広島(☆11対6★)阪神 =リーグ戦6回戦(2020.08.07)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
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広島
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勝利投手:森下 暢仁(3勝2敗0S)
敗戦投手:青柳 晃洋(4勝2敗0S)

本塁打
【広島】松山 竜平(3号・2回裏3ラン)

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◆広島は初回、松山とピレラの適時打で2点を先制する。その後も、2回裏に羽月のスクイズと松山の3ランで一挙4点を奪うなど得点を重ね、終わってみれば15安打で11得点を挙げた。投げては、先発・森下が6回4失点で今季3勝目。敗れた阪神は、先発・青柳が誤算だった。

◆阪神青柳晃洋投手(26)はここまで4勝1敗と好調な滑り出し。阪神でチーム40試合以内に5勝目を挙げると18年メッセンジャー以来。球団の日本人投手に限れば08年下柳、安藤以来、チーム12年ぶりとなる。

◆高卒2年目の羽月隆太郎内野手(20)が7日、プロ初の1軍昇格を果たした。頭を丸めた羽月は「うれしい。とにかく緊張しています。足を生かすために逆方向に打つことを心がけてやってきました。チームではとにかく一番声を出して、少しでもチームに貢献したい」と意気込んだ。 羽月は神村学園から18年ドラフト7位で入団した。プロ1年目の昨年は9月度のファーム月間MVPを受賞し、2軍で打率3割、23盗塁。今季はウエスタン・リーグ21試合で打率3割2分7厘、2盗塁を記録していた。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が青柳晃洋投手(26)、広島が森下暢仁投手(22)。 阪神は球界最年長の43歳福留が今季初の2番でスタメン出場。福留が日本球界で2番先発するのは中日時代の00年9月21日横浜戦以来、20年ぶり。当時は遊撃で出場した。 メジャーでは2番先発が通算83試合あり、インディアンズ在籍時代の11年9月8日ホワイトソックス戦以来となる。先発青柳は5勝目を狙う。 広島は鈴木誠が今季初めてスタメンを外れた。「2番」には、この日1軍初昇格を果たした羽月が、プロ初スタメンで入った。

◆今年から日刊スポーツ評論家に就任した広島前監督の緒方孝市氏(51)がライブ評論します。初回を3者凡退に抑えた広島のルーキー森下の投球を解説しました。前回の巨人戦で、森下は5回で100球を投じた。彼は直球の平均球速がリーグでトップクラス。右打者へのウイニングショットは、カットボールではなく、内角へのストレートだ。そこが決めきれずに、四球で歩かせるケースが見られた。それが5回100球という球数につながった。 巨人戦を踏まえて、この試合では大胆にストライク先行の投球を心がけるのではないか。初回のサンズとの対決でそこがうかがえた。1ストライクの後、2球続けてストレートで内角を攻めた。3球目でカウント1-2で追い込めたことで、優位になった。最後は外角へのカットボールで三ゴロ。このように内角に決まれば、いい投球ができるだろう。

◆広島が幸先よく2点を先制し、立ち上がりから「JPポーズ」が飛び出した。 右横手投げの阪神先発青柳対策に疲労も考慮され、不動の4番鈴木誠也外野手(25)が今季初めてスタメンを外れた一戦。1回2死二塁から代役4番の松山竜平外野手(34)が中前に先制適時打を決めた。 さらに2死二、三塁からは6番ホセ・ピレラ外野手(30)が遊撃に適時内野安打を記録。本人、ナインともに両手を天に掲げる「JP(ホセ・ピレラの頭文字)ポーズ」で盛り上がった。

◆広島の高卒2年目、羽月隆太郎内野手(20)がプロ初出場初スタメンでいきなり初安打初打点初得点を記録した。 この日プロ入り後初めて出場選手登録され、2番二塁で先発。まずは2点リードの2回表1死一、二塁から阪神木浪の中堅に抜けようかというライナーをダイビングキャッチし、二塁送球で併殺を完成させる。 好守で勢いづいた直後の2回裏、今度は1死一、三塁からセフティースクイズを試み、一塁線に絶妙なゴロを転がして適時内野安打とした。これがプロ初安打初打点となった。 「素直にうれしいです。自分らしいヒットで点にもつながったので良かったです」。2死一、二塁からは4番松山の右越え3ランで一塁走者としてプロ初得点まで記録した。 さらに2点差に迫られた5回2死一、二塁からは右腕小川と対戦し、1ボール2ストライクと追い込まれながら内角低めチェンジアップに合わせ、前進していた右翼福留の頭上を間一髪で越す2点三塁打もマーク。 初物尽くしの1日で大暴れしている。

◆広島松山竜平外野手が代役4番を全うし、1発を含む3安打4打点と大暴れした。1回2死二塁で阪神青柳から先制の中前適時打を決めた。3点リードで迎えた2回2死一、二塁からは右翼ポール際に3号3ラン。「詰まっていたので抜けてくれと思っていた。入ってくれて良かった」と喜んだ。 前夜は神宮でナイターを戦った。移動ゲームとなったこの日は主砲鈴木が今季初めてスタメンを外れていた。佐々岡監督は「積極的休養。東京からの移動もあるしね」と説明。不動の4番を欠場させた一戦。今季初めて4番を任されたベテランが効果的な働きで猛攻の主役を担った。 初回の適時打は内角低め直球系を打ったもの。3ランも内角低めカットボールを内側から押し込んだ。「ボールの内側をうまく打つことができました」。芸術的なインサイドアウトスイングでチームを大勝に導いた。

◆今年から日刊スポーツ評論家に就任した広島前監督の緒方孝市氏(51)がライブ評論で注目プレーを評論します。初回に好調の阪神青柳から先制点を挙げた広島打線の策を解説しました。広島の首脳陣は思いきったオーダーを組んだ。比較的、同じメンバーで打線を組んでいたが、2番に足の速い羽月を起用。鈴木誠を休ませたのは、連戦による休養と青柳対策の意味合いがあるのだろう。打線の印象は、打つだけでなく、機動力を絡めた攻撃ができる。先の戦いを見据えて、機動力という面でもメドを立てておきたい思惑があるのではないか。 今年の青柳は右打者も左打者も苦にしない。しっかりと低めにコントロールされているので、勝てている。打者は低めの球を強引に引っ張ると、ゴロになる。広島打線は膝から下のボールは振りにいかないという策で臨んでいる。 初回、広島の1番西川は、低めの球にピクリともしなかった。低めの球を徹底して捨てる意識で打席に入っている。結果、四球を選んだ。得点圏から、3番堂林はバントの構えで2度揺さぶりをかけた。打ちにいきたいところだが、チームとして球数を投げさせる意図を感じる。2死二塁で、4番松山は2球目、インローの球を詰まりながらもセンター前に運んだ。先ほども言ったように、強引に打てば、凡打になる。左バッターはセンターから逆方向に打つ意識をもてば、ヒットになる確率は上がる。松山は得点圏では積極的に振りにいくタイプだ。初の4番ということで気合も入っている。

◆阪神青柳晃洋投手(26)が、自己ワーストタイ6失点を喫し、3回で降板した。 立ち上がりから制球が定まらなかった。1回、先頭の1番西川に四球。その後2死二塁から、松山、坂倉、ピレラに3連打を許して2点を失った。2回には1死一、三塁で広島の18年ドラフト7位、羽月にプロ初安打&適時打をバント内野安打で許し、その後松山には3ランを献上。3回まで毎回得点圏に走者を背負う苦しい投球で、球数も81球要した。 青柳の6失点は19年8月7日ヤクルト戦(神宮)以来4度目で、自己ワースト。試合前までは防御率2・23と安定していた右腕だったが、試合を作れなかった。

◆今年から日刊スポーツ評論家に就任した広島前監督の緒方孝市氏(51)がライブ評論で注目プレーを評論します。阪神は3回に1点を返したが、4回は3番サンズ、4番大山、5番ボーアが元気なく3者凡退。森下対阪神打線を解説した。阪神打線はシーズン前や公式戦でも森下と対戦しており、球筋は見ている。それでもこの試合の森下は、ストレートの精度がよく、両サイドに決まっている。カーブの抜けが良く、カウントを稼げるのも大きい。ストレートが少々、甘くなっても、緩急を使えているので、打者は押し込まれる。スライダーも低めに決まり、この投球では、なかなか打者はとらえるのは難しい。4回の阪神の攻撃を見ても、明らかに投手有利のカウントで投げられている。森下のペースだ。こういう時は、ストレートをしっかりと振っていくイメージをもって、打席に入らないといけない。強く振ることで、投手も意識する。そうしなければ、ポンポンとストライクをとらえ、相手のペースにハマってしまう。

◆阪神近本光司外野手(25)が2打席連続の適時打で、反撃ののろしを上げた。 0-6で迎えた3回の第2打席。1死二塁で、広島森下の高め146キロ直球を中前へ運び、1点をかえした。2-6で迎えた5回の第3打席では1死一、二塁で左翼線へ適時二塁打を放って3点目。「良い流れで回ってきたのでとにかく後ろにつなごうと思って打ちました。まだ中盤ですし、ここから逆転できるように頑張ります」。その後1死二、三塁となり2番福留の二ゴロの間に三塁走者の中谷が生還して4点目を追加した。 4回までに6点のリードを許して敗戦ムードだったが一変。近本のバットがチームに勢いをもたらした。7回の第4打席も遊撃への内野安打を決めて猛打賞。6試合連続安打で、一時はリーグ最下位に低迷していた打率も、5回終了時点で2割6分6厘に上昇した。虎のリードオフマンが復調してきた。

◆今年から日刊スポーツ評論家に就任した広島前監督の緒方孝市氏(51)がライブ評論で注目プレーを評論します。阪神は5回に森下を攻略。7番木浪からの4連打などで3得点。2点差に迫った。流れを変えた矢野采配を解説した。5回は下位打線からの流れで3点を取ったのは大きい。森下は決して単調になったわけではなかったが、木浪ら打者も2、3巡目の対戦で球種のイメージはあったのだろう。当たりが悪くても、打球が外野にまで抜けた。一方で森下はそれまでの大胆さが影を潜め、慎重になって、ストライクゾーンをボール1つ外れる球が増えた。阪神は代打中谷のタイムリーなど前日の巨人戦に勝った勢いが消えていなかった。 矢野監督の采配として、1つ挙げたいのは青柳を3回でスパッと替えた点だ。もう1イニング投げさせる選択肢もあったが、青柳は球数も多く、流れが悪かった。守りの時間も長くなることで、攻撃にも影響を与える。流れを変えるという意味でも、この交代はアリだ。勝敗につながるかは分からないが、5回の得点につながる采配だった。

◆広島大盛穂(みのる)外野手(23)がプロ初タイムリーを決めた。 途中出場で迎えた6回2死一、二塁の打席で、伊藤和から中前適時打を決めた。 18年育成ドラフト1位で入団し、昨季はウエスタン・リーグでチーム最多109試合に出場。16盗塁を記録し、オフに支配下登録を勝ち取っていた。 この一打で今季1軍4打数3安打。

◆今年から日刊スポーツ評論家に就任した広島前監督の緒方孝市氏(51)がライブ評論で注目プレーを評論します。2点差に迫られた広島は5回裏にプロ初スタメンの2番羽月が右中間への適時三塁打でリードを再び広げた。この場面を解説した。5回裏2死一、二塁で、阪神は前進守備のシフトを敷いた。まだ5回ということで、ここまで大胆にするイニングではないが、2軍での羽月のデータも入手しているだろう。追い上げた後で1点もやりたくないという状況もあり、割り切ったシフトになった。通常なら右飛だが、羽月もよくあそこまで飛ばした。2回もセーフティースクイズを決め、ラッキーボーイ的な存在になった。安部が結果を残せずに出場選手登録を抹消。鈴木誠や菊池涼らレギュラーが休養を取った中で、若手が活躍すれば、チームも勢いづく。流れを再び引き寄せる得点になった。

◆阪神は先発青柳晃洋投手(26)の不振が誤算で完敗した。1回に2点先制されると2回も立て直せない。松山に痛恨の3号3ランを浴びるなど4失点。この日は今季最短の3回で降板し、自己ワーストタイの6失点だった。 救援陣もピリッとしない。プロ初出場初先発だった羽月にプロ初安打など2安打3打点の活躍を許したほか、大盛にもプロ初適時打初打点をマークされ、引き立て役を演じてしまった。今週は1勝3敗。なかなか乗れず、上位浮上のきっかけをつかめない。

◆広島ドラフト1位の森下暢仁投手(22)が粘投でチーム最多の大瀬良に並ぶ3勝目を手にした。 序盤に6点リードをもらいながら、5回には4連打から3失点。4四球と本調子ではなかったが、それでも6回6安打4失点と耐えた。 打っても3回にプロ初安打を右前に落とし、マツダスタジアム初勝利をゲット。チームは4位阪神に1ゲーム差まで迫った。

◆広島は1回、4番松山、6番ピレラの適時打で2点。2回は2番羽月の適時内野安打、松山の3号3ランでリードを5点に広げた。 阪神は5点を追う5回に4連打から3得点。広島はその裏に2番羽月の2点三塁打、6回は代打長野の2点打などで突き放した。 5位広島は森下が6回4失点でチーム最多タイの3勝目。4位阪神に1ゲーム差とした。阪神は3回6失点の青柳が誤算だった。青柳は2敗目。

◆広島佐々岡真司監督(52)は大勝後、今季初めて鈴木誠也外野手(25)を欠場させた理由を明かした。 前夜は神宮でナイターを戦っており、「積極的休養。東京からの移動もあるしね」と説明。 チームは代役4番の松山が3安打4打点と大暴れし、4位阪神に1ゲーム差まで迫った。

◆初ものずくめだ。広島羽月隆太郎内野手(20)が「2番二塁」で初出場初先発し、2安打3打点で勝利に貢献した。9連戦の4戦目。虎のサブマリン青柳対策に広島打線は6人の左打者を並べた。今後の戦いも見据え、主砲鈴木誠も外す大胆な打線の中、18年ドラフト最下位指名となる7位入団からはい上がった小兵が2桁安打2桁得点と打線を活性化させた。身長169センチが大きな存在感を示した。プロ初先発の羽月は緊張感をかき消すように、1球に食らいつき、1打席に集中し、1つ先の塁だけを見つめてグラウンドを駆けた。1回のプロ初打席で犠打を決めると、2回は守備で二遊間のライナーをダイビングキャッチ。併殺でピンチの芽を摘んだ。その後も2回にはセーフティースクイズを決め、5回は2点三塁打。2安打3打点の活躍でチームの勝利に貢献した。 華々しいデビューも、本拠地のお立ち台では20歳の初々しさが全開だった。「試合前から試合後、そして今もまだちょっと自分がマツダスタジアムで試合して、この場に立っていることが信じられなくて...」。高卒2年目でこの日初昇格したばかり。即先発起用に、がむしゃらにプレーした姿がチームを活気づけた。 9連戦の4試合目。神宮でのヤクルト戦を終え、チームはこの日朝に東京から広島に帰ってきたばかりだった。右下手投げの阪神青柳対策と疲労度を考慮し、打線を大胆に入れ替えた。開幕から全試合先発出場の4番鈴木誠、5試合連続複数安打中だった長野を外し、左打者を6人並べた。 「2番二塁」で出場の羽月は同期のエリート小園とは違い、ドラフト最下位指名となる7位からのたたき上げ。1年目の昨季は2軍で毎日のように早出特守、居残り特守でユニホームを真っ黒にした。オフにはメジャーでのトレーナー経験を持つ高島誠氏の門をたたいた。オリックス山岡やソフトバンク高橋礼らと同門となり「自分みたいなタイプにはどう攻めますか?」と聞き魔となり、一流を肌で感じた。 高額年俸の主力たちがベンチに控える中、推定年俸500万円の小兵がチームを勝利に導いた。必死さがチームメートを刺激し、2桁安打2桁得点につながった。佐々岡監督も「思っていた以上に活躍してくれた。ファームでやってきた成果を出してくれた」と手放しでたたえた。育成の広島を象徴するような若コイがチームを勇気づけた。【前原淳】

◆阪神3番ジェリー・サンズ外野手(32)が筋金入りの勝負強さを見せつけた。 敗色濃厚の7回無死一、二塁。高橋樹の低めチェンジアップをとらえ、左前適時打を放った。4番大山、5番ボーアの調子が上がらない中、中軸で唯一の安打&打点をマークした。得点圏打率のリーグトップを死守し、22打数11安打で驚異の5割まで上昇。ポイントゲッターの面目躍如だった。

◆4番のバットが力なく空を切った。4-6と2点差まで追い上げた5回だ。2死一、三塁の場面。カウント1-2から阪神大山悠輔内野手(25)は広島森下の4球目、外角カーブを捉えられず空振り三振。さあ、ここから。そんな虎党の期待はため息に。せっかくの追い上げムードが一気にしぼんだ。下位打線からチャンスメークしても中軸がかえせない...。矢野監督も「4、5がピシャッと止まってるから」と悩ましげだ。 両軍合わせて25安打17得点とノーガードの殴り合いとなった試合。鈴木誠の「代役」として4番に入った松山は、3安打4打点と大暴れでお立ち台に登った。対する虎の4番は7回にも二塁併殺に斬られ、9回は中飛で最後の打者に。5打数無安打、これで14打席連続ノーヒットだ。 信じられない。7月は打率2割9分9厘、8本塁打とV字回復の使者となった男が、8月はまだ6試合ながら打率1割2分5厘、0本塁打。矢野監督も前日6日の巨人戦後に「悠輔も力みで打ちたい打ちたいが先行してね。カードが変わって打ってくれたらと思います」と話していたが、復調の気配が見えない。 球界最年長の43歳福留を2番に置く驚きの用兵で試合に臨んだ。矢野監督は「コウスケは代打だけとは思っていない。経験も豊富。どの打順でも置ける」。中日時代以来となる20年ぶりとなる2番で大ベテランは1安打1打点。チャンスを演出したが、その後を打つ中軸が期待に応えられなかった。 矢野監督は「その打順を打ってる自覚とプライドというのはあると思う。打たれへんことでへこたれないと思う。前を向いて4番にふさわしいバッターになってくれたら」と奮起を促す。首位巨人とは6ゲーム差の4位。振り向けば5位広島は1ゲーム差に迫る。試合の結果に直結する4番のバット。大山の復調なくして夏の逆襲はあり得ない。【桝井聡】

◆今年から日刊スポーツ評論家に就任した広島前監督の緒方孝市氏(51)がライブ評論で注目プレーを解説した。広島は中盤に追い上げられながらも、相手リリーフ陣を攻略し、再び突き放した。広島が3連戦の初戦を勝ち、4位阪神に1ゲーム差に迫った。緒方氏が勝敗の鍵を語った。阪神は追い上げた直後の失点が痛かった。5回に3番手小川が2失点、6回には伊藤和が3失点。この試合のように、先発が3回で降板した状況で、中継ぎが踏ん張れば、また上がっていける。勝ちパターンで勝ちにもっていくのは当たり前のこと。ビハインドの展開で投げるからといって、点を取られていいわけではない。酷な言い方かもしれないが、小川は新人とはいえ、14試合目の登板だ。球の力は魅力だが、結果を出さないとベンチの信頼を失う。優勝を狙うには、そこの整備も必要だ。 広島は佐々岡監督の打線改造が的中した。特に2番羽月はラッキーボーイ的な存在になった。松山も4番で結果を残した。鈴木誠を休ませた試合で勝ったのは大きい。森下が投げた試合では、打線の援護がなかったという点でも、価値ある勝利だった。

◆阪神近本光司外野手(25)が、2打席連続適時打を含む今季2度目の4安打固め打ちだ。6試合連続安打の8月は打率4割8分で、リーグトップの月間打率とバットに熱を帯びている。 「1番中堅」で先発出場し、6点を追う3回1死二塁の第2打席。この試合が初対戦となった先発森下の高め直球を中前に運び、反撃の適時打とした。5回1死一、二塁でも、森下を攻略。外角カットボールを仕留めて左翼線への二塁打とした。「いい流れで回ってきたので、とにかく後ろにつなごう思って打ちました」。7番木浪から始まった3連打の流れに乗って、2打席連続適時打。4連打で3得点を返して、広島に食らいついた。 7回は快足を飛ばして遊撃への内野安打として、これでチーム最多4度目の猛打賞をマーク。9回は先頭で中前へはじき返した。開幕から打撃不振で一時はリーグ最下位にも位置した打率は、2割7分1厘まで戻してきた。 気温の上昇とともに調子を上げてきた。月間打率は6月から徐々に上向き。8月に入ってからは25打数12安打と打ちまくっている。井上打撃コーチは「オレらが放っておいても、いろんなこと考えて練習するタイプ。そういった中で、これだという気づきもあっただろう。こんな感じで打っていた、というのを思い出したのがちょっと見えてきたかな」という。近本自身は好調の要因を、ファーストストライクから打ちにいけている積極性と分析。この日も5打席中3打席でファーストストライクにバットを出した。昨季はリーグ新人最多安打を更新した背番号5。好球必打の姿勢で、本来の姿を取り戻している。 チームは苦しい8月となっているが、好調近本は打線の呼応を信じて打ち続ける。【奥田隼人】

◆右腕はぼうぜんとマウンドに立っていた。阪神青柳晃洋投手(26)は、笑うことも、悔しそうな表情を浮かべることもなかった。 3回10安打、自己ワーストタイの6失点で2敗目を喫し「実力不足かなと」と短い言葉に胸中を押し込めた。 1回は先頭の西川を四球で出し、2死二塁で4番松山からの3連打で2失点。2回は1死一、三塁で1軍デビュー戦の羽月にセーフティースクイズ(記録は投安)を決められ、2死から松山に3ランを浴びた。試合前まで対左の被打率は1割8分だったが、先発野手8人中、6人並んだ左打者に8安打された。 9連戦の4試合目。「中継ぎ陣に負担をかけないように」と挑んだが、4回から継投を余儀なくさせてしまった。試合前までチームトップだった防御率2・23の安定感は霧消。「良いコースにはいっていた。でも結果がすべてだと思います」。右腕は悔しさをこらえてバスに乗り込んだ。 9勝9敗だった昨季は四球から自滅するパターンが多かった。「課題は無駄なフォアボールとフォアボールの出し方。(打順)8、9番に対して本当に際どいボールがいるのか」。しかし、この日はボール先行からストライクを取りにいった甘い球を痛打された。ここまでチーム最多4勝を挙げ「投げる試合は全部勝ちたい」と語ってきた青柳が、課題としてきた部分で苦しみ、3回で81球も費やした。 勝ち頭でまさかの誤算。 矢野監督は「ちゃんとレベルを上げていってくれるような登板をしてくれたらいい。次回どうするか」と奮起を促した。今季最短KOとなったが、リベンジの舞台はまだたくさんある。【只松憲】

◆球界最年長、43歳の阪神・福留孝介外野手が7日、広島6回戦(マツダ)に「2番・右翼」で起用された。  福留のNPBでの2番でのスタメン出場は、中日時代の2000年9月21日の横浜戦(横浜)に「2番・遊撃」で出場して以来、20年ぶり。

◆広島・鈴木誠也外野手(25)が7日、阪神6回戦(マツダ)で今季初めてスタメンから外れた。  この日は試合前練習に参加したものの、ランニング中心のメニューで打撃ローテの参加を見送っていた。今季は全39試合に「4番・右翼」で出場し、打率・340、11本塁打、32打点の好成績をマークしていた。代役として4番は松山、右翼は野間が入った。  またこの日、プロ初昇格した羽月隆太郎内野手(20)が「2番・二塁」で先発デビューを飾った。鹿児島・神村学園高を経て、2019年にドラフト7位で入団した左打者は今季2軍戦21試合に出場し、打率・327、6打点とアピールしていた。

◆阪神・青柳晃洋投手(26)が7日、広島6回戦(マツダ)に先発。3回10安打6失点と炎上し、今季チームの先発陣で最短降板した。  広島が高卒2年目の羽月を先発させ、主砲・鈴木誠をベンチに置くなど打線を変更。青柳は一回2死二塁から4番・松山に先制打を許すと、続く坂倉にも適時二塁打を浴びて2失点。二回には羽月にプロ初安打を記録され、松山には3ランを浴びるなどして4点を失った。三回は無失点に抑えたが、森下にも初安打を記録されるなどして3イニングで被安打10。四回から2番手・能見にマウンドを譲った。  阪神の先発投手が三回で降板するのは今季最短。青柳自身も2017年4月15日の広島戦(甲子園)以来、2度目となる最短降板となった。

◆広島・羽月隆太郎内野手(20)が7日、プロ初昇格し、阪神6回戦(マツダ)に「2番・二塁」としてプロ初出場をスタメンで飾った。高卒2年目の左打者は相手の意表を突く、セーフティースクイズでプロ初安打打点をマークした。  「素直にうれしい。自分らしいヒットで点につながって良かったです」  一回無死一塁で青柳から送りバントを決め、松山の先制打をお膳立てした。2-0の二回1死一、三塁の2打席目には一塁線へセーフティースクイズを決め、プロ安打打点をマーク。さらに五回2死一、二塁では右中間2点三塁打を放ち、存在感を発揮した。

◆広島はプロ初出場先発の羽月が2安打3打点1犠打で活気づけ、11点と大勝した。二回にセーフティースクイズで初安打初打点。6-4の五回は2点三塁打を放った。森下が6回4失点で3勝目。阪神は青柳が3回6失点と誤算だった。

◆阪神は7日、広島6回戦(マツダ)に11-6で敗れ、5割復帰はならなかった。  先発の青柳が3回10安打6失点と大乱調。自己ワーストタイの被安打&失点で自己最短タイの降板となった。  五回には下位打線からつなぎ、近本の適時打などで3点を返して一時2点差まで迫ったが、その裏にD6位・小川(東海大九州)が2失点。さらに六回には伊藤和の3連続四球などで3失点し、4-11にまで差を広げられた。  20年ぶりに2番で先発した福留は5打数1安打1打点。1番の近本は4安打と気を吐いたが、序盤の大量失点が重くのしかかった。借金2となり、3位のDeNAとは2ゲーム差に広がった。

◆阪神は近本が4安打2打点と気を吐いた。三回の中前適時打で6試合連続安打とし、五回は左翼線にはじき返す適時二塁打。森下のカットボールを捉え「いい流れで回ってきたので、とにかく後ろにつなごうと思って打った」とチームが劣勢の中で奮闘し、その後も安打を重ねた。  8月に入ってから全ての試合で安打を放ち、2割に届かない時期も長かった打率は2割7分1厘に急上昇。井上打撃コーチは「こういう感じで打っていたというのが見えてきたのではないか」と語った。

◆意地の一打も見せることができず...。4番・大山は3度走者を置いて凡退するなど5タコ。8月の月間打率・125の急失速に、矢野監督は複雑な表情を浮かべた。  「体も疲れてきたり、いろんなことが出てくるから。それをどう乗り越えて、上がっていくかというところ」  高まったボルテージは4番でしぼんだ。2点差に迫った五回、なお2死一、三塁では森下の低めボール球のカーブに空振り三振。3連打で5-11とした七回無死一、二塁では、初球に詰まって二ゴロ併殺。九回2死二塁では中飛に倒れてラストバッターとなり、力なく球場を後にした。  3試合14打席連続無安打で、7月24日に・347だった打率は・262まで落ちた。指揮官は「チームにとって何が一番いいのか、悠輔(大山)にとって何がいいのか判断して決めていく。4番だけにこだわる必要はないし、5、6番でも打てば良い」と話しながらも「前を向いて4番にふさわしいバッターになっていってくれたら」と巻き返しに期待した。

◆快音で、マツダスタジアムに駆けつけた虎党の溜飲を下げた。気温の上昇とともに、近本の打撃の状態も急上昇だ。  「いい流れで回ってきたので、とにかく後ろにつなごうと思って打ちました」  五回。1点を返し、2-6となった直後、なお1死一、二塁で打席に向かった。カウント1-1から森下の外角137キロカットボールをとらえた。逆方向へはじき返した打球は、左翼線への適時二塁打となった。  0-6の三回にも、1死二塁から中前へ反撃の適時打。6戦連続安打&2戦連続のタイムリーと絶好調モードだ。  さらに七回は先頭で遊撃への内野安打、九回も先頭で中前打とチャンスメークの役割も果たし、5打数4安打2打点。7月26日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、今季2度目となる1試合4安打をマークした。  開幕直後から不振が続く苦しいスタート。打率が2割に届かない期間も長かった。だが、そこは昨季、ルーキーながらセ・リーグ新記録の159安打を放った男。少しずつ調子を上げていくと、8月は6試合すべてで安打を放ち、月間打率は・480(25打数12安打)。今季通算でも打率・271まで上昇した。  "鯉キラー"ぶりも発揮している。今季広島とは6試合を戦って14打数8安打6打点。打率・571とお得意様だ。3連戦初戦は落としたが、きょう8日からの戦いに勝つには近本が鍵になってくるのは間違いない。  復調した姿に井上打撃コーチも「こんな感じで打ってたんだよね、というのを思い出したというのがちょっと見えてきたかな」と目を細めた。チームはなかなか勢いに乗り切れない状況だが、勢いに乗っている背番号5が次は勝利へと導く。(菊地峻太朗)

◆またも鯉に打ち込まれ、ベンチでうなだれるしかなかった。青柳が、自己ワーストタイの3回を6失点でKO。低めの厳しいボールもはじき返され、持ち味のゴロで打たせて取る投球は影を潜めた。  「いいボールも結構打たれていたので、実力不足かなと思います」  立ち上がりから苦しい展開となった。一回。四球と犠打で2死二塁とされ、4番・松山に中前へ先制打。続く坂倉にも右越えの二塁打で二、三塁から、ピレラには遊撃内野安打を許して、あっさり2点目を献上した。  二回には2本の安打で1死一、三塁のピンチを招くと、高卒2年目、デビュー戦だった羽月に投前へプロ初安打となるバント安打を決められ、さらに1失点。その後、2死から松山に右翼ポール際へ3ランを浴びた。  3回81球、10被安打で6失点。3回での降板は2017年4月15日の広島戦(甲子園)以来、1210日ぶり。チームの先発投手陣の中でも、今季最短での交代となった。10被安打も6失点も自己ワーストタイだ。  ここまでチームトップの4勝と安定した好投を続けてきた右腕の、まさかの炎上。矢野監督は「1年間同じような打者と戦っていくんやから、打たれたりすることは出てくる。次回どうするか(が大事)」と今後に期待したが、「対広島」は青柳にとって大きな課題となっている。  今季初対戦だったが、これで通算3試合で0勝2敗、防御率11・57。3回、3回1/3、3回と散々だ。公式戦プロ初登板となったマツダスタジアムでも、6月9日の練習試合でも5回6安打4失点と打ち込まれている。さらに広島戦の通算被打率は・440(50打数22安打)。左打者に限れば・545(33打数18安打)と、課題は明確だ。  青柳は「いいコースにいっていたんですけど、結果でいえば、これだけ打たれているので。結果がすべてだと思います」と現実を受け止めた。ここから修正する。必ずカープにやりかえす。それしかない。(織原祥平)

◆高卒2年目、20歳の若鯉が鮮烈デビューだ。鈴木誠の欠場日に、広島に新星誕生。15安打11得点で大勝した中、輝きを放ったのは「2番・二塁」でプロ初出場をスタメンで飾った羽月だった。  「きのうの夜から眠れなかった。すごく緊張しました。マツダスタジアムでプレーをしたことが信じられない。絶対、チームに貢献しようと思っていました」  観客4991人の本拠地で、初のお立ち台。マイクを両手で持ち、司会者の質問に緊張で声を震わせて答える姿は初々しいが、プレーは大胆だ。  一回無死一塁でバントを決め、松山の先制打をお膳立て。二回1死一、三塁ではセーフティースクイズを決めてプロ初安打&打点。さらに五回2死一、二塁では小川のチェンジアップを右中間へはじき返す2点三塁打。大技小技を織り交ぜ、2安打3打点と躍動した。  二塁の守備でも二回1死一、二塁でライナーを好捕して併殺につなげ、憧れの菊池涼の代役をやりきった。佐々岡監督も「元気よくやってほしいと思っていた。思っている以上の活躍をしてくれた」と目を細めた。  鹿児島・神村学園高からドラフト7位でプロの世界に飛び込んだ。1年目の昨季はウエスタンで打率・300、23盗塁。昨年12月から約1カ月間、東広島市で高島誠氏の野球教室に参加した。球団OBで日米通算203勝を挙げた黒田博樹氏を指導したことがあるトレーナーの指導の下、体幹トレに取り組み、167センチ、70キロの小柄な体格からは想像もつかない強さを身につけた。  「きのうの練習後に母に連絡しました。『自分らしくね』と。(初安打の記念球は)母にプレゼントします」  おばけが怖くて夜中に一人でトイレに行けないという、カワイイ一面もある20歳。それでも大舞台では物怖じせず。浮上を狙うチームを、活気づかせていく。(柏村翔)

◆"奥の手"も嗚呼、惨敗...。阪神はマツダでの広島戦に、今季ワースト15被安打&ワーストタイ11失点で敗れた。矢野燿大監督(51)は、球界最年長43歳の福留孝介外野手を日本では20年ぶりとなる「2番」(右翼)でスタメン起用したが、実らず。勝率5割復帰に失敗し、借金は再び2。夏の長期ロードは、苦しいスタートとなった。  理想と現実の狭間で、矢野監督が最善と判断した"奥の手"。それが「2番・福留」-。あっと驚く起用で勝率5割復帰を狙ったが、歯車はかみ合わずに大敗。借金は再び2となった。  「(福留)孝介は代打だけとは思っていない。経験も豊富やし、どの打順でも孝介は置けると思うんで。そういうところでは、やってみていいんじゃないかなと」  スタメン発表で、マツダスタジアムがざわめいた。10試合ぶり先発の球界最年長43歳の福留を、日本球界では20年ぶりの「2番」に組み込んだ。中日時代の2000年9月21日の横浜戦(横浜)以来。以降は中軸を職場にしてきた強打者に、異例の役目を託した。  機能はした。五回1死二、三塁は二ゴロで1打点。七回無死一塁では右前打で好機を広げ、得点に絡んだ。9試合ぶりの2桁安打で6得点。それでも先発の青柳の乱調など今季ワーストタイの11失点を喫してしまうのが乗れない虎の現状だ。  「(糸井)嘉男とか、他の絡みでそういうこと(福留の2番)はもちろん考えている」  最近は2番での出場が多い糸井は下半身の状態が万全といえず、この日は9連戦中の移動日の試合ということもあって、ベンチスタート。さらに打線は前日6日の巨人戦で11得点したとはいえ、4番・大山と5番・ボーアが8月の月間打率1割台と苦戦するなど、停滞気味。どう打線をかみ合わせるか、起爆させるかがポイントだった。  しかも「2番」といえば、矢野監督が開幕前からポイントに挙げていた肝の打順だ。捕手としての経験から「足の速い左打者がいると相手は嫌」と近本に託して出発したが、本人と打線全体の不振で、開幕3試合で断念した。後を受けて好調をキープした糸原も右手有鉤骨の骨折で離脱。以降は、なかなか打線の"ちょうつがい"が、決まっていなかった。  「1番・近本」が元気を取り戻したなか、誰が2番に最適か。理想ではなく、現状を見据えた上で、足が速く相手をかき回す近本とはスタイルが違い、チャンスで打点を稼ぐタイプの福留を、あえて2番に配置。1番から近本、福留、サンズと続く、ひと足早いクリーンアップを組んだが...。  「4、5(番)でピタッと止まってしまっているから。チャンスメークしたところでかえせないというのは。どうしても流れが止まってしまう」 この日も下位、そして1~3番と続いた流れを4、5番がことごとくつぶし「全員が全員、調子がいいというのもないと思うけど。我慢せな、しゃあないしね」と悔しさをかみ殺した。夏の長期ロードの初戦。勝てば勢いに乗れる、勝負手の一戦を落とした。次の一手は-。指揮官の手腕が試される。(安藤理) 福留の2番について阪神・井上打撃コーチ 「糸井を2番に置くなら福留も全然あり。チカ(近本)も当たってきて。現代的な野球は2番にいろんな打者を置く。(福留)孝介なら対処してくれる」

◆よっしゃ! よっしゃ!! 7月28日のヤクルト戦で20得点の大爆発をした翌日から20回連続の0行進などの貧打が始まり、ついに借金生活となったわが阪神...。  だから、前日の巨人戦で11点を奪ったので「ゲゲーッ、またあの梅雨入り打線が始まるのでは(汗)」とビクビクしていただけに、負けたけど6点も取ったから大目にみちゃうー!  てか、オレこのコロナを取り巻くあれこれで、朝刊を読みながら思ったんです。このクソ暑い8月に大観衆の後押しもなく、過密スケジュールの試合をこなすプロ野球選手たち(阪神だけでなくですよ)。  そりゃ、ミスをしたりチャンスで凡打を食らったりしたら、気分転換で飲みにも行きたいでしょう! 駄目なことだけど、大相撲の阿炎(日本相撲協会の大岡裁きお見事!)と年齢的には同じくらいで不思議じゃないのに、野球にひたすら向き合う姿はエラーイ!!  だから先発でKOされた青柳も、2点差に詰め寄った直後の五回に打ち込まれた小川も、六回に3連続四球から3点を奪われて試合を完全に決められた伊藤和も、さらには再三の好機に三振、ゲッツーでチャンスを潰した4番・大山さえ、今日は特別に許しちゃう!  さあ、明日から仕切り直しで、コロナフラストレーションをグラウンドにぶちかましてくれー!

◆今季ずっと調子が良かった青柳だが、この日は立ち上がりから気だるそうで、ボールの切れも悪かった。広島との相性もあるのかもしれないが、それ以前に、試合に入るまでの調整を見つめ直して欲しいと思う。  私にも経験があるが、8月のちょうど終戦記念日頃までの広島は、とにかくうだるような暑さだ。「瀬戸の夕凪」と言われるようにプレーボールの時間帯は風もなくなる。青柳の登板はここまで、ドームや比較的涼しい雨上がりのゲームだった。そこから酷暑の広島に飛び出し、大粒の汗を垂らしながら飲み込まれてしまった印象だった。  水分補給については、私たちの時代とは考え方が大きく変わった。だが「夏場こそ立ち上がりが重要だ」ということは今も昔も変わらない。走ることなどは前日までに済ませてしまい、当日はできるだけゆっくりしてスタミナを蓄えておく。そして、まだ陽もあって蒸し暑い序盤をどれだけ辛抱できるか。中盤になれば汗も抜け、体がスカッとする。そうすれば自分のペースになっていく。  酷暑の時代だけに、普通にやっていてはいけない。救援陣も苦しい状況だ。青柳に限らず、チームとしても先発投手の暑さ対策を考え、同じ失敗を繰り返さないようにしてほしい。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
24142 0.632
(↓0.017)
-
(-)
80193
(+1)
140
(+7)
57
(+1)
24
(-)
0.254
(↓0.002)
3.440
(↓0.1)
2
(1↑)
ヤクルト
19175 0.528
(↑0.014)
4
(↑1)
79187
(+8)
204
(+2)
36
(+1)
28
(+1)
0.255
(↑0.004)
4.570
(↑0.07)
3
(1↓)
DeNA
21192 0.525
(↓0.013)
4
(-)
78175
(+2)
151
(+8)
49
(-)
7
(-)
0.274
(↓0.001)
3.530
(↓0.1)
4
(-)
阪神
18202 0.474
(↓0.012)
6
(-)
80168
(+6)
168
(+11)
39
(-)
35
(-)
0.246
(↑0.001
3.760
(↓0.2)
5
(-)
広島
16204 0.444
(↑0.015)
7
(↑1)
80191
(+11)
192
(+6)
47
(+1)
16
(-)
0.285
(↑0.004
4.430
(↑0.01)
6
(-)
中日
16243 0.400
(↑0.015)
9
(↑1)
77129
(+7)
188
(+1)
20
(+1)
7
(-)
0.239
(↑0.001)
4.050
(↑0.07)