阪神(☆4対0★)広島 =リーグ戦15回戦(2020.09.11)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:西 勇輝(6勝3敗0S)
敗戦投手:床田 寛樹(1勝5敗0S)

本塁打
【阪神】サンズ(18号・6回裏ソロ),梅野 隆太郎(4号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神は初回、サンズが適時打を放ち、幸先良く1点を先制する。その後は、6回裏にサンズのソロ、8回には梅野のソロが飛び出すなど、着実にリードを広げた。投げては、先発・西勇が9回4安打無失点の快投で今季6勝目。敗れた広島は、打線が4安打無得点と沈黙した。

◆オリックスから阪神にトレード加入した小林慶祐投手(27)が、桑原謙太朗投手(34)浜地真澄投手(22)とともに、広島戦が行われる甲子園で1軍に合流した。 8月28日にトレードが発表された小林は移籍後、ウエスタン・リーグで4試合に登板。初の1軍合流となった。17年最優秀中継ぎ右腕の桑原は、ウエスタン13試合に登板している。昨年4月以来、約1年半ぶりの1軍で、浜地は今季2度目の1軍昇格。 3投手はそのまま出場選手登録され、代わって能見、斎藤、望月が登録を抹消される見込みだ。

◆広島は前日10日のヤクルト戦(マツダスタジアム)で負傷交代した会沢翼捕手(32)の出場選手登録を抹消した。代わって、広島中村奨成捕手(21)が1軍に再昇格した。 広島の正捕手、会沢は10日ヤクルト戦の9回の守備で代打広岡のファウルをマスク越しに顔面に受けた。そのままあおむけに倒れ込み、頭部を固定されて担架で運ばれた。試合後には広島市内の病院へ直行した。甲子園で行われる阪神戦の試合前練習時点で、広島球団からの発表はない。 広島の1軍捕手は石原慶に続き、会沢が離脱する事態となった。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が西勇輝投手(29)、広島が床田寛樹投手(25)。 阪神は打線を大きく動かしてきた。捕手梅野がプロ7年目で初の2番スタメン。阪神で「2番捕手」の先発出場は02年、矢野監督が現役時代に起用されて以来、18年ぶりとなる。ここ4試合で2番を務めていた糸原が、プロ2度目の3番に入った。先発西勇は今季、広島戦に4戦2勝。相性そのまま、自身6勝目を目指す。

◆まさに得点圏の鬼! 阪神ジェリー・サンズ外野手(32)が無類の勝負強さを発揮し、先制打を放った。 先発西勇が初回を無失点で立ち上がり、その裏の攻撃。1番近本、プロ初2番起用となった梅野の連打を3番糸原が送り、1死二、三塁。4番サンズはフルカウントから先発床田の内角直球を軽打し、逆方向の右前へ適時打を運んだ。 「新しい打線が作ってくれたチャンスだったから、何とかランナーをかえせる球を待っていたよ。最低でも外野までと思っていたけど、ヒットでかえすことができて良かったね」 前日10日DeNA戦(横浜)では、決勝の逆転2ラン。試合前まで両リーグトップとなる得点圏打率4割4分を誇る4番が、先取点をたたき出した。

◆阪神近本光司外野手(25)が打って走って"1人"で追加点を生み出した。 1点リードの3回先頭打者で、先発床田から2打席連続安打となる右中間フェンス直撃の二塁打で出塁。続く2番梅野への3球目に、三盗を試みた。意表を突くスタートで捕手坂倉の悪送球も誘い、一気に生還。チーム2点目の本塁を踏み、あっという間の「ダイヤモンド1周」となった。 近本はこの時点でリーグトップを独走する18盗塁とした。

◆阪神の4番ジェリー・サンズ外野手(32)が2試合連発となる18号ソロで追加点を挙げた。2点リードの6回。先頭打者でフルカウントから2番手菊池保の甘く入ったスライダーを強振。バックスクリーン左まで運び、先発西勇に援護点をプレゼントした。 「強く打てるボールを待っていた中で、最後に甘くきたボールを仕留めることができたよ。バックスクリーンを狙っていたけど、少しそれちゃったね(笑い)」 今季、甲子園でバックスクリーンに本塁打を打った阪神の選手には、副賞として100万円が贈られる。すでに2発を放って200万円を獲得しているサンズは、わずかに逃した3発目に絡めてアメリカンジョークも飛ばした。 9月のサンズは10戦6発と量産態勢で、本塁打数はこの時点でトップの巨人岡本(19本)に1本差まで迫った。 初回に先制適時打、4回は内野安打を放っており、猛打賞とした。

◆阪神は打線改造も実り、2連勝を飾った。 02年矢野以来、18年ぶりに「2番捕手」を選択した一戦。1回無死一塁、プロ初の2番スタメン出場した梅野隆太郎捕手(29)が左前打で続く。プロ2度目となる3番スタメン出場の糸原健斗内野手(27)が犠打を決め、1死二、三塁から4番ジェリー・サンズ外野手(32)の右前適時打で先制した。 サンズは2点リードの6回にも先頭で特大の18号中越えソロ。バックスクリーン左の中段席まで届かせ、先発西勇輝投手(29)を援護した。8回には梅野が右中間最深部に4号ソロを運び、ダメ押しした。 西勇は3回まで完全投球。初安打を許した4回以降も安定した投球を続け、今季初完封で6勝目(3敗)を手にした。

◆阪神のエース西勇輝投手(29)が、今季初の完封勝利を挙げた。 立ち上がりから安定感抜群。今季4戦2勝と得意にしていた鯉打線を手玉に取った。許した安打は4本のみ。19年4月7日広島戦(マツダ)以来、自身8度目の完封勝利で通算90勝目を達成した。

◆阪神は1回、4番サンズの右前適時打で先制。3回にも相手ミスで2点目を奪った。先発西勇は3回終了時点で完全投球。 広島は2点を追う4回2死二塁で無得点。先発床田は5回2失点で降板した。阪神は6回にサンズの18号ソロで3点目を奪った。 阪神は3点リードの8回にも2番梅野が4号ソロを放って2連勝。西勇は今季初完封で6勝目をあげた。広島は3連勝を逃した。床田が5敗目を喫した。

◆プロ7年目で初の2番スタメンに起用された梅野隆太郎捕手(29)が、4号ソロで突き放した。 3点リードの8回先頭打者で、4番手矢崎の151キロ直球を逆方向にはじき返し、右中間席最前列に運んだ。7月31日DeNA戦(甲子園)以来の1発で、追加点をもたらした。 阪神で「2番捕手」の先発出場は02年、矢野監督が現役時代に起用されて以来、18年ぶり。自身も経験のある指揮官の抜てきに、1発回答で応えた。

◆阪神近本光司外野手が走攻守で大暴れだ。1回、投手強襲内野安打で出塁して先制のホームを踏んだ。 3回は床田の速球をとらえて右中間二塁打。三盗を決めた際、坂倉の悪送球失策で生還だ。主導権を奪った序盤の攻撃でリードオフぶりがさえた。 9回には好守も披露。代打正随の大飛球をジャンプして、フェンスに激突しながらキャッチした。西勇も「本当に味方のいいプレーが出た」と感謝していた。 7日巨人戦では守備の悪送球が響いて敗戦。矢野監督に「今日は近本で負けたかなと思っています」と指摘されていた。途中交代となった悔しい一戦。だが、翌8日のDeNA戦から4試合連続安打をマーク。守備でも気迫たっぷりだ。甲子園で意地が光った。

◆広島が天敵西勇を攻略できず、4安打で完封負けを喫した。終始低めに制球された球に翻弄(ほんろう)され、最後までゲームを支配された。 佐々岡真司監督は「相手をあんまり褒めたくはないんだけど、西は低め、左右に丁寧に集めていた。そういう投球をされると打てない。そういうところをうちの投手がどう感じたか」と厳しい表情。昨年から6連敗と苦戦している相手だけに「やり返すという気持ちの中での今日。悔しさを持って、また明日頑張ります」と前を向いた。

◆阪神のエース西勇輝投手(29)が、今季初の完封勝利を挙げた。 立ち上がりから安定感抜群。今季4戦2勝と得意にしていた鯉打線を手玉に取った。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -西勇が完封、攻撃もさまざまな形で得点を やっぱり西がね、本当に最後まで投げてくれてしかも完封。中継ぎも登板が多かったんで、みんな休めて勝てたっていうのは本当に大きいですね。 -西はチーム初完封。守りもリズムよくなる そうですね。あれだけテンポよく投げてくれると、守りやすいのはもちろんあると思います。またバックにも声を掛けてくれたり、西はいつもマウンド上からね、チームを引っ張ろうとかそういう意識をもってやってくれるので、すごく守りやすいと思います。 -9回の西の続投は なんの迷いもないですし、西も行く気満々だったと思うので。 -きょうもサンズが先制に そうですね。本当にチャンスでね、勝負強いですし、あのホームランも見事でしたし。本当に頼もしいっていうところなんですけど。チームとしてはそのあとのね、1点で止まってしまってるっていうところはやっぱり課題だと思いますし。大山になんとかチームを引っ張っていくっていうね。気持ちはあると思うんですけど、それを結果で見せていくっていうのが僕たちプロだと思うので、そういうところが求められると思います。 -2番梅野への期待は いろいろね、キャッチャーで2番って僕も経験あるんですけど、選択肢として頭の中にはあったことなんですけど。ちょっと打線の方がね、なかなか絡んでこないっていう状況の中で、ちょっとやってみようということで。初回もいいつなぎしてくれましたし、見事なホームランもありましたし、守る方と打つ方ってね、大変なんですけどよくやってくれました。 -イメージ通りの2番の働きだった そうですね。梅野は打席の中でもいろんなことができますし、ランナーに出ても次の塁に狙うことができる。バリエーションの多い選手なんでね。キャッチャーじゃなければ2番というのもあり得ることだと思います。 -明日に向けて だからこそもう1点というね。大山、ボーアのランナーを置いてのバッティングというのが出てくるともっともっと盛り上がるし、もっともっと僕たちは上に行けると思うんでね。チーム全体で上を目指してしっかりやっていきます。 -西勇が苦しいところで完封 助かるよね。連戦で移動日でね。本当にさっき言ったように、中継ぎが登板の多い選手がいるんでね、そういうところでは最後までいってくれたのはすごく大きい。 -打順は3番から決めた まあまあ、いろんなことがあるけどね。まあ、総合的に考えて、前から頭の中にはあったんだけど。 -糸原の3番 去年5番とか後半なんか打ってたイメージもあるし、勝負強いバッターで、3番っていうのはタイプがね、チームによっていろいろあるけど、健斗はどこでも打てる打順の能力あるバッティングしてると思うんでね。そんなに3番っていうところに違和感を持って使ってるわけではないんやけど。 -梅野に関しては まあまあ総合的に考えてなんだけど、やっぱりキャッチャーなんで俺も守りで頑張ってほしいっていうのは、まずはあるから。その中で、リズムがね、7番とか打ってるときに急に2番になると、もうバッターボックス回ってくるなってリズムも変わるし、どっちもってね、なかなか大変な、慣れるまでは大変な部分だと思うので、そういうところでは、自分の中ではあとになって決めた。 -サンズはタイトル争い それは個人のことやし、タイトル取れるってことはそれだけチームに貢献してくれてるんでね。中身のしっかりあるバッティングをしてくれてるんで。それは最後の最後に積み重ねでいった結果のタイトルだと思うんで。本人のモチベーションとして持ってくれたらいいし。打点の中身もいいんでね。相手に与えるダメージと、チームにプラスになる打点効果というのはサンズの場合は多いんでね。 -先制の場面も追い込まれてもおっつけて考えている 考えながらというか、打てるポイントがやっぱり、良いバッターというのは幅広いんでね。そういうところは誰でもできることじゃないけどね。相手にとってはすごく嫌なヒットだし。もう1本はしっかり仕留めたホームランということで。中身が本当に素晴らしい。 -明日につながるような勝ち方 だからこそ悠輔とボーアに頑張ってもらいたいという。明日につなぐというところで、あそこでもっと一気に持っていける試合だと思うしね。まあもちろんそんなに簡単に打てるものじゃないかもしれないけど。そこのかえしていくのがあの2人の仕事なんでね。あそこで打って、やっぱり俺らジャイアンツを追いかけていく状況、立場を考えた時に、やっぱりあそこで点取っていけないと。状況的に次に1点入ったら苦しい展開になるし。チームとしては課題かなと思います。

◆広島床田寛樹投手が5回5安打2失点(自責点1)で5敗目を喫した。不振による2軍降格を経て、8月1日巨人戦以来約1カ月ぶりに先発。 初回1死二、三塁からサンズに先制の右前打を許すと、3回は味方のミスもあり2点目を献上。 4、5回は走者を出しながらも追加点を許さず、粘りの投球で責任投球回を投げ切った。「しっかり投げ切れた球はあったので、そこは継続して、もっと厳しいところでストライクを取れるように」と課題修正を誓った。 ▽広島佐々岡監督(床田について)「立ち上がりは甘いところを打たれた中で最少失点に抑えたというのではありますけど、高め、甘め、逆球を打たれたというところ」

◆阪神のエース西勇輝投手(29)が、今季初の完封勝利を挙げた。 立ち上がりから安定感抜群。今季4戦2勝と得意にしていた鯉打線を手玉に取った。許した安打は4本のみ。19年4月7日広島戦(マツダ)以来、自身8度目の完封勝利で通算90勝目を達成した。9回、あわやホームランの打球を中堅手近本がフェンスに激突しながら好捕すると、エースはしきりに拍手を送った。頭の上で30回。近本の無事を確認すると、また10回手をたたいた。「本当に味方のいいプレーが出た。リズム良くできたというのが一番です」。阪神西勇輝投手(29)が今季チーム一番乗りとなる完封勝利を挙げた。 立ち上がりから持ち味全開。多彩な変化球を低めに集めた。許した安打は4本のみ。うち3本で出した走者は併殺で片づけた。「コントロールが良かった」。19年4月7日の広島戦(マツダスタジアム)以来、自身8度目の完封勝利。甲子園ではプロ12年目で初だった。「本当に完投できるってなかなか難しい時代になってきた。その完投ができたプラスこの13連戦。中継ぎを休ませることができたっていうのはすごく大きい」。エースとして、ひとりの先発陣として、西勇は最後までマウンドをゆずらなかった。 矢野監督も「中継ぎも登板が多かったので、みんな休めて勝てたっていうのは本当に大きい」と通算90勝目となったエースをたたえた。奇跡の逆転Vはまだ諦めていない。マウンドに立ち続けたエースが、その気概を証明した。【只松憲】

◆「セ界2冠王」も本当に夢じゃない! 阪神ジェリー・サンズ外野手(32)が仰天の特大弾で2連勝を呼び込んだ。 1回は左腕床田から右前に先制打。2点リードの6回無死、今度は右腕菊池保からチーム単独トップとなる18号ソロを放った。ストレートを2球連続でファウルした後、フルカウントからの7球目。「あのカウントからは厳しいコースに投げにくい」。甘く入ったスライダーを狙い打ちして、バックスクリーン左の中段席まで届かせた。 前日10日DeNA戦は逆転2ラン。2番に梅野を起用した新打線でも4番はもちろん「チーム3冠王」で不動だった。この日は3安打2打点。9月は10戦6発となり、ついに打率は3割に乗った。本塁打はリーグトップの巨人岡本に1本差、53打点もリーグ最多の岡本に3打点差まで迫った。 「今はしっかりコンタクトして、それがたまたまホームランになっている。今のスタイルを変えずにそのまま続けていきたい」。本人は至って冷静だが、阪神では86年バース以来となる本塁打王、14年ゴメス以来となる打点王の両取りも可能なポジションにいる。 今季はすでに甲子園で賞金100万円の「ユニ・チャーム バックスクリーンホームラン賞」を2度贈られている。「(今日も)バックスクリーンを狙っていたけど、少しそれちゃったね」。ジョークで笑わせた後は「センターに強い打球を打つことをいつも心掛けている。それが形になって良かった」と納得顔だ。勢いは当分、止まりそうにない。【佐井陽介】

◆会沢ショックも、西勇アレルギーも払拭(ふっしょく)できず。広島が今季3度目の0封負けを喫し、連勝が2で止まった。天敵の阪神西勇に4安打に抑えられ、投手陣も先発床田が5回2失点。中継ぎ陣も2本のソロを浴び、流れを引き寄せられなかった。正捕手で精神的支柱の会沢がこの日、コンディション不良で登録を抹消。相次ぐ主力の離脱で、佐々岡カープが苦境に立たされている。浜風が吹く甲子園で、連勝中だった広島の勢いは止まった。復帰登板の床田が立ち上がりに失点。打線は阪神先発西勇の前に三塁も踏めず、今季3度目の0封負けを喫した。試合前には正捕手会沢の出場選手登録抹消が公示され、小さくはない動揺が走った。相次ぐ主力の離脱に、連勝ストップ。佐々岡広島が強い逆風を受けている。 またも西勇の術中にはまった。シュートとスライダーの左右の変化球を両サイドの低めに投げ分けながら、チェンジアップを交える投球に的を絞れなかった。前回から左打者への内角球が増え、主砲鈴木には外角に直球系を使う工夫もみられた。7三振に、11個の内野ゴロ。4安打も、3併殺で走者を進めることができなかった。朝山打撃コーチは「コーナー、コーナーに来られたら打てない。毎回対策を打っているが、やられている。やられたらやり返そうという気持ちは持っている」と厳しい表情。昨年8月3日から6連敗となった右腕の投球を認めるしかなかった。 正捕手であり、精神的支柱でもある会沢が前日の試合中のアクシデントで離脱となった。最年長の石原慶にエース大瀬良、西川もいない。25年ぶり優勝を決めた16年9月10日からちょうど4年。あの試合に出場し、この日も出場した選手は菊池涼と鈴木誠、松山の3人しかいない。監督は代わり、チームも大きく変わろうとしている。風向きはきっと変わる。 会沢不在で1番手捕手と期待される坂倉は3回、追加点につながる悪送球があった。三塁レギュラーの再奪取を目指す堂林は2併殺。復帰登板の床田は5回2失点(自責1)だった。連勝は止まり、順位は下位に停滞する。佐々岡監督は「今いるメンバーでやるしかない。それだけです」と現有戦力の反発力に期待する。下を向かずに、チームとして同じ方向を向くことが求められる。【前原淳】

◆阪神糸原健斗内野手はプロ2度目の3番で、つなぎ役に徹した。 19年5月3日DeNA戦以来の打順だ。1回無死一、二塁。初球をきっちり投手前に転がし、リズム良く犠打を決めてサンズの先制打を呼んだ。矢野監督は「健斗はどの打順でも打てる能力がある打撃をしている。3番に違和感を持って使っているわけではない」と説明。9日DeNA戦の敗戦後、指揮官は「3番が決まらんから、しんどい」と話していた。直近5戦は糸井、陽川、中谷を起用したが機能していなかった。

◆新打線で快勝バイ! 阪神の梅野隆太郎捕手(29)がプロ初の2番で先発し、1回につなぎの左前打で先制に貢献し、8回は4号ソロでダメ押しだ。矢野監督は02年の自身以来となる「2番捕手」など攻撃力を高めようと打線改造を断行。梅野は西勇を完封にも導き、起用に応えた。阪神は連勝で、勝った首位巨人と9・5差のまま。それでも反攻の手を緩めはしない。梅野は1回表の守備を終えると、いつもより駆け足気味にベンチへ戻った。裏の攻撃。防具をレガースに付け替えて1番近本の内野安打を次打者席で見守り、汗を拭いながらプロ7年目、人生でも初となるスタメン2番の打席に向かった。「打席に立っていて目の前に近本がいたのでちょっと変な感じがしたけど、いい緊張感の中でうまく役割を果たせたかなと思います」。送りバントのしぐさも見せつつ左前打でつなぎ、サンズの先制打を呼び込んだ。 矢野監督の奇策に応えた。前日10日DeNA戦(横浜)後、打順を直接伝えられた。阪神の「2番捕手」は02年の現役だった指揮官、以来18年ぶり。「1を大事とよく言いますが、2番としての1打席目。いろんな意味で、この打席で決まるなと昨日ぐらいから思っていた」。昨季14打数8安打と得意にした床田から、重視していた初打席から結果を出し、流れに乗った。8回には、矢崎の151キロ直球を逆方向の右中間席に運ぶ4号ソロ。つなぎから一転、今度は34試合ぶりの1発でダメを押した。 矢野監督は、他にもここ4試合2番だった糸原を今季初、プロ2度目の3番に入れるなど打線のテコ入れを敢行。梅野の2番は以前から選択肢にあったと明かした。「打席の中でもいろんなことができますし、ランナーに出ても次の塁を狙うことができる。バリエーションの多い選手なので、キャッチャーじゃなければ2番というのもあり得る」。自身の経験上、「2番捕手」は攻守で負担が強まると理解した上で、首位巨人を追いかける勝負手として繰り出し、その期待に梅野が一発回答してみせた。 マスクをかぶってはエース西勇を甲子園初完封に導いた。自身の本塁打よりも「ゼロで抑えられたことが一番良かったと思います」と好投をたたえた。今季初めて上がった甲子園のお立ち台では、自身の代名詞である「明日も勝つばい!」パフォーマンスをバッテリーで披露。スタンドのファンにも「このご時世なので、声は控えめに」と呼びかけ、一緒に喜びを分かち合った。負けられない戦いは続く。ウルトラCをやってのけた梅野が、攻守でチームを引っ張っていく。【奥田隼人】

◆阪神矢野燿大監督は注文を忘れなかった。初回は1点を先制してなお1死一、三塁の場面で、5番大山がチェンジアップを引っかけて三ゴロ併殺。2点リードの4回無死一、二塁ではボーアが遊ゴロ併殺に倒れた。 投打がかみ合った勝利も「だからこそ悠輔(大山)とボーアに頑張ってもらいたい」と厳しく指摘。「あそこでもっと一気に持っていける試合だと思う。やっぱり俺らはジャイアンツを追いかけていく状況、立場を考えたときに、やっぱりあそこで点を取っていかないといけない」と力を込めた。

◆阪神梅野隆太郎捕手が自身初の「2番捕手」でスタメン出場。今季、広島坂倉(2試合)、西武森(8試合)が「2番捕手」で先発しているが、阪神では02年6月28日横浜戦(大阪ドーム)での矢野以来18年ぶり。 矢野は98年にも11試合で「2番捕手」で先発。5月17日広島戦、同20日巨人戦では本塁打を放っている。梅野の1発は22年ぶりの「2番捕手」弾だった。阪神では95年関川、81年若菜、74年田淵も「2番捕手」で先発したことがある。

◆阪神西勇輝投手(29)が今季チーム一番乗りとなる完封勝利を挙げた。 9回。あわやホームランの打球を中堅手近本がフェンスに激突しながら好捕すると、しきりに拍手を送った。頭の上で30回。近本の無事を確認すると、また10回手をたたいた。「本当に味方のいいプレーが出た。リズム良くできたというのが一番です」。これで青柳と並んでチーム最多の6勝目とした。 立ち上がりから持ち味全開。多彩な変化球を低めに集めた。許した安打は4本のみ。うち5、7、8回は後続を併殺打で片づけた。「コントロールが良かった」。19年4月7日広島戦以来、自身8度目の完封勝利を無四球で飾った。「本当に完投できるってなかなか難しい時代になってきた。その完投ができたプラスこの13連戦。中継ぎを休ませることができたっていうのはすごく大きい」。連戦中の移動日ゲームでブルペン陣にもたらした休息。エースの気概がにじんだ。 昨季オリックスからFA移籍し、入団会見では「ファンが多い。ヤジもありましたけど」と素直な思いを話していた。それでも味方になればこれ以上強いものはなかった。1年目は、遠征先でも駆けつけるファンの多さに驚いた。日常の中で、ファンに声を掛けられる機会も増え、球場では一緒に戦ってくれた。「ヤジなんかない。あったかいというか。いいことしか入ってこなかった」。この日も背中を押され、プロ12年目で初めて甲子園で完封。温かい拍手に包まれた。 お立ち台には梅野と2人で上がった。昨年、ゴールデングラブ賞をともに受賞した黄金バッテリー。開幕前には「勝ち星を増やして、負けない投手を目標にやっていこう」と2人で約束していた。そんな愛妻が8回にソロで援護してくれた。ヒーローインタビューを受けながら「ありがとう」と感謝の言葉を送った。 矢野監督も「中継ぎも登板が多かったので、みんな休めて勝てたっていうのは本当に大きい」と通算90勝目となったエースをたたえた。逆転Vはまだ諦めていない。マウンドに立ち続けたエースが、その気概を証明した。【只松憲】

◆スタメンが発表され、阪神が打線を改造した。注目はプロ初の2番で先発する梅野隆太郎捕手(29)だ。捕手の2番は珍しく、阪神では矢野燿大監督(51)が現役時代の2002年6月28日横浜戦(大阪ドーム)以来、18年ぶりとなった。

◆阪神が西勇輝投手(29)の今季初完封で連勝。西勇は6勝目(3敗)を挙げた。  西勇は三回まで一人の走者も許さない完ぺきな立ち上がりをみせると、五回以降は3併殺を奪って、広島打線を翻弄した。三塁を踏ませない投球で4安打シャットアウト。「金村(投手)コーチ、福原(投手)コーチから『完投いってくれ』と言われていたので」と約束を果たし、中継ぎ陣を休ませた。  ヒーローインタビューには、エースと一緒に梅野隆太郎捕手(29)も呼ばれた。自身初の「2番」で出場して4号ソロなど2安打の活躍。「本当にバッテリーで勝ち取ったなと思うゲームでした」と胸を張った。

◆阪神は打線が効果的に加点し、西勇の今季初完封で連勝した。試合後の矢野監督の一問一答は以下の通り。  --エースが完封、攻撃もさまざまな形で得点  「やっぱり西勇がね、最後まで投げてくれて、しかも完封。中継ぎも登板が多かったんで、みんな休めて勝てたっていうのは本当に大きい」  --九回の西の続投は  「何の迷いもないですし、西勇も行く気満々だったと思うので」  --サンズが先制に  「本当にチャンスで勝負強いですし、あの(六回の)ホームランも見事でした。本当に頼もしい。チームとしてはその後、1点で止まっているっていうところが課題だと思います。大山はチームを引っ張っていく気持ちはあると思うんですけど、それを結果で見せていくっていうのが僕たちプロだと思うので、そういうところが求められると思います」  --2番・梅野への期待は  「キャッチャーで2番って僕も経験あるんですけど、選択肢として頭の中にはあったことなんですけど。ちょっと打線の方が、なかなか絡んでこないっていう状況の中で、ちょっとやってみようということで。初回もいいつなぎをしてくれましたし、見事なホームランもありましたし。守る方と打つ方ってね、大変なんですけどよくやってくれました」  --糸原の3番については  「5番もよく(これまでのシーズンの)後半なんかで打ってたイメージもあるし、勝負強いバッター。チームによっていろいろあるけど、健斗(糸原)はどこでも打てる能力があると思うんでね。3番っていうところに違和感を持って使ってるわけではないんやけど」

◆甲子園のスコアボードに見慣れない先発打順が表示された。正捕手の梅野が「人生で打ったことがない」という2番で先発、4号ソロ本塁打を含む2安打1打点と期待に応えた。マスク越しには西勇を好リードで完封に導き「バッテリーで勝ち取ったと思えるゲーム」と充実感に浸った。  1番近本が投手強襲安打で出た一回、床田から左前打で好機演出。犠打を挟み、サンズの先制打を引き出した。床田には昨季14打数8安打。対梅野をバッテリーも強く警戒したのだろう。1死二塁で打席に立った三回は近本の三盗に坂倉が悪送球。追加点を得た。八回は7月31日以来のアーチを右中間に運んだ。  2002年に「2番・捕手」で先発経験を持つ矢野監督は「守る方と打つ方と大変だが、よくやってくれた」とねぎらった。(甲子園)

◆阪神は思い切った打順の組み替えが当たり、景気よく先制した。重要なのは、4番の前。抜群のチャンスメークに、サンズが応えた。  「最低でも外野までと思っていたけど、ヒットでかえすことができてよかったね」  一回1死二、三塁で右前へ。フルカウントから内角の直球をしぶとく打ち返して一、二塁間を抜いた。前日10日のDeNA戦(横浜)で決勝アーチを放った主砲が、この日は4試合連続となる先制点をたたき出した。  「新しい打線が作ってくれたチャンスだったから、何とかランナーをかえせる球を待っていたよ」  上位打線をアレンジして、梅野がプロ初の「2番」を務めた。阪神で捕手の2番での先発出場は、2002年6月28日の横浜戦(大阪ドーム)の矢野輝弘(現燿大)までさかのぼる。現監督の現役時代以来、18年ぶりとなる策が当たった。  一回先頭の近本が投手強襲の安打で出塁すると、梅野が左前打で続いた。昨年5月3日のDeNA戦(甲子園)以来、自身2度目の3番に入った糸原が投前犠打。7球で絶好機を作って、先制をお膳立てした。  試合前の時点でリーグトップの得点圏打率・440を誇るサンズの前に好機を作ることがポイント。3番に糸井、陽川、中谷、福留を使ってきたが、定着に至らないまま。そこで選んだ「3番・糸原」と連動した「2番・梅野」が成功した。  三回には近本が二塁打で出塁すると、三盗と相手の失策の間に追加点。六回にはサンズの18号ソロで加点した。首位・巨人との差は開いたままだが、辛抱強く戦い抜く。(安藤理)

◆8月1日以来の登板だった広島先発の床田は味方の拙守もありながら5回2失点(自責点1)と粘ったが、5敗目を喫した。ボール先行の場面が目立ち「もう少し大胆に行けば良かった」と反省した。  昨季7勝を挙げて飛躍を予感させたが、今季まだ1勝。春先から、右打者の内角への制球が甘くなる点を課題に挙げていたサウスポーは「投げ切れたのは良かった」と収穫を口にしつつ「厳しいところでストライクを取れるようにしたい」と次を見据えた。(甲子園)

◆快勝の中で大山が課題を残した。先制した直後の一回1死一、三塁でチェンジアップを引っかけて三ゴロ併殺。八回1死一塁ではフルカウントから一走がスタートを切るも、三振ゲッツーに終わった。矢野監督は一回の攻撃を振り返り「1点で止まったところは課題。大山にチームを引っ張っていくという気持ちはあると思うんですけど、それを結果で見せていくのが僕たちプロだと思う」とハッパをかけた。

◆近本が足で貴重な追加点を奪った。1点リードの三回1死、右中間二塁打を放つと、続く梅野の打席の3球目でスタート。リーグトップ18個目の盗塁で三塁を陥れた。さらに坂倉が悪送球する間に、一気に生還。一回先頭でも投手強襲安打から先制点を演出し、2得点でリードオフマンとして役割を果たした。4試合連続安打&得点と存在感を見せている。

◆推定飛距離140メートル。打球はバックスクリーン左のスタンド中段まで達した。サンズが2試合連続となる超特大の18号ソロで、キング争いを本格化させた。  「いつも心がけているのはセンターに強い打球を打つこと。バックスクリーンには入らなかったけど、すごくいい形だったかな」  そろそろ追加点がほしい2-0の六回先頭。菊池保が投じたスライダーを一閃した。これで9月に入って10試合で6本。19本塁打でトップの岡本(巨人)に1差に迫った。阪神から本塁打王となれば1986年のバース以来34年ぶりとなる。  「打者なので、何かしらタイトルを取れたら一番いいですけど」  サンズもニヤリと笑った。2年連続三冠王に輝いたレジェンドのことは「少し知っているよ。すごい成績を残した選手だと」。春季キャンプ中、バースの再来と騒がれたボーアへの報道陣の質問を隣で聞いていて、何度も耳にしていた。  一回には先制の右前適時打。この日の2打点で53打点となり、これもトップの岡本から3差となった。まだある。今季3度目の猛打賞で、打率も・301と3割超え。得点圏打率・451はリーグトップを独走中だ。  「今のスタイルを変えずに、そのままバッティングを続けていきたいなと思います」  もちろん優勝は最後の最後まであきらめない。チームの勝利優先。最後にバース以来の勲章を手にすれば「ハッピーハンズ」だ。(三木建次)

◆27個目のアウトを空振り三振で奪うと、何度もガッツポーズして喜びを爆発させた。西勇が散発4安打で今季チーム初の完封勝利。梅野と上がったお立ち台で、この日一番の笑顔を見せた。  「朝から横浜から移動してきた中継ぎの方や、野手の方が頑張っている姿を見ると、自分がなんとか長いイニングを投げないといけないなと感じました。コーチから『完投してくれ』とずっといわれていたので無事、宣言通りできてよかったと思います!」  五回先頭の松山に左前へはじき返されたが、1死後に堂林を外角の変化球で遊ゴロ併殺に料理。七、八回も同様に単打を許しながらも併殺に仕留めて、ピンチの芽を早々に摘んだ。9回112球4安打無四球無失点で、今季6勝目。完封勝利は昨年4月7日の広島戦(マツダ)以来、移籍後2度目、甲子園では初めてとなった。  前日10日までのDeNA3連戦(横浜)では先発投手が早々に降板し、ブルペン陣がフル回転。この日は能見と望月、斎藤を抹消し、2軍から3投手が昇格していた。そんななかでの完封勝利。「完投が難しい時代でそれができたことプラス、13連戦(中ということが大きい)ですね」とうなずいた。矢野監督も「連戦で移動日で、助かるよね。中継ぎで登板の多い選手がいるので、最後までいってくれたのはすごく大きい」と称賛した。  9日の鳴尾浜での残留練習では、新人たちへ粋なはからいをした。ブルペンに入るとD2位・井上(履正社高)、D4位・遠藤(東海大相模高)を打席に立たせた。さらにD5位・藤田(中京学院大中京高)に球を受けさせ、エース格の投球を生で体感させた。「オリックスにいたときも、ベテラン選手の投球を見たことがすごくいい機会だった」と自身の若手時代と重ね合わせた。「自分も中堅ですし、教えないといけない立場。そういう経験をモノにしてもらえれば」。マウンドを下りても、チームを引っ張る心意気は変わらない。  「毎週、毎日、自分の体をしっかりいい状態に持っていっていければ、いいかなと思う」  首位・巨人は9・5ゲーム差先でも、まだあきらめない。エースが虎を引っ張っていく。(織原祥平)

◆秘策ズバッ! 阪神は広島に4-0で快勝。生涯初の「2番」に入った梅野隆太郎捕手(29)が、八回の4号ソロを含む2安打1打点と躍動した。虎の捕手が2番を務めるのは、2002年の矢野輝弘(現燿大、監督)以来18年ぶり。負ければ12日にも自力V消滅の可能性があったが、先延ばしにしてチームは2位に浮上。まだまだ巨人に食らいつくでぇ~!  文句なしの主役コンビに大きな拍手が注がれ、完封のエースを追いかけるように、女房役が早足でベンチを飛び出した。今季初のお立ち台はバッテリーで共演。勝利の瞬間にみせた梅野の笑顔がさらに弾けた。  「本当にうれしい限りです。バッテリーで勝ち取ったなと思うゲームでした」  リードはもちろん、攻撃でも一役も二役も買った。八回先頭で右中間に4号ソロ。7月31日のDeNA戦(甲子園)以来1カ月半ぶりの一発で勝利を確信させた。2安打3出塁の活躍の場はプロ初の2番だ。「人生で打ったことがない」というサプライズ起用。見事に期待に応えた。  「『違和感なく』といえば、そうではないのが正直なところ。目の前に(1番の)近本がいて、変な感じはしたけど」  一回無死一塁は、初球のバントがファウルになって強打に切り替えた。4球目を左前へ。無死一、二塁を作って、サンズの先制打に直結した。  阪神の「2番・捕手」は2002年6月28日の横浜戦(大阪ドーム)の矢野輝弘(現燿大)以来だ。経験者の矢野監督は「『もう打席が回ってくる』とか、リズムも変わる。守る方と打つ方って大変なんだけど、よくやってくれた」と両立の難しさを熟知した上で託した。固定できない3番に糸原を選んだことに連動した選択。2番はさまざまな作戦に対応しなければいけない打順だが「バリエーションの多い選手。捕手でなければ、2番もある」とにらんだ適性が発揮された。  梅野は前日10日のDeNA戦後、横浜で役目を伝えられたという。一日かけてイメージを膨らませた。「もちろん作戦はある。作戦が変わることもある。よく『1を大事に』という。2番としての1打席目で(成功か失敗か)決まると思っていた」。その初打席で最高の結果を出し、勝利に向かって突き進んだ。  マスクを被れば、西勇との絆が光った。右腕の「制球よく、イメージよく投げられる」という言葉を信じた。「信頼して、併殺を取るときはゴロを打たせる配球ができた。イメージ通り」。最後の仕事も相棒との共同作業。「あしたも勝つバイ!」で締めた。今季初の決めぜりふ。「このご時世なので、声は控えめに」と付け加え、虎党と一体になった。  「ホームでのヒーローは(今季)初めて。阪神ファン、自分のファンのいい思い出になる。なるべく多く立って。活躍して思い出に残る日を増やせるように頑張ります」  連勝で2位浮上も巨人と9・5ゲーム差のまま。打って打って勝ち進むしかない。苦しいチームを支え、引っ張るのは何でもこなす選手会長だ。(安藤理)

◆この試合のポイントはなんといっても「2番・梅野」だ。打線になんとか刺激がほしい、梅野本人にも刺激を与えたいというところで、それが非常にいい方向に出た。  4番のサンズが頼もしい中で、その前に近本、梅野、糸原というチームで出塁が期待できる3人を並べたのは効果的だった。流れがよくなっただけに、そのまま続けていってもいいと思う。  ただ個人的には、以前から推しているが、梅野は3番がいいのではないか。糸原は技術、性格など総合的に考えると、2番だ。梅野は基本、下位打線で打ってきた。この日は一回の強攻策がうまくハマった後、難しい局面はなかったが、俊足の近本の後ろを打つ打者というのは、いろいろなことが求められる。試合終盤などでの厳しい状況に対応していくことを考えれば、2番・糸原、3番・梅野の方が、わたしとしてはしっくりくる。  さらに、梅野を上位に組み込んだ新打線で、もっとも鍵を握るのは、5番の大山だろう。走者を置いてサンズに回ることが増えれば、勝負を避けられることも増えてくる。後ろを打つ大山が、どんな打撃をするか。試合前から注目ポイントにしていたが、この日は残念な内容だった。  サンズ先制打の後の一回1死一、三塁、最低でも犠飛という状況で三ゴロ併殺打。六回は初球をどん詰まりの二ゴロ。数字も結果も出しているのに、なぜ物足りないのか? そこを考えないといけない。アウトのなり方、凡打の印象が悪すぎる。大山がそこを解消できれば、非常に切れ目のない、いい打線が完成する。(本紙専属評論家)

◆動物園の阪神パーク(かつてホントに甲子園球場のそばにありました)で、飼い慣らされているようなおとなしい虎が多い中、ただ一頭牙をむき、前回4日の巨人戦では勝利投手となり、そして、本日は112球4安打無失点で見事な完封劇を演じた西勇輝投手こそがガオー! ガオー! 本物の野生の虎や!!  そして、18号ホームランを含む3安打2打点と、本日も火を噴いてくれたサンズは、阪神の助っ人には珍しい勝負強さと学習能力があるので、その珍しさから『レオポン』と呼ばせてもらうのだー!! と、言って分からないよねー? いや実は阪神パークにその昔、確かヒョウとライオンを掛け合わせた虎(なんで虎になるんだ?)というのがいて、なかなかの人気者だったのです!! 阪神のオールドファンの方々、懐かしいでしょう!!  初めて2番に梅野を起用した矢野采配も、ホームランを含む2安打と大的中!! 確かにチーム一でバントはうまいし、足も速いので、2番はありだけど...。まさか、かつての自分を思い出してのメモリー起用じゃあ、ありませんよね? やるなら10試合は続けて下さーい!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
43224 0.662
(↑0.006)
-
(-)
51331
(+2)
224
(+1)
88
(+1)
39
(+1)
0.258
(-)
3.190
(↑0.04)
2
(1↑)
阪神
34324 0.515
(↑0.007)
9.5
(-)
50295
(+4)
283
(-)
70
(+2)
47
(+1)
0.243
(-)
3.520
(↑0.05)
3
(1↓)
DeNA
34335 0.507
(↓0.008)
10
(↓1)
48313
(+2)
287
(+3)
71
(+1)
14
(-)
0.274
(-)
3.830
(↑0.02)
4
(-)
中日
32365 0.471
(↑0.008)
12.5
(-)
47244
(+3)
296
(+2)
40
(+1)
19
(+1)
0.240
(-)
3.730
(↑0.03)
5
(-)
広島
27358 0.435
(↓0.008)
14.5
(↓1)
50303
(-)
335
(+4)
70
(-)
27
(-)
0.265
(↓0.001)
4.390
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
26386 0.406
(↓0.007)
16.5
(↓1)
50293
(+1)
354
(+2)
63
(+1)
43
(+1)
0.252
(↓0.001)
4.610
(↑0.03)