どういう場面でも、投手も野手もあきらめずにプレーできているのでこういう結果につながっている」と胸を張った。 大敗した先週14日の日本ハム戦。試合後、楽天生命パークの通路で有原とばったり遭遇した。「来週も対戦あるよ」と笑顔で声をかけてきた先輩に、茂木は「またよろしくお願いします!」と直立不動で返事。その後、有原が立ち去ると「次は絶対にやられないように。やり返せるようにしたい」と誓った。その言葉どおりの2安打2打点だった。 前回対戦時にも1安打はマークしたが「点差が離れている状況だったので参考にならない」という。その上で「(大学時代に)守っていてすごい投手だと思っていましたし、プロで対戦して『こういう投手が勝てる投手なんだ』と痛感させられた。今日みたいな展開で打てたのは僕にとっても自信につながる」。学生時代から尊敬してきた有原を相手に結果を出し、納得の表情を浮かべた。【千葉修宏】

◆楽天のブラッシュが13号2ランを放った。0-0の二回無死一塁で有原の150キロを豪快に右翼スタンドへ運んだ。6試合ぶりの一発に「相手はいい投手だからね。とにかく集中して打席に入った」とうなずいた。  四回には先頭打者として左翼線へ強烈な当たりの二塁打を放って攻撃の起点となり、辰己の犠飛で3点目のホームを踏んだ。調子を落としていたが、本来の当たりが戻ってきた。

◆日本ハムの有原は二回にブラッシュに浴びた2ランなど失投が多く、6回を投げて9安打5失点で2敗目を喫した。チームの連敗も4となり「試合の流れを持ってくるような投球ができなかった」とうなだれた。  3、4月は負けなしの4勝で月間最優秀選手に選ばれたが、5月に入ってからは不安定な投球が目立つ。この日も味方に追い付いてもらった直後の五回に勝ち越し点を奪われた。「早いイニングで降板してしまい、チームに申し訳ない気持ち」と反省した。

◆日本ハムはエースの有原でも勝てず、今季初の4連敗となった。栗山監督は「勝ち切れないのには理由がある。そこはこっち(首脳陣)がしっかりやっていかないと」と険しい表情だった。  2点を追う九回には1死二、三塁と一発が出ればサヨナラ勝ちの場面をつくったが、不振の主砲の中田が空振り三振に倒れるなど好機を生かし切れなかった。「みんな何とかして勝とうと思ってやっている」と選手を責めることはなかった。

◆楽天の古川は5度目の登板で今季初勝利を手にした。3-0の四回に追い付かれたが、味方が勝ち越した五回は2死一、三塁のピンチをしのぎ「気持ちの部分では一つ勝てたのは大きい」と安堵感をにじませた。  右肩の違和感で投球フォームを崩し、今季初登板は4月25日だった。先発の一角を担い続けてようやく白星をつかんだが6四球を与え「しっかり修正しないといけない」と反省も忘れなかった。

◆茂木が"先輩撃ち"で勝利に貢献した。同点の五回に決勝の5号ソロを放つと、六回は中前適時打。いずれも早大で1学年上の有原から放った。14日の日本ハム戦では8回1失点に封じられていただけに、「いい投手から打てたのは自信になる。前回やられた分、やり返せたのはチームとしてよかった」と胸を張った。

◆荒れ模様ではあったが、要所を締めた。楽天・古川侑利投手(23)が6四球を与えながら5回3失点と粘り、今季5度目の先発で初白星。チームを4連勝に導いた。  「慎重になりすぎた。野手の皆さんに感謝しかないです」  茂木の5号ソロで1点をリードした五回、2死から3番・近藤に三塁打を許したが、中田を歩かせた後、続く王柏融を二ゴロに打ち取り、チームはそこから4投手の継投で逃げ切った。古川にとっては昨年7月25日の日本ハム戦(楽天生命パーク)以来10カ月ぶりの白星となった。  今季は投手会長に就任。米国製の愛車から、さらにやんちゃな"アメ車"のスポーツカーに乗り換えた。高級車が並ぶ本拠地の選手駐車場で異彩を放っているが「腕を振って、打者に向かっていくのが自分のスタイル。車もパワーがあって荒々しい方が好きなんです」と笑う。  平石監督は「苦しんだけど、一つ勝てたのは大きい」と古川をねぎらった。首位ソフトバンクに1ゲーム差。則本昂、岸の二枚看板を欠く中、佐賀・有田工高出身の6年目右腕が、価値ある勝利を手繰り寄せた。 (広岡浩二)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
24192 0.558
(↓0.013)
-
(-)
98193
(+3)
170
(+7)
57
(-)
44
(-)
0.261
(↑0.001)
3.340
(↓0.05)
2
(-)
楽天
23201 0.535
(↑0.011)
1
(↑1)
99229
(+5)
209
(+3)
56
(+2)
14
(-)
0.262
(-)
4.510
(↑0.04)
3
(1↑)
西武
22211 0.512
(↑0.012)
2
(↑1)
99230
(+7)
234
(+3)
54
(-)
55
(+1)
0.256
(↑0.004)
4.620
(↑0.04)
4
(1↓)
ロッテ
21211 0.500
(↓0.012)
2.5
(-)
100188
(+4)
180
(+5)
52
(+2)
33
(-)
0.242
(↓0.004)
3.750
(↓0.01)
5
(-)
日本ハム
20222 0.476
(↓0.012)
3.5
(-)
99175
(+3)
175
(+5)
25
(-)
16
(+1)
0.251
(↓0.001)
3.720
(-)
6
(-)
ORIX
17243 0.415
(↑0.015)
6
(↑1)
99146
(+5)
193
(+4)
33
(-)
38
(+1)
0.223
(↓0.001)
3.990
(-)