阪神(★1対4☆)巨人 =リーグ戦6回戦(2020.08.05)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:戸郷 翔征(4勝2敗0S)
(セーブ:中川 皓太(0勝1敗5S))
敗戦投手:藤浪 晋太郎(0勝3敗0S)
  DAZN
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◆巨人は3回表、2死二塁から若林の適時打で先制に成功する。そのまま迎えた6回には、岡本と大城の連続適時打で3点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・戸郷が8回途中4安打1失点の好投で今季4勝目。敗れた阪神は、打線が5安打1得点と振るわなかった。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が藤浪晋太郎投手(26)、巨人が戸郷翔征投手(20)。 藤浪は今季3度目のマウンド。前回登板の7月30日ヤクルト戦(神宮)は7回4失点(自責1)で2敗目も、力投で復活をアピールした。自身676日ぶりの白星、1196日ぶりの甲子園勝利を目指す。 2年目戸郷は甲子園初マウンド。阪神との対戦は19年10月11日クライマックスシリーズ・ファイナルステージ第3戦(東京ドーム)以来、2度目となる。

◆巨人若林晃弘内野手(26)が、先制の適時打を放った。3回2死二塁、阪神藤浪のフォークを中前にはじき返した。4日の同戦から1軍に昇格。首脳陣の1番起用に結果で応えた。 「逆らわないように、コンパクトに芯でとらえることだけを意識していました。先制点が取れて良かったです」とコメントした。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が8回4安打4失点(自責1)で、またも今季初勝利を逃した。 立ち上がりの1、2回は150キロ前半の直球主体でパーフェクト投球。3回に四球から2死二塁とピンチを招き、1番若林に中前へ先制の適時打を許した。その後は立ち直り、4、5回は再び3者凡退。5回まで1失点と打線の援護を待っていた。 しかし、試練は6回に待っていた。先頭の9番戸郷の打球が藤浪の前で高く跳ね、ショートバウンドでグラブに収まらず。自らの失策で出塁を許した。その後2死一、三塁で、4番岡本にこの日最速の157キロ直球を痛打された。右翼フェンス直撃の2点適時二塁打を許し、続く大城にも左前へポテンヒットを許して4点目を献上した。 7、8回もスコアボードに0を並べただけに、6回の4点が重くのしかかった。8回の打席で福留に代打を送られて降板。1四球7三振で113球の力投。「三度目の正直」で676日ぶりの白星を目指したが、またも実らなかった。

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が今季3度目の登板で、676日ぶりの白星を目指すも、8回4安打4失点(自責1)で、またも今季初勝利を逃した。

◆巨人高梨雄平投手(28)が、移籍後初の被安打を浴びた。 4点リードの8回無死一、二塁で登板。代打福留を中飛に抑え、1死から近本の投前へのセーフティーバントを内野安打とされた。楽天から移籍後、7試合連続で無安打無失点リリーフだったが、8試合目で途切れた。1死満塁から糸井を遊ゴロに仕留め、3番手の大竹にスイッチした。

◆巨人は3回2死二塁、1番若林が阪神藤浪から先制の中前適時打。先発戸郷は3回まで4奪三振1安打無失点と上々の立ち上がり。 阪神は1点を追う4回無死一、二塁で無得点。巨人は6回、4番岡本の右越え2点二塁打、5番大城の左前適時打で3点追加した。 今季初勝利を狙った阪神藤浪は8回4失点で3敗目。巨人は戸郷が8回途中1失点と好投し、2連勝で貯金を今季最多の12とした。

◆阪神が巨人投手陣に1点に封じられ、連敗を喫した。 7回まで巨人先発戸郷に10三振を奪われるなど無得点。4点を追う8回。1死満塁の場面で、この回途中から登板していた2番手高梨から糸井の遊ゴロの間に1点を返した。しかし、4番大山が2死満塁で3番手大竹の前に遊ゴロに倒れた。 この日クリーンアップは無安打。3番サンズは2四球を選んだが、大山が4打数無安打、5番ボーアは4回の好機で併殺に倒れるなどこちらも4打数無安打だった。 前回の藤浪登板時(7月30日ヤクルト戦)にチームは完封負けを喫していたが、今回も打線は復活勝利を目指す右腕を援護できなかった。 阪神は借金2となり、首位巨人とのゲーム差は、今季ワーストに並ぶ7となった。

◆<阪神1-4巨人>5日甲子園 阪神藤浪晋太郎投手(26)が8回4安打4失点(自責1)で、またも今季初勝利を逃した。 立ち上がりの1、2回は150キロ前半の直球主体でパーフェクト投球。3回に四球から1点を失ったが、その後は立ち直って4、5回は再び3者凡退。「全体的に悪くは無かったです」。5回まで1失点と粘り、打線の援護を待っていた。 しかし、試練は6回だった。先頭の9番戸郷の打球が藤浪の前で高く跳ね、ショートバウンドでグラブに収まらず。自らの失策で出塁を許した。「一瞬迷った。結構跳ねたところを最初ツーバウンドで処理しようと思って、間に合わないなと思って中途半端に突っ込んだのが...。落ち着いてツーバウンドで取れば大丈夫だったプレーだったと思う。中途半端にしてしまったことが悔いが残ります」。その後2死一、三塁で、4番岡本にこの日最速の157キロ直球を痛打された。右翼フェンス直撃の2点適時二塁打を許し、続く大城にも左前へポテンヒットを許して4点目を献上した。 「(岡本への直球は)勝負にいっての球。真っすぐを狙っているのを分かっていて真っすぐを投げているので、それでファウルとらないといけないですし、そうしないとカウント作っていけない。向こうのスイングが上だった」。宿敵の主砲に浴びた一打を、藤浪は冷静に振り返った。 7、8回もスコアボードに0を並べただけに、6回の4点が重くのしかかった。8回の打席で福留に代打を送られて降板。1四球7三振で113球の力投だった。矢野監督は「投げるたびに自信も出てきている。ここまで来られたのは大きな収穫だと思うし、堂々と投げている」と及第点。「三度目の正直」でまたも実らなかった復活星。今度こそ、藤浪の笑顔が見たい。【只松憲】

◆阪神ドラフト6位の小川一平投手が2試合連続無失点に抑えた。 9回に2番手で登板。先頭の4番岡本をカットボールで空振り三振、北村は151キロ直球で右飛に打ち取った。左打者の重信を迎える場面で左腕の能見に交代。4日は9回に登板し、岡本を遊ゴロに打ち取るなど1回1安打無失点。連日役割を果たした。

◆巨人岡本和真内野手が、阪神藤浪との力勝負を制した。 1点リードの6回2死一、三塁。157キロの直球を打ち返し、右翼フェンス直撃の二塁打で2点を追加した。「戸郷が頑張っていたので何とかしたかった」とリーグトップの39打点目。 原監督は「非常に手ごわい投手が戻ってきたなという感じはします」と藤浪を評し「数少ないチャンスで4番が決めた。(若林の先制打も)大きいですね」と評価した。

◆阪神近本光司外野手が技ありバントヒットなどでチーム唯一のマルチ安打と気を吐いた。 「1番中堅」で先発。初回、巨人先発戸郷の内角高め151キロに力負けせず、右前に運んだ。4点を追う8回1死一、二塁の第4打席では、小技で相手を揺さぶった。左腕高梨に対し、カウント1-0から三塁前に絶妙なセーフティーバント。快足で内野安打をもぎ取った。楽天から新加入した高梨は試合前まで7試合に救援登板し、無安打投球を続けていた。今後も戦っていく相手に初の被安打を付け、嫌なイメージを与えた。 近本はこれで4試合連続安打。8月に入ってからは15打数7安打と安打を量産している。一時は打撃不振でリーグ最下位まで落ちていた打率も、2割5分4厘と数字を上げてきた。若きリードオフマンの復調は苦しい戦いが続くチームのプラス材料だ。

◆<阪神1-4巨人>5日甲子園 阪神藤浪晋太郎投手(26)が8回4安打4失点(自責1)で、またも今季初勝利を逃した。           阪神打線が藤浪先発ゲームでまたも沈黙した。巨人4投手の前に1得点だけで、連敗を喫した。試合後、指揮官が端的に語った。 矢野監督 返すところの打順の差が出たかな。向こうは返すところで中心打者が返して、こっちは中心で返せなかったというところかなと思います。 象徴的なシーンは2イニングあった。 ◆1点を追う4回 無死一、二塁で4番大山が中飛。1死後、5番ボーアが遊ゴロ併殺で無得点。 ◆4点を追う8回 1点を返し、なおも2死満塁の好機で、大山が3番手大竹の前に遊ゴロ。 この日、大山が4打数無安打、5番ボーアも4打数無安打。巨人4番岡本、5番大城は1安打ずつだが、好機で打点を挙げ、対照的な結果となった。 もっとも2人だけでなく、7回まで巨人先発戸郷に10三振を奪われるなど、攻略に苦しんだ。戸郷とは昨秋CSファイナルで対決しているが、シーズン初対戦。対戦機会が少ないが、矢野監督は「それは言い訳にならない」。何よりもどかしいのは、復活勝利を目指す藤浪を援護できない試合が続いている。藤浪先発の3試合で、打線は計3得点。前回7月30日ヤクルト戦では完封負けを喫した。この日こそ、何とか打線爆発といきたかったが、5安打に終わってしまった。 矢野監督 (打線が)うまくかみ合っていないというか。かみ合っていない感じがちょっとあるんで、なんとかしていきたい。 借金は2。首位巨人とのゲーム差は、今季ワーストに並ぶ7となった。開幕3連戦で3連敗を喫した宿敵に、甲子園で3連戦3連敗を食らうわけにはいかない。6日先発は左肩のコンディション不良で出遅れ、1軍復帰戦となる高橋。7試合連続で1ケタ安打が続く打線の奮起が、何より重要だ。【松井周治】

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が今季3度目の登板で、676日ぶりの白星を目指すも、8回4安打4失点(自責1)で、またも今季初勝利を逃した。阪神打線が藤浪先発ゲームでまたも沈黙。巨人4投手の前に1得点だけで、連敗を喫した。 以下、矢野燿大監督の一問一答。 -藤浪の投球は 矢野監督 投げるたびに自信も出てきていると思いますし、手応えを感じていると思いますけどね。(6回は)2アウトでもう1人という入り方は、勝負にいった結果なので。結果論になりますけどね。バッテリーで何とか工夫して欲しかったなというのはありますけど、それ以外は打者に向かっていって、晋太郎らしいボールが多かった。全体的に良かったと思っています。 -打線の印象は 矢野監督 かえすところの打順の差が出たかな。向こうはかえすところで中心打者がかえして、こっちは中心でかえせなかったというところかなと思います。 -8回2死から熊谷の盗塁もあった 矢野監督 チャレンジできるところはどんどんチャレンジして欲しいです。そういう武器になる選手がいるんでね。 -高橋が6日先発 ちょっと出遅れましたけど、緊張すると思いますし、まずは自分のピッチングを思いきってしてもらいたいなと思っていま矢野監督 す。 -戸郷に関しては 矢野監督 きのうも今日もね、めちゃくちゃコーナーに決まって、手も足も出ないっていう状態じゃないんで。今日の悠輔(大山)にしてもボーアにしても、そんなにめちゃくちゃ難しいボールにはこちらからは見えないけど。逆に打者は意気込んで、チャンスで打ってやりたいとか、かえすぞとなるんだけど、そこでかえせなかったというところかなと思っています。

◆阪神藤浪晋太郎投手はまたも熱投実らず復活勝利を逃した。8回113球を投げ、7奪三振4安打1四球で4失点(自責1)。要所で粘れず今季3戦3敗となった。 「自分のミスからの失点。反省すべきところです」 後悔した場面は1点を追う6回だ。先頭の巨人戸郷を投ゴロに打ち取るが、高く跳ねたバウンドに合わせられず。「ツーバウンドで処理しようとして、間に合わないなと思って中途半端に突っ込んでしまって...」。痛恨の失策から2死一、三塁とされ、4番岡本にこの日最速の外角157キロを右翼フェンスまで運ばれ、2点二塁打を献上。5番大城にも不運な左前適時打を浴び、大勢が決した。 1軍昇格後は3戦連続で復調気配を漂わせながら、打線の援護にも恵まれない。大阪桐蔭時代から8月の甲子園登板試合では8戦無敗だったが、土がついた。甲子園で10戦連続勝ち星なしという事実が悔しい。 「点が入らないから投げにくいとかはない。そのせいにしようとは思わない」。試合後は言葉に力を込めた。5回までは1安打1失点。序盤は力で押し込み、スプリットで空振りさせていた。「反省点はありますけど、次につながるかなと個人的には思います」。次回こそ、詰めの部分で勝ちきりたい。【佐井陽介】   ▽阪神福原投手コーチ(藤浪について)「真っすぐも良かったですし、スプリットだけでなく、その他の変化球もキレがあったので、全体的に良かったと思います。次回の登板も期待したいです」

◆巨人は3回2死二塁、1番若林が阪神藤浪から先制の中前適時打。先発戸郷は3回まで4奪三振1安打無失点と上々の立ち上がり。 阪神は1点を追う4回無死一、二塁で無得点。巨人は6回、4番岡本の右越え2点二塁打、5番大城の左前適時打で3点追加した。 今季初勝利を狙った阪神藤浪は8回4失点で3敗目。巨人は戸郷が8回途中1失点と好投し、2連勝で貯金を今季最多の12とした。

◆満員ではなくとも、心は躍った。巨人戸郷翔征投手(20)が1085日ぶりの甲子園登板で、8回途中4安打1失点で4勝目を挙げた。自己最多の106球を投じ、初の2桁となる10奪三振。「初回、ちょっと緊張してるのかなと思った。でも楽しめたのでよかった」と球児のような笑顔を見せた。 初回、バックスクリーンの電光掲示板を、どこか懐かしそうに見つめた。聖心ウルスラ学園時代の17年夏、2年生エースとして甲子園に出場した。当時宿泊したのは大阪市内のホテル。2回戦で敗退するまで、ホテルの隣にあった中之島西公園でシャドーピッチングや素振りを繰り返した。あの時、小さな公園には球児の声が響き渡った。夏の甲子園が中止の今年は先輩たちと汗を流した"原点"に球児の声は聞こえない。照りつける日差しの下で響き渡るのはセミの鳴き声だけだろう。 甲子園初戦の早稲田佐賀戦前、小田原監督から言われた。「3年生のキャッチャーに任せて投げなさい」。先輩のリードを信じ2失点完投。同校初の甲子園1勝を手にした当時のように、この日も13歳上の大先輩炭谷の要求通りに阪神打線を封じた。 大阪桐蔭時代に甲子園春夏連覇を成し遂げた阪神藤浪に投げ勝ち、自身の連敗を2で止めた。原監督は「粘り強く放ってくれた。(甲子園は2年夏以来で)エネルギーに変えたんでしょう」。戸郷は「いつ立っても緊張するマウンドだった。もっと自分の力を発揮できるようにやっていきたい」。聖地での1勝を自信とし、さらなる勝ち星を目指す。【久永壮真】

◆阪神藤浪晋太郎投手(26)が今季3度目の登板で、676日ぶりの白星を目指すも、8回4安打4失点(自責1)で、またも今季初勝利を逃した。阪神打線が藤浪先発ゲームでまたも沈黙。巨人4投手の前に1得点だけで、連敗を喫した▼阪神が巨人に連敗。今季は水曜日が鬼門で、この日を含め5敗1分けとまだ1度も勝てていない。曜日別で見ると、水曜日のチーム打率は2割1分2厘、14得点で、木曜日(1割9分9厘、13得点、2勝4敗)に次いで悪い。"魔の水曜日"を早く払拭(ふっしょく)したいところだ。

◆阪神-巨人6回戦(甲子園)の先発メンバーが5日、発表され、巨人の若林晃弘内野手(26)が「1番・右翼」で起用された。右翼での先発出場はプロ3年目で初。これまでは二塁での起用が多く、外野での先発は2019年9月23日のヤクルト戦(神宮)の「1番・中堅」が1度あるだけだった。  ただ、若林は内外野どちらもこなし、投手と捕手以外はどこでも守れる万能選手。2軍では外野の経験も多い。イースタン・リーグではチームトップの5本塁打とパンチ力も魅力。前日4日に昇格したばかりのスイッチヒッターが首脳陣の期待を背負って試合に臨む。

◆阪神は巨人に1-4で敗れ2連敗。7月17日以来、19日ぶりの借金2となった。首位・巨人とのゲーム差は「7」に広がった。 先発の藤浪は2018年9月29日の中日戦(ナゴヤドーム)以来となる676日ぶりの白星を目指し、今季最長8回を投げたが4安打4失点(自責1)。今季3戦3敗となってしまった。 20歳の戸郷との投げ合いとなった「伝統の一戦」。ゲームが動いたのは三回だった。藤浪は先頭の吉川尚にストレートの四球を与えてしまい、1死後に戸郷の投前犠打で2死二塁とされた。両軍を通じてこの試合初めての得点圏の場面で若林に中前への先制打を許した。 0-1の六回先頭では投手の戸郷が放った投ゴロを藤浪自身が失策。その後、岡本に右越え2点二塁打、大城に左前適時打を浴び、この回3点を奪われてしまった。 今季3度目の先発だった藤浪だが、初登板だった7月23日の広島戦(甲子園)で一回に入った2点以来、打線の援護に見放されていた。代打を送られた0-4の八回に糸井の遊ゴロ併殺崩れ間の1点が入り、藤浪の登板時では21イニングぶりの得点が入ったが、なおも2死満塁で4番・大山が遊ゴロに倒れ反撃が終わってしまった。

◆巨人・戸郷が阪神・藤浪との投げ合いに競り勝ち、今季4勝目。巨人は2連勝。  巨人は三回、先頭の吉川が四球で一塁に出ると、犠打などで2死二塁とチャンスを広げ、若林の中前適時打で1点を先制。藤浪はその後、150キロを超える直球と鋭い変化球で凡打を積み重ねていたが、六回にまたピンチを迎えた。2死一、三塁で打席に入った岡本が右翼線への2点二塁打、続く大城も左前適時打。巨人はわずか4安打で4点目を奪った。藤浪は巨人の効率の良い攻撃にやられて8回4安打4失点で降板。  一方、戸郷も七回まで三塁を踏ませず、阪神打線をわずか2安打に抑える好投。八回に木浪、植田に連続安打を打たれたところでマウンドを降りた。この八回、阪神は1死満塁となり、糸井の併殺崩れの間に1点を返すが、その後2死満塁の好機に大山が遊ゴロ。藤浪に今季初勝利をプレゼントすることはできなかった。巨人は九回、中川が阪神打線を三者凡退に打ち取り、試合を締めくくった。  ◆巨人・戸郷翔征投手 「(降板のときに悔しそうな表情を見せたことについて)今まで中継ぎの人たちに助けてもらっていたので、今日こそはなんとかあの回(八回)だけはいきたかった。甲子園のマウンドは緊張した。もっと自分の力が発揮できるようにがんばりたい」

◆フェンス直撃の2点打を浴びると、口元をゆがませて悔しさをあらわにした。先発の藤浪は五回まで1失点と粘ったが、六回に自らの失策から崩れた。 プレーボールから力投したが、中盤につかまった。0-1の六回。先頭の戸郷の高いバウンドの打球を前進して捕りにいったものの、捕れず。「一瞬(待つか、前に出るか)迷った。中途半端なプレーをしてしまった」 自らの失策で走者を背負うと1死後、坂本に右前打を許し、一、二塁。続く3番・丸は154キロのストレートで詰まらせて中飛に仕留めたが、これで二走・戸郷が三塁へタッチアップ。続く4番・岡本に初球の157キロ直球をとらえられ、右翼フェンス直撃の2点二塁打を許した。なおも2死二塁で、大城にも適時打を許して、この回3失点した。 登板前、岡本について「4番打者ですし、いいバッターですが、特別何か変わったことをするのではなく、要所で抑えられるようにしたい」と警戒していたが、ピンチの場面で痛打された。 三回は先頭の吉川尚に四球を出すと、戸郷にバントを決められて2死二塁。ここで若林に外角のフォークを中前へはじき返され、先制点を献上。この日、初めて許した安打がタイムリーとなった。 巨人戦の登板は2018年4月20日(甲子園)以来838日ぶり。通算では21試合に登板(先発は17試合)して4勝11敗、防御率3・54。16年4月5日(東京ドーム)以来、7試合連続で白星から遠ざかっている。 今季、チームは水曜日の試合では5戦して4敗1分けと勝利なし。この日も右腕が奮投を続けるなか、打線は巨人先発・戸郷の前に七回まで散発2安打に封じ込まれた。 藤浪は今季最長の8回で113球を投げて4安打4失点(自責1)。 「(調子は)悪くはなかったが、勝てていない。ミスからの失点。反省すべきところ」 またも力投は報われなかったが、矢野監督は「投げるたびに自信も出てきていると思いますし、手応えを感じていると思いますけどね。2アウトで、もう1人という入り方というのは勝負にいった結果なので。それ以外は打者に向かっていって、晋太郎らしいボールが多かったんで。全体的に良かったと思っています」と話した。完全復活を待ち望む。

◆阪神は打線がつながらず、巨人に2連敗を喫し、首位とのゲーム差は7に広がった。開幕直後の低迷期に比べれば個々の状態は悪くないが、矢野監督は「チームがうまくかみ合っていない」と声を落とした。  一回は先頭の近本が右前打で出塁しても後が続かない。四回は無死一、二塁から大山が中飛でボーアが併殺打。八回は1点を返した後に2死満塁としても大山が遊ゴロに倒れた。監督は「(大山)悠輔にしても、ボーアにしても難しいボールには見えない」と打ち損じを残念がった。(甲子園)

◆岡本が1-0の六回2死一、三塁で右翼フェンス直撃の2点二塁打。「戸郷が頑張っていたのでなんとかしたかった。捕られるかなと思ったけど、追加点が取れてよかった」と喜んだ。これで打点を39に伸ばし、ヤクルト・村上(38打点)を抜いてリーグトップに立った。初タイトルを狙う主砲は、本塁打(14本)と合わせて打撃2冠に躍り出た。

◆打てないなら足でもぎ取る。虎らしい攻撃でスタンドをわかせたのは八回だ。近本と熊谷の持ち味を生かしたプレーを、矢野監督も評価した。  「チャレンジできるところはどんどんチャレンジしてほしい。そういう武器になる選手がいる」  八回1死一、二塁から近本がセーフティーバント。快足を飛ばして一塁を駆け抜けて、満塁とした。続く糸井の併殺崩れの間に1点が入った。  2死一、三塁となったところでは糸井の代走・熊谷がこちらも俊足を生かして二盗に成功。二、三塁としてサンズにタイムリーが出れば1点差というところまで迫ったのだが...。  近本は一回にも右前打を放ち、4戦連続安打。打率・254まで上昇してきた。中軸に元気がないなら、韋駄天がチャンスメークするまでだ。 (菊地峻太朗)

◆強気に腕を振って向かっていった。高卒2年目右腕、巨人・戸郷翔征投手(20)が自己最長の7回0/3を投げて4安打1失点。3試合ぶりの4勝目(2敗)をつかみ「立ち上がりがちょっと悪かったですが、ちょこちょこ良い投球ができてよかった。真っすぐを意識しながら投げました」と笑みを浮かべた。  甲子園球場のマウンドは宮崎・聖心ウルスラ学園高2年時の2017年夏の大会(福島・聖光学院との2回戦で敗退)以来。大阪桐蔭高で12年春夏優勝投手の藤浪と投げ合った。  「足の震えとかがあって『ちょっと緊張しているんかな』とか思いながら。でも、楽しめたんで、よかったかな」  投球内容では緊張を感じさせず、自己最多の10奪三振もマーク。最速152キロを計測した直球を内外角に投げ分け、阪神打線を手玉に取った。  今季は開幕から3連勝と波に乗ったが、その後は2連敗。7月15日の広島戦以降、白星から遠ざかっていた。納得のいく投球ができない中でも「一つ一つのアウトを取るのは簡単じゃない。もっともっと自分に集中して、と意識してやっていました」と自身と向き合い、トンネルを抜けた。  チームは2位との5ゲーム差を維持。20歳の若武者の活躍に原監督は「粘り強く放ってくれた」と評価した上で「(続投した)八回、1死でも取ってくれるとリリーフは非常に楽になる。まあ、まだスタートしたばかり。いろんなことを糧にして、また次に越えてくれると思う」と、さらなる期待を寄せた。(箭内桃子)   プロ初の「1番・右翼」で三回に先制打を放った巨人・若林 「せっかくもらったチャンスなので、何とか結果を出せるようにと思って、やりました」 戸郷について巨人・宮本投手チーフコーチ 「今、"TO GO(戸郷)キャンペーン中"だからね。TO GOは(和訳で)お持ち帰りだからね。いいものを今日は持ち帰ってくれると思います」

◆虎党が待つ乾いた打球音は響かなかった。逆に巨人ファンには期待通りの快音。好機で中軸の差が目立った。矢野監督は敗因を明確にした。  「かえすところの打順の差が出たかな。向こうはかえすところで中心打者がかえして、こっちは中心でかえせなかったというところ」  0-1の四回無死一、二塁で大山が中飛。続くボーアも遊ゴロ併殺に終わった。好機を逃すと、初対戦の戸郷に10三振を奪われて八回途中までゼロ行進。ようやく右腕をマウンドから降ろした八回も、1点をかえして、なおも2死満塁で大山が遊ゴロに倒れた。巨人は六回にリーグトップ39打点の岡本が2点二塁打を放ち、勝利に大きく近づいた。  「(大山)悠輔もボーアも、めちゃくちゃ難しい球にはみえないけど。意気込んで『チャンスで打ってやりたい』とか『かえすぞ』となるんだけど、そこでかえせなかったというところかな」  打線は7月28日のヤクルト戦(神宮)で20点を奪った後、7試合連続で3得点以下と湿り気味だ。この間の大山は3打点。ボーアは不振に悩んだ開幕以来となる7試合連続の打点なしだ。ともに前夜は2安打を放つなど調子は悪くない。中軸打者に求められる勝負強さ。指揮官は「どうしても、かえすというところ」と強調した。  「全体が悪いという感じではない。もしかしたら逆にチャンスメークができていないというね。かみ合っていない感じがちょっとある。なんとかしていきたい」  個々がどん底で、2勝10敗と大苦戦した開幕直後のような八方ふさがりではない。きっかけ次第。風穴を開けられるのは、やはり「軸」と呼ばれる打者だ。(安藤理)

◆阪神は巨人に1-4で連敗し、4位のままながら、7月17日以来の借金「2」となった。首位巨人との差も、今季ワーストタイの7ゲーム差に拡大。先発・藤浪晋太郎投手(26)は今季最長の8回を投げたが、六回に自身のミスから失点するなど計4失点で、またも初勝利はならず。打線も七回までわずか2安打。どうした虎よ、夏バテするには早すぎるぞ!  勝負どころで長打を食らい、ポーカーフェースの藤浪もこの時ばかりは表情を曇らせた。  2018年4月20日(甲子園)以来2年ぶりの巨人戦で3度目の正直を狙ったが、3敗目を喫した。  「全体的に悪くはなかったですけど、やっぱり勝てていないですし。ましてや自分のミスからの失点なので、反省すべきところではあります」  0-1の六回。先頭・戸郷の打球は高くバウンドした。前進してグラブを出したが捕れず。「落ち着いてツーバウンドで取れば大丈夫だったと思う。中途半端にしてしまったことが、悔いが残ります」。坂本にも右前打を許すなどし、2死一、三塁。4番・岡本に初球の157キロ直球をとらえられ、右翼フェンス直撃の2点二塁打を許した。なお2死二塁で、大城にも適時打を浴び、この回痛い3失点となった。  失点した三回と六回以外はすべて三者凡退。今季自身最長の8回を113球、4安打4失点(自責1)と奮投したが、報われず。矢野監督は「晋太郎(藤浪)らしいボールが多かった」と評価したうえで「プラスアルファでいうと、最初の登板も2アウトまでいってピレラにホームランを打たれて。どうしてもランナーを出したところのピッチングとか、得点圏とか」と課題を挙げた。  今季初先発だった7月23日の広島戦(甲子園)は、六回2死満塁でピレラに被弾。同30日のヤクルト戦(神宮)では七回2死一、三塁から失点した。思えばこの日の三回も2死二塁から失点。詰めの甘さを解消したい。  チームは連敗し、7月17日の中日戦(甲子園)以来の借金「2」に後退し、首位巨人とのゲーム差は今季ワーストタイの「7」に広がった。しかし、借金「8」から盛り返してきたチームだ。藤浪は前を向いた。  「点が入らないのは仕方ない。1年間で点が入らない、勝てない時期はあるので、そのせいにはしようとは思わない。負けましたし、反省点はありますけど、次につながるかなと思います」  打線の援護に恵まれず、2年ぶりの1軍勝利はならなかったが、次もチームの勝利に貢献すべく、力いっぱい腕を振る。(織原祥平)

◆戸郷と藤浪。中盤まで、なかなか見ごたえのある投手戦だった。  戸郷は、自身の連敗を断ち切るには十分なほど、直球の質がよく、球も走っていた。この白星で、ズルズルと下降していく危機も脱したと思う。今後はまた乗っていくのではないだろうか。  藤浪も、結果的に3連敗ながら、その3戦は6回、7回、そして8回とイニング数を増やし、ある程度、試合も作っている。カットボールでカウントを稼げる。3ボールになっても、粘れる。フルカウントからでも、スライダーでストライクを取れていた。  ただ、巨人打線もさすが、というべきか。六回。打順も3巡目となると、黙っていてくれない。坂本と岡本に痛打されたのは、いずれも外角速球。右打者への内角直球直球が少なく、外角一辺倒になる傾向を見透かされていた。  それこそが、藤浪が勝利をつかむために必要なもの。右打者の内角に、速球をしっかり投げ込むことだ。(本紙専属評論家)

◆「なんでやね~ん!? 甲子園の申し子、藤浪晋太郎が1196日ぶりにその甲子園で復活の白星を目指してのマウンドなのに、虎打線は何をしてくれとんじゃー!!(怒)」。それに対し、勝ちたかったら己の力だけでやりとげんかい。それが阪神タイガースの伝統やないかー!! という、かつての猛虎たちの声が聞こえてくるような...。  野球は団体競技? 野球はチームプレー? アハハハ...。その通りですが唯一、この阪神にはその言葉は通じません!!  1973年8月30日、対中日戦(甲子園)で江夏豊が延長十一回、プロ野球唯一のノーヒットノーランでサヨナラホームラン!! それでも、試合後の「野球は1人で出来る」のコメントで大もめするんだから...。その覚悟がないと、このチームで白星を手にすることは至極の技なのだ。  ちなみにノーヒットノーランの江夏さんはその5日前の25日の広島戦で延長十一回8安打完封勝利を挙げているんだよなあ...。ちゅーか、六回先頭の投ゴロをエラーして自滅する藤浪には馬の耳に念仏かー!? でも、もう少し打てよなあ...。(涙)

◆藤浪は前々回(7月23日、広島戦)、前回(同30日、ヤクルト戦)と比較しても、格段にいい投球だった。フォークがしっかり低めに決まっていたのは、これまでと同様だったが、真っすぐの制球が素晴らしかった。コースを狙わず、シンプルに真ん中にズドーンと投げることを意識していたのではないか。  2桁勝利していた頃が、そんな感じの投球だった。余計なことを考えず、コースを狙いすぎず、投げていた。結果、巨人打線は真っすぐに合っていなかった。過去2試合がフォークに頼った投球だったが、真っすぐでも勝負できるようになり、一番いい時期の藤浪に戻りつつある。  だからこそ、打線が援護してほしかった。確かに戸郷はキレがあってスライダー、フォークが絶妙のコースに決まっていた。投球パターンは外角中心。この傾向は特に左打者に顕著だった。これを逆手に取るべき。外角の真っすぐ、スライダーに絞る。しかも制球がいいから、3球勝負してくる。早いカウントでの勝負が有効だ。若い投手だけに足も絡めたい。同じ相手に続けてやられるわけにはいかない。 (本紙専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
24122 0.667
(↑0.01)
-
(-)
82192
(+4)
122
(+1)
56
(-)
24
(-)
0.260
(↓0.003)
3.150
(↑0.06)
2
(1↑)
DeNA
20182 0.526
(↑0.012)
5
(-)
80170
(+8)
143
(+2)
47
(+3)
7
(+1)
0.273
(↑0.003)
3.520
(↑0.04)
3
(1↓)
ヤクルト
17175 0.500
(↓0.015)
6
(↓1)
81170
(+1)
197
(+4)
35
(+1)
25
(-)
0.247
(↓0.002)
4.630
(↑0.01)
4
(-)
阪神
17192 0.472
(↓0.014)
7
(↓1)
82151
(+1)
157
(+4)
38
(-)
32
(+1)
0.245
(↓0.002)
3.650
(↑0.08)
5
(-)
広島
15194 0.441
(↑0.017)
8
(-)
82175
(+4)
177
(+1)
43
(+2)
15
(-)
0.283
(↑0.001)
4.330
(↑0.09)
6
(-)
中日
15233 0.395
(↓0.01)
10
(↓1)
79122
(+2)
184
(+8)
19
(-)
7
(-)
0.240
(↓0.003)
4.140
(↓0.08)