巨人(☆1対0★)阪神 =リーグ戦8回戦(2020.08.18)・東京ドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
0000000000300
巨人
00010000X1201
勝利投手:菅野 智之(8勝0敗0S)
敗戦投手:髙橋 遥人(1勝1敗0S)

本塁打
【巨人】岡本 和真(17号・4回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 巨人戦チケット予約 阪神戦チケット予約
◆巨人が投手戦を制した。巨人は両軍無得点のまま迎えた4回裏、岡本のソロが飛び出し、先制に成功する。投げては、先発・菅野が9回無失点の快投で今季8勝目。敗れた阪神は、打線が3安打と振るわず、7回1失点と試合をつくった先発・高橋を援護できなかった。

◆巨人菅野智之投手(30)は開幕から7連勝中。開幕から無傷の8連勝となれば、18年菊池(西武=現マリナーズ)以来。 巨人では90年斎藤以来、球団30年ぶりとなる。阪神から白星を挙げて快記録なるか。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が高橋遥人投手(24)、巨人が菅野智之投手(30)。阪神高橋は、今季1軍初先発した6日巨人戦(甲子園)で7回11奪三振無失点と好投。復活星を挙げていた。開幕から7連勝中の巨人菅野との投げ合いに注目だ。

◆巨人松原聖弥外野手(25)が「2番右翼」でプロ入り初のスタメン起用された。吉川大幾内野手(27)は「8番二塁」で今季初スタメン出場。前回対戦で好投を許した阪神の左腕高橋攻略を目指す。

◆阪神打線が菅野の前に苦しんでいる。 1回は1死から糸井が中前打を放つもサンズ、大山が凡退して無得点。2回は2死から木浪が右翼フェンス直撃の二塁打でチャンスメークも、植田が平凡な一ゴロに終わった。 3回から5回は無安打。6回は1死から近本の三塁への内野安打と糸井の一ゴロで2死二塁とし、試合前時点で得点圏打率5割とリーグトップのサンズに回ったが、右飛に倒れた。 先発の高橋は4回に岡本のソロで1点を先制されたが、6回まで2安打1失点と力投を続けている。相手は開幕から7連勝中の宿敵のエース右腕だが、なんとか突破口を開いて高橋を援護したい。

◆阪神高橋遥人投手(24)が巨人を相手に2戦連続で快投した。7回106球を投げ、6奪三振2安打3四球で1失点。1点を追う8回表の打席で代打を送られ、今季2勝目はならなかった。 序盤から抜群の安定感を披露した。3回までは無安打投球。両チーム無得点で迎えた4回2死、4番岡本に甘く入ったツーシームを左中間席まで運ばれた。この日初安打を先制ソロで許したが、その後は得点を許さなかった。 開幕から左肩のコンディション不良で出遅れていたが、今季1軍初先発した6日巨人戦(甲子園)で7回11奪三振3安打無失点。快投で349日ぶりの白星をつかんでいた。 大事を取って翌7日に1度出場選手登録を抹消され、中11日で宿敵と再戦した一戦。巨人菅野と互角の投げ合いを演じたが、打線の援護に恵まれなかった。

◆巨人は菅野、阪神は高橋が先発した。両投手ともに順調な立ち上がりで、3回まで両チーム無得点に終わった。 巨人は4回、岡本がリーグトップを独走する17号ソロを放ち先制した。菅野は6回まで三塁を踏ませない好投。 巨人菅野が今季3度目の完封勝利で、開幕から無傷の8連勝を飾った。阪神は高橋が7回1失点の好投も打線が沈黙した。

◆これが巨人のエースだ。菅野智之投手(30)が阪神を3安打完封。開幕8連勝を飾った。尻上がりに球威を上げ、安定感抜群の制球で125球を投げきった。 4回、岡本の17号ソロだけで援護は十分だった。開幕投手を務め、なおかつ8連勝するのは90年斎藤雅樹以来30年ぶり。中5日の先発での完封は5度目となった。

◆首位巨人が、3位阪神と対戦。巨人は菅野、阪神は高橋が先発した。両投手ともに順調な立ち上がりで、3回まで両チーム無得点に終わった。 巨人は4回、岡本がリーグトップを独走する17号ソロを放ち先制した。菅野は6回まで三塁を踏ませない好投。 巨人菅野が今季3度目の完封勝利で、開幕から無傷の8連勝を飾った。阪神は高橋が7回1失点の好投も打線が沈黙した。

◆巨人菅野智之投手(30)が今季3度目の完封勝利を挙げた。 今季初の中5日のマウンドで125球を投げ、9回3安打無失点。開幕投手を務めて無傷の8連勝は、球団では90年斎藤雅樹氏以来、30年ぶりの快挙を達成した。「まだまだ足元にも及ばないと思いますけど、ちょっとでも近づけるように連勝を伸ばしていきたいです」と先を見据えた。 2回までに41球と序盤は球数を要したが、3回以降は1安打のみに抑えた。「序盤は真っすぐ、スライダーの2択になってしまっていたので、いろんなボールでいこうと(大城と)話し合いました」。6回2死二塁のピンチでは、前回対戦の4日(甲子園)に1発を浴びた阪神サンズを右飛に封じ「今日はしっかり借りを返せたと思います」と笑顔を見せた。 チームの連敗を止める自身通算20度目の完封で「伝説の大投手」沢村栄治氏に並んだ。「巨人は歴代で名だたる投手ばかりなので、なかなか先人の人たちの記録に追いついたり、塗り替えるのは難しい。肩を並べられたのは誇りに思いますし、それに恥じないピッチングをしていかないといけない」と気を引き締めた。 原監督は「一番よかったんじゃないでしょうか。緊張感の中で力を発揮したという。菅野智之という投手もね、ジャイアンツの中でも名を残す投手になると思いますね」と褒めたたえた。

◆阪神ガンケル投手が高橋の力投に応えた。8回に2番手で登板。1死から坂本に148キロ直球を左翼フェンスギリギリまで運ばれたが、サンズの好捕もあり3者凡退に抑えた。 「坂本選手という日本を代表する選手と対戦する機会だったから、しっかり抑えたかったけれど、カウントが不利な中で甘いコースにいってしまったことは反省だね」。16日の広島戦では中継ぎ転向後9試合目で初めて失点したが、再び安定感を取り戻した。

◆巨人菅野が今季3度目の完封勝利で、開幕から無傷の8連勝を飾った。阪神は高橋が7回1失点の好投も打線が沈黙した。 阪神矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -高橋の投球は めちゃくちゃいいわけじゃなかったけどね。でも、菅野としっかり投げ合えたのは、中身としてしっかりあったと思う。でも、4番に対して、しかも勝負球の1球がね、こういうことになるので。もちろん、ハルト(高橋)の責任というより、打線が点を取れなかったのが一番の敗因、原因になるけど。やっぱり「あのピッチャーにどう勝つか」というのは、ハルトの中でも大きな自信になると思う。そこはね、これからもまた投げ合うこともでてくると思うので、モチベーションにしてもらえたらな、と。 -岡本の本塁打の1球がひびいた もちろんね。そんなにいい球を本塁打に出来ないので。やっぱり失投を。そりゃバッテリーも警戒してるし、この球場なので、上がればホームランというね。みんなが警戒している中で、逆に言うと向こうのピッチャーはしっかり低めにも投げてくるのは、そこの差はあるかなと思うし。でも野球ってバッターがゼロだったら勝てない。 -菅野は今日特に良かった もちろんね、カウントも...、四球もサンズに最後出したけど、ボールが先行するってことも少ない。そう簡単には打ち崩せない。でも、そればっかり言ってても打たないことには上にはいけないので。 -対菅野はなんとかしないといけない もちろん。無敗で防御率もこれだけ良くて、1人でこれだけ勝てば。ジャイアンツ11個かな、貯金が。そのうちのほとんどをとってくる投手なので。もちろん、クライマックスシリーズはないので、ウチはウチでやっていかないとダメだし、ジャイアンツを引きずり下ろさないと、どこのチームも優勝がない。 -カード初戦で苦しんでいる。明日以降は 次頑張ろうというのは、俺も簡単には言いたくないけど、でも、いつも言うように振り返っても、この負けは返ってこないので、前向くしかないし。明日の試合が大事になってくる。巨人が走っている以上、止めていかないとだめ。明日をなんとしても取りにいきます。

◆巨人菅野智之投手(30)が「平成の大エース」に肩を並べた。阪神8回戦(東京ドーム)で今季3度目の完封勝利を飾り、開幕から無傷の8連勝。 球団で開幕投手からの8連勝は90年斎藤以来、30年ぶりの快挙を達成した。阪神高橋との息詰まる投手戦で三塁を踏ませず。背番号「18」が8月18日に"ハイパー"な投球を披露した。今季初の中5日で、またもやチームの連敗をストップ。自身通算20度目の完封で「伝説の大投手」沢村栄治に並んだ。▼菅野が今季3度目の完封勝ちで開幕8連勝。開幕8連勝以上は18年菊池(西武)以来となり、巨人では90年斎藤以来5人、8度目だ。菅野はこの日が登板9試合目。巨人で開幕8戦8勝はおらず、登板9試合目で開幕8連勝は90年斎藤以来2人目。他球団を含めると、開幕8戦8勝が4人おり、9試合目以下で開幕8連勝は9人、10度目だ。斎藤は2試合目から8試合連続完投勝利だったが、完封は2試合だけ。登板9試合目までに3完封を含む開幕8連勝以上は48年中谷(南海)58年金田(国鉄=9戦9勝)に次いで3人目になる。なお、菅野の1-0完封は18年9月28日DeNA戦に次いで3度目。

◆巨人4年目の松原聖弥外野手がプロ初のスタメン起用に応えた。 「2番右翼」で先発出場し4打数1安打。6回の先頭では中前打を放った。「1、2打席目にやられていたので3打席目は思い切っていきました。またチャンスがあれば頑張ります」。 原監督はスタメン起用の理由について「1番が出たら送れる。1点を積み重ねたい。それと守備力を買った」と説明した。

◆収穫いっぱいだ。阪神は高橋遥人投手(24)の7回2安打1失点の好投を生かせなかった。 中11日で巨人菅野との投げ合い。4番岡本のソロによる1失点で踏ん張ったが、打線が散発3安打と援護に恵まれなかった。今季1敗目がついた左腕はエースと4番との勝負を糧に次戦に向かう。チームは東京ドームで開幕カードと合わせて4連敗。3位のままだが、首位巨人と6・5ゲーム差に広がった。レフトスタンドへ伸びていく打球を、高橋はぼうぜんと見送った。0-0の4回2死、4番岡本に真ん中高めに入ったツーシームを捉えられた。約1年前、昨年8月16日の東京ドームでも逆転2ランを浴びた相手。主砲へのわずか1球に泣いた。 「今日の出来はそんなにいいほうじゃなかった。この調子でも1点で抑えられたのはちょっと自信というか、粘れたかなと思います」。7回を投げて被安打2、許した失点はその1点のみ。試合開始から巨人のエース菅野に堂々と渡り合った。初回先頭の坂本を低めツーシームで右飛に打ち取ると、そこから4回2死までノーヒットだった。 菅野は3安打完封で8連勝を達成した。互角に投げ合いながらも、感じることがあった。「やっぱり見ててもすごいなと。1回から9回まで精度だったり(球の)強さというのは変わってなかった」。どんな状況でも、チームを勝たせる投球を続けるのがエースの姿だ。「中5日でやってきて、ああいうピッチングができる人がエースだと。タイガースだったら西さん。やっぱり質がいいです」。敗れはしたが、球界のエースとの投手戦は今後の財産になるはず。矢野監督も「菅野としっかり投げ合えたっていうのは、中身としてあったと思う。これからもまた投げ合うことも出てくると思うので、モチベーションにしてもらえたら」と願った。 前回6日巨人戦(甲子園)で7回無失点、自己最多11奪三振の快投を見せ、中11日で迎えたマウンドだった。「自分自身がいっぱいいっぱいだった。うまくいろんなボールを使ってもらって試合を作れた。あまり良くない時に、最少失点で抑えられたのは、そこだけは良かったかなと思う」。本調子でない中でも粘れたのは成長の証し。未来のエースを目指して1戦1戦を糧にする。【磯綾乃】

◆阪神打線が巨人菅野を攻略できず、今季6度目の完封負けを喫した。無敗街道を走る右腕の前に3安打で三塁を踏めず、今季対戦は3戦3敗。巨人と6・5ゲーム差に後退した。 矢野監督 ジャイアンツ11個かな、貯金が。そのうちのほとんどをとってくる投手なので...。もちろん、クライマックスシリーズはない。ウチはウチでやっていかないとダメだし、ジャイアンツを引きずり下ろさないと、どこのチームも優勝がない。 左腕高橋を送り出した一戦をモノにできなかった。もちろん、7回1失点力投の高橋を責めるには酷すぎる。指揮官は「野球って、打者がゼロだったら勝てない」と言った。 クリーンアップは無安打に抑え込まれた。先週まで火曜ゲームで打率6割6分7厘だった3番サンズは最終9回に四球を選んだが、2三振を含む3打数無安打。4番大山は4の0、5番ボーアは3の0。19日以降も打線の援護が勝利への最大の近道だけに、大山は4試合ノーヒット、ボーアは73打席連続ノーアーチであることは気がかりだ。 これで6カード連続でカード初戦に勝利がなく、なかなか浮上できない。 矢野監督 振り返っても、この負けは返ってこないので、前向くしかないし。明日(19日)の試合が大事になってくる。巨人が走っている以上、止めていかないとだめ。明日をなんとしても取りにいきます。 試合前。田淵氏への阪神球団の独自表彰にサプライズ登場した指揮官は、優勝で恩返しと聞かれ「そう。俺らの恩返しって、そういうことしかできない。そうすることでまた喜んでもらえる」と、Vへの思いをまた新たにしていた。19、20日と何としても連勝し、宿敵との差を1歩でも詰めたい。【松井周治】

◆8月18日は「高校野球記念日」。智弁学園(奈良)時代に甲子園でも本塁打を放った巨人岡本和真内野手(24)が、リーグ独走の17号ソロをマークした。0-0の4回に左中間へ先制&決勝のアーチ。母校も出場した「甲子園高校野球交流試合」は17日に幕を閉じたが、かつての球児たちが、真夏のプロ野球を熱く盛り上げている。かつては「智弁学園」のユニホーム姿で、高校野球ファンを沸かせた。86回大会のセンバツ。1回戦(対三重)で大会タイ記録の1試合2発を放ったのは、岡本だった。あれから6年。今や巨人軍の「4番」を張る「2代目若大将」。舞台は甲子園ではなく、東京ドーム。バットも木製に変わった。変わらないのは、野球への情熱。進化し続けるのは、美しい放物線だ。 0-0の4回2死。6日に3打数無安打に抑えられた阪神高橋。カウント2-2からの6球目は、抜けたツーシーム。第1打席で空振り三振に片付けられた勝負球を確実に仕留め、左中間スタンドへ放り込んだ。リーグ独走の17号ソロは、チーム初安打。「無安打だったというのはあんまりそこまで意識もしなかったですし」。同じ轍(てつ)を踏まないのが主砲だ。 105年前。1915年(大4)8月18日。大阪・豊中球場で第1回全国中等学校優勝野球大会の開会式が行われた。第10回から会場は甲子園球場となり、1948年(昭23)から全国高校野球選手権大会となった。岡本は96回の夏の甲子園に出場。初戦で2安打1打点0本塁打も、チームは敗れ、涙をのんだ。母校も出場した「甲子園高校野球交流試合」は17日に閉幕したが「高校野球記念日」と呼ばれる18日、高校通算73発の男が、大きなアーチを描いた。 本塁打だけでなく、43打点はヤクルト村上と並びリーグトップの数字。リーグ2冠に君臨する24歳は「まだあんまり暑いって感じてないんで」と真夏でも、涼しい表情さえ浮かべる。熱いプロ野球を盛り上げているのは、かつての球児たちだ。【栗田尚樹】 巨人原監督(早出練習から打ち込む岡本について)「懸命にグラウンドにいち早く来て打っている姿というのは頼もしく思いますね。その分良い方に出ていくと思いますし」

◆巨人菅野智之投手(30)が「平成の大エース」に肩を並べた。阪神8回戦(東京ドーム)で今季3度目の完封勝利を飾り、開幕から無傷の8連勝。球団で開幕投手からの8連勝は90年斎藤以来、30年ぶりの快挙を達成した。阪神高橋との息詰まる投手戦で三塁を踏ませず。背番号「18」が8月18日に"ハイパー"な投球を披露した。今季初の中5日で、またもやチームの連敗をストップ。自身通算20度目の完封で「伝説の大投手」沢村栄治に並んだ。27個目のアウトを、菅野はガッツポーズでかみしめた。斎藤が8連勝を達成した90年5月29日。生後7カ月だった赤ん坊が、30年の時を経て、開幕から無傷の8連勝。沢村栄治に並ぶ通算20度目の完封勝利で、歴史の扉をこじ開けた。 菅野 巨人は歴代、名だたる投手ばかり。先人の方の記録に追いついたり、塗り替えるのはなかなか難しい。肩を並べられたのは誇りに思いますし、それに恥じないピッチングをこれからもしていかないと。 歴史に名を刻んだ瞬間、次なる思考はその重みを背負って、マウンドに上がり続けるエースとしての使命。教えてくれたのは、斎藤氏だった。2年目の14年に自身初の開幕投手を任され、16年まで開幕戦3連勝をマーク。斎藤氏から掛けられたのは「オレは3年連続完封。ハッハッハッ」と愛情あふれるゲキだった。 「すごい、としか言いようがないです。シーズンでは11試合連続完投ですから」。だから、開幕から8連勝で同氏と肩を並べても「まだまだ足元にも及ばないと思いますけど、ちょっとでも近づけるように連勝を伸ばしていきたいです」と先を見据えた。 エースにこの試合を託した原監督は「見事なピッチング。(今季)一番良かった」と絶賛した。選手として「平成の大エース」斎藤を、監督で「ハイパーエース」菅野を間近で見る。「斎藤という投手も素晴らしかったし、菅野智之という投手もジャイアンツの中で、名を残す投手になると思いますね」と両右腕を球史に刻んだ。 大黒柱として、投手陣では今季初の中5日を「格別なものがあります」と1-0の3安打完封で全うした。125球中、150キロ超えは33球。9回2死、サンズに対して、122球目にこの日最速タイの153キロをマークした。「中5日ぐらいでヒーヒー言ってたら、先発は務まらないと思うので大丈夫です」と力強く言った。【久保賢吾】 ▼菅野が今季3度目の完封勝ちで開幕8連勝。開幕8連勝以上は18年菊池(西武)以来となり、巨人では90年斎藤以来5人、8度目だ。菅野はこの日が登板9試合目。巨人で開幕8戦8勝はおらず、登板9試合目で開幕8連勝は90年斎藤以来2人目。他球団を含めると、開幕8戦8勝が4人おり、9試合目以下で開幕8連勝は9人、10度目だ。斎藤は2試合目から8試合連続完投勝利だったが、完封は2試合だけ。登板9試合目までに3完封を含む開幕8連勝以上は48年中谷(南海)58年金田(国鉄=9戦9勝)に次いで3人目になる。なお、菅野の1-0完封は18年9月28日DeNA戦に次いで3度目。

◆阪神打線が巨人菅野を攻略できず、今季6度目の完封負けを喫した。無敗街道を走る右腕の前に3安打で三塁を踏めず、今季対戦は3戦3敗。巨人と6・5ゲーム差に後退した。▼阪神が菅野に3連勝を許した。同一シーズンでは15年5月19日から9月22日にかけて以来、2度目。このときは勝敗付かずを1試合挟んでおり、3戦連続で白星を献上したのは初となった。

◆阪神打線が巨人菅野を攻略できず、今季6度目の完封負けを喫した。無敗街道を走る右腕の前に3安打で三塁を踏めず、今季対戦は3戦3敗。巨人と6・5ゲーム差に後退した。▼阪神の完封負けは今季6度目。0-1は7月25日中日戦(ナゴヤドーム)以来、2度目。この試合では西勇が好投したが、7回井領の内野安打で失った1点に泣いた。 ▼巨人戦での0-1敗戦は19年7月9日(甲子園)以来。本塁打による1点のみで敗れたのは、02年4月19日(甲子園)で延長10回井川慶が福井敬治に被弾して以来。先発4番打者のソロ本塁打のみで敗れた試合となると、94年8月14日(東京ドーム)仲田幸司が落合博満に打たれ負けて以来、26年ぶり。

◆巨人菅野智之投手(30)が「平成の大エース」に肩を並べた。阪神8回戦(東京ドーム)で今季3度目の完封勝利を飾り、開幕から無傷の8連勝。球団で開幕投手からの8連勝は90年斎藤以来、30年ぶりの快挙を達成した。阪神高橋との息詰まる投手戦で三塁を踏ませず。背番号「18」が8月18日に"ハイパー"な投球を披露した。今季初の中5日で、またもやチームの連敗をストップ。自身通算20度目の完封で「伝説の大投手」沢村栄治に並んだ。

◆18日の巨人戦。敗れたものの、阪神高橋の投球に目を奪われた。7回を投げて、被安打2。失点は1。それでいて「出来はそんなにいいほうじゃなかった」という。末恐ろしい。 確かに前回6日の登板より、変化球が少し高めに浮く場面は多かったかなと思う。4回、巨人岡本に1発を浴びたのは、甘く入った変化球だった。 それでも、復帰から2試合を投げた高橋に感嘆したのは、序盤3回までともに無安打ということ。投手は立ち上がり、入り方が難しいもの。6日は5回1死で初安打を打たれるまで1四球だけ。18日も4回に岡本に被弾するまで1四球だけ。わずか2試合と言われるかもしれないが、そうあるケースではない。 岡本に本塁打を許した後、丸、中島と連続四球。だが、そのピンチも踏ん張った。巨人エース菅野との投げ合いとなった試合後、矢野監督も「菅野としっかり投げ合えたのは、中身としてしっかりあったと思う。『あのピッチャーにどう勝つか』というのは、ハルト(高橋)の中でも大きな自信になると思う。そこは、これからもまた投げ合うこともでてくると思うので、モチベーションにしてもらえたら」と語る内容だった。 まだ2試合だが、被打率1割6厘、被出塁率1割7分6厘、被長打率1割7分の数字も目を引く。この夜、1球の怖さをあらためて感じただろう。悔しさを糧に次回はどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。【阪神担当 松井周治】

◆巨人-阪神8回戦(東京ドーム)の先発メンバーが18日、発表され、松原聖弥外野手(25)が「2番・右翼」でプロ初スタメンとなった。松原は2018年に育成選手から支配下登録され、今年の7月25日のヤクルト戦(神宮)でプロデビュー&初安打。今季はここまで13試合に出場して打率・375をマークしている。

◆無敵のエースだ! 巨人・菅野智之投手(30)が18日、阪神8回戦(東京ドーム)に先発し、3安打完封で、1990年の斎藤雅樹以来となる開幕投手の開幕8連勝。チームを1-0の勝利に導いた。  "負け知らず"のエースが、球団史に名を刻んだ。巨人では斎藤雅樹以来の快挙。1938年春のスタルヒン(11連勝)に次ぐ記録だ。菅野は今季3度目の完封で、防御率は1・51となった。球数は125で、7三振を奪った。  試合は四回に4番・岡本が、相手先発の高橋から17号ソロを放ち、競り勝った。

◆阪神は巨人に0-1で敗戦。巨人の先発・菅野の前に、打線が3安打無得点と沈黙した。  阪神の先発・高橋は7回2安打1失点6奪三振と圧巻の投球で巨人打線を抑えるも、四回2死から巨人の4番・岡本に痛恨のソロを許し先制点を献上。球界を代表するエースと白熱の投手戦を繰り広げるも、打線の援護なくこの1点に泣いた。  阪神打線は最後まで菅野を打ち崩せず、屈辱の3安打零封負け。勝率5割復帰が遠のき、借金は再び2。首位・巨人とのゲーム差は6・5に広がった。

◆阪神の先発・高橋遥人投手(24)は、7回2安打1失点。6奪三振と圧巻の投球を見せた。  一回を三者凡退に抑えると、三回まで巨人打線を無安打に仕留めた。それでも、四回2死から巨人の4番・岡本に痛恨のソロを許し先制点を献上。それでも、大崩れせず、七回まで投げ切ると、八回に代打を送られお役御免。前回登板の6日の巨人戦(甲子園)も7回3安打無失点と好投した左腕。打線の援護なく、負け投手となったが、首位を走る巨人に再び鮮烈な印象を残した。

◆巨人・菅野智之投手(30)が18日、阪神8回戦(東京ドーム)に先発し、3安打完封で、1990年の斎藤雅樹以来となる開幕投手の開幕8連勝。チームを1-0の勝利に導いた。以下、菅野の一問一答。  --気持ちは  「いつも点を取ってもらっているので、今日は恩返しできたと思います」  --1-0という投手戦で完封  「格別なものがあります」  --試合終盤、力が入っているように見えた  「序盤は球数が多かったんですけど、うまく大城が良いリードをしてくれたので最後まで投げることができたと思います」  --三回以降は1安打、1四球。捕手の大城と話したことは  「序盤は真っすぐ、スライダーっていう2択になってしまっていたので、いろんなボールを使っていこうと。そういう組み立てを話し合いました」  --六回に一打同点のピンチがあった  「前回の甲子園(8月4日の阪神戦)の時にサンズ(本塁打を)に打たれてしまったので、今日はしっかり借りを返せたと思います」  --今季初の中5日登板  「中5日くらいでね、ヒーヒー言ってたら先発ピッチャーは務まらないと思うんで、大丈夫です」  --90年の斎藤雅樹以来の開幕8連勝  「まだまだ足元にも及ばないと思いますけど、ちょっとでも近づけるようにこれからも連勝を伸ばしていきたいです」  --岡本が本塁打  「後でしっかりお礼を言っておきます」  --チームの連敗を止めた  「多少なりとも意識はする部分はありますけど、でもできることは限られているので。明日からも連勝が続くと思います」  --今後に向けて  「120試合っていう短いシーズンではありますけど、日本一を目指してチーム一丸となって頑張っていますので、最後まで応援よろしくおねがいします」

◆阪神は巨人に0-1で敗れた。巨人の先発・菅野の前に打線が3安打無得点と沈黙。以下、矢野燿大監督の一問一答。  --高橋の投球は  「めちゃくちゃ、いいわけじゃなかったけどね。でも、菅野としっかり投げ合えたっていうのは、中身としてしっかりあったと思う。でも、4番に対して、しかも勝負球の1球がね、こういうことになるんで。もちろん遥人(高橋)の責任というより、打線が点を取れなかったのが一番の敗因、原因になるけど。やっぱり『あのピッチャーにどう勝つか』っていうのは、遥人の中でも大きな自信になると思うんで。そこはね、これからもまた投げ合うことも増えてくると思うので、モチベーションにしてもらえたらな、と」  --結果的に岡本の本塁打の1球が響いた。少し高く入ったか  「もちろんね。そんなにいい球をホームランにできないんで、やっぱり失投を。そりゃ、バッテリーも警戒しているし、この球場なんで上がればホームランというね。みんなが警戒している中で、逆にいうと向こうのピッチャーはしっかり低めにも投げてくるというのは、そこの差はあるかな、と思うし。でも野球ってバッターがゼロだったら勝てないんで」  --菅野をなんとか攻略しないといけない  「まあもちろんね、無敗で防御率もこれだけよくて、一人でこれだけ勝てば。ジャイアンツ全体で11個なんかな、貯金が。そのうちのほとんどをとってくるピッチャーなので。もちろん、ことしはクライマックスシリーズもないんでね。うちはうちでやっていかないと駄目だし、ジャイアンツを引きずり下ろさないと、どこのチームも優勝はないんでね」

◆主砲のアーチが試合を動かした。巨人・岡本が目の覚めるような一発を放ち、息詰まる投手戦の均衡を破った。  阪神先発・高橋に、チームとして無安打に抑えられていた四回2死の第2打席だった。カウント2-2からの6球目、138キロをフルスイング。打球はきれいな放物線を描いて左中間席中段に消えた。  好投を続けていたエース・菅野を先制の17号ソロで援護した。若き主砲はこの本塁打でシーズン42発ペース。8月に入って調子を落とし、原監督が「本人がそれを越えていかないと」と期待していた主砲に輝きが戻った。  12日のヤクルト戦(東京ドーム)以来、5試合ぶりの本塁打。目標を「全試合スタメン」と掲げ、「数字はついてくる」と意気込んで迎えた今季。言葉通りに結果を残し、存在感を放っている。  阪神・高橋との前回6日の対戦(甲子園)では7回3安打無失点に封じ込まれ、敗戦を喫した。リベンジといきたいこの日、原監督は「2番・右翼」で松原をプロ初スタメンに、「8番・二塁」で吉川大を2019年4月14日のヤクルト戦(東京ドーム)以来のスタメンに抜擢。15日の中日戦(東京ドーム)からの連敗を止めようと打線を組み替えた。  試合前の打撃練習中には指揮官から直接声を掛けられる場面もあった岡本。大きな一発で期待に応えた。

◆巨人・菅野智之投手(30)が18日の阪神戦(東京ドーム)で完封勝利を挙げ、開幕8連勝を達成した。現在はフジテレビなどで解説を務める斎藤雅樹氏(55)=野球評論家=は、自身が達成した1990年以来となる快挙を祝福。巨人で通算180勝を挙げ、引退後は巨人で投手コーチや2軍監督を歴任した平成の大エースが、メッセージを寄せた。  今年はすごく安定している。防御率(1・51)を見れば一目瞭然だが、点を取られていないし、チームも菅野のときは負けられないという雰囲気がある。  今年は、フォームを変更した効果が十分にあった。腕を横に動かすことで軸足にしっかり乗せ、体重移動ができている。普通に投げれば負けないだろう。  今日は投手戦だったが、こういう試合は「相手のピッチャーより先にマウンドを降りないぞ」という意識が大切。バッターとの勝負はもちろん「ピッチャーとも勝負するんだ」という気持ちも重要になる。  僕らの時代は、最後まで投げることが当たり前といえば当たり前だった。今は完投自体が珍しいし、大変なこと。(今季3完封は)十分な働きをしていると思う。これからも完投、完封を目指していってほしい (談)

◆チーム初安打が大きな一打となった。巨人・岡本和真内野手(24)が0-0の四回2死で阪神先発の高橋から左中間席中段に17号ソロ。息詰まる投手戦の均衡を破った。  「打った瞬間、いったなと思った」  セ・リーグトップの17号。本塁打王争いでは2位の広島・鈴木誠に5本差をつける独走状態だ。打点もヤクルト・村上に並ぶ43打点で、リーグ2冠。自身初のタイトルも夢ではなくなっている。  昨季は8月に打率・301、9本塁打と打ちまくった「夏男」。今月は打率・189だが、本塁打は4本目だ。東京は気温35度以上の猛暑日が続く中、食生活で気を付けていることなどを聞かれても「特に何もないです。まだあんまり暑いって感じていない」と言い放つ強さがある。  試合前は早出特打にも積極的に参加。ティー打撃では石井野手総合コーチと"七色のティー"をこなし、この日は顔ほどの高さにトスされた球を打ち込んだ。「ずっとやってくると疲れで(フォームが)崩れる部分も出てくる。しっかり今のうちにバットを振る目的がある」と主砲は努力を怠らない。  チームはわずか2安打。それでも勝った。2安打以下での勝利は1999年9月12日の阪神戦以来21年ぶり。令和の4番打者には一振りで試合を決める力がある。(伊藤昇)

◆泣くな、ハルト! 阪神は巨人・菅野を攻略できず、わずか3安打で今季6度目の完封負け。先発した高橋遥人投手(24)は7回2安打1失点で今季初黒星を喫した。悔やまれるのは四回に岡本に浴びたソロ。でも、収穫の一敗だ!  甘く入った1球が勝敗を決めた。白球が左中間席で跳ねたのを確認すると、高橋は唇をかんだ。7回を投げて許したのはソロ本塁打による1点のみ。打線の援護がなく、今季初黒星を喫したが、収穫十分の内容だった。  「きょうの出来はそんなにいい方じゃなかったので。そのなかでも最少失点で抑えることができたのは、自信になると思う」  巨人・菅野との投げ合い。点をとられた方が負け。そんな緊迫した空気が東京ドームを包むなか、四回に痛打された。  2死から4番・岡本を打席に迎えると、6球目の高めに浮いたツーシームをとらえられ、先制ソロを被弾。通算で被打率・333(21打数7安打)、3本塁打と苦手する主砲にやられると、そこから制球に苦しみ、連続四球で一、二塁。追加点こそ許さなかったが「ビッグイニングを作っていたかもしれない。あそこは反省しないといけない」と直後の投球を悔やんだ。  7回2安打1失点。一方で菅野は3安打無失点で完封勝利で開幕8連勝を達成した。昨年も7月26日に東京ドームで対決した経験はあったが「やっぱり見ていてもすごいなと。九回まで(球の)精度や強さが変わっていなかった。何年も投げて、中5日であのような投球をする。ああいう人がエースだと思った」。投手分業制が主流の中、エースと呼ばれる右腕のすごさを体感した。  近い将来、"虎の菅野"になれる。だから矢野監督は「菅野としっかり投げ合えたのは中身がしっかりあったと思う」と評価しながら「『あのピッチャーにどう勝つか』というのを(今後の)モチベーションにしてもらえたら」と期待した。  今季、高橋は開幕前に左肩のコンディション不良のため、出遅れた。それでも中11日で臨んだ今季2戦目のマウンドで菅野と互角の戦いをした。  「うまくいろいろなボールを使って試合を作れた。あまり(調子が)よくないときに、最少失点に抑えられたのはよかった」。球界を代表するエースと投げ合いで得た収穫と自信を生かす。これから白星を積み重ねる。(織原祥平)

◆巨人・菅野智之投手(30)が18日、阪神8回戦(東京ドーム)に先発し、9回3安打無失点で今季3度目の完封勝利を挙げた。開幕から負けなしの8連勝で、球団では1990年の斎藤雅樹以来30年ぶり、開幕投手では3人目となる偉大な記録を打ち立てた。1-0の勝利でチームの連敗も2でストップ。歴史に残るエースの快投で、巨人がリーグ2連覇へとひた走る。  大きな拍手を背中に受け、九回のマウンドに上がった。菅野は最後の打者を二飛に打ち取ると、力強くガッツポーズ。球団では斎藤雅樹が記録して以来、30年ぶりとなる開幕8連勝を今季3度目の完封で飾った。  「いつも点を取ってくれているので、きょうは恩返しできたと思います。(1-0の完封は)格別。達成感は段違い」  負ける気配どころか、打たれる気配すらない。1点のリードを悠々と守り、口元を緩ませた。今季初の中5日でのマウンド。前回12日の登板では7回117球を投げたが、今回は125球で投げ切り「中5日ぐらいでヒーヒー言っていたら先発ピッチャーは務まらない」と胸を張った。  直球を緻密にコントロールし、宝刀スライダーを生かした。4日の前回対戦で2ランを浴びたサンズには「あの試合は内角を攻め切れていなかった。僕の生命線はスライダー。それを生かすために、いかに内角で勝負(できるか)」と内角攻めを徹底。2三振を奪い、六回2死二塁のピンチでは128キロの外角へのスライダーで右飛に仕留めた。  九回にこの日最速の153キロをマークするなど、余力さえ感じさせる内容で阪神を散発3安打に封じた。8勝、防御率1・51でリーグトップを独走。高橋との投手戦を制し「毎回完投完封できるわけじゃないですけど、週の頭を任されている。できるだけ長いイニングを投げることで、明日からの戦い方が変わってくる」とエースの自覚をにじませた。  プロ通算95勝目にして通算20度目の完封。現役では21完封の日本ハム・金子弌大に次ぎ、球団では伝説の名投手・沢村栄治に並ぶ記録だ。  開幕投手による開幕8連勝はスタルヒン、斎藤に次ぐ球団3人目。9連勝で斎藤を抜くことになるが、プロ8年目の右腕は「巨人は歴代で名だたる投手ばかり。こうやって肩を並べられたのは誇りに思いますし、恥じないピッチングをこれからもしていかないといけない」と決意を込めた。  圧巻の投球に、原監督も「(今季)一番良かったんじゃないでしょうか。非常にいい投球をしてくれた」と最敬礼した。現役時代は斎藤とともに戦い、おいでもある菅野を指導。2人をよく知る指揮官は「斎藤という投手も素晴らしかったし、菅野智之という投手も、ジャイアンツの中で名を残す投手になると思います」とたたえた。  菅野は「まだまだ足元にも及ばないと思いますけど、ちょっとでも近づけるように連勝を伸ばしていきたいです」と襟を正した。負けないエースとともに、巨人が日本一まで突っ走る。(箭内桃子)

◆高橋は、四回に岡本に一発を浴びた1球以外は完ぺきだった。打たれる直前のツーシーム2球は素晴らしい低さに投げながら、一番肝心な勝負球のツーシームが甘く入った。空振りやファウルで快感に酔いしれているとこういう結果になる。1球が命取りになることを肝に銘じてほしい。  とはいえ、菅野と0-1の緊迫した投手戦を投げ合ったことは、野球人生の財産になるはず。1球1球がすべて、参考になっただろう。  中でも一番学んでほしい九回を当然のように投げ切る姿勢。マウンド上の菅野から、ビンビン伝わってきたはず。中5日は当たり前、完投は当たり前という強い気持ちこそが、これからの高橋に必要なものだ。絶対に最後まで投げ抜くんだという気持ちを菅野から吸収できれば、近い将来、阪神のエースになれる。  周りが技術論や精神論をアレコレ言うよりも、お手本と投げ合うことのほうが、はるかに参考になるし、成長できる。得難い経験をした高橋なら、それを感じ取ったはずだ。 (本紙専属評論家)

◆阪神ファンにしてみれば、人生で全く無駄な2時間23分が通り過ぎていきました...。  開幕からここまで無傷の7連勝で、巨人のいや日本のエース・菅野に貧打の阪神打線が勝てるはずあるかー!!  いや、俺が子供の頃、昭和40年代はこれが全く逆で、阪神の江夏に巨人打線はキリキリ舞いだったのだ。だけど、あの頃の巨人は悔しいけど「なにクソー!!」の昭和の根性があったのだ。  例えば、前半を捨て、土井、高田、柴田なんかが、アウト覚悟でセーフティーバントを仕掛け、江夏を疲れさせて、後半の勝機をしたたかに待ったんだから(実際、何度それにやられたことか...。悔しいー!!)  本日、巨人打線を岡本の一発だけに抑えたのに勝てない高橋が、サハラ砂漠で泉のシンキロウ(勝利)を見て必死に歩き続けているようで、見ているのさえ、つらすぎたのだ。

◆毒舌も辛口も控えるよ。前日(18日付)の週刊エモトで取り上げた、ノーヒットノーランのヤクルト・小川に匹敵するくらい、ほめたたえていい。菅野も近来まれにみる投球だったね。  1-0完封勝利こそ、投手の醍醐(だいご)味。野球の原点。ベンチはすがるような気持ちだったろうし、やっている方もシンドいものだけど、この日の菅野からは、1点が入った時点で、ヨシ! このまま勝つ!! という決意が伝わってきた。  初回から150キロの速球を連発。球威は全く衰えず、九回にも150キロ。最初から最後まで、絶対に点を与えない、という決意に満ちていた。  特にサンズとの対決。初球から胸元にビシビシ決めて、内角を意識させてはアウトロー。そこに注意を向けさせて、またまたインハイと、対角線を駆使して料理。球威、制球、組み立てとも、理想的だったね。  ヒーローインタビューでも"中5日くらい屁でもありません"といわんばかりだった。そこだよ。やったことも、学んだこともない人が、やれ登板間隔が、球数が...と口にするんだ。  菅野も原監督も、そんなヤワな考えなど持っていない。それも含めて、コロナ禍のイライラも吹き飛ばす、胸のすくような投球だったね。 (本紙専属評論家)

◆菅野はすごい。でも、高橋遥人だって負けていなかった。あの菅野と堂々投げ合った。こんなに緊迫した投手戦を見せてもらって、ありがとう。  岡本に一発浴びて負けた。はっきり言わせていただこう。負けたのは4番の差だ。  さあ、全国阪神ファンのみなさま、歴代のタテジマ4番を思い浮かべよう。あの人が4番だったら...。  金本か。少し前なら掛布か。もっと前なら田淵か。みんな、偉大だったよなぁ。  くしくも田淵幸一氏のメモリアルな日だった。  みんなの前で、田淵さんを祝ってあげたかったなぁ。なんてったって、3代目ミスタータイガース。タテジマの偉大なOBに対する、古くからの虎党の思いは強い。  殿堂入りの表彰式は、オールスターの試合前に行われるのが慣例だった。球界の最高の栄誉を、満員のスタジアムで祝う"当たり前"の風景が消えた原因は、やっぱりコロナ。オールスターが中止になり、表彰式は都内のホテルで。ホント残念だ。  とはいえ、取材に走ったトラ番・織原祥平は、いつも違う厳かなムードに身が引き締まった。  「会場の雰囲気で、すごい賞なんだと感じました。山本浩二さんも来られていましたし、田淵さんが『星野が...』『星野が...』と何度も繰り返されて。球界を背負って来られた、3人の友情が伝わってきました」  田淵幸一氏、山本浩二氏、そして天国から見守る星野仙一氏。ビッグ3の存在感にも圧倒された織原記者だった。  そんな、初々しさが残る若きトラ番がうれしそうに話題を変えてきた。  「先輩、サンズのハッピーハンズ。やりましたよ。いよいよ、わがふるさとの時代が来ました」  サンズが、ホームランを放ってベンチに戻った際に、両手をヒラヒラ、謎の動きをしながら、ベンチのナインとエアタッチする。これを新助っ人が自身で「ハッピーハンズ」と名付けて、そのグッズ化が発表された。  織原が生まれ育ったのは埼玉県幸手市。「さって」と読む。幸せの手。英語に訳す(?)と「ハッピーハンズ」。存在を知らない人の方が多いだろう。同じ関東、横浜市生まれで織原と同期のトラ番・菊地峻太朗ですら「知らないですよ、幸手なんて」と言う。  そんな幸手市が知名度アップを狙って始めたのが「ハッピーハンド事業」。その年のハッピーな人を市民の投票で選んで、可能なら招待し、可能なら手形をもらい、モニュメントを街のメインストリートに飾る。ちょうど30年前の受賞者は後のメジャーのパイオニア野茂英雄(当時近鉄)だった。幸手まで同行した。もちろん、初めて知った幸手市だった。  「野茂さんの手形を見て、触って、育ちました」という織原。2003年には阪神監督だった星野さんも受賞者の中に名前が見える。  「サンズには、ぜひ、この先打ちまくって、オフに幸手に来て、手形を残してほしいです」  そうだよな。ただ、サブキャップ安藤理が横やりを入れてきた。  「ボーアが、オリジナルグッズの『ファイアボールフェイスタオル』を発売したら、それから1本もホームランを打ってないんですよ。サンズも打てなくなったら...と心配してます」  そんなことないですよ、と織原が複雑な表情。そうだよな、きのうは菅野だから打てなかっただけ。そう信じよう。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
28173 0.622
(↑0.008)
-
(-)
72220
(+1)
161
(-)
69
(+1)
27
(-)
0.248
(↓0.002)
3.300
(↑0.07)
2
(-)
DeNA
26232 0.531
(↑0.01)
4
(-)
69212
(+4)
196
(+3)
56
(-)
10
(-)
0.270
(-)
3.660
(↑0.01)
3
(-)
阪神
22243 0.478
(↓0.011)
6.5
(↓1)
71206
(-)
196
(+1)
45
(-)
36
(-)
0.242
(↓0.003)
3.570
(↑0.05)
4
(-)
ヤクルト
21235 0.477
(↓0.011)
6.5
(↓1)
71216
(+3)
243
(+8)
39
(-)
30
(-)
0.250
(↓0.002)
4.540
(↓0.05)
5
(-)
中日
22264 0.458
(↑0.011)
7.5
(-)
68167
(+8)
213
(+3)
28
(+3)
13
(-)
0.240
(↑0.002)
3.820
(↑0.01)
6
(-)
広島
19255 0.432
(↓0.01)
8.5
(↓1)
71215
(+3)
227
(+4)
49
(-)
21
(-)
0.270
(↓0.002)
4.200
(↑0.01)