阪神(★0対4☆)DeNA =リーグ戦18回戦(2020.09.23)・阪神甲子園球場=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:上茶谷 大河(2勝1敗0S)
敗戦投手:青柳 晃洋(6勝6敗0S)

本塁打
【DeNA】ソト(17号・7回表3ラン)

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◆DeNAは両軍無得点のまま迎えた6回表、無死一三塁から宮崎の内野ゴロの間に1点を先制する。続く7回には、ソトが3ランを放ちリードを広げた。投げては、先発・上茶谷が9回無失点の快投で今季2勝目。敗れた阪神は、先発・青柳が好投するも、打線が援護できなかった。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が青柳晃洋投手(26)、DeNAが上茶谷大河投手(24)。 阪神先発青柳は今季5度目のDeNA戦登板。2勝1敗と勝ち越している相手に、チームトップタイの7勝目を狙う。

◆阪神先発の青柳晃洋投手(26)が6回2安打1失点と粘りの投球を見せたが、6回の打席で代打荒木を送られ降板した。荒木は左前打で出塁したが、得点にはつながらず。青柳に勝ち星はつかなかった。 6回は先頭オースティンを四球で出し、続く4番佐野の右前打で無死一、三塁とピンチを迎えた。続く宮崎の高いバウンドの三ゴロの間に先制点を許した。 8月27日の中日戦で6勝目を挙げて以来、勝ち星から遠ざかっている。9月はこの日が4試合目の先発だった。3日ヤクルト戦は6回2/3、3失点で勝敗つかず。9日DeNA戦は5回4失点、前回16日巨人戦は4回5失点でいずれも負け投手となっていた。 青柳は「ここ2試合はよいピッチングができていなかったので、今日は初回から全力で投げました。立ち上がりはよかったのですが、6回は四球を出してからの失点だったので、もったいなかったですし、反省すべき投球になってしまった」とコメントした。この日から「晴柳さん」応援タオルが発売開始。甲子園は、雨は降らず青柳は6回1失点と試合をつくり、リリーフ陣に託した。

◆DeNAネフタリ・ソト内野手(31)が、9月に入って8本目となる17号3ランを放った。 1点リードの7回無死一、二塁、阪神2番手エドワーズの初球、外角低め133キロを完璧に捉え、左中間席に運んだ。 リードを広げる貴重な1発に「打ったのはスライダーです。しっかり前で捉えられ感触も良かったです。前打席のチャンスの場面で凡退していたので、取り返すことができうれしいです」と笑顔で話した。 2年連続本塁打王のソトは、過去2年いずれも9月に10本塁打をマーク。今季も実績通りの量産態勢に入っている。

◆阪神がDeNA上茶谷に6安打完封を許し、痛い敗戦を喫した。無得点負けは今季9度目。 先発青柳は「初回から全力で投げました」と飛ばし、5回まで1安打無失点。上茶谷と投手戦を繰り広げた。6回に四球と安打で無死一、三塁とし、宮崎の三塁ゴロの間に先制を許した。青柳は6回2安打1失点と試合をつくり降板したが、2番手エドワーズが7回、ソトに17号3ランを浴びたのが誤算だった。 打線は3番糸井が2安打、5番大山が猛打賞と6安打を放ったが、いずれも単打。三塁も踏めなかった。首位巨人が広島に勝ち、ゲーム差は今季最大タイの11・5差まで広がった。

◆阪神先発青柳は2、3回と得点圏に走者を背負うが、無失点に抑える。DeNA先発上茶谷も3回まで無失点投球。 DeNAは6回、宮崎の三ゴロ間に先制。先発上茶谷は6回まで3安打無失点。阪神先発青柳は6回2安打1失点で降板。 DeNAは7回、2番ソトの17号3ランでダメ押し。先発上茶谷は144球完封勝利で2勝目。阪神は首位巨人と今季最大タイの11・5差。阪神青柳は6敗目。

◆阪神2番手のジョン・エドワーズ投手が痛恨の3ランを浴びた。 先発青柳に代わって0-1の7回に登板。安打と四球で無死一、二塁のピンチを背負うと、2番ソトに初球の低めスライダーを左翼席に運ばれた。接戦ムードが一変、4点差に。右肩のコンディション不良から21日に復帰登板していたが、来日3試合目で初失点となった。

◆阪神ドラフト6位の小川一平投手が粘りの投球で無失点に抑えた。 8回に登板。2四球を許して2死一、二塁のピンチを招いたが、2番ソトには力勝負。初球から150キロ前後の直球を6球続け、フルカウントから最後は外角カットボールで中飛に打ち取った。昨季まで2年連続本塁打王のスラッガーに、ルーキーが堂々の投球を見せた。

◆3試合連続で3番先発のベテラン阪神糸井嘉男外野手がエンジンをかけてきた。 この日は7回、上茶谷の内角球を振り切って左前に落とすと、9回も左前へ。ポテンヒット2本で3試合連続のマルチ安打を記録した。右膝痛を抱えながらのプレー。矢野監督は「打球はアレですけど、ヒット1本1本は選手としても、また前を向いていけます。嘉男が上がってきたら打線の厚みは出てくる」と評価していた。

◆阪神がDeNA上茶谷に6安打完封を許し、痛い敗戦を喫した。無得点負けは今季9度目。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -好投を許したDeNA上茶谷をどう見ていた 調子はいいなというのは、こっちも感じていました。でも、チームとして、最後までゼロでいかせたというのは課題かなと思います。 -先発青柳も好投した ボールもよかったですし、坂本としっかりコンビネーションを取りながら、しっかりした投球をしてくれたと思います。 -6回先頭の青柳に代打。判断は難しかったのでは いや、何も難しくはないです。負けているんで、追いつかないと勝ちにいけないので。 -7回に3ランを浴びたエドワーズの状態は まだ(目の前での)登板数が少ないのでね。けがであまり投げてなかったので、ちょっと分かっていない部分がある。1個1個のボールはいいかなと思うけど、(3ランは)四球の後の初球かな。(ストライクを)取りにいったところだったので。中身としては課題があるかなと思いますけど、まだちょっと分からないので。 -糸井が連日マルチ やっぱりこういうヒット1本1本はね、選手としてもまた前を向いていけますし。まあ嘉男が上がってくれたら打線の厚みというのは出てくるんで。 -大山は猛打賞 最後の四球もしっかり内容がありましたし。いいバッティングでした。 -明後日から神宮 「一戦必勝でずっとやっていますし、まあいい感じでね、また戻ってこられるように戦っていきます」 -青柳の6回、先頭の四球が痛い 言い出したらいろいろあるけど。まあまあ常にね。コースいっぱいいっぱいにいくっていう投手ではないんで、でもそういうのはやっぱり減らしていくというのは、特にこういう投手戦になればそういうのは課題として出てくる。まあいいピッチングだけど課題といえばそれはもう課題になる。 -西勇以外に先発に勝ちが付かない もちろん先発はやっぱり勝たないと。チームとしていい形と言われるのは先発に勝ちが付いて、スアちゃんにセーブが付くという勝ち方がやっぱり、いい形なんでね。そこは野手としては早く点を取らないとダメだし、ピッチャーとしても責任投球回数というのかな、そういうのをしっかり投げきるというのが必要かな。 -上茶谷は今季3度目の対戦。過去とイメージが違いは そんなに大きくはないけどね。球のキレは良かったかなという感じですし、カットボールが結構、右も左も、スピードがそれぞれそんなに差がないので見極めにくいなという感じはしていたので。カットはいつもより速いかなという感じはしたけど。まっすぐもキレはあったし状態も良かったんじゃないかな。 -5回以降先頭打者が出せていたところで何とかつなぎたかった 言い出したらいろいろ出てくる。(6回)チカのところも、振らされるというかね、キレがいいから振らされちゃうというか。あれを、タラ、レバを言いたくないけど、そういうのを言い出したらいろいろあるんでね。それは勝負にいってる中での結果なんで受け止めます。

◆阪神2番手のジョン・エドワーズ投手が痛恨の3ランを浴びた。先発青柳に代わって0-1の7回に登板。安打と四球で無死一、二塁のピンチ。2番ソトに初球の低めスライダーを左翼席に運ばれた。4点リードに広がり、敗戦が決定的となった。 右肩のコンディション不良から21日に復帰登板していたが、来日3試合目で初失点となった。矢野監督は「1個1個のボールはいい」とかばった。 ▽阪神福原投手コーチ(エドワーズについて)「ボールに力はあると思うので、あとはボールをしっかりコントロールできるようになれば抑えられる。まだ復帰して2戦目ですけど、力強いボールをうまく使っていけばいい」

◆阪神糸原健斗内野手が二塁守備で存在感を示した。5回2死一、二塁。ソトの打球は中前に抜けそうなゴロだったが好捕して二塁にトスし、ピンチを断った。 4回もボーアがはじいた佐野の打球をカバーして捕球し、一塁に入る青柳にきっちり送球した。打撃は4打数無安打だったが、堅守が光った。

◆阪神木浪聖也内野手が遊撃守備で2戦連続の凡ミスを犯してしまった。5回、先頭柴田の正面のゴロを捕球できず後逸失策。失点にはつながらなかったが、先発青柳の足を引っ張った。 前日22日も併殺コースの平凡なゴロを捕球失策。失点にならなかったが、連日のイージーミスだ。今季は守備力アップも評価されてきたが、シーズン7失策目になった。9回の遊撃守備に入った小幡も捕球ミス失策。チーム59失策はリーグ最多だ。

◆カミチャ、ステップアップ! DeNAの2年目右腕・上茶谷大河投手(24)が、プロ2度目の完封で2勝目を挙げた。 自己最多の144球を投げ6安打、最速148キロの直球を軸に10三振、3併殺を奪う力投。チームの連敗を3で止め、勝率5割復帰に導いた。 9回2死一、二塁。最後の打者ボーアを144キロカットボールで空振り三振に仕留めると、かみしめるように力強いガッツポーズを繰り出した。「3連敗中で、それを止める気持ちで上がりました。結果につながってよかったです。もう(腕が)パンパンです」と笑顔を浮かべた。これで9月に先発した4試合すべてでクオリティースタート(6回以上、自責点3以内)を達成。ラミレス監督も「今までもいい投球だったけど、今日でまた1つ上のレベルに足を踏み入れたと思う」と絶賛した。 好調阪神打線のカギを握る1番近本と4番サンズを、カットボール、チェンジアップ、スライダーなど多彩な変化球を駆使して無安打に封じた。そのベースとなったのが力強い直球だ。今季初勝利を挙げた9日阪神戦(横浜)で「自分の中で信頼できるボールになった」という武器は、140球を超えた9回に最速148キロをマーク。上茶谷も「インコースも使えていたし、コーナーを突くことができたので、大けがにつながらなかったと思います」と納得の表情を見せた。 苦手の阪神を相手に敵地甲子園で連敗をストップし、ラミレス監督も「これで一気に流れに乗れれば。非常に大きい勝利だよ」。2年目右腕が大きな白星をもたらした。【鈴木正章】 ▽DeNAラミレス監督(8回121球の上茶谷を9回も続投)「8回でも146、7キロが出ていた。完封も視野に入っていたしスタミナも十分だと思った」

◆阪神大山悠輔内野手が今季4度目の猛打賞で気を吐いた。先発上茶谷に対し、2回1死に146キロ直球を右前へ運んだ。5回は先頭で138キロカットボールを2打席連続右前へ。7回2死から135キロカットボールを左前へ。広角に打ち分け、8月28日広島戦(マツダスタジアム)以来の猛打賞を記録。チーム6安打のうち、半分は大山のバットから生まれた。 矢野監督は3安打はもちろん、最終回の4打席目を評価した。4点を追う2死一塁。カウント1-2と追い込まれながらも四球を選んだ。「最後の四球もしっかり内容がありましたし、(3安打も)いいバッティングでした」。全4打席で出塁し、チャンスメークした。 今季はセ5球団の中で、DeNAを最も得意とする。18試合で60打数24安打、打率は4割の数字を残す。5回と7回の安打はいずれも、カウント2-0からのファーストストライクを一振りで捉えた。今季の大山を象徴する積極的な姿勢。普段から一振りで捉える「確実性」を意識しており、結果につながっている。打線の呼応を信じて、大山は自らのスイングを貫く。【奥田隼人】 ▽阪神井上打撃コーチ(大山について)「悠輔が3本、上茶谷から打ったということは上茶谷に対して他の選手より意識が強かった結果だと思う。ただ、一番評価したいのは3本打った後のフォアボール。雑になりそうな打席で、しっかり取れたのは良かったと思う」

◆阪神荒木郁也内野手が今季初安打を放った。6回先頭で代打起用され、追い込まれてから上茶谷の変化球を左前に運んだ。 続く1番近本の打席(空振り三振)では、フルカウントからスタートを切った。二塁は微妙なタイミングでアウトとなり、矢野監督がリクエストを要求したが判定は覆らず盗塁死となった。

◆勝つしかない矢野阪神が波に乗れない。DeNAの先発上茶谷を攻略できず、6安打で今季9度目、甲子園では初の完封負け。甲子園での連続試合本塁打も「8」で止まった。巨人は4連勝で優勝へのマジックを「28」とした。首位とは今季ワーストタイの11・5差。奇跡の逆転優勝が遠くにかすむ1敗となった。甲子園のスタンドからため息が漏れた。4点を追う9回2死一、二塁。この日最大の盛り上がりは、6番ボーアの空振り三振で消え去った。今季最多の貯金5へのチャレンジも、本拠地甲子園でDeNA上茶谷の前に6安打無得点、10三振。三塁すらを踏むことができずチ、ームとしては今季9度目の完封負けを喫した。高い勝率を誇る甲子園での完封負けは初だ。首位巨人に今季最大タイの11・5ゲーム差と背中がかすむ。 「調子はいいなというのは、こっちも感じていました。でも、チームとして、最後までゼロでいかせたというのは課題かなと思います」 試合後の矢野監督は悔しさを押し殺すように上茶谷の印象を語った。キレのあるカットボールに球速の落ちない直球。今季3度目の対戦となった2年目右腕にまるで歯が立たない。頼みのサンズ&ボーアの助っ人コンビも2人で計5三振とさっぱりで、4日から続いていた甲子園での連続本塁打も「8」でストップ。これで前回対戦した今月9日から15イニング連続無得点と苦手を作ってしまった。 投打の歯車がかみ合わない。7回に2番手エドワーズが2番ソトに3ランを浴びて試合の流れが決まったが、問題なのは先発に勝ちが付かないという事実。15日から9連戦で先発が勝利したのは17日巨人戦の西勇だけだ。矢野監督は「もちろん先発はやっぱり勝たないと。そこは野手としては早く点を取らないとダメだし、ピッチャーとしても責任投球回数をしっかり投げきるというのが必要」と険しい表情だ。 波に乗れない理由がある。今季は水曜日が2勝10敗1分けの勝率1割6分7厘。1週間の真ん中で勝てず、「魔の水曜日」が大型連勝ができない原因にもなっている。矢野監督は25日からは敵地神宮でヤクルト3連戦に向けて「一戦必勝でずっとやっていますし、まあいい感じでね、また戻ってこられるように戦っていきます」と力を込めた。シーズンも残り39試合。矢野阪神のネバーギブアップ精神が試される。【桝井聡】 ▼阪神は今季9度目の完封負け。これで首位から11・5ゲーム差。9月16日巨人戦で敗れたときと並び、今季最大差となった。 ▼今季の水曜日の試合は2勝10敗1分けで、曜日別最低の勝率1割6分7厘。チーム打率2割2分4厘、防御率4・70もともに最悪だ。

◆阪神青柳晃洋投手が6回2安打1失点と好投も6敗目となった。「今日は初回から全力で投げました」と、初回に2番ソト、3番オースティンと連続三振を奪うなど飛ばした。5回まで1安打無失点で、完封した上茶谷と投手戦を演じた。 悔やまれるのは6回先頭オースティンへの四球。続く4番佐野の右前打で無死一、三塁とピンチを広げ、続く宮崎の高いバウンドの三ゴロの間に先制点を許した。「6回は四球を出してからの失点だったので、もったいなかった」と反省した。9月はこれで4試合先発し3連敗。8月27日の中日戦で6勝目を挙げて以来、勝ち星から遠ざかっている。先発陣も今回の9連戦で勝ち星を挙げたのは西勇だけだ。 この日から「晴柳さん」応援タオルが発売開始。スタンドのファンもさっそく掲げ、前日22日は雨予報だった甲子園に、雨は降らなかった。負け投手にはなったが、次回への期待が高まる投球を青柳が見せた。

◆DeNAのアレックス・ラミレス監督(45)が試合前にオンラインで取材対応。不振が長引いている山崎康晃投手(27)の起用法について言及した。  「昨日は僕が見た中でもかなりベストの投球。現状では昨日のように勝っているときや、僅差で負けているときに相手の流れを止めてもらうような形で考えている」とイニングにこだわらず、競っている場面で起用する方針を語った。  22日の同戦では、3-2の六回、2番手で登板。1死から3連打を浴びて同点に追いつかれ、先発のD2位・坂本(立命大)の3勝目が消えた。  それでも、直球11球すべて150キロ超で、最速は153キロを計測した投球に「ここ何試合か負けているところで投げて、145キロくらいしか出ていなかった。そういったフィーリングは大事。彼はこういった状況の方が力が発揮できる。スピードも出て、メンタル的にもよくなった。われわれの見たかった、今まで見ていたヤス」と評価していた。

◆阪神・青柳晃洋投手(26)は両軍無得点で迎えた六回に、つかまった。先頭のオースティンに四球を与えると、佐野に右前打を許して、一、三塁。続く宮崎の併殺崩れの間に先制点を献上し、その裏の攻撃で代打を送られた。  「ここ2試合はいいピッチングができていなかったので、初回から全力で投げました。六回は四球を出してからの失点だったので、もったいなかったですし、反省すべき投球になってしまいました」  6回2安打1失点で降板した青柳は広報を通じて、反省の弁。七回に登板した2番手のジョン・エドワーズ投手(32)も四球がらみで無死一、二塁のピンチを招き、ソトに左翼席へ17号3ランを浴びてしまった。

◆阪神は今季ワーストタイの3併殺を奪われ、3連勝を逃した。先制された直後、0-1の六回に先頭の代打・荒木が左前打を放ったが、続く近本が空振り三振。荒木の二盗失敗との併殺で好機を逸すると、七回に2番手のエドワーズがソトに17号3ランを浴びて点差が広がった。  二回1死から大山が右前打も、ボーアが二ゴロ併殺。七回も先頭の糸井の左前打の後、サンズの強烈なゴロが三塁手の正面を突いて併殺に終わった。今季9度目、甲子園では初の零封負け。首位・巨人とは今季最大タイの11・5ゲーム差に後退した。  先発の青柳は6回2安打1失点と好投したが、六回に無死一、三塁を迎え、宮崎の三ゴロで先制を許した。援護なく6敗目。今季3勝の甲子園では6度目の登板で初黒星を喫した。

◆投打がかみ合ったDeNAが連敗を「3」で止めて勝率5割に戻した。先発の上茶谷が6安打に抑えて10三振を奪い、昨年6月以来の完封で2勝目(1敗)を挙げた。  阪神・青柳、上茶谷の両先発が好投したこの試合は、いずれも5回までスコアボードに0を並べた。DeNAは六回、無死一、三塁の好機を作ると、宮崎の三ゴロの間に先制点を挙げた。七回には阪神の2番手・エドワーズを攻め無死一、二塁とすると、ソトが17号3ランを放って追加点を奪った。上茶谷は9回も球速が衰えず、最後はボーアを三振に仕留めると笑顔でガッツポーズ。プロ入り後、自身2度目の完封に思わず白い歯がこぼれた。  連勝が止まった阪神は打線が好機であと1本が出ず。ちぐはぐな攻撃で同一カード3連勝を逃した。

◆阪神の青柳は「初回から全力で投げた」と球に力があり、6回を2安打1点に抑えたが、8月27日の中日戦以来となる7勝目には届かなかった。3連敗で6敗目を喫し「六回は四球を出してからの失点だったので、もったいなかったし、反省すべき投球になってしまった」と悔いた。  上茶谷との投手戦が続いた中、0-0の六回に均衡を破られた。先頭オースティンに四球を与え、佐野に右前打でつながれて一、三塁。宮崎の三ゴロで先手を取られ、その裏に代打を送られた。  9月に入って失点数が3、4、5と悪化していたが、「甲子園のファンの皆さんの前で、しっかりとした投球ができるように頑張る」と誓っていた通り、打たせて取る持ち味も発揮。復調を感じさせた。 阪神・福原投手コーチ(青柳に) 「ゴロアウトも多く取れていたし、粘り強く投げてくれたと思う。左打者に対しても工夫して投げようという意識は見えた」

◆阪神は今季ワーストタイの3併殺の拙攻で、3連勝を逃した。勝った首位巨人と11・5ゲーム差に開いた。以下、試合後に取材に応じた阪神・矢野燿大監督の一問一答。  --完封を許した上茶谷は  「調子はいいなというのは、こっちも感じていましたし。でも、チームとして、最後までゼロでいかせたというのは課題かなと思います」  --青柳も好投した  「ボールもよかったし、坂本としっかりコンビネーションを取りながら、しっかりした投球をしてくれたと思います」  --六回先頭の青柳に代打。判断は難しかったのでは  「いや、何も難しくはないです。負けているんで、追いつかないと勝ちにいけないんでね」  --エドワーズの状態は  「状態って、僕らにはまだ(目の前での)登板数が少ないのでね。けがであまり投げてなかったので、ちょっと分かっていない部分がある。1個1個のボールはいいかなと思うけど、(3ランは)四球の後の初球かな。(ストライクを)取りにいったところだったので。中身としては課題があるかなと思いますけど、まだちょっと分からないので」  --糸井が連日の複数安打  「まあ打球はあれですけど。やっぱりこういうヒット1本1本はね、選手としても、また前を向いていけますし。まあ、嘉男が上がってくれたら打線の厚みというのは出てくるので」  --大山も猛打賞  「最後の四球もしっかり内容がありましたし。いいバッティングでした」  --次のカードに向けて  「一戦必勝でずっとやっていますし、まあいい感じでね、また戻ってこれるように戦っていきます」  --西勇以外の先発に白星が付かない  「もちろん先発はやっぱり勝たないと。チームとしていい形と言われるのは先発に勝ちが付いて、スアちゃん(スアレス)にセーブが付くという勝ち方がやっぱり、いい形なんでね。そこは野手としては早く点を取らないとダメだし、ピッチャーとしても責任投球回数というのかな、そういうのをしっかり投げきるというのが必要かな」

◆好投していた青柳が顔をしかめた。0-0で迎えた六回無死一、三塁。宮崎の三ゴロの間に先制点を奪われた。  「入場制限も緩和されたので、甲子園のファンの皆さんの前でしっかりとしたピッチングができるように頑張りたい」  登板前に誓った好投-。上限5000人が撤廃され、甲子園では入場者数が約1万人に引き上げられた。この日も一塁側アルプス席は大勢の虎党で埋まった。  7月27日のDeNA戦(甲子園)で6勝目を挙げてから3試合、勝ち星から遠ざかっている青柳は、虎党のメガホンによる応援を背に受けて踏ん張った。三回1死からは梶谷にこの日初安打となる左中間二塁打を許すも、ソトをスライダーで一邪飛、オースティンをツーシームで遊ゴロに。五回2死一、二塁ではソトの中前に抜けそうな打球を糸原が好捕して二塁封殺すると、マウンドで拍手でたたえた。  試合前まで今季甲子園では3勝負け知らずだった青柳。チームも9月11日の広島戦から甲子園では5連勝中だった。  「僕たちは、もう目の前の試合を勝つ、ジャイアンツへの挑戦権をつかむというところが、今やることなので」。矢野監督はDeNAに2試合連続で逆転勝ちした前日22日、気合を入れ直した。  打線は、DeNAの先発、上茶谷の緩急自在の投球に翻弄された。六回、青柳の代打で登場した荒木が今季初安打となる左前打を放つも無得点。2番手のエドワーズが七回、ソトに3ランを浴び、4点差に広げられた。(三木建次)

◆阪神・荒木が472日ぶりの安打を放ったが、悔しい盗塁死で実らなかった。六回先頭で青柳の代打。追い込まれながら、上茶谷のチェンジアップを左前に運んだ。今季4打席目で初安打。昨年6月9日の日本ハム戦(甲子園)以来のHランプを灯したが、続く近本の空振り三振と同時に二盗失敗で併殺を奪われた。タッチよりも一瞬早くベースに届いたようにも見え、すぐに猛アピール。矢野監督がリクエストも、判定は変わらなかった。

◆青柳は6回2安打1失点の好投も打線の援護に恵まれず6敗目。昨年9月11日のヤクルト戦から続いていた甲子園での連勝も「5」で止まった。「立ち上がりはよかった。六回は四球を出してからの失点だったので、もったいなかったし、反省すべき投球になってしまった」。六回に先頭打者への四球から無死一、三塁のピンチを招き、宮崎の三ゴロの間に失点。これが決勝点となり自身3連敗となった。

◆糸井が0-4の七回先頭で左前へ。九回1死からも左前にポテンと落ちるヒットを放った。3試合連続のマルチ安打で打率・261まで上昇。矢野監督は「打球はあれ(どん詰まり)ですけど、こういうヒットの一本一本で、選手はまた前を向いていけますし。嘉男(糸井)が上がってくれたら打線の厚みは出てくる」と期待を込めた。

◆阪神・サンズは3三振、1併殺で2試合連続無安打。七回無死一塁ではカットボールを鋭く打ち返したが、三塁正面を突いた。このカードは21日の第1戦の第1打席で左前適時打を放った後、11打席無安打(1敬遠)に終わった。最近10試合は36打数6安打で打率・167、2打点。本塁打は47打席、長打は36打席も出ていない。

◆2番手のエドワーズは僅差の場面で痛恨の3ランを被弾した。0-1の七回、四球と安打で無死一、二塁とされ、ソトに初球の甘く入った変化球を左翼席へと運ばれた。矢野監督は「一個一個のボールはいいかなと思うけど(ストライクを)取りにいったところ(での3ラン)だったので。中身としては課題があるかなと思う」と厳しい表情。今季登板3試合目で初失点を記録した。

◆阪神・大山が8月28日の広島戦(マツダ)以来、今季4度目の猛打賞(3安打)&1四球で、4打席すべて出塁した。二回1死で右前打。五回先頭で右前打を放つと、七回2死から左前打。さらに、九回2死一塁で四球を選んだが、続く6番・ボーアから4打席とも快音は聞かれなかった。矢野監督は「最後の四球も、しっかり内容がありましたし。いいバッティングでした」と大山をねぎらった。

◆厚い貯金5の壁-。阪神はDeNAに0-4で今季初めて甲子園で完封負けを喫し、聖地での連勝が5で止まった。勝てば今季最多の貯金5だったが、3度目の挑戦もはね返され、首位巨人とは今季最大タイの11・5ゲーム差。試練の9連戦は4勝5敗で負け越したが、25日のヤクルト戦(神宮)から仕切り直す。  甲子園を包んだ歓声はすべてため息に変わった。五回から八回まで4イニング連続で先頭打者を出しながら、1点も取ることができなかった。今季最多貯金5への挑戦は3度目も失敗し、矢野監督は声を落とした。  「(上茶谷は)調子はいいなというのは、こっちも感じていました。でもチームとして、最後までゼロでいかせたのは課題かなと思います」  今季3度目の対戦となった上茶谷を何度も攻め立てた。先制された直後の六回は代打・荒木が今季初安打を左前に運ぶと、指揮官も動いた。フルカウントからの7球目、近本へランエンドヒットを指示。しかし足元に食い込んできた低めのカットボールを当てられず三振を喫すると、一走も盗塁死。リクエストも実らず、三振ゲッツーで意気消沈した。  矢野監督は「チカ(近本)のところも振らされるというかね、キレがいいから振らされちゃうというか...」と上茶谷の好投を認めつつ「たらればを言いたくないけど、そういうのを言い出したらいろいろあるんでね」とグッと飲み込んだ。  七回は先頭で糸井が左前打も、サンズが三ゴロ併殺。八回は先頭の代打・原口が四球を選ぶも、福留&陽川と代打が連続で凡退。今季最多タイ3併殺で、相手を上回る6安打も意味をなさず。頼みの主砲も代打の切り札も、すべて不発で指揮官もどうしようもなかった。  今季甲子園では34試合目にして初の完封負け。聖地での連続試合本塁打が8、連勝は5でストップした。「チームとしていい形といわれるのは先発に勝ちが付いて、スアちゃん(スアレス)にセーブが付くという勝ち方がやっぱり、いい形なんでね」。先発投手に6戦連続で白星が付いていない。  「一戦必勝でずっとやっていますし、まあいい感じで、また(甲子園に)戻ってこられるように戦っていきます」  矢野監督は懸命に前を向いた。首位巨人が勝ち、今季最大タイの11・5ゲーム差。貯金5を壁としていては、いつまでたってもGの背中が見えてこない。(大石豊佳)

◆DeNAの上茶谷大河投手(24)が23日の阪神18回戦(甲子園)で、6安打完封勝利。今季チーム初完封で、4-0での勝利に貢献した。今永、平良の左右の先発両輪を欠く中で、2年目右腕が奮闘。チームの連敗を「3」で止め、勝率を再び5割に戻した。  最後の力を振り絞った。九回2死一、二塁、内角低めに沈むカットボールで、ボーアを空振り三振。「アッパーしようと思った」という渾身のガッツポーズを見せた。「高校(京都学園)以来」となる144球の熱投。今季2勝目は、自身2度目の完封勝利で飾った。  「(体が)パンパンですね。まさか(完封)できると思っていなかった。最後、抜けかけた気持ちを締め直せたので、達成感はすごくある」  伸びのある直球を低めに集め、同じ軌道から落とす変化球も決まり、自己最多の10奪三振。終盤になっても勢いは衰えず、三塁すら踏ませない圧巻の投球を披露した。  2年目の今季、開幕直前に右肘の炎症で出遅れた。焦りたくなる気持ちをグッとこらえ、課題だった体の柔軟性を高めた。開脚しての前屈、最初は肘も床につかないほどだったが、毎日少しずつ努力し、今では「頭までつくようになりました!」と胸を張った。  オフには初めて車も購入。スポーツカーを選んだが「全くスピードは出しません。ずっと"エコモード"です」。どんなことがあっても道を急がず、着実に成長の一途をたどってきた。  8月31日に24歳となり、9月は4戦28イニングを投げて4失点と安定。「昨年は夏バテしたので、今年はこのまま一つでも多く勝てるように」と上茶谷。春は中止となった東都大学野球リーグも開幕。母校・東洋大の後輩にも勇気を与える快投だった。(浜浦日向) ★特技はモノマネ  完成度の高いモノマネが特技の上茶谷。サンスポ特別版「BAY☆スタ」の最新号(第18号、アマゾン、サンスポe-shopなどで発売中)では、新企画「教えて! 上茶谷先生のものまね講座」もスタートした。今季は一緒にいる時間も多かった井納のモノマネを習得。本人に披露したところ「『似ているけど、なんかムカつく』って言われました」と笑顔で明かした。

◆六回まで2安打1失点の先発・青柳を、奇跡の逆転Vのために勝ち続けなければいけない状況から、点を取るために交代させざるを得なかった矢野監督は断腸の思いであっただろう...。監督はつらいのお~(涙)  コラー! エドワーズ!! 0-1で七回にマウンドに上がり、倉本にいきなりヒットを許し、梶谷に四球。そして全てをぶち壊すソトへの初球3ラン...。レフトスタンドへ飛んで行く白球が、阪神に契約を切られてアメリカへ向かうエドワーズを乗せた航空機とダブったわー!!  おまけにここに来てなんで~? 頼れる助っ人の4番・サンズが突如のスランプに~?  3安打を打ったものの大山の打球も上がらない? あの~、もし2人ともホームランキングを意識してのことなら、その時点でタイトルは厳しいから!!

◆まさかの完封負けだった。あれだけ打ちまくっていたサンズはどうしちゃったの? 点を取るチャンスがあったような気がするけど? 失点は防げなかった? 教えて、代打の神様! 阪神OBの八木裕氏(55)=本紙専属評論家=に、虎党を代表して編集委員・上田雅昭が迫った。  上田 甲子園で連続試合本塁打や~なんて騒いでいたらあっけなく完封負け。気になるのは4番サンズの不振です。  八木 調子が悪いのは確か。相手の配球が変わってきているとか、攻め方が違っているというのではなく、自身の状態が悪くなって、それにイライラして、集中力も欠けてきている。  上田 あれだけチャンスに強いといわれてきた打者が、この試合は3三振1併殺打。最近5試合は19打数2安打。本塁打はもう11試合も出ていません。ずっと調子がいい打者なんていないのは分かっていますが。  八木 24日は試合がないですよね。ゆっくり休んで、リラックスして。周囲もどれだけうまく心のケアをしてあげられるか。本当は1試合ぐらい休むのも一つの方法ではある。ただ、4番打者を外すことはなかなか難しい。ベンチがどう判断するか。  上田 サンズの不振は理解しますが、最近の打線を見ていたら、完封されるとは思いませんでした。  八木 勝敗を分けたポイントは1点を追う六回無死一塁からの近本の打席。フルカウントからボール球を振ってしまい三振ゲッツーになってしまった。  上田 選んでいたら無死一、二塁。続く糸原が送りバントで...。  八木 そう。二、三塁から、相手内野は後ろに守るから、同点になる確率は高かった。同点なら七回はエドワーズではなく、岩貞が投入できて...。あの1球を見送れるかどうか、でした。1球で流れが変わる野球の難しさ、面白さ。近本には期待するからこそあえて指摘はしたい。  上田 投手陣も踏ん張っていましたからね。  八木 守りで指摘するのは六回無死一塁から青柳が佐野に右前打を浴びたシーン。初球内角でボール。2球目もまた内角へうまく打たれた。配球に絶対の正解はないが、違った攻めなら、違った展開になっていた。今、梅野がいない。だからこそ、坂本に頑張ってほしい。そんな気持ちが強い。  上田 巨人との差はありますが、今が踏ん張りどころですよね。  八木 その通り。いかに気持ちを切らさずに頑張れるかです。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
51254 0.671
(↑0.004)
M28
(↑2)
40380
(+7)
272
(+3)
102
(+2)
49
(-)
0.259
(↑0.001)
3.280
(-)
2
(-)
阪神
40374 0.519
(↓0.007)
11.5
(↓1)
39347
(-)
325
(+4)
84
(-)
49
(-)
0.245
(↓0.001)
3.530
(-)
3
(-)
DeNA
39395 0.500
(↑0.006)
13
(-)
37355
(+4)
325
(-)
84
(+1)
21
(-)
0.267
(↓0.001)
3.730
(↑0.05)
4
(-)
中日
38405 0.487
(↑0.006)
14
(-)
37290
(+11)
339
(+5)
48
(+1)
20
(+1)
0.244
(↑0.002)
3.800
(↓0.01)
5
(-)
広島
30428 0.417
(↓0.006)
19
(↓1)
40349
(+3)
396
(+7)
81
(+1)
34
(-)
0.266
(↓0.001)
4.600
(↓0.04)
6
(-)
ヤクルト
30456 0.400
(↓0.005)
20.5
(↓1)
39345
(+5)
409
(+11)
80
(+2)
45
(-)
0.252
(-)
4.640
(↓0.09)