阪神(☆11対3★)中日 =リーグ戦11回戦(2020.08.26)・阪神甲子園球場=
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中日
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阪神
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勝利投手:ガルシア(2勝5敗0S)
敗戦投手:福谷 浩司(2勝2敗0S)

本塁打
【阪神】ボーア(11号・2回裏ソロ),陽川 尚将(1号・6回裏3ラン),ボーア(12号・6回裏2ラン)

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◆阪神が快勝。阪神は2回裏、ボーアのソロで先制に成功する。その後1点ビハインドで迎えた6回には、陽川の3ランとボーアの2ランで一挙5点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、先発・ガルシアが6回2失点の好投で今季2勝目。敗れた中日は、投手陣が崩壊した。

◆阪神はここまでジャスティン・ボーア内野手(32)が10本塁打、ジェリー・サンズ外野手(32)が9本塁打。 来日1年目の助っ人コンビが2桁本塁打となれば、阪神では99年ジョンソン(20本)ブロワーズ(10本)以来、21年ぶりとなる。

◆高卒2年目の阪神小幡竜平内野手(19)が「8番二塁」でプロ初先発する。 今季はウエスタン・リーグで31試合に出場し打率2割7分7厘、8盗塁を記録。21日にプロ初昇格し、22日ヤクルト戦(神宮)で守備からプロ初出場した。25日中日戦(甲子園)では代走出場でプロ初盗塁も記録している。 昇格前の8日ウエスタン・リーグ広島戦(由宇)では自打球を顔に当てて、鼻骨を骨折。それでも出場の意欲を示し、3日後の11日からフェースガードを着用してスタメン復帰していた。 阪神の10代野手のスタメン出場は、中谷が2年目の12年10月5日ヤクルト戦(甲子園)に出場して以来、8年ぶりとなる。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神がオネルキ・ガルシア投手(31)、中日が福谷浩司投手(29)。阪神ガルシアは、中日時代の18年から、先発に限ると甲子園で12戦勝ち星なし。古巣の中日を抑えて、本拠地初勝利を飾れるか。また高卒2年目の小幡竜平内野手(19)が、「8番遊撃」でプロ初スタメンとなった。

◆NMB48のエース、白間美瑠(22)が始球式を行った。ピンク色の縦じまユニホームに身を包み、ピンク色のグラブを手に豪快に振りかぶった。ボールはベースの手前で弾んだが、見事なコントロールを披露した。 白間は「みるるん」の愛称で親しまれ、前日25日には自身のツイッターで「はじめての始球式、、とても緊張しています」と投稿していた。

◆阪神ジャスティン・ボーア内野手(32)が、2戦連発となる今季11号を放った。 0-0の2回2死、福谷の真ん中に入ったフォークをとらえると、打球は大きな弧を描いて右翼スタンドへ。打った瞬間に大歓声が沸く、先制弾。お決まりの「ファイアボール」ポーズをベンチに連発し、ノリノリだった。 前日25日は小笠原から、右中間へ弾丸ライナーのダメ押し2ラン。聖地に帰って、助っ人のボルテージも上がってきた。

◆阪神は、2回にボーアの2試合連発となる11号ソロで先制。先発ガルシアは3回まで無安打投球。中日の先発福谷は3回まで1失点。 中日は5回に郡司の適時打、6回にビシエドの犠飛で逆転。阪神は6回、陽川の3ラン、ボーアのこの日2発目となる2ランで再びリードを奪った。 阪神は7回にも4点を追加。終盤に大量リードを奪い、2カード連続の勝ち越しを決めた。阪神ガルシアは本拠地甲子園で初勝利、中日は先発の福谷が粘れず2敗目。

◆阪神オネルキ・ガルシア投手(31)が6回3安打2失点で降板した。直後の6回裏に、陽川の3ランで逆転したため、勝ち投手の権利を得た。中日時代の18年からここまで、甲子園で先発した試合は12戦0勝4敗。聖地での初勝利の権利を持って降板した。 力のあるツーシームと直球を主体に、4回まで無安打投球。5回1死から京田の三塁打と郡司のポテン安打で同点に追いつかれ、6回無死二、三塁からビシエドの犠飛で勝ち越されたが、後続を打ち取り踏ん張った。 降板後に陽川が逆転の3ランを放つと、ベンチを飛び出して、ベンチの誰よりも喜んだ。「初回の立ち上がりを特に意識してマウンドに上がったよ。初回を抑えることが出来ていいリズムで投げることが出来たし、試合をつくることはできたかなと思うね」と仕事を果たした。

◆阪神が6回、陽川尚将内野手(29)の1号とジャスティン・ボーア内野手(32)の12号で、5得点のビッグイニングをつくり一気に逆転した。 1点を追う6回1死から近本、木浪の連打で1死一、二塁。続く陽川が福谷の真ん中に入ったフォークを捉えた。打球は大歓声とともに、バックスクリーン左横へ。「前の2人がいい形で繋いでくれたので、その流れに乗って打つことができました。ガルシアもすごく頑張ってくれていたので、最高の結果になって良かったです」。今季1号は逆転3ランとなった。 なおも2死一塁、今度はボーアが外よりに入った初球のツーシームをとらえ、左中間スタンドへ運んだ。この日は第1打席で先制本塁打。前日25日にもダメ押し2ランを放ち「大好きな甲子園で2試合連続のホームランが打てて良かったね」とコメントしていたが、1試合2発と絶好調の打撃でチームに勢いを呼び込んだ。

◆阪神が今季5度目の2桁得点で、2カード連続の勝ち越しを決めた。 2回、ボーアの2試合連発となる11号ソロで先制。その後2点を失ったが、6回に3番起用された陽川の今季1号3ランで逆転。さらに直後、ボーアにこの日2発目となる12号2ランが飛び出した。 7回にも木浪、大山の適時打などで4点を奪い、試合を優位に進めた。6回2失点で降板した先発のガルシアは、甲子園で先発として初勝利。5カード連続勝ち越し中だった中日に連勝し、3位に浮上した。

◆連勝中の慶大バッテリーでも、今季の甲子園初白星をつかめなかった。中日福谷が自身3勝目も目指し先発マウンドに上がったが、阪神打線に捕まった。2-1の1点リードで迎えた6回1死から連打を浴び、陽川に逆転3ランを被弾。2死から大山に四球を与え、続くボーアにこの日2本目となる12号2ランを許した。 福谷は6回6安打3本塁打6失点で、2敗目。慶大の後輩のドラフト4位郡司とのバッテリーで「郡司のリードに応えきれませんでした。特に、最後の2点(6回のボーアの2ラン)が余分な形になってしまいました」と振り返った。 これで開幕からの甲子園での戦績は、白星なしの5連敗。4位に転落し、連続カード勝ち越しも5で止まった。与田監督は「(福谷の)打たれた球は甘いところが多い。負けるときはあの1本、あの1点となる。今日できなかったことは明日できるようにしないと」と話した。今季は横浜で6戦全敗中。甲子園でも5戦全敗となり、新たな鬼門になった。

◆阪神が今季5度目の2桁得点で、2カード連続の勝ち越しを決めた。矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -打線が発奮して2カード連続勝ち越し 矢野監督 途中までは打ち合いって形じゃなかったですけど、いいところでいいホームランが出て、ピッチャーもしっかり投げてくれて。いいゲームでしたね。 -陽川が決勝弾 矢野監督 昨日もいいところで打ってくれましたし、陽川のね、ゴリラパンチがすごくいい場面で出て、本当に最高なホームランでした。 -陽川は少ないチャンスで結果を出している 矢野監督 誰もが通る道なんですけど、出たり出なかったりって本当に難しくて。その中で辛抱強く、陽川も将大(中谷)も控えのメンバーも頑張ってくれているんで。その中で、陽川も本当にそういうような形でやってくれた結果が、こうやって形に出て、僕自身もうれしいですし、陽川の成長もあるかなと思います。 -ボーアが2本塁打 矢野監督 (1本目は)あの場面も長打を打ってほしいなってところで長打を打ってくれたし、もう1本も続いてセンター方向に打ったのも、しっかりした内容があったと思うし。暑くなって、どんどん、どんどんね。ボーアにも打ってもらいたいです。 -若手が奮起 矢野監督 そうですね。いいところでね。聖也も首の痛みがありながらね、いいヒットを打ってますし。チカも出てるし。まあでも岩貞が代わったイニングをしっかり3人で抑えてくれたというのは、本当に流れがこっちに来て得点できたという部分はある。チーム全体でいいゲームができたとかな思います。 -ガルシアに勝ちがついた 矢野監督 そうですね。本当にいい投球をして、先頭打者を四球であの1点というのはちょっともったいなかったのはあるし。僕も代打を送ったんでね。あそこで逆転してくれたというのはガルシア自身にも勝ちが付くというのは、本当に大きなことなんで。打者陣が頑張ってくれたと思います。 -小幡がプロ初スタメン 矢野監督 積極的に打席でもどんどん打ちにいってましたし。(5回郡司の)タイムリーになったセンター前に落ちたヤツも、本当にすごい勢いで追いかけてもうちょっとで捕れるのかなというところまでいった。本当に小幡らしさというのはしっかり出してくれましたし、見ていて気持ちいい、すがすがしいプレーをしたと思います。 -明日勝てば3連勝 矢野監督 そうですね、2つ勝って明日勝たないと乗っていけないんで。どんどんいかないとダメなんで、そのつもりで明日も全員で取りにいきます。 -打順の巡りがいい 矢野監督 試行錯誤しながらどう点を取るかっていうのがチームの課題のところなんで。それぞれがいい働きをしてくれて、今日みたいな形になれば、これでいいのかなっていう形が見えてくる。

◆阪神オネルキ・ガルシア投手(31)に、聖地の神様がやっとほほえんだ。甲子園通算13度目の先発で初勝利。「本当にうれしい。ここにいる皆さん、テレビの前の皆さんと勝利を分かち合えてうれしい」。制球良くボールをちりばめ、4回まで無安打投球。古巣中日打線を抑え込んだ。 5回に追いつかれ、6回無死二、三塁からビシエドの犠飛で勝ち越されたが、最少失点で踏ん張った。降板直後に陽川が逆転3ランを放つと、ベンチの最前列で体いっぱいに喜びを表現。「自分の喜びが全部出たかな。彼のおかげで試合もひっくり返ったし、自分の気持ちも変わったし、そこからモチベーションを高く持つことができた」。力のこもった「ゴリラポーズ」で迎えると、ダメ押し2ランを放ったボーアには「ファイアボール」でお出迎え。お立ち台では陽川にバナナを手渡すなど、陽気な助っ人はいつにも増して楽しそうだった。 昨季終盤にロングリリーフとして甲子園で3連勝を挙げていたが、中日時代の18年から甲子園で先発した試合は12戦0勝4敗。「勝てないことは気にはしながらも、いつもポジティブな気持ちで投げていたよ」。前日25日の練習後には、自宅で髪を赤色に染めていた。昨季の2軍調整中も赤いモヒカンヘアで気分転換。「なにか自分の中で変えられることがあればと思って」。ラッキーカラーの験担ぎも実って記念の白星。赤い髪のガルシアがここから勢いに乗る。【磯綾乃】

◆阪神近本光司外野手が大量得点の口火を切った。 6回1死から一塁強襲の内野安打を放ち逆襲の先陣を切ると、7回無死一、二塁ではきっちり投前犠打を決め、この回4得点につなげた。8回2死一塁では中前打を放ち、ダメ押しの好機をつくるなど、4打数2安打。リードオフマンらしい存在感を見せた。

◆阪神矢野燿大監督は勝ってかぶとの緒を締めた。11安打11得点と打線が爆発したが「悠輔が4回か。最後も打ったというのは価値あるヒット、タイムリーやし。でも俺としてはあそこで決めて欲しいな」と苦言を呈した。7回に2点適時三塁打を放った5番大山だが、1点リードの4回1死一、二塁では初球フォークを捉えきれず投ゴロ併殺。2回守備でも失策していた。

◆こちらは担々麺パワーでおかわり2発! 阪神ジャスティン・ボーア内野手(32)が、甲子園の公式戦では初となる1試合2本塁打を放った。先制の1本目は、浜風を切り裂いた。2回2死無走者。先発福谷の真ん中139キロフォークを仕留め、右翼席に突き刺す11号ソロ。打った瞬間に確信したように、一塁に歩を進めた。 「大好きな甲子園で、2試合連続のホームランが打てて良かったよ」 今季、2試合連発は3度目となるが甲子園では初めて。2日とも、上空には右翼から左翼方向へ強い浜風が吹き抜けていた。左打者には不利といわれる甲子園名物も、怪力新助っ人には関係なし。「ライナーで強い打球を打つことを考えています」と、軽々と打球を外野席まで運んだ。 ダメ押しの2本目は6回だ。陽川が逆転弾を放った後の2死一塁。福谷の初球、外角149キロツーシームを左中間に運んだ。チームトップに並ぶ12号2ランで、福谷をノックアウト。お立ち台では「陽川さんが本塁打を打って刺激された」と、笑顔を見せた。1試合2発は今季2度目で、甲子園では初めて。21日ヤクルト戦から5戦5本と、アーチ量産中だ。 試合後、報道陣から日本の猛暑を乗り切る好物を聞かれると即答した。「担々麺です。今日も食べました」。遠征先などでも各地のご当地担々麺をテークアウトで食べ比べするほどだ。この日の試合前もダブルサイズの担々麺を食べて、2本のアーチをおかわりした。 矢野監督は、1発で終わらず2発目が出たことを評価。「暑くなって、どんどんボーアにも打ってもらいたい」と、さらなる期待を込めた。ご機嫌のB砲は、お立ち台で代名詞「ファイアボール」をファンと一緒に披露した。日本語で「タイガースファン、メチャメチャイイ」とご満悦。パワフルな打撃で、チームの勢いをさらに加速させる。【奥田隼人】

◆阪神岩貞祐太投手がわずか8球で7回を3者凡退に抑えた。 一挙5得点で逆転した直後、先頭の郡司を遊飛に打ち取ると、代打三ツ俣、大島も直球で押し込み1回無安打無失点。その後の4得点を呼び込む完璧な投球に、矢野監督も「岩貞が代わったイニングをしっかり3人で抑えてくれたというのは、本当に流れがこっちに来て得点できた」とたたえた。

◆阪神木浪聖也内野手が5打数3安打3打点で大勝に貢献した。6回1死一塁で中前打を放ち、7回1死二、三塁の好機では、岡田の内角高めフォークをとらえて2点右前適時打。「チカ(近本)がバントでいい形でつないでくれたので、なんとかランナーをかえしたいという気持ちで打席に入りました」。 8回2死一、三塁ではダメ押しの右前適時打を放ち猛打賞。前日25日にはダイビングキャッチで首を痛めていたが、その影響を感じさせない活躍ぶりだった。

◆阪神高卒2年目の19歳小幡竜平が「8番二塁」でプロ初先発し、勝に一役買った。 守備は再三のゴロを無難にさばき、5回にはダイビングキャッチを試みるハッスルプレーも。4打数ノーヒットだったが、敵失で出塁した7回に木浪の適時打で生還して初得点するなど、2得点を挙げた。「(スタメンが)来たかって感じでした。気持ちの準備はしていました」と初々しくコメント。阪神10代野手のスタメンは、中谷が2年目の12年10月5日ヤクルト戦(甲子園)に出場して以来、8年ぶりだった。プロ初ヒットについては「欲しがると出ないと思う。凡打の内容を良くしていったら、結果が出てくるんじゃないかな」と冷静だった。 阪神矢野監督(初先発の小幡について) 積極的に打席でもどんどん打ちにいってましたし。(5回郡司の)タイムリーになったセンター前に落ちたヤツも、本当にすごい勢いで追いかけてもうちょっとで捕れるのかなというところまでいった。本当に小幡らしさというのはしっかり出してくれましたし、見ていて気持ちいい、すがすがしいプレーをしたと思います。

◆虎のゴリラが値千金のアーチを放った。2点を追う6回に、3番陽川尚将内野手(29)が逆転の今季1号3ラン。この1発がチームを勢いづけ、11安打11得点の猛攻につながった。中日を打力で圧倒し、2カード連続の勝ち越し。3位浮上で、勝率5割復帰に王手を掛けた。虎のゴリラが一振りで流れを引き戻した。6回に勝ち越された直後だ。近本、木浪が連打でつないで、1死一、二塁。3番陽川が中日福谷のフォークを完璧にとらえた。美しい放物線を描き、打球は左中間席に着弾。「前の2人がいい形でつないでくれたので、その流れに乗って打つことができた。長打力が自分の持ち味。結果としてよかったと思います」。今季1号は値千金の逆転3ラン。2戦連続の3番起用で結果を残した。 「ゴリラ」の愛称を持つ29歳は、ダイヤモンドを1周すると、恒例の「ゴリラポーズ」を控えめに披露。開幕前から「無観客でもそういったパフォーマンスは続けていきたい」と公言していたが、この日球場に駆け付けた4957人の観客の前で力強く胸をたたいた。矢野監督も「陽川のね、ゴリラパンチがすごくいい場面で出て、本当に最高なホームランでした」と大絶賛だった。 プロ7年目を迎える今季は、虎視眈々(たんたん)とスタメンの座を狙っていた。「去年はどうしても結果が出ない中でずっと結果がほしくて...」と悩んだ末、まずは視界を変えた。今季からコンタクトレンズを目に装着。「ボールがよく引きつけられるようになった」と効果を実感した。ボールを確実に捉えられるようになり、打席から見える世界も変わった。 「気持ちだけが先走ってしまって体がついてきていなかった」。精神を安定させるため、6月の開幕前からモチベーション維持のため、読書にふけり、1時間の入浴でリラックスに努めた。「今年は(コロナもあって)考える時間があった。そこが今プラスになってできているのかなと思います」。心身を整え、巡ってきたチャンスをつかんだ。 3番の1発が相手投手陣にダメージを与え、終盤の猛攻を呼んだ。チームは今季5度目の2桁得点で2連勝。2カード連続の勝ち越しで3位に浮上し、借金1で勝率5割も目前に迫った。お立ち台では「久々のGP(ゴリラパンチ)なので良かったです」とご機嫌だった。新3番がガムシャラにバットを振り、首位巨人を追う。【只松憲】

◆虎のゴリラが値千金のアーチを放った。2点を追う6回に、3番陽川尚将内野手(29)が逆転の今季1号3ラン。この1発がチームを勢いづけ、11安打11得点の猛攻につながった。中日を打力で圧倒し、2カード連続の勝ち越し。3位浮上で、勝率5割復帰に王手を掛けた。陽川が即席の「バナナマイク」でお立ち台に立った。インタビュアーからの質問に答えようとすると、ガルシアがバナナを陽川の口元へ。陽川は苦笑いを浮かべ「ええと...もう1回お願いします」と動揺して、質問を聞き返していた。その後は最高の援護点をくれた陽川に左腕が「バナナパワー!」と叫び、満面の笑みを浮かべていた。

◆高卒2年目の19歳、阪神小幡が「8番二塁」でプロ初先発し、勝利に一役買った。 守備は再三のゴロを無難にさばき、5回にはダイビングキャッチを試みるハッスルプレーも見せた。4打数ノーヒットだったが、敵失で出塁した7回に木浪の適時打で生還して初得点するなど、2得点を挙げた。「(スタメンが)来たかって感じでした。気持ちの準備はしていました」と初々しくコメント。阪神10代野手のスタメンは、中谷が2年目の12年10月5日ヤクルト戦(甲子園)に出場して以来、8年ぶりだった。プロ初ヒットについては「欲しがると出ないと思う。凡打の内容を良くしていったら、結果が出てくるんじゃないかな」と冷静だった。

◆スターティングメンバーが発表され、高卒2年目の阪神・小幡竜平内野手(19)が「8番・二塁」で初のスタメン出場。阪神の10代野手が先発出場するのは2012年10月5日のヤクルト戦(甲子園)に中谷が出場して以来となる。  小幡は21日に初昇格を果たすと翌22日のヤクルト戦(神宮)で初出場。前日25日にはプロ初盗塁を記録した。

◆阪神がボーアの2試合連発となる右越えの11号ソロで先制した。  「打ったのはフォーク。大好きな甲子園で2試合連続のホームランが打ててよかった」  0-0の二回2死。フルカウントから先発・福谷の変化球をとらえ、豪快に右翼席へ運んだ。前日25日の同戦でも3-1の六回に右中間席へ10号2ランを放り込んでいた。ボーアの2試合連発は7月26日(中日戦、ナゴヤドーム)と28日(ヤクルト戦、神宮)以来で今季早くも3度目で、甲子園では5本目。「いい先制点になったし、まだまだ点を取れるようにがんばる」と広報を通じてコメントを寄せた。

◆日本野球機構(NPB)の杉永政信審判員(59)が26日の阪神-中日11回戦(甲子園)で一塁塁審を務め、通算2500試合出場を達成した。NPB審判員としては44人目、現役では3人目となる。

◆阪神が陽川の今季1号3ランで逆転に成功した。  「前の2人が良い形で繋いでくれたので、その流れに乗って打つことができました。ガルシアもすごく頑張ってくれていたので、最高の結果になって良かったです」  甲子園での初勝利を目指した先発ガルシアが逆転を許し、1-2で迎えた六回だった。1死から近本、木浪が連続安打で一、二塁とし、続いて打席に入ったのが2試合連続で「3番・右翼」に座った陽川だった。  カウント1-1から福谷のフォークを左中間席に運んだ。今季68打席目での待望の本塁打。昨年9月29日の中日戦(甲子園)以来332日ぶりのアーチとなった。  さらに六回2死一塁からボーアにもこの日2本目となる左中間への12号2ランが出て6-2と一気に突き放した。「陽川が良いホームランを打ってくれたので、それに刺激されて打つことができた」。ボーアの1試合2発は8月21日のヤクルト戦(神宮)以来で来日2度目。ここ5試合で5発目となり、一気に打球の角度を上げてきた。

◆阪神は中日に11-3で大勝し、3位浮上だ。一時は1-2と逆転を許したが六、七回だけで「5点、4点」を奪う猛攻でひっくり返した。5カード連続勝ち越しで甲子園に乗り込んできた中日に連勝し、2カード連続勝ち越しを決めた。  2試合連続で「3番・右翼」に入った陽川が、逆転を許した直後の六回に値千金の逆転3ラン。前日の2打点に続いて大暴れすると、ボーアも負けじと2発。先制の右越えソロにとどまらず、4-2の六回2死からも左中間席へ12号2ランを放った。1試合2本塁打は8月21日のヤクルト戦(神宮)以来で今季2度目。ここ5試合で5本塁打と、勢いが出てきた。  6回3安打2失点でリードを許したまま代打を送られた先発のガルシアだったが、陽川の一発で2勝目(5敗)が転がり込んだ。虎加入2年目でようやく甲子園での先発白星だ。  これで阪神は先発投手が8試合連続でQS(クオリティスタート、6回以上を投げ自責3以内)を達成。打線も活気づいており、上位を目指す形が見えてきた。 阪神・ガルシア 「初回の立ち上がりを意識してマウンドにあがったよ。抑えることができて、良いリズムで投げられたし、試合を作ることはできたかなと思うね」

◆阪神は3本塁打と打線が爆発し、中日に11-3で大勝し、3位に浮上した。以下、矢野監督の主な一問一答。    --11安打11得点でカード勝ち越し  「途中までは打ち合いって形じゃなかったですけど、いいところでいいホームランが出て、ピッチャーもしっかり投げてくれて。いいゲームでしたね」  --陽川が決勝弾  「きのうもいいところで打ってくれましたし、陽川のね、ゴリラパンチがすごくいい場面で出て、本当に最高なホームランでした」  --陽川は少ないチャンスで結果を出している  「誰もが通る道なんですけど、(試合に)出たり出なかったりって本当に難しくて。その中で辛抱強く、陽川も将大(中谷)も控えのメンバーも頑張ってくれているんで。その中で、陽川も本当にそういうような形でやってくれた結果が、こうやって形に出て、僕自身もうれしいですし、陽川の成長もあるかなと思います」  --ボーアが2本塁打  「(1本目は)あの場面も長打を打ってほしいなってところで長打を打ってくれたし、もう一本も続いてセンター方向に打ったのも、しっかりした内容あったと思うし。暑くなって、どんどん、どんどんね、ボーアにも打ってもらいたいです」  --ガルシアにも白星がついた  「本当にいい投球をして、先頭打者を四球であの1点というのはちょっともったいなかったのはあるし。僕も代打を送ったんでね、あそこで逆転してくれたというのはガルシア自身にも勝ちが付くというのは、本当に大きなことなので。打者陣が頑張ってくれたと思います」  --小幡を先発起用  「積極的に打席でもどんどん打ちにいってましたし。(守備でも)タイムリーになったセンター前に落ちたやつも本当にすごい勢いで追いかけて、もうちょっとで捕れるのかなというところまでいった。本当に小幡らしさというのはしっかり出してくれました。見ていて気持ち良い、すがすがしいプレーをしたと思います」  --打順も組み替えているが、巡りがよくなったのでは  「試行錯誤しながらどう点を取るかっていうのがチームの課題のところなんで。それぞれがいい働きをしてくれて、今日みたいな形になれば、これでいいのかなというような形が見えてくる。そういうところでは悠輔(大山)が四回(1死一、二塁)か。あの場面であいつが打ってかえす、また(守備でも二回に失策)サードゴロを普通に捕って、普通にアウトにできるプレーなんで。やっぱりあいつには中心になって引っ張っていくところをこっちも期待しているし。最後も打ったというのは価値あるヒット、タイムリーやし。でも俺としてはあそこ(四回)で決めて欲しいな。守備でも悠輔に引っ張ってもらわないと駄目なんで、そこは課題かな」

◆中日は26日、阪神11回戦に3-11で大敗。今月4-6日のDeNA戦(横浜)以来、6カードぶりの負け越しで4位に転落した。  先発・福谷は五回までボーアのソロ一発のみの1失点と好投していたが、六回に陽川、ボーアに一発を浴びて崩れた。与田監督はボーアに浴びた2ランについて「せっかくその前の打席で三振に取って、いい配球していたので、あそこはちょっと初球の入り方もちょっと...。投げたところも甘かった。打たれたボールは甘く入ってるんで、その辺の制球でしょうね。今日に関しては善し悪しがはっきり出たところはありますね」と話した。

◆ハマスタが6戦全敗なら甲子園も4戦未勝利。新たな鬼門としないように白星をつかみたい中日は2連勝中の福谷がマウンドに上がり、猛虎打線相手に腕を振った。  「どのバッターも調子のいいときは甘い球を積極的に振ってくる。自分のペースに持っていけたらいいな、と思います」  150キロ前後の速球を軸とし、変化球を散らして立ち向かった。しかし、二回にはボーアに先制ソロを、2-1とリードした六回には陽川に左中間へ逆転3ランを被弾=写真。ともにフォークが真ん中に甘く入った失投をとらえられた。六回はボーアに2発目となる2ランも浴びて5失点。「郡司のリードに応えきれませんでした」とうつむいた。  慶大バッテリーとして組む後輩のD4位・郡司には「こちらから、こうしたいと言う前にいろいろ考えてくれている。年下ですけど、ついていきたいという思いの方が強いですね」と厚い信頼を置く。その郡司が五回1死三塁で適時打を放ち、試合を振り出しに戻していたのだが...。  先制が9試合連続で止まった打線も、元同僚のガルシアに苦戦。四回までは無安打で、中盤まで郡司の執念打とビシエドの犠飛の2点のみと福谷を援護しきれなかった。七回には2番手・岡田も打たれて2失点。一方的な試合にされてしまった。(須藤佳裕)

◆高々と上がった白球を見ながらゆっくりと歩き出した。ボーアが2戦連発の11号ソロ。ベンチではおなじみの"ファイアボール"が飛び出した。  「大好きな甲子園で2試合連続のホームランが打ててよかったね」  二回。福谷のフォークを振り抜いた。両チーム通じての初安打が先制アーチとなった。  六回には3番の陽川が逆転の1号3ラン。「前の2人(近本、木浪)が良い形でつないでくれたので、その流れに乗って打つことができました」と声を弾ませれば、さらに2死一塁から、再びボーアだ。  初球を左中間スタンドへ運ぶ12号2ラン。「陽川が良いホームランを打ってくれたので、それに刺激されて打つことができた。今日の試合前に秋山からホームランを打ってくれといわれて、『打つよ』と約束していた。約束を果たすことができてよかった」。21日のヤクルト戦(神宮)以来となる1試合2発で貴重な追加点。仲間との約束もしっかり果たした。  試合前時点で8月は打率・205(73打数15安打)3本塁打、11打点。不振に陥り、打順も7番まで降格したこともあったが、苦しい期間を乗り越え、上昇の兆しだ。(菊地峻太朗)

◆阪神の2年目、小幡が「8番・二塁」でプロ初先発を果たした。「緊張はしたが、あまり空回りしないように心掛けた」と落ち着き、堅実な守備で持ち味を発揮。矢野監督は「小幡らしさはしっかり出してくれた。すがすがしいプレーだった」と目を細めた。  宮崎・延岡学園高からドラフト2位で入団した19歳。失策で出塁した七回は木浪の適時打でホームに生還してプロ初得点。初安打は持ち越しとなったが「欲しがると出てこないもの。凡打の内容を良くしていけば、おのずと結果が出ると思う」と前を向いた。

◆19歳の阪神・小幡が「8番・二塁」で、2012年10月5日のヤクルト戦(甲子園)での中谷以来、球団8年ぶりの10代野手スタメン出場を果たした。「緊張はしたが、あまり空回りしないように心掛けた」。失策で出塁した七回は木浪の適時打で生還してプロ初得点。初安打は持ち越しも「欲しがると出てこないもの。凡打の内容を良くしていけば、おのずと結果が出ると思う」と前を向いた。守備でも持ち味を発揮。矢野監督は「小幡らしさはしっかり出してくれた。見ていて気持ち良い、すがすがしいプレーだった」と目を細めた。

◆阪神・大山は6点リードの七回2死一、二塁で左翼線へ2点三塁打。だが、接戦の中盤までに露呈した課題が目立った。守備では二回2死、京田の三ゴロをファンブルし今季5失策目。打撃では1点リードの四回1死一、二塁で初球に詰まって投ゴロ併殺に倒れた。矢野監督も「俺としてはあそこ(四回)で決めてほしいな。守備でも悠輔に引っ張ってもらわないと駄目なんで、そこは課題」と指摘せざるを得ない。得点圏打率・261も、得点圏での併殺はリーグワースト「6」となった。

◆ボーア&陽川だけではない。前日の8番から、5試合ぶりに2番で出場した木浪が、今季2度目の猛打賞となる3安打3打点と奮起した。  「チカ(近本)がバントでいい形でつないでくれたので、なんとかランナーをかえしたいという気持ちで打席に入りました。追加点がとれてよかったです」  納得の表情を浮かべたのは6-2の七回だ。1番・近本のバントで1死二、三塁。左腕・岡田のフォークを右前に運んだ。技ありの2点タイムリーは、勝利を決定づける一打となった。  1-2の六回1死一塁では中前打でチャンスを拡大させ、陽川の逆転3ランを演出。八回は2死一、二塁から11得点目となる右前タイムリーだ。前日25日は、遊撃後方の飛球を背走しながらジャンプしてキャッチ。その後、胸から落ちて一回転しながらも球を離さなかった守備で、チームの勝利に貢献したが、一夜明けてバットでも存在感を示した。   クリーンアップの前を打つ2番打者を固定できない状況が続いている矢野虎。近本でスタートしたが、開幕2試合、9打数無安打。その後、糸原が結果を残したが、7月下旬に右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折で離脱して以降、糸井、福留らベテランや北條、中谷、上本と日替わり。木浪も試合前時点で、2番では5試合に出場して打率・176(17打数3安打)、2打点と、からっきしダメだったが、この日は見事に機能した。  矢野監督は「(打順を)試行錯誤しながら、どう点を取るかがチームの課題。聖也(木浪)も、首の痛みがありながら、いいヒットを打ってますし。きょうみたいになれば、これでいいのかなという形が見えてくる」とうなずいた。サンズ、ボーアら主軸と、好調の1番・近本をつなぐ2番は木浪にしたい-。そう言わんばかりのコメントだった。(三木建次)

◆ガルシアの"13度目の正直"が完結した。1点のリードを許したまま代打を送られた六回に、陽川が逆転3ラン。来日3年目でようやくの甲子園初白星をつかんだ。  「勝てないことは気にしながらも、いつもポジティブな気持ちで投げていた。きょうはチームのみんなが点を取って応えてくれてうれしい」  13勝した18年の中日時代も、虎入りし本拠地となった昨季も、そして今季も、甲子園で先発した12戦は、ここまで勝ち無し。この日は、前日25日の練習後に染めたという真っ赤な髪形で、燃えるように投げた。  9戦のうち5戦で失点していた一回を乗り越えると、四回まで無安打投球。6回3安打2失点と踏ん張ったことで、劇的に白星が舞い込んだ。  一発の瞬間から表情も激変。お立ち台では陽川にバナナを向け「バナナパワー!!」とはしゃぎ回った。「自分の喜びが全部出たか。感謝の気持ちでああいう形になった。彼の活躍なくしては勝てなかった」。底抜けに明るい男の陽気さが、ついに甲子園でも爆発した。(長友孝輔)

◆豪快なフォロースルーが決まった。あとは打球の行方を見守るだけ。右へ、左へ、2本のアーチで、あっという間にチームトップタイの12発。ボーアが完全に目覚めた。  「打席を重ねるごとに状態も良くなってきているよ。しっかりボールを見られていることが好調につながっているかな」  二回2死、福谷のフォークを右翼席に運んだ。強めの浜風も関係ないライナーで、2試合連続の先制11号ソロ。「風が強いからライナーで強い打球を心掛けて」と体現すると、陽川が逆転弾を放った六回は、なおも2死一塁で149キロを左中間へ。12号2ランで6-2とリードを広げた。  「すごく最高の気分だよ。陽川が本塁打を打って刺激を受けた。それに続けてよかったね」  21日のヤクルト戦(神宮)で初の1試合2本塁打を記録した。21試合ぶりにアーチをかけた同戦から5戦5発で、チーム最多本塁打の大山に並んだ。「大山はすごくいい選手。キャンプで打撃を見てすごくセンスがあると感じたよ。すごくいい刺激になる選手だね」。この日は陽川に火をつけられたが、大山にも触発され、メジャー通算92発のパワーにエンジンがかかってきた。  チームも56試合で52本塁打。シーズン120試合で111本ペース(昨季は143試合で94発)で、3年ぶりの3桁も視野に入ってくる。  「ドウモ、アリガトウゴザイマシター」  ヒーローの第一声は日本語だ。他の質問にも「そうですねえ」と日本人さながらの受け答え。文化にもすっかりなじんだ。「きょうも食べたよ」と明かす大好物の担々麺は、遠征先の各地で食べ比べている。「ご当地で味が変わってくるからね」。外食が難しい状況で、テークアウトも利用するほど夢中。スタミナ料理で夏バテを吹き飛ばし、8月前半の不振からの逆襲を予告した。  「好不調の波があると思うけど、野球は面白いもの。すごくダメな試合をした次の試合で、しっかり勝つことができたりね。それが野球の醍醐味だと思っている」  お立ち台では「ファイアボール!」と本塁打後の決めポーズをおかわりした。観客は、まさかの無反応。「まあ、まあ、まあ、まあ...」。すかさずフォローを入れる陽気なトークも元気な証拠だ。(安藤理)

◆巨人は26日、ヤクルト12回戦(神宮)に12-5で勝利。2位とのゲーム差を今季最大の5・5とした。今季途中に楽天からトレードで加入した高梨雄平投手(28)が2回無失点の好救援で移籍後初勝利。登板15試合連続無失点と大車輪の活躍を見せる。グラウンド外では趣味の料理の動画を公開するなど、マルチな才能を発揮しているリリーバー。この日はマウンドで燕打線を伸び伸びと料理した。  いつも通りに打者を"料理"すると、捕手を指さし、笑顔でベンチへ引きあげた。7月14日に楽天から巨人にトレードで加入した高梨が、移籍後初勝利。好救援で攻撃に流れを手繰り寄せた。  「中継ぎの勝ちは皆さんのおかげです。ゼロに抑える中で、たまたまもらえたもの。まさかジャイアンツで勝ち投手になる日が来るとは思いませんでした」  思いのままに腕を"ふるった"。4-5の五回無死二塁、3番手・桜井が坂口に逆転2ランを浴び、続く山田哲にも二塁打を許したところで出番が来た。「最悪の場面を逆算して。とにかく冷静に行けるように心掛けています」。まずは青木を外角への126キロのスライダーで空振り三振。村上には四球を出したが、西浦は右飛に仕留めた。最後はエスコバーをまたも切れ味鋭いスライダーで三ゴロに斬り、"調理完了"だ。  打線が3点を奪って逆転に成功した六回もイニングをまたいでマウンドに上がると、難なく無失点。楽天時代の2019年5月8日のソフトバンク戦(楽天生命パーク)以来、477日ぶりの通算5勝目をつかんだ。  高梨シェフの手にかかれば、どんなセ・リーグの強打者も"ごちそう"に仕上がる。これで移籍後初登板だった7月22日の中日戦(ナゴヤドーム)から15試合連続無失点。14回1/3を投げ、許した安打はわずか2本。8ホールドをマークし、大車輪の活躍で、G投に欠かせない存在となっている。  「あくまで結果的にゼロなだけ。継続して出せるように、意地ではなくクオリティーを上げていきたいです」とさらなる高みを見据えた左腕。並みいる強打者たちも、どんなピンチも、Gの高梨が舌なめずりして待ち構える。(箭内桃子) ★たかなしきっちん  高梨は4月に、自身が運営するユーチューブチャンネル「たかなしきっちん」を開設。作り方を一から丁寧に説明しながら、慣れた手つきで料理を進める様子が収まっている。鶏肉のフリカッセやカツレツ、牛タンを丸ごとさばくもようなど、この日までに10本の動画を投稿。入団会見では「野球と関係ない形で発信していくのも、掛け算で人としての価値につながっていくかなと。僕のいろんな面を知ってもらえたら」と明かしていた。

◆"ゴリラパンチ"が虎を救った! 阪神は中日に11-3で勝利し、2連勝で3位浮上。1-2の六回に、2試合続けて「3番・右翼」でスタメン出場した陽川尚将内野手(29)が逆転の1号3ランを放った。サンズが4番に入って以降、チームの課題の"3番問題"だが、陽川が決着をつける!!  虎党の願いを乗せた白球が、一直線に左中間席へと飛び込んだ。ゴリラパンチ、炸裂! 大歓声に包まれる甲子園。今季初アーチとなる逆転3ランを放った陽川は、ベンチ前でナインに"ゴリラポーズ"で出迎えられ、文字通り胸を張った。  「なんとか得点をと思って、ああいう形になってよかった。久々の『GP(ゴリラパンチ)』が出てよかったです」  1点を勝ち越された直後の六回だ。不穏な空気を一振りで打ち破った。1死一、二塁。カウント1-1から福谷の136キロのフォークを振り抜いた。昨年9月29日の中日戦(甲子園)以来、332日ぶりのアーチは値千金の一撃となった。  勢いづいた打線はボーアがこの日2本目のアーチで続くなど、11安打11得点の猛攻。今季5度目の2桁得点の大勝で2カード連続の勝ち越しを決め、3位に浮上した。  試合の流れを一気に変えた逆転弾は、チームの課題解消に向けても大きな一発となった。"3番問題"。大山に代わり、20日の巨人戦(東京ドーム)から、それまで3番だったサンズが4番に入った。空いたポジションには糸井が3試合、福留が1試合入ったが、ともに快音は響かなかった。  前日25日。陽川が初めて3番に入ると、犠飛など1安打2打点で勝利に貢献。この日は右投手でも起用され、2安打3打点と期待に応えた。  反省と悔しさが生かされてきた。2018年は75試合出場で打率・252、6本塁打、48打点。4番に座ったこともあったが、昨季は28試合で打率・109、3本塁打、4打点。結果を出したい気持ちだけが先走り、体がついてこなかった。  大卒7年目。強い覚悟で臨んだ今季は、コロナ禍の期間にメンタルに関する本を読んで、勉強した。モチベーションの上げ方や、気持ちをどう整理して打席に入るか-。成果は、スタメン出場がまだ12試合目と機会が少ない中、打率・290という数字に表れている。  矢野監督も「"ゴリラパンチ"がすごくいい場面で出て最高なホームラン」と目を細めると「(試合に)出たり出なかったりって本当に難しくて。その中で辛抱強く...僕自身もうれしいし、陽川の成長もあるかな。最高の場面で素晴らしい。最高です」と絶賛した。  今季初のお立ち台。ガルシアからバナナを渡された陽川は「正直(バナナは)あんまり好きじゃないです」と答え、虎党の爆笑を誘った。  「チャンスというのはすぐなくなってしまう部分があると思う。1打席1打席が勝負。またあした、頑張りたい」  すぐに表情を引き締めた。この活躍に満足することはない。ここからが大事。つかみかけたポジションは譲らない。新3番として、チームの勝利に貢献していく。(菊地峻太朗)

◆ドーン! ドーン! ドーン!  「たまや~!」「かぎや~!」「虎や~!!」  ボーア、陽川、ボーアの甲子園花火大会。酔ったでェー!!  陽川は前日25日の同点犠飛&ポテンヒットの適時打もよかったけど、きょうは内容が濃い~!!  六回。陽川の打席の足の位置を見て俺は「???」。おーい、ベースから離れすぎやろー!  外へ曲がる球を強振して、クルクルと空振りを繰り返してきた、これまでのプロ野球人生を忘れたんかー!! と、俺の絶叫が終わらないうちに、外寄りの甘い球を見事に踏み込んで会心の逆転3ラン!!  「ゴリラ」があだ名の陽川(お立ち台でもバナナを出されてたよー)だけど、実はゴリラの知能は高いと証明してみせた。これからもウッホウッホの怪力パワーを見せてくれー!!

◆一発の破壊力は認めるし、実際、この夜の快勝の要因ではあった。ただ、私が評価したいのは七、八回の追加点。特に七回は敵失、内野安打で好機を作り、近本がしっかり送りバント。そして木浪が食らいついての2点適時打。各打者が粘り強く、つないで、つないで得点を重ねた。  広い甲子園では、そうポンポンと本塁打が出ると思ってはいけない。長距離ヒッター以外は、つなぐ意識で攻撃することを忘れると、打撃が大味になる。こういう点の取り方なら、次の試合で狂うことはないだろう。  もし、前半の投手戦が後半まで続いていたなら、一番の分岐点になっていたのが四回の大山の投ゴロ併殺打。初球打ちを否定しないが、「その球を狙っていたのか?」と言いたくなるどん詰まり。真っすぐを狙って、変化球を振った時の詰まり方だった。ただ、その失敗を七回のつなぐ攻撃の中の三塁打で取り返した点は褒めたい。  大山に関しては、打球処理の際のハンドリングでのジャッグルが目についた。決して守備に不安がある選手ではないのだが。合わせて指摘しておきたい。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
32203 0.615
(↑0.007)
-
(-)
65260
(+12)
189
(+5)
75
(+1)
36
(+3)
0.256
(↑0.004)
3.410
(↓0.03)
2
(-)
DeNA
28273 0.509
(↓0.01)
5.5
(↓1)
62232
(+2)
218
(+4)
59
(+1)
11
(+1)
0.267
(↓0.002)
3.610
(↓0.01)
3
(1↑)
阪神
26273 0.491
(↑0.01)
6.5
(-)
64238
(+11)
223
(+3)
52
(+3)
40
(-)
0.242
(↑0.002
3.590
(↑0.01)
4
(1↓)
中日
26294 0.473
(↓0.008)
7.5
(↓1)
61196
(+3)
239
(+11)
33
(-)
15
(-)
0.241
(↓0.002)
3.720
(↓0.08)
5
(1↑)
広島
23276 0.460
(↑0.011)
8
(-)
64245
(+4)
256
(+2)
59
(+1)
23
(+1)
0.269
(-)
4.150
(↑0.04)
6
(1↓)
ヤクルト
23285 0.451
(↓0.009)
8.5
(↓1)
64247
(+5)
293
(+12)
51
(+3)
36
(-)
0.249
(↓0.001)
4.820
(↓0.13)