阪神(☆6対3★)中日 =リーグ戦12回戦(2020.08.27)・阪神甲子園球場=
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中日
2000000103700
阪神
00031110X6902
勝利投手:青柳 晃洋(6勝3敗0S)
(セーブ:スアレス(0勝0敗10S))
敗戦投手:柳 裕也(2勝4敗0S)

本塁打
【阪神】サンズ(10号・4回裏3ラン),サンズ(11号・6回裏ソロ)

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◆阪神は2点ビハインドで迎えた4回裏、サンズの3ランで逆転する。その後は5回に近本の適時打、6回にはサンズの2打席連続本塁打となるソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・青柳が7回2失点の好投で今季6勝目。敗れた中日は、先発・柳が試合をつくれなかった。

◆今月の阪神近本光司外野手(25)は91打数34安打で月間打率は3割7分4厘。7月にはスタメン落ちするなど打率1割台まで下がっていたが、現在までシーズン打率が2割9分1厘まで急上昇。今日も猛打を見せて打率3割に乗せられるか。

◆阪神青柳晃洋投手(26)が、7回4安打2失点で降板した。試合開始直前には約30分にわたって雨が降り、この日も雨男ぶりを発揮。「雨柳さん」タオルを手にスタンドから応援するファンのエールに応え、好投を見せた。 初回先頭の大島に左前打を許し、ビシエドと阿部の適時打で2点を先制される苦しい立ち上がり。「初回は慎重になりすぎてしまい、もったいない形での失点になってしまいました」。しかしそこから別人のように持ち直した。 2回から5回まで3者凡退。6回は先頭の大島を一塁への内野安打で出塁させたが、7回に降板するまで許したのはその1本のみ。「2回以降は梅野さんからもストライク先行で大胆に攻めていこうと言ってもらえたので、それを意識して立ち直ることができました。逆転してくれた野手の方にも感謝したいです」。味方の好守備にも助けられながら、勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りた。現在5勝でチームの勝ち頭。6勝目がかかっている。

◆中日は1回に、ビシエドと阿部の適時打で2点を先制。阪神は3回まで1人も走者を出すことができずに無得点。 阪神は4回にサンズの3ランで逆転。6回にもサンズにこの日2発目のソロが飛び出し、突き放す。中日は2回以降は1安打のみ。 中日は8回に1点を返し、その後2死満塁の好機を作るが凡退。阪神が同一カード3連勝で借金を返済した。中日は借金4。

◆阪神元監督で日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(67)がライブ評論します。阪神は4点リードの8回から継投にスイッチ。ピンチを招きながらも1失点でしのいだ。真弓氏は阪神ベンチの継投に首をかしげた。-青柳を89球で下げた 2回以降はボール先行せずに、早めに追い込めている。そこが踏ん張れた要因だ。89球で降板させたのは疑問だ。あの内容なら、続投しても8回はあそこまでピンチにならなかっただろう。先発は次の登板まで1週間も休める。これからの連戦を考えると、中継ぎにも負担がかかる。2番手ガンケルを打者3人であきらめ、岩崎に代えたが、そういう使い方なら、最初から起用しないほうがいい。

◆阪神元監督で日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(67)がライブ評論します。3位阪神はボーアが試合前の時点で5戦5発と好調。中日は甲子園で5戦5敗と苦戦している。真弓氏が試合の見所を語った。-前夜は陽川、ボーアに本塁打が出て、打線は上向きだ 真弓氏 阪神打線の場合は好不調の波というよりは、相手投手との相性に左右されるところが大きい。投手の球速が150キロ近くなると、攻略に苦戦する。柳はコーナーをしっかり狙うタイプで、それほど速くはない。早めに点を取って、試合の主導権を握りたい。 -ボーアが5戦5発と好調だ 真弓氏 内角のストレートを打てるようになれば、本物だろう。まだどのタイミングで内を突かれるかの判断ができず、打てていない。配球がある程度、読めるようになると、相手投手も内角を投げづらくなり、さらに読みやすくなる。 -中日は甲子園で苦戦している 真弓氏 投手陣はナゴヤドームでは抑えられているが、甲子園では力が発揮できていない。ナゴヤドームはマウンドの傾斜に角度があり、投げ降ろされているような感じがした。昔は対策として、室内練習場でマウンドを高くして、打撃練習したこともあった。甲子園は傾斜も緩やかで、投手は投げづらく感じるのではないか。ガルシアが甲子園で勝てなかったのも、そういうことがあると思う。中日はいかに投手陣が踏ん張るかが鍵を握るだろう。

◆阪神元監督で日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(67)がライブ評論します。阪神は2回、中日柳の直球をしとめられず、4番サンズからの好打順で3者凡退に終わった。-柳は球にキレがある 真弓氏 それほど球は速くないが、キレがある。コーナーをきっちり突いている。大山は背番号3がはっきりと見えるほど左肩が入ってしまっている。これでは内角球にあわててしまい、打てない。2回の打席では、4球目の内角球に完全に差し込まれて、ファウルになった。これでは外に変化球を投げようとは思わない。続けて、内角球を投げられ、見逃し三振になった。ボーアも内角への直球を決め球に使われた。どのチームも相手打者の傾向は分かっている。投手がそこに投げられるかどうか。柳はできるということだ。

◆阪神元監督で日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(67)がライブ評論します。初回に中日打線が阪神先発の青柳を攻略した。ビシエド、阿部の右打者がタイムリーを放ち、2点を先制。真弓氏が攻略の理由を明かした。-ビシエドは内角のボール球を、平然と見逃していた 真弓氏 ビシエドは打つ時に左肩を入れないタイプの打者だ。こういう右打者は、アンダースローの球筋を見やすい。左肩が入るタイプの打者は、下から出てくるアンダースローの球筋が見にくい。阿部もあまり左肩が入らない。私も現役時代は苦にしなかった。アンダースローに内角を突かれても、球に角度がないので、それほど怖さを感じなかった。球が抜けたとしても、上にはこないからね。

◆阪神元監督で日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(67)がライブ評論します。阪神は3回までノーヒットだったが、4回に近本の死球を足がかりに、サンズの3ランで逆転に成功。真弓氏は柳の心理の変化を語った。-4回に先頭の近本を死球で歩かせた 真弓氏 ランナーが出ると、投手も大きいのを打たれたくないと思う。3回まではズバッと内角を攻めていたが、その割合も下がる。警戒して、内角に投げにくくなるものだ。サンズも内角寄りの球なら打てていないだろう。サンズが得点圏で強さを発揮するのは、カウントを整えてから狙い球をしっかり打てているからだ。ある程度、配球を読んで、1発で仕留められている。打席で全く慌てていない。中日バッテリーはまだ回が浅いので勝負したのだろうが、大山の打撃内容を見れば、サンズを歩かせて満塁策を取るのも手だった。

◆阪神元監督で日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(67)がライブ評論します。阪神は7回に木浪のタイムリーで1点を追加した。-木浪は内角スライダーをうまく打った 真弓氏 うまく打ったが、ストレートなら、打ててないだろう。木浪は打席で粘りがある。打率2割3分台だが、もう少し打っているイメージがある。それはつまらない凡打が少ないからだ。一方で陽川は4回のチャンスでボールゾーンからボールゾーンになるスライダーを空振りし、三振に倒れた。こういう球を見逃せるようになると、打者有利のカウントに持ち込め、打率がグッと上がる。打撃の内容が悪いので、次に使おうという気がなくなる。いいものを持っているが、調子が長続きしないのは、そういうところにある。

◆阪神元監督で日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(67)がライブ評論します。6回にサンズが2打席連続となる本塁打でさらに1点を追加。真弓氏がサンズの良さを語った。-サンズが6回に甘いスライダーを逃さなかった 真弓氏 柳は4回と違い、走者のいない場面では思い切って内角を突いていた。サンズの打席もそうだ。ただ、3球目の内角球をしっかりと振って、ファウルにした。このスイングを見せられると、バッテリーも内角に投げづらくなる。外角のスライダーを決め球としたが、甘く入った。サンズは失投を逃さなかったが、1発で仕留められるのが彼の良さだ。1試合の中で、投手は意外に失投が多いもの。そこを仕留められるかどうかだ。

◆前日に続きプロ2戦目の先発となった、高卒2年目の阪神小幡竜平内野手(19)が好守備で魅了した。 0-2の4回、初回に先制適時打を放ったビシエドを先頭で迎えた。2ボールから青柳が投じた3球目、141キロ直球をとらえたビシエドの打球は、一、二塁間への強烈なライナー。小幡は腕を伸ばし、ジャンピングキャッチでグラブに収めた。出塁させていれば追加点のピンチとなっていただけに、小幡の好プレーにスタンドからは大きな拍手が送られた。 小幡は前日の試合でプロ初スタメン。阪神の10代野手では、12年10月5日ヤクルト戦(甲子園)に2年目の中谷が出場して以来、8年ぶりのことだった。

◆高卒2年目の阪神小幡竜平内野手(19)が、出場4試合目でプロ初安打を放った。阪神で10代野手の安打は97年浜中治以来、23年ぶりの快挙となった。 前日に続きプロ2戦目のスタメン。3回の第1打席は空振り三振に倒れたが、5回1死で迎えた第2打席、柳の外寄りのシンカーを打ち返すと、打球は中前で弾んだ。うれしいプロ初安打に、観客も大きな拍手で喜んだ。 青柳が犠打を決め二塁に進むと、近本の中前打で一気に本塁生還。中日与田監督がリクエストを要求する際どいタイミングだったが、持ち前の俊足を生かし、最後は気迫ののスライディングで4点目をもぎとった。 2点を追う4回には、ビシエドの痛烈な打球をジャンピングキャッチで好捕。フレッシュな戦力が攻守で存在感を見せた。

◆高卒2年目の阪神小幡竜平内野手(19)が、出場4試合目でプロ初安打を放った。阪神で10代野手の安打は97年浜中治以来、23年ぶりの快挙となった。 前日に続きプロ2戦目のスタメン。3回の第1打席は空振り三振に倒れたが、5回1死で迎えた第2打席、柳の外寄りのシンカーを打ち返すと、打球は中前で弾んだ。うれしいプロ初安打に、観客も大きな拍手で喜んだ。 青柳が犠打を決め二塁に進むと、近本の中前打で一気に本塁生還。中日与田監督がリクエストを要求する際どいタイミングだったが、持ち前の俊足を生かし、最後は気迫のヘッドライディングで4点目をもぎとった。 小幡は18年ドラフト2位で入団。同1位で入団した「同期」の近本は「小幡が打ってくれたので、絶対にホームまでかえしたいという気持ちでした。打つことができて良かったですし、小幡が本当によく走ってくれました」と激走をたたえた。 2点を追う4回には、ビシエドの痛烈な打球をジャンピングキャッチで好捕。フレッシュな戦力が攻守で存在感を見せた。

◆阪神ジェリー・サンズ外野手(32)が、2打席連発となる11号本塁打を放った。4-2の6回、柳の真ん中に入った133キロカットボールをとらえた。打球は左翼スタンド中段に飛び込む特大本塁打。柳をマウンドから引きずり下ろした。 4回には逆転の3ランを放っており、2打席連発と絶好調。前日に11、12号を放ったボーアとともに、来日1年目の助っ人が頼もしさを増している。

◆阪神が逆転勝利で25日ぶりに勝率5割復帰だ。 4番ジェリー・サンズ外野手(32)が、2打席連発となる10号3ランと11号ソロを放つなど大活躍。先発の青柳晃洋投手(26)は7回4安打2失点で6勝目を挙げた。 チームは25日中日戦から3試合連続の逆転勝ち。同一カード3連勝で借金返済となった。阪神の3試合連続逆転勝ちは17年7月11、12日中日、17日広島戦以来。

◆阪神元監督で日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(67)がライブ評論します。阪神はサンズの2発で勝率を5割に戻した。首位巨人に近づくための条件を真弓氏は語った。-阪神は3連勝で勝率5割に戻した。巨人に近づくために必要なものは何か 真弓氏 相手投手のタイプにかかわらずに、点が取れるようになることが必要だろう。心配な点は、終盤の継投だ。この試合では中押し点が取れたが、追加点がなければ、今の中継ぎ陣では怖い。9回のスアレスは安定してきただけに、その前を投げる投手をいかにやりくりしていくかがポイントになる。

◆阪神元監督で日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(67)がライブ解説。阪神が逆転勝利で25日ぶりに勝率5割復帰。4番ジェリー・サンズ外野手(32)が、2打席連発となる10号3ランと11号ソロを放つなど大活躍。先発の青柳晃洋投手(26)は7回4安打2失点で6勝目を挙げた。チームは25日中日戦から3試合連続の逆転勝ち。同一カード3連勝で借金返済となった。阪神の3試合連続逆転勝ちは17年7月11、12日中日、17日広島戦以来。【真弓明信氏が見どころ語る】-前夜は陽川、ボーアに本塁打が出て、打線は上向きだ真弓氏 阪神打線の場合は好不調の波というよりは、相手投手との相性に左右されるところが大きい。投手の球速が150キロ近くなると、攻略に苦戦する。柳はコーナーをしっかり狙うタイプで、それほど速くはない。早めに点を取って、試合の主導権を握りたい。-ボーアが5戦5発と好調だ真弓氏 内角のストレートを打てるようになれば、本物だろう。まだどのタイミングで内を突かれるかの判断ができず、打てていない。配球がある程度、読めるようになると、相手投手も内角を投げづらくなり、さらに読みやすくなる。-中日は甲子園で苦戦している真弓氏 投手陣はナゴヤドームでは抑えられているが、甲子園では力が発揮できていない。ナゴヤドームはマウンドの傾斜に角度があり、投げ降ろされているような感じがした。昔は対策として、室内練習場でマウンドを高くして、打撃練習したこともあった。甲子園は傾斜も緩やかで、投手は投げづらく感じるのではないか。ガルシアが甲子園で勝てなかったのも、そういうことがあると思う。中日はいかに投手陣が踏ん張るかが鍵を握るだろう。

◆雨のち晴柳!! 阪神青柳晃洋投手(26)が粘って今季6勝目を挙げた。1回は制球が定まらないうちに甘くなった球を痛打され、適時打2本で先制の2点を献上。ベンチに戻ると梅野に言われた。「しっかり粘っていけ。ストライク先行で大胆に攻めていこう」。気持ちを切り替えた。腕を振って攻める。2回以降はコーナーに散らし、4イニング連続3者凡退だ。 我慢している間に打線が逆転。「いまのチーム状態なら、2点に抑えていたら勝てるチャンスがある。梅野さんのおかげで抑えられた」。7回2失点の好投。中日には今季4戦で3勝1敗、防御率2・08で、竜キラーも板についている。 天からの試練は慣れっこになった。今季は登板日の雨天中止、降雨コールドが続発し、同僚から「雨柳さん」の異名を取る。この日も午後5時ごろから、雨粒が落ちてきた...。約30分の小雨に降られたが動じない。「甲子園の雨が多い。試合中は降らなくてよかった。雨の日の勝率はいいのかな」と振り返った。今年は雨に降られて3勝を稼ぐ。 今季の充実ぶりを物語る1勝だ。1回は2点を失ったあと、鮮やかなけん制で二塁走者高橋を刺した。2点リードの6回無死一塁では19歳の二塁小幡がトスミスで併殺を完成できなくても笑顔で動じない。矢野監督も「粘れたのは青柳の今年、勝ちにつながっている成長の部分」と評価した。 シーズン折り返しで6勝目。青柳はお立ち台では「まだまだです。僕のなかでは13勝を今年の目標に掲げている」と言い切る。雨ニモマケズ白星ヲ重ネル。

◆阪神1番近本光司外野手がサンズの逆転3ランをお膳立てした。 柳の前に打線が5者連続三振を喫した直後の4回先頭で死球出塁。続く木浪の二塁打で無死二、三塁として、サンズにつないだ。5回には中前打をマーク。8月は35安打として月間の自己最多安打を更新した。 ちなみに球団の月間最多は10年8月鳥谷の43安打で、残り3試合で8本を放てば並ぶ。

◆阪神が3年ぶりの3試合連続逆転勝ちを決めた。2点を追う4回、4番のジェリー・サンズ外野手(32)が中日先発柳から右中間へ逆転の10号3ラン。サンズは6回にも2打席連発の11号ソロを放って中押しした。チームは今季、甲子園だけで貯金8を量産し、25日ぶりに勝率5割復帰。首位巨人の背中を追い続ける。サンズの打球は、歓声とともにスタンドへ飛び込んだ。2点を追う4回1死二、三塁、柳の直球を力強く振り切った。節目の10号は値千金の逆転3ラン。「自分の仕事ができて良かったね。ハッピーハンズ!」。25日にはお決まりのパフォーマンス「ハッピーハンズ」フェースタオルが発売されたばかり。この日も手をヒラヒラさせると、球場のファンは総立ちだ。「チームメートも、ファンの皆さんにも楽しんでもらえてると思うのでうれしいよ」。これで一気に波乗りだ。 6回はスライダーをとらえて来日初の2打席連続本塁打。左翼スタンド中段に飛び込む特大アーチで、柳をマウンドから引きずり下ろした。お立ち台では「タイガースファン、メッチャオオキニ!」と日本語でファンに感謝。前夜は2発を放ったボーアがお立ち台へ。阪神で来日1年目の助っ人2人が2桁本塁打を放ったのは、99年のジョンソンとブロワーズ以来21年ぶり。助っ人史を塗り替えられるのも、異国の地に適応する努力があってこそだ。 今春の沖縄キャンプ。フリー打撃で他の野手たちが数分間打ち続ける中、サンズとボーアは4、5回打って交代を繰り返していた。井上打撃コーチが「他の野手みたいにもっと打てよ!」と声を掛けても「そんな、疲れちゃうよ~」と冗談交じりにはぐらかす。しかし、そんな姿勢は自然と変わっていった。帰阪後の甲子園練習。2人の助っ人は他の野手陣と同様に、約5分間ひたすら打ち込んでいた。誰かが言ったわけではない。実戦で結果が出ない中で「やらなきゃいけない」という使命感が2人を突き動かした。少しずつ日本流になじみ、今ではオリジナルグッズが発売されるほどの愛されキャラだ。 サンズの得点圏打率は4割6分2厘まで伸び、堂々のセ・リーグ1位。「事前の準備で考える部分は毎回心がけているけど、あとは基本的に自分のスイングをすることだけ」。状況や配球をしっかり頭に入れ、落ち着いて打席に入る。頼もしい主砲に矢野監督も「サンズが素晴らしい一振りで流れを一気にこっちに向けてくれた」と最敬礼だ。曜日別打率は火曜日が最高の5割6分。木曜日は最低1割だったが、そんな負のデータも豪快な打撃で吹き飛ばした。【磯綾乃】   ▼阪神サンズが10号3ラン、11号ソロを打ち、2桁本塁打に到達。ボーアも12本打っており、外国人選手2人が2桁本塁打は、阪神では14年のマートン(14本)、ゴメス(26本)以来。来日1年目の阪神助っ人では、99年のジョンソン(20本)、ブロワーズ(10本)以来21年ぶり。ブロワーズは95年にメジャーで23本塁打するなど期待され、66試合で4番を打ったが不振で途中退団。ジョンソンも前半戦は活躍して一時チームの首位躍進を支えたが、チームは最終的に最下位となり、1年で退団した。

◆阪神の守護神スアレスが9回を完璧に抑え、リーグトップの10セーブ目を挙げた。高橋、阿部を連続で空振り三振に仕留め、最後は遠藤を155キロ直球で左飛に打ち取った。 ここまで23試合に登板し、わずか6失点(自責4)、防御率1・59の安定感だ。「10回もセーブがついて、これからもそのチャンスをしっかりとものにしていきたいと思っています」。お立ち台では最後に「ミナサン、アリガトウゴザイマス!」と話して盛り上げた。

◆19歳の若虎が甲子園で光り輝き、3試合連続の逆転勝ちに一役買った。高卒2年目の阪神小幡竜平内野手(19)が、出場4試合目、プロ7打席目で初安打を放った。5回1死走者なしでカウントは1-2。追い込まれていたが、中日柳の外角シンカーに食らいついた。打球は中堅手大島の前で弾んだ。「すごくうれしかったです」。 8月21日にプロ初昇格。2試合連続でスタメン出場し、まずは持ち味の守備で球場を沸かせた。4回、先頭の4番ビシエドの強烈なセカンドライナーをジャンピングキャッチ。そのワンプレーでリズムに乗った。 5回の初安打につなげ、青柳の犠打で二進。その後近本の中前打で、全力疾走した。執念のヘッドスライディングで本塁を陥れ、間一髪でセーフ。「あそこはもう本能的に頭からいっちゃいましたね」。泥だらけのユニホームではにかみ、プロ3得点目も刻んだ。 「絶対負けたくないんです」。「ミレニアム世代」と呼ばれる中日根尾、ロッテ藤原、広島小園とは同じ20年生まれの同世代。ライバルに対する闘志はずっと燃え続けていた。藤原と小園はプロ1年目の昨季に初安打。根尾も今季8月11日に打った。「ひとまずは同じ舞台に立てた。まだまだですけど、根尾世代が変わるように頑張ります」。悔しさの呪縛は、この日の一打で自ら解き放った。 もうひとり刺激になる同世代がいる。巨人戸郷は同じ宮崎県のライバル校、聖心ウルスラ出身で18年夏の宮崎県選抜で同じチームだった。藤原、根尾らを擁するU18日本代表と戦った戦友に「去年からすごかったですけどね。ずっと意識して見いてます」。首位巨人の先発ローテで、この日ヤクルト戦に先発して7勝目をマーク。新人王候補を走るライバル右腕にも追いつけ追い越せだ。 8回にも中前へ運んで、初のマルチ安打も記録した。初安打のボールは「両親に渡します」と即答。「どんどんトレーニングをして、先輩を追い抜きたいと思います!」。虎に力強い若き戦力が加わった。【只松憲】 阪神矢野監督(小幡について)「うれしいですね。プロに入って初ヒット。大分ですかねお父さんお母さんも。高校野球の監督やいろんな方が喜んでくれるヒットになったと思いますし、またもう1本出ましたしね。プロとしての第1歩を一緒に戦えたっていうのがうれしいです」 阪神井上打撃コーチ(小幡について)「今日は初ヒットを打ったというのは、危なっかしい守備もあったけど、見てて何かワクワクするというか、なんかしてくれるんじゃないかと思わせてくれる。見ての通り、俺は『網戸』って言っているんだけど(笑い)。(体が細くて)ぺらぺらだから(笑い)。鍛え上げていかないと。もちろんしなやかなスローイングや、守備力は魅力なので。そういったモノを伸ばしながら、守備だけでは生きていけないんで。レギュラー取るためにハッパをかけていきたいと思います」

◆阪神が逆転勝利で25日ぶりに勝率5割復帰だ。 4番ジェリー・サンズ外野手(32)が、2打席連発となる10号3ランと11号ソロを放つなど大活躍。先発の青柳晃洋投手(26)は7回4安打2失点で6勝目を挙げた。 チームは25日中日戦から3試合連続の逆転勝ち。同一カード3連勝で借金返済となった。阪神の3試合連続逆転勝ちは17年7月11、12日中日、17日広島戦以来。 以下、矢野燿大監督の一問一答。 -3連勝 「先制された中でね。向こうも立ち上がりよかった中で逆転できたっていうのは意味ありますし、3連勝できたっていう結果にもすごく価値があると思います」 -4回に鮮やかな逆転 「なかなかね、コースに投げられて球もキレてましたし、チャンス多くないっていうところでジェリーが、サンズが素晴らしいひと振りで流れを一気にこっちに向けてくれたのでね。素晴らしいバッティングでした」 -そのサンズは2打席連発 「本当に、チャンスがそんなに多くない中でしっかり仕留められたってところにすごく価値があると思う。本当に勝負強いバッターなので、心強いです」 -19歳小幡に初ヒットも 「うれしいですね。プロに入って初ヒット、大分ですかね。お父さん、お母さんも、高校野球の監督やいろんな方が喜んでくれるヒットになったと思いますし、またもう1本出ましたしね。プロとしての第1歩を一緒に戦えたっていうのがうれしいです」 -小幡への期待は 「体もまだまだ強くしていかないとダメですし、やることあるんですけど。今は精いっぱい目の前の打球やワンスイングを精いっぱいやれてるので、それを続けてくれたらと思います」 -青柳は2回以降は見事なピッチング 「立ち上がり2点取られましたけど、あそこで粘れたというのは、青柳の今年、勝ちにつながっているところじゃないかと思います。取られた後であれだけ粘れたというところはね、頼もしく思っています」 -5割復帰で広島に乗り込む 「そうですね。打線も少しずつみんな上がって来ていますし、またいい投手と当たりますけど、何とか全員で攻略して連勝を続けていきたいと思います」 -逆転の場面はサンズが4番の仕事 「いやもうね、素晴らしい。もちろん、甲子園であっちに打つってね、右打者でも簡単なことじゃないし。風も若干向こうに吹いていたんでね。まあそれにしても見事な得点圏でね、得点圏打率も。返してくれるんでね。最高の形になりました」 -得点圏に強い要因は 「自分の形というのがある。自分もリードしていく時にそういう相手の気持ちを揺さぶってリードしていくんやけど、あまり動じないというか。自分はこうするんだというのが、すごくしっかりしているんで。そういうクレバーなただ来たボールを打つだけではそんなには打っていけないんで。そういうレベルも高いのかなと思います」 -中距離のイメージがあったが 「韓国でも20本打っているんで。そんな中距離とは思っていないけど。当たればホームランにいくと思っているし、そんなふうには思ってない」 -小幡の活躍は。期待したモノが全て出た 「期待というか、経験なので。こういう結果が出たことは最高だし。これから失敗もいろいろ起こると思うけど、挑戦してチャレンジして。その中で学んでいってくれたらいいと思っているし。今は与えられた打席を精いっぱい、振りにいくっていうことを続けていってくれれば成長していくと思う。ヒット打ったり、ファインプレーをしてくれたり、結果でそうなったらいいなとは思うけど、それはあまり望んでいる訳じゃないんで。今日みたいにそういう姿を。野球をできる喜びや1軍でできる喜びを感じてやってくれたらいいんじゃない」 -5回は本塁への走塁も大きかった。 「もちろん、もちろん。外野も前に来てて、外野もいい送球が返ってくる中で、間一髪なんで。そういうところでは、走塁もよかったと思うし。守備は一個もたついたのがあったけど、ある程度、守備に関しては1軍でやれる能力があると思っているんで。 -終盤、岩崎、スアレスで締めた 「青柳まだいけたんだけど、まあまあ点も取りに行きたいなというのはもちろんあったし、青柳の役割としてはしっかりと果たしてくれた。俺の中で替えてという形になったんだけど...。まあ、ガンケルはちょっとアンラッキーなところで替えちゃって申し訳なかったなというのはあるけど、まあまあ優の信頼というのは高いんで。俺としてはやることはやったという継投でこういうことになった」

◆中日が今季4度目の同一カード3連戦3連敗を喫した。甲子園では今季白星なしの6戦全敗で、昨季からは8連敗に伸ばした。今季は横浜でも2カード6戦全敗で、東と西にそれぞれに鬼門を作る結果になった。 初回にほころびが出た。連敗中だった阪神先発青柳を攻め、初回2死三塁からビシエド、阿部の適時打で2点を先制。なお2死一、二塁の好機を残したが、二塁走者高橋が痛恨のけん制死に倒れると、その後の打線は沈黙した。 6月30日阪神戦で青柳に投げ勝っていた先発柳は、2回1死から5連続三振を奪うなど3回までパーフェクト投球だった。しかし4回にサンズに逆転3ランを浴び、6回も2打席連続となるソロを食らい、6回途中5失点でKOされた。 柳は2試合連続で敗戦投手となり、降板後はベンチでタオルで顔を覆ってガックリ。「先制してもらったのに、一番してはいけない点の取られ方をしてしまいました」と言葉少なに試合を振り返った。 与田監督は柳について「打たれる球はやはり甘めに入っている。コントロール(の問題)もあるが、相手の力もあると思う」とし、高橋のけん制死には「痛いが、他の選手でカバーしないと。ミスだけを責めるつもりはない」と選手をかばった。 120試合のシーズンでリーグ最速で半分の60試合を終え、借金4の4位につける。指揮官は「この連敗は反省材料が多い。選手の体の状態は決して悪くない。取り返せるんじゃないかな、という風に思っています」と、残り60試合を前向きにとらえた。【伊東大介】

◆高卒2年目の阪神小幡竜平内野手(19)が、出場4試合目でプロ初安打を放った。阪神で10代野手の安打は97年浜中治以来、23年ぶりの快挙となった。 前日に続きプロ2戦目のスタメン。3回の第1打席は空振り三振に倒れたが、5回1死で迎えた第2打席、柳の外寄りのシンカーを打ち返すと、打球は中前で弾んだ。うれしいプロ初安打に、観客も大きな拍手で喜んだ。 ▼小幡は00年9月21日生まれでまだ19歳。阪神の野手で10代でスタメン出場したのは12年の中谷以来だが、中谷は同年は無安打。10代野手で安打を記録したのは97年、新人だった浜中治以来23年ぶり。ほかに95年の高波文一(3安打)、平尾博司(8安打)、91年新庄剛志(2安打、いずれも2年目)、74、75年掛布雅之(1年目=33安打、2年目=8安打)らがいる。

◆高卒2年目の阪神小幡竜平内野手(19)が、出場4試合目、プロ7打席目で初安打を放った。小幡が甲子園に出場した18年春、チームを率いた宮崎・延岡学園元野球部監督の三浦正行氏(68)は、テレビで教え子の初安打をしっかり見守った。「いきなり1軍に上がって先発でヒットですか。頑張ってるんだなと思いました」。感慨深げに喜びをかみしめた。 高校時代は自由に野球をやらせたという。「4番をずっと打たせててね。もうほとんどサインもなく、彼に任せっきりでしたよ。彼には4番という場所を与えて『お前がここで(好きに)やっていいいから』と言って」。ノビノビプレーがプロに注目される原点になった。 守ってはセカンドライナーをジャンピングキャッチ。走っては本塁へ好走塁。「スピード感あふれるプレーだったね。守備も彼の持ち味。特に肩は高校時代から中日の根尾君よりもいいと思っていたよ」。最高の恩返しを心から喜んでいた。【阪神担当 只松憲】

◆阪神は0-2の四回、サンズが10試合ぶりとなる10号3ランで逆転した。1死二、三塁から柳の直球をフルスイング。打球は右中間スタンドに飛び込んだ。 三回まで、阪神打線は5者連続三振など、柳に対して完ぺきに封じ込まれていた。四回、先頭の1番・近本が死球で初出塁。続く木浪の左翼への二塁打で無死二、三塁。ここで、26日に逆転3ランを放った陽川は空振り三振に倒れたが、試合前の時点でセ・リーグトップの得点圏打率・459を誇るサンズが勝負強さをみせた。

◆26日に続き、「8番・二塁」で、2試合連続スタメン出場した阪神・小幡竜平内野手(19)が、プロ7打席目で初安打。球団の10代野手では1997年の浜中治(19歳)以来、23年ぶりの安打だった。 小幡は五回、1死から柳のシンカーを詰まりながらも中前に運んだ。続く青柳のバントで二進。近本の中前打で、本塁にヘッドスライディングで突入し、判定はセーフ。中日・与田監督はリクエストによるリプレー検証を要求したが、判定は覆らず、4点目のホームを踏んだ。 小幡は延岡学園高から2019年ドラフト2位で阪神に入団。26日の中日戦で、2012年10月5日のヤクルト戦(甲子園)での中谷以来、球団8年ぶりの10代野手のスタメン出場を果たした。

◆中日・柳裕也投手(26)が27日、阪神12回戦(甲子園)に先発。六回途中、5失点でKOされた。  「先制してもらったのに、一番してはいけない点の取られ方をしてしまいました」  一回に2点の援護をもらい、2回1死から5者連続三振を奪うなど、三回まではパーフェクト投球。しかし、四回にサンズに右中間への逆転3ランを浴びると、五回は小幡に許したプロ初安打から失点。六回には再びサンズに左翼へのソロを打ち込まれ、降板が告げられた。  前回登板だった20日のヤクルト戦(神宮)でも自己ワーストとなる3被弾を浴び、KOを食らっていた。大学野球の聖地から高校野球の聖地へと舞台を移した右腕だったが、苦しい投球が続く形となった。

◆阪神は中日に6-3で勝利し、このカード3連勝。通算成績を27勝27敗3分けとして、勝率を8月3日以来の5割に戻した。  4番・サンズが来日初となる1試合2本塁打でチームを勝利に導いた。0-2の四回、好投していた中日・柳から右中間席に飛び込む逆転10号3ラン。五回、近本の中前適時打で加点すると、続く六回。サンズが左越えの2打席連続となる11号ソロを放った。  先発の青柳は一回に2失点を許すも、二回以降は立ち直り、7回4安打2失点で今季6勝目(3敗)。九回に登板して無失点に抑えたスアレスはセーブ数を2桁(10)に乗せた。  25日に続き、2試合連続となる「8番・二塁」で先発出場した高卒2年目の小幡が、五回にプロ初安打となる中前打。球団の10代野手では1997年の浜中(19歳)以来、23年ぶりの安打を記録すると、八回にも中前打を放った。

◆快音とともに白球は右中間席へと飛び込んだ。阪神・サンズが逆転の3ラン。ナインに笑顔で迎えられると、独特なエアハイタッチの「ハッピーハンズ」で応えた。  「近本と木浪が出塁してくれたから、なんとかホームまでかえしたいと思っていたよ。自分の仕事ができてよかったね。ハッピーハンズ!」  0-2の四回無死二、三塁。2ボールから真ん中にきた柳の直球を振り抜いた。試合前の時点で得点圏では打率・459(37打数17安打)、4本塁打、28打点。勝負強い助っ人がまたも結果を残した。  20日の巨人戦(東京ドーム)から4番に座って7試合目での初アーチとなった。25日には自身のエアハイタッチをあしらった「ハッピーハンズ」フェイスタオルが発売。新アイテムを掲げた虎党の期待に応えた。  4-2となった六回1死では左翼席中段に運ぶソロを放った。来日初となる1試合2本塁打&2打席連発。この日2度目のハッピーハンズが飛び出した。  「甘いボールが来たらホームランを打ちたいと思っていたから、甘く入ったボールをしっかり仕留めることができた。チームメートとのハッピーハンズを見せることができてよかった」  前日26日は11得点で大勝。新4番のバットがチームをさらに浮上させる。(菊地峻太朗)

◆中日は27日、阪神12回戦(甲子園)に3-6で敗戦。8月4-6日のDeNA戦(横浜)以来、今季4度目の同一カード3連敗を喫した。  先発した柳が序盤の3回をパーフェクトに抑えながら、四回以降に2本塁打を浴びるなどして崩れた。打線も3連戦を通して一発攻勢の阪神とは対照的で、つながりも生み出せず。与田監督は「負けたときは点が取れない、点を取られる。当然、単純なことになる。それが先週できていて、今週はなかなかうまくいっていない。ただ、同じような過ちをしないように」と前を向いた。  チームは60試合を消化し、26勝30敗4分けの4位で折り返し。最短で28日の巨人戦(東京ドーム)に敗れれば自力優勝が消滅する状況だが「間違いなくこの連敗は反省材料が多いが、とにかく今年、選手のコンディションをなんとか悪くさせないように(心掛けている)。そういった意味では体の状態は決して悪くない。取り返せるんじゃないかなと思っています」とリスタートを誓った。

◆阪神は中日に6-3で勝ち、3連勝。27勝27敗3分けとして、8月3日以来の勝率5割に戻した。以下、矢野監督の一問一答。  --3連勝  「先制された中でね、向こう(中日先発・柳)も立ち上がりよかった中で逆転できたっていうのは意味ありますし、3連勝できたっていう結果にもすごく価値があると思います」  --四回に鮮やかな逆転  「なかなかね、コースに投げられて球もキレてましたし、チャンス多くないっていうところでサンズが素晴らしい一振りで流れを一気にこっちに向けてくれたのでね。素晴らしいバッティングでした」  --そのサンズは2打席連発  「本当に、チャンスがそんなに多くない中でしっかり仕留められたってところにすごく価値があると思うし、本当に勝負強いバッターなので、心強いです」  --小幡に初ヒットも  「うれしいですね。プロに入って初ヒット。(出身地は)大分ですかね。お父さん、お母さんも、高校野球の監督やいろんな方が喜んでくれるヒットになったと思います。もう1本出ましたしね。プロとしての第一歩を一緒に戦えたっていうのがうれしいです」  --小幡への期待は  「体もまだまだ強くしていかないと駄目ですし、やることあるんですけど。今は精いっぱい目の前の打球やワンスイングを精いっぱいやれてるので、それを続けてくれたらと思います」  --青柳は二回以降は見事なピッチング  「立ち上がりに2点取られましたけど、あそこで粘れたというのは、青柳の今年、勝ちにつながっている。成長しているところじゃないかと思いますし、取られた後であれだけ粘れたというところはね、頼もしく思っています」  --小幡の活躍は。期待したものが全て出たのでは  「期待というか、経験なので。こういう結果が出たことは最高だし。これから失敗もいろいろ起こると思うけど、挑戦してチャレンジして。その中で学んでいってくれたらいいと思っている。今は与えられた打席を精いっぱい、振りにいくっていうことを続けていってくれれば成長していくと思う。ヒット打ったり、ファインプレーしてくれたり、結果でそうなったらいいなとは思うけど、それはあまり望んでいる訳じゃないんで。今日みたいにそういう姿を。野球をできる喜びや1軍でできる喜びを感じてやってくれたらいいんじゃない」

◆阪神の青柳が7回2失点で6勝目を挙げた。制球が不安定だった一回に先制を許した後、捕手の梅野から「いい球が来ているが、慎重になり過ぎている」と助言をもらったという。大胆さを取り戻した二回以降は立ち直り、内野安打1本に抑えた。  一回は2点を失い、なおも2死一、二塁。このピンチでは素早いけん制で二塁走者を刺し「いいプレーだった」としたり顔で語った。矢野監督は「点を取られた後に粘れたことは頼もしい」と評価した。

◆阪神・スアレスは九回を危なげなく三者凡退で仕留めて10セーブ目。リーグ単独トップに立った。初めて甲子園のお立ち台にあがり「10回もセーブの機会をものにできて、これからもそのチャンスをものにしていきたい」とさらに積み重ねることを宣言。最後は日本語で「ミナサン、アリガトウゴザイマス!」と締めて虎党から拍手を浴びた。

◆阪神・近本が貴重な追加点を呼び込んだ。3-2の五回2死二塁、真ん中に入った132キロを中前にはじき返すタイムリー。同期入団で6歳下の後輩・小幡の激走もあり「小幡が打ってくれたので、絶対にホームまでかえしたいという気持ちでした。小幡が本当によく走ってくれました」と喜んだ。6試合連続安打で、中日戦は打率・384と竜キラーぶりを発揮した。

◆甲子園で6連敗、今季4度目の同一カード3連敗を喫した与田監督は「この3連戦、タイガース打線には打ち損じないバッティングをされた」と脱帽した。シーズンの半分となる60試合を消化し、26勝30敗4分けで4位ターン。痛い3連敗で、28日にも自力優勝の可能性が消滅する状況となったが、「取り返せるんじゃないかなと思っている」と前を向いた。

◆阪神・木浪は2安打1打点の活躍で存在感を放った。四回無死一塁で左翼線二塁打を放ち、チャンスメーク。直後のサンズの逆転3ランのお膳立てした。七回にも1死三塁で3番手・山井の内角への変化球に反応し、適時右前打。チーム6点目を挙げ、試合を決定づけた。前日26日も「2番」で出場し、3安打3打点を記録しており調子も上向きだ。

◆真夏の甲子園のマウンドで阪神・青柳が仁王立ちした。竜打線を2失点に抑え、チームトップの今季6勝目。お立ち台で声を弾ませた。  「今のチームだったら2点に抑えていれば勝てるチャンスはあると思っていたので、頑張ろうという気持ちになりました!」  一回、先頭の大島に左前打を許すと、犠打と内野ゴロで2死三塁。4番・ビシエドに左翼線へはじき返されて、先制点を献上した。その後、1点を追加されたが、ここから踏ん張った。  「ストライクゾーンにアバウトに投げさせてもらえたことが立ち直れた要因かなと思う」  捕手・梅野のリードに助けられながら二回から六回先頭の大島に内野安打を許すまで無安打投球。7回4安打2失点の好投に矢野監督も「立ち上がりに2点を取られたけど、あそこで粘れたというのは、今年、成長しているところじゃないかと思う」と目を細めた。  試合開始1時間前には雨が降った。7月10日のDeNA戦(甲子園)で土砂降りの中、五回降雨コールドで完投勝利を挙げるなど、チームメートから「雨柳さん」と呼ばれる、その"雨男"ぶりも発揮。雨上がりのマウンドで勝利を呼び込む活躍をみせた。  「13勝を目標に掲げているので、それに届くように一戦一戦頑張っていきたいと思います!」  ファンの前で改めて誓った青柳。目標達成へ一球一球にすべてをかけていく。(織原祥平)

◆打球が右中間席に飛びこんだ瞬間、虎党が総立ちとなった。阪神・サンズが値千金の10号逆転3ラン。甲子園とチームの雰囲気を一変させた。  「柳投手がいい投球をしていたからね。ストライクゾーンに来たら、とにかく強くたたこうと。それが、できてよかったよ」  三回までは走者を一人も出せなかったが、0-2で迎えた四回だ。先頭の近本が死球、続く木浪が左翼線に二塁打を放って無死二、三塁。前日26日のヒーロー陽川は空振り三振に倒れたが、セ・リーグトップの得点圏打率・462を誇る助っ人は2ボールから真ん中にきた直球を見逃さなかった。  「近本と木浪が出塁してくれたから。なんとかホームまでかえしたいと思っていたんだ」  ベンチ前で、おなじみとなったホームランを打った後のナインとのコミカルなエアハイタッチ「ハッピーハンズ」も披露。4-2で迎えた六回も柳のカットボールを強振すると、11号ソロは左翼席中段まで一直線。来日初となる1試合2本塁打&2打席連発に「100%の状態でできている」と自画自賛だ。  6月初旬の練習試合で結果を残せず、開幕1軍メンバーから外れたが、2軍にいても若手と同じ練習メニューをこなし、自宅で1軍の試合もテレビで必ず見ていた。それから2カ月。チャンスでの勝負強さについて、サンズは「この投手はどういう球を投げるか、このバッテリーはどんな要求をするかなどを事前に準備したり、考えることを毎回、心がけています」と胸を張った。ボーアや大山を押しのけて、不動の4番となったのも日本野球に溶け込むための努力があったからだ。  矢野監督は「チャンスが多くない中でしっかり仕留められたところに、すごく価値があると思うし、本当に勝負強いバッター。心強いです」と最敬礼。ボーア(12本)とともに本塁打を2桁に乗せたサンズ。阪神の新外国人2人が同一シーズンに2桁本塁打を放つのは、1999年のジョンソン(20本)&ブロワーズ(10本)以来21年ぶりだ。  「もっともっと(ハッピーハンズで)チームメートや(テレビ観戦をしている)ファンに楽しんでもらえたらと思う」  頼もしい4番がチームの勢いをさらに加速させる。(三木建次)

◆若虎で5割復帰や!! 阪神は中日戦に6-3で勝利。高卒2年目の小幡竜平内野手(19)がプロ初安打を放ち、激走ヘッドスライディングで貴重な追加点を挙げるなど、同一カード3連勝&勝率5割復帰に貢献した。若虎の活躍でチームのムードは最高潮。勢いに乗って連勝街道を突っ走る。  気が付いたら頭から飛び込んでいた。小幡が二塁から激走! ヘッドスライディングでタッチをかいくぐり、左手を伸ばしてホームベースに触れた。ユニホームだけでなく首にまで土が着く泥臭いプレー。高卒2年目、初々しさ全開だ。  「もう本能的に頭からいっちゃいました。(ベンチに戻って頭が)真っ白になった」  3-2の五回、近本の中前打で持ち前の俊足を生かして本塁生還。リクエストとなったが判定は変わらず、貴重な追加点となった。  好走塁の直前には記念すべき1本目が出た。1死から柳のシンカーに食らいつき、詰まりながらも中前にプロ初安打。「すごくうれしかったです」。一塁上では笑顔で右手を挙げた。阪神の10代野手の安打は1997年の浜中治以来だ。  21日に初昇格を果たすと翌22日のヤクルト戦(神宮)で初出場。前日26日には初スタメンを果たした若虎にとって、延岡学園高時代にしのぎを削った同学年の活躍が大きな刺激になっている。この日、7勝目を挙げた巨人・戸郷は同じ延岡市にある聖心ウルスラ学園高のエースだった。「ずっと意識して見ている。去年からすごかった」と小幡。U18日本代表と宮崎県選抜でともに戦い、プロ入り。昨季から1軍で投げる右腕の存在は強く意識している。  ライバルは戸郷だけではない。昨年12月に中日・根尾の地元・岐阜の小学校でのイベントに参加した際、「(根尾は岐阜で)すごいでしょうね。スターなので」と話していた。広島・小園については「今年(2019年)は小園が目立ちすぎた」と対抗心をむき出しにすることもあった。ようやくつかんだ1軍でのチャンス。「同じ舞台に立てた。ここからどんどん追い越して。まだまだですけど」。世代を代表する選手へ成長する。  この日、八回1死一塁でも中前へ安打を放ち、複数安打を記録。存在感を示した姿に矢野監督は「これから失敗もいろいろ起こると思うけど、挑戦して。その中で学んでいってくれたらいい。守備に関しては1軍でやれる能力があると思っている」と期待した。その守備では、六回無死一塁で京田の打球で処理をもたつき、併殺を取れなかったが、続くアルモンテの打球を落ち着いてさばき、併殺を完成させた。  チームはこれで今季2度目の同一カード3連勝。8月3日以来、6度目の挑戦で勝率5割に復帰した。  「先輩を見習って、自分もどんどんトレーニングをして、先輩を追い抜きたいと思います」  小幡は気を引き締めなおした。"新鮮力"がもたらした勢いで、虎が勝利を積み重ねていく。(菊地峻太朗)

◆小幡よ、まずはプロ初安打、おめでとう。大卒でプロ入りした私は10数打席要しての初安打だったから、立派なもの。プレーをみて一番感じたのはセンスの良さ。特に近本の安打で二塁から生還したシーンは、スライディングのタイミングも見事で、センスあふれるいい選手が出てきたなという印象だ。  技術的な部分は、まだまだこれから。現時点での細かな指摘は避けよう。守備でも慌ててゲッツーが奪えないシーンもあった。全体的には体の線が細いし、非力。やはりまだ19歳の体なので、これからしっかり体を作って、プロの世界で生き残れる準備をしていってほしい。  とはいえ、監督の抜てきを受けて、2安打を放つのだから、何かを持っている。起用されている背景には、北條、植田の物足らなさによるところが大きい。結果を残すことによって、どんどんチャンスは増えるだろう。逆にいえば、北條、植田は危機感を持ってほしい。気が付けばいなくなる。それがプロの世界なのだから。  全体的に打線は好調だが、気になるのは大山。ひどすぎる。追い込まれて慌ててタイミングが合わずに振るのは分かるが、ファーストストライクから見極めもできずに、探りながら振っている。どういう考えなのだろうか。残念だがレベルの低い打撃で、今の内容ならクリーンアップは厳しい。  (本紙専属評論家)

◆ごわーり! ゴワーリ! 5割!! よっしゃア、ついに猛虎軍団がVへのスタート位置についたでェ!!  一回こそ2点を奪われた先発・青柳だったが、二回以降は七回まで全て3人でぴしゃり(六回は走者を出すもゲッツー)の快投、アリガトウ!!  一方、打線は三回まで5連続三振も食らうパーフェクトに封じ込められて、シ~ンとしていたと思ったら出たー。頼れる4番・サンズが四回に一振りで逆転3ラン!! 六回にも2打席連続の「おかわり」の一発を放ってくれたのだ。  間もなくペナントは折り返しのこの時期に勝率5割に戻しただけではなく、開幕からボーア、大山と探し求めた4番が3人目の正直(?)でついに見つかったのが、何よりVを狙うためにはデカ~イ!!  おっと、忘れちゃいけない。2年目19歳の若虎、小幡竜平くんプロ初ヒットおめでとう!! かつて、巨人のV9監督、川上哲治氏が「この選手はやりますよ。すごい親孝行ですから!」と思わずコケそうになった解説をしていたけど、小幡くんは、その逆でいいプレーをして、親孝行をジャカスカしよーぜ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
33203 0.623
(↑0.008)
-
(-)
64265
(+5)
191
(+2)
77
(+2)
36
(-)
0.257
(↑0.001)
3.390
(↑0.02)
2
(-)
DeNA
29273 0.518
(↑0.009)
5.5
(-)
61235
(+3)
220
(+2)
59
(-)
12
(+1)
0.267
(-)
3.580
(↑0.03)
3
(-)
阪神
27273 0.500
(↑0.009)
6.5
(-)
63244
(+6)
226
(+3)
54
(+2)
40
(-)
0.243
(↑0.001
3.580
(↑0.01)
4
(-)
中日
26304 0.464
(↓0.009)
8.5
(↓1)
60199
(+3)
245
(+6)
33
(-)
15
(-)
0.241
(-)
3.770
(↓0.05)
5
(-)
広島
23286 0.451
(↓0.009)
9
(↓1)
63247
(+2)
259
(+3)
60
(+1)
23
(-)
0.268
(↓0.001)
4.140
(↑0.01)
6
(-)
ヤクルト
23295 0.442
(↓0.009)
9.5
(↓1)
63249
(+2)
298
(+5)
52
(+1)
36
(-)
0.249
(-)
4.820
(-)