DeNA(★0対9☆)ヤクルト =リーグ戦11回戦(2020.08.15)・横浜スタジアム=
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ヤクルト
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DeNA
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勝利投手:小川 泰弘(5勝2敗0S)
敗戦投手:今永 昇太(5勝3敗0S)
  DAZN
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◆ヤクルトは3回表、山田哲と青木の連続適時打で3点を先制する。6-0となって迎えた7回には、坂口と西田の適時打で3点を奪い、試合の大勢を決めた。投げては、先発・小川が9回を無安打に抑える快投でノーヒットノーランを達成。敗れたDeNAは、打線が小川の前に沈黙した。

◆ヤクルト渡辺大樹外野手(23)が試合前練習の守備中に負傷し、途中で切り上げた。右手首付近を押さえ、トレーナーに付き添われてベンチ裏へ下がった。 今季は主に代走として33試合に出場し2盗塁をマーク。打率2割7分3厘だった。 渡辺は抹消にはならず、急きょ田代将太郎外野手(30)が今季初めて1軍に昇格した。田代はイースタン・リーグで午後4時開始の巨人戦(ジャイアンツ球場)に「1番左翼手」でスタメン出場していたが、1打席のみ立ち、1回裏の守備から交代した。

◆スタメン出場したヤクルトのアルシデス・エスコバー内野手(33)が2回の守備から交代した。2回の第1打席で、左膝付近に自打球を当てた。そのままプレーを続けたが、結果は二飛。その裏の守備から、遊撃手には西浦が入った。 エスコバーは、14日のDeNA戦で、2死球を受けていた。

◆ヤクルト山田哲人内野手(28)の復帰後初安打が、先制点を生んだ。 0-0で迎えた3回1死二、三塁、DeNA先発今永の初球、内角への141キロカットボールをうまくさばき、左翼線への適時二塁打とした。先発の小川に2点を援護し「小川さんが気持ちの入った投球をしているので、先制することができてよかったです」とコメント。上半身のコンディション不良から回復し、8打席目での初安打が適時打となった。 さらに1死二塁で青木も右中間への適時二塁打で続き、1点を追加。「哲人が先制してくれたので、いい流れで打席に入ることができました」と話した。

◆DeNAのエース今永昇太投手(26)が、今季最短の4回途中6失点で降板した。 課題の1回。1死一、三塁のピンチで4番村上を迎えたが、外角高めカットボールで投ゴロ併殺に仕留め、無失点で切り抜けた。 ところが3回、先頭の8番西田に右前打を許すと、投手小川にストレートの四球。山崎の犠打で1死二、三塁とされ、山田哲、青木に連続適時二塁打を浴びて3失点。4回は、無死一、二塁から自らの二塁悪送球で1失点。さらに1死満塁から山田に押し出し四球を献上したところで降板となった。 今季最短の3回1/3を73球の6安打6失点。ベンチで汗を拭い悔しそうな表情をみせた。「初回のピンチをダブルプレーで切り抜けて、流れに乗らなければいけなかったのですが、四球絡みで流れに乗ることができませんでした。先発として早いイニングで降板することになり責任を感じています。次回登板に向けて、四隅を狙うことも大事ですが、ストライクゾーン内に質のいいボールで勝負できるよう取り組みたいです」とコメントした。

◆ヤクルト小川泰弘投手(30)が15日、DeNA11回戦(横浜)でノーヒットノーランを達成した。135球、打者32人、3四球、10三振。19年9月14日、中日大野雄以来、プロ野球史上82人、93度目の記録達成となった。 球団では、ガトームソンが06年5月25日楽天戦(神宮)で達成して以来、14年ぶりの快挙となった。 両手をたたいて喜んだ後、マウンド付近でチームメートから水をかけられた。「捕手の西田が強気のリードをしてくれた。5連敗中で苦しい毎日でしたが、気持ちで前に出ることを忘れずにやっていた。(意識をしたのは)5回ぐらい。そんな簡単にはいかないと分かっていた。向かっていく姿勢だけを意識していた。ファンの皆さんのためにも、いい投球ができてよかった」と話した。

◆ヤクルトは3回、山田、青木の連続適時二塁打で3点を先制。先発小川が丁寧な投球で3回まで無安打無失点に抑えた。 ヤクルトは4回に敵失や押し出し四球などで3点を追加。先発小川は6回まで無安打無失点。DeNA先発今永は4回途中で降板。 ヤクルトは7回にも3点を追加し、連敗を5で止めた。小川は10奪三振で無安打無得点を達成し、今季5勝目を挙げた。

◆ヤクルト小川泰弘投手(30)が15日、DeNA11回戦(横浜)でノーヒットノーランを達成した。135球、打者32人、3四球、10三振。19年9月14日、中日大野雄以来、プロ野球史上82人、93度目の記録達成となった。 球団では、ガトームソンが06年5月25日楽天戦(神宮)で達成して以来、14年ぶりの快挙となった。

◆DeNAはヤクルト小川の前に屈辱の「ノーノー負け」を喫した。試合前までチーム打率リーグ1位タイ2割7分5厘の強力打線が沈黙。 3つの四球を選び、失策で二塁を踏むのが精いっぱい。ラミレス監督は相手右腕に対し「球種の使い方、カットボールの精度、ストレートもインサイドに精度がよかった。フォークも非常に良かったし、特に3回に3点を取ってからは、尻上がりによくなったね」と素直に称賛した。

◆ヤクルト小川泰弘投手(30)がノーヒットノーランを達成した。プロ野球史上82人、93度目の大記録となった。球団では、ガトームソンが06年5月25日楽天戦(神宮)で達成して以来、14年ぶりの快挙となった。

◆ヤクルト小川泰弘投手(30)が15日、DeNA11回戦(横浜)でノーヒットノーランを達成した。 打者32人、今季最多となる135球で史上82人目(通算93度目)の大記録。同時にプロ入り初の2桁、10奪三振でチームの連敗を5で止めた。ヤクルトでは、ガトームソンが06年5月25日楽天戦(神宮)で達成して以来、14年ぶり史上8人目の快挙となった。 ▽DeNA佐野 (ここまで打率リーグ1位も4打数無安打) 制球が良かった。 ▽DeNA田代チーフ打撃コーチ 小川投手の状態が良かった! この悔しさを忘れずに次回やり返したい。 ▽DeNA神里(試合前まで8月の打率4割超も4打数無安打1三振) 全球種がコースに決まっていて、特にチェンジアップが良かった。 ▽DeNA柴田 すべての球種が素晴らしかったけど、制球が一番良かった。

◆ヤクルト小川泰弘投手(30)が15日、DeNA11回戦(横浜)でノーヒットノーランを達成した。135球、打者32人、3四球、10三振。19年9月14日、中日大野雄以来、プロ野球史上82人、93度目の記録達成となった。▽ヤクルト高津臣吾監督(小川について)「7回後に、今日の調子ならやってもおかしくないと思った。高さの制球がすごくよかったし、まっすぐにも力があった。彼は本格派ではなく、キレ、制球で勝負する投手と思っている。制球も、変化球のキレもよかった」

◆ヤクルト山田哲人内野手の復帰後初安打が適時二塁打となり、新打線がつながった。 3回1死二、三塁、DeNA今永の初球カットボールを左翼線への適時二塁打で2点先制。上半身のコンディション不良から回復し、8打席目での初安打。高津監督は、出塁率の高い山崎を今季2度目の1番に置き、坂口は今季初の6番で起用。「連敗を止めるには打線が爆発するか、完封するかと思っていたが、両方いっぺんに。哲人の適時打も大きかったし、打線のつながりと小川の頑張りが大きな要因。満足できるゲームだった」と喜んだ。 ▽ヤクルト山田哲(3回に、復帰後初安打となる先制2点二塁打)「小川さんが気持ちの入った投球をしているので、先に先制することができてよかった」

◆ヤクルト小川泰弘投手(30)の表情がやっと変わったのは、27個のアウトを取り終えた後だった。ノーヒットノーランを達成し、ガッツポーズで抱きつく捕手西田と、ベンチから駆け寄ってきた青木、山田哲らのウオーターシャワーをうれしそうに浴びた。「おめでとうと、たくさん言っていただきました」と喜んだ。 最大のピンチは8回。先頭の倉本に四球、続く中井の遊ゴロを二塁手広岡が捕球ミスし、併殺になるはずの当たりがピンチを広げた。無死一、二塁。マウンドで、帽子をとって謝る広岡の肩をポンポンとたたいた。「切り替えて、ということは伝えましたし、自分自身も、変わらず打者と勝負できたと思う。動じずに攻めていけたと思います」と揺るがなかった。代打嶺井から直球で空振り三振、神里を右飛、柴田を遊ゴロで打ち取り、無失点でしのいだ。 序盤に打線の大きな援護もあったが「気持ち的には、変わらずに投げられた。それがいい結果につながったと思う」と振り返った。 今季最長の5連敗を喫しており、ミーティングでは「攻める」ことを全員で共有した。試合前の円陣では、コーチ陣だけでなく高津監督も前に立って話すなど、異例の流れで勝利を引き寄せた。その立役者は、間違いなく小川。「打者1人1人に集中できていたところが1番良かったと思う。チームのミーティングでも、しっかり攻めていくという話があって、ストライク先行でしっかり攻められたことがよかった」。チームの連敗を止め、快挙を達成。小川の強さが光った。

◆ヤクルト小川泰弘投手(30)が15日、DeNA11回戦(横浜)でノーヒットノーランを達成した。打者32人、今季最多となる135球で史上82人目(通算93度目)の大記録。同時にプロ入り初の2桁、10奪三振でチームの連敗を5で止めた。ヤクルトでは、ガトームソンが06年5月25日楽天戦(神宮)で達成して以来、14年ぶり史上8人目の快挙となった。横浜の暑い夜の3時間2分間、小川はDeNAの強力打線に1本のヒットも許さなかった。9回2死、代打乙坂からフォークで空振り三振を奪い、ようやく笑顔になった。「まだ実感として湧かないですけど、これからの投球にいい影響があると思う。今日のような投球をたくさん出せるように頑張りたい。まだ成長していけると思う」。偉業達成と同時に、チームの連敗を5で止めた。 変化を恐れず、三塁側だったプレートを踏む位置を今季からど真ん中に。新たに習得したシュートなど変化球をいかすためだったが、この日は最後まで球速の落ちない力のある直球で押した。多彩な変化球を投げる中で、全135球の約4割を占めた直球54球が効いた。「まっすぐあっての変化球だということで、今日改めて原点に返れた」と振り返った。 高津監督にかけてもらった魔法で、開幕から好調を維持した。シーズン前の練習試合では調子が上がらず、打ち込まれた。メンタルを心配した指揮官から「練習試合と本番は、全く違うもの。ガラッと変わる可能性がある」と言われたことが"おまじない"となった。プロ1年目に16勝を挙げ新人王を獲得した翌14年から、1軍投手コーチに就任したのが高津監督。「彼が良いときも、だめなときも分かっている」とハッパをかけられ続けた。小川も「最初の4連勝は、おまじないのおかげだと思う。今日の勝利はみんなで勝ち取ったものなので、みんなに感謝したい」と笑った。 苦しい時間を乗り越えたからこそ、歓喜の瞬間がある。昨季前は左足を高く上げ、下半身の力を大きく使う"ライアンフォーム"を封印。2段モーションなどさまざまなフォームを試したが、最終的に元のフォームに落ち着いた。昨季の成績は、自己ワーストの5勝12敗。試行錯誤が続き「時間を無駄に使ってしまったのかもしれない。遠回りをしてしまったかも」と悔やんだ時期もあった。それでも、たどり着いた先はノーヒットノーランの快挙。すべてが無駄ではなかったと、自身で証明した。【保坂恭子】 ◆本家は7度 小川は大リーグの奪三振王ノーラン・ライアンの著書に感銘を受け「自分も体を大きく使い、球の出どころを見えにくくしたい」と、手本にしてダイナミックなフォームを身につけた。ちなみに本家のライアンは、73~91年に大リーグ史上最多のノーヒットノーラン7度をマークしている。

◆ヤクルト小川泰弘投手が昨年9月14日大野雄(中日)以来、プロ野球82人、93度目のノーヒットノーランを達成した。ヤクルトでは06年5月25日ガトームソン以来8人、9度目。許した走者は四球の3人と失策で2人。ノーヒットノーラン試合での失策は1リーグ時代の40年三輪(タイガース)の3失策が最多で、2失策以上は7度目。2リーグ制後に2失策は70年渡辺秀(巨人)99年佐々岡(広島)に並び3度目の最多失策走者だった。 ▼小川はプロ入り最多の10三振を奪って135球で達成。1リーグ時代には投球数不明の試合があり、2リーグ制後に135球は、延長11回で達成の73年江夏(阪神)142球、06年ガトームソン139球に次いで3番目に多い。ノーヒットノーラン試合で自身初の2桁奪三振は52年大友(巨人)85年田中幸(日本ハム)87年近藤(中日)に次いで33年ぶり4人目。

◆ヤクルト小川泰弘投手(30)が15日、DeNA11回戦(横浜)でノーヒットノーランを達成した。<抜けなかったライアン> 小川は入団当初、腕の振りが担ぎ気味に投げるタイプだったが、試行錯誤を重ね、それが抑えられたフォームとなった。腕が振り遅れなくなったことで、高めへの抜け球も減少。球威ある直球を低めに集められるようになった。この試合、ストライクゾーンより上に抜けた真っすぐは54球中わずか6球。力のあるストレートを、ゾーン下部中心に収め続けた。中盤6回に左打者の戸柱、神里から奪った見逃し三振の結果球は、ともに外角低めの直球。そして終盤8回に右打者の嶺井から奪った空振り三振の結果球は内角低めの直球。最後まで抜けなかった真っすぐが、快投の土台となった。

◆ヤクルト小川泰弘投手は、グラウンドを離れてもヤクルト投手陣の"エース"を務めている。30歳を迎え、若手にとってはお兄さん役。今年の大卒ルーキーで先発ローテに入っているドラフト2位吉田大喜投手とも、積極的に話す。プレッシャーとの向き合い方について聞かれた際には「ある程度の緊張は、悪い事ばかりではないよ」と助言。試合前の練習では、キャッチボールの相手を務めることも増えた。 「分岐点の年」と臨んだ今季、高津臣吾監督に初勝利を贈ったのは小川だった。現在は今季の開幕投手を務めたベテラン石川雅規投手が上半身のコンディション不良でファーム調整中。自身の立場を理解し「試合の中では、しっかりチームの勝利に貢献する投球をしたい。若い投手も増えてきたので、コミュニケーションをとりながら一緒に頑張っていきたい」。マウンドを離れても、頼もしい存在だ。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(28)が15日、DeNA11回戦(横浜)に「2番・二塁」で先発出場し、三回1死二、三塁の好機に左翼線へ先制の2点二塁打を放った。  鋭い当たりが、三塁手・宮崎の頭上を越えた。相手のエース左腕・今永が投じた初球、141キロの内角カットボールをうまくさばき「(先発の)小川さんが気持ちの入った投球をしているので、先に先制することができてよかったです」とうなずいた。  上半身のコンディション不良で7月27日に出場選手登録を外れ、その後は1軍に帯同して調整。8月13日に登録され、復帰後9打席目で初安打と初打点を記録した。

◆ヤクルト・青木宣親外野手(38)が15日、DeNA11回戦(横浜)に「3番・左翼」で先発出場し、山田哲の2点二塁打で先制した直後の三回1死二塁から、右中間への適時二塁打を放った。  相手のエース左腕・今永が投じた145キロの直球を捉え「(山田)哲人が先に先制してくれたので、良い流れで打席に入ることができました」とうなずいた。

◆DeNA・今永昇太投手(26)が15日のヤクルト戦(横浜)に先発したが、今季最短の3回3分の1、6安打、3四球で今季ワーストとなる6失点で降板した。  今永は一回の先頭、山崎に左中間への二塁打を浴びたが、この回は無失点。二回も0点に抑えたが、三回無死一塁から9番打者は投手の小川。犠打を試みようとバントの構えを見せる小川に対し、今永はストライクが1球も入らない四球を許し、ここからピンチを広げ、山田哲に先制の2点二塁打を許すなど3失点。  続く四回には連続安打を浴びての無死一、二塁から、西田を投ゴロに打ち取ったかと思ったが、ダブルプレーを狙った今永は二塁へ悪送球(記録は失策)で二走の生還を許すなど、精彩を欠いた。さらに1死満塁から山田哲に押し出し四球を与えたところで交代を告げられた。  満塁から登板した2番手の平田は、青木を遊ゴロに仕留めたが、三走が生還し今永に6失点(自責は3)が記録された。

◆背番号「1」にようやく安打が生まれた。「2番・二塁」で先発したヤクルト・山田哲が三回1死二、三塁から左翼線へ先制の2点二塁打。DeNA先発・今永が投じた内角に食い込むカットボールを華麗にさばいた。  「(先発の)小川さんが気持ちの入った投球をしているので、先制することができてよかったです」  上半身のコンディション不良で7月27日に出場選手登録を抹消。1軍に帯同しながら治療と調整をこなし13日に再登録されたが。復帰後は6打数無安打だったが3試合目で「H」のランプを灯した。  5連敗で迎えたこの日。山田哲の一打をきっかけに打線がつながりを見せた。続く青木も右中間へ適時二塁打を放ち、追加点。四回にも坂口、浜田の連続安打で無死一、二塁とすると西田の投ゴロを今永が二塁へ悪送球し、二走が生還。その後1死満塁とし山田哲が押し出し四球を選び、DeNA先発今永のノックアウトした。  母校の履正社高はこの日、甲子園交流試合で星稜高に勝利。山田哲は「野球への情熱を忘れずに『頑張れ』というエールを込めて皆さんにプレゼントしたいと思います」と自身が愛用するピンク色のアディダス社製シューズ107足を監督、コーチ、全選手に寄贈。後輩に続く一打でチームを勢いづけた山田哲。上位浮上へ、チームを牽引(けんいん)していく。(横山尚杜)

◆ヤクルト・小川泰弘投手(30)が15日、DeNA11回戦(横浜)でプロ野球史上82人目、通算93度目のノーヒットノーランを達成した。ヤクルトでは、2006年5月25日の楽天戦(神宮)でのガトームソン以来、14年ぶりの快挙となった。  序盤から力強い直球と、切れ味鋭い多彩な変化球をコースに集めた。最大のピンチは八回。先頭・倉本に四球を与えると、続く中井の打球はゴロで遊撃手・西浦のもとへ。併殺打と思われたが、西浦の送球を二塁手・広岡が落球。一転、無死一、二塁となったが、後続を3人で抑えた。九回も打者3人で抑えた。

◆ヤクルト・小川泰弘投手(30)が15日、DeNA11回戦(横浜)でプロ野球史上82人目、通算93度目のノーヒットノーランを達成した。ヤクルトでは、2006年5月25日の楽天戦(神宮)でのガトームソン以来、14年ぶりの快挙。小川はヒーローインタビューで喜びを語った。  --最後はキャッチャーの西田選手と抱き合った  「前回、悔しいピッチングをしていたのでなんとかやり返したいという気持ちでした。西田が強気のリードをしていたので、自分も強気でストレートを投げ込めました。野手の皆さんも点をたくさん取ってくれたのでのっていくことができました」  --かなりの気持ちを持ってマウンドに上がった?  「5連敗中ということで悔しい心境でしたし、苦しい毎日でしたけど、なんとか気持ちで前に出ることを忘れずにマウンドに立てたので、いい結果につながったと思う」  --どのあたりから意識し始めたか  「五回くらいに。そんな簡単にはいかないっていうのはわかってたので、集中力だけは持っていた。テンポよくバッターに向かっていく姿勢だけを持っていた」  --タフなピッチングだった  「本当にタフでしたけど。スタンドに集まってくれたファンの皆さんのためにもいいピッチングができて良かったと思います」  --このウイニングボールはどうするか  「考えてないですけど。ウイニングボールは人にあげていることが多いですけど。初めてのことなので、まずは自分で持っていたいなと思います」  --どんなピッチングを見せていきたいか  「きょうのピッチングをいいきっかけとしてチームものっていきたい。強気で押すピッチングをどんどん見せていきたい。応援ありがとうございました」

◆DeNAのエースとして、今永が、らしくない姿を見せてしまった。昨年5月2日からヤクルト戦で5連勝中だった今永だったが、15日のヤクルト戦(横浜)で今季最短の3回1/3、6安打、3四球を許し、今季ワーストとなる6失点(自責3点)で降板した。  「初回のピンチをダブルプレーで切り抜けて、流れに乗らなければいけなかったのですが、四球絡みで流れに乗ることができませんでした。先発として早いイニングで降板することになり責任を感じています」  一回1死一、三塁から村上を投ゴロ併殺に仕留めるも、三回無死一塁で迎えた打者は相手先発の小川。犠打を試みようとバントの構えを見せている相手に対し、今永は1球もストライクが入らずに四球を与えると1死二、三塁から山田哲に左翼線へ先制の2点二塁打を浴びた。四回も無死一、二塁から自らの失策で失点につながり、その後も満塁から山田哲に押し出し四球を許したところで交代を告げられた。  前日14日の同カードでは同学年の大貫が、自身と並ぶチームトップタイの5勝目を挙げていた。今永は好投を続ける大貫について「負けられない。先発ローテには年下の選手も多いので、同級生で引っ張っていけたらと思います」と刺激を口にしていたが、大貫からの2日連続の好投とはならなかった。  前日14日の段階でリーグトップの443安打を放っている打線は完全沈黙。ヤクルト・小川を攻略できずに、ノーヒットノーランを許してしまった。

◆DeNAはヤクルトの先発・小川を攻略できず、ノーヒットノーランを食らった。球団としては2013年6月28日の中日戦(横浜)で、山井大介投手に達成されて以来の無安打無得点試合となった。  ラミレス監督は好投した小川について「カットボールの精度、内角への直球、フォークボールがよかった。最初からよかったが、三回に3得点をもらってから尻上がりに良くなっていった。いつもいうが、野球は打てる日もあれば、打てない日もある。きょうは打てない日だった。終わったことは変えられないけど、明日への準備はできる」と切り替えていた。

◆調子を落として配置転換中のDeNA・山崎康晃投手に代わり、主に"抑え"を任されている三嶋一輝投手が大敗濃厚の0-9の九回に登板した。  セーブ機会とはかけ離れた状況だったが、2三振を奪うなど三者凡退でピシャリと抑えた。ラミレス監督は「数日投げていないから、きょうはどんな状況でも使うと話していた。プラン通り」と説明した。三嶋は10日の阪神戦(横浜)で1回を投げて6セーブ目をマークしていたが、そこから3試合は登板機会がなかった。

◆ヤクルト・小川から最後まで快音はなし。球団では2013年6月28日の中日戦(横浜)で、山井に喫して以来の無安打無得点となった。ラミレス監督は「小川は三回に3得点をもらってから尻上がりに良くなっていった」と相手右腕を評価。試合終盤は主力の宮崎やロペス、ソトらをベンチに下げ「野球は打つ日もあれば、打てない日もある。今日は打てない日だった。明日へ、しっかり準備したい」と気持ちを切り替えた。 DeNA・田代チーフ打撃コーチ 「小川投手の状態が良かった! この悔しさを忘れずに次回やり返したい」 4打数無安打のDeNA・佐野 「制球が良かった」 4打数無安打のDeNA・神里 「全球種がコースに決まっていて、特にチェンジアップが良かった」 3打数無安打、1四球のDeNA・柴田 「全ての球種が素晴らしかったけど、中でも制球が一番良かった」

◆ヤクルトのアルシデス・エスコバー内野手(33)がDeNA戦の二回の第1打席で左脚に自打球を当て、その裏の守備から交代した。高津監督は「左のすねにまともに当たって、大きく腫れていたので代えました。明日(16日の出場)は状態次第」と説明した。  同戦前には渡辺大樹外野手(23)が守備の練習中に、中堅後方に設置された投手陣を打球から守るネットに衝突。右手首付近を強打したもよう。この日は代わって田代将太郎外野手(30)がベンチ入りした。こちらも、16日の状態を見て出場の可否を判断する。

◆先制打で小川の偉業を後押しした。「2番・二塁」で先発出場したヤクルト・山田哲人内野手(28)が三回1死二、三塁から左翼線へ2点二塁打。久々の快音に、充実した表情を浮かべた。  「小川さんが気持ちの入った投球をしていたので、先制することができてよかったです」  流れを呼び込む一振りだった。今永の内角へのカットボールに対応。上半身のコンディション不良で7月27日に出場選手登録を外れた2番打者が、復帰後9打席目で待望の初安打&初打点をたたき出した。  母校の大阪・履正社高がこの日、甲子園交流試合で石川・星稜高に10-1で大勝。事前にランニングシューズもプレゼントしていた後輩たちの聖地での活躍を「思い切り野球をすることができたのではないでしょうか。良い思い出になったと思います」と祝福していた。六回の守備から交代したが、殊勲打に2四球と勝利に貢献。後輩の姿を刺激に、自身も"復活"への一歩を刻んだ。  帰ってきた背番号1が、チームに勢いをもたらす。(赤尾裕希)

◆ヤクルト・小川泰弘投手(30)が15日、DeNA11回戦(横浜)でノーヒットノーランを達成した。昨年9月14日の中日・大野雄大(対阪神)以来、プロ野球史上82人目で通算93度目。2失策がありながら集中力を切らさず、135球、10奪三振の熱投で、プロ8年目にして自身初の偉業を成し遂げた。チームは9-0の完勝。5連敗中と苦しんでいたチームを圧巻の投球で救い、リーグ2位に並ぶ今季5勝目を挙げた。  その瞬間も歓声はなく、敵味方のない拍手だけが送られた。「H」ランプを一度も灯させないまま迎えた九回2死。小川は、代打・乙坂をフォークボールで10個目の三振に斬り、軽く拳を握った。ただ、周囲は"静かな偉業達成"を許さない。マウンドで捕手の西田に抱きかかえられ、ベンチを飛び出してきた山田哲らに容赦なく水をかけられると、ようやく表情を緩めた。  「打者一人一人、集中できたことが一番良かった。かわすのではなく、強気で打者に向かっていく投球ができた」  気温32度。熱帯夜の横浜で、ベンチでは氷を首筋に当てながら135球を投げ抜いた。チームの連敗も今季最長の5で止め、充実感に浸った。  新型コロナウイルスの影響で入場制限されたスタンドの観衆は4910人のみ。試合後は"密"を避けるため、自らマイクを手にしてヒーローインタビューに臨むなど、異例ずくめの環境での偉業となった。  "逆風"にも動じなかった。四回までに6点の援護をもらい、尻上がりに調子を上げる中、最大の山場を八回に迎えた。  無死一塁から中井を遊ゴロに打ち取り、併殺打と思われたが送球を受けた広岡が捕り損ねて一、二塁のピンチに。それでも、顔面蒼白(そうはく)の広岡に歩み寄ってグラブで肩をポンとたたき「切り替え」と一声。代打・嶺井を空振り三振、神里を右飛、最後は柴田をフォークで遊ゴロに仕留めた。  身長171センチ、体重80キロ。プロ野球選手としては小柄な体格だが、打者を押し込む力強い直球が持ち味だ。原点は親子で積み上げた。大工をしていた父・吉弘さんが自ら製作した練習用具を使って、小学生時代はダンベルを持ちながらのランニング、タイヤ引きなど一日中練習に明け暮れた。小学5年時からはココアにプロテインを入れて飲み、体の強化も図った。  異名通りの偉業にもなった。創価大時代に左脚を高く上げる現在のフォームを習得。その投げ方からノーラン・ライアン(エンゼルスなど)になぞらえ「ライアン」と呼ばれるようになった。米大リーグでノーヒットノーランを7度達成した名投手に憧れ、著書「ノーラン・ライアンのピッチャーズバイブル」も読み込んだ。そしてこの日、本家ばりの投球で自身初の快挙を達成した。  チームは5連敗中。開幕ローテーションに入っていた石川、スアレス、イノーア、山田大が2軍調整中と苦しい状況で輝いた右腕に、高津監督は「連敗を止めるのは完封か打線の爆発しかないと思っていたが、両方がきた。小川の頑張りが大きな要因」と最敬礼した。これぞエースの仕事。燕の「ライアン」が、歴史に名を刻んだ。(横山尚杜)

◆ヤクルト・小川泰弘投手(30)が15日、DeNA11回戦(横浜)でノーヒットノーランを達成した。小川の母校、創価大・佐藤康弘コーチ(53)はテレビで教え子のノーヒットノーランを見届け、快挙を祝福した。  大学のときは、4年春の東京学芸大戦(東京新大学リーグ)でノーヒットノーランを達成しました。きょうは、とにかくコントロールがいいなと思って見ていました。  変わらないのはメンタル。八回にエラーでランナーが出ても"OK"という感じで、感情を出さずに対応していたところですね。表(顔)には出さないけど、胸の中では熱くなっています。  プロ入り後は、毎年1月上旬の報道陣向けのトレーニング公開日以外は、ほとんど大学のグラウンド(東京・八王子市)を訪れることはありません。それでも学生時代に世話になった人たちにグッズを渡し、サインに応じる時間を必ず設けています。  それ以外で訪れたときは、得意ではなかった坂道ダッシュをします。学生は100メートルを15秒以内がノルマ。きついので、大学を卒業したら誰も走りたがらないのに、小川はタイムは別にして何本か走ります。  (5回で4失点した)この前のDeNA戦の後にLINEをしたら『やり返します』と返ってきました。いい結果を、きょうは出してくれました。(談)

◆小川はストレートに威力があった。真っすぐを投げ切れているから、カットボールやフォークボールも生きてくる。右打者に対しても左打者に対しても、特に外角へのコントロールが抜群。内角高めにも真っすぐを投げ込んでいるので、上下、左右だけでなく、まさに四隅を使いながらのピッチングだった。  決して楽ではなかっただろう。七回の佐野の右飛、ロペスの三直はいずれもいい当たりだった。八回には広岡の信じられない失策(落球)があり、無死一、二塁のピンチを背負った。制球が良かったといっても、右打者の外角への際どい球は、けっこう「ボール」と判定されている。普通ならカウントを悪くして、痛打を喫してもおかしくない。ましてや、相手はDeNAの強力打線。これらの状況下でノーヒットノーランを達成できたのは、肉体的だけでなく、精神的にもタフな投手だからだ。  チームにとっては、一人で投げ切ってくれたことも大きい。これ以上にない、勢いがつく勝利になったと思う。 (本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
27163 0.628
(↓0.015)
-
(-)
74218
(+4)
157
(+7)
67
(+1)
27
(+1)
0.254
(↑0.001)
3.360
(↓0.08)
2
(-)
DeNA
25222 0.532
(↓0.011)
4
(-)
71204
(-)
186
(+9)
55
(-)
10
(-)
0.270
(↓0.005)
3.600
(↓0.05)
3
(-)
阪神
22232 0.489
(↑0.012)
6
(↑1)
73204
(+10)
193
(+2)
45
(+1)
36
(-)
0.247
(↑0.003)
3.680
(↑0.04)
4
(-)
ヤクルト
20225 0.476
(↑0.013)
6.5
(↑1)
73206
(+9)
231
(-)
38
(-)
29
(-)
0.249
(-)
4.500
(↑0.1)
5
(-)
広島
19244 0.442
(↓0.01)
8
(-)
73210
(+2)
221
(+10)
49
(+1)
21
(+1)
0.273
(↓0.002)
4.310
(↓0.09)
6
(-)
中日
20264 0.435
(↑0.013)
8.5
(↑1)
70155
(+7)
209
(+4)
24
(+1)
12
(+2)
0.238
(-)
3.890
(-)