オリックス(★2対4☆)西武 =リーグ戦5回戦(2019.04.28)・大阪ドーム=
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西武
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ORIX
1010000002900
勝利投手:今井 達也(3勝2敗0S)
(セーブ:増田 達至(1勝0敗4S))
敗戦投手:近藤 大亮(1勝2敗0S)
  DAZN
◆西武が終盤の逆転劇で4連勝。西武は2点ビハインドで迎えた8回表、2死満塁から栗山の適時打が飛び出すなど、この回一挙4点を奪い逆転に成功する。投げては、先発・今井が7回2失点の好投で今季3勝目。敗れたオリックスは、救援陣がリードを守れず、痛い敗戦を喫した。

◆オリックスがジョーイ・メネセス内野手(26)の適時打で先制した。 初回2死二塁で西武今井の145キロ速球を捉え、左前に運んで二塁から佐野を返した。 「先制のチャンスだったし、ランナーを返すバッティングができてよかったよ」と、2試合連続打点を喜んだ。

◆オリックスのドラフト7位ルーキー、中川圭太内野手(23)が4試合連続安打を放った。「6番・右翼」で先発出場し、5回1死二塁で西武今井のスライダーを右前に運んで一、三塁に好機を広げた。 24日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)でプロ初のスタメンに抜てきされ、守護神の森から9回に同点三塁打。先発出場の試合では、全4試合で安打を記録。休部中のPL学園(大阪)で主将を務め「最後のPL戦士」と注目されるルーキーは、打席で勝負強さを発揮している。

◆オリックスが序盤で先行した。初回2死二塁でメネセスが適時打を放ち、1点を先制。3回に小島の適時打で2点目を追加した。 中盤は両軍ともに無得点。オリックス先発K-鈴木は、4回から6回を完全投球。2-0のまま終盤7回に入った。 オリックスK-鈴木は7回無失点と好投も、8回から救援の近藤、山崎福が押し出しで同点。栗山に逆転打を打たれ、3連敗した。 西武今井は3勝目、増田が4セーブ目。オリックス近藤が2敗目。

◆家族の見守る前で、今季初先発のオリックスK-鈴木投手が好投した。最速150キロの速球、スライダー、カーブを駆使し、7回を無失点。7回2死二、三塁の大ピンチも中村を左飛に打ち取り、勝ち投手の権利を得ての交代だった。 救援陣の乱調でプロ初勝利は消えたが「7回にピンチを作ったことで球数も増えて8回に交代になってしまった」と、自身の投球を反省。西村監督は「よく投げた。勝たせてあげたかった」とねぎらい、次回も先発を任せる考えを明かした。

◆オリックスが痛恨の逆転負けを喫し、3連敗となった。7回までは先発のK-鈴木が力投。4回から6回は西武の強力打線を完璧に封じ、7回2死二、三塁の大ピンチも栗山を左直、中村を左飛に抑えた。 2点のリードを守って8回から近藤にバトンをつないだが、救援陣が大誤算。近藤は先頭の代打・岡田、金子侑に連続四球を与え、1死満塁から山川に押し出し四球。ベンチはたまらず山崎福にスイッチも、やはり森に押し出し四球で同点に追いつかれた。山崎福は栗山に決勝打を浴び、中村にも押し出し四球と、この回2人の投手で被安打1、与四球6の大惨事。K-鈴木の勝ち星を消してしまった。 試合後、西村監督は「近藤も山崎福也も打者と勝負できていない。話にならない。明日からファームに行かせます」と怒りの決断。試合後のロッカーに2人の姿はなく、試合の決着を待たずに"強制退去"を命じられた模様だ。

◆打席で冷静だった分、塁上で感情を爆発させた。西武栗山巧外野手(35)は、「ここやな」と勝負どころの打席に向かった。2点を追う8回、連続押し出し四球で同点とし、なお2死満塁。低めの直球を右前へ運び、勝ち越し適時打を決めた。「試合を決める一打がここまで1つもなかった。うれしくてガッツポーズしちゃいました」と冷静沈着なベテランが、今季初の決勝V打に感情を突き動かされ、右手を振り上げた。 チームの野手最年長にして、ここまで全24試合に先発出場。打席での心得は「シンプルにしっかり、打てる球がきたら打とう」。2回の第1打席ではカウント3-0からストライクを積極的に振りにいった。「打ちにいかないと自分のタイミングにならない。自分のリズムで、テンポでいけるようにしている」。試合数と同じ24安打。好不調に左右されないプロ18年目の打撃術を打席に落とし込む。 対峙(たいじ)するオリックスは少年時代あこがれたユニホームだった。3月20日に現役引退したイチロー氏の登録名が鈴木だった頃から、練習場に通った。「しょっちゅうファームを見に行っていたから鈴木だったときのサインもあるんです」。もちろんイチローのサインもある。「まだ家にあると思いますよ」と、あこがれた平成のスターの古巣を相手に輝いた。 チームは今季初の4連勝。7日以来、3週間ぶりの貯金で4月の勝率5割以上を確定させた。ただ相手先発のK-鈴木を攻めあぐね、「それを今から反省しないと。次対戦する時まで考えておきます」。すぐに、29日の平成最後の試合に切り替えた。【栗田成芳】

◆オリックス宮内義彦オーナー(83)が、救援陣の大誤算に怒りを爆発させた。 今季初先発のK-鈴木が7回無失点と好投し、2点のリードを守って8回から近藤に勝利のバトンをつないだ。だが近藤、山崎福の2人で1イニング6与四球4失点と炎上。K-鈴木のプロ初勝利を吹き飛ばした惨状に、オーナーは「(プロ初勝利を)つぶすのが得意なんだ、うちは」と怒り、「(打者と)勝負できない投手を使った方が悪い! ブルペンは何を見てるんだ!?」と、起用法にも矛先を向けた。 9回表の西武の攻撃中、宮内オーナーは席を立った。終盤まで「いい投手だ。素晴らしい」と、K-鈴木の快投を喜んでいた。まさか悪夢を見ることになろうとは...。近藤が打者5人に4与四球で山川に押し出し、山崎福は森に同点の押し出し。さらに栗山に決勝打、中村に押し出し四球を出した。「いろんな逆転負けを見てきたけど、きょうみたいなのはめったにない」と、残念な意味でオーナーの記憶の残る敗戦になった。 西村監督は即断だった。「近藤も山崎福也も打者と勝負できていない。ファームに行ってもらいます」。2人は"強制退去"を命じられた模様で、試合中に姿を消した。27日の西武戦で吉田一が3試合、沢田が2試合連続失点して敗れたことで、勝ち継投を再編して近藤、山崎福に託した。だが再度、吉田一、沢田に託すことに。継投にも混乱が起きている。 日曜は4敗1分けで、借金は6に。「この負けを引きずるわけにはいかない。みんなで戦っていかないと」と西村監督。連敗で平成を終わらせるわけにはいかない。【堀まどか】

◆オリックス宮内義彦オーナー(83)が、救援陣の大誤算に怒りを爆発させた。 ◆宮内オーナー激怒メモ ▼12年4月28日 西武に4-8で敗れた試合後、不満爆発。「調子が出ないのか、弱いのかどっちかな。今日のゲームはひどいね。勝つ気がなかったんちゃう? (先発して失策などを犯した)西もひどいし、ベンチもひどい。(失策は)野球をなめているんだよ。今日は腹立った」。 ▼17年8月18日 ロッテの新人酒居に4安打完投勝利を許し「守れないし、打つ方はまさに型どおりの作戦しかやっていない」とピシャリ。途中出場の小島が2度送りバントを失敗した場面には「バントもできないやつにバントさせるし。ベンチも策がなさ過ぎる」とおかんむり。 ▼18年4月8日 西武相手に1点リードも、7回に6失点して逆転負け。「見るに堪えない」とばっさり。「継投、失敗何度目や? 球威落ちとったからね。僕でも7回に代える」と先発山岡の代えどきに苦言。試合終了を待たずに球場を後にした。

◆オリックスは今季初先発のK-鈴木が7回無失点と好も救援陣(近藤、山崎福)が炎上し逆転負け。西村徳文監督のコメント。 「近藤も山崎福也も打者と勝負できていない。ファームに行ってもらいます」 「この負けを引きずるわけにはいかない。みんなで戦っていかないと」

◆西武辻発彦監督(今季初の4連勝で3週間ぶり貯金) 「全然関係ないです。(岡田の)四球が大きかった。いい仕事です。選球眼がウチの武器」

◆オリックスは八回に登板した近藤と山崎福が誤算だった。近藤は4四球と崩れ、山崎福も二つの押し出し四球を許した。両投手は2軍降格が決まった。  7回無失点だったK-鈴木の好投をふいにしたとあって、西村監督は「話にならない」とあきれ顔だった。

◆西武の栗山が八回に勝ち越し打を放った。押し出し四球二つで追い付き、なお2死満塁で、山崎福の直球を捉えて一、二塁間を破った。一塁上でガッツポーズを見せ「今年はここ一番で打てていなかったので、そろそろ試合を決める一打が打ちたかった」と笑った。  これで6試合連続安打。下位打線で存在感を発揮するベテランは「1日に1本は出ているけど、状態は下降気味。何とかこの辺で持ち直せるようにしたい」と力を込めた。

◆オリックスの先発、K-鈴木は今季初登板で、7回を5安打無失点と好投した。中継ぎ陣が逆転を許したため、プロ初勝利とはならなかったが、150キロの速球や切れのある変化球をコーナーに突く丁寧な投球を見せた。「自分のピッチングができた」と手応えを口にした。  千葉明徳高から国際武道大、日立製作所を経て入団した2年目。自信を深める登板となった。

◆八回先頭で代打出場した岡田が四球を選び、逆転劇を演出した。カウント0-2からファウルで3球粘って出塁し「あの形になってうれしい」と笑った。正捕手・森に次ぐ2番手のいぶし銀の働きに、辻監督は「先頭が出塁しないといけないところだったので、出る率が高い岡田を使った」としてやったり。

◆平成10年生まれの先発・今井が7回2失点。「最低限です」と120球の粘投でチームトップの3勝目を挙げた。三回までに2点を失ったが、尻上がりに調子を上げて六、七回は三者凡退。「テンポを意識したら流れがよくなった」とうなずいた。栃木・作新学院高では平成28年夏の甲子園優勝投手。2年目の昨季は6月にローテ入りし、5勝を挙げた。平成の歌姫、安室奈美恵さん(41)をこよなく愛する20歳右腕が、マウンドで存在感を示した。

◆オリックスは今季初先発のプロ2年目、K-鈴木が7回ゼロ封も、近藤、山崎福が2人で計6与四球。  オリックスが1イニング6四球を与えたのは、2016年5月24日、ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来3年ぶり。0-8と大量リードされた四回から3番手でマウンドに上がった大山がヒットと三ゴロ失をはさんで5四球を与え、2/3回で降板。代わった鈴木優が1四球を与えたあと適時二塁打を浴び、大山が7失点、鈴木優が1失点で8点を失った

◆救援陣が逆転を許し、白星を逃がしたK-鈴木だが、7回無失点の自身の投球には「四回から自分のリズムでいけた。ストライク先行でいけたことがリズムにつながった。自信につながる」と手応えをつかんでいた。西村監督も「最高の投球ですよ」と評価し、次回も登板機会を与える考えだ。

◆大型連休を利用して来阪し、観戦した総帥もあきれるしかなかった。ストライクが入らない救援陣。オリックスは今季初先発のプロ2年目、K-鈴木が7回ゼロ封も、近藤、山崎福が2人で計6与四球。3度の押し出し四球で、プロ初星を消した。まさかの逆転負け。九回途中で球場を後にした宮内オーナーの言葉にも、怒りがにじみ出ていた。  「(K-)鈴木はいいね。いい投手。素晴らしい」と快投をたたえる一方で、「それ(プロ初勝利の権利)をつぶすのが得意なんだ、うちは。何試合つぶしたか。いろんな逆転劇を見てきたけど、きょうみたいなのはめったにない。ひどいよ」  2-0の八回から登板した近藤は代打・岡田、金子侑に連続四球。1死後、秋山にも四球で満塁のピンチを招くと、山川に押し出し四球。3番手、山崎福にスイッチしたが、森にストレートの四球で押し出し。同点とされ、2死後、栗山に右前へ勝ち越し打、続く中村にも押し出し四球を与えた。  宮内オーナーは「勝負できないような投手を出す方が悪い。ブルペンは何を見とるんだ」と疑問を投げかけ、西村監督も「勝負できない投手は1軍では使えない。あしたからファームに行かせます」と2軍降格を明言。2人は試合中に退去を命じられた模様で、敗戦後は姿がなかった。  今季は「沢田、岩本、増井」でスタートした勝利の方程式も、岩本の不振で「吉田一、沢田、増井」に変更。だが、前日27日の試合で吉田一が3試合連続失点、沢田も2試合連続失点と調子を落とし、この日から近藤、山崎福が勝ちパターンに加わった。だが、これも1日で解体。総帥も「代えれば代えるほど悪くなっている。そんなおかしなバカな話があるか」と首をかしげた。  借金は今季ワーストの「6」。いまは将の「この負けを引きずらず、みんなで必死にやっていきたい」という前向きな言葉を信じたい。 (西垣戸理大)

◆西武は28日、オリックス5回戦(京セラ)に4-2で逆転勝ち。今季初の4連勝で7日以来、3週間ぶりに貯金を「1」とした。2点を追いかける八回に2者連続の押し出し四球で追いつき、2死満塁からチーム最年長の栗山巧外野手(35)が決勝の右前適時打。若手主体のチームには数少ない昭和(58年)生まれのベテランが、逆転勝利に導いた。  仲間もファンも、そして自分もこのときを待っていた。八回2死満塁。打球が一、二塁間を抜けるのを見届けた栗山が右拳を突き上げ、珍しく感情をあらわにした。  「(27日までの)23試合で、試合を決める一打がまだなかった。うれしくてガッツポーズしちゃいましたね」  2点を追う八回だ。山川、森が2者連続の押し出し四球を選んで同点。「きょう一番の場面だった」と2死満塁で集中力を高めた昭和58年生まれの男が、山崎福が投じた138キロの直球を右前へ運んだ。同学年の中村とともにチームの野手最年長のベテランに待望の決勝打が飛び出した。  平成最後の3連戦で、強烈な「クリの恩返し」だ。兵庫・神戸市出身で少年時代はオリックスのファンクラブに加入し、2軍にも足を運ぶほどの"オリ党"だった。当時のスーパースターは、イチロー元選手(45)。「(平成6年の)200安打記念のテレホンカードも買いました」と懐かしそうに振り返る笑顔は、野球少年のままだ。  だが、憧れの人の最終試合となった3月21日のMLB日本開幕シリーズは見ていない。「自分のことがありますから」とオープン戦後に室内練習場で打ち込み、帰宅後は夕食を取って、眠りについた。「すべてが憧れでした」という天才打者に倣い、準備に徹した。  「(イチローとは)一緒のフィールドでプレーしたこともないし、子どもの頃のファンの気持ちのまま。一ファンとして寂しいですよ」と35歳はしみじみと語った。  昭和、平成から令和へ-。若手主体の西武で栗山はプロとしての矜持(きょうじ)を未来につなぐ。 (花里雄太)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
14102 0.583
(↓0.026)
-
(-)
117101
(-)
74
(+4)
31
(-)
19
(-)
0.247
(↓0.005)
2.500
(↓0.03)
2
(-)
楽天
13101 0.565
(↓0.026)
0.5
(-)
119119
(+8)
104
(+10)
28
(+3)
9
(-)
0.248
(↑0.002)
4.060
(↓0.26)
3
(-)
西武
12111 0.522
(↑0.022)
1.5
(↑1)
119138
(+4)
125
(+2)
26
(-)
30
(+3)
0.259
(↓0.002)
4.470
(↑0.11)
3
(-)
日本ハム
12112 0.522
(↑0.022)
1.5
(↑1)
11888
(+4)
100
(-)
13
(-)
8
(-)
0.238
(-)
3.770
(↑0.15)
5
(-)
ロッテ
10131 0.435
(↑0.026)
3.5
(↑1)
11998
(+10)
119
(+8)
30
(+2)
18
(-)
0.237
(↑0.004)
4.400
(↓0.12)
6
(-)
ORIX
8143 0.364
(↓0.017)
5
(-)
11883
(+2)
105
(+4)
21
(-)
28
(+2)
0.228
(↑0.002
3.890
(↓0.01)