ヤクルト(★2対5☆)巨人 =リーグ戦13回戦(2020.08.27)・明治神宮野球場=
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巨人
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ヤクルト
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勝利投手:戸郷 翔征(7勝2敗0S)
(セーブ:デラロサ(0勝0敗6S))
敗戦投手:高梨 裕稔(2勝3敗0S)

本塁打
【巨人】炭谷 銀仁朗(1号・3回表ソロ),丸 佳浩(13号・5回表2ラン)
【ヤクルト】青木 宣親(11号・7回裏ソロ)

  DAZN
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◆巨人が同一カード3連勝。巨人は3回表、炭谷のソロで先制する。続く4回に吉川尚の適時打で加点すると、5回には岡本の適時二塁打と丸の2ランでリードを広げた。投げては、先発・戸郷が5回無失点で今季7勝目。敗れたヤクルトは、先発・高梨が試合をつくれなかった。

◆巨人松原聖弥外野手が強肩を生かした「ライトゴロ」でピンチを救った。 2点リードで迎えた4回2死三塁。先発戸郷翔征投手の149キロ直球を、ヤクルトの9番高梨裕稔投手が右前に運んだが、正面で捕球した松原が一塁にストライク送球。間一髪アウトにして無失点で切り抜けた。 「想定していました。強い打球が来たので落ち着いてイメージ通りのプレーができました」とコメント。 ヤクルト3連戦は26日まで2試合連続猛打賞とバットで貢献し、3試合目は守備でも存在感を発揮した。

◆巨人吉川尚輝内野手(25)が、適時打を放った。1点リードの4回2死一、二塁から142キロを右前へ運んだ。「追加点がとれて良かったです」とコメントした。

◆ヤクルトの先発高梨裕稔投手(29)は、5回5失点で降板した。 安打と四球で、毎回先頭打者を出す苦しい展開となった。2回までは無失点で抑えたが、3回に先頭の炭谷に1号ソロを浴びて先制を許した。 4回にも1失点し、5回は先頭の坂本に四球を与えた。しかし、そこから粘りを見せた。2番松原を直球で空振り三振、3番亀井には外角低めいっぱいの直球で見逃し三振と、今季最多となる6個目の三振を奪った。 テンポよく投げリズムを取り戻したかに見えたが、岡本の適時二塁打、丸には13号2ランを浴び、一挙3失点。5回を96球、被安打7の5失点でマウンドを降りた。「今日は調子自体は良かった方ですが、5回最少失点でいかなければいけないところを粘り切れずゲームをつくることが出来なかったのが悔しいです」とコメントした。

◆巨人岡本和真内野手(24)が、左翼フェンス直撃の適時二塁打を放った。 2点リードの5回2死一塁。141キロを捉え、追加点を挙げた。「打てて良かったですし、(坂本)勇人さんが必死に走ってくれて打点がついたのでうれしいです」とコメントした。

◆巨人丸佳浩外野手(31)が、13号2ランを放ち、リードを広げた。5回2死、3点目の適時二塁打を放った岡本を二塁に置き、ヤクルト高梨のフォークを左翼スタンドへたたき込んだ。 神宮では4本目のアーチで本拠地の東京ドームの7本に次ぐ。「ファーストストライクをひと振りで仕留められたのが良かったですね」とコメントした。

◆ヤクルト青木宣親外野手(38)が、移籍後無失点を誇っていた巨人高梨から反撃の11号ソロを放った。 1-5で迎えた7回、先頭で高梨の2球目、141キロの低めツーシームを左翼スタンドへ運んだ。「点差があるので、とにかく出塁することを考えて打席に入りました。いい形でスイングすることができました」とコメントした。 ベンチでは、チームメートとエアーハイタッチ。直近9戦5発と、好調をキープしているキャプテンが、反撃の1発を放った。

◆巨人先発の戸郷翔征投手(20)が、5回99球4安打無失点でマウンドを降りた。 2回以降は5回まで毎回得点圏に走者を背負いながらも、粘り強くしのいだ。3回は3者連続で四球を与え、満塁のピンチを背負ったが、エスコバーを遊飛に片付けた。「走者を出しながらも何とか粘ることはできました。ただ、四球が多く、リズムが悪くなったところは次への課題です」とコメントした。

◆ヤクルト高梨、巨人戸郷の先発。巨人は3回、炭谷の1号ソロで先制。戸郷は3回まで5四球を与えるも無失点にしのぐ。 巨人は4回に1点を追加。5回は岡本の適時打と丸の13号2ランでさらに3点を追加した。ヤクルト高梨は5回5失点で降板。 ヤクルトは7回、青木の11号ソロも、反撃及ばず初の同一カード3連敗。高梨が3敗目。巨人は3連勝。戸郷が7勝目。

◆巨人戸郷翔征投手が4連勝で今季7勝目。巨人で高卒2年目以内に7勝以上は01年條辺(2年目に7勝)以来だ。 8月の戸郷は4戦4勝となり、24回1/3を投げて1失点の防御率0・37。8月の失点は5日阪神戦の8回に走者を残して降板後に記録した1点だけで、今月は本塁打や適時打の失点がない。2リーグ制後、巨人で高卒2年目以内に月間4勝以上は66年6、7月堀内、67年8月堀内、87年5月桑田に次いで3人、5度目だが、防御率0点台の月間4勝以上は66年6月堀内と戸郷しかいない。

◆巨人は先発の戸郷翔征投手が5回無失点で菅野智之投手に次ぐリーグ単独2位の7勝目を挙げ、ヤクルトに3連勝を飾った。 許した安打は4本ながら、3回は2死から3連続四球を出すなど、計5四球と微妙な制球を乱す場面もあった。お立ち台では「苦しいピッチングが続いて、そこを何とか粘って粘ってゼロに抑えたのが勝ちにつながったかなと」と言った。 粘りの投球の要因には、全試合でコンビを組む先輩の女房役を挙げた。「(炭谷)銀さんを信じて、リードをしっかりしてもらっているので、それにしたがって投げている。結果がでて良かったです」と感謝。8月は無傷の4連勝とし「負けなしではありますが、毎回毎回野手のみなさんに助けてもらっているので、次はもっと長いイニングを投げたいです」と誓った。

◆ヤクルトは今季初の同一カード3連敗を喫し、最多の借金6となった。 先発の高梨は、毎回先頭打者を出し、5回5失点で3敗目。先発投手が崩れて敗戦につながる展開が多く、高津臣吾監督は「慎重に入っていたり、というのはよく分かるんだけど、もう少し攻めていかないと。(高梨が)昨日、一昨日のゲームを見て、思うことはあってマウンドに立っていると思うんだけど、もっと彼らしくどんどん攻めていってよかったのかなと思う」と厳しい表情だった。 今季初めて、2番に青木、3番に山田哲を入れる打線を組んだ意図については「いろいろ考えて、いろいろ意味があってちょっと入れ替えました」と多くを語らなかった。7回までは毎回、走者を出しながらも「チャンスで1本というところで、なかなか1本でなかった」と話したように、6回に代打西浦の適時打で1点、7回青木の11号ソロの2点止まりだった。指揮官は「明日、また戻すと思います」と連敗ストップがかかる28日のDeNA戦(横浜)で戻すことを明かした。

◆巨人が5回に「サカマルオカ」で3点を奪った。 坂本が四球で出塁し、4番岡本の左越え二塁打で本塁へ激走。岡本は「勇人さんが必死に走ってくれて打点がついた」と感謝。続く丸は左中間に13号2ランを運び「一振りで仕留められた」と喜んだ。 3連敗した前カードの広島戦後、原監督が奮起を求めた3人が復調の兆しを見せ「4番はまだちょっとあれかもしれないけど、丸が後ろで和真を守ってくれている」と評した。

◆巨人原辰徳監督が、4回2死三塁から「ライトゴロ」でピンチを脱した松原聖弥外野手について「大きいね、ビッグプレーだね。本当に満塁ホームランに値するくらいのワンプレーですね。流れというものが、逆にこっちに来たと言うんでしょうかね」と評価した。 2点リードで迎えた4回2死三塁。先発戸郷翔征投手の149キロ直球を、ヤクルトの9番高梨裕稔投手が右前に運んだが、正面で捕球した松原が一塁にダイレクトでストライク送球。間一髪アウトにして無失点で切り抜けた。 松原は「想定していました。強い打球が来たので落ち着いてイメージ通りのプレーができました」とコメント。ピンチを脱すると続く5回に3点を奪い、試合の主導権を握った。指揮官は「勝負というのは、そういうものが作用するケースというのはありますね。あるような気がします」と試合の流れを引き寄せたプレーに賛辞を送った。 あらかじめ右翼線に寄っていた守備位置について、後藤孝志野手総合コーチは「投手がバッターだったのでセンターとライトは右方向(ライト線方向)へ寄せていた」と説明し「ポジショニングのことよりも、あの状況で松原がファーストに対してライトゴロいきますよと伝えていたので、準備ができていた松原のファインプレーですよ」とたたえた。 巨人の「ライトゴロ」は昨年4月21日の阪神戦(甲子園)で亀井が阪神西を刺して以来になった。 ▽巨人後藤野手総合コーチ(松原の「ライトゴロ」に)「投手がバッターだったのでセンターとライトは右方向へ寄せていた。あの状況で松原がファーストに対して『ライトゴロいきますよ』と伝えていたので、準備ができていた松原のファインプレーですよ」

◆ヤクルトは今季初の同一カード3連敗を喫し、最多の借金6となった。 先発の高梨は、毎回先頭打者を出し、5回5失点で3敗目。先発投手が崩れて敗戦につながる展開が多く、高津臣吾監督は「慎重に入っていたり、というのはよく分かるんだけど、もう少し攻めていかないと。(高梨が)昨日、一昨日のゲームを見て、思うことはあってマウンドに立っていると思うんだけど、もっと彼らしくどんどん攻めていってよかったのかなと思う」と厳しい表情だった。 今季初めて、2番に青木、3番に山田哲を入れる打線を組んだ意図については「いろいろ考えて、いろいろ意味があってちょっと入れ替えました」と多くを語らなかった。7回までは毎回、走者を出しながらも「チャンスで1本というところで、なかなか1本でなかった」と話したように、6回に代打西浦の適時打で1点、7回青木の11号ソロと合計2点止まりだった。指揮官は「明日、また戻すと思います」と、連敗ストップがかかる28日のDeNA戦(横浜)で打順を戻すことを明かした。

◆巨人の「銀さん」が、記念すべき1発を"封切り"おした。炭谷銀仁朗捕手(33)が、プロ15年目にして初となる右翼へのアーチを放った。8月27日は「男はつらいよの日」。前夜はファウルフライを落球。「男はつらいよ」だったが、見事に汚名返上した。先発した戸郷翔征投手(20)を巧みにリードし、リーグ単独2位の7勝目へと導いた。バットでも、マスクを被っても「寅さん」、いや「銀さん」が、チームの中心で存在感を示した。葛飾柴又から約20キロ。東京音頭が流れ、どことなく"下町情緒"あふれる神宮。敵地へやって来た巨人の「銀さん」が、本家の記念日に記念アーチを描いた。0-0の3回先頭。炭谷が放った打球は右翼ポール際へ。一塁へ走りだす「銀さん」の表情は、どことなく不安そう。数秒後。はじけるような笑顔が戻った。 江戸っ子の「フーテンの寅さん」とは違い、京都っ子で実家が「畳屋の銀さん」。本家とは違い、"振られる"ことなく打球はポールに直撃。思いは通じ、今季1号の先制ソロをマークした。「(ライト方向の本塁打は)全然打った記憶がないです。ずっと打撃で貢献できていなかったので先制点を取れて良かったです」。プロ15年目。通算38本目にして、初の右翼への1発だった。 8月27日は「男はつらいよの日」だった。巨人の「銀さん」が生まれる約20年前、1969年(昭44)同日にシリーズ第1作が公開。渥美清演じる主人公「フーテンの寅さん」のように、炭谷も誰からも愛される男。昨夜の試合では、ファウルフライを落球。"男はつらいよ"といった具合に猛省した様子だったが、この日の試合前練習で元木ヘッドコーチから"いじられ"周囲は笑いに包まれた。 年上から愛され、後輩には頼りになる兄貴分。毎回走者を背負った戸郷を巧みに無失点リード。今季全試合バッテリーを組む13歳年下の後輩に安心感を与えた。平安(現龍谷大平安)を卒業し、西武、巨人と旅してきた「畳屋の銀さん」。日本一への旅路に、笑顔をもたらし続ける。【栗田尚樹】

◆巨人戸郷翔征投手が5回無失点でリーグ2位の7勝目を挙げ、師匠のメモリアルを白星で祝った。 この日、1月に合同自主トレした前巨人でブルージェイズ山口が初勝利。「同じ日に勝利を挙げられたのはうれしいです。俊さんも頑張っているので、自分もしっかりと結果を残して、いい報告ができるようにと思いながら投げています」と誓った。調子は悪く、4安打5四球と毎回走者を背負ったが、"土俵際"で粘った。 大きな目標となる新人王にも、着実に突き進む。広島のルーキー森下を2勝リード。規定投球回には届かずも、防御率も1・90で上回る。「ライバルとなる森下さんは同じように勝っている。僕も負けじと」と強烈に意識した。8月は4勝0敗、防御率0・37で、計24回1/3を投げ、失点は1。「中継ぎにも迷惑をかけて、野手の方々にも助けられている。ちょっと運を持っているのかなと思いますけど、運試しじゃなく、もっと自分の実力で勝っていければ」と決意を込めた。

◆巨人・亀井善行外野手(38)が27日、ヤクルト13回戦(神宮)に「3番・左翼」で起用され、1日の広島戦(東京ドーム)以来、約1カ月ぶりに先発復帰した。  足の状態が本調子ではなく、これまでは代打の切り札として活躍してきたが、26日のヤクルト戦で九回に代打で出場してから1イニングだけ左翼を守り、守備を"解禁"していた。  今季の先発は1番や5番が多く、3番に入るのは2016年9月30日の阪神戦(甲子園)以来約4年ぶりとなった。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(28)が27日、巨人13回戦(神宮)で「3番」で先発した。山田哲が3番に座るのは19日の中日戦(神宮)今季2度目。1番・坂口、2番・青木、3番・山田哲の並びは今季初めてとなった。  一回は1死から青木が四球で出塁したが、山田哲は遊ゴロ併殺打に倒れた。三回には2死から青木が四球で出塁し、山田哲も四球を選び好機を拡大した。

◆巨人・松原聖弥外野手(25)が27日、ヤクルト13回戦(神宮)で2-0の四回に強肩を発動。「ライトゴロ」を記録して失点を回避した。  ヤクルトの攻撃だった四回裏の2死三塁で、この日の先発・高梨がライトへ強烈な打球をはじき返した。定位置よりもやや前に守っていた右翼手・松原はワンバウンドで捕球すると、迷わず一塁へレーザービーム。高梨も懸命に駆け抜けたが結果はアウトとなり、ライトゴロが成立した。  ヒットなら適時打という状況だったが、無失点で切り抜けた。松原は「(ライトゴロは)想定していました。強い打球が来たので落ち着いてイメージ通りのプレーができました」とコメント。育成出身で26日には2試合連続の猛打賞をマークするなど、活躍が続く。

◆巨人が3連勝とした。三回に炭谷のソロで先制し、四回に吉川尚の適時打で1点、五回に丸の2ランなどで3点を加えた。戸郷は5四球を与えたがピンチで粘り、5回4安打無失点で7勝目を挙げた。ヤクルトは巨人戦6連敗となった。

◆頼れる女房役が、バットでも援護した。巨人・炭谷が三回に今季1号ソロ。先発の戸郷に先制点をプレゼントした。  「(右翼方向の本塁打は)全然打った記憶がないです。ずっと打撃で貢献できていなかったので、先制点を取れてよかったです」  三回先頭でヤクルト先発・高梨の2球目、139キロの外角低めの直球をフルスイング。打球はぐんぐんと伸びて右翼ポールに直撃した。本人も驚く、逆方向へのアーチで試合の均衡を破った。  今季はこの日までに27試合に出場し、打率・200(60打数12安打)。8月に入ってからは、出場8試合でわずか1安打にとどまり、打率・063と見せ場をつくれずにいた。今季67打席目での値千金の1号に、笑顔でダイヤモンドを一周した。  炭谷がホームランを放つのは2019年9月27日の中日戦(東京ドーム)での満塁弾以来。くしくも、その日も戸郷が救援で登板した五回の裏の攻撃だった。20歳の戸郷とは、今季は全9試合試合でバッテリーを組んでいる。若き右腕を経験豊富なリードで引っ張るとともに、打棒でも力強くサポート。プロ15年目の"いぶし銀"の女房役が、一振りで魅了した。(箭内桃子)

◆巨人・原辰徳監督(62)が27日、ヤクルト戦(神宮)でライトゴロを記録した松原聖弥外野手(25)の好守を「満塁ホームランに値するくらいのワンプレー」と絶賛した。  右翼手の松原は2-0の四回2死三塁、投手の高梨の打球を捕球すると、迷わずレーザービームで一塁に送球し、アウトに。あわや1点差という場面を無失点で切り抜け、続く五回の3得点の呼び水にもなった。  指揮官は「大きいね、ビッグプレーだね。満塁ホームランに値するくらいのワンプレーですね。流れというものが、逆にこっちに来たというんでしょうかね」と絶賛した。  また、後藤孝志野手総合コーチ(51)は「投手が打者だったので、センターとライトは右方向(右翼線方向)へ寄せていた。ポジショニングのことよりも、あの状況で松原がファーストに対して『ライトゴロいきますよ』と伝えていたので、準備ができていた松原のファインプレーですよ」と明かした。

◆ヤクルトは再三の好機を逃し、3連敗を喫した。五回までに4度得点圏へ走者を進めたが、戸郷に対し、最後の一押しができなかった。  三回2死から3連続四球で満塁としたが、エスコバーが凡退。四回無死二塁も生かせず、五回にも2死一、三塁でエスコバーが右飛に倒れた。高津監督は「なかなかつながらなかった。チャンスで一本が出なかった」と振り返った。

◆巨人の松原が2-0の四回に右翼の守備でライトゴロを完成させた。2死三塁で投手の高梨の鋭い打球をワンバウンドで捕ると、すぐさま一塁にダイレクトで返球してアウトにした。「想定していた。強い打球が来たので、落ち着いてイメージ通りのプレーができた」と満足げに振り返った。  失点を防いだ好プレーに原監督は「大きいね。満塁本塁打に値するくらいのワンプレー。流れがこっちに来た」と絶賛した。

◆右翼手・松原が自慢の"鬼肩"で戸郷の7勝目をアシストした。2-0の四回2死三塁で高梨の右前への打球を捕ると一塁へ送球し、アウトに。仙台育英高、明星大を経て育成D5位で入団した4年目外野手は、適時打となるところを防ぎ「想定していた。落ち着いてイメージ通りのプレーができた」と胸を張った。巨人の守備での右ゴロは昨年4月21日の阪神戦で亀井が西勇を仕留めて以来。原監督は「満塁ホームランに値するくらいのワンプレー」と絶賛した。

◆炭谷、丸に一発が飛び出し、3試合連続の2桁安打で3連勝を飾った。足の状態が本調子ではなかった亀井が「3番・左翼」で1日の広島戦以来の先発復帰。3番での先発に限れば2016年9月30日以来、4年ぶりで、原監督は「4、5番(岡本、丸)が機能しているので、あえて(動かすことはしない)という。丸が(3番ではなく)後ろで和真を守ってくれているので」と新打線の意図を説明した。

◆投打に精彩を欠き、今季初の同一カード3連敗。ヤクルト・高津臣吾監督(51)は「慎重に入っていたりというのはよく分かるけど、もうちょっと攻めていかないと。彼らしく、どんどん攻めて良かったのかな」と5回7安打5失点の先発・高梨を評した。  毎回先頭に出塁を許す苦しい内容だった。五回に3失点し、高梨は「最少失点でいかなければいけないところを粘り切れなかった」と反省した。  今季初めて2番・青木、3番・山田哲と並べた打線も三回2死満塁で5番・エスコバーが遊飛と決定打を欠いた。「チャンスで1本というところで、1本が出なかった」と指揮官。巨人戦は2013年以来となる6連敗。再浮上のきっかけをつかみたい。(長崎右)

◆巨人は27日、ヤクルト13回戦(神宮)に5-2で勝ち、同一カード3連戦3連勝を飾った。先発の戸郷翔征投手(20)が、5回4安打無失点の力投で今季7勝目。8月を負けなしの4連勝とし、開幕9連勝中のエース・菅野智之投手(30)に次ぐリーグ単独2位に浮上した。新人王争いの有力候補にも名が挙がる高卒2年目右腕が、2位・DeNAに5・5ゲーム差をつけて首位を走るチームを力強く牽引(けんいん)する。  ベンチから勝利の瞬間を見届けると、戸郷はホッとした表情で歓喜のハイタッチに加わった。毎回走者を背負いながらも粘りの投球で得点を許さず、5回を4安打無失点にまとめた。  「チームがいい流れで来ていたので、何とか勝ちにつなげられてよかった。毎回毎回野手の皆さんに助けてもらっているので、次はもっと長いイニングを投げたいです」  2連勝で迎えた今カード3戦目。初めての神宮球場のマウンドに苦戦し5四球を与えたものの、得点は許さなかった。1-0の三回2死から3連続四球で満塁のピンチを招いたが、エスコバーを速球で詰まらせて遊飛に仕留めるなど99球で役目を終え「銀さん(炭谷)のリードを信じて投げて、結果が出てよかった」とうなずいた。  高卒2年目にして、先発ローテの柱といって過言ではない存在に成長している。9勝の菅野に次ぐリーグ2位の7勝目。この3試合、計17回1/3で無失点を続ける。この日がヤクルトとは初対戦だったが、5球団から勝利とセ・リーグ"制覇"。規定投球回に4イニング足りないが、防御率は1・90と非の打ち所がない。  この日の朝に届いた"吉報"に、熱く燃えていた。昨季まで巨人に所属し、オフに自主トレをともにした山口俊(現ブルージェイズ)が、レッドソックス戦でメジャー初勝利を挙げた。「同じ日に勝利を挙げられて、うれしい。自分もしっかり結果を残して、いい報告ができるようにと毎回思っています」と笑みを浮かべた。  この日の白星で8月は負けなしの4連勝としたが、その直前は2連敗を喫した。そんな苦しいときに思い出すのが、宮崎・聖心ウルスラ学園高の小田原斉監督(47)に繰り返し伝えられた言葉だ。「調子が悪い時や結果が出ない時こそ、周りの人への礼儀や感謝、自分の態度を大事にしなさい」。常に初心を忘れず「ここ4試合、中継ぎにも迷惑をかけて野手の方々にも助けられている」と謙虚な20歳の姿が、ナインの後押しを呼び込む。  昨季2試合の登板だったため、新人王の資格を持つ。5勝の広島D1位・森下(明大)と一騎打ちの様相を呈する中で、戸郷は「新人王は意識して今季に入ってきた。『僕も負けじと』と言っていますが、僕の場合は長く投げられず野手に助けられている。負けないようにやっていきたいです」と決意を込めた。  高校から直接巨人に入団した選手が新人王を獲得すれば1983年の槙原寛己以来、37年ぶり。快進撃を続け、令和の巨人を担うエースへと飛躍を遂げる。(箭内桃子)

◆適時打が出るか出ないかが、勝敗を分けた。  巨人は四回の守りで、2死三塁から高梨の右前への打球を、松原が素早く送球してライトゴロにした。打者は投手。少し前進して備えていたのだろう。そういう気持ちで守っていないと、アウトにはできない。  適時打になっていれば、1点差で上位打線に回り、その後の展開はわからなかった。この日は打撃がさっぱりだった若い松原にとっても、原監督に認めてもらえる大きなプレーになった。  ヤクルトは三、五回にも、もう一本出ていればという好機を逃した。三回は3四球でもらった2死満塁、五回は連打で作った2死一、三塁で、いずれもエスコバーが平凡なフライを打ち上げた。  逆に巨人は、ライトゴロで得点を許さなかった直後の五回、2死一塁で2打席目まで凡退の岡本が左越えに適時二塁打。続く丸の2ランで、ヤクルトに大きなダメージを与える3点が入った。  要所で打線がつながるチームと、つながらないチーム。これが首位と最下位の差だろう。 (本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
33203 0.623
(↑0.008)
-
(-)
64265
(+5)
191
(+2)
77
(+2)
36
(-)
0.257
(↑0.001
3.390
(↑0.02)
2
(-)
DeNA
29273 0.518
(↑0.009)
5.5
(-)
61235
(+3)
220
(+2)
59
(-)
12
(+1)
0.267
(-)
3.580
(↑0.03)
3
(-)
阪神
27273 0.500
(↑0.009)
6.5
(-)
63244
(+6)
226
(+3)
54
(+2)
40
(-)
0.243
(↑0.001)
3.580
(↑0.01)
4
(-)
中日
26304 0.464
(↓0.009)
8.5
(↓1)
60199
(+3)
245
(+6)
33
(-)
15
(-)
0.241
(-)
3.770
(↓0.05)
5
(-)
広島
23286 0.451
(↓0.009)
9
(↓1)
63247
(+2)
259
(+3)
60
(+1)
23
(-)
0.268
(↓0.001)
4.140
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
23295 0.442
(↓0.009)
9.5
(↓1)
63249
(+2)
298
(+5)
52
(+1)
36
(-)
0.249
(-)
4.820
(-)