阪神(☆3対1★)広島 =リーグ戦16回戦(2020.09.12)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
30000000X3801
勝利投手:秋山 拓巳(5勝1敗0S)
(セーブ:スアレス(1勝0敗15S))
敗戦投手:遠藤 淳志(2勝3敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(18号・1回裏3ラン)

  DAZN
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◆阪神が3連勝。阪神は初回、2死一二塁の好機から大山の3ランで先制する。投げては、先発・秋山が8回途中1失点の好投。その後はガンケル、スアレスの継投でリードを守り、秋山は今季5勝目を挙げた。敗れた広島は、打線が散発の6安打1得点と振るわなかった。

◆阪神は4連勝中の秋山拓巳投手(29)が先発。同投手の広島戦は昨季まで通算2勝6敗だったが、今季は4試合で2勝0敗、防御率1・93。 鈴木誠を9打数2安打、松山を10打数2安打に抑えるなど、同カードで好成績を残している。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が秋山拓巳投手(29)、広島が遠藤淳志投手(21)。 阪神は2試合連続で捕手梅野が「2番」スタメン。前日11日の同カードでは、チーム18年ぶりとなる「2番捕手」で先発出場し、ダメ押し弾を放つなど起用に応えた。今季、広島相手に4戦2勝と相性のいい秋山のリードにも注目で、梅野が攻守にカギを握る。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が先制3ランを放った。 初回、先発遠藤から2死一、二塁の好機をつくり、5番大山が一振り。高め142キロ直球を捉え、バックスクリーン左に運ぶ18号豪快弾。 「初回のチャンスの場面でしたし、昨日はチャンスで打つことができていなかったので打つことができて良かったです。いいスイングができましたし、先制点を取ることができて良かったです」 先発秋山に大きな援護点をプレゼントした。本塁打数ではチームメートのサンズと並んでリーグ2位に浮上。1位の巨人岡本(19本)まで1本差とした。

◆先発の広島遠藤淳志投手(21)が、5回途中で緊急降板した。 2死二塁からサンズを打席に迎え、2ボールからの3球目を投げた際に、下半身を気にするそぶりをみせた。沢崎投手コーチとトレーナーがマウンドに駆け寄ったが、そのまま続投。しかしサンズを四球で歩かせたところで、治療のために1度ベンチに下がった。その後マウンドに戻ったものの、1球投球練習を行い、降板となった。なんらかのアクシデントがあったとみられる。この日は初回に大山に18号3ランを浴びるなど、4回2/3を投げ5安打3失点だった。

◆阪神が先発秋山拓巳投手(29)の好投で3連勝に延ばし、今季最多タイの貯金3とした。1回、大山悠輔内野手(25)の18号先制3ランが効果的で、秋山は8回途中1失点で、今季5勝目を挙げた。広島戦4連勝で2位をキープ。今季、甲子園では20勝10敗3分けの貯金10に乗せた。本拠地で好調を維持して、週明け15日からの首位巨人戦(東京ドーム)にチャレンジしたいところだ。

◆阪神先発の秋山拓巳投手(29)が、8回途中5安打1失点と好投した。 今季4戦2勝と好相性の広島打線に対し、持ち味である丁寧な投球を披露。走者を出しても連打を許さず、7回まで散発5安打無失点に抑えた。3点リードで7回まで76球と、完封も視野に入ってきた8回。先頭の8番田中広にこの日初めての四球を与えると、続く代打大盛にも四球。ここで矢野監督が交代を決断した。秋山は約1カ月ぶりの白星となる5勝目の権利を持って、救援陣にマウンドを託した。 この回は2番手ガンケルが1点を返されるも、最少失点でピンチをしのいだ。

◆阪神が序盤から主導権を握った。1回に大山の18号3ランで先制。先発秋山は3回を1安打無失点と上々の立ち上がり。 阪神秋山が6回まで4安打無失点と力投。広島遠藤は5回にアクシデントで緊急降板。4回2/3を5安打3失点だった。 阪神が継投で逃げ切って3連勝。秋山は8回途中1失点で5勝目。広島は8回に菊池涼の適時打で1点を返すのがやっとだった。 阪神秋山が5勝目、スアレス15セーブ目。広島遠藤が3敗目。

◆プロ初の中5日で先発した広島遠藤淳志投手が、5回途中で下半身にアクシデントが発生して緊急降板した。 佐々岡監督は「明日になってみないと分からない。多分、大丈夫じゃないかと思う」と説明。大事には至っていない模様だ。4回2/3を投げ5安打3失点で3敗目。悔やまれたのは初回2死から浴びた大山の3ランで、3試合連続で初回失点。遠藤は「本当に反省しないといけない。迷惑ばかりかけている。中継ぎの人に負担をかけてしまって申し訳ないです」と猛省していた。

◆阪神が先発秋山拓巳投手(29)の好投で3連勝に延ばし、今季最多タイの貯金3とした。1回、大山悠輔内野手(25)の18号先制3ランが効果的で、秋山は8回途中1失点で、今季5勝目を挙げた。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -秋山は気迫が感じられた。 いや、もう本当に。気持ちも全面に出て、その中でもアキらしく丁寧に、できることをしっかりやって長いイニング投げてくれた本当にナイスピッチングでした。 -序盤から四球もなく、先頭も出さなかった もともと四球が少ない投手ですしね。点を取った後、テンポよくすいすいといってくれたので、こっちに流れがきたと思います。 -8回は仕方ない そうですね。もちろんアキにも勝たせてやりたいし、チームとして勝つこと考えても、あそこで代えるという決断をしました。 -リリーフもよく抑えた そうですね。嫌な場面だったんですけどね、ガンケルがダブルプレー取ってくれた。タイムリーは打たれましたけど、先頭打者をあのような形で取ってくれて、本当に流れが止められてと思うので。すばらしいピッチングでした。 -秋山は好投が続いている そうですね。投げる試合でゲームをしっかり作り、そして丁寧に、気持ちも前面に出して投げてくれてます。 -前日11日の試合後に奮起を促した大山が3ラン 初回の一番いい場面で、ホームランという形で打ってくれたので。悠輔にはああいう場面で打つバッター、そしてもっともっと打てるバッターだと思うので、これからもランナーを置いた時にこそね、返せるというバッティングをしてもらいたいです。 -追加点は課題か そうですね。そういう試合がちょっと続いているんで。チームとしても何とか、得点圏に走者が進んでいるんですけどあと1本というのが出ていないので。何とかあと1点、あと1点というのを取っていきたいですね。 -近本、梅野がチャンスメーク 梅野はもともとバントがうまいですし、他の作戦もできる選手。やっぱりチカが出ると相手にとってすごく嫌な状況になるので。まずはチカが出てというのがウチの野球かなと思います。 -梅野の3犠打は初球 そうですね。そこが本当に素晴らしいと思います。ファウル、ファウルで決めるんじゃなくて、一発で決めて流れがこっちに来た状態で攻められるというのは。流れがこっちにある状態で攻められるので素晴らしいバントでした。 -明日は藤浪。 晋太郎には思い切ってどんどん向かっていけばいい。小さい投球をすることなくいってくれたらいい。あとは打線が今日以上にどんどん援護してあげて、チームとして勝ってジャイアンツ戦にいけるように全力で戦います。 -秋山は球速が出なくも抑える やっぱりキレというか、アキの持ち味やし。さっきも言ったけど丁寧さっていうね。カーブを要所でうまく使えていたし、リュウ(梅野)のリードももちろんあったと思うし。そういうタイプのピッチャーなんで。 -球数考えたら最後までという選択肢は ありがちやな、そういうのな。さっきも言ったように、俺は勝つことが一番、優先だから。それでひっくり返されたらアキの勝ちもないわけだからさ。心のどこかで完封させてやりたいという気持ちももちろん持っているけど、何を一番優先させるかというと、俺の選択は勝ちだから。外から見ている人は球数だけで判断する人もいれば、いろいろあって当然だと思うし。だけど、俺は一番そこを判断してやっているんで。それがアキのためになると思っているんで。 -そういう意味でガンケルのゲッツーは大きかった めちゃくちゃでかいよね。まあ、あの1つのアウトだけだと長野、その先の鈴木誠まで回ることも考えられる状況の中で、1人目のバッターをダブルプレーっていうのは価値があったと思うし、ガンケル自身はね、菊池も抑えてっていうのがあったにしろそこが一番、後半の流れの中では一番大きかったかな。 -この打線で大山、サンズが打てば得点につながる だから1人だけでってどうしても、得点は、昨日も言ったけど多くないんで。やっぱり大山、ボーアまで続くっていうそこからの流れがないと大量得点にはなりにくいんでね。相手ももちろん、それは考えてくるわけだから、もちろん後ろを打つバッターっていうのは大事になって来るわけだし、1点じゃなく複数得点取るっていう意味でも、この打順っていうのは(後ろを打つバッターが)キーになる。間違いない。 -ボーアの状態は悪くない どうかな。好きなように判断してもらって。

◆阪神の2番手ガンケルが傾きかけた流れを引き戻した。先発秋山が8回先頭から2者連続四球を与えた場面で救援。1番ピレラを内角球で二ゴロ併殺に仕留めた。 続く菊池涼に中前適時打を許したが、傷口を最小限にとどめた。今季11ホールド目の右腕は「秋山もすごく頑張っていたからゼロで抑えたかった」と満足せず。矢野監督は渾身のダブルプレーを「後半の流れの中では一番大きかった」とたたえた。

◆阪神秋山拓巳投手(29)が堂々の自身5連勝だ。3点の援護を受けた直後の2回、4番鈴木誠からの打順を5球で3者凡退。1回も速球主体の7球で抑え、テンポの良さが際立った。 今季初のデーゲーム登板はシーズン5度目の広島戦だ。「同じようにやるスタイルではなかなか抑えられない」。試合開始からワインドアップだったが、3回だけ先頭からセットポジションで投球。4回は再び腕を振りかぶった。工夫し、梅野とのコンビもさえた。 6回1死一塁。長野を内角シュート系で詰まらせ、二ゴロだ。併殺こそ逃したが注文通りだ。同学年の梅野も「特に真っすぐが良かった。併殺を取りたい場面やフライを打たせたい時にインコース真っすぐを今日は多く要求した。要求通りに投げてくれた」と言う。 発奮材料があった。9月上旬、チームに1通の手紙が届いた。差出人は秋山の母校、愛媛・西条の野球部だ。選手らが高校3年生に贈った「甲子園の土」キーホルダーに対する感謝が記されていた。秋山も文面を読んだ。「一人一人はこれまで培った多くのものを今後の人生に生かし、前向きに顔晴ろうと決意しています」。自然と力がわいた。 秋山が投げるたびに「ウッ!」と絶叫が響く。1球入魂だった。今季広島戦は5戦3勝、防御率1・78でいまや立派なコイキラーだ。「前回、マツダで投げて以降、ちょっと良くなった感覚があった。序盤、思った以上に打者が詰まってくれていた」。6日の巨人戦先発が雨天中止になり、中12日は8回途中1失点。気迫満点で1カ月ぶりの白星をつかんだ。【酒井俊作】 ▽阪神矢野監督(秋山について)「気持ちも前面に出て、その中でもアキらしく丁寧に、できることをしっかりやって長いイニングを投げてくれた。本当にナイスピッチングでした」

◆阪神の守護神スアレスが3者凡退でリーグ独走の15セーブを挙げた。2点リードの9回、先頭鈴木誠を155キロで右飛に打ち取ると松山、堂林は威力のあるボールで連続の内野ゴロ。7試合連続無失点と抜群の安定感だ。 「秋山とガンケルが良い形でつないでくれたから、自分もすごく集中してマウンドに上がったよ。1球1球丁寧に投げることができたし、チームも勝ったので良かったね」。充実の登板を笑顔で振り返った。

◆阪神の新1、2番「チカウメ」コンビが、連日のチャンスメークだ。 1回、先頭の近本が左前打。2日連続で2番先発出場となった梅野は投犠打を決め、得点圏に走者を置いてクリーンアップに回すと、2死後に大山が先制3ラン。矢野監督は1、2番について「梅野はバントがうまいし、ほかの作戦もできる選手。チカ(近本)が出ると相手にとって嫌な状況になる。まずはチカが出てというのがウチの野球」。初回から2人は理想の形を生み出し、連日の先制劇に貢献した。 近本は5、7回にも先頭で安打を放ち、3安打。追加点とはいかなかったが、その場面でも梅野は全て送りバント成功。梅野の1試合3犠打はプロ入り最多で「チカが出塁してくれているからこその結果だと思います。その中で、ネクストから、想定される自分の役割を考えながら打席に立てている」。しかも、バントはいずれも1球で決め、矢野監督も「そこが本当に素晴らしい。一発で決めて流れがこっちに来た状態で攻められる」とたたえる内容だ。前日は2番で本塁打もマークするなど2安打。大技OK、小技もOKの脅威の2番だ。 近本は5試合連続安打で、9月初&今季7度目の猛打賞。夏場から、打撃練習の最初にスローボールを打っており「スローボールでも速いボールでも同じ打ち方をするのが僕はいいバッターだと(思っている)。どのボールであっても自分のフォームで打てるというのが狙い」。練習でも意図をもってバットを振り続ける切り込み役は、直近5試合で3度目のマルチ安打と状態を上げてきた。 「チカウメ」の1、2番コンビは、前日から同じイニングに2人が打席を迎えたとき、どちらかが必ず出塁している。規定打席に到達している中で、出塁率は梅野がチーム2位の3割7分1厘、近本が同3位で3割4分を誇る(チームトップはサンズの3割9分7厘、3番糸原は規定打席未満ながら3割4分7厘)。多くのチャンスをつくりあげ、ポイントゲッターにつなげていく。【松井周治】

◆広島が2日連続の拙攻で阪神に連敗し、借金は今季ワーストタイの「9」に膨らんだ。前夜、6連敗を食らった天敵西勇に続き、この日も秋山を攻略できずに3連敗目。4番の鈴木誠也外野手(26)は2試合連続無安打と沈黙し、ついに打率も2割台となった。チームも主砲も、苦しい戦いが続く。またしても、天敵の手のひらで踊らされた。阪神秋山を相手に凡打を重ね、7回までスコアボードに「0」が刻まれた。8回、菊池涼の中前適時打でチームとして18イニングぶりの「1」を記すのが精いっぱい。西勇に完封で6連敗を喫し、今度は秋山に3連敗。連日の貧打、拙攻に、佐々岡監督は頭を抱えるしかなかった。 佐々岡監督 昨日といい、今日といい、術中にはまっているというか...。打てないと勝てないという中で、いろいろ策を練ってはいるんだけど、なかなかつながらない。 主砲・鈴木誠が苦しんでいる。3打数無安打に倒れた前日に続き、この日も4打数無安打と沈黙した。2試合連続、9打席連続で快音なし。試合前練習で打撃ケージの真後ろから見守った佐々岡監督は「打撃練習からいろいろ考えてやっているのは見えるんだけど、それがなかなか試合で結果につながってこないという感じかな」と心配した。 今季は好スタートを切っていた。6月は9試合で打率3割4分3厘、5本塁打、9打点と圧倒。7月も25試合で打率3割4分、4本塁打、18打点と奮闘していた。だが8月は打率2割6分7厘、5本塁打、13打点とやや失速。9月は11試合で打率2割1分4厘、2本塁打、2打点と落ち込み、この日でついに今季の通算打率が2割台に突入した。指揮官は「(焦りが)あるんじゃないかな。4番としての責任を感じているだろうし、責任感が人一倍強い選手だから」と気持ちを代弁した。 チームは連敗で、借金は今季ワーストタイの「9」となった。下位に低迷するチーム状況に比例するように、主砲のバットも息をひそめる。4番が打てば、チームに活気が戻る。爆発を期待するしかない。【古財稜明】

◆阪神大山悠輔内野手(25)が決勝18号3ランを放ち、3連勝で今季最多タイの貯金3を導いた。初回の好機で広島遠藤の直球をバックスクリーン左に運ぶ会心弾。前日好機で併殺打に倒れ、矢野監督から奮起を促されていた男が1発回答を決めた。18本はサンズと並ぶチーム最多で30本ペース。阪神では85年日本一以来35年ぶりのダブル30発超えも見えてきた。キング争いも21発でトップを走る巨人岡本とTG決戦の様相だ。大山が捉えた弾丸ライナーは、グングン伸びてバックスクリーン左に飛び込んだ。初回2死一、二塁。先発遠藤の外角高め142キロを完璧に捉えた。「もう打つだけだと思っていました。今日は自分が先制打を打つという気持ちで打席に入りました」。直前の先制機で4番サンズが倒れ、視線は5番に注がれた。ここで打ってくれ。ファンの、首脳陣の思いに最高の形で応えた決勝の18号3ランだ。 前日は初回、サンズの先制打後の好機で三ゴロ併殺打。追加点を奪えなかった。矢野監督から試合後「あそこで一気にもっていける試合」と奮起を促された。勝っても心から喜べなかった夜を経て、悔しさを大事な場面の一振りに込めた。 1発回答に指揮官も笑顔だ。「一番いい場面で打ってくれた。これからもランナーを置いた時にこそ、かえせるバッティングをしてもらいたい」。終わってみればこの3ランが唯一の得点。少ない好機を捉えた価値ある一撃となった。 1年目から本塁打を7、11、14本と増やし、今季は本塁打王争いに加わる勢いだ。18本はサンズと並ぶリーグ2位で、トップの巨人岡本に3本差。キング争いもTG決戦の様相を呈してきた。現在30発ペースで、阪神から30本塁打以上が2人出れば、85年以来35年ぶりに球団史をこじ開ける。 ボールを遠くに飛ばす天性は、軟式から硬式野球に変わった高校1年からすでに光っていた。当時、つくば秀英(茨城)の監督として指導した沢辺卓己氏は「ボールをバットに乗せる技術、スピンをかける技術はすごいあった」と振り返る。投手兼野手として入学した大山は、沢辺氏の投手育成メソッドで股関節の使い方を学び、野手としての飛距離につなげた。学んだ極意を胸に、この日の1発がプロ通算50号。8回にも右翼フェンス直撃の二塁打と長打力を発揮し、2安打3打点と気を吐いた。 今季初の甲子園でのデーゲームを飾って3連勝。3カードぶりの勝ち越しを決め、今季最多タイの貯金3とした。お立ち台に立った大山は18本塁打に「まだまだ」と謙遜し、「勝利に貢献できるような一打を増やしていきたいと思います」ときりり。15日からは敵地に乗り込み、首位巨人と3連戦が控える。バットで4連勝を導き、勢いをつけて東上したい。【奥田隼人】

◆阪神大山悠輔内野手(25)が決勝18号3ランを放ち、3連勝で今季最多タイの貯金3を導いた。初回の好機で広島遠藤の直球をバックスクリーン左に運ぶ会心弾。前日好機で併殺打に倒れ、矢野監督から奮起を促されていた男が1発回答を決めた。 ▼阪神大山が先制の18号3ラン。同僚のサンズと並び、リーグ2位につける。サンズが9月6本、大山が5本と調子を上げており、シーズン30本塁打のペースだ。ともに30本以上なら、85年にバース、掛布雅之、岡田彰布、真弓明信の4人が30本を超えて以来となる。86年以降で30本塁打以上を記録した日本人選手は、04、05、07年の金本知憲だけで、生え抜きは85年の掛布、岡田を最後に出ていない。90年の八木裕、00年新庄剛志、04、05年の今岡誠があと1歩で大台を逃しているが、今季の大山は35年ぶりのクリアなるか。

◆阪神は一回、大山がバックスクリーンに18号3ランを放ち、5試合連続で先制した。  「初回のチャンスの場面でしたし、きのうはチャンスで打つことができていなかったので、打つことができてよかった。良いスイングができました」  先頭の近本が左前打で出塁すると、2試合連続で2番に座った梅野が犠打で1死二塁。糸原は死球、4番・サンズは中飛に倒れ、2死一、二塁で打席に向かうと、遠藤の142キロをたたいた。  これでサンズに並ぶチームトップの18本塁打。前日11日は3打数無安打に終わり、矢野監督から「大山にチームを引っ張っていく気持ちはあると思うが、それを結果でみせていくのがプロ」とハッパをかけられていた。見事な一発回答で応えた。

◆阪神・近本光司外野手(25)が、七回に右前打を放ち、8月21日のヤクルト戦(神宮)以来、今季7度目の猛打賞を記録した。  この日、近本が放った3本のヒットはいずれも回の先頭で出たもの。2試合連続で2番に座った梅野が、3本の犠打でチャンスメークする形となった。梅野は3本の犠打すべてを初球で決める安定感。新たな1、2番の活躍で得点圏に走者を進めた阪神だったが、クリーンアップが続かず、七回まで初回に大山が放った3ランの3得点にとどまった。

◆阪神の先発・秋山拓巳投手(29)は、7回0/3を5安打無失点でマウンドを降りた。  序盤から安定感抜群の投球を見せた右腕は、七回まで連打を許さず散発の5安打に抑えた。七回終了時点で、球数は76球と完投も狙えるペースだったが、八回に突如制球が乱れる。先頭の田中広、続く代打・大盛に連続四球で無死一、二塁。ここで、ベンチは2番手・ガンケルをマウンドに送った。ガンケルは1番・ピレラを二ゴロ併殺。菊池涼に中前適時打を浴びるも、最少失点で切り抜け、3-1とリードを守った。

◆阪神は3-1で広島に勝利し、3カードぶりの勝ち越し。3連勝で、貯金を今季最多タイの「3」とした。  大山が一回、バックスクリーンに、チームトップのサンズに並ぶ18号3ランを放ち、先制した。打線は追加点を奪えなかったが、先発した秋山が好投した。中13日での登板だったが、緩急を使い分けて広島打線に的を絞らせず、七回まで無失点。八回に連続四球を与えて降板し、2018年5月以来の完封勝利はならなかったが、7回0/3を投げて5安打1失点で今季5勝目(1敗)。九回を三者凡退に抑えたスアレスは15セーブとなった。

◆広島は打線に活気がない。前日の11日は西勇に完封を許し、この日は単打6本で八回に1点を返すのがやっとだった。佐々岡監督は「いろいろ策を練っているけれど、なかなかつながらない」と悩みが深い。  大瀬良、K・ジョンソンが離脱している先発投手陣も苦しい。遠藤は一回に大山に3ランを浴びてリズムに乗れず、五回途中に左脚の違和感を訴えた様子で降板。課題の立ち上がりにつかまり「迷惑ばかり掛けている」と声を落とした。

◆阪神は3-1で広島に勝利し、3カードぶりの勝ち越し。3連勝で、貯金を今季最多タイの「3」とした。以下、矢野燿大監督の一問一答。  --秋山は気迫が感じられた  「いや、もう本当に。気持ちも前面に出て、その中でもアキらしく丁寧に、できることをしっかりやって長いイニングを投げてくれた。本当にナイスピッチングでした」  --リリーフもよく抑えた  「嫌な場面だったんですけどね。ガンケルがダブルプレーを取ってくれた。タイムリーは打たれましたけど、先頭打者をあのような形で取ってくれて、流れを止められたと思うので。素晴らしいピッチングでした」  --前日に奮起を促した大山が先制3ラン  「初回の一番いい場面で、ホームランという形で打ってくれたので。本当に悠輔にはああいう場面で打つバッターに(なってほしい)。そしてもっともっと打てるバッターだと思うので、これからもランナーを置いた時にこそね、かえせるというバッティングをしてもらいたいです」  --梅野の3犠打はすべて初球で決めた  「そこが本当に素晴らしいと思います。ファウル、ファウルで決めるんじゃなくて、一発で決めて流れがこっちに来た状態で攻められるというのは(大きい)。流れがこっちにある状態で攻められるので素晴らしいバントでした」  --3連勝で、13日は藤浪が先発  「晋太郎(藤浪)は思い切って、どんどん向かっていけばいい。小さい投球をすることなくいってくれたら。あとは打線が今日以上にどんどん援護してあげて、チームとして勝って(15日からの敵地)ジャイアンツ戦にいけるように全力で戦います」  --ボーアの状態は  「どうかな。好きなように判断してもらって」

◆阪神の秋山が七回まで散発の5安打で無得点に抑え、先頭打者を一度も許さない快投。八回途中まで1失点で5勝目を挙げた。無走者でもセットポジションやクイックを織り交ぜ「いろいろやれるのが僕のスタイル。梅野の配球を理解しながら一球一球投げた」と手応えをにじませた。  直球は140キロ前後でもコースを丁寧に突き、テンポ良く打たせて取る投球が光った。悔やまれるのは八回。先頭打者から2者連続で四球を与えて降板し「反省して次に向かわないといけない」と気を引き締めた。

◆ベンチに戻る阪神・秋山に向かって、スタンドからは大きな拍手が送られた。7回0/3を投げて5安打1失点。約1カ月ぶりの今季5勝目を挙げたが、完封勝利を逃した無念の思いの方が上回った。  「ちょっと悔しい終わり方をしたので。西(勇)さんも、昨日(前日11日)に完封をしましたし、ちょっと頭に入って...」  七回までは無失点で、球数も「76」。完封を意識し始めた3-0の八回、先頭の田中広に続き、代打・大盛と連続四球。無死一、二塁となったところで交代指令を受けた。それでも、緩急自在の投球で広島打線に的を絞らせず「思った以上に打者が(直球にも)詰まってくれていた」。六回2死一塁からは鈴木誠を139キロの直球で見逃し三振を奪った。これで今季広島戦3勝目。鯉キラーぶりを発揮した。  登板予定だった6日の巨人戦(甲子園)が降雨中止となり、7月30日の広島戦(マツダ)以来、中13日でのマウンド。登板前、ハートに火をつける出来事があった。  母校・西条高(愛媛)の野球部から秋山宛てに届いた手紙だ。甲子園の土が入ったキーホルダーを受け取ったことへのお礼と野球部員が喜ぶ写真も同封されていた。「僕たちは高校球児たちが憧れてる舞台で、野球やっている」。コロナ禍で夢がかなわなかった球児の想いをかみしめながら、今季3度目の甲子園のマウンドに上がった。  「下位打者に四球は反省して、次に向かわないといけない」  次回登板の目標は2018年5月8日の巨人戦(東京ドーム)以来の完封勝利だ。(三木建次)

◆電光石火の先制も、"チカウメ"の成功も、すべてはリードオフマンしだいだ。流れるような3度のチャンスメーク。エンジン全開の1番、阪神・近本が3連勝への道を作った。  「しっかり先頭で(塁に)出られているというのが一番いいのかなと思っています。内容よりも、しっかり出て得点にもなっているので」  一回先頭で左前へ。2番・梅野の投前犠打で生まれた好機から大山の先制3ランにつながった。五回に遊撃内野安打。七回は右前打。先頭で迎えた3打席で安打を放った。今季7度目の猛打賞。5試合連続安打は、特に第1打席の活躍が光る。  「1打席目に出塁することが一番の仕事。1打席目に出たら、その日の仕事は終わりでもいいという気持ち。他の打席もですが、より集中して入ることができていると思います」  最近5試合で4度の一回の先制は、すべて自身の安打が起点だ。データなどの研究も「1打席目を想定しながら。1球は何を投げやすいか。球場の形や風もある。どういうふうに攻めてくるか、球場によっても違う」と力を注ぐチームの最初の打席。自覚と成果が攻撃の勢いに直結した。  前日11日から梅野が2番に座る。前夜は連打で先制機を演出し、この日は近本の3安打の後に3犠打を決めた。新コンビに手応え十分の矢野監督は「やっぱりチカ(近本)が出ると、相手にとってすごく嫌な状況になる。まずチカが出て、というのがうちの野球」。梅野については「もともとバントがうまいし、他の作戦もできる選手」と期待した。  責任重大な1番打者は練習法も工夫する。まずスローボールを打つことが日課。「スローボールでも速い球でも同じ打ち方をするのがいい打者。スローボールだから大きく振るとか大きくテークバックを取るのではなく、どの球も自分のフォームで打てるように」。好調を維持し、今季初の甲子園でのデーゲームで誰よりも駆け回った。  「まだ暑いと思う。明日もデーゲームなので、しっかりご飯を食べて寝て備えたいと思います」  新1、2番コンビは虎の新たな武器。切り込み隊長が勝利への扉も、大逆転Vへの突破口も開く。(安藤理)

◆悔しさ晴らした!! 2位の阪神は広島戦に3-1で勝利し、3連勝で今季最多タイの貯金3とした。一回に大山悠輔内野手(25)が先制&決勝の3ラン。前日は好機で凡退していたが、矢野燿大監督(51)からのハッパに見事に応えた。13日も勝って、15日からの首位巨人との3連戦(東京ドーム)に弾みをつける。  青空にきれいな放物線が映えた。こだまする大歓声に押され、白球がバックスクリーンへ吸い込まれる。甲子園では今季初のデーゲーム。大山が太陽に照らされたダイヤモンドを踏みしめた。  「毎日毎日(のように)悔しい思いばかりしているので、何とか打ってやろうと。とにかく『(フェンスを)越えてくれ』と思って走っていました。本塁打になってくれてよかった」  一回2死一、二塁の好機で遠藤の142キロを振り切った。打球は飛びついた中堅・長野のグラブを越えスタンドイン。殊勲の一撃に胸を張った。  「監督の言葉はいろいろあると思いますけど、僕は僕でそのときに自分のやるべきことをしっかりやるだけです」  前日11日は好機で併殺に倒れるなど3打数無安打。チームは勝利したが試合後、矢野監督から名指しされ「結果で見せていくのがプロ」とゲキを飛ばされた。期待が大きいからこそ、求められるものも多い。  「昨日の分を取り返すというよりも、昨日は昨日、きょうはきょうという思いでやっている。昨日の反省はして、気持ちを新たにして」。いつまでも悔しさを引きずらないのが信条。気持ちを切り替え「きょうは自分が先制打を打つという気持ちだった」と"一発回答"で応えた。  これでサンズに並んでチームトップタイの18本塁打。チーム内で繰り広げる"ホームランダービー"は相乗効果をもたらしている。2人は打撃理論について話し合うこともしばしば。S砲の相手の配球を読み解く頭脳、そしてセ・リーグトップの得点圏打率を誇る勝負強さ。目の前には最高のお手本がいる。「昨日の自分よりも成長した姿を一日一日積み重ねていく。対戦相手、そして自分自身に勝てるように毎日やっています」。阪神では2017年の中谷以来となる20発は目前だ。  矢野監督は「ああいう場面で打つバッターに(なってほしい)。そしてもっともっと打てるバッターだと思うので、これからもランナーを置いたときにこそ、かえせるバッティングをしてもらいたい」と期待。すぐさま「(13日の広島戦も)チームとして勝って、ジャイアンツ戦にいけるように全力で戦います」と15日から始まる巨人との3連戦を見据えた。今季一度も勝っていない敵地・東京ドームに勢いをつけて乗り込むためにも、ここで流れを止めるわけにはいかない。大山も力を込めた。  「まだまだだと思っているので、勝利に貢献できる一打を増やしていきたい。また明日からも頑張ります!」  4連勝でいざ首位追い上げへ。背番号3のバットが再び快音を残す。(原田遼太郎)

◆阪神・ガンケルは連続四球で降板した秋山の後を受け3-0の八回無死一、二塁で登板。打順も1番ピレラからという難所だったが、いきなり持ち味の内角へ食い込む147キロで二ゴロ併殺に料理した。2死三塁で菊池涼に中前適時打を許し「秋山もすごく頑張っていたからゼロで抑えたかったね」と悔やんだが、広がりかけた傷口を見事にふさいで11ホールド目を挙げた。

◆阪神・スアレスは2点リードの九回をわずか8球で3人斬り。リーグ単独トップを快走する15セーブ目を挙げた。「秋山とガンケルがいい形でつないでくれたから、自分もすごく集中してマウンドに上がったよ」。4番・鈴木誠を右飛、松山を二ゴロ、堂林を三ゴロと強打者もあっさり片づけた。4日の巨人戦(甲子園)からの直近3登板は連続でイニングまたぎの熱投を見せてきたが意に介さず。これで登板5戦にまたがって18人連続無安打投球となった。

◆2試合連続で「2番」を務めた梅野が自身1試合最多の3犠打を決めた。「近本が出塁してくれているからこそ。想定される自分の役割を考えながら打席に立てているので、明日からも役割を全うしたい」。先制した一回、五回と七回も無死一塁で投前にすべて一発で犠打成功。守備では先発の秋山を好リードし、「バッテリーとして意図を持ったアウトの取り方ができた」と胸を張った。

◆あの~、斉藤惇コミッショナー様、NPBの皆さま、そして現在ダントツトップで首位を走る巨人の原監督、19日から観客を収容人員の50%以内に段階的に緩和できるということで、お願いがあるんですけど...。  やはり、多くの観声の中プレーを見せるのがプロ野球の本来の姿だと思うんですよ!  そこで、巨人と他の5球団に大差があるセ・リーグは、思い切って18日で前期終了!! 19日から後期スタートという『緊急事態ペナントレースルール変更宣言』を出してくださ~い!! ね、一生のお願い!!  いや~、原さんが川上哲治さんの巨人監督勝利数を超えるなんて「よっ! 永遠の若大将!! あんたはエライ!! だから緊急の前後期制に賛同してー!!」。  だって、わが阪神、前日11日の西勇の完封に続き、本日は秋山-ガンケル-スアレスと継ないで2戦連続の快勝だし!ともに18本塁打を放っている大山とサンズは、21発でリーグ1位の巨人・岡本を追い抜く勢いだし! 2番に入った捕手の梅野がキッチリ3つのバントを決めるし!(しかも全て初球)  戦う体制が、やっと整ったんだから...。ね、ね、そーしようよ!!

◆七回までの秋山は「完投、完封できる投手」に成長したことを証明する投球だった。コースにしっかり投げ、投げ間違いがほとんどない、絶妙の制球が際立った。  特に相手の主砲・鈴木誠との対戦は見応えがあった。1打席目は外角いっぱいの真っすぐ、2打席目は外角のカットボールで、いずれも1球で打ち取ると、3打席目は、またしても外角の真っすぐで押し、最後も外角真っすぐをギリギリに制球して見逃し三振。鈴木誠は「そろそろ変化球」を予想していたのだろう。全く手が出なかった。4番を外角への徹底した攻めで封じたのが、好投につながった。  ただし反省点は八回。「完封まであと2回」という気持ちが強すぎたのだろう。腕を振りすぎて力みにつながり、球がすべて浮いてしまった。文句なしの完封ペースが、まさかの交代。本人が一番悔しいだろう。  とはいえ、一度、先発がなくなり、調整が難しかったにもかかわらず、立ち上がりから安定していたのは見事。西勇と並ぶ、完投を期待できる投手になった。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
44224 0.667
(↑0.005)
-
(-)
50336
(+5)
228
(+4)
91
(+3)
42
(+3)
0.258
(-)
3.210
(↓0.02)
2
(-)
阪神
35324 0.522
(↑0.007)
9.5
(-)
49298
(+3)
284
(+1)
71
(+1)
47
(-)
0.244
(↑0.001
3.480
(↑0.04)
3
(-)
DeNA
35335 0.515
(↑0.008)
10
(-)
47320
(+7)
290
(+3)
72
(+1)
14
(-)
0.274
(-)
3.790
(↑0.04)
4
(-)
中日
32375 0.464
(↓0.007)
13.5
(↓1)
46247
(+3)
303
(+7)
40
(-)
19
(-)
0.239
(↓0.001)
3.780
(↓0.05)
5
(-)
広島
27368 0.429
(↓0.006)
15.5
(↓1)
49304
(+1)
338
(+3)
70
(-)
27
(-)
0.264
(↓0.001)
4.380
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
26396 0.400
(↓0.006)
17.5
(↓1)
49297
(+4)
359
(+5)
65
(+2)
43
(-)
0.252
(-)
4.620
(↓0.01)