広島(★1対5☆)阪神 =リーグ戦8回戦(2020.08.09)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
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広島
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勝利投手:秋山 拓巳(4勝1敗0S)
敗戦投手:遠藤 淳志(2勝2敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(10号・8回表ソロ)

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◆阪神は1-1で迎えた3回表、大山の適時打で1点を勝ち越す。その後は、8回に大山のソロで加点すると、9回には近本の適時打などで2点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・秋山が6回1失点で今季4勝目。敗れた広島は、9回に満塁の好機をつくるも及ばなかった。

◆阪神秋山拓巳投手(29)は7月14日ヤクルト戦から3連勝中。 この3試合の失点は3点→4点→5点で連勝中の防御率が5・06も、登板時の援護点が6点→6点→20点。大量援護で連勝を伸ばしているが、今日の援護点は?

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が秋山拓巳投手(29)、広島が遠藤淳志投手(21)。 阪神は球界最年長の43歳福留が今季初の「3番」で先発出場。右腕秋山は鈴木誠に対し、通算12打数5安打、打率4割1分7厘と打ち込まれている。19年まで被本塁打はなかったが、今季の初対戦7月21日(甲子園)で2ランを浴びた。同一カード3連敗阻止には、相性の悪い主砲をいかに抑えるかがカギになる。

◆阪神近本光司外野手(25)が、気迫のファインプレーを見せた。 3回1死で2番坂倉の当たりは右中間深くに飛んだ。中堅近本は背走しながら打球を追い、ジャンプ一番でグラブに収めた。勢い余ってフェンスに激突。捕球後はしばらく起き上がることができなかったが、プレー続行。ビッグプレーに場内の阪神ファンだけでなく、広島ファンからも拍手が送られた。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が勝ち越しとなる適時三塁打を放った。 1-1の3回2死三塁、先発遠藤の外角114キロカーブを左翼に打ち返した。鋭い当たりに左翼長野が前進してチャージするも、捕球できず。打球が後方へ転々とする間に、大山は一気に三塁まで到達した。第1打席の二塁打に続く、2打席連続の長打となった。 「ランナーをかえすことに集中して打ちました。勝ち越すことができて良かったです」 前日8日の同カードでは、試合前練習で矢野監督ら首脳陣から直接の打撃指導を受けた。そして第1打席で、15打席ぶりの安打となる9号ソロを放っていた。復調気配を見せていた4番が、2試合連続打点で指揮官の期待に応えた。

◆阪神先発の秋山拓巳投手(29)が6回1安打1失点の好投を見せた。 完投勝利の前回から中11日での登板。持ち前のコントロールで丁寧にコースを突き、広島打線に的を絞らせなかった。2回、6番堂林に初安打となる二塁打を許し、7番菊池涼の左犠飛で失点。しかし、大きく崩れることはなく、6回まで許した安打は1安打のみ。最少失点で、6回を77球で投げ終えた。 7回の攻撃で代打を送られ交代。チームトップタイとなる4勝目の権利を手に、2番手以降にマウンドを託した。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が2戦連発となるダメ押しの10号ソロを放った。 2-1で迎えた8回の第4打席。広島一岡の初球スライダーを左翼へ引っ張った。終盤で2点差に広げる貴重なアーチ。3年連続2桁本塁打を達成し、チーム42試合目での10号到達は自己最速となった。 2回の第1打席では、左中間への二塁打で先制のホームを踏んだ。1-1の3回2死三塁では、左翼へ勝ち越しの適時三塁打。「ランナーをかえすことに集中して打ちました。勝ち越すことができて良かったです」。今季2度目の猛打賞で、あとは単打が出ればサイクル安打も達成という躍動ぶりだ。 前日8日の同カードでは、試合前練習で矢野監督ら首脳陣から直接の打撃指導を受けた。そして第1打席で、15打席ぶりの安打となる9号ソロを放っていた。復調気配を見せている4番が、指揮官の期待に応えている。

◆阪神が4番大山悠輔内野手(25)の3安打2打点1本塁打の活躍で、同一カード3連敗を阻止した。 大山は2回に二塁打を放ち先制のホームを踏むと、3回2死三塁では左翼へ勝ち越しの適時三塁打。1点リードのまま迎えた8回には、2戦連発となるダメ押しの10号ソロを放ち、広島を突き放した。先発の秋山拓巳投手(29)も6回1安打1失点と好投し、自身4連勝。負ければ5位転落という危機的状況で、投打がかみ合った。

◆広島は2回表に1点先制されたが、2回裏に7番菊池涼が同点犠飛。阪神は3回2死三塁から4番大山の適時三塁打で勝ち越した。 広島先発遠藤は制球が安定せず5回2失点で降板。阪神先発秋山は6回を1安打1失点で、自身4連勝の権利を持って降板した。 阪神は1点リードの8回、4番大山が10号ソロ。連敗を2で止め、3位ヤクルトに1ゲーム差とした。広島は連勝が2で止まった。阪神秋山が4勝目。広島遠藤が2敗目。

◆新助っ人ジョー・ガンケル投手が2回1安打無失点で今季3ホールド目をマークした。 1点リードの7回から登板し、先頭松山からスライダーで空振り三振を奪うと堂林、菊池涼を内野ゴロ。お役御免かと思われたが、来日初となるイニングまたぎで8回もマウンドへ。先頭田中広に左前打を浴びたが、後続を危なげなく抑えた。昨夜に続き2連投の登板。さらに中継ぎに転向して7試合連続無失点という好投。矢野監督から直接、ねぎらいの言葉を掛けられたガンケルは「(いつも)いい試合をしようと考えています。2イニング目、左バッターに追っつけられてインコースを攻めたら良かったと思うけど、(最後は)センターの近本が大きなフライを捕ってくれたので良かった」とホッとした表情。謙虚な右腕は8回2死から坂倉の大飛球をキャッチしたチームメートをたたえた。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が3年連続2ケタ本塁打となる10号ソロを放つなど3安打2打点で勝利に大きく貢献。単打が出れば、サイクル安打の活躍だった。▼大山が3年連続2桁本塁打に到達。阪神生え抜きでは、鳥谷が06~10年に5年連続で達成して以来。 ▼大山の、チーム42試合目での10号到達は自身最速。18年123試合目、19年69試合目を大幅に更新した。今季は120試合で終了するため、現状のペースなら最終的に28本塁打となる。例年通り143試合を行うと仮定すれば、34本塁打ペース。

◆広島遠藤淳志投手は制球が安定せず、自身3連勝を逃した。5回7奪三振ながら4四球3安打で2失点。5イニングで103球を要し、今季2敗目を喫した。 7月5日に5回8失点と大炎上した阪神打線にリベンジならず。「(失点した)2回と3回ですね。どうしてもゾーンで勝負できないところがあった。もっと攻めないと。攻めた結果だけど、まだまだ足りない」と反省した。

◆広島は好調を持続していた打線が3安打1得点と振るわず、4位浮上を逃した。22歳坂倉をプロ初の2番スタメンで起用した一戦。阪神先発秋山にコースを突かれ、的を絞れないまま6回1安打1失点と抑え込まれた。 坂倉は4打数無安打に終わり、チームはここ2試合で計8安打3得点。佐々岡真司監督は「攻撃的に(2番に)調子のいい打者を置いたけど、今回は機能しなかった」。連勝は2で止まり、再び4位阪神に1ゲーム差とされた。

◆阪神秋山拓巳投手(29)が6回1安打1失点の好投で、チームトップタイの4勝目を挙げた。「とにかくストレートで押すというピッチングを心がけていた。今日はしっかりパフォーマンスが出せたのでよかったです」。今季初勝利を挙げた7月14日ヤクルト戦(甲子園)から無傷の4連勝。直球を主体に広島打線を押し込み、終わってみればピンチは2回だけ。6イニング中、4イニングを3者凡退で終わらせた。 中11日で満を持して迎えたマウンド。前回7月28日ヤクルト戦(神宮)は、5失点しながらも大量20点の援護を受けて完投勝利。翌日に疲労を考慮され、出場選手登録を抹消された。「もちろん悔しい思いはあった。今までとの違いが、いい結果につながったかなとは思っています」。抹消期間は走り込みを中心としたトレーニングで直球のキレを出し、序盤のリードを守った。 復活の鍵にしていたのは「17年の真っすぐ」。自己最多の12勝を挙げた17年の球速は140キロ台後半で、直球での三振も多かった。ここ2年はかわすようなピッチングが続き、投げ方が小さくなっていたことも自覚していた。「今は17年以上になれればいいですけど、やっぱり17年みたいなストレートを投げられるように」。開幕延期となった期間は、肩甲骨を中心に動かすことを意識。腕を大きく振ることを心がけ、ブルペンでも直球の質を磨くことに多くの時間を割いていた。 矢野監督は「抹消になってからも、さらにキレが出てくるような調整をしてくれてたし、それがしっかり結果に結びついた」と評価。さらにキレを増した直球がこの日は光った。17年も7、8月だけで無傷の6勝を挙げるなど、暑さに強い「夏男」。熱のこもった投球でまだまだ白星を量産する。【磯綾乃】

◆阪神の6番ジャスティン・ボーア内野手は2打数無安打2四球に終わった。3回2死一、三塁の追加点の好機では高め直球に空振り三振。 6回2死無走者では中継ぎの菊池保に中飛に打ち取られた。それでも、2回の第1打席は四球を選んで好機を広げ、9回は先頭打者で四球で出塁しダメ押し点につなげた。

◆「ザ・キャッチ」が追い上げムードを断ち切った。阪神近本光司外野手が気迫のプレーでチームを鼓舞した。 「1番中堅」で先発すると、3回の守備だ。1死で2番坂倉の当たりは右中間深くへ飛んだ。近本は背走しながら打球を追う。ジャンピングキャッチでグラブにボールを収めた。勢い余ってフェンスに激突。しばらく起き上がれないほどだった。「しっかりボールを取ることの方が大事」。打球はしっかりとつかんでいた。その後もプレーを続行し、場内の阪神ファンだけでなく広島ファンからも拍手が送られた。 ビッグプレーだ。その直前には大山が勝ち越し打を放っていた。近本がキャッチできなければ、得点圏で広島のクリーンアップに打席が回っていた。「守備のいいプレーで流れを持ってくる機会は少ないですけど、しっかり自分のできることをやっていきたい」。矢野監督も「フェンス際っていうのは難しい部分があるけど、すごくいい反応をしてくれた」と称賛した。 9回2死三塁では俊足を生かして一塁への適時内野安打。貴重な5点目をもぎ取り、連続試合安打も8に伸ばした。8月の月間打率は4割1分2厘と絶好調。虎のリードオフマンが攻守で輝いた。【只松憲】

◆阪神中谷将大外野手がまた代打で結果を出した。3-1の9回1死二、三塁で登場。D・ジョンソンのナックルカーブを確実にミートし、4点目となる貴重な右犠飛を放った。 代打で出場した直近3試合はすべて打点を記録。代打打率は脅威の5割5分6厘と勝負強さを発揮しており、井上打撃コーチも「前回、前々回に自分が結果を出したという自信が打たせた。やっぱり自信は人を大きくさせる」とうなずいた。

◆阪神抑えのロベルト・スアレス投手が一瞬ひやりとさせるも、9回を無失点に抑えた。 1死から鈴木誠に左前打を浴びると松山、堂林に連続四球で1死満塁。1発出れば同点のピンチを招いたが、続く菊池涼を3球で空振り三振に仕留め、最後は田中広を右飛に打ち取った。8月2日DeNA戦(甲子園)以来の登板も、役割を果たした。

◆球界最年長の43歳阪神福留孝介外野手が、今季初の3番に座り決勝点をアシストした。 同点の3回1死二塁で走者を三塁へ進める左飛。直後の大山の適時三塁打につなげた。昨季後半に36試合で出場した打順できっちり仕事。ただ、1死一塁で回ってきた5回の第3打席では広島遠藤の前に二併。無安打に終わり、打率は1割9分まで下がった。

◆虎の4番が完全復活や! 阪神大山悠輔内野手(25)が3年連続2ケタ本塁打となる10号ソロを放つなど3安打2打点で勝利に大きく貢献。単打が出れば、サイクル安打の活躍だった。 チームは同一カード3連敗を阻止し、4位も守った。一時は打撃不振に陥っていた4番が復調し、長期ロードの反撃に打って出る。これが4番の仕事だ! 大山が試合を決めた。1点リードの8回2死。広島一岡の初球スライダーを一振りで仕留めた。左翼席に飛び込む10号ソロ。自己最速の42試合目で3年連続2ケタ本塁打に到達。笑みを浮かべることなく、ダイヤモンドを1周した。 「勝ったことが一番。チームの流れもあまり良くなかったですけど、流れを変える大事な仕事ができたと思う。今日は今日で終わり。明日また一から始まるので」 4番のバットが先制、決勝点を生み出した。2回に先発遠藤から左中間へ二塁打を放ち、チャンスメーク。7番梅野の遊ゴロの間に先制のホームを踏んだ。同点に追いつかれた直後の3回2死三塁では、勝ち越しの適時三塁打。単打が出れば、サイクル安打という3安打2打点。3本の長打で、5位転落&同一カード3連敗を阻止した。 開幕ダッシュ失敗の後、大山の活躍でチームはV字回復。しかし、4番のバットが湿り、連動するかのように矢野阪神も勢いを失った。5日巨人戦から14打席無安打。苦境で首脳陣の緊急メスが入った。8日広島戦の試合前練習。矢野監督と井上、新井両打撃コーチが大山を囲み、アドバイスを送った。井上コーチはその内容を明かした。「例えば監督が右バッター、俺は左バッター。長距離砲や短距離砲の選手だったり、それぞれあるけど、『共通して言えるのはこうじゃんか』と。それをまたみんなで話し合いして、再確認をした」。アドバイスの内容もいろいろだが、「たどり着くところは同じ」と目指す場所を再確認。気持ちをクリアにしたことで、同日には15打席ぶりの安打となる9号ソロにつながった。 矢野監督は4番の連日の活躍に「どんなバッターでも、シーズンの中で波がある。昨日、今日のどこかにキッカケというのが、何かしら本人にもあると思う。まだまだシーズン続くんで、その波を小さくしてやってくれたら」と、さらに期待した。 長期ロードは負け越しスタートとなったが、4番の復調は心強い。「(記録は)関係ないです。3年連続であろうが、打てるところで打たないと意味がないので。しっかり頑張ります」。まだまだ、足りない。大山のバットで、まずは借金返済、そしてAクラス再浮上だ。【奥田隼人】

◆阪神大山が3年連続2ケタ本塁打となる10号ソロを放つなど3安打2打点で勝利に大きく貢献。単打が出れば、サイクル安打の活躍だった。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -秋山は制球も安定していた 矢野監督 抹消になってからも、さらにキレが出てくるような調整をしてくれてたし、それがしっかり結果に結びついた。球数も少なかったけど、ちょうどチャンスで(打席が)回ってきたし、アキの責任は十分果たしてくれていた。十分なピッチングしてくれた。 -大山が見事な4番の働き 矢野監督 この2試合か。その前はちょっと(よくなかったけど)。どうしてもシーズンの中で波があるから、どんなバッターでもある。この波を小さくしていくというところでは、昨日、今日のどこかにきっかけっていうのが、何かしら本人にもあると思う。まだまだシーズン続くんで、その波を小さくしてやってくれたら。 -大山が打っていい勝ち方 矢野監督 結果だけを見たらいい勝ち方だけど、結局1点、1点しか取れていないのはチームとしては...。やっぱりあそこでもっと畳みかけたい。やっぱり点を取れるところでもっと取らないと。この試合もどうなってもおかしくない試合。今日勝ったからいいわというふうには思えない。 -ガンケルがイニングまたぎ 矢野監督 オレはあんまりあれやったけど、福原が「ガンケルが球数も少ないからどうですか?」と言ってくれたんで。どうしようかなと思ったけど。球数も少なかったし、状態も昨日今日と良かったし。そういうところでは。四球がないピッチャーなんでそうしようかなと。 -接戦の中で近本の守備も光った 矢野監督 そうやね、今日はいいところでね。フェンス際っていうのは難しい部分があるけど、すごくいい反応をしてくれた。チカの守備というか、入りもよかったし、追いつける足もあるから。まあ良かったです。 -明日からも遠征が続く 矢野監督 体もみんな疲れているしね。何とかチーム全員でそれを乗り切っていきたいって思う。だからこそ打線が1点で止まっているところを2点、3点と取っていくと、相手ピッチャーも下がったピッチャーが出てくるから得点できると思う。

◆広島・羽月隆太郎内野手(20)が9日、阪神8回戦(マツダ)前の練習に参加。アップ前の野手ミーティングではコーチのギャク指令に応える形で女優、剛力彩芽(27)の「友達より大事な人」を口ずさみ、キレのあるプロペラダンスを披露して笑いを誘った。  7日の1戦目にプロ初出場をスタメンで飾り、2安打3打点の活躍で勝利に貢献。前日8日の2戦目はスタメンで七回まで出場したものの、二回の守備では酸欠!? のような症状を訴える一幕があった。

◆阪神・大山悠輔内野手(25)が9日、広島8回戦(マツダ)の三回に適時三塁打を放った。  1-1の三回2死三塁で打席に立つと、先発・遠藤の2球目、外角のカーブを引っ張り、左中間三塁打で勝ち越しに成功。二回の第1打席でも先頭で高めの球に反応し、左中間二塁打でチャンスメークした。前日8日の二回に9号ソロを放っており、好調を維持している。

◆阪神は、広島に5-1で勝利した。  先発の秋山は1-0の二回に四球と安打で1死二、三塁のピンチを招き、菊池涼の犠飛で1点を失ったが、以降は無失点に抑えて、6回1安打1失点と好投した。  打線は二回に大山の二塁打と連続四球で無死満塁とし、梅野の遊ゴロの間に先制すると、1ー1の三回に大山の適時三塁打で勝ち越しに成功した。八回は大山の10号ソロで追加点を挙げ、九回にも中谷の犠飛、近本の適時内野安打で4点差に広げた。  最後は守護神のスアレスが安打と連続四球で1死満塁としたが、無失点で試合を締めた。阪神は連敗を止め、借金「2」となった。

◆広島は9日、マツダスタジアムでの阪神8回戦に1-5で敗れ、今季初の同一カード3連勝と勝てば4位浮上の機会を逃した。  朝山東洋打撃コーチ(44)は「立ち上がりからコーナーに丁寧に投げられ、狙い球を絞ることができなかった。内と外にカーブ、スライダーと丁寧な投球をされた。スピン量が多く、スピードガンより速い。なかなか打ち崩すことができなかった」と阪神の先発・秋山に脱帽した。  試合前時点でチーム打率はリーグトップの・283の打線だったが、秋山-ガンケル-スアレスの投手のリレーの前に今季ワーストタイの3安打に終わり、菊池涼の犠飛による1点しか奪えなかった。

◆勝てば4位浮上となる好機で広島は3安打と振るわなかった。1-5の九回に1死満塁と反撃ムードを醸成しても菊池涼がボール気味の球に手を出して三振、田中広は右飛。最後まであと一本が出なかった。  打力が光る捕手の坂倉を2番で起用するなど攻撃的な打線に組み替えたが、近本らの好守に遭うなどし、今季初の同一カード3連勝に届かなかった。佐々岡監督は「調子のいい打者を(上位に)置いたが、きょうは機能しなかった」と悔しがった。

◆激しい衝突も、決してボールは放さない。近本がガッツあふれる好プレーで、勝利に貢献した。  「フェンスが怖くないっていったらあれですけど、しっかりボールを捕ることの方が大事。秋山さんを援護できるように、助けられるようにと思いました」  三回1死、坂倉の打球は右中間最深部へ。ジャンプ一閃、フェンスに激突しながら好捕した。しばらくうずくまって起き上がることができなかったが、駆け寄るトレーナーを制してプレー再開。試合後も「大丈夫です」と胸を張った。  一回2死で長野、八回2死三塁でも坂倉のフェンス際の打球に難なく追いついた。終盤まで1点差の展開。広い守備範囲で投手陣を救った、陰のヒーローだ。  「守備で、いいプレーで流れを持ってくる機会は少ないですけど、しっかり自分のできることをやってきたい」  九回の一塁内野安打で8試合連続安打としたリードオフマン。攻守に躍動感があふれた。

◆初めてのイニングまたぎでも、冷静だった。2番手のガンケルが2回を無失点に抑えて、流れを渡さなかった。  「(常に)いい試合をしようと考えている。2イニング目に左打者の内角をもう少し攻めればよかった。それでもセンターへの大きなフライを近本が捕ってくれたので、よかった。きょうは助かったよ」  2-1の七回は先頭の松山を3球三振に斬るなど、わずか8球で三者凡退。これで任務終了かと思われたが、八回もマウンドへ上がった。中継ぎとなって以降は、初のイニングまたぎ。先頭の田中広に左前打を許し、その後、2死三塁とされたが、最後は坂倉を中飛に仕留め、九回のスアレスへとつないだ。  これで中継ぎとして再昇格した7月24日以降、7試合に登板し、8イニング無失点&3ホールドをマーク。岩崎、守屋らの故障により苦しいブルペン事情のなか、奮闘している。最近ではリードした展開での起用も増えており、首脳陣からの信頼も高まるばかりだ。矢野監督は福原投手コーチの推薦だったことを明かし「(七回は)球数も少なかったし、状態も昨日今日とよかったし」と八回続投の理由を説明。続けて「抑え方も狙ってゴロが取れたり、1球1球を見ても、質がよくなっている」と評価した。  マツダスタジアムは開幕前の6月10日に先発し、2満塁被弾で4回8失点と苦い思い出のある舞台。そんな嫌なイメージも、払拭した。  「自分が持っている球種をうまく低めにゴロを打たせたり、空振りをとったり、ストライクゾーンで勝負できている。それがいい結果につながっていると思う」  前日8日にはこう話していた。安定感抜群の優良助っ人が、これからも虎を支える。(織原祥平)

◆汗をぬぐう。日中は最高気温32度、湿度も70%を超えてマツダスタジアムは日が暮れても不快な蒸し暑さだった。だが、秋山にとっては大歓迎。夏男の本領を発揮し、凡打の山を築いた。  「とにかく直球で押すピッチング心がけていたので。抹消期間がありましたけど、いい練習ができて、きょうしっかり出せたのはよかったです」  三振は1個だったが、緩急を使って打たせて取る投球でアウトを積み重ねた。「(守備に)助けてもらいながら、流れに乗ることができた」と近本らの好守に感謝。終わってみれば6回1安打1失点と堂々たる内容だ。  気温の上昇は自身の調子も上昇させる。シーズン自己最多の12勝を挙げた2017年は7、8月に6連勝。昨季は4勝に終わったが、うち2勝は8月だった。「暑いのは嫌いじゃないので、むしろ歓迎です」と話すほど好きな季節だ。今季も7月1日の中日戦(ナゴヤドーム)こそ黒星となったが、同14日のヤクルト戦(甲子園)からこれで4連勝と絶好調だ。  前回登板での悔しさもあった。7月28日のヤクルト戦(神宮)は完投勝利だったが、3本塁打を浴びるなどして9安打5失点。20得点の大援護を受けたおかげだった。納得のいかない内容で終わると、翌日に抹消。その後、先発陣は1勝6敗。夏バテ気味の仲間たちを助けるべく、牙を研いでいた。  1軍に帯同しながら直球のキレを取り戻すため、走りこんだ。その成果で、この日は直球主体で押し込む投球。130キロ台後半でも、強力カープ打線は次々に詰まって凡打の山を築いた。矢野監督も「抹消になってから、さらにキレが出てくるような調整をしてくれていたし、それがしっかり結果に結びついた。責任は十分果たしてくれた。十分なピッチング」とうなずいた。  「任された試合でいいパフォーマンスが出せるように、これからまた1週間、やってきたい」  ヒーローインタビューで意気込んだ秋山。これからが本領発揮。汗をかく時期に、どんどんチームを白星に導く。(菊地峻太朗)

◆連敗止めた~!! 阪神は広島に5-1で勝ち、連敗を「2」で止めた。負ければ広島と入れ替わって5位転落という一戦で、大山悠輔内野手(25)が八回に流れをグイッと引き寄せる10号ソロ。この日は3安打猛打賞、3得点に絡む活躍で"夏の大山"が本格的に勢いを取り戻してきたでぇ~! 10日は「山の日」。山の日も、大山にお任せや!  完全復活を告げる一発が広島の夜空に架かる。高く舞い上がった白球を見つめ、左翼手・長野が一歩も動けなかった。大山が勝利を決定づける10号ソロ。目を覚ました猛虎の4番は、手に残る感触をかみしめるようにダイヤモンドを一周した。  「甘い球を一発で仕留めることができた。勝ったことが一番。それに対して、仕事ができたことが一番よかった。あまりチームの流れがよくなかったので、流れを変えるというか、大事な仕事ができたと思う」  なかなか追加点を奪えずに2-1で迎えた八回だった。一岡の初球、123キロスライダーを一閃。左翼席に運ぶ一撃で試合の流れを引き寄せた。前日8日に続く2試合連続弾で、阪神の生え抜きでは鳥谷以来となる3年連続の2桁本塁打にも到達。しかも自己最速となる出場38試合目での大台到達と、4番として着実に進化した姿を見せつけた。  7日まで3試合で14打席無安打と不振に苦しんでいたが、一変。二回の第1打席は左中間へ二塁打を放ち、先制のホームを踏んだ。三回の第2打席は勝ち越しの適時三塁打。7月12日のDeNA戦(甲子園)以来、今季2度目の猛打賞と獅子奮迅の活躍だ。  あとシングルヒットが出ていれば自身初のサイクル安打だったが、達成しそうなオーラすら漂っていた。主砲の復調に、井上打撃コーチも喜びを隠しきれなかった。  「4番が打ってこそチームの勝利の近道。きょうは(大山)悠輔が打ってくれたからこそ」  前日8日は矢野監督、新井打撃コーチとともに助言した。「監督は右打者、俺は左打者。長距離砲とか短距離とか、それぞれあるけど『共通して言えるのはこうじゃんか』と」。指導者によって、伝える言葉や方法は違う。ただ、直してほしい修正点は同じ。話し合うことで、試行錯誤の沼から引き出した。  矢野監督も「スイングしている形もよくなってきているし、本人もこれでいけそうやなというのは持っていると思う。いい形にはなってきている」とうなずく。負ければ広島に交わされて5位転落していたが、4位をキープ。思い返せば月間打率・299(87打数26安打)と打ちまくった大山も、14勝8敗2分けと大きく勝ち越したチームも、7月の快進撃はここマツダから始まった。再び上昇気流に乗る-。大山が力を込めた。  「きょうはきょうで終わり。またあした、一から始まるので、それにしっかり貢献できるように、きょうから準備していきたい」  10日は「山の日」。頼もしさを取り戻した虎の4番が、再び山のような大アーチを描く。(原田遼太郎)

◆「ウギャ~スアレス、そーいう日本人的な心遣いやめたって~!!」  わが阪神、5-1と4点リードの九回にマウンドに送り込んだ守護神スアレスが、あれよあれよという間に一発スタンドにほうり込まれたら同点の脂汗タラタラ、冷や汗ドクドクの場面をつくったときに思わず叫んだ俺の声がこれでーす!!  いや、もし仮にそんなことになっていたら同点で十回の阪神の攻撃に入ることになり、本日二塁打、三塁打、本塁打を放っている4番・大山に単打1本で『サイクルヒット完成!!』となったのだ...。  そんなもの...そんなもの...う~ん見た~い! やっぱり駄目ー!! スアレス抑えてくれー!! 必死の願いが通じての対広島3連敗阻止にホッ!!  とにかく今は耐えること!! 首位・巨人だって最下位・中日の3連戦で一つも勝てなかったくらいだから力の差はない。先日登板した、野手の増田大が規定投球回数に達するくらい、各チームが巨人包囲網を敷いたろやないか~!!

◆先発・秋山の好投、4番打者らしい勝負強さを見せた大山が文句なしのヒーローだが、七、八回を投げたガンケルと、イニングまたぎを決断したベンチをたたえたい。最初から2回を予定していたのか、球にキレがあるのをみて2イニング目も行くことを決めたのか、詳細は分からないが、素晴らしい決断だった。  ガンケルがリリーフで好結果を残せるようになった最大の要因は、シンカーとツーシームのキレが戻ったこと。2つの球種で空振りを取れるようになったことが大きい。  短いイニングを任される投手は奪三振が1つの条件。先発時のガンケルは低めに集めて打たせて取るタイプだったが、今の投球なら三振も望める。特にシンカーは、振りにいくと、想像以上に落ち、広島の各打者が戸惑っていた。  もともと制球は良く、無駄な四球もないし、先発経験は豊富だから、イニングまたぎのスタミナにも不安はない。  現状では外国人枠の関係で、ガルシアの先発日にはベンチを外れることになる。イニングまたぎをして、ガルシア先発の日を休養日に当てる起用をすれば、大きな武器になるのではないか。(本紙専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
24153 0.615
(-)
-
(-)
78196
(+2)
145
(+2)
58
(-)
24
(-)
0.249
(↓0.002)
3.390
(↑0.05)
2
(-)
DeNA
23192 0.548
(↑0.011)
2.5
(↑0.5)
76184
(+4)
155
(-)
52
(+1)
8
(-)
0.274
(↓0.001)
3.410
(↑0.08)
3
(-)
ヤクルト
19195 0.500
(↓0.014)
4.5
(↓0.5)
77191
(-)
213
(+4)
37
(-)
29
(-)
0.251
(↓0.003)
4.570
(↑0.01)
4
(-)
阪神
19212 0.475
(↑0.013)
5.5
(↑0.5)
78174
(+5)
171
(+1)
41
(+1)
35
(-)
0.244
(↓0.001)
3.630
(↑0.07)
5
(-)
広島
17214 0.447
(↓0.012)
6.5
(↓0.5)
78194
(+1)
198
(+5)
48
(-)
17
(+1)
0.279
(↓0.004)
4.360
(↓0.02)
6
(-)
中日
17244 0.415
(-)
8
(-)
75134
(+2)
191
(+2)
22
(+1)
9
(-)
0.236
(↓0.001)
3.920
(↑0.06)