中日(★2対5☆)阪神 =リーグ戦7回戦(2020.07.24)・ナゴヤドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
0001004005711
中日
0200000002400
勝利投手:青柳 晃洋(4勝1敗0S)
(セーブ:スアレス(0勝0敗5S))
敗戦投手:谷元 圭介(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(7号・4回表ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 中日戦チケット予約 阪神戦チケット予約
◆阪神は0-2の4回表、大山のソロで1点を返す。そのまま迎えた7回には、北條の走者一掃となる適時二塁打とサンズの適時打で4点を奪い、逆転に成功した。投げては、先発・青柳が6回2失点の好投で今季4勝目。敗れた中日は、救援陣がリードを守れなかった。

◆両チームのスタメンが発表された。先発は阪神が青柳晃洋投手(26)、中日が大野雄大投手(31)。 阪神は新助っ人ボーアが右臀部(でんぶ)の張りから5試合ぶりにスタメン復帰。陽川がプロ初の1番スタメンとなった。さらには左腕大野雄に対し、今季初スタメンとなる中谷、植田ら8人の右打者を並べた。 青柳は前回登板の17日に大野雄と甲子園で投げ合い、7回1失点で勝利投手となった。2週連続の竜退治に挑む。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が打った瞬間にそれを分かる2戦連発を決めた。 2点を追う4回、先頭で大野雄の2球目、内寄り高めスライダーを豪快に振り抜いた。7号ソロを左翼ポール際中段席まで届かせ、反撃ムードを高めた。 「いいスイングができている中で、狙い球を絞って思い切ってスイングをすることができました」 ここ6試合で4発目。1回にも右前打を放っており、3試合連続マルチ安打、6試合連続安打となっている。

◆阪神先発の青柳晃洋投手(26)が6回2安打2失点と踏ん張り、勝利投手となった。 1点を追う7回表の攻撃、1死一塁で打席を迎える際、代打福留を送られた。 序盤は制球を乱し、先制を許した。2回2死一塁から8番木下拓に四球。さらに投手の大野雄に四球。2死満塁から1番井領に中前2点打を打たれた。 2回まで39球を費やしたが、3~5回の3イニングで39球。3回以降は立ち直り、3~6回の4イニングは12打者連続アウトと完璧に封じた。4回には石川昂の打球を受けるシーンもあったが、しっかりと試合をつくった。 青柳が交代した7回に打線が逆転。中盤にリズムよく投げ込んだ青柳に勝ち星がついた。これでリーグトップタイの4勝目。「立ち上がりからボールが先行してしまい、無駄な四球を出してしましたが、そこから何とか修正することができました。逆転してくれた野手の方々に感謝です」と、打線の援護に感謝していた。

◆代行キャプテンの阪神北條史也内野手(25)が走者一掃の逆転二塁打を決めた。 1点を追う7回1死満塁。4番手岡田を相手に2ボールから甘く入った141キロ直球を強振した。ライナーで左越え3点二塁打。一気に試合をひっくり返した。 1点を追う5回1死一、三塁では空振り三振。「チャンスで凡退していたので、何としても取り返す気持ちで打ちました。ヤギさん(青柳)も頑張ってくれていたので逆転することができて良かったです」とコメントした。 北條は糸原が右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折で離脱後、23日から代行キャプテンを務めている。

◆阪神ジェリー・サンズ外野手は追加点をたたき出し、鬱憤(うっぷん)を晴らした。 5回2死二、三塁で空振り三振に倒れるなど、1打席目から3打席連続三振。2点リードを奪った直後の7回1死二塁、岡田から中前適時打を決めた。「前の3打席にストレスがたまっていたから、やっと打つことができて良かった」。ここ5試合のうち4試合目で打点を挙げ、勝負強さは健在だ。

◆中日は2回、2死満塁から井領の中前適時打で2点を先制。中日先発の大野雄は3回まで2安打5奪三振無失点と好投した。 阪神は4回先頭の大山の左翼への7号ソロで1点を返した。中日大野雄は5回1失点で降板、継投策に。1点差で終盤に入った。 阪神は7回1死満塁から北條の二塁打などで4点を奪い逆転。青柳は4勝、スアレスは5セーブ。中日は連敗で最多借金8に。7回に登板した3番手谷元が今季初黒星を喫した。

◆阪神青柳晃洋投手(26)の好投が7回の逆転劇を呼び込んだ。1点を追う、その回の攻撃。1死一塁で打席を迎える際、代打福留を送られた。ベンチで懸命に声援を送った。視線の先で、北條が逆転打を放った。6回2安打2失点でリーグトップタイの4勝目。「逆転してくれた野手の方々に感謝です」。打線に感謝の言葉を述べたが、青柳の奮投も試合をひっくり返す流れへの1つだったことは間違いない。 序盤は苦しんだ。2回2死一塁から8番木下拓に四球。さらに投手の大野雄にも四球。2死満塁から1番井領に中前2点打を打たれた。立ち上がりは制球を乱す場面が目立ち、2回まで39球も費やした。1週間前の同じ中日戦では2回まで26球で無失点と抜群の立ち上がりで流れを呼んでいただけに、対照的に映った。 「足が止まって投げているぞ」との助言を受け、下半身で投げるイメージを強めた。3~5回の3イニングで39球。3~6回の4イニングは打者12人連続アウトと完璧に封じた。4回には石川昂の打球を受けるシーンもあったが動じず、試合をつくった。6回まで18アウトのうち、犠打をのぞいて三振とゴロで15アウトを稼いだ。気がつけば、自身のペースに引き込んでいた。 「立ち上がりからボールが先行してしまい、無駄な四球を出してしまいましたが、そこから何とか修正することができました」。昨年は9勝9敗。貯金をつくれず、2ケタに1勝届かなかった。今季、常に登板する試合について「全部勝つつもり」と公言する。登板5試合はいずれもカード初戦で4勝1敗。防御率もチームトップの1・80で、規定投球回数に到達してリーグ3位にランクインした。「チームが勝っているのがうれしい」。虎投の柱の1人として背番号50が腕を振り続ける。【松井周治】

◆中日大野雄大投手が今季初白星を逃した。5回103球1失点で、1点リードをリリーフ陣に託し降板。 しかし、3番手谷元が1死から3連続四球と乱れ、4番手岡田が逆転打を許し、6戦目での白星は逃げた。大野雄は「初回に30球(以上)も投げてしまい球数が多くなってしまった。次回以降もっと長いイニングを投げられるようにしたい」と、肩を落とした。

◆阪神が7回に試合をひっくり返し、再び貯金を1とした。1点を追う7回。1死満塁で北條が左越えの3点二塁打。さらにサンズが中前適時打で突き放した。 投手陣は先発青柳が6回2安打2失点と好投。逆転した直後の7回は馬場、8回岩崎、9回スアレスとつないで逃げ切った。青柳がリーグトップタイの4勝目。スアレズは5セーブ目を挙げた。 これで7カード連続初戦を勝利。矢野燿大監督(51)は、逆転打を放った北條を「一発で仕留めたというところに価値がある」とたたえていた。

◆キャプテン代行が決めた! 北條が振り抜いた当たりは、前進守備の左翼福田の頭上を越えていった。一塁走者陽川の生還を二塁ベース上で見届けると、右手を小さく握った。続けて三塁側ベンチへ、左手で大きくガッツポーズを作った。 1点を追う7回1死満塁。3四球で巡ってきた逆転機に燃えていた。左腕岡田の141キロ直球をたたき、走者一掃の適時二塁打。「前の打席にチャンスをつぶしてしまったので、ここしかないと」。5回に1死一、三塁の同点機でセーフティースクイズを失敗し、空振り三振に倒れていた。ミスを挽回し、この回に代打を送られていた先発青柳にも勝ち星を付けた。 チームの危機に、大役を任された。主将糸原が22日広島戦で右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折して戦線離脱。前日23日から矢野監督に指名され、代行を務める。人生初という主将にも「考え過ぎると自分らしくなくなると思う。いつも通り、元気出してやろうと思っています」。負傷した糸原には「大丈夫か?」とLINEを入れたという。指揮官も認める元気印が、変わらぬ姿でチームを支える。 強い覚悟がある。12年の高卒ドラフト2位もプロ8年目。なかなかレギュラーに定着できず、規定打席に到達したシーズンは1度もない。がむしゃらにバットを振った昨秋のキャンプ。「1回は(フルシーズンで)出てみたい」と本音をこぼした。今季も同学年のライバル木浪と激しく遊撃を争う。まだまだ負けるわけにはいかない。 矢野監督は決勝打を「もう、ジョーに任せようと。一発で仕留めたところに価値がある」と評価。主将代行に指名した理由は「ジョーしかいないやろうと。誰かに聞いたわけじゃないけど、みんなそう思っていたんじゃないかな」と明かした。苦手とする先発左腕大野雄に対し、大幅な打線組み替えで"奇襲"も仕掛けた。好相性の陽川をプロ初の1番に抜てき。今季初先発の中谷や植田を起用し、8人の右打者をスタメンに並べた。福留、糸井の両ベテランを外す飛車角落ちでも勝利への執念を見せ、再び貯金を1とした。 前回は中日に敵地で3タテを食らった。ヒーロー北條は「その借りを返そうと思って、みんな必死でやっている。ファンの皆さんも、応援よろしくお願いします」。頼れるキャプテン代行が、背中でチームをけん引していく。【奥田隼人】 ▼北條は観客を入れる試合となった10日以降の6試合で、打率3割3分3厘(15打数5安打)、1本塁打、5打点と当たってきた。無観客だった8試合では、12打数ノーヒットに終わっていた。

◆逆転直後の7回は阪神馬場皐輔投手が踏ん張った。 2死満塁と走者を背負ったが、最後は井領を左飛に仕留めてバトンをつないだ。 今季4ホールド目にも「何とか抑えることがことができたので結果としては良かったですが、状況を冷静に判断して投げることができればもっと良かった」と反省。1死一塁ではけん制悪送球したと思われたが、タイムがかかっており走者京田が一塁に戻る珍しいシーンもあった。

◆阪神が7回に試合をひっくり返し、再び貯金を1とした。 矢野燿大監督の一問一答 -北條が殊勲打 いやもうジョーに任せようと。プレッシャーも感じる...まあ、誰もが前の打席のことも頭に入れながら打席に入る。2ボールに持っていったのも大きかったし、一発で仕留めたところに価値がある。 -前日キャプテン代行に任命 ケント(糸原)がいないんで現状誰かとなったらジョーしかいないやろうと。誰かに聞いたわけじゃないけどみんなそう思っていたんじゃないかな。 -代打福留が四球を選び好機拡大 あの回はカイ(植田)も出てコウスケというところでね。粘って四球というのは大きい。もちろん、先発で出ても嫌なバッターではあるんだけど。やっぱり経験があるだけにいろんな状況を把握しながら(打席に)立ってくれるのは、ああいうつながりにつながった。 -打順は右を並べた 総合的にね。大野だけじゃなくてね。1年間いろいろある。ケガ人もちょっとずつ出たりしているんでね。その中でより良いね。1年間戦う上でと思って。 -大野に球数を投げさせて5回で降ろした もっと点取りたかったけど、取れそうな感じもあったし。要所で粘られたというのもあるし。球数を投げさせたというのはあの回で交代させる原因にもなった。そういうところは出たメンバーが良くやってくれたなと思います。 -青柳は安定 2点はちょっともったいない。あの後、頑張ったし、先発としての仕事は十分にやったんだけど。青柳にはもっと高いレベルを目指してもらうというところで言うと、あの2点で負ける可能性があるんで。

◆阪神ロベルト・スアレス投手が最終9回を締めた。 1死から二塁打と三失で1死一、二塁となったが、後続を断って今季5セーブ目。22日は味方の失策も絡んで救援失敗していたが、泰然自若だ。「いい投球をしていても打たれるときがあれば、悪いながら抑えるときもある。これが野球だと思う。もちろん、エラーもあるし、それが野球なので、今日みたいに自分の仕事をきっちりやって」。敵地で初戦を取り「いい勝ち方ができたと思うので、チームとしてはどんどん勝ち続けたい」と先を見据えた。

◆中日は2回、2死満塁から井領の中前適時打で2点を先制。中日先発の大野雄は3回まで2安打5奪三振無失点と好投した。大野雄は5回1失点で降板、継投策に。1点差で終盤に入った。 阪神は7回1死満塁から北條の二塁打などで4点を奪い逆転。青柳は4勝、スアレスは5セーブ。中日は連敗で最多借金8に。7回に登板した3番手谷元が今季初黒星を喫した。中日与田剛監督(3番手谷元の3連続四球から逆転され、借金は今季最多の8に)「選手を信頼して使って結果が出なくても、出るように起用しないといけない。(北條の逆転打は前進守備が裏目に出たが)結果論として、采配ミスと書いてもらっても構わない」

◆膝を曲げ過ぎず、スッと立つ。力みのない構えも板についてきた。阪神大山悠輔内野手(25)はこの日も気持ちよさそうに、右足にためたパワーを一気にフルスイングで放出した。 2点を追う4回無死。1ストライクから大野雄の内寄り高めスライダーを豪快に振り抜いた。「いいスイングができている中で、狙い球を絞って思い切ってスイングをすることができました」。抜群の角度で打球が上がった瞬間、フェンスオーバーを確信。2戦連発となる7号ソロを左翼ポール際中段席まで届かせ、反撃ムードを高めた。 沖縄キャンプを終えて間もなかった3月上旬。大山は「スタンスの幅をちょっと狭めました」と明かしていた。昨季は膝を曲げ、重心を低く構えていた。4年目の進化を目指した今春、偶然ヒントを手にした。 きっかけはロッテ、巨人で活躍したサブローこと大村三郎氏(現楽天ファームディレクター)の打撃動画。「最初は格好いいなと思って見ていただけなんですけど」。あまり膝を曲げずリラックスした構えに注目し、試すことに決めた。 昨季は低い重心からスイングに向かう際、目線が上がる傾向にあった。この目線のブレを小さくする意味でも、以前より膝を曲げないフォームに挑戦。継続して振り込んだ結果、今季は確実性が増している。 ここ6試合で4本目のアーチを懸け、3戦連続マルチ安打、6戦連続安打を記録。チーム最多の7本塁打、16打点に加え、まだ規定打席に到達していない打率も3割4分7厘と、チーム3冠を狙える位置にいる。 完全に4番に定着した感のある大山に対して、矢野監督の信頼度は高まるばかりだ。「甘い球をしっかり仕留められる。本当にレベルが高い。悠輔自身も自信を持って立っていると思う。見ていて風格もある。まだまだ打ってくれると思う」。指揮官と同じ期待を今、虎党の誰もが抱いている。【佐井陽介】

◆阪神・大山悠輔内野手(25)が0ー2の四回、先頭で7号ソロを放ち、1点差とした。  「打ったのはスライダー。いいスイングができている中で、狙い球を絞って思い切ってスイングをすることができました。まだ負けているので逆転できるように頑張ります」  2点を追う四回、先頭で打席へ。カウント0-1から大野雄の134キロスライダーを振り抜き、左翼席中段まで運んだ。  前日23日の広島戦(甲子園)でも2ランを放っており、2試合連続アーチ。第1打席でも左前打を放っており、6試合連続安打と好調だ。

◆中日・大野雄大投手(31)が24日、阪神7回戦(ナゴヤドーム)に先発し、5回1失点だった。  「初回に(約)30球も投げてしまい、球数が多くなってしまった。次回以降、もっと長いイニングを投げられるようにしたいです」  力強い直球に、低めへのツーシームとフォークの緩急が冴え渡った。二回に2点の援護をもらい、四回に大山の左翼越えソロを許した。五回は1死一、三塁のピンチを招いたが、北條、サンズをともに147キロの直球で空振り三振に仕留めた。ピンチを乗り切ると左こぶしを力強く握り、大きな雄たけびをあげて感情を爆発させた。  17日(甲子園)に続き2週連続の阪神戦に先発。前回は青柳に投げ負けて、阪神には3年ぶりに白星を献上していた。ただ、ナゴヤドームでの阪神戦では過去、11試合に先発して7勝1敗で勝率・636、防御率も1・22と圧倒。2013年8月23日を最後に7年間も負けていない。一回の33球が響き、五回で降板となったが、今季初勝利に向けて力強く腕を振った。

◆阪神・北條史也内野手(25)が七回に適時二塁打を放ち、逆転した。  1-2の七回1死から植田、代打・福留、陽川が3連続で四球を選び、満塁の好機を作ったところで、北條が打席に入る。カウント2-0から岡田の141キロの直球をとらえた。打球は左翼・福田の頭上を越え、走者一掃の二塁打で逆転に成功した。  さらに、続くサンズも中前へ適時打を放ち、この回一挙4点を挙げて5-2とした。

◆阪神が中日に5-2で逆転勝利し、貯金を再び1とした。  2点を先制されたが、四回に大山の7号ソロで反撃。さらに、七回1死満塁から北條が走者一掃となる左越えの逆転適時二塁打を放った。続くサンズも中前へ適時打を放ち、5-2とした。  先発した青柳は二回2死満塁で井領に適時打を許して2点を失ったが、その後は立ち直り、6回を投げて2安打2失点。ハーラートップタイの4勝目(1敗)を手にした。

◆中日の井領が今季3試合目の1番起用に応えた。二回2死満塁から変化球に食らい付き、2点中前打。今季まだ勝利がない大野雄が四球で回した好機を生かし「大野さんを少しでも楽にしたいと思って、必死に先制点を取りにいった」と息をついた。  四回の守備ではフェンスにぶつかりながら飛球を好捕。神奈川・桐蔭学園高からJX-ENEOS(現ENEOS)を経て入団6年目。ベンチで大声を張り上げるチームのムードメーカーが、不調の平田に代わって右翼で奮闘している。

◆中日・与田剛監督(54)は24日、阪神戦(ナゴヤドーム)前に本拠地でシート打撃を行った高橋周平内野手(26)について、「周平も思ったよりも早く回復をしているな、と。久しぶりに1軍の中で練習をして、明日の体の状態、そういったことをスタッフと相談していって今後を決めたい」と語った。  11日の広島戦の走塁中に左太もも裏を痛め、肉離れと診断された主将。復帰に3~4週間が見込まれていた中で、約2週間で1軍練習に参加した。スピード復帰も考えられたが、この日の昇格は見送り。与田監督は1軍昇格に向けて入念にコンディション確認を行っていく方針で、25日もナゴヤドームで練習を行う。

◆阪神の青柳が6回2失点と踏ん張り、リーグ最多に並ぶ4勝目を挙げた。二回に2点を失った後、三回以降は立ち直って一人の走者も許さなかった。代打を送られた七回に味方が逆転して白星を手にし「野手の方々に感謝です」と謙虚に喜んだ。  二回は2死から大野雄に四球を与えるなど乱れ、井領に先制2点打を浴びた。矢野監督は「今のヤギ(青柳)の力ならゼロでいけるところ。もっともっと高いところを目指してもらいたい」と尻をたたいた。

◆右臀部の張りを訴えていた阪神・ボーアが5試合ぶりに先発に復帰した。4打数無安打も、矢野監督は「100(%の状態)じゃないけど、1年間長い中で(常に)万全ということはないかもしれない中でどうやっていくか。1本出なかったけど、(試合に)出られたというところで。また明日、打ってくれると思います」と期待し、25日もスタメンを示唆。3試合の欠場後、前日23日の広島戦(甲子園)で代打で復帰していた。

◆九回は阪神・スアレスが5セーブ目を挙げた。「みんながいい仕事をしている中で失策ももちろんあるけど、きょうみたいにいい勝ち方ができればいいね」。1死二塁で石川昂の三ゴロを北條が失策。ピンチを広げたが代打・溝脇を投ゴロ、A・マルティネスを空振り三振で切り抜けた。22日の広島戦(甲子園)は失策がらみで初のセーブ失敗も、今回は火消し成功。藤川は1軍に昇格したが、完全復調までは引き続き助っ人がクローザーを務めることになりそうだ。

◆阪神が逆転した直後の七回は馬場がピンチを脱して4ホールド目を挙げた。「なんとか抑えることができたので結果としてよかったですが、状況を冷静に判断して投げることができればもっとよかったと思います」。1死一塁で、けん制悪送球。一走の京田が三塁まで進みかけたが、直前にタイムがかかっていたため、無効になって救われた。その後も2四球で2死満塁を招いたが、井領を左飛で切り抜けた。

◆3三振を喫していた阪神・サンズが、勝負強さを発揮した。「直球を狙って、しっかり打ち返すことに集中したよ。前の3打席のストレスがたまっていたから、やっと打つことができてよかったね」。七回、北條の決勝打に続いて1死二塁で岡田の初球を中前へ。連続適時打で畳みかけた。  前の打席は、五回2死二、三塁で空振り三振。前日23日の広島戦(甲子園)から5打席連続三振に倒れていたが、2試合ぶりの快音で得点圏打率・438の好成績をキープした。大山に次ぐチーム2位の15打点だ。

◆自身初の「1番」で出場した阪神・陽川が2出塁でチャンスメークした。「1番だからというのは関係なく、どの打順でも塁に出るのが仕事だと思うので。打順に関係なくやれたと思います」。五回1死二塁で二塁内野安打。七回1死一、二塁でも四球で、続く北條の決勝打をお膳立てした。中学時代以来というトップバッターで機能。5試合連続安打で、先発出場した全7試合でHランプを灯している。

◆4番の勢いが止まらない。高々と舞い上がった打球は左翼席中段へと着弾。大山が2戦連続のアーチを放ち、ダイヤモンドを一周。ベンチに戻ると白い歯をのぞかせた。  「いいスイングができている中で、狙い球を絞って、思い切ってスイングをすることができました」  0-2の四回、先頭で打席に入った。初球から積極的に振っていき、ファウルの後の2球目。大野雄の甘く入った134キロスライダーを見逃さなかった。  芯でとらえた打球は打った瞬間にスタンドインと確信するほどの完璧な当たり。前日23日の広島戦(甲子園)に続く2試合続けての一発は反撃ののろしとなった。  苦手としていた相手から打った、価値ある一本でもあった。大野雄に対しては17日に甲子園で対戦したときは9安打4得点と攻略。だが、ナゴヤドームに限れば、過去通算12試合で7勝1敗1ホールドを許し、2013年8月23日から引き分けを挟んで7連敗中と苦しめられていた。  そんな難敵からナゴヤドームでは23イニングぶり(途中降板も1イニングにカウント)となる得点を豪快な一発で奪い、試合の流れを渡さなかった。矢野監督も「甘い球をしっかり仕留められるというのはレベルが高い。見ていて風格もあるし、打ってるタイミングがファウルでも雰囲気がある。まだまだ打ってくれると思う」とさらなる爆発に期待を込めた。  一回には右前打を放っており、これで6試合連続安打&3試合連続の複数安打をマーク。開幕は控えスタートとなったが、7本塁打、16打点はすでにチームトップと4番として申し分ない働きをしている。勝利のため、これから結果を残し続けていく。(菊地峻太朗)

◆降板してから、およそ1時間。青柳は頭をペコリと下げながら、勝利の"エアタッチ"をするナインの輪の中に入った。セ・リーグのハーラートップタイの4勝目(1敗)。規定投球回数に再到達した防御率1・80は堂々のリーグ3位だ。  「本当は、もっと長いイニングを投げて少ない失点で(ベンチに)帰ってこなければいけないのに。逆転してくれた野手の方々に感謝です」  6回86球を投げて2安打3四球で2失点。結果だけを見れば上々も、序盤は制球に苦しんだ。  一回は先頭の井領に四球。なんとか無失点で乗り切ったが、猛省したのは二回だ。2死から安打を許した後、8番・木下拓に四球。さらに、投手の大野雄にも四球を与えて満塁のピンチを招き、井領に先制の中前2点打を許してしまった。  「悪いときの僕が出ましたね。下位打線を相手に四球というのはよくなかった。福原投手コーチから『足で投げる感じで行け』といわれてフォームを修正できた」  ここからが成長の証しだった。三回から低めに変化球を集めて4イニング連続で三者凡退に。1-2の七回の攻撃で代打を告げられて交代したが、その後、北條の走者一掃の二塁打で逆転し、勝ち星をゲットした。  これで今季は5試合に登板して4勝1敗、防御率1・80。虎のエースへ一歩一歩近づいている。その礎となったのは、プロ4年目の昨季、初めて規定投球回数に到達したが、目標に掲げた2桁勝利に届かず、9勝で終わった悔しさだった。  「昨年、目標を2つクリアしていたら僕はテングになっていたかもしれない。1つ勝てなかったことが、逆によかったかなと。来年は『もっと頑張らないと』という気持ちになっているから」  春季キャンプでは投球の幅を広めるためにカットとシンカーを習得。課題の制球力を解消させるために、投げ込み&走り込みに没頭した。掲げる目標は「13勝」-。コロナ禍で今季は120試合に減ったが、このペースで勝ち続ければ、17勝に到達する計算だ。  「僕自身というよりも、チームが勝っているからたまたま勝ちがついている感じ」  これからも謙虚に、そしてマウンドに上がれば熱い投球を披露して、チームに勝利をもたらす。(三木建次)

◆キャプテン代行の執念! 阪神は1点を追う七回、北條史也内野手(25)が千金の逆転3点二塁打を放ち、中日に5-2で勝利した。主将の糸原が離脱という危機に新リーダーが奮闘し、今季ナゴヤドームで初勝利。貯金を再び1とし、7月の勝ち越しも決めた。全員野球で、虎がさらに加速する!!  俺がチームを引っ張る-。北條の強い決意が最後の一押しとなり、白球は前進守備の左翼手の頭上を越えた。主将離脱のピンチにも虎の勢いは止まらない! ナゴヤドーム今季初勝利は"キャプテン代行"が決めた。  「前の打席にチャンスをつぶしてしまったので、何としても打とうと思っていました。『捕られるかな』と思ったんですけど、外野が前に来ていたのでよかったです」  1-2で迎えた七回。1死満塁の絶好機で、代わったばかりの左腕・岡田の141キロをとらえた。走者一掃の逆転3点二塁打。二塁ベース上でホッと息を吐いた。  「ここしかないと思った」。五回1死一、三塁ではセーフティースクイズを失敗後、空振り三振に倒れた。前日23日の広島戦(甲子園)でもバント失敗後に三振、守備でも失策と精彩を欠き、チームの連勝が5で止まっていたが、すべてを挽回する殊勲打となった。  野球人生初の大役。主将の糸原が右手有鉤骨骨折で登録抹消された前日23日、矢野監督から「健斗(糸原)が帰ってくるまで代理としてやってくれ」と指名された。  指揮官は「ジョー(北條)しかいないやろうと。誰かに聞いたわけじゃないけど、みんなそう思っていたんじゃないか」と明かす。誰もが認める、前向きでひたむきな姿。負けが込んだ開幕直後、自身も17打席ノーヒットで、ベンチを温める日々でも、誰よりも声を出してチームを盛り立てたのが北條だった。  糸原には「きのう(23日)ちょっと『大丈夫ですか?』とラインした」という北條。「考えすぎると自分らしくなくなると思うので、自分らしく元気出して頑張ります」と表情を引き締めた。  層の厚さも光った。糸井らが休養したこの日、スタメンには若手が並んだ。開幕戦の先発野手8人の合計年俸11億6700万円に対し、6億3000万円(ともに推定)。それでも大野雄に粘って球数を投げさせて、5回で降板させた。  前回3連敗のナゴヤドームで見せた逆転劇は、外国人頼みでもベテラン頼みでもない。矢野監督は「大野(対策)だけじゃなく総合的に。1年間戦う上で。出たメンバーがよくやってくれた」とうなずき、北條を「一発で仕留めたところに価値がある」と称えた。  これで中日戦4連勝。7月は12勝5敗1分けと今季初の月間勝ち越しも決めた。貯金は再び1。チームも北條自身も開幕直後とは"別人"だ。  「まだまだ(借りは)返せていない。この前のナゴヤドームでも3連敗しているので、その借りを返そうと、みんな必死にやっている」  胸に「C」のマークはなくとも、その声で、その背中で語る。頼もしいキャプテン代行がこのまま快進撃を支えていく。(原田遼太郎)

◆虎の頼れる青柳投手が4勝目! セ・リーグトップタイの勝ち星、オメデトウ!!  実は今年の開幕からYouTubeで、阪神の試合を振り返る『虎輪書(こりんのしょ)』をやっております。剣豪、宮本武蔵の『五輪書』にかけております(チャンネル登録、ヨロシクお願いします!)  そこで「今季の最多勝は青柳!!」と宣言したところ、プロ野球ファンのみならず、虎党からも冷ややかな視線を浴びていたのです。  その青柳投手、人間味があって実にイイ!! 二回、あっさり2死を取った後にピンチをつくり、2点タイムリーを許すんだから...。  その気持ち、スゲー、分かるよ!!  自分は開幕から3勝なのに、投げ合った中日の大野雄は勝ちなし。青柳投手の心臓は強くなった!! 大山、北條も活躍してくれたし、サイコーだ!!

◆阪神の勝因は立ち直った青柳だが、立ち直らせたのは梅野のリードだ。  立ち上がり、これほど制球が乱れた青柳を久しぶりに見た。抜けた球、引っ掛けた球が打者の足もとにいったり、打者の後ろを通ったり。二回の失点も2死一、二塁から投手の大野雄を歩かせてしまい、直後に井領に適時打を浴びた。最悪に近い点の取られ方。持ち味のツーシーム、スライダーが思うように制球できていなかった。  三回からガラリと投球内容が変わった。シンカー、チェンジアップを使い始めて、制球も乱れなくなった。ストライクさえ入るようになれば、落ち着くし、気持ちの切り替えもできる。梅野が考えた攻め方だったはず。青柳も梅野のリードを信じて、投げ続けた。  背景には、捕手の固定もある。相性を重視するバッテリーの組み合わせも間違いではないが、軸になる1人の捕手が引っ張るほうが、チームは波に乗る。バッテリーの信頼関係で勝てた試合といってもいい。こういう試合を拾っていくと、貯金は必然的に増えていく。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1882 0.692
(-)
-
(-)
92144
(+5)
87
(+5)
38
(+3)
17
(-)
0.266
(↑0.001)
3.080
(↓0.05)
2
(-)
ヤクルト
14114 0.560
(-)
3.5
(-)
91138
(+5)
144
(+5)
23
(-)
21
(+1)
0.254
(↓0.001)
4.590
(-)
3
(-)
阪神
14131 0.519
(↑0.019)
4.5
(↑0.5)
92109
(+5)
117
(+2)
31
(+1)
20
(+2)
0.251
(↓0.001)
3.910
(↑0.07)
4
(-)
DeNA
14151 0.483
(↑0.019)
5.5
(↑0.5)
90127
(+9)
112
(+6)
31
(+2)
5
(-)
0.279
(-)
3.690
(↓0.08)
5
(-)
広島
10153 0.400
(↓0.017)
7.5
(↓0.5)
92132
(+6)
139
(+9)
28
(+1)
13
(-)
0.289
(↑0.004)
4.710
(↓0.18)
6
(-)
中日
11191 0.367
(↓0.012)
9
(↓0.5)
89101
(+2)
152
(+5)
17
(-)
5
(-)
0.247
(↓0.004)
4.600
(↓0.02)