DeNA(☆6対0★)巨人 =リーグ戦13回戦(2020.09.18)・横浜スタジアム=
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巨人
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DeNA
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勝利投手:井納 翔一(6勝4敗0S)
敗戦投手:戸郷 翔征(7勝4敗0S)

本塁打
【DeNA】オースティン(6号・3回裏3ラン),梶谷 隆幸(12号・5回裏ソロ)

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◆投打のかみ合ったDeNAが完勝。DeNAは2回裏、倉本の適時打で2点を先制する。続く3回には、オースティンが3ランを放ち、リードを広げた。投げては、先発・井納が6回2安打無失点の好投で今季6勝目。敗れた巨人は、先発・戸郷が6失点と振るわず、打線も無得点と沈黙した。

◆DeNAネフタリ・ソト内野手(31)は通算319試合に出場して99本塁打。出場320試合で100本塁打到達となれば、91年デストラーデ(西武)の308試合に次いで6位のスピード記録となる。本拠地で節目の1発を打てるか。

◆巨人坂本勇人内野手(31)、岡本和真内野手(24)が、3試合ぶりにスタメン復帰した。坂本は軽い体調、岡本は軽い腰痛から回復した。右膝違和感から復帰したパーラが、昇格即スタメンに名を連ねた。 1回、先頭で打席に立った坂本は1ストライクからのスライダーを中飛に終わった。2死後、パーラは空振り三振に倒れた。

◆巨人戸郷翔征投手(20)が、自己ワースト失点となる5回8安打6失点でKOされた。 広島森下と新人王を争う2年目右腕は、2回に倉本に先制の2点適時打を浴び、3回にはオースティンに3ラン。5回には梶谷のソロで6点目を許した。過去ワースト失点は、4日の阪神戦で喫した5失点だった。

◆不振にあえぐ「ハマのオースティンパワーズ」がさく裂したぞ。DeNAタイラー・オースティン内野手(29)が、22打席ぶりの安打となる6号3ランを放ったぞ。7勝をマークし新人王候補筆頭の巨人戸郷の失投を逃さなかったぞ。 2点リードの3回無死二、三塁。カウント0-2で追い込まれながら、高めに浮いた134キロスライダーをガツン。長~い、長~い、滞空時間で「I☆YOKOHAMA」のビッグフラッグがなびく右中間席に運んでやったぞ。 ちなみに...監督ラミちゃんは試合前に復調を予感していた。「横浜スタジアムだとかなりいい数字を出している。もちろん、今はスランプで結果が出ていないが、持ち直して打ち始めてくれればと思う」。打率3割7分8厘(チームトップ)、4本塁打、12打点と、読み上げた数字は本拠地に限った打撃成績。データを活用する際に球場別の成績は特に重視する。"数字は裏切らない"を証明した。 オースティンは「早いイニングで追加点を奪うことができてうれしいです。追い込まれていたので、とにかく前に飛ばすことを意識しました」とコメント。前に飛ばすどころか、大きな放物線で遠くまで飛ばしてやったぞ。 トラックマンデータは以下の通り。 【打球速度】169キロ 【打球角度】40度 【推定飛距離】128メートル 【最高到達点】44メートル ※昨季、横浜スタジアムで出たホームランの平均速度は160キロ、平均飛距離は119メートル

◆巨人小林誠司捕手(31)が、1軍昇格即代打で出場した。 6点を追う8回1死。DeNA石田と対戦し、カウント1ー2からのフォークボールに空を切った。8回裏の守備からはマスクもかぶった。原監督は「やっぱり、小林は小林の非常にいいムードを持っていますよね」と評した。 小林は開幕3戦目の6月21日の阪神戦(東京ドーム)で死球を受け、左尺骨を骨折し、戦列を離れた。ファームで長期のリハビリを経て、この日から1軍に合流した。 ▽巨人原監督(6月21日以来の1軍復帰になった小林に)「やっぱり小林は小林の、非常にいいムードを持ってますよね」

◆DeNAが2回に倉本の2点適時打で先制。3回にはオースティンが3ランで追加点。先発井納は3回まで無安打投球。 DeNAは5回、梶谷の12号ソロで引き離す。井納は6回2安打無失点で降板。巨人は先発戸郷は5回6失点でKOされた。 DeNAはパットン、石田、三上とつなぎ無失点勝ち。巨人は投打がかみ合わず、2戦連続の無得点で連敗を喫した。 DeNA井納が6勝目。巨人戸郷は4敗目。

◆首位の巨人が、今季初の2試合連続完封負けで連敗を喫した。 7-6で勝利した16日の阪神戦の6回からの3イニング、17日の同戦では西勇に完封負け。この日はDeNAに無失点リレーを許し、21イニング連続で無得点に終わった。 坂本が「1番遊撃」、岡本が「4番三塁」で3試合ぶりにスタメン復帰。パーラが昇格即「3番右翼」でスタメンに名を連ねたが、散発3安打で沈黙した。守備でも、先発戸郷が5回6失点と乱調だった。 原監督は「5回までに6点か、ちょっと重いね。できたてホヤホヤのピッチャーであるが、順調に来ているという点では相手チームは完全に敵とみなしながら戦っているわけだから。やっぱり研究もしているし、その上をいかないといけない。今年だけあるチャンスという点では新人王というのがあるわけだからね。(獲得するには)越えなきゃいけないところだし。本人が調整してくるでしょう」と奮起を期待した。

◆巨人戸郷翔征投手(20)が、自己ワーストとなる5回8安打6失点でKOされた。 広島森下と新人王を争う2年目右腕は、2回に倉本に先制の2点適時打を浴び、3回にはオースティンに3ラン。5回には梶谷のソロで6点目を許した。過去ワースト失点は、4日の阪神戦で喫した5失点だった。 4敗目を喫し「流れを変えるような投球をしたいと思って、マウンドに上がりました。3回の本塁打を防ぐことができれば、もっといい試合にできたと思うので悔しいです」とオースティンの1発を悔やんだ。

◆「ハマの宇宙人」なら奇跡を起こせるかもしれない-。DeNA井納翔一投手(34)が首位巨人との3連戦初戦に先発。6回2安打無失点の快投で6勝目をマークした。 プロ入り直後から奇想天外な発言、行動を連発し「宇宙人」の愛称で親しまれてきた。わずか78球での降板理由は「ホットクリームを塗りすぎた」と珍回答。予測不能な大型右腕が、12ゲーム差で追う巨人の独走に待ったをかける。大量6点リードの井納に異変が起きた。6回先頭の代打立岡にストレートの四球を与え、どことなくボールが先行する。2死三塁までこぎ着け、パーラを147キロ内角直球で二ゴロに打ち取った。無失点で乗り切り意気揚々とベンチに引き揚げるかと思ったら、右肘をさすり、表情を曇らせる。心配そうにトレーナーも駆け寄る。7回の打席で代打を送られて降板。スタミナ型の大型右腕が78球でマウンドを譲った。 チームトップタイの6勝目を挙げ、勝ち頭にアクシデントか。ラミレス監督は「いや、まったく問題ない。そういうことをするのが井納なので。『2軍に行くか?』って聞いたら『大丈夫です』と。そんな感じだった」。クエスチョンマークが宙に浮かぶ。井納本人が詳細を言及した。「5回に着替えたんですが、ホットクリームを塗りすぎてパーラのときに耐えられなくて腕が動いてしまった」。なんとも紛らわしいしぐさも、なぜか井納がゆえに愛らしい。自身プロ50勝目の節目はウイニングボールの話題まで届かなかった。 今季は「プレゼント王子」の異名も持つ。7月9日広島戦で2勝目をマークすると「10日は石川(雄洋)の誕生日なので、同級生でもあるし、お互いに1年でも長くやりたいというのもあるので、石川に渡そうと思います」。8月4日中日戦での3勝目は「2軍で頑張っている細川が誕生日なので、細川にプレゼントしたいと思います」。プロ野球選手がプロ野球選手にウイニングボールを贈るという異質なピュアストーリーを平然と敢行してきた。 実用的な備品もプレゼントしている。5勝目を挙げた8月27日広島戦のヒーロー賞で冷蔵庫が贈呈された。「キャンプ前に新しいのを買ったので母親にあげようかと思っています」と話していたが、気をよくしたのか「ブルペンの冷蔵庫が小さくて古いようなので、新しくプレゼントします」と自腹を切って追加購入した。「中継ぎの負担が多い試合が続いている」と地球人、日本人らしくチームの和を重んじる。この日は、ヒーロー賞で有機ELテレビをゲット。次はだれにプレゼントするのか。 登板前に決意を記す「マウンド作文」。マウンドとベンチの行き来は走らず平然と歩く「井納散歩」。巨人坂本のバットを完全コピーした「翔一モデル」。こだわりがあるのか、ないのか、よく分からない。首位巨人の背中は遠い。1強のセ界が続けば、ペナントレースの火が早々に消える。「ハマの宇宙人」には想像を絶する奇跡を期待してしまう。【為田聡史】 ▽DeNA倉本(2回1死二、三塁で先制の右前2点適時打) 中井さんがバントでつないでくれて、いい流れで打席に入ることができた。 DeNA梶谷(5回に12号ソロ) うまく風に乗ってくれた。

◆4年目の巨人堀岡隼人投手が、阿部ヘッド代行直伝の新球カットボールで存在感を示した。 1軍に昇格した当日の試合に6回から登板し、2回1安打無失点。「守備に助けられました。ゼロでかえってこられたのだけは良かったです」。前回の8月6日阪神戦では1イニングもたず、7失点と打ち込まれ、野手・増田大にマウンドを譲った。宮本投手チーフコーチは「阿部イズム。ファームで教えていたものが出せたというところ」と評価した。

◆投打のかみ合ったDeNAが快勝。2回に倉本の2点適時打で先制すると、3回にはオースティンの6号3ランで加点。5回は梶谷の12号ソロでリードを広げた。先発の井納は6回無失点の好投で6勝目。7回以降は完封リレーでつないだ。巨人は先発・戸郷が5回6失点と誤算。打線もわずか3安打と沈黙し2連敗となった。

◆巨人は球団史上初となる「2試合連続6失点以上の完封負け」で、優勝マジックは35のままになった。坂本、岡本が3試合ぶりにスタメン復帰し、右膝違和感で離脱したパーラ、開幕3戦目の死球で左尺骨を骨折した小林も1軍に復帰したが、計3安打に終わった。今季初の2試合連続完封で連続無得点は同ワーストの21イニングとなり、8月23日以来の連敗を喫した。 先発戸郷はプロ入り後自己ワーストの6失点で降板。原監督は「5回までに6点、ちょっと重いね」と言い「できたてホヤホヤのピッチャー。しかし順調に来ているという点では、相手チームは完全に敵とみなして戦っている。研究もしている。その上をいかないといけない」と指摘した。 2回は死球を与えた直後の1死二、三塁から、内角を狙った直球が甘く入った。「デッドボールが頭に浮かんだなら、ピッチャーとしてどうなのか」と強い気持ちを求めた。今季7勝を挙げるが、ライバルの広島森下は1勝差に迫る。原監督は「今年だけあるチャンスという点では新人王がある。超えなきゃいけないところ。本人が調整してくるでしょう」と期待した。【前田祐輔】 ▽巨人宮本投手チーフコーチ(6失点の戸郷に)「プロとしてやってはいけないセオリー、注意深さが足りなかったかな。2ナッシングから打たれたり、倉本に1球目空振り取って、2球目に甘く入ってタイムリー。一塁が空いているから、次の8番、9番でもいい」 ▼巨人は17日阪神戦の0-11に次いで2試合連続完封負けを喫した。巨人の2試合連続完封負けは19年8月25日DeNA戦(0-3)同27日広島戦(0-2)以来だが、2試合連続6失点以上で完封負けは球団史上初。

◆「ハマの宇宙人」なら奇跡を起こせるかもしれない-。DeNA井納翔一投手(34)が首位巨人との3連戦初戦に先発。6回2安打無失点の快投で6勝目をマークした。 プロ入り直後から奇想天外な発言、行動を連発し「宇宙人」の愛称で親しまれてきた。わずか78球での降板理由は「ホットクリームを塗りすぎた」と珍回答。予測不能な大型右腕が、11ゲーム差で追う巨人の独走に待ったをかける。大量6点リードの井納に異変が起きた。6回先頭の代打立岡にストレートの四球を与え、どことなくボールが先行する。2死三塁までこぎ着け、パーラを147キロ内角直球で二ゴロに打ち取った。無失点で乗り切り意気揚々とベンチに引き揚げるかと思ったら、右肘をさすり、表情を曇らせる。心配そうにトレーナーも駆け寄る。7回の打席で代打を送られて降板。スタミナ型の大型右腕が78球でマウンドを譲った。 チームトップタイの6勝目を挙げ、勝ち頭にアクシデントか。ラミレス監督は「いや、まったく問題ない。そういうことをするのが井納なので。『2軍に行くか?』って聞いたら『大丈夫です』と。そんな感じだった」。クエスチョンマークが宙に浮かぶ。井納本人が詳細を言及した。「5回に着替えたんですが、ホットクリームを塗りすぎてパーラのときに耐えられなくて腕が動いてしまった」。なんとも紛らわしいしぐさも、なぜか井納がゆえに愛らしい。自身プロ50勝目の節目はウイニングボールの話題まで届かなかった。 今季は「プレゼント王子」の異名も持つ。7月9日広島戦で2勝目をマークすると「10日は石川(雄洋)の誕生日なので、同級生でもあるし、お互いに1年でも長くやりたいというのもあるので、石川に渡そうと思います」。8月4日中日戦での3勝目は「2軍で頑張っている細川が誕生日なので、細川にプレゼントしたいと思います」。プロ野球選手がプロ野球選手にウイニングボールを贈るという異質なピュアストーリーを平然と敢行してきた。 実用的な備品もプレゼントしている。5勝目を挙げた8月27日広島戦のヒーロー賞で冷蔵庫が贈呈された。「キャンプ前に新しいのを買ったので母親にあげようかと思っています」と話していたが、気をよくしたのか「ブルペンの冷蔵庫が小さくて古いようなので、新しくプレゼントします」と自腹を切って追加購入した。「中継ぎの負担が多い試合が続いている」と地球人、日本人らしくチームの和を重んじる。この日は、ヒーロー賞で有機ELテレビをゲット。次はだれにプレゼントするのか。 登板前に決意を記す「マウンド作文」。マウンドとベンチの行き来は走らず平然と歩く「井納散歩」。巨人坂本のバットを完全コピーした「翔一モデル」。こだわりがあるのか、ないのか、よく分からない。首位巨人の背中は遠い。1強のセ界が続けば、ペナントレースの火が早々に消える。「ハマの宇宙人」には想像を絶する奇跡を期待してしまう。【為田聡史】 ▽DeNA倉本(2回1死二、三塁で先制の右前2点適時打) 中井さんがバントでつないでくれて、いい流れで打席に入ることができた。 DeNA梶谷(5回に12号ソロ) うまく風に乗ってくれた。

◆DeNA井納が6回2安打無失点の快投で6勝目をマーク。わずか78球での降板理由は「ホットクリームを塗りすぎた」と珍回答。アレックス・ラミレス監督のコメント。 「いや、まったく問題ない。そういうことをするのが井納なので。『2軍に行くか?』って聞いたら『大丈夫です』と。そんな感じだった」

◆DeNAのタイラー・オースティン内野手(29)が「3番・右翼」で先発出場すると、2-0の三回の第2打席で貴重な6号3ランを放った。  「早いイニングで追加点を奪うことができうれしいです。追い込まれていたので、とにかく前に飛ばすことを意識していました」。無死二、三塁で打席に立つと、2ストライクから巨人・戸郷のスライダーを右中間席へ運んだ。  脳しんとうから12日の中日戦で1軍復帰。その第1打席で本塁打を放ったが、その後は快音がなく、この日の第1打席まで21打席連続無安打だった。  ラミレス監督は前日17日に2番からの打順降格も示唆していたが、試合前に「横浜スタジアムでは打率・378、4本塁打、12打点で、他の選手と比べても高い数字を残しているので3番にした。皆さんもご存じのようにスランプでヒットがでていませんが、ここから持ち直してくれたら」と、球場との相性の良さと復調への期待を込めて3番で起用。助っ人も見事にこたえた。

◆DeNAが快勝した。先発・井納が6回2安打無失点の好投で6勝目(4敗)。2連敗中のチームを勝利へ導いた。  DeNAは二回に倉本の右前2点適時打で先制。三回は先頭の梶谷、ソトが連打でつなぎ、不振のオースティンに6号3ランが飛び出し5ー0とした。  さらに五回は梶谷の12号ソロで追加点。投げては先発・井納の後を継いだパットン、石田が巨人打線を無安打に抑え、九回にはこの日出場選手登録された三上が登板。岡本に安打を許したものの、最後は丸を投ゴロに仕留め、試合を締めた。  巨人は先発・戸郷が5回6失点と誤算。打線も3安打無得点と沈黙し、2試合連続での0封負けとなった。

◆先発・井納が6回2安打無失点の好投で6勝目(4敗)。2連敗中のチームを勝利へ導いた井納は、お立ち台で「バランスがとてもよく、いいボールが投げられて、嶺井(捕手)のリードにしっかりと応えることができました」と振り返った。  六回、自らの暴投などで2死三塁のピンチを迎えたが、巨人・パーラを二ゴロに抑えて切り抜けた。「ベンチに下がる際、肘が痛そうに見えたのですが大丈夫ですか」と質問されると、「五回に着替えていたんですけど、ホットクリームを塗り過ぎてパーラのときにすごい熱くなった。ちょっと耐えられなくて腕が動いてしまった」とユーモアのある回答でファンを安心させた。最後に「若い子に負けないように一試合一試合やるだけ。ゲーム差も結構離れてますけど。勝つだけだと思って一球に集中して投げたのが今日はよかった。来週もしっかりと攻撃のリズムをつくって勝てるようにやっていきたい」と勝利を誓った。

◆巨人は散発3安打と打線が抑え込まれて2試合連続で零敗を喫した。前日17日は阪神の西勇に完封勝利を許し、この日は井納ら4投手を打ち崩せずこれで21イニング連続無得点。首位を独走する中、小休止となった。  大事を取って欠場していた坂本、岡本は3試合ぶりに先発出場したが、機能しなかった。原監督は「ちゃんと時間を取ったつもりですから」と奮起を期待した。

◆DeNAが巨人に初もの尽くしで快勝した。  今季5度目の同一カード3連戦となったが、初戦を勝ったのは初。巨人相手の6得点は今季最多で、投手陣(井納、パットン、石田、三上)が巨人打線を0点に抑えたのも初めてだった。本拠地・横浜スタジアムでも巨人から初勝利となった。  ラミレス監督は試合後、「非常に大きい勝利。あすがすごく重要になる。この勢いを止めるわけにはいかない」と、気を引き締めていた。

◆0-11と大敗した前日17日の阪神戦(東京ドーム)からの流れを変える投球はできなかった。巨人の先発、戸郷は5回8安打、自己ワーストの6失点で降板した。  一回を三者凡退に仕留めたものの、二回に安打、死球などでピンチを作り、倉本に右前への2点打で先制を許した。三回も無死から梶谷、ソトに連打され、無死二、三塁で3番・オースティンに、高めに浮いたスライダーを右中間席へ運ばれる3ランを被弾。五回にも梶谷に右越えソロを浴びた。  高卒2年目にして先発ローテを引っ張る存在に成長した。「期待されている分、しっかりその責任を果たさないといけないので、その責任が強くなっています」。ここまで7勝3敗と、期待に応えてきた。8月は4戦4勝、防御率0・37の大活躍だった。  しかし9月は、この日も含めた3試合で勝ち星なし。プロ最多の116球で7回1失点ながら勝ち負けがつかなかった前回11日のヤクルト戦(東京ドーム)に続き、8勝目はならなかった。新人王を狙う右腕が、正念場を迎えている。  一方の打線は体調不良の坂本と腰痛の岡本、さらに右膝の故障が癒えて1軍に戻ったパーラがスタメンに復帰。しかし、三回までパーフェクトに封じられるなど、井納の前に沈黙。戸郷を援護できなかった。  8月21-23日の広島戦(マツダ)での3連敗以降は連敗がなかった絶好調の原巨人。首位独走の勢いが、わずかに衰えている。(谷川直之)

◆巨人は昨年8月25日のDeNA戦(東京ドーム)、同27日の広島戦(同)以来となる2戦連続零封負けを喫した。コンディション不良を訴えていた坂本、岡本がともに3戦ぶりにスタメンに復帰したが、わずか3安打。「打線が沈黙した」との質問に、原監督は「そうですね」と険しい表情だった。

◆井納が6回2安打無失点の見事な投球で、大貫に並ぶチームトップの6勝目、プロ8年目で通算50勝目を挙げた。低めに集める丁寧な投球で、「全体的にバランスが良かったのでストレートが走り、変化球も思っていたボールを投げられました。序盤からイニングの先頭打者を抑えることでリズムを作れたことはよかったです」と、満足そうに振り返った。

◆新人王への正念場だ。巨人・戸郷翔征投手(20)は5回8安打、自己ワーストの6失点で4敗目(7勝)。9月は3試合で0勝2敗と苦しむ高卒2年目右腕に、原監督がハッパを掛けた。  「できたてホヤホヤの投手だが、相手は完全に(戸郷を)敵と見なしながら戦っている。研究もしているし、その上をいかないと。新人王は今年だけあるチャンス。そういう人たちを超えなきゃいけないところ」  首脳陣が指摘した課題は2点。二回、宮崎に死球を与えた影響か、その後の倉本への内角球が甘く入り先制の2点打を許した。三回にはカウント0-2と追い込みながら、オースティンに3ラン。戸郷は「本塁打を防ぐことができれば、もっといい試合にできた。悔しい」と猛省した。  セ・リーグの新人王争いは3学年上で6勝(2敗)を挙げる広島D1位・森下(明大)が最大のライバルとなる。「森下さんも勝っているので僕も負けじと」という戸郷。試練を乗り越えた先に、栄冠がある。(谷川直之)

◆セ・リーグ3位のDeNAは18日、巨人13回戦(横浜)に6-0で快勝し、連敗を2で止めた。タイラー・オースティン内野手(29)が、2-0の三回に右中間スタンドへ22打席ぶりの安打となる6号3ランを放ち勝利に貢献。打撃不振でも打順を「3番」に上げる策が的中した。首位・巨人とは11ゲーム差あるが直接対決も11試合を残しており、アレックス・ラミレス監督(45)は「希望はある」と言い切った。  わずかに残る希望をつなぐ放物線が描かれた。オースティンが復調を予感させる大きな一発を放った。  「追い込まれていたので、とにかく前に飛ばすことを意識していました」。2-0の三回無死二、三塁で戸郷の134キロのスライダーを強振。打球は風にも乗り、右中間スタンドではねた。  脳振とうから復帰した12日の中日戦の第1打席で本塁打を放ったが、それ以降はこの日の第1打席まで21打席連続無安打、8三振と苦戦。来日1年目、米大リーグ通算33本塁打の大砲も「調子が良くないことは感じていた」と振り返る。  しかし、復帰翌日から任せていた「2番」からの打順降格を考えていたラミレス監督は、打率・375、5本塁打、13打点と好成績を残す横浜スタジアムとの相性を踏まえ「3番」に昇格させる"逆張り"。これが見事に的中した。  チームは巨人戦で今季最多となる6得点。ハマスタで対巨人初勝利を挙げた。先発の井納を筆頭に4人のリレーで零封と投打がかみ合った。首位・巨人とはまだ11ゲーム差あるが、直接対決も最多の11試合残る。うち8試合が今季21勝17敗のホーム。指揮官も「非常に大きい勝利。まだ希望はある。明日がすごく重要になってくる。この勢いを止めるわけにはいかない」と前を向いた。  19日からはハマスタの観客数上限が5000人から1万6000人に緩和される。ミラクルを信じる心強い後押しを受け、勝利を積み重ねる。(湯浅大) ★ハマスタ新名物  DeNAは、19日から1万6000人に観客数の上限を緩和。今季新設された左翼後方の「ウィング席」を公式戦で初めて開放する。29日には"新グルメ"も登場。横浜スタジアムのバックスクリーン下に、ハンバーガーをメインに提供する新店舗「BALLPARK BURGER &9」=イラスト=がオープンする。

◆巨人戦はもう、一つも落とせない。DeNAがその決意を、実行に移してくれた。  二回の先制点は下位打線から生まれた。それも無死一、二塁で6番・中井が送りバント。普段、めったに採らない作戦には、この試合の位置づけがそのまま表れている。  中井も定石通り三塁手に捕らせるよう、うまく転がし、二、三塁。すかさず倉本が右前2点打で応えた。すんなりバントを決め、タイムリーでかえせると、攻撃はスムーズに流れていくものだ。  三回にオースティンが戸郷の失投、真ん中高めに抜けたスライダーをミスショットすることなく仕留めたのも、まさによどみない攻撃のリズムだった。  井納も6回を見事に抑えた。140キロ台のスピードが出る、本物のカットボールがさえて、縦の変化も横の変化も使えていた。今永と平良が抜けた今、間違いなく先発陣を支えている。  巨人戦は残り11試合。この日のように先発が試合を作り、打線も流れるように援護点を取れば、結果はおのずとついてくる。再びチャンスが出てくるまで、あきらめてほしくない。 (本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
47244 0.662
(↓0.009)
M35
(-)
45352
(-)
255
(+6)
95
(-)
45
(-)
0.256
(↓0.002)
3.290
(↓0.04)
2
(-)
阪神
38344 0.528
(↑0.007)
9.5
(↑1)
44333
(+8)
307
(+4)
81
(+3)
49
(+1)
0.247
(↑0.001)
3.570
(↓0.01)
3
(-)
DeNA
37365 0.507
(↑0.007)
11
(↑1)
42338
(+6)
308
(-)
77
(+2)
18
(-)
0.271
(-)
3.780
(↑0.05)
4
(-)
中日
33405 0.452
(↓0.006)
15
(-)
42259
(+4)
328
(+8)
44
(-)
19
(-)
0.240
(-)
3.910
(↓0.04)
5
(-)
広島
29388 0.433
(↓0.006)
16
(-)
45330
(+5)
364
(+14)
77
(+2)
31
(-)
0.266
(-)
4.490
(↓0.14)
6
(-)
ヤクルト
29416 0.414
(↑0.008)
17.5
(↑1)
44327
(+14)
377
(+5)
72
(+3)
45
(-)
0.254
(↑0.002)
4.520
(-)