ヤクルト(☆7対4★)広島 =リーグ戦6回戦(2019.04.29)・明治神宮=
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広島
10110001041012
ヤクルト
02011201X7612
勝利投手:五十嵐 亮太(4勝0敗0S)
(セーブ:石山 泰稚(1勝1敗6S))
敗戦投手:九里 亜蓮(0勝3敗0S)

本塁打
【広島】バティスタ(3号・1回表ソロ),會澤 翼(3号・4回表ソロ)
【ヤクルト】中村 悠平(2号・2回裏2ラン),村上 宗隆(6号・4回裏ソロ)

  DAZN
◆ヤクルトは1点ビハインドで迎えた4回裏、村上のソロが飛び出し同点とする。続く5回には、2死一二塁から代打・荒木が適時打を放ち、勝ち越しに成功した。投げては、2番手・五十嵐が今季4勝目。敗れた広島は、投手陣が計10個の四球を与えるなど精彩を欠いた。

◆広島が初回にバティスタの3号ソロで先制。ヤクルトは2回に中村が2号逆転2ラン。広島は3回に鈴木の適時打で追いついた。 4回に広島会沢、ヤクルト村上がそれぞれソロ本塁打。ヤクルトは同点の5回に代打荒木が勝ち越し適時打。6回にも2点を追加。 ヤクルトはそのまま逃げ切り広島に連勝。2番手で登板した五十嵐が中継ぎながら両リーグトップに並ぶ4勝目を挙げた。石山6セーブ、広島九里は3敗目。

◆選手会長が勝ち越し弾を放った。広島会沢翼捕手(31)が同点の4回、ヤクルト石川の122キロ変化球を捉えて左中間席に運んだ。 「追加点につながって良かったです」。24日中日戦以来の3号ソロが貴重な勝ち越し弾となった。

◆広島鈴木誠也外野手(24)が3回に同点打を放った。 1点を追う3回2死一、二塁からヤクルト石川の131キロにバットを合わせて左翼線にはじき返し、二塁走者を本塁に迎え入れた。「打ったのはチェンジアップかな。同点に追いつくタイムリーヒットになって良かったです」。21日DeNA戦以来の打点で試合を振り出しに戻した。

◆広島サビエル・バティスタ外野手(27)が1回2死から左翼席へ2戦連発となる3号先制ソロを運んだ。 カウント1-1からヤクルト先発石川のチェンジアップをすくい上げた。「少しバットの先だったけど、しっかりいいポイントで振り抜くことが出来ました」。2試合ぶりのスタメン起用に応えた。

◆ヤクルト2番手で登板した昭和生まれ右腕の五十嵐亮太投手が両リーグトップに並ぶ4勝目を挙げた。 「しっかり抑えればバッターが逆転してくれると信じて投げました」。5回からマウンドに上がると2番菊池涼からの3人をピシャリと封じて流れを引き寄せた。味方が1点を勝ち越した6回も3者凡退。 「本当は先発に勝ちがついて、石山で終わるのがベスト。でもこういう試合を続けて、コツコツと(チームとして)勝ちを積んでいけたら」と笑顔をみせた。ここまで11試合の登板で失点はわずか1。「神宮での平成最後の試合を勝ちで締めくくれてうれしい。令和でもみなさんと勝利を分かち合えたら」とファンに呼び掛けた。

◆中14日で先発した広島九里亜蓮投手が、5回途中4失点で3敗目を喫した。 6四球でリズムをつかめず、中村、村上に本塁打を浴びた。前回14日DeNA戦後に救援に回ったが、チーム事情もあり出番なし。満を持しての先発だった。「四球が多かった。そこをなくしていかないと」と反省。 佐々岡投手コーチは「勝っているときは先発がゲームをつくっていた。今後はわからない」と手厳しかった。

◆神宮での平成最後の本塁打は、19歳の若武者ヤクルト村上宗隆内野手が放った。前日28日の広島戦では、プロ入り初めて5番に座ったが無安打。この日は「7番三塁」で出場し、技ありの今季6号を放って本拠地での平成ラスト勝利に貢献した。 1点を追う4回の第2打席。カウント2-2から九里の127キロ外角シュートを逆らわずに左翼方向へはじき返した。打球はレフトポール際に飛び込む同点ソロアーチとなった。杉村巡回コーチが「逆方向に大きなのが打てるのが長所」と話す通りの一打で試合を振り出しに戻した。 ミスを取り返した。3回に九里のなんでもない三ゴロをグラブではじき、一塁に生かしてしまった。結局、この走者が生還。先発の左腕石川は守備に足を引っ張られたこともあり、4回3失点(自責点2)でマウンドを降りた。 村上は本塁打について「打ったのはフォークです。守りで迷惑を掛けてしまったのでなんとか挽回したいと思ってました」と振り返った。まだまだ守備ではミスも多いが、それに目をつむっても使いたくなるほど魅力的なのがパンチのある打撃。令和での活躍を期待させるアーチだった。【千葉修宏】

◆広島会沢翼捕手(31)が最後まで諦めぬ姿勢を貫いた。 10四球を与えた投手陣を辛抱強くリードし、打っては3号ソロを含む今季初の猛打賞。最後まで攻守でナインを鼓舞し続けた。チームは連敗で4年ぶりの3、4月負け越しが確定。それでも選手会長は最後までヤクルトを追い詰めたチームの粘りに明日への手応えをつかんだ。会沢はマスク越しに投手を、バットで野手陣を最後まで鼓舞し続けた。同点の4回には一時は勝ち越しとなるソロを左中間席にたたき込んだ。3点を追う8回も左前タイムリーで諦めない姿勢を示した。「連戦が続く中で最後もいい形で攻撃できた。常に諦めないような戦いができれば明日につながる」。12連戦最初のカードは負け越したが、選手会長は力強く前を向いた。 試合は序盤からシーソーゲームとなった。先発九里ら投手が10四球を記録するなど苦心のリードが続いた。返球の間合いを変えながら、落ち着かせるようにアイコンタクト。励まし続けた。「(投球は)共同作業。切り替えてやりたい」。最後まで投手陣を責めることは一切口にしなかった。 打っては今季初の猛打賞を記録した。オープン戦は打率4割2分3厘の好成績も、オープン戦最終戦でフェースガードを直撃する死球を受けた。影響はゼロではなく、4月中旬まで打率は1割台と低迷。強打の捕手の宿命か。昨年、球団捕手初の2桁死球を記録した厳しいマークは今年も変わらない。それでも最近10試合は28打数10安打で打率3割5分7厘、2本塁打、7打点と調子を上げてきた。 8回の適時打は因縁の相手から放ったものだった。07年のプロ初打席はウエスタン・リーグで近藤(当時サーパス)と対戦し、頭部死球だった。あと1人で完全試合を危険球退場で阻止。苦い記憶が残る。それでもヤクルト移籍後はこれで10打数5安打で5割と打ち負かしている。選手会長のような強い精神力が、今のチームには求められる。 広島は2連敗でBクラスに終わった15年以来の3、4月負け越しスタートとなった。緒方監督は「結果、勝つことはできなかったけれど、最後まで追い込むことはできた」と選手の粘りに光明を見た。コイの季節はこれからだ。【前原淳】

◆広島の3、4月負け越しが確定した。中盤まで一進一退の攻防が続いたが、6回の守りでバレンティンの強烈なライナーを左翼手下水流が落球。 痛恨の2点適時失策となった。終盤に追い上げ、3点を追う9回も2死から1発同点のチャンスをつくったが、バティスタが空振り三振に倒れた。緒方孝市監督(50)のコメントは以下の通り。   -9回はあと1歩 緒方監督 結果、勝つことはできなかったけど、最後まで追い上げることができた。反省するところは反省して、また明日やるだけ。 -6回の失策が痛かった 緒方監督 反省すべきところは反省して、また明日からやるだけ。 -会沢が3安打2打点 緒方監督 ...はい。

◆広島サビエル・バティスタ外野手(27)が2戦連発となる技ありの3号ソロを放った。 3番一塁で先発。1回2死走者なしの場面で、ヤクルト先発石川の外角に落ちるチェンジアップを左翼席に運んだ。 8回は左前打でチャンスをつくり4点目のホームを踏んだが、9回2死一、二塁の好機で空振り三振。「調子は上がってきているけど、最後の打席は残念。次は誠也なので四球を選んでもよかった」と悔しがった。

◆ヤクルト・中村悠平捕手(28)が29日、広島6回戦(神宮)に「8番・捕手」で先発し0-1の二回2死一塁から左翼席へ2号2ランをを放った。  カウント1-2から真ん中に入ったシュートを逃さずに捉え、広島ファンで埋まるスタンドに運んだ。初勝利を狙う先発・石川を援護し「うまく腕をたたんで打つことができました。石川さんに勝ちをつけてあげたいので」と語った。

◆高卒2年目のヤクルト・村上宗隆内野手(19)が29日、広島6回戦(神宮)で「7番・三塁」で先発し2-3の四回に6号ソロを放った。  広島・九里の外角フォークボールを逆らわずにライナーで左翼席まで運んだ。三回には自ら守備のミスが失点に絡んでしまい「守りで迷惑をかけてしまったのでなんとか挽回したいと思っていました。次のプレーに集中します」と切り替えていた。

◆広島のサビエル・バティスタ外野手が29日のヤクルト戦の一回2死から、2戦連発となる先制3号ソロ。バットの先で左翼ポール際まで運んだ。  「少しバットの先だったけど、しっかり良いポイントで振り抜くことができました」  一回、先頭・田中広が二ゴロ、菊池涼が遊ゴロで2死としたが、バティスタが石山の外角のチェンジアップを一閃。前日28日の2戦目に続く一発となり、神宮球場の左半分を赤く染めた鯉党がドッと沸いた。

◆広島は投手陣が10四球を与えて失点を重ね、守備でも3-4の六回2死一、二塁で左翼手の下水流が鋭い飛球を落球して2点を失った。後味の悪い敗戦となったが、緒方監督は「反省するところは反省して、またやるだけ」と気持ちを切り替えた。  14日以来の先発となった九里は4回1/3で6四球を与えて4失点で降板。際どいコースを狙った球がボールとなり「四球が多かった。ストライクゾーンの中で勝負していかないといけない」と悔やんだ。

◆広島の会沢が3号ソロを含む3安打2打点をマークして好調を維持している。チームは敗れたが「常に諦めないようにするのは、次につながる」と前向きに話した。  四回に先頭打者で変化球を左中間席に運び、八回2死一、二塁では「チャンスだったので、積極的に行こうと思った」と左前適時打を放った。最近5試合で6打点と勝負強さを発揮している。

◆ヤクルトの荒木が3-3の五回2死一、二塁で代打出場すると、レグナルトの速球を左前にはじき返し「何とか勝ち越したいところ。本当に打てて良かった」とうなずいた。  レグナルトとは前日28日にも対戦。12球目の速球で遊飛に倒れたがファウルで粘っていただけに「球のイメージはあった」と胸を張る。前日はジョンソンから先制ソロを放っており、左投手に対して勝負強さを発揮している。

◆ヤクルトの石川は4回3失点で5度目の先発でも今季初勝利に届かず、試合後に出場選手登録から外れることが決まった。  一回にバティスタにソロを許すと三回は味方の失策が絡んで失点。2-2の四回には会沢にソロを浴び、その裏に代打を送られた。「平成最後の試合で勝って終わりたい」と意気込んで臨んだマウンドだったが、新人から18年連続勝利はお預けとなった。田畑投手コーチは「代えたのは気の毒だが、勝つためには仕方ない」と話した。

◆先発の石川は4回5安打3失点で交代し、5度目の登板も今季初勝利を逃した。一回にバティスタにソロを許すと、2-2の四回にも会沢に一発を浴び、その裏に代打を送られた。田畑投手コーチは「代えたのは気の毒だが、勝つためには仕方ない」と説明。プロ1年目から18年連続の勝利は「令和」に持ち越しとなった。30日に再調整のため、出場選手登録を抹消される。

◆平成を1試合残し、3、4月の月間負け越しが決定した。就任1年目の2015年以来4年ぶりとなった緒方監督は、悔しさをあらわにした。  「結果的に勝つことができなかった。また反省すべきことは反省して明日やるだけ」  誤算だったのは「7番・左翼」で今季初スタメンに抜てきした下水流だった。3-4の六回2死一、二塁での守り。バレンティンのライナー性に対し、痛恨の落球。一気に2者を生還させ、突き放されてしまった。  チームとして今季24個目(12球団ワースト)の失策を犯した下水流は「迷惑をかけてしまった。申し訳ない」と猛省。17日の巨人戦(リブワーク藤崎台)から8連勝も、借金は再び「2」。投手陣は今季ワーストタイの10四球と乗り切れない状況が続いている。(柏村翔)

◆高卒2年目の村上宗隆内野手(19)が、2-3の四回に同点の6号ソロを放った。九里の外角低めのフォークボールを逆らわず、ライナーで左翼席に運んだ。  同学年の日本ハム・清宮と並ぶプロ通算7号。10代シーズンの選手が4月に6本塁打をマークするのは65年ぶりの快挙となった。しかし、ダイヤモンドをまわる表情に笑顔はなかった。  理由は三回の守備だ。先頭・九里のゴロを捕球ミス(三失)し、出塁を許すと、その後の勝ち越し点につながってしまった。青木からは失策自体ではなく、その後にもたついていた部分を注意された。  球団を通じて「守りで迷惑をかけてしまったので、なんとか挽回したいと思っていました」とコメントした村上だが、試合後は言葉を発することなく、険しい表情で球場を後にした。"令和のスター候補"は、失敗を糧に成長を続ける。

◆ヤクルトは29日、広島6回戦(神宮)に7-4で勝ち、2連勝で4カードぶりの勝ち越しを決めた。五回から2番手で登板した五十嵐亮太投手(39)が、2回無安打無失点の好投で、リーグトップに並ぶ4勝目を挙げた。今季11試合に登板し、防御率は0・79。抜群の安定感を見せる昭和生まれのベテラン右腕が、本拠地・神宮球場での"平成ラストマッチ"でチームを白星に導いた。  戦況が激しく揺れ動く試合だからこそ、39歳の存在感が増す。昭和54(1979)年生まれの五十嵐が、2回を完全投球。リーグトップに並ぶ4勝目を挙げた。  「いい流れでいけば打線が点を取ってくれる。たまたまが4回続いただけ。打線に感謝したい」  同学年の石川からバトンを託され、3-3の五回に2番手で登板。2番・菊池涼、3番・バティスタを仕留め、迎えたのは前打席で適時打を放った4番・鈴木。カウント1-1から真っ向勝負で内角に144キロの直球を投げ込み、弱い当たりの一邪飛に封じた。  打線がその裏に1点を奪って勝ち越すと、今季初の2イニング目となる六回も直球を軸に三者凡退に斬った。4つの勝利は、決して偶然ではない。11試合目の登板で、わずか1失点。防御率0・79という安定感が最大の要因となっている。  好調の理由を、五十嵐は「常にハッピーなのが良いんですよ。ハッピーで楽しく。若い頃から、そんなことを言っていた」とポジティブ思考にあると説明する。ピンチでマウンドに上がっても、常に前向きに臨む。  「その反対の(苦しい)ことがあるからこそ、そう思っているのかな」。プロ19年目。さまざまな苦しみを味わってきた。昨季終了後にはソフトバンクから戦力外通告を受け、所属球団がなかなか決まらない日々も経験した。本当に苦しい状況を知るだけに、マウンドでは"幸せオーラ"で勝利を引きつける。  チームは平成最後の神宮球場での試合に勝利し、首位・巨人とのゲーム差を1・5に縮めた。「最後に勝ててよかった。『令和』につなげていけるようにしたい」という五十嵐を、小川監督は「よく投げてくれた。あの好投が大きかった」とたたえた。30日は平成最後の試合(対DeNA、横浜)。3連勝で締めて新時代に進む。 (横山尚杜)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1690 0.640
(↓0.027)
-
(-)
118127
(+3)
95
(+5)
35
(-)
10
(-)
0.268
(↓0.005)
3.560
(↓0.02)
2
(-)
ヤクルト
15111 0.577
(↑0.017)
1.5
(↑1)
116137
(+7)
117
(+4)
36
(+2)
10
(+1)
0.253
(↓0.002)
4.000
(↑0.04)
3
(-)
中日
12130 0.480
(↓0.02)
4
(-)
11895
(-)
84
(+2)
20
(-)
16
(-)
0.274
(↓0.004)
3.250
(↑0.09)
4
(-)
広島
12140 0.462
(↓0.018)
4.5
(-)
11788
(+4)
112
(+7)
23
(+2)
10
(-)
0.228
(↑0.002
3.540
(↓0.08)
4
(1↑)
阪神
12141 0.462
(↑0.022)
4.5
(↑1)
116101
(+2)
123
(-)
21
(+1)
13
(+2)
0.240
(↓0.001)
3.830
(↑0.15)
6
(-)
DeNA
10160 0.385
(↑0.025)
6.5
(↑1)
11797
(+5)
114
(+3)
31
(+1)
4
(-)
0.237
(-)
3.830
(↑0.03)