ヤクルト(★5対20☆)阪神 =リーグ戦7回戦(2020.07.28)・明治神宮野球場=
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阪神
342406001201803
ヤクルト
0300001105933
勝利投手:秋山 拓巳(3勝1敗0S)
敗戦投手:イノーア(0勝2敗0S)

本塁打
【阪神】ボーア(7号・2回表満塁),サンズ(6号・4回表満塁),木浪 聖也(2号・6回表3ラン)
【ヤクルト】宮本 丈(1号・2回裏3ラン),廣岡 大志(2号・7回裏ソロ),塩見 泰隆(2号・8回裏ソロ)

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◆阪神は1回表、木浪の適時打などで3点を先制する。その後は、ボーアとサンズにグランドスラムが飛び出すなど着実に加点し、終わってみれば20得点と相手を圧倒した。投げては、先発・秋山が2年ぶりとなる完投で今季3勝目。敗れたヤクルトは、投手陣が崩壊した。

◆ヤクルトは、抹消された山田哲人内野手に代わり、「2番・中堅手」には、この日登録された塩見泰隆外野手(27)がスタメンに入った。「7番・二塁手」で宮本丈内野手(25)が名を連ねた。 「5番・右翼手」には山崎晃大朗外野手(26)が入った。 イノーア投手(27)と、西田明央捕手(28)の先発バッテリー。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が秋山拓巳投手(29)、ヤクルトがガブリエル・イノーア投手(27)。 2位ヤクルトと1ゲーム差で追う3位阪神の直接対決。阪神は近本が「1番中堅」で2試合連続のスタメン。開幕から打撃不振が続いていたが、6試合ぶりの先発復帰となった26日中日戦(ナゴヤドーム)で今季初の4安打固め打ち。復調気配を示した。同試合では新助っ人ボーアも右臀部(でんぶ)の張りから復帰後、初本塁打となる8号アーチ。リードオフマンと主砲の打棒が打線のカギを握る。ベテラン糸井が今季初の「2番」、二塁には植田が今季2度目のスタメン出場となった。 ヤクルトは山田哲が27日に出場選手登録を抹消された。二塁には今季4度目のスタメンとなる宮本が入った。

◆ヤクルトの球団マスコットつば九郎が、試合前恒例の「きょうのひとこと」で、話題のキャンペーンをもじるシリーズで笑いを誘った。 「GO TO きゃんぺーん とうきょうは たいしょうがいのなか たいがーすのみなさん」「たいがーす ふぁんのみなさん ようこそ じんぐうきゅうじょうへ~!」とごあいさつ。「かんせんまなーをごらんのうえ たのしんでください」とメッセージを伝えた。 さらに「GO TO とらべる きゃんぺーん はできませんが じんぐうきゅうじょうでは」「GO TO WIN!きゃんぺーんを かいさいして おりますが~」「たいがーすは このきゃんぺーん たいしょうがい となっております。ごめんなさい」と先週から神宮で(勝手に)開催中のキャンペーンをお知らせ。 最後に「あと GO TO よるのまち!もしばらくは たいしょうがいですが」「しゅうかんしは ねらっていますので ごちゅういください」と意味深な注意喚起を呼びかけていた。

◆阪神の新外国人ジャスティン・ボーア内野手(32=エンゼルス)が来日2度目の満塁本塁打でヤクルトを突き放した。 3点リードの2回2死満塁。イノーアの内角速球を振り抜くと、矢のようなライナーで右翼席に突き刺した。「近本やジェリー(サンズ)、(大山)悠輔がそれぞれいい仕事をして塁にいてくれたから、みんなと同じく自分も良い仕事をしたいと思っていたよ。感触は十分だったし、いいホームランだったね」。 7月5日広島戦(マツダスタジアム)でも満塁弾を放っており、月間2発目のグランドスラムだ。阪神の外国人で来日1年目に2本の満塁アーチを放ったのは、カークランド、マートン以来3人目の快挙だ。

◆阪神木浪聖也内野手(26)が貴重な加点打を放った。1回に2点を先制して、なおも2死一、三塁。イノーアの内角低めスライダーを的確にたたき、右前に運んだ。 「得点圏にランナーがいましたし、もう1点取ることができれば、試合を有利に進められると思ったので、絶対に打つという気持ちで打席に入りました。いい結果になってくれて良かったですし、次の打席も頑張ります」。リードを2点ではなく3点に拡大。試合の主導権を握る大きな得点になった。

◆山田哲の代役として、二塁手で今季4試合目のスタメン出場を果たしたヤクルト宮本丈内野手(25)が、プロ初本塁打を放った。 7点を追いかける2回。攻撃に入る前に宮出ヘッドコーチを中心にベンチ前で円陣を組んだ。 村上、山崎が連続安打でチャンスを作った。1死二、三塁とし、宮本は阪神の先発秋山の2球目、甘く入った126キロのカットボールを豪快に右翼ポール際へ運んだ。プロ3年目での初本塁打はチームに勢いを与える3ラン。「1点ずつ返す気持ちで、コンパクトに強い打球を心掛けました。まだまだ諦めず、集中して次の打席に立ちたいです」とコメントした。 2回の攻撃終了後には、真っ先にグラウンドに飛び出した。一塁側スタンドを中心にヤクルトファンから大きな拍手を送られた。左翼手の定位置へ向かうキャプテン青木があいさつをうながすと、慌てて帽子を取り、スタンドへ深々と頭を下げる初々しいシーンもあった。

◆阪神の新外国人ジェリー・サンズ内野手(32=韓国キウム)が球界史上初の新外国人アベック満塁本塁打を達成した。6点リードの4回2死満塁。左腕坂本の外角球をとらえると、右翼ポール際にライナーでオーバーフェンス。今季6発目のアーチは来日初の満塁弾。2回のボーアに続いて1試合2発目のグランドスラムだ。「前の打者たちが良い仕事をしてくれてチャンスを作ってくれたから、良い球を待ってしっかりたたこうと思っていた。最高の仕事ができたし、ボーアとそろって満塁ホームランを打つことができるなんて信じられないし、とても興奮しているよ」と話した。助っ人勢の大活躍で、阪神が今季最多の13得点まで積み上げている。 阪神の1試合2満塁本塁打は10年5月7日広島戦の城島、マートン以来、3度目。外国人による1試合2満塁本塁打は78年4月20日中日戦で広島ギャレット、ライトルが達成したが、1年目助っ人による1戦2発はNPB史上初の快挙だ。

◆阪神は5番ジャスティン・ボーア内野手(32)、3番ジェリー・サンズ外野手(32)が球界史上初の新外国人選手アベック満塁弾を決め、2連勝で貯金を今季最多の2とした。2年目矢野阪神で最多となる20得点の大勝で、2位ヤクルトとのゲーム差をなしで肉薄した。 初回は暴投で先制点をもらうと、内野ゴロの間に2点目。さらに7番木浪聖也内野手(26)の右前適時打で3点目をたたき出した。2回にはボーアが月間2本目の満塁弾をライナーで右翼席に突き刺し、リードを7点に広げた。 4点差に迫られた3回にもサンズの適時打などで2点を追加。4回にはサンズの満塁弾まで飛び出した。6回にもボーアの適時打、木浪の3ランなどで6得点を奪い、ヤクルトの戦意を喪失させた。 先発秋山拓巳投手(29)は5失点で18年5月8日巨人戦以来、812日ぶりの完投勝利。自身3連勝で今季3勝目をあげた。

◆ヤクルトは投手陣が崩れ、14年8月5日阪神戦以来の20失点で大敗した。球団ワースト記録となる10試合連続2ケタ被安打で、10試合で計123被安打、70失点。 3試合連続で初回に先制され、高津臣吾監督は「明らかにゲームの主導権を握られてスタートしている。対策は練っているが、理解してマウンドに立てたか確認をしたい」と話した。先発イノーアは最短2回7失点でKOされ、抹消が決定。打線は、山田哲に代わり二塁手でスタメンの宮本が、2回にプロ1号3ラン。若手が気を吐いたが、今季3度目の2連敗を喫した。

◆阪神は1回、大山の内野ゴロ、木浪の右前打などで3点。2回はボーアの7号満塁弾。ヤクルトは2回、宮本のプロ1号3ラン。 阪神は4回、サンズが6号満塁弾。6回はボーア、梅野の適時打、木浪の3ランで6点追加。ヤクルトは10試合連続2ケタ被安打。 ヤクルトは7回に広岡の2号ソロ。投手陣が崩れて2連敗。イノーアは2敗目。阪神は20得点の大勝で秋山が完投の3勝目。

◆阪神秋山拓巳投手(29)は5失点で18年5月8日巨人戦(東京ドーム)で完封勝利して以来、812日ぶり自身6度目の完投勝利をマークした。 序盤の大量リードを受け、ストライク先行で113球を投げ抜いた。9安打1四球で113球を投げ抜き、救援陣を休ませた。

◆今年の助っ人は大当たりや! 阪神ジャスティン・ボーア内野手(32)が2回に今季2本目の満塁アーチを放つと、4回にはジェリー・サンズ外野手(32)も右翼席に6号グランドスラム。来日1年目の外国人によるアベック満弾はNPB史上初の快挙だ。矢野阪神最多となる20得点の猛攻で、2位ヤクルトにゲーム差なしで肉薄した。雨の神宮で虎の助っ人コンビが球界に新たな歴史を刻んだ。まずはメジャー92発の男、ボーアだ。3点リードの2回2死満塁。イノーアの真ん中低め147キロ直球をフルスイングで捉えた。弾丸ライナーはあっという間に、右翼ポール際のスタンドに到達。7号グランドスラムに、おなじみ「ファイアボール」ポーズも飛びだした。「すごく気持ち良かった。感触は十分だったし、いいホームランだったね」。5日広島戦(マツダスタジアム)に続く、2発目の満塁本塁打となった。 昨季の韓国球界打点王、サンズも黙ってはいない。6点リードの4回2死満塁。坂本の外角高め148キロ直球を逆方向にはじき返した。低い弾道でファウルゾーンに切れそうな当たりに、走りだしたサンズも1度止まりかけた。しかし、打球はそのまま右翼席ポール際に吸い込まれた。「最高の仕事ができた。ボーアとそろって満塁ホームランを打つことができるなんて信じられないし、とても興奮しているよ」。 助っ人によるアベック満弾は、78年広島のギャレット、ライトル以来、42年ぶり球界2度目。新助っ人では球界初の快挙となった。矢野監督も歴史的アベックに「満塁本塁打もそんな出るものじゃないしね。すごいことやね」と喜んだ。 球史に名を刻んだBS砲は、関西人顔負けのジョーク好きだ。ボーアは来日後、空港での初取材で長所を聞かれた際、「Singing Voice(歌声)!」と答えて、周囲の度肝を抜いた。サンズも春季キャンプ初日、初めて袖を通したタテジマに「モデルみたいでハンサムでしょ?」とニヤリ。グラウンドではいつもキャッチボールする仲で、異国の地での生活を支え合っている。穏やかな性格も共通点。2人とも球審の判定には一切、不服な態度を取らない。助っ人には珍しく冷静さを失わず、日本野球に対応している。 今季最多18安打、矢野阪神最多となる20得点でカード初戦8連勝を飾った。貯金を今季最多の「2」に増やし、2位ヤクルトにゲーム差なしと肉薄。首位巨人よ、待ってろ! 猛虎には大当たりの助っ人コンビがいる。【奥田隼人】 ▼阪神はボーアが2回、サンズが4回に満塁本塁打。チーム1試合2本の満塁弾は19年7月28日の巨人以来28度目のプロ野球タイで、阪神では96年10月9日の新庄、塩谷、10年5月7日の城島、マートンに次いで3度目。外国人選手2人が打ったのは、78年4月20日広島のギャレット、ライトル以来42年ぶり。広島の2人はともに来日2年目で、来日1年目の外国人コンビが打ったのは史上初だ。

◆阪神の新外国人ジェリー・サンズ内野手(32=韓国キウム)が球界史上初の新外国人アベック満塁本塁打を達成した。6点リードの4回2死満塁。左腕坂本の外角球をとらえると、右翼ポール際にライナーでオーバーフェンス。今季6発目のアーチは来日初の満塁弾。2回のボーアに続いて1試合2発目のグランドスラムだ。▼阪神はボーアが2回、サンズが4回に満塁本塁打。チーム1試合2本の満塁弾は19年7月28日の巨人以来28度目のプロ野球タイで、阪神では96年10月9日の新庄、塩谷、10年5月7日の城島、マートンに次いで3度目。外国人選手2人が打ったのは、78年4月20日広島のギャレット、ライトル以来42年ぶり。広島の2人はともに来日2年目で、来日1年目の外国人コンビが打ったのは史上初だ。 ▼ボーアの満塁弾は今月5日広島戦以来2本目。阪神で月間2本の満塁弾は、13年7月の新井良以来8人目の最多タイ。外国人選手では68年8月カークランドに次いで52年ぶり2人目。 ▼近本が1~4回まで連続得点。連続イニング得点の記録は過去2人がマークした5イニングがあるが、4イニングはセ・リーグ14人目のタイ記録。阪神では02年5月3日広島戦のホワイトに次いで2人目。

◆阪神梅野隆太郎捕手も2安打2打点の活躍だ。2回はショートへの内野安打。6回には1死満塁で中前2点打を放った。 「打ったのはストレート。いい流れに乗って自分も打つことができました。何点あってもいいですし、明日にもつながると思うので、打つことができて良かったです」。直近3試合で6安打し、打率も3割4分1厘とした。

◆この夜に限れば、快投よりも大事なミッションがあった。試合を壊さない。救援陣を休ませる。阪神秋山拓巳投手(29)は「大人の投球」に徹し、ヤクルト打線を丁寧にまとめた。 113球を投げ抜き、9回を5失点。18年5月8日巨人戦で完封勝利して以来、812日ぶり6度目の完投勝利を手にした。自身3連勝で今季3勝目。「とりあえずしっかり1人で投げ切れたので良かったです」と冷静に振り返った。 プロ11年目。だてに経験を積んでいない。2回表終了時点で7点リード。2回裏、7番宮本に3ランを浴びても取り乱さなかった。味方が得点を重ねれば重ねるほど、ストライク先行のスタイルを加速させた。 序盤はワインドアップとセットポジションを使い分け、中盤以降はワインドアップを選択。ゆったりした間合いからテンポ良く打たせにかかった。雨脚が強まり、マウンドがぬかるんでも制球を乱さなかった。 味方打線が猛攻を続ける間は無駄にキャッチボールを続けず、三塁ベンチ前で静かに戦況を見守る余裕があった。経験値を感じさせるマウンドさばき。矢野監督からも「最後まで投げてくれたのは明日につながる」と感謝された。 前回21日広島戦は大量リードを背に7回途中4失点。完投できなかった悔しさを胸に今回は9回を投げきったが、納得しない姿が頼もしい。試合終了直後はガッツポーズせず、捕手と静かに拳を合わせただけ。「もっと頑張ります」。17年の12勝投手。理想はもっと高みにある。【佐井陽介】

◆阪神木浪聖也内野手が打撃復調の気配だ。1回2死一、三塁での第1打席に右前適時打。 2回には中前打。6回の第5打席に右中間席へ2号3ランをたたき込み、今季初の猛打賞をマークした。9回にも右越え二塁打を放ってプロ初の1試合4安打。4、5回の打席はいずれも四球を選び、全6打席出塁も記録した。 6回の1発を「打ったのはスライダー。思い切って自分のスイングをすることができました。しっかり捉えることができましたし、ホームランになってくれて良かったです」と振り返った。 試合前の時点で打率1割9分8厘だったが、この活躍で2割3分5厘に。この日の練習中、動きの中で球を捉えるように助言した矢野監督も「打撃コーチも毎日、一生懸命言ってくれているから、俺の今日の一声だけじゃなくて。よかったと思います」とうなずいていた。

◆ヤクルトは、14年8月5日阪神戦以来の大量20失点で、黒星を喫した。投手陣が打ち込まれて流れを止められず、高津臣吾監督は「まずは反省することが大事。なんで負けたか、なんでストライクが入らなかったか、なんで点を取られたか分析しないと、同じミスを繰り返す悪循環になってしまう。反省して検証して、次にいかさないといけない」と。 雨が降り続くマウンドで、先発イノーアは制球が定まらず、最短の2回7失点で降板。この日、1軍に今季初昇格した2番手の坂本も3回を6失点。カード初戦で大敗を喫し「お客さん入って、なんとか勝とう、1点取ろう、1点でも少なく抑えようという姿勢は持っていかないと。明日も明後日もゲームはあって、勝ちにいかないといけないから。そういう姿勢は持って戦いたいと思う」と話した。

◆阪神打線の充実ぶりを物語る超攻撃型オーダーが機能した。 狭い神宮の一戦を前に矢野燿大監督が思案した。目玉は「2番糸井」だ。用兵は1回から的中した。1番近本光司外野手が敵失で出塁直後、糸井嘉男外野手がイノーアの沈むチェンジアップを的確にとらえて中前へ。プレーボール直後から攻め立て、一挙3得点の先制をお膳立てした。 糸井の先発2番は阪神移籍後2試合目で、19年4月19日巨人戦以来だ。クリーンアップのジェリー・サンズ内野手、大山悠輔内野手、ジャスティン・ボーア内野手が4試合連続で固定される。中軸が好調だからこそ、パンチ力のある2番糸井は脅威だろう。矢野監督は「健斗(糸原)がケガしたことで2番がどうなのかなと探りながらやっていた。みんなを試せるようなところに状態が上がってきている。ハマったとまでは俺も言いにくい。嘉男もまだまだ上がる」と話した。 ジャブを打ち続けたのは1番近本だ。2回は四球で出塁してボーアの満塁弾を呼んだ。3回はセーフティーバントに成功し、塁上で坂本のけん制悪送球を誘うなど再び生還。4回も快足を飛ばして一塁内野安打でまたもホームへ。6回は先頭で四球出塁し、6点の猛攻の点火役になった。この日は球団最多タイの1試合5得点で大勝に貢献した。 「僕のなかでは、今日はそれが一番良かった。後ろの打者がチャンスでかえしてくれる。そういう場面を多く作れてよかった」 今年は不振が長引いたが26日中日戦で6戦ぶりに先発復帰すると今季初の4安打。頼みのリードオフマンが息を吹き返しつつある。近本は「記録は知らなかったですけど得点はシーズン前からこだわっていきたいと言ってきた数字」と胸を張れば、指揮官も「ああいう(会心ではない)安打が出ると波に乗れる前の感じと思いたい」と期待する。今季初めてチーム総得点が総失点を上回った。主砲が猛威を振るうだけに1、2番コンビが躍動するほど「鬼に金棒」の布陣になる。 ▼近本が1~4回まで連続得点し、阪神の1試合最多タイとなる5得点を記録した。連続イニング得点の記録は過去2人がマークした5イニングがあるが、4イニングはセ・リーグ14人目のタイ記録。阪神では02年5月3日広島戦のホワイトに次いで2人目。 ▼近本は打率を2割3分5厘とし、ヤクルト山田哲を抜いてセ・リーグ最下位を脱出した。今季の同一カード初戦12試合で36打数13安打、打率3割6分1厘の好成績だ。

◆阪神秋山拓巳投手が2、4、5、6、9回に三振を喫して1試合5三振のプロ野球タイ記録。19年6月21日坂本勇(巨人)以来18人目(セ・リーグ11人目)。 阪神では79年5月29日若菜、86年4月18日ゲイルに次いで34年ぶり3人目。

◆阪神3年目島田海吏外野手が今季初安打となる適時打でチームの大台20得点目をたたき出した。 7回裏の守備から途中出場し、9回1死一、三塁の第1打席。右腕星のフォークをはじき返して、右前に運んだ。今季2打席目でうれしい初安打は、プロ2本目の適時打となった。若虎の一打で、スコアボートには記念すべき「20」の数字がともった。

◆阪神は5番ジャスティン・ボーア内野手(32)、3番ジェリー・サンズ外野手(32)が球界史上初の新外国人選手アベック満塁弾を決め、2連勝で貯金を今季最多の2とした。2年目矢野阪神で最多となる20得点の大勝で、2位ヤクルトとのゲーム差をなしで肉薄した。阪神の1試合20得点は球団3位タイで、20点以上は6度目。前回は18年9月16日DeNA戦(横浜)で、大山が6打数6安打3本塁打し、投手の藤浪が満塁本塁打を放った。

◆阪神は5番ジャスティン・ボーア内野手(32)、3番ジェリー・サンズ外野手(32)が球界史上初の新外国人選手アベック満塁弾を決め、2連勝で貯金を今季最多の2とした。2年目矢野阪神で最多となる20得点の大勝で、2位ヤクルトとのゲーム差をなしで肉薄した。 矢野燿大監督の一問一答 -20得点 矢野 20点か、あんまり記憶にないんだけど。 -2発の満塁弾 矢野 それも印象に残っているし、聖也(木浪)が4本? 悠輔(大山)だけ打っていない? あとはみんな打ったなって。 -木浪と試合前に話していたが 矢野 自分の経験から見ていても、調子が悪いとボールを長く見たいし、体重を前に移動したくないというのを勘違いしちゃうんだけど。ボールを長く見たいし、体重が前に行っちゃダメだって。残りすぎて結局、打ちにいく時に受けちゃっている形になっていたから。どっちかというと、静止して「静から静」で動かずにボールを見るのは難しい。動きながら「動から動」でボールを見に行く中でボールを探さないと。調子悪くなるとどうしても止まっちゃう。最後の泳ぐっていうのも泳いだらダメだって調子悪くなると思っちゃうけど、逆に泳いでいっても胸だけ見せなかったら対応できると思うで、ということを言って。「動から動」で動いて打ちにいったらいいんじゃないっていうことを言って。それが良かったかどうかわからんし、バッティングコーチも毎日ね、一生懸命言ってくれてるから。俺の今日のその一声だけじゃなくて。両バッティングコーチも。よかったと思います。 -ボーアは26日の中日戦でも1発。乗ってきたか 矢野 乗るというまでにはまだもうちょっとというか、まだまだ伸びしろあると思う。ただ1本出たら楽になるやろなとは思ってたし、それが今日につながった。もっともっと乗って欲しい。 -守備も負傷した影響は少なそうに見えるが 矢野 もちろんね、張りもあるしデッドボールもあるしね。万全じゃなくてもその中でも一生懸命やる気持ちをあいつも持ってる -サンズも持ち味の右方向への強い打球 矢野 自分のポイントでタイミングで打てるのがジェリーの強さ。最後、引っ張って打つあたりもそうやし、自分の形がありながら、応用できる形になっている。四球も得られるしね。得点圏で何かしてくれるんじゃないかなと期待を持てる打者。満塁ホームランが今日は目立つけど、ジェリーもいい形に落ち着いてきたかなと思います。 -新助っ人のそろい踏み満塁弾がNPB初 矢野 そうなんや。満塁本塁打もそんな出るものじゃないしね。すごいことやね。 -打線は1、2番を近本、糸井で組んだ 矢野 いろいろ、健斗(糸原)がケガしたことで2番がどうなのかなと探りながらやっていたんだけど。みんなを試せるようなところにみんなの状態が上がってきている。今日は嘉男(糸井)を2番でいって、どうなのかなというのを見たかったので。ハマったとまでは俺も言いにくいけど。嘉男もまだまだ上がると思う。シーズンの中で状態、つながりをみながら。その1つとして今日は試してみました。 -近本も出塁が多かった 矢野 今日みたいにいい当たりじゃないのにヒットが出るというのは、やっぱりらしさも部分もあるし。気分が全然違うんでね。数字って、どうしても見えちゃうから。でも、ああいうヒットで数字が上がってくると乗りやすいし。ああいうヒットが出ると波に乗れる前の感じかなと思いたい。 -秋山が投げ抜いた 矢野 最後までいってくれたのが良かったし、雨の中、足場もちょっと緩い中で投げるのも簡単ではなかった。最後まで投げてくれたのは明日につながる。9回を1人で投げるのは、投手としてやりたいことの1つ。そういう意味では、アキ自身も良かったと思うし、チームも助かった。いい火曜日になったと思います。

◆ヤクルトは、今季初めて山崎晃大朗外野手(26)が1番でスタメンに名を連ねた。 2番には、2試合連続で塩見泰隆外野手(27)が入った。「5番三塁」には西浦直亨内野手(29)が。「7番二塁」は広岡大志内野手(23)で、セ・リーグ公式戦では初めて二塁手でのスタメン出場となる。 原樹理投手(27)と西田明央捕手(28)の先発バッテリー。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(20)が、逆転の5号2ランを放った。 1点を追う4回無死二塁、カウント1-2から阪神先発ガルシアの155キロ直球を左翼スタンドへ。追い込まれてからの逆方向の1発で、試合をひっくり返した。22日DeNA戦(横浜)以来6試合ぶりの本塁打で「追い込まれていたので、ランナーをかえすことだけを意識してコンパクトに打ちました。いい結果となり、逆転できて良かったです」とコメントした。

◆スターティングメンバーが発表され、阪神・糸井嘉男外野手(38)が、「2番・右翼」で先発出場。今季初めて2番に座った。近本光司外野手(25)が、「1番・中堅」で2試合連続のスタメンと、新たな打順でセ・リーグ2位のヤクルトに立ち向かう。  また、植田海内野手(24)が、「8番・二塁」で先発出場。24日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、2試合ぶり今季2度目のスタメン起用となった。

◆阪神がヤクルトのミスから一回に3点を先制した。先頭の近本が遊撃手の失策で出塁すると、続く糸井が中前打で一、二塁。ヤクルトの先発・イノーアは制球が定まらず、サンズに四球を与え、無死満塁とすると、4番・大山の打席では、3球目に暴投。さらに大山の遊ゴロの間に走者一人が生還し、阪神は1安打で2点を奪った。  イノーアのこの回2つ目の暴投などもあり、なおも2死一、三塁から、木浪が右前適時打で3点目。前回、甲子園で対戦した15日は5回6安打1得点と抑えられた右腕をいきなり崩した。

◆阪神のジャスティン・ボーア内野手(32)が、二回2死満塁から右翼スタンドへ7号グランドスラムを放った。  「近本やジェリー(サンズ)、(大山)悠輔がそれぞれ良い仕事をして塁にいてくれたから、みんなと同じく自分も良い仕事をしたいと思っていたよ。感触は十分だったし、良いホームランだったね」  カウント3-1からイノーアの内角低め、147キロ直球を一閃。弾丸ライナーで放たれた打球は、ものすごい勢いで右翼スタンドへ突き刺さった。26日の中日戦(ナゴヤドーム)に続く、2戦連発弾。5日の広島戦(マツダ)で遠藤から放って以来、今季2本目の満塁ホームランで阪神が7-0とリードを広げた。

◆ヤクルト・宮本丈内野手(25)が28日、阪神7回戦(神宮)に「7番・二塁」で先発し、二回にプロ初本塁打を放った。  一回に3点、二回に4点を失い7点のリードを広げられたが、二回は先頭の村上が右前打、続く山崎は左翼線へ二塁打を放つなど1死二、三塁の好機で打席が回ってきた。秋山のカットボールを完璧に捉え右翼席に一閃。反撃の一打となった。  「コンパクトに強い打球を心がけました」  上半身のコンディション不良で前日27日に抹消された山田哲の代役として二塁に入った宮本。1打席目で大きな仕事を果たした。

◆阪神のジェリー・サンズ外野手(32)が、9-3で迎えた四回2死満塁の場面で、6号満塁ホームランを放った。  「前のバッターたちが良い仕事をしてくれてチャンスを作ってくれたから、良い球を待ってしっかりたたこうと思っていた。最高の仕事ができたし、ボーアとそろって満塁ホームランを打つことができるなんて信じられないし、とても興奮しているよ」  ヤクルトの左腕・坂本の外角高め148キロを逆らわずはじき返すと、打球は右翼フェンスをギリギリ越えた。二回に同じく満塁弾を放ったボーアに続いて、S砲にもグランドスラムが飛び出し、阪神は13-3と大きくリードを広げた。

◆阪神打線が大爆発し、ヤクルトに圧勝した。打線は今季最多の18安打20得点。一回に3点を先行すると、二回にはボーアがイノーアから7号満塁弾。今季2度目のグランドスラムでリードを広げると、四回にはサンズが坂本から6号満塁アーチを放ち、勝負を決めた。来日1年目の助っ人の満塁弾競演は史上初。阪神打線は止まらず、六回は木浪の2号3ランが出た。大量援護に守られた秋山は完投で3勝目を手にした。

◆雨を切り裂き、白球は右翼スタンドへと突き刺さった。阪神・ボーアが満塁弾を放ち、ゆっくりダイヤモンドを一周し、ベンチでは恒例の"ファイアボール"が飛び出した。  「近本やジェリー(サンズ)、悠輔(大山)がそれぞれいい仕事をして塁にいてくれたから、みんなと同じく自分も良い仕事をしたいと思っていたよ。感触は十分だったし、いいホームランだった」  3-0の二回だ。2死満塁で打席に立つと、カウント3-1からイノーアの低め、147キロ直球を振り抜いた。引っ張った打球は弾丸ライナーでスタンドに飛び込む満塁本塁打となった。  右臀部の張りから復帰して以降、なかなか安打が出なかったが、26日の中日戦(ナゴヤドーム)で、復帰12打席目にソロを放つと、これで2戦連発。調子が戻ってきた。  さらに、グランドスラムは5日の広島戦(マツダ)で遠藤から放っており、これが早くも今季2本目だ。  阪神で1シーズンに複数の満塁本塁打を放ったのは2013年の新井良太(3本)以来。外国人では10年のマートン(2本)以来でさらに、左の助っ人に限れば1985年のバース以来と並ぶ記録となった。  ヤクルトの先発・イノーアと今季3度目の対戦だった。6月23日の神宮は9安打4得点で土をつけたが、7月15日の甲子園では5回6安打1得点と攻略できなかった。だが、この日は相手のミスもあり、二回まで6安打7得点でマウンドから引きずり下ろした。  四回にはサンズが坂本から満塁アーチを放つなど打線爆発。「前のバッターたちが良い仕事をしてくれてチャンスを作ってくれたから、良い球を待ってしっかりたたこうと思っていた。最高の仕事ができたし、ボーアとそろって満塁ホームランを打つことができるなんて信じられないし、とても興奮しているよ」。外国人コンビのアベック満塁弾は球団史上初。NPBでは1978年4月20日の広島(対中日。ギャレット、ライトル)以来、2度目の出来事となった。  大量得点を奪い試合の流れを渡さなかった。3位で迎えた2位・ヤクルトとの3連戦初戦は18安打20得点の爆勝。猛虎打線が一丸となって、今季初の貯金「2」を手にした。

◆阪神は今季最多の18安打20得点の猛攻でヤクルトに勝ち、今季最多の貯金2とした。矢野燿大監督は試合後、大量得点に「20点か、あんまり記憶にないんだけど。2018年以来? そうなんや、18年にあったんや」と話した。  ボーア、サンズのアベック満塁弾で試合を決めた。ボーアについては「乗るっていうまでには、まだもうちょっとというか、まだまだ伸びしろあると思うので。ただ1本出たら楽になるやろなとは思っていたし、それがきょうにつながったので。いい流れで来てる分、こっちはもちろんね、打ってもらうことを期待してるので。まだまだ乗ったとはいえないので。もっともっと乗ってほしい」と話した。  右方向に満塁弾を放ったサンズについては「自分のポイントでタイミングで打てるのがジェリー(サンズ)の強さ。最後、引っ張って打つ(六回の左前打)あたりもそうやし、自分の形がありながら、応用できる形になっている。四球も得られるしね。得点圏で何かしてくれるんじゃないかなと期待を持てる打者なんで。満塁ホームランがきょうは目立つけど、ジェリーもいい形に落ち着いてきたかなと思います」と話した。

◆不振脱出が期待される阪神の木浪が今季初の4安打をマークした。  一回に右前に適時打を運び、二回は中前へ。六回はサウスポー中沢のスライダーを捉え、右中間へ放り込む2号3ランとし「思い切って自分のスイングをすることができた。本塁打になってくれて良かった」。満足することなく、九回は右翼線に二塁打を放った。  主に遊撃でチャンスを与えられてきたが、1試合に2安打したのが最多で、試合前まで打率1割台と苦しんでいた。7番打者として四球二つを含め、全6打席で出塁。切れ目のない攻撃の構築を力強く支えた。

◆梅野は14-3の六回1死満塁で中前2点打を放ちダメ押し。「いい流れに乗って自分も打つことができました。何点あってもいいですし、明日にもつながると思うので、打つことができて良かったです」。二回には全力疾走で遊撃内野安打を記録して5打数2安打。チームトップの打率・341と好調をキープした。

◆糸井は今季初めて2番で先発出場。一回無死一塁から中前打でチャンスを拡大して先制攻撃に貢献した。昨年の4月19日以来となる場所で起用した矢野監督は「健斗(糸原)がけがしたことで2番がどうなのかなと探りながらやっていた」と説明。4打数1安打で打率・258と本調子とはいえない超人に将は「嘉男もまだまだ上がると思う」と期待をかけた。

◆秋山は3被弾したが、9回9安打5失点。2018年5月8日以来812日ぶりの完投勝利を挙げ、自身3連勝とした。「結果はともあれ、1人で投げ切れたので、また次に向かって頑張ります」。粘りの投球以外で目立ったのは自慢の打撃。三回には遊撃内野安打を放ったが、他の打席はすべて三振でプロ野球記録の1試合5三振となった。序盤に大量援護をもらったこともあり「自分で勝ったという試合を早くできるように、また明日から頑張りたいと思います」と力を込めた。

◆3年目の宮本が「7番・二塁」で先発し、二回1死二、三塁でプロ初本塁打となる3ランを放った。「コンパクトに強い打球を心がけました」と阪神先発・秋山のカットボールを完璧に右翼席に運んだ。履正社高から奈良学園大を経て、2018年にD6位で入団。27日に抹消された山田哲の代役で出場した25歳を高津監督は「ああいう一発を彼が打つとチームの雰囲気もガラッと変わる」と褒めた。

◆2014年8月5日の阪神戦(神宮)以来となる20失点での敗戦。ヤクルト・高津臣吾監督(51)は「何とか勝とう、何とか1点、何とか1点でも少なくという姿勢を持っていかないとね。明日も明後日もゲームはあるわけだから」と振り返った。  先発のイノーアが2回6安打7失点と試合を壊した。チームは最近10試合中8試合で一回に失点。「今週は、今週はと思ってやったけど、来週はありませんね」。指揮官は白星のない新助っ人の抹消を決めた。  救援陣も失点を重ねて計12四死球、10試合連続の2桁被安打。高津監督は「何で負けたのか、ストライクが入らなかったのか。分析しないとまた同じミスを繰り返してしまう。反省して、検証して、次に生かさないといけない」と語気を強めた。(長崎右)

◆ドバドバッと、全部出た。木浪が出れば、本来の打撃を出せば、こんなにも打線はつながる。全6打席出塁。2号3ランを含むプロ初4安打だ。  「思い切って自分のスイングをすることができた。しっかり捉えることができたし、ホームランになってよかったです」  16-3の六回1死一、二塁だ。中沢が投じた高め124キロの変化球を一閃。14日のヤクルト戦(甲子園)以来12試合ぶりの2号を右中間席にほうり込み、16点差に広げた。九回にも右翼フェンス最上部直撃の二塁打を放って、島田の適時打で20点目の生還。ずぶぬれになり、野手では植田とただ2人フル出場した。  キャプテンはチームを離れ、ライバルは目を覚ましつつある。結果が必要だった。22日の広島戦(甲子園)で、糸原が右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折。木浪は翌23日以降の4戦で3度「8番・二塁」でスタメン出場し、絶好調だった主将の"穴を埋める"ことを求められた。だが4戦で計9打数1安打と奮わず、植田&北條との激しい競争は、なお続いていた。  遊撃で先発出場。試合前の矢野監督からのアドバイスも効いた。将は「調子が悪いと球を長く見たい。打ちにいくとき受けちゃっている形になっていた。『動から動で動いて打ちにいったらいいんじゃない?』ということを言って」と振り返る。  指揮官が"動かした"木浪が打線をつなぎ、試合を大きく動かした。虎の二遊間にとっても希望の、4安打4打点になった。(長友孝輔)

◆自慢の快足をぐんぐん加速させた。塁に出れば、必ずホームにかえってくる! 2試合連続で「1番」のスタメンを任された近本が、レジェンド藤田平らと並ぶ、球団記録の1試合5得点だ。  「僕の中ではきょうはそれ(得点)が一番良かったです。初回もエラーではありましたけど、しっかり出塁できたし、後ろの打者の方々がチャンスでかえしてくれるので、そういう場面を多く作ることができた」  真骨頂をみせたのは三回の第3打席。無死二塁からセーフティーバントした打球は三塁線を絶妙に転がった。こうなれば昨季の盗塁王の独壇場。ものすごい速さで一塁を駆け抜けた。  さらに四回は一塁にボテボテの当たりも、カバーに入った二塁手・宮本と競走。もちろん、勝ったのは近本。足で奪った2本の内野安打に打席で粘って勝ち取った2四球。さらに失策で塁に出た一回も合わせ、そのすべてでホームを踏んだ。  不振に苦しんだ男の影はもうない。6試合ぶりのスタメンとなった26日の中日戦(ナゴヤドーム)では、4安打の固め打ちで存在感を出した。復調の猛アピールで、2試合連続のスタメンとなったこの日。前戦と違い、きれいな安打こそなかったが、矢野監督は「ああいうヒットが出ると波に乗れる前の感じかなと思いたい」と完全復活を予言した。泥臭く、必死になって塁に出た5打席すべてに意味がある。らしさを取り戻した背番号5は胸を張った。  「(球団)記録は知らなかったですけど、得点はシーズン前から『こだわっていきたい』と言ってきた数字。そういう意味で記録が付いてきたことは良いことだと思いますし、きょうは自分の仕事をしっかりすることができた」  「1番・近本」が塁に出れば、やはり得点に結びつく。打線の起爆剤は虎の韋駄天しかいない。(原田遼太郎)

◆ドッカ~ン! ミサイルのように低く、すさまじい弾道の打球はぐんぐんと伸び、右翼席に突き刺さった。ボーアの活躍に発奮し、サンズも負けじと来日初のグランドスラム。ベンチに戻ると、巨体を揺らし、ちゃめっ気たっぷりに大はしゃぎした。  「タイミングも遅れながら、ああいうバッティングで切れずにフェアで残ってくれた。ホームランもうれしいけど、満塁ホームランというのはさらに気持ちがいい。喜びはひとしおだよ」  驚愕の一打を放ったのは9-3の四回だ。2死満塁で坂本の外角の直球を振り抜くと、ライナー性の打球はそのまま右翼ポール際へ着弾した。今季6号の満塁弾で試合を決定づけ、喜びを爆発させた。  助っ人のバットはまだまだ止まらない。二回の第2打席で中前打を放てば、三回にも右前適時打。さらに六回にも安打を記録し、今季初の1試合4安打&5打点の大暴れだ。14日のヤクルト戦(甲子園)以来、12試合ぶりの猛打賞で規定打席に満たないものの、打率・316まで上昇した。  チームも今季最多の20得点で圧勝。お祭り騒ぎの神宮の中心にサンズがいた。矢野監督も「自分のポイントで、タイミングで打てるのがジェリー(サンズ)の強さ。得点圏で何かしてくれるんじゃないかなと期待を持てる打者」と目を細めた。  サンズは好調の理由を聞かれ「他の選手が塁に出てくれるのが大きい。チームメートの活躍が勝利につながっているんだと思うよ」と同僚のアシストに感謝した。得点圏打率・500(18打数9安打)と勝負強さを数字が示している。また、二回にアベックで満塁弾を放ったボーアについては「彼の存在は大きい。ランナーがいる場面でしっかりかえしてくれるようないいバッター」と語った。いい相棒であり、ライバルが近くにいることが何よりも刺激になっている。  「今はいい仕事ができているので続けていきたい」  恐怖の「3番・サンズ」の快進撃は序章だ。(織原祥平)

◆正真正銘の史上最強コンビや! 阪神はヤクルトに18安打20得点で大勝。二回、ジャスティン・ボーア内野手(32)が今季2度目の満塁本塁打を放つと、四回にはジェリー・サンズ外野手(32)もドカン! NPB史上初の新外国人による1試合2発のグランドスラムで今季最多の貯金2。2位・ヤクルトとはゲーム差なし。猛虎祭や! さぁ踊れ~!  雨が降り続ける神宮で、猛虎打線に火がついた! ボーアの"ファイアボール"の破壊力にドラゴンボールの孫悟空もびっくり!? 弾丸ライナーで右翼スタンドに突き刺す満塁弾。サンズと、史上最強の助っ人コンビであることを証明した。  「満塁ホームランはすごく気持ちよかった。前のランナーがいい仕事をしてくれたので、それに続いていい仕事ができてよかった」  3-0の二回2死満塁の絶好機で打席に立った。味方の失策から崩れ始めるイノーアの直球を豪快に振り抜いた。右翼ポール際へ、ズドン! 26日の中日戦(ナゴヤドーム)から2試合連発で一方的な展開とした。  グランドスラムは5日の広島戦(マツダ)でも遠藤から放っており、早くも2本目。虎の左打ちの助っ人で1シーズン複数の満塁弾をマークしたのは1985年のバース(2本)以来。"再来"であることを裏づけた。  これに触発されたのか、四回2死満塁で今度はサンズが放物線を描いた。ボーアと同じ、またしても鋭く右翼席へ-。  NPB史上、外国人選手2人による1試合2本の満塁弾は1978年4月20日の広島のギャレットとライトル以来42年ぶり2度目だが、来日1年目では初。開幕から18打席連続無安打と球団ワースト記録を樹立したボーアらが、長い日本球史に名を残すことになった。  ボーアは19日の中日戦で臀部の張りを訴えて欠場した。メジャー通算92本塁打。体をひねって強くスイングするからこそ、尻の筋肉に負担がかかる。ヘッドスライディングなどハッスルプレーによる影響もあった。幸いにも登録抹消は避けられたが、24日の同戦でスタメン復帰しても2試合連続無安打と苦しんだ。  まだ患部の状態は万全ではない。でも、痛くても打つ。ダイヤモンドを一周すれば、思いきり吠える。ド根性でサンズとともに来日初の5打点をマークしたボーアに矢野監督もハッパをかける。「まだまだ伸びしろある。まだまだ乗ったとはいえない。もっともっと乗ってほしい」。まるで成長著しい若手のようにハードルを上げられた。  「何よりも20点取れたことがよかった。(満塁本塁打は)うれしかったし、チームメートに恵まれているのが大きい」  ボーアは周囲に感謝した。今季最多の18安打20得点で昨年6月22日以来の貯金2。開幕直後は黒星が続き、100敗ペースといわれたが今や54敗ペースまで半減。7月に入り8カード連続で初戦に勝ち、2位ヤクルトにゲーム差なしと迫った。  勢いに乗るチームをさらに上へと導く。そのために海を渡ってきた。愉快な猛虎祭はまだまだ続く。その主役は、もちろんボーアだ。(菊地峻太朗)

◆投手目線で、近本の状態が上がっているのは感じる。それは2本のヒットよりも、2つの四球の方だ。ボールを見極められている。26日の中日戦で4安打したことで、気持ちの中で、くすぶっていたものが吹っ切れたのではないだろうか。  打ちたい気持ちが強すぎると、体が前へと流れてしまう。しかし気持ちに余裕が出ると、ボールを呼び込んで、しっかりとしたスイングができる。ボールもきっちりと見極められる。ほんのわずかなことだが、これが大きな違いを生む。  1番打者の復調は頼もしい限りだ。そして何より中軸の外国人だろう。特にサンズ。内角に弱点は感じるが、投手というものは、なかなか内角に投げ込めないものだ。特に外国人に対しては簡単ではない。外寄りにはめっぽう強いだけに、内角を気にすることなくやっていけば安定して打つだろう。ボーアも外に沈む球を見極められるようになったことが大きい。だから甘い球を仕留められる。4番・大山を含め、現状ではリーグトップクラスのクリーンアップではないか。(本紙専属評論家)

◆やっぱ阪神はサイコーや!! 大好きや、愛しとるでェ、タイガース!!  コロナの影響で、何と今年の公式戦生観戦は本日が初めてだったのだ!!  その試合に取りもとったりの20得点&ボーア、サンズのアベック満塁ホームランなんてプレゼントを用意してくれるなんて...。ウェ~ン、もう涙がドボドボ...。55年間、阪神ファンをやっている中でも最上級の夜をアリガトウ!!  コロナにより5000人の観客の試合ってどーなってんの、と興味津々...。入場でダラダライライラと並ばされるのを覚悟していたけど、さすが歴史のある神宮球場! 除菌から体温検査に立ち止まったら、一瞬にして検温マシン(?)が測定、荷物検査もスムーズ、もちろんお客さんは100%マスク。そして、他球場で問題になった大声問題。やっぱり東京でもおしゃれな青山にある神宮のヤクルトファンは紳士!! いや、それを超越して粛々というか、厳粛というか、試合中ほとんど無言だったもんね~。  えっ、虎の一方的な試合に口あんぐりで言葉も出なかった? こりゃまた失礼いたしましたー!! さあ、山田哲も雄平もいないうちにヤクルトを飲みまくったれー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
2092 0.690
(↑0.011)
-
(-)
89162
(+4)
99
(+2)
48
(+2)
19
(+1)
0.268
(↓0.002)
3.120
(↑0.07)
2
(-)
ヤクルト
15134 0.536
(↓0.02)
4.5
(↓1)
88153
(+5)
178
(+20)
30
(+3)
21
(-)
0.256
(-)
5.090
(↓0.35)
3
(-)
阪神
16141 0.533
(↑0.016)
4.5
(-)
89138
(+20)
126
(+5)
36
(+3)
23
(-)
0.256
(↑0.006
3.790
(↓0.04)
4
(-)
DeNA
15171 0.469
(↓0.015)
6.5
(↓1)
87141
(+2)
128
(+4)
35
(+1)
5
(-)
0.277
(↓0.001)
3.830
(↓0.02)
5
(1↑)
中日
13201 0.394
(↑0.019)
9
(-)
86108
(+3)
163
(+2)
19
(+1)
6
(-)
0.249
(-)
4.400
(↑0.07)
6
(1↓)
広島
11173 0.393
(↓0.014)
8.5
(↓1)
89146
(+2)
154
(+3)
31
(-)
14
(+1)
0.289
(-)
4.620
(↑0.06)