ヤクルト(☆2対1★)阪神 =リーグ戦17回戦(2020.09.26)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:スアレス(4勝0敗0S)
(セーブ:石山 泰稚(3勝2敗13S))
敗戦投手:藤浪 晋太郎(1勝6敗0S)

本塁打
【ヤクルト】村上 宗隆(18号・6回裏ソロ)

  DAZN
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◆ヤクルトが接戦を制した。ヤクルトは初回、村上が適時打を放ち1点を先制する。その後同点とされるも、6回裏に村上のソロが飛び出し、再びリードを奪った。投げては、先発・スアレスが7回1失点の好投で今季4勝目。敗れた阪神は、9回に一打同点の好機をつくるも、あと1本が出なかった。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神がジョー・ガンケル投手(28)、ヤクルトがアルバート・スアレス投手(30)。 5選手のコロナウイルス陽性発覚で1、2軍の大量入れ替えを余儀なくされた阪神。緊急昇格組の北條が「2番二塁」で8月15日広島戦以来、36試合ぶりのスタメンに入った。中継ぎから先発再転向のガンケルは、6月24日ヤクルト戦(神宮)以来約3カ月ぶり、来日2度目の先発マウンド。

◆ヤクルトの若き4番村上宗隆内野手(20)が先制適時打を放った。この安打で、19試合連続出塁をマークした。 初回無死満塁、阪神の先発ガンケルの初球、ど真ん中の147キロ直球を右前打とした。 1点を先制し、先発スアレスを援護。「みなさんがつないでつくってくれたチャンスだったので、絶対に返そうという強い気持ちで、積極的に打ちにいきました。先制できてよかったです」と話した。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が、レギュラーシーズンではプロ1年目の13年4月7日広島戦(マツダスタジアム)以来、約7年ぶりに中継ぎ登板した。 先発ガンケルに代わり、5回から2番手で登板。先頭の9番スアレスは152キロ直球で空振り三振、1番坂口も内角低めカットボールで空振り三振。2番青木に中前打を許したが、3番山田哲は中飛に打ち取った。 チームでは24、25日に1軍の4人、2軍1人、1軍スタッフ2人の計7人の新型コロナウイルス感染が判明。濃厚接触者2人と球団独自で濃厚接触者として扱った4人を含めた計10人の出場選手登録を抹消。その余波を受けて新たに2軍から呼び寄せた9人を登録し、計19人の大量入れ替えを行った。藤浪も25日に1軍へ緊急昇格していた。 救援陣では岩貞祐太投手(29)、岩崎優投手(29)、小林慶祐投手(27)、馬場皐輔投手(25)、ドラフト6位小川一平投手(23)の5人が登録を外れ、ブルペンが手薄になったことから、藤浪の中継ぎプランが実現した。

◆阪神先発のジョー・ガンケル投手(28)が4回70球、4安打1失点で試合を作った。中継ぎから先発再転向した新助っ人は6月24日ヤクルト戦(神宮)以来約3カ月ぶり、来日2度目の先発マウンド。初回に無死満塁から4番村上に先制の適時打を浴びたが、後続を断った。2回、4回にも先頭を出したが、いずれも併殺を打たせて追加点を許さなかった。 「初回にピンチを作ってしまったけれど、何とか1点で我慢することができた。もう少しイニングを投げることができればベストだったけれど、試行錯誤しながらチームのために何とかゲームを作ることはできたと思うよ」 先発再転向初戦ということもあり、70球で降板。5回に代打を送られ交代となった。2番手で藤浪がマウンドに上がった。

◆阪神4番のジェリー・サンズ外野手(32)がセーフティーバントで奇襲を仕掛けたが失敗に終わった。 1-1の6回に先頭の3番糸井が四球で出塁。直後、4番サンズはヤクルト・スアレスの初球にバットを寝かせた。打球は投手の前に転がり、スアレスは二塁送球。糸井は二塁封殺となり、サンズは併殺崩れで一塁に残るのが精いっぱいだった。 その後1死一塁で、5番大山は遊ゴロ併殺。クリーンアップから始まり、先頭打者が出塁したが得点には結びつかなかった。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(20)が、バックスクリーンへ勝ち越しの18号ソロを放った。 1-1で迎えた6回、先頭で阪神2番手藤浪の2球目、内角高めの152キロ直球を完璧にとらえた。打球はバックスクリーンへ一直線。打った瞬間に確信する当たりで、推定130メートル弾となった。中継のカメラに向かって笑顔でガッツポーズを決め「力負けせずにしっかりと振り抜くことができました。自分のスイングができました」と話した。 最近10戦6発。9月に入って7本塁打目と、4番としての存在感を見せている。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が、レギュラーシーズンではプロ1年目の13年4月7日広島戦(マツダスタジアム)以来、約7年ぶりに中継ぎ登板した。 先発ガンケルに代わり、5回から2番手で登板。2死から青木に中前打を浴びたが、この回は2三振を奪った。 2イニング目の6回は、先頭の4番村上に内角高め152キロ直球をバックスクリーンへソロアーチを許した。後続は抑えたが、痛恨の勝ち越しを許した。 7回に自身の打席で代打高山を送られて降板。プロ8年目で2度目の中継ぎ登板は、2回2安打1失点3奪三振だった。藤浪は「慣れない中継ぎ登板でしたけど、ボール自体は悪くなかったと思うだけに、村上選 手へのあの浮いてしまった1球が悔やまれます。(中継ぎ登板は)CSや昨年フェニックスリーグでも経験していて、全くの初めてというわけではないので、試合に入っていけたとは思います」とコメントした。 チームでは24、25日に1軍4選手、2軍1選手、1軍スタッフ2人の計7人の新型コロナウイルス感染が判明。濃厚接触者2人と球団独自で濃厚接触者として扱った4人を含めた計10人の出場選手登録を抹消。その余波を受けて新たに2軍から呼び寄せた9人を登録し、計19人の大量入れ替えを行った。藤浪も25日に1軍へ緊急昇格していた。 救援陣では岩貞祐太投手(29)、岩崎優投手(29)、小林慶祐投手(27)、馬場皐輔投手(25)、ドラフト6位小川一平投手(23)の5人が登録を外れ、ブルペンが手薄になったことから、藤浪の中継ぎプランが実現した。

◆阪神矢野燿大監督(51)が珍しく声を荒らげ、審判に猛抗議した。 8回裏、ヤクルトの攻撃が始まる前のイニング間に投手交代を告げにいった矢野監督が、審判団と話すうちに口論に発展したもよう。井上打撃コーチ、清水ヘッドコーチも姿を見せ、審判団と話し込む姿が見られた。矢野監督は次第に声を荒らげ、約5分間にわたる猛抗議で、球場は騒然となった。

◆ヤクルトはスアレス、阪神はガンケルの先発。ヤクルトは初回、村上の適時打で1点先制。阪神は3回、糸井の二ゴロの間に1点。 ガンケルは4回1失点で降板。ヤクルトは6回、阪神2番手の藤浪から村上の18号ソロで勝ち越し。2-1で終盤へ。 ヤクルトが接戦を制し、2連勝。7回1失点のスアレスが4勝目。阪神は4回以降無失点で3連敗。藤浪は6敗目。

◆ヤクルトは1-1の六回に村上の18号ソロで勝ち越した。スアレスは7回3安打1失点で無傷の4勝目。清水、石山とつなぎ逃げ切った。阪神は、緊急昇格の藤浪が約7年ぶりに中継ぎ登板したが、村上にバックスクリーンに飛び込む特大アーチを浴びて勝ち越しを許し、打線は終盤の好機も生かせず3連敗を喫した。試合終了後も阪神矢野監督は審判団と話し込んだ。

◆阪神の4番ジェリー・サンズ外野手が来日初のセーフティーバントで奇襲を試みたが失敗に終わった。 同点の6回無死一塁。初球にバットを寝かせて三塁線側にゴロを転がしたが、投手スアレスが素早く処理して二塁送球。一塁走者糸井が封殺された。続く5番大山は遊ゴロ併殺打に倒れ、クリーンアップのチグハグな攻撃は結果的に3人で終了となった。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(20)が"消える"18号ソロを放った。特大弾で接戦を制し、9月2度目の連勝と2カードぶりの勝ち越しを決めた。 1-1で迎えた6回、先頭で阪神藤浪の2球目、内角高め152キロ直球を完璧に捉えた。打球はバックスクリーンを越え、推定130メートル弾は消えていった。「(藤浪は)真っすぐが一番いいボールだと思っていたので、一番いいボールを打てたらと思って打席に入った」と話した。高津監督も「消えていったね」と笑顔。「チームを救う、勝ちに導く一振りができたというのは、4番バッターらしいかなと思います」と評価した。 村上は、これで自身の背番号と同じプロ通算「55」号。ゴジラ松井氏にあやかって着けられた背番号だが、今ではすっかりチームの顔だ。最近10戦6発。9月に入って7本塁打目と、4番としての存在感を見せている。坂口ら同じ左打者の先輩から情報を聞き、試合後には映像を見返して反省と勉強を繰り返す。「前半戦はなかなか打てなかったので、もっと打てるようにやっていきたい」と若き4番は力強かった。【保坂恭子】

◆阪神矢野燿大監督(51)がヤクルト17回戦(神宮)で審判団と言い合う場面があった。1-2の8回裏、相手の攻撃が始まる直前だった。投手交代を告げにいくと、審判団に何かを問われ、次第に口論に発展。異様な光景に井上打撃コーチ、清水ヘッドコーチもベンチを出た。矢野監督の口調は次第に激しくなり、約5分間にわたるシーンに球場も騒然。試合後も約3分間、審判団と話す場面があった。 試合後、指揮官は自ら状況を説明した。「誤解というか。テレビに映ったのかどうか分からんけど、審判の人が何か外部からの情報の伝達っていうから、そんなんするわけない」。7回表の小幡の本塁死についてのリクエスト協議中に、ネクスト・バッタースボックスにいる近本が、バックネット裏記者席と情報伝達のコンタクトをとったと疑われたもよう。矢野監督は審判団の心情も鑑みながらも、試合後に伝えればいいのではと告げた。「最後はちゃんと何というのかな。お互いの気持ちが理解できた中で、できたかなと」。最終的には"和解"となったもようで、森責任審判は「NPBに報告するのでそれを聞いてください」と話すにとどめた。 前夜は新型コロナウイルス感染の影響で19人を入れ替え、ドタバタの中で敗れた。主力選手を欠く緊急事態が続く中、落とせない試合だった。4回1失点と粘ったガンケルの後に、7年ぶりの救援となる藤浪を投入。終盤は何度も同点機をつくり代打攻勢に出たが、1点が遠かった。後味の悪い夜になった。

◆阪神の藤浪晋太郎投手(26)が公式戦7年ぶりの救援で、決勝ソロを浴びた。 同点の5回に2番手で登板。2イニング目の6回に先頭の村上にバックスクリーンへ運ばれた。チームスタッフ2人を含めて計7人が新型コロナウイルスに感染。前日25日に計19人の入れ替えを行い、藤浪も2軍から駆けつけた。緊急昇格で貢献できず、今季6敗目。チームは3連敗となった。藤浪は覚悟したのか、静かに振り返った。大飛球がバックスクリーンさえも越えていく。顔色ひとつ変えなかったのは、せめてもの意地だったのかもしれない。 「ボール自体は悪くなかっただけに、あの浮いてしまった1球が悔やまれます」。同点で迎えた6回裏無死。4番村上への2球目だ。内角低めから真ん中付近へ、原口のミットが動く。152キロ直球を豪快に振り抜かれた。決勝弾。力勝負に敗れ、6敗目を喫した。 レギュラーシーズンでは13年4月7日広島戦以来、2729日ぶりの救援登板。「CSやフェニックスリーグでも経験していて、全く初めてというわけではないので」。5回は2者連続三振から1安打無失点。6回も被弾後は3人で終わらせた。2イニングを無四球3奪三振で1失点。9月上旬の1軍登板時と比べてスライダーの制球力は格段にアップしている。それでも、負けては喜べない。 当初は前日25日のウエスタン・リーグ中日戦(ナゴヤ)で2回を投げる予定だった。大阪から名古屋に移動した24日夜、事態が急変した。浜地の新型コロナウイルス感染が判明し、試合は中止に。その25日は1軍での集団感染も明らかになり、計19人の入れ替えが断行された。藤浪も急きょ名古屋から上京。ブルペン待機の覚悟を固めた。 3月下旬、自身も新型コロナに感染した。「自分の陽性が発覚したことでチームの動きが止まってしまった」。猛省した感情を忘れるはずがない。今回は岩貞ら計5人の中継ぎ投手が登録を抹消されていた。少しでも仲間の力になりたかったが、この日は失投を打ち砕かれた。 矢野監督は「晋太郎らしいボールは投げていた」と評価した上で、今後の起用法については「こんな状況やから、どこでどう使うかとかは、ちょっと計算できない」とした。当初は中4日で10月1日の中日戦に先発する流れだったが、プランが変更される可能性も十分ある。いずれにせよ次回、やり返したい。【佐井陽介】

◆コロナ禍で緊急昇格した阪神北條史也内野手が、2番二塁で36試合ぶりのスタメン出場で、奮闘した。 1点を追う1死一塁で先発スアレスから右前打。スタートを切っていた一塁走者近本は三塁まで到達し、一、三塁の場面を作った。続く3番糸井の二ゴロの間に同点。理想的なチームバッティングが、唯一の得点を演出した。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が、レギュラーシーズンではプロ1年目の13年4月7日広島戦(マツダスタジアム)以来、約7年ぶりに中継ぎ登板した。 先発ガンケルに代わり、5回から2番手で登板。ヤクルト村上に決勝弾を浴びるなど2回2安打1失点3奪三振だった。藤浪は「慣れない中継ぎ登板でしたけど、ボール自体は悪くなかったと思うだけに、村上選手へのあの浮いてしまった1球が悔やまれます。(中継ぎは)CSや昨年フェニックスリーグでも経験していて、全くの初めてというわけではないので、試合に入っていけたとは思います」とコメントした。 試合後、矢野監督は「しっかりしたボールは投げられていたと思う。(中継ぎで)普段と違う感じでは入っていくから、その難しさもあると思うけど、あまりそういうのも感じさせなくいった結果、晋太郎らしいボールは投げてた」と評価した。今後の起用法については「こんな状況やからどこでどう使うかとかは、ちょっともう計算できない。晋太郎の使い方もどうなるかっていうのはちょっと未定」と話すにとどめた。

◆ヤクルトのアルバート・スアレス投手は、7回を被安打3の1失点で4勝目を挙げた。 力のある直球と変化球で緩急をつけ、自己最長タイとなる7回を被安打3の3奪三振、4四死球、1失点で試合をつくった。山田哲人内野手らの好守にも助けられ「全体的に良いピッチングができた。数々の場面で野手に守備の面で助けてもらいました。村上の勝ち越し本塁打からこれ以上点を与えられないと強い気持ちで投げました」とコメントした。 試合後、高津監督は「ちょっと本調子ではないところもあったかもしれないが、粘りながらというか、よく考えながら、苦しい時でもいろんなことをしながらということができたのかなと。ナイスピッチングだったと思います」と振り返った。また投手を支えた守備陣については「こういう僅差のところで、1つのアウトのところを取れるか、1つの先の塁に進めるか、すごく勝敗に直結する大事な部分だと思うので、よく守備の方も粘ったり、打つ方でも意味のあるアウトだったりが出来たと思う」と1点差のゲームを制した選手たちに賛辞を送った。

◆阪神の藤浪が公式戦7年ぶりの救援で、決勝ソロを浴びた。同点の5回に2番手で登板。2イニング目の6回に先頭の村上にバックスクリーンへ運ばれた。チームスタッフ2人を含めて計7人が新型コロナウイルスに感染。前日25日に計19人の入れ替えを行い、藤浪も2軍から駆けつけた。緊急昇格で貢献できず、今季6敗目。チームは3連敗となった。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -ガンケルは立ち上がりに苦戦しながら最少失点 矢野監督 まあまあ、それ(立ち上がり)くらいはというか。よく粘ってくれたんじゃない。 -藤浪は 矢野監督 しっかりしたボールは投げられていたと思う。(中継ぎで)普段と違う感じでは入っていくから、その難しさもあると思うけど、あまりそういうのも感じさせなくいった結果、晋太郎らしいボールは投げてたかなと。 -村上への1球 矢野監督 いやいや、勝負にいってるからね。そんなに細かい投球で抑える投手じゃないし、ある意味、こっちとしてもしっかり受け止めて勝負させていかないと。ピッチングが小さくなっちゃうし、勝負できない。勝負の中の結果かなと受け止めてます。 -13連戦もあるが、今後の起用は 矢野監督 いや、こんな状況やから、どこでどう使うかとかは、ちょっともう計算できないし。中継ぎもこんだけいなくなっちゃったんで、パターンっていうのが組めないんでね。晋太郎の使い方もどうなるかっていうのはちょっと未定なんだけど。 -斎藤についても 矢野監督 斎藤も前は先発で良かったし、使ってやるなら先発なんだけど。まあまあちょっとこんな状況なんで自分の直感というか、経験もさせられるんでね。そういうところでは粘りながらも0でいけたっていうのは、本人にとってもチームにとっても価値があるんじゃないかなと思う。 -やっぱり打線か 矢野監督 そうやね、やっぱり点取らな苦しいし。どっちもね、点取ったらピッチャーがって課題がね。ちょっと苦しい状況だと思うけど。 -8回、点にはならなかったが、1本で複数点取れる状況に 矢野監督 もともとうちの攻め方なんだけど、なかなかそういう展開にならなかったし。海(植田)もよくあそこで走ったし、海だから走れたと思う。持ち味としてチャレンジしていけたらなと思う。小幡もアウトにはなったけど、いいプレーだったと思う。

◆阪神矢野燿大監督(51)がヤクルト17回戦(神宮)で審判団と言い合う場面があった。 1-2の8回裏、相手の攻撃が始まる直前だった。投手交代を告げにいくと、審判団に何かを問われ、次第に口論に発展。異様な光景に井上打撃コーチ、清水ヘッドコーチもベンチを出た。矢野監督の口調は次第に激しくなり、約5分間にわたるシーンに球場も騒然。試合後も約3分間、審判団と話す場面があった。 ▼セ・リーグのアグリーメントには、「情報のフェアな入手と利用に関する申し合わせ(2016年決定事項)」として(1)「ベンチに入ることのできる者は、監督、コーチ、選手、スコアラー、マネジャー、通訳、トレーナー、広報と定められた人だけ」とされている。さらに(2)「試合中は、(1)に定めた以外の球団職員、関係者はベンチおよび各球団が決めた区域へ出入りしてはならない。上記の関係者は、無線、携帯電話、電子機器等の情報機器を使用して、監督、コーチ、選手にその試合に関する情報を伝えてはならない」とある。

◆阪神矢野燿大監督(51)が審判団と言い合う場面があった。1-2の8回裏、投手交代を告げにいくと、審判団に何かを問われ、口論に発展した。7回表に阪神は小幡の本塁憤死についてリクエスト。審判団が、リプレー検証中、阪神に外部との情報伝達があったと指摘したためだった。 矢野監督のこの件に関する一問一答は以下の通り。-審判とは 矢野監督 誤解というか、記者の人が、チカ(近本)に声かけて、ビデオ判定のときに「セーフなんじゃない」とかというのを、チカが一樹(井上打撃コーチ)になんかセーフっぽいですよ、というのをやっていたのか、俺ら分からんよ、それは。テレビに映ったのかどうか分からんけど、審判の人が、外部からの情報の伝達みたいなことを言うから、そんなん俺らするわけないし。俺の意見としてはね。審判の人も分かるんだよ。気分良くないわな。そら俺らはテレビ見てないから。それがもしあったとしたら、外部の情報の伝達って、そんなことで試合の中で、影響ないと思うのよね。それなら試合後に誰がどうやっていたとか、わざわざ止めてまで。あそこで「試合を止めてまで、せなあかんことですか」と言って。それやったら試合終わった後に「何していたんですか?」「外部の情報なりますよ、どの記者がやっていたんですか?」というのを後から、俺はやればいいと思うんだけど。あそこでやって、こっちがやっているみたいに言うから。一方的にというか、向こうも感情があるからさ。審判の人もやっぱり自分らが判定する前にそういうこと言われると、気分も良くないだろうし。向こうの気持ちも俺は理解しているんだよ。理解しているんだけど、こちら側のことでは、それが何か試合に影響するような外部の情報でもないし、何か俺らがズルすることなんかないわけよ。そういうふうに言われているような感じがするから。まあ、まあでも最後はちゃんとそれを説明したし、向こうもそれを理解して、お互い分かったということなんでね。ビデオ判定した時点で、委ねるというか、そこで任せているわけなんでね。まあまあ最後はちゃんと何というのかな。お互いの気持ちが理解できた中で、できたかなと。審判の人の気持ちも分かったし、俺らの気持ちも分かってくれたから良かったんじゃないかな。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(20)が「4番・一塁」で先発出場。一回無死満塁から、先制の右前適時打を放った。  先発右腕・ガンケルが投じた真ん中寄りの直球を見逃さず「皆さんがつないでつくってくれたチャンスだったので、絶対にかえそうと強い気持ちで積極的に打ちにいきました。先制できてよかったです」とうなずいた。  この一打で、シーズン60打点に到達。燕の若き主砲はチームのために、打点を積み重ねる。

◆会心の一撃だ! ヤクルトの4番・村上宗隆内野手(20)が1-1の六回先頭で、バックスクリーンへ18号ソロをたたき込んだ。  2番手右腕・藤浪が投じた2球目、152キロの直球を完璧に捉え、打った瞬間にスタンドインを確信。神宮球場がどよめくアーチに「力負けせずにしっかりと振り抜くことができました。自分のスイングができました」とうなずいた。  直近10試合で6発目。若き主砲が、量産態勢に入ってきた。

◆阪神・藤浪が1-1の五回から2番手で登板して、7年ぶりにリリーフとしてマウンドに上がった。新人時代の2013年4月7日の広島戦(マツダ)以来。五回は先頭のスアレスと坂口から連続三振を奪うなど無失点で終えたが、六回先頭の村上にバックスクリーンへの勝ち越しソロを浴びた。  チームは25日に新型コロナウイルスの「陽性」判定者と濃厚接触者が続出して、10人の出場選手登録登録を抹消した。藤浪も同日に急きょ、1軍に昇格していた。

◆ヤクルト・村上が一回無死満塁で右前適時打。11試合ぶりの適時打で60打点に到達した。  「皆さんがつないでつくってくれたチャンスだったので、絶対にかえそうという気持ちで積極的に打ちました。先制できてよかったです」  一回は阪神先発のガンケルに対し先頭の坂口が死球で出塁すると、続く青木が中前打、山田哲が死球を選び好機を拡大。絶好機に村上は初球の甘い直球を逃さなかった。  1-1の六回には阪神2番手の藤浪からバックスクリーンへ特大の18号ソロ。「力負けせずにしっかりと振り抜くことができました。自分のスイングができました」。内角高め152キロの直球をはじき返し、すさまじい打球音が神宮球場に響いた。最近10試合で6発と好調を維持している。  開幕からただ一人全試合に出場し、全試合で4番を務める。球団で全試合で4番を務めたのは2000年のペタジーニ、03、05、06年のラミレスだけ。村上が達成すれば日本選手初となる。  「4番として全試合出場できることは自信にもなると思うので、頑張って出場し続けたいです」  名実ともにヤクルトを背負う打者として成長し続けている村上のバットで連勝に成功した。 (横山尚杜)

◆阪神はヤクルトに1-2で敗れて、3連敗となった。藤浪が1-1の五回から2番手で登板。五回は無失点に抑えたが、六回に先頭の村上にバックスクリーンへの勝ち越しソロを浴び、これが決勝点となった。  打線は二回に糸井の二ゴロの間に奪った1点のみ。八回は2死二、三塁、九回には1死二塁と好機を作ったが、あと一本が出なかった。  これで貯金「1」となり、巨人の優勝へのマジックナンバーは25に減った。3位のDeNAに0・5差に迫られた。

◆ヤクルトの先発、アルバート・スアレス投手(30)は7回95球を投げ、3安打1失点と好投。無傷の4勝目を挙げた。  「全体的に良いピッチングができた。数々の場面で野手に守備の面で助けてもらいました」  四回以外は毎回走者を背負う投球となったが、決して崩れなかった。唯一の失点は三回1死一、三塁から糸井の二ゴロの間に与えた1点のみ。五回先頭では、中前へ落ちそうな飛球を二塁手の山田哲が後ろ向きに好捕(結果は二飛)。同じく五回には、2死一塁から、中前へ抜けそうな打球を遊撃手・西浦が好捕(結果は遊ゴロ)するなど守備にも助けられた。  六回には、4番・村上のバックスクリーンへの18号ソロで1点を勝ち越し。来日2年目の助っ人右腕は「村上の勝ち越しホームランからこれ以上点を与えられないと強い気持ちで投げました」と汗をぬぐった。

◆阪神はヤクルトに敗れ、3連敗。貯金は1になった。以下、矢野監督の試合後の一問一答。  --藤浪は  「しっかりしたボールは投げられてたと思う。中継ぎって、あいつ投げたことあるの? あるんだ。普段と違う感じで入ってから、その難しさはあると思うけど、あまりそういうのも感じさせなくいった結果、晋太郎(藤浪)らしいボールは投げてたかなと」  --村上への1球  「いやいや、勝負にいってるからね。そんなに細かい投球で抑える投手じゃないし、ある意味、こっちとしてもしっかり受け止めて勝負させていかないと。ピッチングが小さくなっちゃうし、勝負できない。勝負の中の結果かなと受け止めてます」  --13連戦もあるが、今後の起用は  「いや、こんな状況やから、どこでどう使うかとかは、ちょっともう計算できないし。中継ぎもこれだけいなくなって、パターンっていうのが組めないので。晋太郎の使い方がどうなるかも未定なんで」  --審判団と話していた  「誤解というか、記者の人がチカ(近本)に声かけて、ビデオ判定のときに『セーフなんじゃない?』とかというのを、なんかチカが一樹(井上打撃コーチ)に『セーフっぽいですよ』というのをやっていたのを(審判団に言われた)。俺ら分からんよ、それは。テレビに映ったのかどうか分からんけど、審判の人が外部からの情報の伝達みたいなことを言うから。そんなん、するわけないし」  (続けて)  「俺の意見としてはね。審判の人(の言い分も)も分かるんだよ。気分よくないわな。そら、俺らはテレビ見てないから。それがもしあったとしたら、外部の情報の伝達って、そんなことで試合の中で影響ないと思うのよね。それなら試合後に誰がどうやっていたとか。わざわざ止めてまで。あそこで『試合を止めてまでせなあかんことですか』と言って。それやったら試合終わった後に『何していたんですか? 外部の情報になりますよ、どの記者がやっていたんですか?』というのを後から俺はやればいいと思うんだけど。あっこでやって、そっちがやっているみたいに言うから」  --一方的に言われたのか  「一方的にというか、向こうも感情があるからさ。審判の人もやっぱり自分らが判定する前にそういうこと言われると、気分も良くないだろうし。向こうの気持ちも俺は理解しているんだよ。理解しているんだけど、こちら側のことでは、それが何か試合に影響するような外部の情報でもないし、何か俺らがズルをすることなんかないわけよ。そういうふうに言われているような感じがするから。まあ、まあでも最後はちゃんとそれを説明したし、向こうもそれを理解して、お互い分かったということなんでね。リクエストした時点で、審判にゆだねるというか、そこで任せているわけなんでね。まあまあ最後はちゃんと何というのかな。お互いの気持ちが理解できた中で、できたかなと。審判の人の気持ちも分かったし、俺らの気持ちも分かってくれたから良かったんじゃないかな」

◆「4番・一塁」で先発出場したヤクルト・村上宗隆内野手(20)は、2安打2打点の活躍で4番の仕事を果たし、勝利に導いた。一回に先制の右前適時打を放つと、六回にはバックスクリーンへ会心の18号ソロ。お立ち台に上がった若き大砲からは、思わず笑みがこぼれた。以下、ヒーローインタビューの一問一答。  --見事な4番の仕事。一回の先制打。どんな思いで打席に入った  「ずっと満塁の場面で打てないでいたので、なんとか打ちたいと思って打席に入りました」  --先制打の瞬間の思いは  「素直にうれしかったです」  --同点の六回にバックスクリーンへすさまじい打球で決勝の18号ソロ。狙い、思いは  「打ててよかったです(笑)」  --打った瞬間確信しているように見えた。感触は  「感触はよかったんですけど。やっぱりピッチャーがなんとか踏ん張って1点で抑えていたので、逆転するならあの回かなと思って打席に入ったので、なんとか逆転してスアレスに勝ちをつけられてよかったです」  --本塁打のペースが上がっている。打撃の状態は  「まだまだ三振もしたり、凡打もしたりするので、そんなにいい状態とは言えないんですけど、前半戦よりはホームランも出てきて、やっと自分のバッティングが少しずつ取り戻せてきているのかなと、自分自身思っているので。残り試合たくさんありますし、チーム状況としても最下位なので、なんとか脱出して、上を目指して頑張ります」  --ファンへの思い、意気込み  「本当に足元の悪い中たくさんの人たちが球場に来ていただき、すごく僕たちも背中を押していただけますし、結構前までは5000人という限られた中での試合だったんですけど、こうやってたくさんの野球ファンの皆さまが球場に足を運んで応援してくださるので、すごく背中を押されます。これからも応援よろしくお願いします」

◆6月24日のヤクルト戦(神宮)以来の先発マウンドに立ったガンケルは4回4安打1失点。「もう少しイニングを投げることができればベストだった」と振り返った。一回は無死満塁のピンチを背負ったが、村上の適時打で許した1点にとどめ、失点はこれだけ。「試行錯誤しながら、チームのためになんとかゲームを作ることはできたと思う」とうなずいた。

◆サンズは奇襲を仕掛けるも失敗に終わった。1-1の六回無死一塁で、初球にバットを寝かせてセーフティーバントを狙ったが、投手のスアレスの前へ転がると素早く処理され、一走・糸井が二塁封殺。得点圏へ送ることはできなかった。ここまで犠打はゼロ。4番が相手の意表を突き、来日して初めてバントを試みたが実らなかった。

◆来日2年目のスアレスが7回95球を投げて3安打1失点。無傷の4勝目を挙げた。四回以外は毎回走者を背負ったが、大崩れせず好守にも助けられ「全体的に良いピッチングができた」と納得顔を見せた。六回に4番・村上のソロで勝ち越し「これ以上点を与えられないと強い気持ちで投げました」と振り返った。

◆コロナショックで落胆する神宮の虎党も大喜びだった。1-1の五回、マウンドに上がったのは前日25日、1軍に昇格したばかりの藤浪だった。  「慣れない中継ぎでの登板でしたが、ボール自体は悪くはなかったと思うだけに、村上選手へのあの浮いてしまった球は悔やまれます」  六回先頭の燕の若き4番・村上に、152キロ直球をバックスクリーンにはじき返された。この一打が決勝点となり、2回2安打1失点で6敗目(1勝)。試合後は悔しさをにじませたが、レギュラーシーズンでは入団1年目の2013年4月7日の広島戦(マツダ)以来2度目の救援登板にもかかわらず、無四球と課題の制球が大きく乱れることはなかった。  前日25日のウエスタン・中日戦(ナゴヤ)は、浜地の新型コロナウイルス感染を受けて中止。1軍の4選手とスタッフ2人も感染していることが判明した。球団は濃厚接触者と判断した10人の出場選手登録を抹消。藤浪は2軍から緊急昇格した9人の中の1人だった。  藤浪自身も3月下旬に新型コロナウイルスに感染し「チームやファンのみなさまにご心配や迷惑をおかけしました」と謝罪した。いま、チームは再びコロナで緊急事態。自分がなにかをしたい、という思いは強い。  矢野監督は「晋太郎(藤浪)らしい、しっかりとしたボールは投げられていたと思う」と評価し、村上からの一発も「勝負の中の結果」と責めなかった。  ただ、チームは3連敗で、貯金は「1」に。巨人の優勝マジックは「25」に減った。岩貞も岩崎もいない中、29日からは13連戦に突入する。今後の起用法について、指揮官は「こんな状況やから、どこでどう使うかとかは、ちょっと計算できない」と明言を避けたものの、13日の広島戦(甲子園)以来となる先発登板の可能性も出てきた。  藤浪が、矢野虎の窮状を救うためにマウンドに立つ。(三木建次)

◆ヤクルトは26日、阪神17回戦(神宮)に2-1で勝ち、2連勝。1-1の六回に、4番・村上宗隆内野手(20)が決勝の18号ソロを放った。阪神・藤浪晋太郎投手(26)の152キロの直球を、バックスクリーンの上まで飛ばす推定飛距離130メートルの特大弾。一回には右前適時打も放ち、チームの勝利に貢献した。  白球は、あっという間にバックスクリーンの奥へ消えていった。1-1の六回。村上が、藤浪が内角高めに投じてきた152キロの速球を完璧に捉え、推定130メートルの決勝弾。珍しく満足そうな表情を見せ、拳を握った。  「打席に入る前から(藤浪は)直球が一番いいボールだと思っていた。その一番いいボールを打てたらな、という思いでした」  今季全83試合で4番に座る20歳は、状態をさらに上げてきた。一回は無死満塁で右前へ先制打。その後試合は膠着(こうちゃく)したが、目の覚めるような当たりで、今季最多の観衆1万4471人の度肝を抜いた。  最近10試合で6発とアーチを量産。ただ、頼っているのは188センチ、97キロと恵まれた「体」だけではない。結果の出た打席でも、試合後には映像で振り返り、感覚と感触を一致させる。  「自分の感覚と(映像を)見たときのズレとか、いろんな確認するところがある。この打席はこうだったなとか、本塁打を打てた打席はここがよかったから打てたんだな、とか、そういうところを見ます」  グラウンド外での「頭」の鍛錬も欠かさない。考える力は、九州学院高時代から身についている。主将で正捕手で4番。練習からチームメートに指示を出し、相手チームを研究し、投手陣をリード。獲得に携わった橿渕スカウトグループデスクは練習を視察した際を「監督ではなく村上が指示を出して選手を動かしていた」と回想。全体を見渡し、率先して行動する姿に感銘を受けた。  新型コロナウイルスの影響を受けるシーズン。阪神に多くの感染者が出るなど、球界は再び厳しい局面となっている。だが、19日に入場者数の規制が緩和されたばかり。村上は観衆を前に、背筋を伸ばしている。  「(上限)5000人のときよりたくさんお客さんが入っていますし、緊張しました。ピンチのときも、チャンスのときも、より一層歓声を感じます」  この一発が、背番号と同じプロ通算55号。村上が堂々と、ヤクルトを、そして日本球界を引っ張っている。(横山尚杜) 村上についてヤクルト・高津監督 「(打球が)消えていったね。対応力がついてきたのかな。ミスをすることなく捉えられるようになってきている」

◆踏んだり蹴ったりや! 阪神はヤクルトに1-2で敗れ、今季7度目の3連敗。貯金は「1」まで減った。前日25日にはチームから新たに7人の新型コロナウイルス感染が判明。この日はグラウンド外からの情報伝達があったのではないかと疑惑をかけられ、矢野燿大監督(51)が猛反発する一幕が-。実はこれもコロナの影響。も~、いい加減にして!  "クラスター"の次は、あらぬ疑惑をかけられた。九回の逆転に望みをつなぐ八回の守りに向かう前に、一塁ベンチ前に異変。矢野監督の目つきが一変した。選手交代を告げるだけのはずが、審判団を相手にヒートアップ。マスク越しにも読み取れる険しい表情で、激しい口論が始まった。  「そんなことするわけないでしょ!」  発端は七回の攻撃だ。2死一塁で代打・高山が遊飛失策。一気に本塁突入を狙った一走の小幡が憤死し、すかさずリクエストした。"火種"は判定を待つ時間。次打者の近本と指示に向かった井上打撃コーチの会話が「疑い」を招いた。  「セーフっぽいかな」。リプレー検証の結果について語り合う2人に、審判団が抱いた疑念は「試合中の外部との接触、情報伝達」だ。近本と井上コーチの真後ろには記者席。報道陣から、モニターの映像の様子や判定の経過を入手したことを疑われた。  5分以上も真っ向否定した将は、敗戦後にも審判の元へ。「疑われる行動があったなら申し訳ありません。でも、なんで試合中にいう必要があるのか」。再び約3分の会話。グラウンドから引き揚げた将は、気持ちを静めながら主張した。  「(疑われた)そんなことで、試合に影響ないと思うのよね。『試合を止めてまで、せなあかんことですか』と」  まったく頭になかった誤解だ。しかも、七回の出来事について八回表終了後に突然、突きつけられた。「(事情聴取は)後でやればいいと思う」。結果的に接戦に水を差された形で、敗れた。  「外部からの情報の伝達みたいなことを言うから。そんなん、するわけない。試合に影響するような情報でもないし、何か俺らがズルをすることなんかないわけよ」  まさに、踏んだり蹴ったりだ。前日25日に5選手とスタッフ2人の新型コロナウイルス感染が発覚した。濃厚接触者、それと同等の扱いを含む10選手を登録抹消。非常事態で戦う中、またも想定外の事件に直面した。  「最後はちゃんとそれ(経緯と意見)を説明したし、お互い分かった。審判の人の気持ちも分かったし、俺らの気持ちも分かってくれた」  遺恨は残さなかったが、記者席内の会話が近本らに漏れ聞こえていた可能性が高い。会話やしぐさによる接触はなかった。感染対策で、記者席の換気のためにイニング間に窓が開けられることも原因。コロナ禍に直接巻き込まれた上に、間接的な打撃まで浴びた。  「中継ぎもこれだけいなくなって、パターンっていうのが組めない」  先発の谷間で岩貞、岩崎の主力リリーフを欠く中、継投で僅差に持ち込んだ。それでもトラブル続出の3連敗。試練が試練を呼び、傷だらけの戦いが続く。(安藤理) ★記者にも注意  審判団は矢野監督への指摘の前に、記者にも注意を行った。リプレー検証終了後、七回裏終了後など複数回、記者席の前に歩み寄って「何をしているのか」と探りを入れた。試合後の矢野監督の会話でも「どこの記者だったのかも知りたくて聞いた」と説明。疑われた記者はモニターを見ながらセーフのジェスチャーを行っていたが、グラウンドに向けたものではなかった。

◆藤浪は、2軍に落ちる前よりも腕がしっかり振れていた。制球もまとまっていたし、内容はよかった。ファームで好投したことで、自信を取り戻したのではないか。  だからこそ六回、先頭の村上の一発は悔やまれる。1ストライクから2球目に真っすぐで力勝負にいった。捕手も含めてだが、同点、イニング、打者のタイプなどを考えれば、慎重さが足りなかった。セットアッパーなら、歩かせてでも一発を避ける場面だ。  ただ、これは慣れもあるし、藤浪にとっては長いイニングを少ない点数でまとめる先発と違い、1点も許されない短いイニングでの投球は刺激となり、復調のキッカケとなる可能性がある。  岩貞がいい例だ。さらに味方が逆転して勝ちがつくことなどあれば、改めて打線へのありがたみを感じるし、違った気持ちも生まれるはずだ。  試合を作るのではなく、1人1人を大事に打ち取る意識。この日の投球を見る限り、当面は中継ぎ、第2先発という形で登板する方がいいのではないか。コロナの影響で巡った機会ではあるが、変われるチャンスにしてほしい。(本紙専属評論家)

◆クソー! 最下位・ヤクルトに連敗とは~の涙雨だったのだ。だけど、この2つの黒星は明らかにコロナによる選手入れ替えが大きく影響しているのだ。しかし、それも『身から出たサビ』と猛省いたしましょう。  だけど、そんな敗戦の中にも『ヒョウタンから駒』じゃねーか? えーと『転んでもタダでは起きない』...う~ん、近いけど微妙に違うか? 『ケガの功名』...それ、それ! 急遽(きゅうきょ)2軍から上がった悩める大器、藤浪晋太郎を中継ぎで投入して、村上に悔しい一発を浴びたとはいえ2回を暴れる投球を見せることなく投げたことなのだ!!  あの手この手を尽くしても修正が難しかった藤浪がリリーフという新ポジションで真価を発揮してくれるなら、これは価値ある1敗...と、この先思わせてくれー!!  そして試合中、外部とのやりとりを疑われた阪神ベンチ...。『弱り目にたたり目』なれど、こんな時こそ毅然(きぜん)と美しく強い虎の野球を見せたれー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
52264 0.667
(↓0.008)
M25
(↑1)
38390
(+2)
279
(+3)
103
(-)
50
(-)
0.259
(↓0.001)
3.280
(↑0.01)
2
(-)
阪神
40394 0.506
(↓0.007)
12.5
(-)
37351
(+1)
333
(+2)
85
(-)
52
(+2)
0.244
(↓0.001)
3.550
(↑0.02)
3
(-)
DeNA
40405 0.500
(↑0.006)
13
(↑1)
35363
(+5)
332
(+2)
87
(+2)
21
(-)
0.269
(↑0.002)
3.730
(↑0.02)
4
(-)
中日
39415 0.488
(↑0.007)
14
(↑1)
35297
(+3)
349
(+2)
51
(+2)
20
(-)
0.245
(-)
3.830
(↑0.02)
5
(-)
広島
31438 0.419
(↓0.006)
19
(-)
38356
(+2)
404
(+5)
82
(-)
34
(-)
0.265
(↓0.001)
4.560
(-)
6
(-)
ヤクルト
32456 0.416
(↑0.008)
19.5
(↑1)
37353
(+2)
413
(+1)
83
(+1)
47
(+1)
0.252
(↓0.001)
4.580
(↑0.04)