西武(☆8対7★)楽天 =リーグ戦12回戦・メットライフ=
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 123456789
楽天
00020 0131 790
西武
00031 030 8112
勝利投手:カスティーヨ(6勝4敗1S)
敗戦投手:宋 家豪(1勝1敗0S)
  DAZN
◆西武は1点リードで迎えた7回裏、山川の2ランと栗山のソロで追加点を挙げる。その後は同点を許すも、9回に2死から木村がソロを放ち、サヨナラ勝利を収めた。敗れた楽天は、終盤に追い上げを見せるも最後は5番手・宋家豪がつかまり、同一カード3連勝を逃した。

◆楽天先発の美馬学投手(31)は、いつも以上に悔しさをかみしめた。「ずっと前から本当に楽しみにしていたし、力が入っていたのかもしれない」。相手先発は、東京ガス時代のチームメートであり、同い年の榎田。燃えていた。「彼がいなければ、プロ入り出来ていなかった。彼を見に来ていたスカウトが、自分を拾ってくれた」。オフの自主トレもともにするライバル的な存在でもある。  味方が2点を先制した直後の4回に自身の送球ミスから失点すると、この回に3失点。1点を追う5回には浅村に1発を許した。5回6安打4失点で降板し、白星を飾れなかった。榎田も6回6安打2失点で、勝ちを逃した。美馬は「今まで6勝しているだけあって、いいピッチングをしているなと思った。勉強になりました」と、また1つ刺激を受けた。  来週8日にも楽天-西武戦が行われる。次回は楽天生命パークが舞台。美馬-榎田の顔合わせが、有力視される。次回こそ-。元同僚の前で、最高の投球を披露する。

◆西武栗山巧外野手(34)が、小児がん患者に勇気を与える活躍だ。  患者の子供たちと保護者の20人を招待した試合に、7番DHでスタメン出場。1点差を追う4回2死一塁、右中間を破る同点二塁打を放った。7回には右中間に4号ソロ。「喜んでくれたら最高です。勝ったのが何より。何とか、ええところで打ちたかった。意欲がわいてきた。毎日来てもらってもうれしいです」と満面の笑みで振り返った。  患者の招待は15年から始めて、今年で4年目となる。現在は年間4回程度で、この日は今年4度目だった。これだけ続けると、患者の顔を覚えてくる。この日も試合前にサイン会と記念撮影し「前より大きくなったなあと感じる」とうれしそうだった。栗山自身も子を持つ親。重病と闘いながらも成長する姿に、勇気と感動をもらっている。実際に前々回の招待試合ではお立ち台に上がり、今回は同点打&本塁打。しかも今季の招待試合は全勝とあっては「毎日来てもらっても...」の言葉は、リップサービスではない。  ライオンズクラシックと銘打たれた試合は、前回優勝した08年のユニホームを着用して臨んだ。この日のラインアップで、08年当時から主軸なのは栗山と中村だけだ。4回は栗山が同点打を放った後に中村が勝ち越し打。「おかわりと2人でうれしかった。打ってくれと思っていましたから」。同学年で同じ関西出身。仲の良い2人が、満員のファンを喜ばせた。  チームはここ3試合で35失点と、投手陣が崩壊状態だった。開幕から首位を走ってきたが、この日は2位日本ハムとゲーム差0で迎えていた。この日も救援陣が失点を重ね、あやうく逆転負けを食らう寸前だった。「今は自分のことで精いっぱい、必死にやっている。まだ7月。本番は先。踏ん張っていかないと」。優勝を知るベテランの力は今後も貴重になりそうだ。【斎藤直樹】

◆フルスイングで嫌な流れを消し去った。同点の9回2死、西武木村文紀外野手(29)がプロ初のサヨナラ本塁打。楽天宋家豪の150キロ直球をバックスクリーンまで運んだ。手荒い歓迎を受け「手が震えてます。今日は意地でも勝ちたかった。大量の水を掛けられるは、ボコボコに殴られるは、もう最高ですね」。興奮しながら振り返った。  流れは最悪だった。リリーフの3投手が全員失点。9回には左翼斉藤彰が飛球の目測を誤り、落球でピンチが拡大。抑えのカスティーヨが押し出し四球で、最大4点差を追いつかれた。「斉藤(彰)もすごく責任を感じていたと思う。(次打者斉藤彰に)チャンスで回せればベストかなと思っていたけど。ベンチでずっとすいませんと言っていたから」。出塁を狙っていたが、想定以上に飛距離が出ていた。  木村と斉藤彰には縁がある。05年高校野球の埼玉大会決勝。木村は埼玉栄の2年生エースとして春日部共栄の1年生斉藤彰から4三振を奪った。だが、チームは9回2死から逆転され甲子園を逃した。今は外野の定位置を争うが食事に行く仲。「ライバルだけどあいつがスタメンなら結果を出してもらいたい」と力を合わせ地元西武の勝利を目指す。  ライオンズクラシックとして、前回優勝した08年のユニホームを着用した。日本ハムとはゲーム差0で、負ければ今季初の首位陥落もありえる状況だった。4回には当時主軸の栗山、中村の連打で逆転し、満員の観客を喜ばせていた。最高の形から暗転し、負ければ分岐点となりそうな試合でサヨナラ勝ち。辻監督は「チームを救ってくれた。嫌な雰囲気だったから」と木村に感謝した。【斎藤直樹】

◆首位・西武は7-7で迎えた九回に木村文紀外野手(29)が2号ソロを放ち、サヨナラ勝ち。2位・日本ハムにゲーム差なしに迫られていたが、首位の座を守った。  両チーム無得点で迎えた四回、先発の榎田がアマダーに2ランを浴び先制点を献上。しかし、その裏の攻撃で楽天の先発、美馬を攻め一死一、三塁のチャンスを作ると、外崎の投ゴロの間に走者が生還し1点を返す。さらに二死一塁から栗山の右中間適時二塁打を放ち同点とした。なおも二死二塁から中村の左前適時打でこの回3点目。試合をひっくり返した。  五回には一死走者なしから浅村がバックスクリーンへ16号ソロを豪快に叩き込み、リードを広げた。  榎田は先制点こそ奪われたが、六回まで粘投。2点リードの六回には二死一、二塁でペゲーロを3球三振に仕留め、ガッツポーズを見せた。  七回には2番手・増田が1点を失ったが、その裏に山川の20号2ラン、栗山の4号ソロが飛び出し7-3。八回に3点を失い1点差とされると、九回をカスティーヨが押し出し四球を与え同点とされた。  西武はその裏、二死走者なしから木村がバックスクリーンにソロを放ち勝負を決めた。試合後、木村は「九回に追いつかれてしまったので、(こんな展開は)誰もが想像していなかったと思いますが、きた球をフルスイングしました」と笑顔。「手応えは完ぺきでした。いまでも手が震えています」と、劇的な一発を興奮気味に振り返った。土壇場で飛び出した一発でチームは首位を堅持。「きのう、おとといと悔しい負け方をしているので、きょうは意地でも勝ちたかった」とホッとした表情を見せた。

◆楽天の美馬はミスが響き5回4失点だった。2-0の四回1死一、三塁で外崎を投ゴロに打ち取ったが、二塁への送球が低くなって併殺を逃して1点を返され、栗山、中村に連続適時打を浴びて逆転された。五回は浅村にソロを浴び「併殺を取れず、うまく切り替えられなかった」と肩を落とした。  同学年で、社会人の東京ガスでチームメートだった榎田と投げ合った。6回を投げた相手より先に降板し「楽しみにしていた試合で、ああいう形で雰囲気を悪くしてしまった」と悔やんだ。

◆楽天は終盤に4点差を追い付く粘りが実らなかった。3-7の八回にペゲーロの遊ゴロと代打枡田の2ランで1点差に。さらに九回2死満塁から藤田の押し出し四球で追い付いたが、続くペゲーロが中飛に倒れて勝ち越せず、宋家豪がサヨナラ本塁打を浴びた。  それでも打線はこの3連戦で計31得点と活発だ。平石監督代行は「野手は責められない。よく追い付いた。粘り強くやってくれた」と話した。

◆西武の山川が両リーグ一番乗りで20号に到達した。4-3の七回無死一塁から青山のスライダーを豪快なスイングで左越えへの2ランとし「久々に感じが良かった」と笑顔で振り返った。  前日6月30日に岸から三振を喫し、打撃を見直すきっかけをつかんだという。「冷静になったら四球を選べたと思う。甘い球だけ振ろうと思った」と、言葉通りに甘い球を仕留めた。
辻監督(木村に) 「ここというところで点を取られる嫌な雰囲気だったけど、一振りで救ってくれた」 榎田(6回2失点) 「調子は悪くなかった。アマダーの本塁打は失投だった」

◆先発した美馬が、5回6安打4失点で勝敗には関係なかった。味方が先制した直後の四回に3失点で逆転を許し、五回にも浅村に中越えソロを被弾。「自分のミスで雰囲気を悪くして、チームに申し訳ない」と猛省。東京ガスの同期で、オフには合同自主トレを行う榎田と投げ合い「先に(マウンドを)降りて悔しいです」と唇をかんだ。

◆西武は1日、楽天12回戦(メットライフ)に8-7で今季3度目となるサヨナラ勝ちを飾り、連敗を2で止めた。7-7の九回二死走者なしから木村文紀外野手(29)が2号ソロを放ち、試合を決めた。  「来た球をフルスイングした。今でもまだ手が震えている」  プロ初のサヨナラ打となる一発。埼玉栄高出身の12年目が、お立ち台で喜びに浸った。「本塁打を狙える選手ではない。次に回そう」と打席に入ったが、宋家豪の5球目を捉え、バックスクリーンへたたき込んだ。  4点リードの八回に右翼の守備に就いた。これまで代走や守備固めで貢献してきたが、一死一塁で藤田の右翼線への飛球に飛び込んだが捕れず、二塁打に。ここからこの回3点を返され「捕れなくて悔しかった。その分を取り返したかった」と振り返る。  チームは最近3試合で35失点と"投壊"し、2位・日本ハムにゲーム差なしと迫られていたが、今季初の2位転落を"伏兵"が阻止した。「ここから、たくさん貯金をつくりたい」と木村。西武特急が最高の形で7月のスタートを切った。
木村について西武・辻監督 「ここというところで点を取られる嫌な雰囲気だったけど、一振りで救ってくれた」

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
413010.577
(↑0.006)
0
(-)
71400
(+8)
339
(+7)
85
(+4)
86
(+1)
0.275
(-)
4.4
(↓0.03)
2
(-)
日ハム
413200.562
(↓0.007)
1
(↓1)
70312
(+3)
283
(+6)
84
(+1)
52
(-)
0.245
(-)
3.6
(↑0.01)
3
(-)
福岡
373400.521
(↓0.008)
4
(↓1)
72301
(+1)
291
(+4)
96
(+1)
44
(-)
0.249
(↓0.001)
3.9
(-)
3
(↑1)
ORIX
373430.521
(↑0.007)
4
(-)
69284
(+6)
279
(+3)
58
(-)
45
(-)
0.24
(-)
3.53
(↑0.01)
3
(↑2)
ロッテ
373400.521
(↑0.007)
4
(-)
72283
(+4)
276
(+1)
36
(-)
74
(+2)
0.259
(-)
3.55
(↑0.04)
6
(-)
楽天
274510.375
(↓0.005)
14.5
(↓1)
70252
(+7)
300
(+8)
65
(+2)
40
(-)
0.241
(-)
3.89
(↓0.06)