中日(★3対9☆)阪神 =リーグ戦9回戦(2020.07.26)・ナゴヤドーム=
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阪神
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中日
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勝利投手:藤川 球児(1勝2敗2S)
敗戦投手:福 敬登(2勝2敗0S)

本塁打
【阪神】ボーア(6号・6回表ソロ),大山 悠輔(8号・9回表2ラン)
【中日】福田 永将(1号・4回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神が逆転勝利。阪神は1点ビハインドで迎えた8回表、2死一二塁から福留の適時打で同点とする。なおも続く好機で梅野が勝ち越し適時打を放つなど、この回一挙5点を奪った。投げては、4番手・藤川が今季初勝利。敗れた中日は、救援陣が踏ん張りきれなかった。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が岩貞祐太投手(28)、中日が梅津晃大投手(23)。先週19日の同カード(甲子園)と同じ投げ合いとなった。 阪神は打撃不振で先発を外れていた近本が「1番中堅」で6試合ぶりにスタメン復帰。リーグワーストの打率1割9分4厘と苦しむリードオフマンが、連敗阻止のカギを握る。「5番一塁」で先発の新助っ人ボーアは、右臀部(でんぶ)の張りからスタメン復帰して3試合目。ここまでナゴヤドームで18打数2安打、打率1割1分1厘。東京ドームの12打数無安打と合わせ、ドーム球場では30打数2安打、打率0割6分7厘と沈黙している。嫌なデータを払拭(ふっしょく)できるか。

◆阪神岩貞祐太投手(28)が自身の悪送球から崩れ、4回4安打3失点(自責2)で降板した。 3回1死一塁から2番大島の投ゴロをまさかの二塁悪送球。1死一、二塁と傷口を広げると、3番阿部、4番ビシエドに連続適時打を浴びて2点を失った。4回には1死から7番福田に右中間へ本塁打を被弾。5回の打席で代打を送られた。

◆阪神近本光司外野手(25)が反撃の適時打を放った。ここ最近は打撃不振で先発を外れていたが、「1番中堅」で6試合ぶりにスタメン復帰。3点を追う5回2死一、二塁、中日先発梅津の変化球を中前に運んだ。初回の中前打と合わせてマルチ安打とした。打線のカギを握るリードオフマンが、復調の兆しを見せた。 チームは前日25日に悔しい完封負け。得点は24日広島戦(甲子園)の7回以来、16イニングぶりとなった。

◆阪神の新助っ人ジャスティン・ボーア内野手(32)が1点差に迫る6号ソロを放った。 「5番一塁」で先発し、2点を追う6回2死無走者。中日先発梅津の外角高め直球をはじき返した。逆方向に舞い上がった打球は左翼ポールを直撃した。ゆっくりダイヤモンドを1周すると、ベンチ前ではおなじみのパフォーマンス「ファイアポーズ」を披露した。 「リードされている展開だし、チームになんとか勢いをつけたい一心だったよ。まだまだ逆転できるチャンスはあるから、チームみんなで勝ちにいきたいね」 B砲は右臀部(でんぶ)の張りで19日中日戦(甲子園)から3試合欠場し、23日広島戦(甲子園)に代打で実戦復帰。24日中日戦(ナゴヤドーム)からスタメンに戻っていた。復帰から11打席連続で無安打だったが、待望の安打を本塁打で飾った。

◆阪神福留孝介外野手(43)が気合の同点打を放った。1点を追う8回2死一、二塁。左腕福の外角直球を左前に運んだ。2塁走者江越が一気に生還し、試合を振り出しに戻した。 この回、無死一、二塁と絶好機を作るも4番大山が三塁併殺に倒れて万事休すかと思われた。しかし、そこから5番ボーアが四球でつなぎ、福留の一打が生まれた。仕事を果たした球界最年長の福留は、一塁上で派手にガッツポーズ。珍しく感情を表に出して、喜びを表現した。

◆阪神梅野隆太郎捕手(29)が打線の勢いに乗って逆転適時打を放った。 1点を追う8回。中日3番手福を攻めたて、6番福留が同点打。なおも2死一、三塁、中日ベンチはたまらず4番手ゴンサレスにスイッチしたが、その代わりばなを梅野がたたいた。外角低めの変化球を捉えて左前へ運び、試合をひっくり返した。 阪神打線の猛攻は止まらず、その後も代打中谷の2点適時打、近本にも適時打が飛びだしてこの回一挙5得点。ここぞの集中力で試合の流れを完全に引き寄せた。

◆中日は3回1死一、二塁、阿部、ビシエドの連打で2点を先制。中日先発梅津は無難に立ち上がり、3回まで2安打無失点。 中日は4回に福田の1号ソロで1点を追加。阪神は5回に1点をかえし、6回にはボーアの6号ソロで1点差とした。 阪神は8回、福留の左前適時打などで一挙5点を奪い逆転。阪神藤川は1勝目、中日福は2敗目。中日は両リーグ最速の20敗目。

◆阪神藤川球児投手(40)が今季初めて勝利投手になった。 2-3の7回に登板。先頭溝脇に四球を与えたが、1死二塁から大島を146キロで一飛。最後は阿部をフォークで三振に斬って1回無安打無失点。8回に味方が一挙5得点を挙げて白星が転がり込んだ。NPB通算60勝目。 ▼40歳0カ月の藤川が今季初勝利。今季の阪神は41歳の能見が7月19日中日戦で勝利。同一球団で40歳以上の投手2人が白星は、07年オリックスの吉井1勝と吉田2勝、18年中日の山井3勝と岩瀬2勝に次いで3度目で、阪神では初めて。

◆阪神が逆転勝ちで貯金を1に戻した。 3点を先行されたが、5回に近本が中前適時打。6回にボーアが6号ソロ。1点差に迫って迎えた8回には2死一、二塁で福留が同点左前適時打、さらに梅野が勝ち越しのタイムリー。相手の失策で好機が続くと、2死満塁から代打中谷が2点打、近本がこの日4安打目の右前適時打とたたみかけ、この回5点を奪った。 9回には大山がトドメの8号2ランを左翼席に運んだ。 投手陣は先発岩貞が4回で交代。能見、望月とつないで1点ビハインドの7回に藤川が登板。リードして迎えた8回はガンケル、9回は小川が走者を背負いながら無失点だった。 7回の1イニングを無失点だった藤川は今季初勝利をマークした。

◆阪神先発岩貞祐太投手が逆転勝ちに救われた。0-0の3回1死一塁から2番大島の投ゴロを二塁悪送球。1死一、二塁と傷口を広げると、続く3番阿部、4番ビシエドに適時打を浴びて2点を失った。 自身のエラーからリズムを崩した形で、4回には7番福田にソロ本塁打を被弾。4回4安打3失点で降板した左腕は「自分のミスから失点してしまい、チームに迷惑をかけて申し訳ないです」と反省しきりだった。

◆阪神中谷将大外野手も今季初タイムリーで中押しした。 梅野の適時打で逆転に成功した8回、なお2死満塁。代打で登場すると、ゴンサレスの真っすぐに詰まりながらも2点打を左前に運びリードを3点に広げた。「いい流れだったので、その流れに乗って打つことができました」。17日の1軍昇格後は主に代打で打率3割7分5厘。8打席の内訳は3安打5三振と、思い切りのいいスイングで存在感を発揮している。

◆阪神4番大山悠輔内野手がダメ押しの8号2ランを放った。4点リードの9回無死二塁。2ボールからドラフト2位ルーキー橋本の真っすぐを左翼席へ。 「一番大切な打席で打つことができず、みんなにカバーしてもらったので、1点でも多く取るという気持ちで打ちました。一発で仕留めることができて良かったです」。1点を追う8回無死一、二塁で併殺に倒れた悔しさを忘れず、トドメ弾を運んだ。

◆阪神は8回、福留の左前適時打などで一挙5点を奪い逆転勝利を収めた。矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -8回、福留の同点打が大きかった 矢野監督 雰囲気あったし、なんとかしてくれるという思いで見てた。簡単じゃないと思うけど、追い込まれてからしっかり。まず、あれがでかいね。(8回の攻撃について)将大(中谷)のタイムリーもでかい。ゲームが一気に動いた。代打でチャンスで打つのは簡単じゃないけど。あいつも苦しんだ中で、こうやってやっているんで。(福留の同点打に)リュウ(梅野)が続いたのも見事やった。近本も4本出たし、ボーアも1本出た。打線全体としては、あした1日空くというところで、ちょっと上がりそうな感じの選手も出てきたので、よかったかなと。 -近本は近本らしい打球が増えてきた 矢野監督 そうやね。今シーズン、ちょっと引っ張った打球が多くて。悪いわけじゃないけど、センター中心に打っていく中から逆方向も、というのがチカの持ち味。センターに飛びだしているのは、いい形になってきている。スタメンで出られない中で、感じるものもあるしね。そういう相乗効果というか。チームがずっと競争と言っている中で、そういうのも気持ちの中にあるんじゃないかな。 -ボーアにも1発 矢野監督 何でもいいから一発というか1本出てくれれば、本人も気分が違うと思う。 -8回先頭の植田が出塁と盗塁 矢野監督 めちゃくちゃデカいよ。あれは本当に海(植田)しかなかなかできにくいというか。ああいう選手がいてくれるのは、こっちとしてはありがたい。ああいうのがあるとスタメンで使いたくなる。 -中継ぎ陣も奮闘 矢野監督 一番は孝介と中継ぎのみんなの踏ん張り。あそこでゲームが動きそうなところを、みんながしのいでしのいでくれたから、こっちに流れが来たわけで。こういうゲームをとっていかないと、上にいけないのでね。サダ(岩貞)はちょっと...、エラーももったいないし、取られ方が悪いのでね。チームを引っ張っていってもらわないと困る投手があれじゃね。打線がなんとかしてくれたので、次しっかり自分で勝たせるようなピッチングをしてくれることを期待している。 -藤川に勝利がついた 矢野監督 前回よりも良かったと思う。まあでも、これが一番上(の状態)ではないと思う。先頭打者にちょっと慎重になっているので、先頭打者をまず取ることが落ち着ける要素になると思う。今日も先頭を出したところが球児としてもこれで良かったというところにはなってないと思う。

◆虎の福が竜の福を仕留めた。現役最年長43歳の阪神福留孝介外野手が勝負強さを発揮したのは1点を追う8回だ。 2死二塁から前打者のボーアが四球で一、二塁。福の外角球を捉え、左前に同点タイムリーを放った。「前の打者のボーアが勝負避けられた感のある四球だったんで。ちょっと気合入れてじゃないけど、ナメられてたまるかと思いながら、自分の中で考えまとめながら打席立ったんで、それが良かった」。 抜群の集中力で流れを呼び込んだ一撃。矢野監督も「雰囲気あったし、何とかしてくれるという思いで見ていた」とたたえた。

◆中日が両リーグ最速の20敗目を喫した。先発梅津晃大投手を6回2失点で下げ、連敗を止めた25日に続いて1点リードでの継投を選択。ただ、もくろみは外れた。 7回2死二塁で、前日に好救援した左腕福敬登投手が3番手で登板。近本光司外野手に中前打を浴びたが、ここは大島洋平外野手の好返球で二走・梅野隆太郎捕手の本塁生還を阻止した。しかし、福の今季初となる「イニングまたぎ」が裏目に出た。8回2死二塁からジャスティン・ボーア内野手に四球を与え、福留孝介外野手に同点打。走者2人を残して降り、続くルイス・ゴンサレス投手も崩れてこの回5失点で勝利を手放した。 今季33試合で、岡田俊哉投手と並びチーム最多16試合目の登板となった福の続投について、与田剛監督は「当然、疲れも出てくる。2連投だったので何とかいけるかなというところだった」と説明。右の祖父江大輔投手が、指にマメができた影響で登板できない事情も明かした。3カード連続の負け越しで、2カ月連続の月間負け越し。指揮官は「いろんな数字、いろんな話になっていくと思うが、シーズンが終わるまでベストを尽くす」と声を絞った。

◆中日梅津晃大投手は6回2失点と好投も3勝目を逃した。 自己最多の8奪三振は逆転負けにかすんだ。5回2死無走者からドラフト1位石川昂弥内野手のプロ初失策から失点となり、6回も2死からジャスティン・ボーア内野手にソロを被弾。 試合後は「野手のミスをカバーできなかった場面とボーアの本塁打は、2つとも2死からの失点。反省したい」と後輩をかばった。

◆阪神はナゴヤドームでの試合で通算100勝に到達した。97年の同球場開場以来282試合目で、176敗6分け。借金は76で、勝率3割6分2厘。 この期間中のセ・リーグ本拠地別では最低の成績だが、区切りの勝利を機に反転攻勢に移りたい。

◆決勝打は絶好調の選手会長、阪神梅野隆太郎捕手(29)だ。8回に福留孝介外野手の適時打で同点に追いつき、なおも2死一、三塁の場面。ゴンサレスの初球、外低めに入ったチェンジアップを迷いなく振り抜いた。 「集中力だけは持って、打席に入って、どんな結果でも恐れずに初球から打とうと決めていた」。逆転成功の左前タイムリーに、ベンチは総立ちのガッツポーズだ。 2回と7回は右前打を放ち、5打数3安打で今季2度目の猛打賞。打率3割3分7厘はチームトップ、リーグ7位の好成績だ。強肩バズーカ捕手は、開幕からバットも振れている。「どんな形であろうと、全力疾走だったり、凡打になったところでも一生懸命やっているところが、いい意味で返ってきている」。いい当たりでもアウトになれば悔しがり、ボテボテの当たりでも最後まで諦めない。全てにひたむきな姿勢が、好結果につながっている。 小さなファンも大事にしている。前日25日の試合前、スタンドに近本のユニホームを着た女の子を見つけると、自身のバットを手渡した。「これ試合で使ってて、ひび入ってるバットだけど、よかったら」。女の子は驚きながらも笑顔で大喜び。周囲も温かい拍手と歓声で包まれた。 「自分が開幕からずっと試合用で使ってたバットが、ちょっとヒビ入ってしまったんで、誰かそれで喜んでくれたらと思って。野球選手は、なにか人が喜んでもらえるようなことが出来たらなと」。近くにいた誰もが、心温まる思い出になったはず。頼れる選手会長がグラウンドの内外でみんなを喜ばせる。【磯綾乃】

◆逆転劇への号砲は、ジャスティン・ボーア内野手(32)が響かせた。2点を追う6回、2死走者なしの第3打席。梅津が投じた外角高めの145キロ直球だった。 顔とほぼ同じ高さで見逃せば完全なボール球。振り下ろしたバットからはじかれた打球はグングン伸び、黄色い左翼ポールを直撃した。15日のヤクルト戦以来となる6号ソロアーチ。ドーム内に、復活を告げる激しい衝突音が響き渡った。 「リードされている展開だし、チームになんとか勢いをづけたい一心だったよ。本当に打てて良かった」 近本も久々の快音だったが、ボーアも久々の快音だ。右臀部(でんぶ)の張りを訴え、19日の中日戦から3試合欠場。復帰後も無安打が続き、故障の影響の大きさが心配された。だが23日広島戦で代打復帰して以来、12打席目に飛び出したヒットが待望の1発。打った本人もひと安心だ。 冷やりとするシーンもあった。2回の1打席目に梅津の147キロが右足に直撃。2回守備に就く前には場内に「ボーア選手が治療を行っています」とアナウンスが流れた。試合後は「大丈夫だよ」と笑ったが、痛めた臀部も含めてまだ万全の状態でない。だが、気持ちはいつも前向きだ。 「野球なのでいいときも悪いときある。自分が今までやってきたこと、思ってきたこと、自分の信念を貫くことが一番。今日も何も変えずに臨んだらホームランになったよ」 誰よりも安心したのはヤキモキしていたであろう矢野監督だ。「何でもいいから1発というか、1本出てくれれば、本人も気分が違うと思う。(調子が)上がってもらわな困る」。6回のボーア弾が逆襲の合図となり、8回には一挙5得点の猛攻。近本の復活も大きいが、ボーアの復活も大きい。首位巨人猛追へ、明るい希望を感じる日曜日になった。【桝井聡】 ▽阪神井上打撃コーチ(ボーアについて)「これをきっかけにしてほしい。昨日も言ったように、万全ではないと思う。でも試合に出たいという意気込みとか、クリーンアップ打ってる責任感とか、そういうものは大事にしてあげたい。明日は休めるし、また調子の良かったときのボーアが帰ってきてほしい」

◆阪神ジョー・ガンケル投手が昇格後2試合連続無失点に抑えた。 味方の大逆転を受けて8回に登板。A・マルティネスと福田に2安打されたが後続を断った。「リズム良く投げることが大事な展開だったから、ストライクゾーンで勝負することを心掛けたよ。ヒットは打たれてしまったけれど、役割を果たすことができて良かった」。先発では結果を出せなかったが、再昇格した中継ぎで力を発揮しつつある。

◆虎のリードオフマン復活だ。阪神近本光司外野手(25)が6試合ぶりにスタメン復帰し、今季初の4安打固め打ち。昨季のセ・リーグ新人最多安打から一転、打率リーグワーストに沈む男が、2本の適時打などで逆転勝ち&3位再浮上を導いた。 チームは前回3タテを食らった敵地中日戦に勝ち越し、7カード負け越しなしで再び貯金1。首位巨人猛追は、輝きを取り戻した背番号5が引っ張る。近本が4度の快音で復調を告げた。1点を追う8回に打線が逆転。3点差に広げてなお2死一、二塁の場面。ゴンサレスの外角低め143キロを力強く引っ張った。「チームの流れ的にもいい流れで点を取って回ってきたので。その流れで来た球だけを打ちにいく感じでいきました」。鋭く一、二塁間を破るダメ押しタイムリー。ベンチに向け笑顔でガッツポーズを作った。 昨季は長嶋茂雄超えの159安打でリーグ新人最多安打記録を更新。だが今季は一転、開幕から苦しんだ。試合前までの打率は1割9分4厘でリーグワースト。不振で19日の中日戦を最後にスタメンを外れ、6試合ぶりの先発復帰だった。 だが久々のスタメンも力むことなく「自分の良さを出していこう」と、自然体で試合に入った。「ファーストストライクを打ちにいけたのが良かった。今年はあまり打ちにいけていなかったし、振りにいけてなかったので」。初回の中前打は初球を捉え、5回の適時打はカウント1-0からの2球目を中前に運んだ。中前打を放った7回の打席も、3球目のファーストストライクをファウル。4安打全てで積極的なスイングを仕掛け、結果につなげた。 開幕から調子が上がらなくても、全てに前向きに取り組んできた。コーチ陣からのアドバイスにも耳を傾け、「ちょっとずつ体も動くようになった。いろんな周りの方に教えてもらって、それが一番よかったのかな」と感謝した。がむしゃらにバットを振り、必死に復調の糸口を探してきた。 引っ張り傾向にあったが、この日は中堅方向に3安打。矢野燿大監督は「センター中心に打っていく中から、逆方向もというのがチカの持ち味。中身も、いい形になってきている」とうなずいた。6試合に及ぶスタメン落ちも「(本人が)感じるものもある。相乗効果というか、チームがずっと競争と言っている中で、そういうのも気持ちの中にあるんじゃないかな」と力に変えた姿に目を細めた。 チームは前回3タテされたナゴヤドームで勝ち越し、7カード連続負け越しなしで3位に再浮上。首位巨人も勝って4・5差はそのままだが、近本の復活は大きい。週明けはAクラスを争うヤクルト&DeNAと6連戦。近本の大暴れに乞うご期待だ。【奥田隼人】 ▼近本の1試合4安打は今季の個人ではチーム初。自身最多タイで、19年7月30日中日戦、8月4日広島戦に続き3度目。 ▼近本のマルチ安打は今季5度目。6月23日ヤクルト戦2安打、7月4日広島戦3安打、14日ヤクルト戦2安打、19日中日戦2安打以来。この5試合でチームは全勝だ。

◆途中出場の阪神植田海内野手が、8回大逆転の口火を切った。5回の守備から出場。8回先頭で迎えた打席で右前打。さらに二盗を決め、無死二塁とチャンスメークした。 矢野監督は「めちゃくちゃデカいよ。あれは本当に海(植田)しかできにくいというか。ああいうのがあるとスタメンで使いたくなる」と称賛していた。

◆スターティングメンバーが発表され、不調の阪神・近本光司外野手(25)が、19日の中日戦(甲子園)以来6試合ぶりに「1番・中堅」でスタメン復帰した。近本は試合前の時点で打率・194、2本塁打、9打点。22日の広島戦(甲子園)では途中から出場。1点を追う九回に同点打を放ち、チームは引き分けた。

◆6試合ぶりに「1番・中堅」でスタメン復帰した阪神・近本光司外野手(25)が0-3の五回2死一、二塁から中前適時打を放った。  好投していた中日の先発、梅津の外角低めのフォークを捉えた。近本は一回にも中前打。最後の先発出場となった6月19日の中日戦(甲子園)で2安打を放って以来のマルチ安打となった。

◆阪神のジャスティン・ボーア内野手(32)が1-3の六回2死から7月15日のヤクルト戦(甲子園)以来となる6号ソロを放った。梅津の145キロ直球をフルスイング。打球は左翼ポールを直撃した。  ボーアは「リードされている展開だし、チームになんとか勢いをつけたい一心だったよ。まだまだ逆転できるチャンスはあるから、チームみんなで勝ちにいきたいね」と試合中、広報を通じてコメントした。  ボーアは右臀部の張りのため7月19日の中日戦(甲子園)から欠場。同23日の広島戦(甲子園)で代打で復帰し、同24日の中日戦(ナゴヤドーム)からは3試合連続でスタメン出場しているが、復帰後、この日の2打席目まで11打席無安打だった。

◆中日・梅津晃大投手(23)が26日、阪神9回戦(ナゴヤドーム)に先発し、6回4安打2失点(自責1)だった。  「前回と同じで、先頭打者を出してしまいましが、アリエルが盗塁を阻止してくれて気持ちが楽になりました。今日のテーマにしていた、ストライク先行の投球ができたのでよかったと思います」  一回に先頭・近本に中前打を浴びたが、続く北條の打席でスタートを切った昨季の盗塁王を、女房役のA・マルティネスが好送球で刺した。ここから本来の梅津の投球が始まった。  前回登板だった19日の同戦では3回1/3を投げて5安打4四球6失点。コースを狙いすぎるがあまりにボール先行となり、取りに行ったストライクは真ん中付近に集まってしまっていた。あれから1週間、力強い直球を投げ込むなど、ストライクゾーンで勝負。追い込んでからはフォークやスライダーも使い、ボールゾーンでバットを振らせた。走者のいない場面でもクイックを使うなど、工夫のこらした投球で、毎回となる8奪三振にわずか1四球。五回は味方の失策をきっかけに失点し、六回はボーアに左翼ポール直撃の一発を浴びたが、打線が四回までに取った3点はしっかりと守り抜いた。

◆阪神は、中日に9-3で逆転勝利した。  先発の岩貞は三回、自らのエラーで1死一、二塁とされると、阿部とビシエドに連続で適時打を浴び、2失点。四回にも福田にソロを許した。  打線は3-0の五回2死一、二塁で6試合ぶりにスタメン復帰した近本が中前適時打。六回にはボーアの6号ソロで1点差とした。  八回2死一、二塁で福留の左前適時打で同点に追いつくと、なおも一、三塁で梅野も左前へ運び、逆転となる適時打。その後も代打・中谷に適時打、近本にも2点打が飛び出し、一挙5得点。打者一巡の猛攻で一気に逆転した。九回には、大山が8号2ランを放ち、試合を決めた。  阪神はこれで中日に対し、2カード連続で勝ち越し。再び貯金を「1」とした。

◆中日は26日、阪神9回戦(ナゴヤドーム)に3-9で敗れた。今月は4試合を残して8勝14敗1分けとなり、負け越しが決定。また、2013年以来、7年ぶりとなる両リーグ最速の20敗に到達した。  先発・梅津が6回2失点(自責1)と粘投。3-2の1点差を守るべく継投に入ったが、八回に回またぎとなった福が2死一、二塁で福留に左前への同点打を浴びた。ここで右打ちの梅野に対して、福と同じ左腕のゴンサレスを投入するも、初球のチェンジアップを左前に運ばれて勝ち越し点を献上。その後も味方の失策も絡んだあとに中谷に左前2点打、近本に右前適時打を許し、3-7と突き放されてしまった。九回はD2位・橋本(大商大)が大山に左翼越え2ランを浴びた。  七回で3-2の1点差。試合前時点でリーグ4位の7ホールドを挙げていた祖父江を起用できる展開だったが、ブルペンでマメをつぶしたといい、与田監督は「今日は登板できないという状況だった。長引かないように、ということで今日は急きょ、使えなくなった」と明かした。痛めた箇所や患部の状態についての詳細な情報は試合後の時点で入っていないといい、「あさって(からの広島戦)以降、どういう状況かというのはわからない」と話すににとどめた。  両リーグ最速で20敗に到達した厳しい現状については「もう、常にできることをやっていくしかないので。いろんな数字、負ければ当然、いろいろな話になっていくと思いますけど、われわれはシーズンが終わるまでベストを尽くす、ということだけですね」と話し、前を向いた。

◆しっかり立て直した。19日に登板した前回の阪神戦では3回1/3を6失点(自責点3)だった中日の梅津は変化球の制球が安定し、この日は6回2失点(自責点1)と好投。3勝目とはならなかったが「テーマにしていたストライク先行の投球ができたので良かった」と内容については手応えを実感していた。  与田監督も流れをつくった梅津について「制球力もすごくよかった」と評価した。(ナゴヤドーム)

◆阪神の近本が19日以来の先発出場で躍動した。七回までに3安打をマークし、八回もチームが逆転した後の2死一、二塁からゴンサレスの直球を右前へはじき返す適時打。「点を取っていい流れで回ってきたので来た球だけを打ちにいこうという気持ちだった」と汗を拭った。  2年目の今季は打率2割2分4厘と苦しんでおり、最近は代打や代走での出場が多い。4安打2打点の活躍にも「どんどん打っていかないといけない」と表情を引き締めた。(ナゴヤドーム)

◆4点リードの八回を投げたのは阪神・ガンケル。2死二、三塁とピンチを招いたが、左太もも裏の肉離れから復帰したばかりの代打・高橋を右飛に打ち取った。「チームが逆転してくれた直後で、リズムよく投げることが大事な展開だったから、ストライクゾーンで勝負することを心掛けたよ」。再昇格後、2試合連続の無失点。「自分の役割を果たすことができてよかった」とホッとしていた。

◆五回から登板した阪神・能見は1死一塁でクリーンアップを迎えたところで望月に交代。その望月は阿部を右飛、ビシエドを遊ゴロに抑えると、続く六回も1死二塁のピンチを迎えたが後続を打ち取った。「目の前の打者に集中できました。0点に抑えられてよかったです」。無失点でバトンを後ろにつないだ。

◆左翼ポールをたたく金属音が逆転劇の序章になった。ファンも、ベンチも心から待った豪快な一発。阪神・ボーアが目覚めた。  「本当に打ててよかったよ。ちょっと調子を崩していたから。戻ってきてホームラン打てたことはすごくよかったよ」  1-3の六回2死、梅津の高めの145キロを振り抜いた。力勝負を制す左越えの6号ソロで1点差。11日ぶりのベース一周をかみしめると、照れくさそうに恒例の「ファイアボール」を決めた。  「本当に野球ができてよかったよ。いいときも悪いときもある。やってきたこと、自分の思っていること、信念を貫くことが一番の近道。何も変えずに自分のスタイルを貫いてきたら、本塁打になったよ」  右臀部の張りを訴え、3試合を欠場した。23日の広島戦(甲子園)に代打で復帰。このカードで先発に戻ったが、前日まで2試合連続の4タコに終わっていた。復帰12打席目で待望の初安打は助っ人らしいアーチ。矢野監督は「何でもいいから一発というか、一本出てくれれば。本人も気分が違うと思う。(調子が)上がっていきそうというか、上がってもらわな」と復活を示した大砲に頼った。  負傷前の10試合で打率・395、4本塁打と暴れた矢先のアクシデントだった。短期とはいえ、影響は心配。井上打撃コーチも「万全ではないと思う。それでも試合に出たいという意気込み、クリーンアップを打つ責任感も大事にしてあげたい」と託した。  「明日は休み。野球は忘れて。リフレッシュして、しっかり寝て、次戦の準備をしっかりしたいね」  ヤクルトとの3連戦に向けてボーアは笑顔。二回の死球も「膝に当たったけど、大丈夫」と平然と一塁に向かった。トレードマークの明るさも健在だ。

◆途中出場の阪神・植田が1点を追う八回、逆転の口火を切った。無死から、左腕・福に対して右打席に立ち、右前打。続くサンズの2球目にすかさず二盗成功。「めちゃくちゃでかい。あれ(盗塁)は本当に(植田)海しか、なかなかできにくい。途中から出ていって、ああいう選手がいてくれるというのは、すごくこっちとしてはありがたい。ああいうのがあるとスタメンで使いたくなるので」と矢野監督も大絶賛。内野も外野も守れる足のスペシャリストが、一気に株を上げた。

◆阪神・中谷は逆転して1点リードとなった八回2死満塁で、藤川の代打として登場。ゴンサレスの内角直球を詰まりながらも左前に運び、2点打とした。「いい流れだったので、その流れに乗って打つことができました」。17日に今季初昇格し、初打点。勝利を色濃くした一打に矢野監督は「将大のタイムリーがでかいですよ。あれでゲームが一気に動いたから。代打で、なかなかチャンスで打つって簡単じゃない」とべた褒めだった。

◆阪神・大山が4点リードの九回無死二塁で左越えに8号2ラン。2試合ぶりの一発でダメ押しした。「さっき(八回)の一番大切な打席で打つことができず、みんなにカバーしてもらったので1点でも多く取るという気持ちで打ちました」。1点を追う八回無死一、二塁では最悪の三ゴロ併殺に倒れた。4番として勝負どころでの快音だけを求めている。

◆衰え知らずの球界最年長の阪神・福留がひと振りで虎を勇気づけ、勝利を呼び寄せた。1点を追う八回2死一、二塁。11打席ぶりの安打は、中日2番手・福の外寄り直球を左前へはじき返す同点適時打。一塁ベース上でド派手にガッツポーズだ。  「前の打者のボーアが勝負を避けた感のある四球だったので『ナメられてたまるか』と思いながら、考えをまとめながら、打席に立った。それが良かった」  打席に入る前、ビジョンに映し出された打率は・204。およそ"らしくない"数字だ。ただ、その下に映っていた得点圏打率は・333。そう、これが福留。ここ一番の集中力は43歳の今もレベルアップ中だ。  七回には梅野が本塁寸前で憤死。八回も無死一、二塁から大山が併殺打。1点が遠いと思い始めた矢先に、チームを救い、奮い立たせてくれた。  古巣・中日戦はめっぽう強く、12打数5安打、打率・417、5打点と打ちまくっている。次の獲物はヤクルト。頼れる大ベテランが、虎打線を支えている。(上田雅昭)

◆先発した阪神・岩貞は4回4安打3失点(自責2)。制球に苦しみながらも踏ん張っていたが、三回1死一塁で大島の投ゴロを二塁へ悪送球。阿部&ビシエドの適時打につなげる自滅ぶりだった。「自分のミスから失点してしまい、チームに迷惑をかけて申し訳ないです」。19日の甲子園でも中日相手に4回3失点(自責2)。歯がゆい投球が続いている。

◆4度の快音を響かせ、塁上で充実の笑みを浮かべた。6試合ぶりにスタメン復帰した阪神・近本が4安打2打点の大暴れ。バットを振れば、「H」のランプがともる-。打ち出の小づちのような打棒が復活し、長いスランプから脱却した。  「ファーストストライクを打ちにいけたのがよかったのかなと思う。今年はあまり振りにいけてなかったので」  0-3の五回、2死一、二塁で打席に立つと、先発・梅津のカウント1-0からの2球目、甘く入ったフォークを中前へ。4試合ぶりのタイムリーで反撃ののろしを上げると、6-3の八回2死二、三塁では右前適時打を放ち、試合を決定づけた。  試合開始直後の一回と七回の第4打席でも中前打を放ち、今季初の4安打。この試合まで打率・194だったが、4日の広島戦(マツダ)以来、17試合ぶりとなる今季2度目の猛打賞を記録し、・224まで上昇した。  矢野監督も「センター(方向)に(安打が)出ているのは、中身としてもいい形になってきている」と評価。「『スタメンで出るのが当たり前』から、ずっとスタメンで出られないという中で感じるものもあるし」と近本の苦悩を代弁した。  今季は開幕から21試合連続でスタメン出場してきたが、"2年目のジンクス"にぶち当たった。7月に入っても、打率1割台から抜け出せず、17日の中日戦(甲子園)で今季初のスタメン落ちを経験。21日の広島戦(甲子園)以降も5試合連続でベンチスタートとなり、悔しい思いを味わった。それでも「コーチにいろいろ教えていただいて。それでちょっとずつ体も動くようになってきて。それが一番よかった」と周囲の言葉に耳を傾け、復活のきっかけを模索した。  この日はセンター方向に3安打をマークし「ラインをしっかり入れていたのがよかった」と振り返ったが、満足する様子はない。  「率も率なので。どんどん打っていかなきゃいけない」  一皮むけて、生まれ変わったリードオフマンがこれから虎を上へと押し上げていく。(織原祥平)

◆虎のリリーフ陣が五回から無失点リレーをみせた。2-3の七回、4番手で登板した阪神・藤川が1回を無安打無失点。直後の八回に打線が逆転し、昨年6月9日の日本ハム戦(甲子園)以来となるNPB通算60勝目の今季初勝利が転がり込んだ。  1死二塁のピンチを迎えたが、フォーク主体の配球に切り替えた。大島には4球連続フォークで追い込み、最後は146キロの直球で一飛。阿部にはカウント1-2からフォークでバットに空を切らせた。  1軍復帰後、2試合連続無失点。それでも、先頭の溝脇に四球を与えるなど、直球が高めに浮いたり、抜け球となった内容に、矢野監督は「前回(23日)よりもよかったと思うが、先頭打者に、ちょっと慎重になっている。きょうも先頭を(四球で)出したところで、球児も『よかった』ということにはなっていないと思う」と注文をつけた。  セットアッパーでチーム最多の15試合に登板している岩崎が前日25日、左肘の張りで出場選手登録を外れた。虎のブルペン陣にとって緊急事態だ。開幕前に「僕はセーブがつかない場面でもチームの勝利のためならどんどん投げるつもりでいる」と熱く語っていた藤川。コンディション不良で2軍落ちを経験し、現在は自身に代わってスアレスが守護神を務めているが、チームために連投も覚悟している。  日米通算250セーブまであと「5」としている藤川について「これが一番上(の状態)ではないと思うのでね」と指揮官。調子が戻れば、クローザーに戻す方針。藤川の完全復活を待ちわびている。(三木建次)

◆チーム一丸逆転星や!! 阪神は中日戦に9-3で勝利し、3位に浮上した。1点ビハインドの八回に梅野隆太郎捕手(29)の勝ち越し打など、今季初となる打者一巡の猛攻で5点を挙げて逆転。負ければ7試合ぶりに借金生活に突入するピンチで、チームが見事に結束した。  快音を信じてリズムを打つ三塁側の虎党のメガホンが、一気に加速した。勝ち越しの走者を迎える拍手に変化すると、阪神・梅野がベンチのガッツポーズに手をあげて応えた。この日3本目の安打は殊勲打。つないで、つないで、逆転成功の一打は選手会長が放った。  「集中力だけは持って打席に入って、どんな結果でも恐れずに初球から打とうと決めていた。決勝点になって、本当にホッとしています」  八回2死一、三塁、3-3とした福留の同点打に続いて打席へ。代わったゴンサレスの初球のチェンジアップを左前へ運んだ。「ちょっと(バットの)先だったけど、打球の行方を見ながら落ちたなと確認できた」。今季2度目の猛打賞。セ・リーグ5位の打率・337と好調のバットで決勝点をもぎ取った。  「(福留さんが)ベース上で気持ちを出していた。自分も改めて『よしっ』って気持ちになった。2死からでも野球は怖いなと感じるくらい、つながりを見せられた」  1点を追う七回2死二塁、二走の梅野は近本の中前打で本塁を狙うも憤死。八回は無死一、二塁で大山が三ゴロ併殺。勢いが止まりかけたが、ここから一丸となった。今季初の打者一巡で一挙5点。四球と敵失に単打5本を絡め、まさに打線がつながった。  前日25日に完封負けを喫するなど、今季はこの日までナゴヤドームで1勝4敗。チーム打率・184と苦戦していた。過去3年も球場別の最低打率が残った"鬼門"だが、2017年8月18日の10得点以来の9得点。矢野監督は「(福留は)もう、何か雰囲気があったし、何とかしてくれるという思いで見てた。あれがでかい。リュウ(梅野)が続いたのも見事」と称賛した。  これで7カード連続負け越しなし。7月は日曜日に4戦全勝だ。3度目の貯金1で一夜で3位を奪い返し、あす28日から神宮で1ゲーム差の2位・ヤクルトとの直接対決が待っている。梅野は「どんな相手でも3連戦の頭を取れるように」と意気込んだ。  前日の試合前、観客席の女の子にバットをプレゼントした。「お客さんも入っているし。『ひび入ってるけど、よかったら』って」。ファウルグラウンドを歩き回り、わずかな隙間から手渡した。「すごく笑顔で喜んでくれた。野球選手は何か人に喜んでもらえるようなことをできたら」。コロナ禍の中での声援に感謝し、インタビューでも誓った。  「ファンのみなさんに喜んでもらえるような試合をして勝利をプレゼントできるように、日々、頑張っていきたいです」  前回の猛打賞は7月4日の広島戦(マツダ)で、そこから4連勝を飾った。チームを波に乗せるリーダーの合図で、一気にヤクルトを飲み込む。(安藤理)

◆「それでは、近本選手がバットでの鏡割りの準備が整ったようですので、参りたいと思います! 近本選手、お願いします!!」  カキーン! カキーン! カキーン! カキーン!!  「おめでとうございます! 4安打で見事スランプから脱出! 近本光司選手の復活祭の始まりでーす!!」  いや~、良かった(涙)。前日、ここで俺は心を鬼にして近本に厳しい言葉を述べたけど、早速、反骨精神を発揮してくれて、2年目のジンクスの呪縛を振り払う4安打...。もう、これで大丈夫!! さあ、ここからはバットという打ち出の小づちで、首位打者まっしぐらやー!!  梅野の決勝打や代打・中谷の2点打も、いい仕事をしてくれたけど、やはり劣勢の空気がヒシヒシと漂う中での福留さまの値千金の43歳レジェンド同点打がピカイチ輝いていたのだ。  そして、仕上げは虎の4番・大山の8号2ラン!! ところで大山く~ん、打球をより飛ばす術を覚えたのでしょうか?  かつて、ミスター赤ヘルと呼ばれた山本浩二さんが、中距離打者から9年目で40本塁打以上を放つ超長距離打者に変身した、あの姿がどこか重なってみえるんだよねェ...。ムフフフ...。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1992 0.679
(↑0.012)
-
(-)
90158
(+9)
97
(+4)
46
(+4)
18
(+1)
0.270
(↑0.003)
3.190
(↓0.03)
2
(-)
ヤクルト
15124 0.556
(↓0.021)
3.5
(↓1)
89148
(+4)
158
(+9)
27
(+2)
21
(-)
0.256
(↓0.001)
4.740
(↓0.14)
3
(1↑)
阪神
15141 0.517
(↑0.017)
4.5
(-)
90118
(+9)
121
(+3)
33
(+2)
23
(+3)
0.250
(↑0.003
3.750
(↑0.07)
4
(1↓)
DeNA
15161 0.484
(↓0.016)
5.5
(↓1)
88139
(+6)
124
(+10)
34
(+2)
5
(-)
0.278
(↓0.002)
3.810
(↓0.21)
5
(1↑)
広島
11163 0.407
(↑0.022)
7.5
(-)
90144
(+10)
151
(+6)
31
(+3)
13
(-)
0.289
(↑0.002)
4.680
(↑0.09)
6
(1↓)
中日
12201 0.375
(↓0.012)
9
(↓1)
87105
(+3)
161
(+9)
18
(+1)
6
(+1)
0.249
(↑0.001
4.470
(↓0.02)