DeNA(★2対9☆)阪神 =リーグ戦11回戦(2020.08.11)・横浜スタジアム=
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阪神
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DeNA
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勝利投手:ガルシア(1勝4敗0S)
敗戦投手:井納 翔一(3勝3敗0S)

本塁打
【DeNA】楠本 泰史(1号・1回裏ソロ),宮﨑 敏郎(9号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神は1-1の6回表、サンズと梅野の適時打で2点を挙げ、勝ち越しに成功する。1点を追加して迎えた9回には、打者一巡の猛攻で一挙5点を奪い、試合を決めた。投げては、先発・ガルシアが7回1失点の好投で今季初勝利。敗れたDeNAは、投打ともに精彩を欠いた。

◆両チームのスタメンが発表された。先発投手は阪神がオネルキ・ガルシア投手(31)、DeNAが井納翔一投手(34)。阪神ガルシアは今季8試合目の登板。ここまで7試合0勝4敗と今季初勝利をかけて臨む。阪神打線は前日まで近本光司外野手(25)が9試合連続安打、4番大山悠輔内野手(25)が3試合連続本塁打をマークしている。DeNAは3連勝中で連勝を伸ばせるか。

◆阪神近本光司外野手(25)が10試合連続安打をマークした。1回の第1打席に低めの変化球をすくい、右中間へ二塁打を放った。 その後、1死三塁から3番ジェリー・サンズ外野手(32)の中犠飛で先制のホームを踏んだ。

◆阪神は1回、1死三塁からサンズの犠飛で1点を先制した。DeNAはその裏、今季初スタメンの楠本が1号ソロを放ち、同点。 阪神は6回、DeNA先発井納を攻め、サンズの適時二塁打などで2点を勝ち越し。先発ガルシアが6回まで1失点に抑えた。 阪神は7回に捕逸の間に1点を追加し、8回から継投で逃げ切った。ガルシアが今季1勝目。DeNAの連勝は3で止まった。井納が3敗目。

◆阪神オネルキ・ガルシア投手(31)が今季8度目の登板で初勝利を挙げた。7回を投げ、4安打1失点。序盤3イニングで4つの四球を出したが、4回以降は無四球と安定感を取り戻し、打線の援護を受けた。108球は今季最多の球数だった。 打線は3番サンズが1回に先制犠飛、同点で迎えた6回1死三塁で勝ち越しの適時二塁打を放って2打点の活躍。近本は10試合連続安打をマークするなど3安打。木浪、梅野も2打点を記録。中盤までは1点を争う展開だったが、終わってみれば10安打9得点での勝利。チームは借金を2に減らした。

◆阪神梅野隆太郎捕手が2打点と勝負強さをみせた。6回。1点を勝ち越し、なお2死一、二塁で適時二塁打。9回には1死満塁で右犠飛を放った。 6回の一打に「何としてももう1点欲しかったので、打つことができて良かったです」とコメント。バットでもガルシアの今季初勝利をアシストしていた。

◆DeNAの連勝が3で止まった。ここまで全試合で1番を務めてきた梶谷が左足かかと打撲で欠場し、代役の桑原が4打数無安打。ラミレス監督は「(梶谷は)そこまで悪くない。大事をとった。明日ラインアップに戻ってきてくれれば」と説明した。 この日は自宅で球場の雰囲気を堪能し、試合観戦を楽しめる国内初の「バーチャルハマスタ」の無料トライアルを実施。スマートフォンなどから仮想空間内のハマスタに来場した、のべ3万人のファンが見守ったが勝利を届けることができなかった。

◆阪神木浪聖也内野手が攻守で活躍した。1回無死二塁で送りバント成功。6回に1死からショート内野安打で出塁。一塁にヘッドスライディングも敢行した一打は、サンズの勝ち越し打につながった。 9回無死満塁では右翼フェンス直撃の2点二塁打で「初球から思い切って打ちにいこうと決めていたので、それがいい結果につながってくれて良かったです」。守備でも2回無死一塁で大和の三遊間への打球をさばき、併殺をとるなど好プレーで貢献していた。

◆今夜も火曜日は「サンズデー」! 阪神ジェリー・サンズ外野手(32)がこの日も仕事を全うし、決勝点をたたき出した。 同点で迎えた6回1死一塁。2ボール1ストライクからDeNA井納のけん制悪送球で1死三塁に好機が拡大された。 「得点圏に走者が行って気持ちが楽になったよ」 チャンスが到来すれば、目の色が変わる!? 3ボール1ストライクとなった後、外角スライダーをライナーで左中間に運んだ。 「甘い球をしっかり打ち返せて良かった。何よりチームが勝てて良かったよ」 勝ち越しの適時二塁打で27打点目を記録し、チーム最多の大山に並んだ。 1回にも1死三塁から左中間フェンス際まで中犠飛を届かせ、先制点をもたらしていた。 「しっかり配球を考えながら打席に集中できている」 日本野球の配球を丁寧に分析。勝負どころで持ち前の読みに磨きがかかり、両リーグ断トツの得点圏打率は26打数13安打で5割をキープしている。 これで火曜日は計18打数12安打の打率6割6分7厘、3本塁打、11打点。驚異的な好相性に「本当に不思議」と笑うしかない。 開幕は2軍スタート。6月27日に1軍昇格してからは勝負強さで徐々に立ち位置を確立し、今や欠かせない存在になっている。 矢野監督の信頼度も「自分の形を持っている打者。しぶとい打撃をしてくれるという期待値はこちらも持っている」と高い。 昨季の韓国球界打点王。前評判にたがわぬ働きぶりで、球界屈指の「勝負師」と化している。【佐井陽介】 ▽阪神井上打撃コーチ(3番サンズの2打点から大勝)「ジェリー(サンズ)は本当に頼もしい存在。こうやって打ってくれている時に、当たりの止まっている打者が復活してくれるのが1番いい形」

◆阪神オネルキ・ガルシア投手(31)が、8度目の先発で20年初勝利を挙げた。好調DeNA打線相手に打たせて取る持ち味が光り、7回1失点。前日岩貞が背信KOされるなど頼れる左腕先発が減る中、目覚めの快投でチームの窮地を救った。この日ナインが着用した黄色の幸せマスク効果もあってか、借金を2に減らして首位巨人に5・5差。今日12日の9連戦の最後も勝って上位浮上を目指す。ようやくガルシアに幸運が舞い降りた。3点リードの7回2死一塁。今季最多108球目となる149キロで1番桑原を遊ゴロに仕留めた。7回4安打1失点の力投。開幕から7戦4敗と苦しみ抜き、8度目の登板で待望の初白星。約2カ月に及ぶ長~いトンネルを抜けた左腕は「全てにおいて全力で低めにということを意識した。(7回も)ヒットを打たれてしまったけど、1球1球、1つのアウトを取ることを意識したよ」と笑顔になった。 ベンチの期待に見事応えた。この日は外国人枠の関係で、中継ぎで奮闘するガンケルがブルペンにいなかった。しかも長距離移動を挟んでの9連戦の8戦目。7回の打席に立ち、7イニング目のマウンドに向かったムードメーカーに矢野監督も感謝。「次につながるピッチングになった。もともとああいう(ノリのいい)性格なので、これからも乗っていってくれたら」と喜んだ。 「幸せの黄色いマスク」が勝利を運んだ。この日から矢野監督らがベンチで黄色いマスクを装着。宿泊するホテルから全選手、首脳陣、スタッフにプレゼントされた特別アイテム。背番号入りの非売品だ。矢野監督は「気持ちがうれしい。勝負事の人って誰でも験を担ぐ。今日こうやって付けさせてもらって勝った。そういう風に(験担ぎに)なっていけば、またうれしい」と笑顔だ。 ガルシアにとっても黄色はラッキーカラーだった。昨季、今年と鳴尾浜で2軍調整を続けていた時期。ブルペン投球が終わると、毎回黄色いタオルを使ってひたすらシャドーピッチングを続けた。2軍のスタッフから通訳を介して「黄色は日本で縁起がいい色なんだよ」と聞くと、天を指さしてキス。黄色いタオルがお気に入りだった。 イエロー効果は降板後も終わらない。9回にも相手のまずい守備なども重なって5得点を挙げた。ガルシアが登板した試合は、これまで7試合で援護点は9点、1試合平均1・3点だった。そんな今季のデータがウソのように10安打9得点と攻撃陣が奮起。真夏の横浜で悲運の左腕が、幸運を呼ぶ男になった。【桝井聡】 ▽阪神福原投手コーチ(ガルシアについて)「立ち上がりは少しボールが高かったけれど、しっかり修正してくれて、中盤からは彼本来の投球ができていたし良かったと思います」

◆阪神ガルシアが、8度目の先発で20年初勝利を挙げた。矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -ガルシアはボールも走っていた 矢野監督 状態自体は悪くないんだけど。細かいコントロールがある投手じゃないので。そういうところでは、すごくきょうが良かったというわけではないんだけど、打線の援護が今までなかったじゃん。そういうところでは、取られ方もガルシアが良くないところもあったし、どっちもなんだけど。でもちょっと援護してあげて、勝てたっていうのも大きい。(6回に点を)取った後、しっかりいってくれたっていうのも大きかったんで。次につながるような登板になったと思う。俺的にはそれがうれしいかな。 -ガンケルがブルペンに入れない中で長いイニング 矢野監督 それもあったし、9連戦の間なんで。そういうところで、もう1回いってくれたのも良かった。 -ムードメーカーが勝つとチームも勢いに乗る 矢野監督 去年の最後のつながっていけた時も、あいつが中継ぎに入って盛り上げてくれたというのもあるし。もともとああいう性格なので乗っていってくれたらなっていうのはある。ぜひ、そうなってほしい。 -サンズがまた勝負強い打撃 矢野監督 いいところでやっぱり期待できるというか。自分の形は持っている打者なんで、しぶといバッティングをしてくれるっていう期待値はこっちとしても持っている。 -近本が出てサンズが返す。1人1人が役割を 矢野監督 チカ(近本)の足も生きたし。点がなかなか取れなかったので、そういうところでは後半ちょっと動きが出たのでね。セイヤ(木浪)もいい当たりが正面いくというのが今年すごく多いんだけど、最後の紙一重でホームラン入らないけど、でもいいところで打ってくれた。海(植田)もデッドボールだけどそういうのもつながった。

◆阪神4番大山悠輔内野手の4戦連発はならなかった。 先発井納らの前に4打席封じられ、無安打で迎えた9回1死二、三塁の5打席目は申告敬遠で一塁に歩いた。 自己記録を更新中と好調の4番だったが、この日ばかりは小休止となった。

◆阪神熊谷敬宥内野手が2シーズンぶりのタイムリーを放った。 8回の守備から出場。9回2死一、三塁で打席が巡ってきて、セカンド後方に上がった打球は適時二塁打となり、これが今季初安打初打点。また、この一打でチームは4試合ぶりに2ケタ安打を記録した。

◆阪神尾仲祐哉投手が今季初登板した。9回にマウンドに上がって2安打されたが、最後は桑原を見逃し三振に斬って無失点。 「1日でも早く投げたいという思いでしたし、横浜スタジアムで投げたのも3年ぶりくらいだったので、まずは0で抑えることができて良かったです。まだ1試合なので、目の前の1試合を大事に、これからもっともっと投げていきたいです」。横浜での登板は、DeNA時代の17年9月7日以来だった。

◆阪神近本光司外野手(25)が、ガルシアの初勝利をアシストした。 今季最長の10試合連続安打となる5度目の猛打賞に自慢の快足も披露。先制&中押し&ダメ押しを演出する大活躍だ。 まずは初回、速攻パンチの足がかりを作った。「1番中堅」で出場。先発井納の内角低めスライダーをうまくすくい上げ、右中間を破る二塁打。犠打で進塁後、3番サンズの犠飛で先制のホームを踏んだ。 7回は自慢の快足を飛ばし、"1人"で追加点を奪った。1死から左腕エスコバーのスライダーを捉え、一塁線を破る今季初の三塁打をマーク。そして2死後、3番サンズの3球目だった。投球を捕手高城が三塁側へそらす間に、本塁突入。隙を見逃さない積極走塁で生還し、リードを3点に広げた。 2点差に迫られた9回無死一、二塁では、2長打から一転、バットを寝かせてセーフティーバント。打球を処理する平田を慌てさせて内野安打をもぎ取り、一挙5得点を呼び込んだ。3安打3得点に「塁に出てホームにかえってくることが自分の仕事だと思っていますし、今日はそれができて良かったです」とにっこり。矢野監督もリードオフマンぶりの発揮に「チカの足も生きた」と目を細めた。 8月の近本はもう、誰にも止められない。同月に入って連続試合安打を続け、同学年のDeNA4番佐野とトップを争う月間打率も、4割2分9厘で首位をキープ。一時打撃最下位だった打率は、昨季の2割7分1厘を更新して2割8分に上げ、13位まで浮上した。 厳しい猛暑もしっかり食べて、夏バテを防ぐ。開幕前の4月、腸炎となって一時体重が落ちた。回復後は3食に加えて間食も挟み、体重を少しずつ戻した。食が細くなりやすい夏場のシーズン中も、「しっかり自分に合った量を食べること」を意識。開幕後の不調を取り戻すように、8月は安打を量産している。 昨季は球団の新人記録を更新する13試合連続安打を放ち、背番号5は勢いに乗ったら止まらない。記録をどんどん伸ばし、頼もしくチームをけん引していく。【奥田隼人】 ▽阪神井上打撃コーチ(4出塁の近本に)「チカが出て、かき回してクリーンアップでかえす形をうちの野球として定着させないといけないから。チカの今日のような仕事はこれからも必要不可欠です」

◆阪神が一回に速攻で先制した。先頭の近本が井納の3球目を10試合連続安打となる右中間二塁打で出塁するると、続く木浪が初球を投犠打。1死三塁として、サンズが2球目を中犠飛して、わずか6球で先制した。  しかしその裏、ガルシアは先頭の桑原を3球三振に斬ったものの、続く楠本に1ボールから2球目を左翼スタンドにソロ本塁打されて5球で同点に追いつかれた。  互いに9連戦の8試合目となる一戦は、早々に試合が動いた。

◆DeNAの楠本が今季初めて先発で起用され、0-1の一回1死無走者で今季初本塁打を放って期待に応えた。一本足打法から繰り出す美しいスイングでガルシアの変化球をはじき返し、逆方向の左翼席まで運んだ。  プロ3年目で通算2本目のアーチに「気負うことなく積極的に打ちにいった。完璧に捉えることができた」と興奮気味に振り返った。佐野や梶谷らの好調の陰で既に開幕から2度、2軍降格を味わったが、ようやく訪れた出番で存在感を示した。

◆阪神のジェリー・サンズ内野手(32)が11日、DeNA11回戦(横浜)で勝ち越しとなる適時二塁打を放った。  1-1の六回1死から木浪が遊撃内野安打で出塁すると、先発・井納のけん制悪送球で一走が三進。サンズは外角のスライダーを左中間へ運び、勝ち越した。  2死後、ボーアは申告敬遠で一、二塁となり、梅野の左翼線適時二塁打で1点を追加した。  試合前の時点で得点圏打率・522(23打数12安打)の助っ人が持ち前の勝負強さを発揮した。

◆セ界一、勝負強い男が試合の均衡を破った。白球が左中間を転々とする。阪神・サンズが勝ち越し打を放った。  「最低でも外野まで飛ばすことのできるボールを待っていたよ」  1-1で迎えた六回1死一塁で打席に入ると、井納が牽制(けんせい)悪送球。走者・木浪が一気に三塁まで進んだ。こうなればサンズのもの。カウント3-1から外角スライダーをはじき返した。悠々と二塁へ到達したS砲は歓声に手を挙げて応えた。  一回は1死三塁からきっちり仕事を果たす中犠飛で先制劇を演出。得点圏打率でリーグ1位(・522)に立つ助っ人が、期待通りの活躍を見せた。  サンズの一打で勢いづいた阪神打線は、さらに六回2死一、二塁から梅野が左翼線へ二塁打を放ち3-1とリードを広げると、七回は近本が今季初の三塁打を放ち、相手の捕逸で生還。今季初勝利を狙うガルシアを援護した。横浜の地でサンズが躍動した。(原田遼太郎)

◆阪神が9-2でDeNAに快勝。対戦成績を5勝5敗(1分け)に戻した。打線が4試合ぶりの2桁となる10安打を放った。  一回、サンズの中犠飛で先制すると、1-1の六回1死三塁から再びサンズが左中間を破る勝ち越しの適時二塁打。梅野も左翼線に適時二塁打で続くと、七回には捕逸で加点。3点リードの九回、無死満塁として木浪が2点二塁打。さらに、代打・福留の押し出し四球や梅野の犠飛、熊谷の今季初安打となる適時二塁打で5点を奪った。  先発したガルシアは1点を先制した直後の一回、楠本に被弾。序盤は制球に苦しんだが、四回以降は立ち直り、7回4安打7奪三振で1失点。今季8試合目の先発で初勝利を挙げた。

◆DeNAは11日、阪神11回戦(横浜)に2-9で完敗。連勝が3で止まった。  試合前の練習にも姿を見せず、今季46試合目で初の欠場となった梶谷隆幸外野手について、ラミレス監督は「昨日の試合中に左足を痛めていたので、今日は一日休ませた。そこまで悪くない。大事をとって、きょう病院にも行って、左足かかとの打撲ということで、治療もした。(明日の練習参加?)そうなると思うので、問題なければラインアップに戻るだろう」と説明した。  梶谷はここまで45試合に1番打者として出場。打率・273、19打点、チームトップとなる9本塁打、5盗塁をマークしていた。代わって、この日昇格した桑原が「1番・中堅」で出場したが、4打数無安打3三振に終わった。

◆DeNAは苦手のガルシアを今季初対戦でも攻略できなかった。一回に先発に抜てきした楠本がソロを放ったが、後が続かず7回まで計4安打のみ。昨季から3連勝を許し、ラミレス監督は「しっかり戦略を立てて臨んだが、思っていた以上に直球が良くて打ち崩せなかった」と嘆いた。  ガルシアに通算20打数9安打で5本塁打と抜群の相性を誇るソトが体調不良で5戦連続で欠場。梶谷も左足の故障で欠いた。夏の過酷な9連戦は残り1試合となったが、戦力にほころびが出始めている。 井納(六回に自らの失策でピンチを広げて勝ち越し打を浴び) 「けん制を悪送球した後、落ち着いて投げることができなかった」 宮崎(八回に9号ソロ) 「とにかく出塁を意識した。自分のスイングで捉えることができた」

◆阪神のガルシアが8度目の先発で待望の今季初勝利を挙げた。4四球を与えたが、力のある速球で押し込み、7回4安打1失点と好投。「すごくうれしい。これからの自分の投球に結び付くようにやっていきたい」と白い歯を見せた。  一回に先制してもらいながらその裏に同点ソロを浴びた。立ち上がりは不安定だったが、尻上がりに調子を取り戻し、味方の援護を呼び込んだ。福原投手コーチは「中盤からは彼本来の投球ができていた。いい投球をしてくれた」と評価した。 尾仲(九回に今季初登板し無失点) 「一日でも早く投げたいという思いだった。まずはゼロで抑えることができて良かった」 近本(3安打3得点) 「塁に出て、ホームにかえってくることが自分の仕事。続けていけるように頑張る」

◆4試合連続で「2番・遊撃」で出場した木浪が、5試合ぶりのマルチ安打で勝利に貢献した。4-2の九回無死満塁。平田のフォークをたたいて右翼フェンス直撃の2点二塁打。「初球から思いきって打ちにいこうと決めていたので。それがいい結果につながってよかった」。同点の六回1死からは遊撃への内野安打。井納の一塁へのけん制悪送球で三進すると、サンズの一打で勝ち越しのホームを踏んだ。

◆3番に座るサンズが勝ち越し打を含む2打点の活躍で、勝利の立役者となった。「個人的にも結果が出てうれしいし、何よりもチームが勝つのが一番うれしいよ」。一回1死三塁から先制点となる中犠飛。1-1の六回1死三塁では外角の変化球に反応し、左中間へ適時二塁打を放った。得点圏打率はリーグトップ・500。「前の打者が塁に出て、ホームを踏んでくれるから、次に投手が何を投げてくるか配球を意識できていることが結果につながっている」と好調の要因を語った。

◆試合終了の瞬間、ベンチ前で人さし指を天に向けて突き上げ、雄たけびをあげた。ガルシアが7回108球を投げ、4安打1失点の熱投。今季8試合目の登板で、待望の初勝利を挙げた。  「すごくうれしい。1勝を目標にやっていたのでね。(日本語で)アリガトウ、アリガトウ!」  投のヒーローは、顔をくしゃくしゃにして喜んだ。  序盤は制球が定まらず、先制した直後の一回、楠本に同点アーチを許した。マウンドで顔をしかめる。二回も先頭打者を四球。三回は2四球で1死一、二塁のピンチを招いたが、4番・佐野をスライダーで空振り三振、続くロペスを146キロの直球で遊飛に打ち取った。「(それから)しっかりと低めに球を集められたことが勝因だと思う」。四回以降は、球を低めに集め、打者に的を絞らせなかった。  これまでの7試合で0勝4敗。序盤に失点したり、好投しても打線の援護に恵まれない状況が続いていた。「集中力をきらさず、メンタルを失うことなく、自分の練習をしっかりすることを心がけました」。制球を安定させるべく、下半身強化で走り込んだことが、やっと結果に表れた。  入団1年目の昨季も開幕後、しばらく結果を残せなかった。移籍後初勝利を完封で飾ったのが5月26日。相手はDeNA。横浜だった。  1月14日に2人目となる次女・ミヤちゃんが誕生し「子供が生まれたから頑張らないと」と決意し、臨んだ2020年。  「援護してくれた、みんな(打撃陣)に感謝したいし、この勝利を、いい方向につなげていきたい」  長いトンネルを抜け出した。猛暑は得意。これからガルシアの季節だ。(三木建次)

◆ハンターのように、ギラリと目を光らせ、一気にスタートを切った。ぐんぐんスピードが加速する。近本はホーム目がけて鋭くスライディング。自慢の足で奪った得点に、意気揚々と笑顔でベンチに引き揚げた。  「塁に出てホームにかえってくることが自分の仕事だと思っていますし、きょうはそれができてよかった」  3-1で迎えた七回だった。1死から今季初となる右翼線の三塁打で得点の好機を演出。木浪が左飛に倒れ2死となったが、勝利を近づけるため、どうしても追加点が欲しかった。続くサンズの3球目、捕手・高城がボールをそらすと、ためらうことなく発進。相手のミスを見逃すことなくものにした。  一回は右中間へ二塁打を放ち、先制のホームへ。試合開始からわずか6球、電光石火の先制劇を演出すると、九回は無死一、二塁で三塁線へセーフティーバント。内野安打を奪い、今季5度目の猛打賞。10試合連続安打と8月に入ってから全試合でヒットを放つ男は、8月月間打率・429(42打数18安打)とバットも足もノリノリだ。  ここまでセ・リーグトップの13盗塁をかっさらう俊足が、ボディーブローのようにじわじわと相手を追い詰める。どんな場面でも盗塁を決められ、相手が一瞬でも油断すれば、背番号5は得点圏に進んでいる。塁にいれば頭にちらつく近本の存在。相手投手にとって、これほど脅威なことはない。   塁上の韋駄天に気を取られすぎると、セ・リーグ1位の勝負強さを誇る3番・サンズが待っている。相手バッテリーはいつもの倍以上に気を使わなければならない。七回の得点はそれを象徴するシーンだった。  井上打撃コーチは「チカ(近本)が出て、かき回してクリーンアップでかえすという形を、うちの野球として定着させないといけない。チカのきょうのような仕事はこれからも必要不可欠」とうなずいた。  これがいま、虎を勝利に導く黄金パターン。スピードに乗った韋駄天は止まらない。ダイヤモンドを縦横無尽に駆け回る。(原田遼太郎)

◆真夏のビッグプレゼントや! 阪神はDeNAに10安打9得点で快勝。矢野燿大監督(51)は試合中に着用したマスクに言及。横浜市内の宿舎ホテルの支配人から贈られたもので、「幸せの黄色いマスク」と命名。その効果もあって、六回には目の前で敬遠された梅野隆太郎捕手(29)がダメ押しの適時二塁打。虎党を代表して、ホテルの関係者の皆さま、ありがとう-。  猛虎の黄色い口元に幸せが舞い降りた。前夜、夏のロード9連戦の負け越しが決まり、必勝アイテムが届けられた。流れを変えたのはマスクのおかげ? もう負けられない一戦で10安打9得点の快勝。イエローマスクをつけた矢野監督に白い歯がこぼれた。  「これは幸せの黄色いね。支配人がプレゼントしてくれたから。何でも俺らって、勝負ごとの人って誰でも縁起担ぐじゃん。今日こうやって着けさせてもらって勝ったということがそういう風になっていけば、またうれしい」  ベンチの風景がいつもと違った。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、マスクを着用。これまでおのおのがバラバラのものをつけていたが、この日は黄色が咲き乱れた。  実は横浜市内の宿舎からのプレゼント。背番号までプリントされた非売品で、この遠征に帯同している選手の部屋にそっと置かれていた。さらに2軍選手の分も含め、チーム関係者全員の分が用意されているという。  特に応えたのが選手会長・梅野だった。1点を勝ち越し2-1とした六回。2死二塁で目の前のボーアが申告敬遠された。昨年の8月22日もDeNAに2度も目の前で敬遠されていた梅野が、また、勝負を選ばれた。  こちらは開幕から打撃好調で打率3割をキープ。一方でB砲はその時点で・246。井納には2打席連続三振を喫していた梅野とはいえ、甘いスライダーを見逃すわけがなかった。三塁線を破る適時二塁打。貴重な3点目をたたき出し、右腕をKOした。「何としても、もう1点欲しかったので、打つことができてよかった」。敵将のラミレス監督に強烈なしっぺ返しを食らわせた。  負ければ3カード連続の負け越しで、7月16日以来となる5位転落の危機だった。前日には投手の国吉に岩貞が痛打され、矢野監督は激怒。重苦しい空気を幸せの黄色いマスクが振り払ってくれた。  「また、目立つんでね。これで連勝が続けばグッズも考えるやろうし。幸せの黄色いマスクで」  九回には5点を追加して終わってみれば大勝。ガルシアは8試合目で初勝利を挙げ、DeNAには昨季から3連勝とした。「次につながるような登板になったと思うんでね。俺的にはそれがうれしいかな」。どれだけ徳俵に足が乗ろうが、これからは虎戦士を黄色いマスクが支えてくれる。  今のところ非売品だが、虎党からすれば、今すぐに欲しいアイテム? 虎に新しい武器が加わった。ありがとう、支配人さん。首位巨人とは5・5ゲーム差。マスクとともに再び追いかける。(大石豊佳)

◆この日も2人のガルシアがいた。三回まではどうなるかと思った。小さくシュート気味に落ちるはずのツーシームが、右打者で言えば外の高めのコースに抜けて四球が4つ。二回と三回は先頭を歩かせて、これまでと同じ崩れ方をするのかと心配したが、四回からは別人だった。  ツーシームを減らして、スライダーとフォーシームでテンポ良く追い込んでいった。四回から七回までは四球ゼロ。五回に楠本を二ゴロに打ち取ったフォーシームは、素晴らしいボールだった。  球数が100球を超えても150キロ出るのだから、意図せずに曲がっているツーシームに頼り過ぎないほうがいい。ストライクゾーンの中で勝負できる球威がある。真っすぐ(フォーシーム)主体に押す四回以降のピッチングを一回からできるようになれば、心配はいらない。  正直、このままではどこかで外れるとみていたが、これでローテーションも固まる。チームにとっても大きな1勝になった。(本紙専属評論家)

◆よっしゃー、ガルシア! 今季8試合目で初勝利は遅いけど、ここから阪神逆転Vのために勝ちまくってくれると信じとるでェ!!  さあ、ここからはスゲー汚い大人の世界と思うかもしれないので、良い子の皆さんは見ないでいいですからね~。  元々、中日にいたガルシアは来日1年目で13勝を挙げたのだ。しかし、その年のオフの契約更改で折り合いがつかず、わが阪神へ...。その時、俺は思った。「ええねー! 野球はスポーツだけどプロはビジネス。金にこだわれー!! 虎に白星を与えリッチになれー!!」と。  しかし、昨季は期待を裏切り、今季も...。新型コロナウイルスの影響で入場者が甲子園なら10分の1...となれば高給取りは来季「ハイ、お疲れさまでしたー」は致し方ないところ。それを考えたら今季は『高年俸選手勝ち残りペナントレース』でもあるのだ! さあ、この先生き残りをかけた外国人やベテランに注目!!

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
24153 0.615
(-)
-
(-)
78196
(-)
145
(-)
58
(-)
24
(-)
0.249
(-)
3.390
(-)
2
(-)
DeNA
24202 0.545
(↓0.013)
2.5
(↓0.5)
74192
(+2)
168
(+9)
55
(+2)
9
(-)
0.273
(↓0.002)
3.510
(↓0.09)
3
(-)
ヤクルト
19195 0.500
(-)
4.5
(-)
77191
(-)
213
(-)
37
(-)
29
(-)
0.251
(-)
4.570
(-)
4
(-)
阪神
20222 0.476
(↑0.013)
5.5
(↑0.5)
76187
(+9)
179
(+2)
42
(-)
36
(+1)
0.246
(↑0.001
3.640
(↑0.04)
5
(-)
広島
18224 0.450
(↓0.012)
6.5
(↓0.5)
76201
(+1)
207
(+8)
48
(-)
19
(+1)
0.277
(↓0.002)
4.340
(↓0.08)
6
(-)
中日
18254 0.419
(↑0.014)
8
(↑0.5)
73143
(+8)
198
(+1)
23
(+1)
10
(+1)
0.239
(↑0.003)
3.890
(↑0.07)