中日(☆1対0★)阪神 =リーグ戦8回戦(2020.07.25)・ナゴヤドーム=
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阪神
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中日
00000010X1800
勝利投手:福 敬登(2勝1敗0S)
(セーブ:R.マルティネス(1勝0敗3S))
敗戦投手:西 勇輝(2勝2敗0S)
  DAZN
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◆中日は0-0で迎えた7回裏、2死三塁から井領が適時打を放ち、試合の均衡を破った。投げては、先発・勝野が6回無失点の好投。その後は3投手で無失点リレーを展開し、2番手・福が今季2勝目を挙げた。敗れた阪神は、先発・西勇が力投を見せるも、打線が援護できなかった。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が西勇輝投手(29)、中日が勝野昌慶投手(23)。 阪神は前日24日にスタメンを外れていた福留、糸井の両ベテランがスタメン復帰となった。両先発は先週18日の同カード(甲子園)と同じ投げ合い。西勇は9安打3失点、125球の熱投で完封勝利。2週連続の好投となるか。勝野はリベンジを狙う。 大山は現在、2試合連続本塁打中。これまで同一シーズンでの2戦連発は18年に2度、19年に1度あるが3戦連発はない。好調をキープする4番が、自身の壁を越えていけるか。

◆阪神が完封負けを喫し、連勝とはならず勝率が5割に戻った。打線は散発4安打。前日24日は7回に北條の3点二塁打で逆転したが、連夜の逆転劇とはいかなかった。 中日先発の勝野とは前回18日に甲子園で対戦して2点を先制したが、今回は苦戦。4回まで毎回走者を出すも、あとがつながらなかった。6回は先頭のサンズが中堅への二塁打を放つも、大山、ボーア、福留と3者凡退。勝野に6回4安打に抑え込まれた。 先発の西勇は粘りの投球で7回8安打1失点。6回無死一、三塁のピンチでは、4番ビシエドから3者凡退。しかし続く7回2死三塁で、井領に適時内野安打を許した。遊撃深めの当たりを北條が懸命に一塁送球するも、井領のヘッドスライディングがわずかに早かった。西勇は121球の力投を見せたが、今季2敗目を喫した。

◆阪神先発の西勇輝投手(29)は7回8安打1失点と好投実らず、2敗目(2勝)がついた。 中日先発勝野との投げ合い。前回登板の18日に甲子園も同じく勝野と投げ合って9安打3失点、125球で完投勝利を挙げていた。 初回からピンチを背負うも、要所を断った。2死二塁で4番ビシエドを空振り三振。昨季10打数6安打と打ち込まれた相手を抑え、無失点で立ち上がった。6回は連打から無死一、三塁のピンチを招き、ビシエド、5番A・マルティネス、6番京田を打ち取った。 打線の援護がなく、0-0で迎えた7回。100球を超えたところでつかまった。先頭福田に安打を許し、犠打などで2死三塁。1番井領に投じた117球目は三遊間へのゴロ。遊撃北條が追いついて一塁送球も、適時内野安打となった。ここまで踏ん張ってきたが、ついにリードを許し、この回限りで降板。121球の熱投も悔しいマウンドとなった。 試合後は「先発としての役割はできたと思う。けど、チームとしてはあそこの1点を防ぎたかったというのは反省しないといけない部分ではある。ボール自体は悪くなかったけど、こう打たれてしまった結果で考えないといけない。次、同じミスしないようにということだけかなと思います」と振り返った。 矢野監督は右腕の力投を「十分。打者もね...ゼロじゃ勝てないので」とねぎらった。

◆中日は勝野、阪神は西勇が先発。勝野は3回3安打無失点、西勇も3回2安打無失点と投手戦の様相で序盤を終えた。 阪神、中日とも6回に無死で得点圏に走者を置きながら無得点。勝野、西勇ともに6回まで無失点投球を続けた。 中日は7回2死三塁から井領の内野安打で1点を先制、連敗を止めた。福は2勝、R・マルティネスは3セーブ。西勇は2敗。

◆阪神ジョー・ガンケル投手(28)が1カ月ぶりの1軍マウンドで快投した。1点ビハインドの8回裏に登板。1イニングを完全投球した。 3番阿部を低めスライダーで遊ゴロに仕留めると、4番ビシエドは148キロ直球で詰まらせて再び遊ゴロ、5番A・マルティネスも148キロ直球で二ゴロに打ち取った。 「久々のマウンドだったので、しっかり低めに集めることを考えた。今日は低めのスライダーだったりボールがキレていたので、打者を抑えることができた。次も低めに投げられればと思います」 6月24日ヤクルト戦で来日初登板初先発したが、4回3失点で2軍降格。今月12日に中継ぎ要員として1軍再昇格したが、今度は14日の試合前練習中に腰の張りを訴えて、わずか2日で再び登録を外れていた。 前日24日に再び1軍登録され、接戦の場面で好投。セットアッパーの岩崎が左肘の張りで出場選手登録を抹消された状況で、来日1年目の右腕も重宝されそうだ。

◆阪神が完封負けを喫し、連勝とはならず勝率が5割に戻った。打線は散発4安打。矢野燿大監督(51)の主なコメントは以下の通り。 -先発西勇は仕事した 矢野監督 もちろん、もちろん。十分。打者もね、ゼロじゃ勝てないんで。 -中日勝野の出来は 矢野監督 立ち上がり飛ばしてたね。この前よりも球の力はあるかなという感じはしたけど。それでもゼロというのはね。バッター陣に奮起してほしかったね。 -あと1本が 矢野監督 まあまあそれはどっちもそうなんやけどね。 -4打数無安打だったボーアの状態 矢野監督 まあまあ。早く1本出るといいけど。 -ガンケルが中継ぎ登板で1回無失点 矢野監督 もちろん、申し分ないし。スグル(岩崎)もいない中で1人でも2人でも出てきてくれれば。 -岩崎は球場に来て登録抹消を決断 矢野監督 来てからというわけじゃないけど。 -大事を取って 矢野監督 そうだよ。

◆阪神が完封負けを喫し、連勝とはならず勝率が5割に戻った。打線は散発4安打。阪神のジェリー・サンズ外野手は4安打に終わった打線の中で1人、マルチ安打を記録した。 3回2死一塁で勝野から中前に運ぶと、両チーム無得点で迎えた6回は先頭で左中間二塁打。いずれも得点には結びつかなかったが、ここ6試合で4度目の2安打以上と好調をキープしている。

◆中日が今季5度目の完封リレーで連敗を止めた。先発勝野の後を受け、福が7回に登板。1死から木浪に15球粘られたが三振に仕留めこの回3人で片付けると、直後に打線が決勝点を挙げた。 「この前の負けを早く自分の中で払拭したかった。気合を前面に出して投げました」。開幕から13試合連続無失点だったが、前回23日巨人戦で5失点で敗戦投手。2勝目を挙げて雪辱を果たした。

◆巨人猛追へ、手痛いアクシデントが発生した。セットアッパーの阪神岩崎優投手(29)が25日、左肘の張りで出場選手登録を抹消された。 リリーフ陣の故障が相次ぐ今季、安定感を発揮していた「8回の男」の離脱は大きな痛手で、勝利の方程式の再々編は避けられない。当面は馬場、藤川、スアレスを軸に、能見、伊藤和、ガンケルらも交えた総動員でしのぐしかない。最下位中日に完封負けし、勝率5割に戻った矢野阪神に新たな試練が訪れた。阪神の中継ぎ陣にまた不測の事態が起きた。この日、岩崎が左肘の張りで出場選手登録を抹消された。ここまで15試合に登板して2勝1敗、6ホールド。前日24日の中日戦で8回に登板し、1回無安打無失点に抑えたばかりだった。直近は5試合連続無失点で「8回の男」として安定投球を継続。球団は大事を取っての措置と説明したが、首位巨人を猛追態勢に入った中での離脱はあまりにも痛い。 今季は中継ぎ陣の離脱が相次ぐ。開幕直後の6月25日には昨季57試合に登板した守屋が、右肩痛で抹消。翌26日には、ポストジョンソンを期待されたエドワーズが右肩のコンディション不良で抹消された。現在も2軍調整中で実戦復帰のメドが立たない状況だ。今月12日には、不調だった守護神藤川が右肩のコンディション不良で離脱。その後はスアレスが代役を務めているが、昨年防御率2・78の安定感を誇った救援陣が今年は同4・83まで下降。勝利の方程式が何度もぐらついていた。 ようやく7回から馬場、岩崎、スアレスの形が定まってきた矢先だったが、勝利の方程式の再々編は避けられない。藤川は23日の広島戦で1回0封復帰したが、矢野監督は「抑えで使いたいし、その気持ちはあるけど、全体のこともあるんで。それは状況を見てやっていきます」と慎重に言葉を選んでいた。6月30日から1軍合流した馬場は、勝ち試合の7回登板も増え、4ホールドをマーク。当面は馬場、藤川からスアレスにつなぐ形が見込まれる。 この日の中日戦は、先発西勇が7回8安打1失点と粘投したが4安打で完封負け。数少ない明るい材料はガンケルだ。この日1軍に再合流して初の中継ぎで8回に登板。3番阿部から始まる中軸を6球で3者凡退に抑えた。矢野監督も「もちろん、申し分ない。(岩崎)スグルもいない中で1人でも2人でも出てきてくれれば」と期待は大きい。経験豊富な能見や伊藤和らに加え、ガンケルも岩崎の穴を埋めるピースになりそうだ。首位巨人に追いつくためにも、接戦をものにすることが不可欠。非常事態はブルペン総動員で乗り越えるしかない。【磯綾乃】

◆中日井領雅貴外野手(30)がヘッドスライディングで決勝点をもぎ取った。 0-0の7回2死三塁。阪神西勇の高めの132キロスライダーを強振した。三遊間への打球を遊撃北條が捕球して一塁送球したが、頭から気迫で飛び込んだ井領に軍配が上がって、内野安打。「今日は西投手にやられっぱなしだった。低めのボール球を打たされてきた。浮いてきた球をいこうと思った」。これが両軍唯一の得点。泥だらけのユニホームで胸を張った。 昨季から西勇には3連敗で迎えた一戦。主砲ビシエドが無安打に抑えられるなど、6回まで3度あった得点機を生かせずにいた。井領も2度の先頭打者で出塁できず、4打席目で結果を出した。 JX-ENEOSから入団し、4年目の18年は1軍出場ゼロ。正念場だった昨年、与田新監督に発掘され、代打中心でともにキャリアハイとなる55試合出場、打率2割9分。年俸も初めて1000万円に乗った。「今年は楽しく、後悔しないようにしたい」。アルモンテ、平田と主力外野手が故障離脱する中、代役として8度の先発で存在感を発揮。与田監督は「去年から1軍に定着し始めた。試合前、試合後も練習に取り組んで、何とか試合に出る機会をもぎ取ろういう思いが伝わってくる選手」と秘蔵っ子の働きに目を細めた。 負ければ両リーグ最速の20敗だったが、連敗を止め、阪神戦の連敗も4でストップ。「毎日、結果が必要になってくる。スタメンでも代打でも結果を出せればと思う」。プロ入り初めて上ったお立ち台で、6年目のアラサーは照れ笑いを見せた。【伊東大介】

◆阪神先発の西勇輝投手(29)が孤軍奮闘した。7回1失点、121球の力投。援護に恵まれず悔しい2敗目となったが、胸を張れる堂々ピッチだった。 前回3失点完投で制した中日勝野と今季2度目の投げ合い。8安打され、3回以外は毎回走者を背負ったが、持ち味の粘りを存分に発揮した。昨季10打数6安打1本塁打と苦手にした4番ビシエドを得点圏で2度打ち取るなど、6回まで0を並べた。 無念は球数が100球を超し、打線の援護がないまま迎えた7回だった。先頭福田の安打から2死三塁のピンチ。1番井領へ投じた117球目スライダーは、深い三遊間へのゴロとなった。遊撃北條が追いつき、懸命に一塁送球したが、あと1歩及ばず適時内野安打。打ち取ったあたりだったが、この1点が決勝点となってしまった。 「チームとしては、あそこの1点を防ぎたかったというのは、反省しないといけない部分です」 西勇は悔やんだが、矢野監督は「十分」と高評価。試合後、取材を受ける右腕に「ナイスピッチング」と声をかけてねぎらった。 今季はこれで先発した6試合全てでクオリティ・スタート(6回以上かつ3自責点以内)。抜群の安定感を見せている。この日も失点後、マウンドに集まる北條らに自ら声をかける姿があった。7回を投げ終えると、グラブをたたいてベンチへ。最後まで気持ちを切らさず、反撃を待った。「次の試合でしっかり投げられれば。自分の仕事はできているので、次の試合もがんばります」。悔しさを押し殺しながら、エースは前を向いた。【奥田隼人】

◆中日ドラフト1位石川昂弥内野手がプロ入り初の送りバントで勝利に貢献した。 7回無死一塁で2球目に決め、この回の得点につなげた。西勇から2安打を引き出し、これで連続試合安打を4に伸ばし2度目のマルチ安打とした。「バントは記憶にありませんが、小学生以来です。練習でやっていることが少しずつ出せるようになってきています」。高校通算55発のスラッガーが小技でも存在感を出した。

◆矢野阪神が19試合ぶり、3度目の完封負けで勝率5割に逆戻りだ。 1週間前に土をつけたばかりの中日勝野らの前に今季最少タイの4安打。得点圏に3度走者を送ったが、好機で1本が出ず、本塁が遠かった。矢野監督も7回1失点と力投した先発西勇を見殺しにした0-1敗戦に厳しい表情を浮かべた。 矢野監督 ゼロじゃ勝てない。(勝野は)この前よりも球の力はあるかなと感じたけど。それでもゼロというのは。バッター陣に奮起してほしかった。 0行進の象徴は5番ボーアの下降線だ。2回の1打席目は147キロを仕留めきれず中飛に倒れると、4回は148キロに空振り三振。3番サンズの二塁打で1死二塁となった6回の第3打席は、フォークを引っかけて二ゴロと得点を生めず4の0に終わった。右臀部(でんぶ)の張りから5試合ぶりにスタメン復帰した24日から8打席無安打。故障の影響が大きいのか、本来のパワフルスイングが影を潜め、首脳陣も思案顔だ。 井上打撃コーチ ノープロブレムと本人は言っているけど、こちらとしてはもうちょっとかなという部分は持っている。(振りの)鈍さというか、体の中で本人にしか分からないけど、怖さ的なものがあったりして振れなかったり、グッと踏み込めなかったりというのはあるかもしれない。 開幕当初は元気の無かったB砲だが、7月1日の中日戦で岡田から来日初アーチを放つと、そこから5カード連続本塁打をマーク。一時はチームの3冠王に立つなど、最下位からAクラスに浮上するV字回復の立役者になった。攻守にハッスルプレーも見せるムードメーカーだったが、19日の中日戦から3試合欠場。23日広島戦の復帰打席こそ代打で四球を選んだが、乗れない日々が続いている。 前日「(体調は)100%ではない」としつつ、スタメン一塁にボーアの名前を書き込んだ矢野監督も「早く1本出ればいいけど」と祈る思いだ。矢野体制となった昨季から、ナゴヤドームは5勝11敗1分けと分が悪い。鬼門にしないために、首位巨人猛追するために、ボーアの復調は必要不可欠だ。【桝井聡】

◆中日・勝野昌慶投手(23)が25日、阪神8回戦(ナゴヤドーム)に先発。6回4安打無失点だった。  「前回の登板もあったのでラストチャンスだと思って投げていました。 フォアボールもありましたが、気にしすぎないで相手と勝負することができました」  今季初登板と前回18日の阪神戦(甲子園)、2度の先発はともに制球に苦しんで四回までに降板。先発の役目を果たせず、今回は1軍生き残りをかけて臨む背水のマウンドだった。  今回は好調の猛虎打線相手に、気持ちのこもったボールで強気に攻めた。140キロ台後半の直球が走ると、カウント球などの変化球も効果的に使うことができた。六回は先頭のサンズに左中間二塁打を浴びたが、大山を左飛、ボーアを二ゴロに仕留め、2死三塁。ここで迎えた福留との対戦では2球で追い込み、最後はフォーク。3球勝負で空振り三振を奪い、ピンチをしのいだ。  勝野は6回を終えて83球だったが、中盤戦終了と同時に与田監督はベンチから出て、投手交代を告げた。投手戦を演じた西勇は同じ時点で108球だったが、先にマウンドを降りる形となり、今季初勝利の権利を得ることはできなかった。

◆阪神先発の西勇輝投手(29)は、7回8安打1失点でマウンドを降りた。  両チーム無得点と、投手戦のまま迎えた七回だった。ベンチは球数が100球を超えていた西勇の続投を決定。しかし、先頭の福田に中前打を浴びると、犠打と二ゴロで2死三塁のピンチ。井領に遊撃内野安打を浴び、先制点を許すと、マウンドで悔しさをにじませた。  前回登板した18日の同戦(甲子園)では、125球で今季初の完投勝利を挙げていた右腕は、この日も7回で121球の力投。これで開幕から登板した6試合すべてでクオリティスタート(6イニング以上で3自責点以内)と安定感抜群だが、味方の援護なく勝ち星を重ねることはできなかった。

◆阪神のジョー・ガンケル投手(28)が、0-1の八回に2番手として登板。打者3人をわずか6球で完璧に抑えた。  腰の張りを訴えて14日に出場登録を抹消されていたが、前日24日に1軍に再昇格。開幕当初は先発起用されていた助っ人だが、来日後初めて、中継ぎでの登板を果たし、矢野監督の起用に応えた。

◆阪神は中日に0-1で敗れた。6月30日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、今季3度目の完封負けを喫した。  この日は打線が振るわなかった。二回2死から梅野が左中間へ二塁打を放ったが木浪が中飛に倒れて無得点。六回には先頭のサンズが左中間への二塁打で好機を作る。大山が左飛に倒れると、ボーアは二ゴロで2死三塁。続く福留が空振り三振と得点を奪えず、今季ワーストタイの4安打に終わった。  先発した西勇は7回121球を投げて、8安打1失点と好投したが、報われなかった。

◆中日のドラフト1位・石川昂弥内野手(19)=東邦高=が25日、阪神8回戦(ナゴヤドーム)に「8番・三塁」で出場し、2打数2安打だった。  阪神先発の西勇とはプロとして甲子園デビューを飾った18日に対戦し、4打数無安打。シュートで厳しく内角を攻められるなど、一線級の投手からプロの洗礼を浴びた。  だが、今回は3試合連続安打中と調子は右肩上がりの中での再戦。二回2死一塁の第1打席ではチェンジアップを三遊間に転がして遊撃内野安打とし、4試合連続でこの試合最初の安打をマークした。  さらに五回先頭では初球をスイングし、自身3試合ぶり2度目のマルチ安打となる左前打を放った。とらえたのは1週間前に苦しめられた内角へのシュート。「練習でやっていることが試合で少しずつ出せるようになってきていると思います。それが結果につながっていると思います」と胸を張った。  七回の第3打席は無死一塁で投前バントに成功。「小学生以来です」という慣れない仕事は、その後の井領の先制で決勝の適時内野安打につながり、勝利に大きく貢献した。

◆阪神は中日に0-1で敗れた。先発した西勇は7回8安打1失点と好投したが、打線の援護なし。矢野燿大監督は「(西勇は)いやもう十分、十分。バッターがゼロじゃね」と話した。  でん部の張りから復帰したボーアは9打席無安打と快音がない。「早く一本出るといいけどね」と話した。  再昇格したガンケルが1回無失点と好投。左肘の張りで岩崎が出場選手登録を抹消されただけに明るい材料となった。  「もちろん、(ガンケルは)申し分ないし、優(岩崎)もいない中で1人でも2人でも出てきてくれたら」と話した。

◆中日・井領雅貴外野手(30)が25日、阪神8回戦に「1番・右翼」で出場。七回2死三塁の場面で、先制で決勝の適時内野安打を放ち、勝利に貢献した。  「投手のみなさんもすごく頑張ってくれていましたし、何とかみんなでつないでくれたチャンスだったので、どんな形でも点が入ればいいと思っていました」  自身も阪神・西勇に対し、第3打席まで空振り三振、左飛、二ゴロ併殺と悔しい結果が続いていた。だが七回は福田の中前打を石川昂が慣れない犠打で送り、代打で復帰打席となった高橋が進塁打となる二ゴロでつないでくれた。内角高めへのスライダーに詰まりながらも三遊間へ転がすと、全力疾走。そして最後はヘッドスライディング。遊撃・北條の一塁への送球よりも早くベースに到達し、三塁走者をホームへ迎え入れた。リリーフ陣もこの1点を守り抜き、1点差の死闘をモノにした。  試合後、井領に待っていたのは最高の景色だった。与田監督の勝利監督インタビューに続いて用意されたのが、自身初となるお立ち台。緊張からスタンドを見渡す余裕のない、初々しさ満点のヒーロータイムだったが、「貴重な経験をさせていただいて、うれしいという気持ちです」と照れくさそうに振り返った。  7月10日の広島戦(ナゴヤドーム)で今季初スタメンを果たすと、直近5試合中4試合は「1番・右翼」で出場。「一番、最初に打席が回ってきますし、出れば勢いがつく」と切り込み隊長としての自覚を強く持って打席に向かう。練習から大声を張り上げて盛り上げていく井領にとってはお似合いのポジションだ。  「(試合に)出させていただいているので、とにかく毎日毎日、結果が必要になってくると思いますし、レギュラーという立ち位置ではないので、一日一日を大事にして、スタメンで行くときでも、途中から代打でいく形になってもどんなときでも結果を出せれば、と思います」  けが人が相次ぐ中、竜の元気印はその穴を埋めるためではなく、ポジションを確立するために必死で戦っていく。

◆左太もも裏の肉離れで戦線離脱していた中日・高橋周平内野手(26)が25日、阪神8回戦の七回1死二塁で代打で登場。結果は二ゴロだった。  先頭の福田が中前打で出塁し、D1位・石川昂(東邦高)が投前バントを決めて1死二塁の先制機をつくった。ここがこの日昇格したばかりの背番号「3」の出番。ナゴヤドームに詰めかけた中日ファンから大きな歓声が上がった。  結果は西勇の初球のスライダーにバットを出て二ゴロだったが、最低限の仕事で2死三塁となり、続く井領が先制の遊撃内野安打を放った。「ヒットを打つことが理想ですが、井領さんが打ってくれて点が入ってくれたのでうれしいです」とよろこんだ。  もともと復帰には3~4週間を要する見込みだったが、丸2週間のスピード復帰。与田監督も「(状態は)70~80%ぐらいかなと思う。これは本人の感覚ですから、見てる部分ではそんな感じですけど、でも十分、予想以上に早い回復だと思っています。打ったあとの走り方も特に気になりませんでしたし、徐々に慣れていけばスタメンも近いのかなと思います」と話した。  高橋自身も「離脱していた分を一日でも早く取り戻します」と決意。頼れる主将がチームを押し上げていく。

◆前日24日は"休養日"だった糸井が、一回にしぶとく遊撃内野安打を放ち、11日のDeNA戦(甲子園)から11試合連続出塁とした。三回の第2打席でも四球を選ぶなど、出塁率・393は梅野(同・421)に次いでチーム2位。超人の威圧感で、相手バッテリーにプレッシャーを与えている。

◆大山は三回2死一、二塁では2球目の直球を引っかけて三ゴロ、六回無死二塁では初球のスライダーを打ち上げて左飛。2度の先制機で結果を残せなかった。一回は初球から振っていったが、フォークに空振り三振。九回では2球目のナックルカーブをとらえるも、フェンス際で捕球された。前日まで6試合連続安打&3試合連続の複数安打を放っていたが、4打数無安打に終わった。

◆福留が「6番・中堅」で2試合ぶりにスタメンに名を連ねた。クリーンアップ以外の打順で先発出場するのは、2015年5月17日の中日戦(ナゴヤドーム)以来5年ぶり。当時も「6番」だった。この日は4打数無安打。六回2死三塁の好機では右翼線に鋭いファウルを放ってスタンドをわかせたが、最後は三振に倒れた。

◆サンズが三回の第2打席に中前打、さらに六回の第3打席は左中間へ抜ける二塁打で、チーム唯一の2安打。これで今季5度目のマルチ安打とし、打率・292と3割も目前に迫っている。19日の中日戦(甲子園)から「3番」を任されている助っ人が、無得点だった打線のなかで、ただ一人気を吐いた。

◆背水のマウンドで力を示した。中日の2年目右腕・勝野が6回無失点の好投で先発の役目を果たし、連敗ストップの力となった。  「初回から自分の球は投げられていた。あとは継続していこうと思って、結果もついてきたのでよかった」  直球で押すスタイル通りの投球で流れを作ると、中盤にかけてはキレのある変化球を織り交ぜて猛虎打線を圧倒。六回無死2塁のピンチでも大山、ボーア、福留を抑えてみせた。  1週間前の18日も甲子園で激突し、4回2安打3四球で2失点。今季初登板から2戦2敗、防御率12・00となり、2軍降格へ土俵際だった。そこで披露した好投に与田監督も「初回からどんどんいくんだと、アグレッシブな投球を見せてくれた」と、気持ちのこもった投球をほめたたえた。  右腕は「次も大事になってくる。1週間、準備する時間があるので、そこを大事にしたい」と先を見すえた。今回逃した1年ぶりの白星を、次回こそつかみ取る。(須藤佳裕)

◆ゼロ行進のままゲームが終わった。矢野監督はベンチ裏で好投した西勇の背中をたたいてねぎらうと、明らかな敗因を見つめた。  「バッターがゼロ(無得点)じゃね。(中日・勝野は)前より球の力はあったという感じはしたけど、それでもゼロっていうのは」  6月30日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、3度目の零封負け。六回に先頭のサンズの左中間二塁打で3度目の得点圏を迎えたが、後続が続かなった。大山が左飛、ボーアが二ゴロ、福留が空振り三振。勝野の攻略に失敗すると、七回以降も救援陣の前に沈黙。4安打は今季ワーストタイだった。  18日(甲子園)に黒星をつけた右腕は序盤から全力で挑んできた。井上打撃コーチは「前より球がきていると、ハッとした部分で後手に回った部分もある」と反省点も挙げたが、気になるのはボーアだ。指揮官は一刻も早い快音を願った。  「早く一本出るといいけどね」  右臀部の張りを訴えていた助っ人は前日24日にスタメンに復帰したが、8打席連続で凡退。負傷前の10試合で打率・324、4本塁打と暴れていた姿と比べ、打球の勢いも明らかに物足りない。  井上コーチは「本人は『ノープロブレム(問題ない)』といっているけど。もう少し時間がかかるかな。(患部に)怖さみたいなのがあって振れなかったり、踏み込めなかったりはあるかも」と現状を受け止めた。それでも、再び打線から外す選択は否定した。  「よほどのことがない限り本人も『ノー』といわないだろうけど、そこは目を配りながら。でも、いけるという以上は監督も代えることはないと思う。使っていって調子を上げていく方向で」  思えば、新助っ人は開幕から18打席無安打でスタートした。球団の外国人のデビューからのワースト記録更新から、あっという間にアーチ量産。打率も一時は3割台に乗せた。実戦で調子を上げるタイプ。威圧感を与える大砲は全体への影響力も大きく、爆発と打線好調がイコールであることも実証済みだ。  糸原、岩崎と故障者が続く苦難。乗り切るために、キーマンの復活が鍵になる。(安藤理)

◆えらいこっちゃ! 開幕から救援陣の勝ちパターンの一角を担っていた阪神・岩崎優投手(29)が25日、左肘の張りで出場選手登録を抹消された。主将・糸原健斗内野手(27)に続く主力級の離脱ショックを振り払うべく、先発した西勇輝投手(29)が7回1失点と力投したものの中日に0-1で敗戦。勝率5割に逆戻りし、4位に後退した。今こそ踏ん張りどきや!  エースの執念の投球は報われなかった。0-0の七回2死三塁、力のないゴロが三遊間に飛んだ。遊撃・北條が一塁へ送球も、井領が猛然とヘッドスライディング。一塁塁審が両手を広げてセーフと叫んだ瞬間、西勇はマウンドの後方で、悔しさをにじませた。  「先発としての役割はできたと思うことは確かだと思うけど。チームとしては、あそこの1点を防ぎたかった。(自分も)反省しないといけない部分ではある」  7回121球を投げて8安打1失点。三回を除き毎回走者を出す苦しい展開でも「ボール自体は悪くなかった」。六回無死一、三塁のピンチもギアを上げて切り抜けた。「(得)点が入っていないので、苦しいというよりも丁寧には投げますよね」と、変化球を内外角に投げ分けて的を絞らせなかったのだが...。  試合前練習中、激震が走った。中継ぎとしてチーム最多15試合に登板していた岩崎が、左肘の張りで出場選手登録を抹消された。甲子園での2軍の練習に参加していた島田が急きょ名古屋に呼ばれる、緊急事態だった。  左腕は守護神のスアレスとともに、勝ちパターンを任されていた。22日に右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折した糸原に続く主力級の離脱となった。  ただでさえ新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日程は過密。中継ぎの負担が大きいシーズンを送っている。常々「先発である以上、リリーフに負担をかけさせないために長いイニングを投げることは義務」と話す西勇は有言実行で七回もマウンドへ向かったが、つかまった。矢野監督は「いやもう(西勇は)十分、十分」と援護できなかった打線に敗因を求めたものの、エースの登板日に白星をつかめなかったダメージは隠せなかった。  前日24日に7月12勝目を挙げ、月間勝ち越しを決めた。2勝8敗だった6月のことを思えば、状況は好転。この日も勝って"岩崎ショック"を振り払いたかったが、貯金「2」への3度目のチャレンジにも失敗し、また勝率5割に逆戻り。勝利数差でDeNAに3位を譲り渡し、4位に後退した。2敗目となった西勇は「次の試合でしっかり投げられればいいのかなと思います。自分の仕事はできているので、次の試合もがんばります」とキッパリ。登板6試合はすべてクオリティースタート(6回以上で3自責点以内)。次回もしっかり試合を作り、勝利に貢献するだけだ。  糸原の抜けた穴は北條や植田、木浪らで埋めている。この日、八回には1軍復帰したガンケルがマウンドに行き、三者凡退で締めた。岩崎の穴もチーム一丸となって埋めていくだけ。今こそ正念場だ。(三木建次)

◆決定打が飛び出さなかった阪神。その一方で不運な内野安打で1点を奪われ、逃げ切られてしまった。阪急、オリックス、阪神で通算176勝を挙げた本紙専属評論家・星野伸之氏(54)は、4打数ノーヒットに終わった4番・大山の超積極的な姿勢に着目。「早打ちは決して悪くないが、状況に応じた打撃も必要な時がある」と指摘した。  お互いに決め手を欠き、似たような展開をたどった。阪神ベンチからすれば、西勇が調子が悪いなりに我慢の投球をしていただけに、三回、六回の好機で4番の大山に一本出ていれば、という思いだろう。  最近の大山は超積極的。1球目から、少々のボール球でもドンドン振っていく。その中で結果を残しているのも事実だ。投手出身の私の目からみて、初球からフルスイングされるのは非常に気持ち悪い。六回の打席(無死二塁)は初球の甘いスライダーを完全に打ち損じたもの。紙一重だった。  ただし、結果的には走者を進められず、この回に先制することができなかった。両チームが相手先発を攻めきれず、無得点の均衡が続いたケースは、まずどうやって点を奪うかを優先する必要がある。積極性は否定しないが、試合展開(六回表の攻撃時点で0-0)、状況(無死二塁)を考えれば、最低でも走者を進塁させることを頭に入れてほしかった。  ベンチは「4番打者に任せる」と、自由に打たせたのかもしれないが、試合を左右する4番打者だからこそ、状況を判断しての打撃が必要なケースがある。六回の打席では、特に感じた。  実際、この日の大山の4打席に対して、中日の投手が要したのはわずか8球。怖さはあっただろうが、少ない球数で、逆に相手が楽になったのは間違いない。  こういう展開の試合を拾っていかないと、優勝争いには加われない。そのためにも、4番の働きは重要になってくる。(本紙専属評論家)

◆エース西勇が前回の完投勝利(18日の中日戦、甲子園)に続き、本日も7回をわずか1失点に抑えたのに、わが阪神は零封負けって...悔しい~!! ま、名古屋といえば史上最年少でタイトルを獲得した藤井聡太棋聖の地元だし、その藤井棋聖も24日によもやの負けを喫しているし、本日は将棋に例えて「後手、2四龍」(後攻の中日が西勇を詰めた)「参りました...」としといたろーか!!  いや、やっぱり阪神打線の罪なのだ!! 6月19日の開幕戦(対巨人)も6回1失点で白星がつかず、同26日は7回1失点で勝てず、そして本日もまたまた7回1失点で白星なしって、西勇がかわいそう過ぎるー(涙)。しかも、本日なんて本来の調子ではなかったのに、まさに『魂のマウンド』を見せてくれたのだ!!  六回無死一、三塁でビシエド、A・マルティネス、京田を迎えるピンチで、「この文春砲めが!!」、いや失礼、「この強竜砲がー!!」と気合で無得点に封じた姿には、感動さえ覚えた!! 糸原の骨折欠場は責められないけれど、近本がスランプを脱出できないのはハングリー精神の欠如ではないかと、心を鬼にして述べておくのだ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1892 0.667
(↓0.025)
-
(-)
91149
(+5)
93
(+6)
42
(+4)
17
(-)
0.267
(↑0.001)
3.160
(↓0.08)
2
(-)
ヤクルト
15114 0.577
(↑0.017)
2.5
(↑1)
90144
(+6)
149
(+5)
25
(+2)
21
(-)
0.257
(↑0.003)
4.600
(↓0.01)
3
(1↑)
DeNA
15151 0.500
(↑0.017)
4.5
(↑1)
89133
(+6)
114
(+2)
32
(+1)
5
(-)
0.280
(↑0.001)
3.600
(↑0.09)
4
(1↓)
阪神
14141 0.500
(↓0.019)
4.5
(-)
91109
(-)
118
(+1)
31
(-)
20
(-)
0.247
(↓0.004)
3.820
(↑0.09)
5
(1↑)
中日
12191 0.387
(↑0.02)
8
(↑1)
88102
(+1)
152
(-)
17
(-)
5
(-)
0.248
(↑0.001
4.450
(↑0.15)
6
(1↓)
広島
10163 0.385
(↓0.015)
7.5
(-)
91134
(+2)
145
(+6)
28
(-)
13
(-)
0.287
(↓0.002)
4.770
(↓0.06)