楽天(★3対4☆)西武 =リーグ戦25回戦・楽天生命パーク宮城=
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西武
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楽天
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勝利投手:増田 達至(2勝4敗12S)
(セーブ:ヒース(4勝1敗11S))
敗戦投手:森原 康平(1勝1敗0S)

本塁打
【西武】秋山 翔吾(22号・9回表満塁)
【楽天】今江 年晶(10号・9回裏ソロ)

  DAZN
◆西武が破竹の10連勝。西武は0-2で迎えた9回表、1死満塁の好機から秋山のグランドスラムが飛び出し、逆転に成功する。投げては、2番手・増田が今季2勝目。敗れた楽天は、堀内のプロ初安打となる適時三塁打などで試合を優位に進めるも、抑えで登板した森原が痛恨の一発を浴びた。

◆ボートレースアンバサダーの植木通彦氏(50)が、楽天-西武25回戦(楽天生命パーク宮城)で始球式を行った。 ボートレースが6艇で行われ、東北が6県であることから背番号6のユニホームを着用。小倉商(福岡)では野球部に所属し、三塁手を務めていただけあり、右上手からノーバウンドで外角高めに速球を投げ込んだ。 「高校まで硬式野球をやっていましたが、ピッチャーマウンドからの投球は初めてで大変緊張しました。ノーバウンドの投球ができて、練習したかいがありましたね。ホッとしています。東北楽天ゴールデンイーグルスの奮闘が、東北の皆さんの活力になると信じています。今シーズンも残りわずかですが、選手の皆さんはけがなく、最後まで戦い抜いていただきたいと思います」。 試合前には特設ステージでトークショーを行った。「いろんな角度から(ボートレースの)魅力を発信する。主役はボートレーサー。好きなレーサーを見つけて、応援してもらえれば。レーサーの応募はどんどん増えている。15歳から30歳なら、どなたでも応募できる。仙台からもしてもらえれば」。集まった野球ファンにボートレースをアピールしていた。

◆プロ初スタメンで、たくさんの経験を積んだ。 楽天の高卒3年目、15年ドラフト4位で入団した堀内謙伍(21)が9番捕手で出場。4回2死二塁、中越え三塁打を放ち、プロ初安打、初打点をマークした。「1打席目に打てず、何とか必死に食らい付いて打てたのはよかったかな」。静岡高時代は甲子園、U18日本代表でも活躍した左打者は、三塁塁上で両手をたたき、にっこり笑顔を見せた。 守備面でもさえていた。身ぶり手ぶりを交えて、高卒5年目の古川をリード。前回登板で西武打線に3回7失点だった右腕が、7回途中まで4安打無失点と好投した。前日に4発を放った西武の山賊打線について「ベンチで見ていて、クリーンアップ以外も気を抜けない打線だと思っていた。凡打も紙一重で」と研究していた。内角を突いたと思えば、うまくカーブで緩急もつけた。 1軍の厳しさを知ったのは、勝利を目前にした9回だ。3安打で1死満塁とされ、打者は秋山。カウント1-1からの3球目、投手の森原に低め直球を要求したが、高めに浮いた球を中越え本塁打された。「ゼロで来ていて、最後の最後まで気を抜いちゃいけない。もっと投手に『低く』とジェスチャーすればよかった。最後のあの場面で周りが見られなかった」。反省を口にした。 堀内を送り出した平石洋介監督代行は「よかったですね。緊張して、もっとバタバタすると思っていたけど、古川の良さを引き出した」と高い評価を与えた。敗ればしたが最後までマスクをかぶらせ「最後やられて、彼にとって忘れられない経験。しっかり学んでくれれば」。今後の糧とすることを期待した。【斎藤直樹】

◆山賊打線が、またも本塁打で楽天をねじ伏せた。0-2で迎えた土壇場の9回。先頭の中村が遊撃内野安打で出塁すると、続く森の打球は投手ゴロ。併殺打かと思われたが、遊撃手の二塁ベースカバーが遅れて打者走者はセーフ。どうにか生き残った。岡田、源田と連続安打でつなぐと、満塁で1番秋山に打席が回った。 秋山は「最後の流れで回ってきて思い切っていこう」と決めていた。暫定的に守護神を務めるマウンドの森原は、初球から150キロの直球を2球続けてきた。初球はボール、2球目は力を入れたスイングも空振り。3球目、高めに浮いた直球をたたいた。左中間スタンドに飛び込む、プロ入り初の逆転満塁本塁打。「あんなに飛んでくれるとは思わなかった。最高の形になってくれた」と喜んだ。 これで10連勝となり、優勝マジックを5に減らした。「必死に戦った結果。最後まで気を抜かずにいきたい」と秋山。27日から始まる2位ソフトバンクとの3連戦を見据えた。 辻監督は「(秋山は)どうにかしてくれると思っていたけど、同点にしてくれるかなと思っていた。まあ見事です」とたたえた。指揮官の期待も越える山賊打線。前日はソロ4発、この日は1発で4点を奪い、本塁打のパワーをまざまざと見せつけた。

◆西武が誇る山賊打線の真骨頂だ。ビジターでの楽天戦は、敗戦濃厚の9回から反撃を開始。1死満塁とし、1番秋山翔吾外野手(30)が逆転の22号満塁本塁打を放った。今季の楽天戦を19勝6敗と大きく勝ち越し、チームは10連勝。ソフトバンクも7連勝と負けないが、自力で優勝マジックを「5」に減らした。10年ぶりの歓喜へ、休むことなく歩を進める。 土俵際だからこそ、思い切りたたきにいった。2点を追う9回1死満塁。秋山は外寄り高めの直球を振り抜いた。舞い上がった打球は左中間席に吸い込まれた。決勝の22号満塁弾。「最高の流れで回ってきた。もし1点差だったら、違うバッティングをしないといけないですが、あそこは真っすぐが来るもんだと、思い切って振りにいきました」と力強くうなずいた。 この打席ばかりは、いつもの理詰めを気迫が上回った。「高めを打ったなという感覚はあったけど、コースは分からない」。配球、軌道などを元に緻密な戦略を立て、技術で仕留める-。普段の秋山からはなかなか聞けないひと言。リーグ制覇へカウントダウンに入り「ここまで来たら、もう調子が良かろうが悪かろうが。結果」。覚悟が、土壇場で決めたプロ初のグランドスラムにつながった。 「らしさ」も忘れていない。本塁打の1球前。150キロ直球をフルスイングし空を切った。「(楽天森原は)球持ちがよくて(上体を)前に出された分、差された。タイミングだけとって、強い球を前に飛ばせるように」と冷静に修正。そして、思い切って振ったのは「犠牲フライではダメなケース」とアウトカウントと点差を、しっかり考えての上だった。 初めて経験するマジックも「まとめては消えない。1試合1試合をしっかり戦うしかない」と受け止める。気持ちの変化を挙げるとすれば「10連勝という感覚ではない」ということ。優勝を争う中で1つ勝つ難しさ、重さを実感するからこそ、去来する感覚だった。 マジックを5に減らし、27日からは本拠地での2位ソフトバンク3連戦。最短Vは29日となったが「とにかく目の前の試合。ホームで決めることは、そう簡単ではない」と足元だけを見つめた。10連勝中の獅子と7連勝中のタカがぶつかる正念場。「自分の役割をやるだけ。変わらずにやっていきたい」。心は熱く、頭は冷静に。頼れるリードオフマンが、10年ぶりの頂点へ引き上げる。【佐竹実】

◆楽天の堀内が3年目で初めて先発出場し、適時三塁打でプロ初安打、初打点をマークした。1-0の四回2死二塁で追い込まれながらも榎田の外角スライダーを捉え、中越えへ運んだ。全力疾走で三塁まで進み「必死に食らいついていった。安打になってほっとしている」と振り返った。  静岡高から2016年にドラフト4位で入団した21歳の捕手。守備では先発の古川を七回途中まで無失点の好投に導いたが、森原と組んだ九回に秋山に逆転満塁本塁打を許した。「詰めが甘かった。最後の最後まで気を抜いてはいけないと分かった」と学びの多いフル出場となった。

◆楽天の古川は七回途中まで無失点と好投した。四回2死一、二塁では中村をカーブで見逃し三振に仕留め、五回1死一、二塁でも後続を断った。西武には14日の対戦で3回7失点と打ち込まれていただけに「やり返す気持ちでマウンドに上がった」とうなずいた。  チームが逆転負けし、2カ月ぶりの5勝目は逃したが、意地を見せた。平石監督代行は「どんな姿を見せてくれるかと思っていたけど、よくやり返してくれた」とたたえた。

◆西武の増田が2番手で登板し、1回無失点で2勝目を挙げた。0-2の八回に登板すると、三者凡退で流れを引き寄せた。直後に秋山の逆転満塁本塁打が飛び出して勝ち星が付き「ここずっと状態は良かったので」と冷静に話した。  今季は開幕から精彩を欠き、抑えの座から外れた。「チームが勝てばいい。そこに貢献できれば」と自身の白星よりも、チームの勝利を喜んでいた。

◆西武最終戦は『DYNAMITE BOAT RACE ナイター』として行われ、初代ボートレースアンバサダーの植木通彦氏が、始球式を務めた。元高校球児でもある植木氏は、背番号6を身につけ、豪快なフォームから見事にノーバウンド投球。観客席に向けて両手を大きく挙げ、笑顔を見せた。

◆静岡高から2016年にドラフト4位で入団した3年目の堀内が初先発。1点リードの四回、中越えにプロ初安打となる適時三塁打を放った。「何とか食らいついて打てた。記念球は親に贈ります」。捕手としては八回まで西武を0点に封じたが、九回に満塁弾を浴びて4連敗。「1軍の舞台で勝つことはすごく難しい。最後の詰めが甘かった」と反省した。 初スタメンの堀内について楽天・平石監督代行  「いい姿だった。最後に一発を打たれ、忘れない経験になったと思う」

◆西武は25日、楽天最終戦(楽天生命パーク)に4-3で逆転勝ちし、10連勝。優勝へのマジックナンバーを「5」とした。0-2の九回に秋山翔吾外野手(30)が左中間席にプロ初となる逆転の22号満塁弾。リードオフマンのバットが、マジック消滅の危機からチームを救った。27日から2位・ソフトバンクと雌雄を決する3連戦(メットライフ)を戦う。  グングンと伸びた打球は、懸命にフェンスをよじ登った中堅・田中のグラブの先でポーンと跳ねた。秋山が逆転のグランドスラムだ。  「押された感じがあったので、あんなに飛ぶとは思わなかった。最高の結果になって、よかったです」  0-2で迎えた九回。3安打で一死満塁となり、打席へ。「タイミングだけとって、強いボールを前に飛ばそう」と森原の外角高めの直球を一閃。楽天ファンの悲鳴と小雨を切り裂く22号だ。  意外にも、これがプロ8年目の秋山にとって初の満塁弾。「ホームランを打てるバッターじゃないけど、こういうところで出たのはよかった」とうなずいた。  窮地を救った。西武は15-17日に2位・ソフトバンクとの直接対決(メットライフ)で3連勝し、優勝へのマジックナンバー「11」を点灯させた。その後も順調に白星を積み上げ、今季最長の連勝は10まで伸びたが、追いすがる鷹もこの日、オリックスに勝ち、7連勝。秋山の劇弾がなければ、マジックは消滅していた。辻監督は「打球が伸びた。見事です。ものすごく大きい1勝。きょうは、腹をくくっていたし、向こう(ソフトバンク)も西武は負けると思ったんじゃないの?」としてやったりの顔だ。  27日からの直接対決3連戦で3連勝なら、29日に地元での胴上げが決まるが「ホームで決めるとか、そんなに簡単なことじゃない。残り9試合、最後まで集中力を持ってやることが大事」と秋山。前日24日には浅村、山川、栗山が球団史上初となる「日本選手によるクリーンアップ3連発」を達成。そしてこの日は秋山の劇弾。一段と鋭さを増した獅子の牙が"全勝対決"で鷹に襲いかかる。 (花里雄太)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
82502 0.621
(↑0.003)
M5
(↑1)
9757
(+4)
621
(+3)
186
(+1)
126
(-)
0.275
(-)
4.31
(↑0.01)
2
(-)
ソフトバンク
75551 0.577
(↑0.003)
6
(-)
12629
(+8)
534
(+5)
188
(+2)
77
(-)
0.269
(↑0.001)
3.91
(-)
3
(-)
日本ハム
68613 0.527
(-)
12.5
(↓0.5)
11555
(-)
553
(-)
136
(-)
84
(-)
0.252
(-)
3.87
(-)
4
(-)
ORIX
60715 0.458
(↓0.004)
21.5
(↓1)
7511
(+5)
549
(+8)
99
(+1)
92
(+1)
0.243
(-)
3.76
(↓0.03)
5
(-)
ロッテ
56703 0.444
(-)
23
(↓0.5)
14495
(-)
553
(-)
67
(-)
116
(-)
0.251
(-)
3.95
(-)
6
(-)
楽天
54773 0.412
(↓0.003)
27.5
(↓1)
9486
(+3)
559
(+4)
123
(+1)
62
(-)
0.241
(-)
3.88
(-)