阪神(☆2対1★)DeNA =リーグ戦6回戦(2020.07.12)・阪神甲子園球場=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:岩貞 祐太(2勝1敗0S)
(セーブ:スアレス(0勝0敗1S))
敗戦投手:平良 拳太郎(2勝1敗0S)
  DAZN
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◆阪神は両軍無得点のまま迎えた6回裏、大山の適時打で試合の均衡を破る。8回には、大山が2打席連続となる適時打を放ち、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・岩貞が8回無失点の快投で今季2勝目。敗れたDeNAは、9回に1点差まで追い上げるも、好機であと1本が出なかった。

◆阪神-DeNA6回戦のスタメンが発表された。阪神ジャスティン・ボーア内野手(32)は5試合連続安打中で、うち3試合で本塁打をマーク。前日11日の先制2ランに続き、聖地で2戦連発なるか。阪神梅野隆太郎捕手(28)もここまで8試合連続安打中だ。

◆阪神岩貞祐太投手(28)が、8回3安打無失点の好投を見せた。キレのある直球にスライダーやフォークを効果的に使い、8個の三振を奪った。 初回2死からソトに四球を与えるも、そこからDeNA打線を圧倒した。2回先頭のロペスをフォークで空振り三振に仕留め、宮崎は二飛。続く戸柱をスライダーで空振り三振に仕留めると、3回の大和、平良と回をまたいで3連続三振。5回1死から宮崎に許した左前打が、この日初被安打。続く戸柱を二ゴロ併殺打に打ち取り、二塁ベースを踏ませず。1-0の8回2死一、二塁のピンチでは、梶谷を鋭く落ちるフォークで空振り三振。 自身今季初めての有観客試合で、尻上がりに調子を上げた。

◆阪神岩貞、DeNA平良の両先発が3回まで無失点。平良は1、2回とも得点圏に走者を背負ったが、要所を締める立ち上がり。 阪神が6回に1点を先制した。2死二塁から4番大山が左前適時打を放った。先発岩貞は6回まで1安打無失点の好投。 阪神は岩貞が8回まで無失点。9回はスアレスが締めて今季初セーブを挙げた。DeNA平良は6回1失点も今季初黒星を喫した。 阪神岩貞が2勝目。

◆阪神が接戦をモノにし、今カード勝ち越しを決めた。 先発岩貞祐太投手(28)が力投。1球1球、丁寧に投げ込み、5回1死まで無安打。宮崎に左前打されて初安打を許したが、次打者を併殺に打ち取った。その後も安定した投球で、DeNA打線を8回まで3安打8奪三振。無失点でバトンを新ストッパーに託した。 試合前に藤川球児投手(39)が右肩のコンディション不良のため出場選手登録を抹消された中、9回に登場したのはロベルト・スアレス投手(29)。先頭の代打神里に四球。1死後、自身の失策で、一、二塁とされた。ロペスに左前適時打を打たれたが、そこから踏ん張り、宮崎を中飛、代打乙坂を遊ゴロに打ち取った。スアレスは阪神加入後、初セーブ。岩貞は今季2勝目を挙げた。 打線では大山悠輔内野手(25)が活躍。6回2死二塁で迎えた第3打席、DeNA平良から、決勝点となる先制の左前適時打を放った。8回2死二塁ではパットンから右翼線に適時二塁打。この日のチーム2得点はいずれも4番のバットから生まれた。 チームは借金を再び4に減らした。

◆阪神大山悠輔内野手(25)が先制&2点目のタイムリーを放ち、4番の存在感を見せた。 0-0の6回1死、糸原が四球で出塁し、糸井は遊ゴロ。一塁送球は際どいタイミングで矢野監督はリクエストを要求するも、判定は変わらず。直後の6回2死二塁で、大山が打席に立った。平良の4球目、内よりに入ったシンカーをとらえ左前に運ぶと、二塁走者の糸原が激走し生還。「数少ないチャンスだったので、絶対にランナーをかえすという気持ちで打席に入りました」。なかなか打ち崩せなかった平良から、貴重な1点をもぎとった。 1-0のまま進んだ8回2死二塁には、パットンの高めに浮いたスライダーをとらえ、右翼へ適時二塁打。終盤に大きな2点目をもぎとった。 左ふくらはぎの張りを訴えたマルテに代わって、大山は5日広島戦(マツダ)から4番を務める。4番に座った5戦全てで安打を放ち、うち2試合で本塁打。ファンの声援も背に、主軸としてチャンスで大きな一打を放った。

◆25歳の誕生日登板となったDeNA平良拳太郎が、6回1失点の好投も今季初黒星を喫した。 「序盤はランナーを出しながらも低めにボールを集め粘ることができた」が、6回に大山に先制打を浴びた。「6回の糸原選手に四球を与えた場面は、自分のイメージと違った体の動きが出てきて、うまく修正することができなかったです」と反省。それでも今季4試合すべてでクオリティースタート(6回以上、自責点3以内)と抜群の安定感を示した。

◆DeNAは終盤の反撃も及ばず競り負けた。阪神岩貞の前に5回1死まで無安打と沈黙。 ラミレス監督は「低めを我慢してストレートに合わせろと言ったが、追い込まれてストライクを見逃してしまう感じだった」と振り返った。9回に1点をかえし、なお2死一、二塁で代打乙坂が初球を遊ゴロでゲームセット。指揮官は「ストライクを積極的に振りにいった。その姿勢は悪くない」と話した。

◆阪神女房役の梅野隆太郎捕手が岩貞をもりたてた。「なるべく浮かない球を丁寧に投げながらストライクを取った。しっかりお互い意図を感じながらできた」と、呼吸ピッタリで先発左腕を8回無失点と好リード。 岩貞の決め球、フォークにも「球が浮きづらい。カウントも取れるし、それによって真っすぐが生きてくる」と捕手目線で絶賛。打撃では無安打で自身の連続試合安打は8でストップしたが、守備で勝利に貢献した。

◆シビれた。阪神岩貞祐太投手(28)がDeNA打線を8回3安打無失点に抑え、今季2勝目を挙げた。 前日11日に2敗目を喫した藤川球児投手(39)が右肩のコンディション不良のため出場選手登録を抹消。リリーフ陣に不安が残る中、岩貞が意地の力投でカード勝ち越しに導いた。114球目、最後の1球に力を振り絞った。1-0の8回2死一、二塁。岩貞が投じた渾身(こんしん)のフォークは、見事に落ちた。「気合です、気合のフォークです」。梶谷のバットが空を切ると、ぐっと拳に握りしめた。 意地の力投だった。初回2死からソトに四球を与えるも、そこからDeNA打線を圧倒した。2回2死から戸柱をスライダーで空振り三振に仕留めると、回をまたいで3者連続三振。5回1死で宮崎に許した左前打が、この試合初の被安打だった。「ボールも操れていたんで、飛ばしていこうと思っていた」。8回3安打無失点に抑え、ファンの歓声に包まれて今季2勝目を挙げた。 悲壮な決意を抱いていた。守護神を務めていた藤川が右肩のコンディション不良で離脱。リリーフ陣に不安が残った。長いイニングを-。その思いはいつにも増して強かった。この日の朝、岩貞の元に藤川から「離れるけど...」とLINEが届いた。左腕はエールの言葉と受け止めた。「球児さんが戻ってくるその時まで、やっぱりチームがいい状態にいて、球児さんが抑えをするというのがベストだと思うので、そうなれるように投手が1つになって頑張っていきたい」。 上げた右足を1度真っすぐに下ろしてから投球する、岩貞の現在のフォームは、藤川との「共作」だった。自宅待機期間が明け自主練習が始まった時、ボールの威力の弱さに悩む岩貞に、藤川が声を掛けた。そこから3日間、密着指導。2人で新たな投球フォームを作り上げた。「本当に感謝しかないし、球児さんのためにも必死でやっていくしかないと思います」。チーム状態を少しでも良くして、守護神復帰を待つ。 甲子園での初完投はならなかったが、頼もしい姿を見せた。矢野監督も「西と青柳とサダ(岩貞)が引っ張っていってくれれば、チームがだいぶ安定し始める。本当に今日は素晴らしかったし、これを次回からも」と期待。藤川の教えを胸に、7年目の左腕がマウンドを守る。【磯綾乃】 ○...岩貞は地元を思いながら腕を振った。出身地の熊本は、7月上旬からの豪雨で甚大な被害を受けた。登板前には地元の友人たちから「熊本のみんなが見てるからね、頑張ってくれ」とたくさんの連絡が届いた。親族に大きな被害はなかったが、傷ついた地元に心を痛める。「知ってる町ですし、苦しい局面にいるというのは、同じ熊本県民として心苦しいものがある。やっぱり自分としては、野球を見てくださる熊本の人のためにも、必死で行くしかないと思います」と力を込めた。

◆阪神ロベルト・スアレス投手が藤川不在の中で9回に登場し、移籍後初セーブを挙げた。 2点リードで登場。自身の失策も絡み1死一、二塁とされた後、ロペスに左前適時打を許して1点差に迫られた。だが、そこから踏ん張り、宮崎を中飛に。最後は代打乙坂を遊ゴロに仕留めた。ソフトバンク時代の16年6月9日以来、1494日ぶりとなる来日2セーブ目。「(9回のマウンドは)特別な気持ちだったね。ここまで勝ちでつないでくれたチームのために、しっかりと抑えたい気持ちでいっぱいだったよ」と大役を振り返った。 藤川離脱のもとで、ブルペン陣の中核を担うとみられる。「ブルペンのみんながいい仕事をしたいと思っているし、今いるメンバーでチームを勝利に導けるように務めていきたいね」と話していた。 ▼前ソフトバンクのスアレスが移籍後初セーブ。阪神外国人のセーブは、昨年7月21日ヤクルト戦でのドリス以来。国内他球団を経て阪神入りした外国人は10年途中スタンリッジ(前ソフトバンク)、17年途中メンドーサ(前日本ハム)、19年ガルシア(前中日)に続き4人目だが、セーブを挙げたのはスアレスが初めてだ。

◆頼れる4番や! 阪神大山悠輔内野手(25)が、今季初のV打点を含む3安打2打点の活躍。前日の逆転負けのショックを払拭(ふっしょく)し、カード勝ち越しを決めた。 ゼロ行進が続いた6回。2死二塁のチャンスで打席に入った。大山の名前が入ったタオルを広げて応援してくれるファンの姿を目にして、声援を力に変えた。カウント2-1から平良のシンカーを巻き込むように引っ張り、レフト前へ運んだ。先制の一撃は、今季自身初の決勝打にもなった。岩貞と並んでお立ち台に上がった大山は「サダさん(岩貞)が本当に一生懸命投げてくれていたので、なんとか助けられてよかったです」と振り返った。岩貞が先発した試合では、今季10打数6安打。左腕にとって心強い援軍となっている。 それだけでは終わらない。8回2死二塁で、3番手パットンの変化球をとらえ、鮮やかに右翼へ打ち返した。「1点でも多くという意味では2点目のタイムリーが大きかったですし、勝ててよかったです」。スアレスが9回に1点を失ったため結果的に決勝点となる貴重な一打だった。初回に中前打も放ち、今季初の3安打猛打賞。6試合連続ヒットとバットはキレキレだ。 マルテの故障で巡ってきた4番を5戦連続で務める。矢野監督も「中身のしっかりある打席が本当に多いですし、あの場面で打つというのが、中心打者、4番打者といわれるような、中身のしっかりあるような打撃。追加点の場面でも素晴らしかったですし、本当に心強く、頼もしく見ています」と絶賛した。 昨季は開幕から4番を任されたが、不振で8月に外れた。そんな経験も糧になる。「今は去年どうこうよりも1試合1試合、必死にやるだけ」と大山。今だけを見つめ、バットを振り続ける。

◆阪神がDeNAとの接戦を制し、カード勝ち越しを決めた。矢野燿大監督(51)の一問一答は以下の通り。 -最後はひやり 矢野監督 いやあ、ドキドキしました。はい、良かったです。 -岩貞の投球 矢野監督 もう素晴らしいピッチングでしたし、最後9回も迷いというか、行かせてあげたい気持ちと、ランナーを出して途中から行く投手のことを考えると。いろんなことを総合して、岩貞がすごくいい投球をしてくれましたけど、代えました。 -スアレスが9回 矢野監督 経験がありますしね。その経験とボールに力があるというのも、もちろんそうですけど。それで最後はスアちゃんに託しました。 -6回の大山の先制打 矢野監督 中身のある打席が本当に多いですし、あの場面で打つというのが、中心打者、4番打者といわれるような、中身のしっかりあるような打撃。追加点の場面でも素晴らしかったですし、本当に心強く、頼もしく見ています。 -ファンの声援 矢野監督 なかなか声を出してというより、みなさん手拍子とかで応援してくれていますし、その思いというのは僕らにしっかり届いているんで。ファンの方がいる中で、また甲子園で野球がやれるというのは本当に幸せだなと感じています。 -14日からに向け 矢野監督 チーム全体として、流れ的には昨日やられて今日苦しい中、しっかり取れたというのは明後日以降につながると思います。打線も少しずつ調子が上がっているので、チームとしても少しずつ落ち着いて来ている。来週しっかり勝っていきたいと思います。

◆虎党歴は60年以上になる落語家、月亭八方(72)が12日に甲子園で阪神-DeNA6回戦を生観戦。「体には黄色い血が流れている」というほど、タイガース愛が強い男が有観客試合となったプロ野球や、出遅れたチームにアッと驚く巻き返し案を観戦記で提言した。最終回、また昨日の二の舞いかと思った。先頭のフォアボールでヒヤッとした。でも2点あったから。やっぱり大山。これからも絶対に使っていかなあかん。もう4番は、大山しかいないでしょう。あの1点を追加した分の勝ち。今日は岩貞がよく投げた。甲子園で観戦して、0-0でいく投手戦なんて村山実以来見たんやないかな。ほんまに50年ぶりぐらい。昔の阪神はそういうのが多かった。村山、小山、バッキー、その辺が投げん限りはゼロに抑えられんかったから。 ボールの音、バットの音。こんなにプロ野球の音を聞く機会は、なかなかない。通常に戻るまでは、こういう楽しみ方もええと思う。「大声出すな」言うても、ヤジも声援も聞こえる。これが野球やな、と。子どもの頃は、甲子園でもヤジが聞こえとった。昔を思い出す。音が鳴ってないのも、来てみるとええなと思う。野球の声が聞こえた。 これからの浮上のカギは打順が大きいと思う。糸井をもうちょっと、後ろで打たせたらええと思う。糸井は6番。6番は意外と大事。前がミスっても、頼りは糸井。トドメは糸井やと。6番サンズではね...。これがボンボン打つなら別やけど。今日も、もう2点でも3点でもあったら良かった。 気持ちは3番に右打者を入れたい。逆に、サンズを大抜てきで、10試合の見切りで3番打たすとかね。それで見切ったら陽川、中谷辺りにする。「見切り千両」いうて、千両の価値が見切りにはあるねん。それで本人が頑張ったら、それはそれでプラスや。見切りは早くせなあかん。今年は開幕が遅くて23試合ないねんから。極限いうたら、7月いっぱいちゃうかな。 藤川が抹消された。日米通算250セーブもかかっている。記録というのはすごいことやけど、それ故、記録に振り回されるとチームにもマイナスになるということはどのチームにもある。阪神は鳥谷にしたって、金本にしたってそう。記録というのは結果であって、それを目標にすると振り回される。何でもそう。ゴルフでもそう。スコアも自分にとって記録やと思うと、プレッシャーがかかる。 7回藤川は、ありやと思うね。ブルペンでの存在感は大きい。我々お笑い、楽屋のムードもそう。楽屋のムードがいいと、みんな頑張ってお笑いを提供していける。空気悪いと、どっかプツッと切れる。 あとは7回に誰か、若いやつはおらんのかいな。若い子はチャンス。馬場も調子いい。ここに来て、やっぱりドラ1やなと。7回が2人おると楽や。8回岩崎、9回スアレス。3イニングを4人でという考え方。藤川のセーブ記録も様子を見ながら、3点あったら時によっては9回いってもいいと思う。本人はそんなん「うん」とは言わへんやろけどね。 今日は空気が少年、青年時代に戻った。ええ試合やった。野球を堪能しました。やっぱり野球は、球場で見るのがええな。打球音の響き方でヒヤッとしたり、オッとか思ったり。これぐらいの人数がええわ。トイレも行きやすいし。球場経営はそうはいかんやろけど。気持ちがゆったりする。この状況の時に、また来たいと思います。

◆阪神・大山悠輔内野手(25)が均衡を破る先制打を放った。0-0の六回2死二塁。平良の内角よりの変化球をたたいて左前に運んだ。  開幕のスタメン三塁はマルテだったが、7月4日の試合中、左ふくらはぎを痛めて、同11日に出場選手登録を抹消。大山は同5日から「4番・三塁」でスタメン出場しており、その5試合は、すべて安打を放っている。

◆DeNAは12日、阪神6回戦(甲子園)に、1-2で敗戦。自慢の強力打線が阪神・岩貞に完璧に封じ込められた。  バースデー先発の平良が6回1失点、6奪三振の好投を見せた。しかし、不運にも左腕を得意とするオースティンが、右手の違和感で2試合連続欠場。ここまで12試合で2桁安打をマークしている最強打線が、この日はわずか4安打に終わった。  昨季は4勝5敗1分けと負け越した甲子園での阪神戦、今季最初のカードも負け越しとなった。

◆阪神がDeNAを2-1で破り、このカードを2勝1敗と勝ち越した。  4番にすわって5試合目となる大山悠輔内野手(25)が今季初の猛打賞(3安打)。0-0の六回、2死二塁から左前に先制打を放つと、八回2死二塁からは右翼線に適時二塁打と、一人で全打点をたたき出した。  先発した岩貞祐太投手(28)は8回114球を投げて3安打無失点の好投で今季2勝目。2点リードの九回、スアレスが登板。1点差に迫られたが、なんとか逃げ切り、今季初セーブを挙げた。  5位中日が敗れて、6位阪神とのゲーム差はなくなった。

◆DeNAの平良は25歳のバースデー登板を白星で飾れなかった。試合前まで防御率0点台の実力を示し、優れた制球力で五回までゼロを並べて連続無失点を17イニングに。ただ、援護点のプレゼントはなく、六回2死二塁から大山に適時打を許して0-1のままマウンドを降りた。  自己最多114球の奮闘も報われず、今季初黒星。「六回は自分のイメージと違った体の動きが出てきて修正できなかった。ピンチの場面でも粘れる投手になりたい」と唇をかんだ。 ラミレス監督(前回対戦で攻略した岩貞に抑えられ) 「単純に岩貞の出来が良かった。低めの球を我慢する戦略だったが、悪球に手を出した」

◆阪神は大山が4番の仕事を果たした。今季絶好調の平良に苦しめられたが、六回2死二塁から140キロのシンカーを左前へ運ぶ先制打。八回も2死から右翼線二塁打で貴重な追加点をもたらした。好投の岩貞を後押しし「サダさんが一生懸命投げてくれていた。何とか助けられて良かった」と笑みを浮かべた。  今季初の3安打で、打率は4割5分2厘に上昇した。矢野監督は「中身のしっかりある打席が多い。本当に心強く頼もしく思っている」と目を細めた。 矢野監督(岩貞に) 「素晴らしい投球だった。先発の中心で引っ張ってくれれば、チームは安定し始める」 スアレス(藤川に代わって抑え役を任され、ソフトバンク時代の2016年以来のセーブ) 「特別な気持ちだった。今いるメンバーで勝利に導けるように努めていきたい」

◆阪神・梅野は岩貞と今季2度目のコンビを組み、快投をサポート。「支えてあげることが仕事なので。今日は本当にね、ベストピッチだったんじゃないかな」と左腕をたたえた。決め球としたフォークについて「とにかく球が浮きづらい。カウントも取れるし、上からたたいていけるし。それによって真っすぐが生きてくる」とうなずいた。好調の打撃は3打数無安打。連続試合安打は8で止まったが、正捕手としてチームをさらに引っ張る。

◆DeNA・平良が6回6安打1失点、6奪三振と好投したが、打線の援護なく今季初黒星。「低めにボールを集めて粘ることができた。ピンチの場面でも粘れる投手になりたい」と、六回に100球を超えてからの失点を悔やんだ。この日は25歳の誕生日。初のバースデー登板を白星で飾ることはできなかったが、防御率1.08でリーグ1位をキープした。(甲子園)

◆DeNAのタイラー・オースティン内野手(28)=前ブルワーズ=が、右手の違和感のため2試合連続で欠場した。ラミレス監督は「そうならないことを祈っている」としたが、出場選手登録を外れる可能性を含めて、14日の中日戦(ナゴヤドーム)までに判断される。打率・327、3本塁打、13打点の新助っ人が離脱となれば大きな痛手だ。  チームは、今季12度の2桁安打をマークしている打線が4安打に封じられ、敗れた。対左投手を得意とするスラッガーの欠場で、前回は4回KOした左腕・岩貞を打ち崩せず。2番手・スアレスから九回に1点を返したものの、最後は代打・乙坂が遊ゴロに倒れた。  チームは6月27日以降、連勝も連敗もなく勝敗の"オセロ状態"が続く。昨季4勝5敗1分けの甲子園球場で、今季も負け越しスタートとなったが、指揮官は「広島からの長期ロードで、ここまでほぼ5割。最低でも、これをキープしてホームで一気に貯金を伸ばしたい」と前を向いた。(浜浦日向)

◆1点差に迫られた九回2死一、二塁-。代打・乙坂を遊ゴロに打ち取ると、スアレスの険しかった表情が一瞬にして笑顔になった。  ソフトバンク時代の2016年6月9日のDeNA戦(ヤフオク)以来1494日ぶりで虎移籍後、初セーブを挙げた。  「ここまで勝ちをつないでくれたチームのために、しっかりと抑えたい気持ちでいっぱいだった」   八回、大山の適時打で2点リードとなったマウンド。藤川の代役として真価が試される場面で、いきなり先頭の代打・神里を四球で歩かせると、甲子園はざわついた。  ソトは158キロ直球で空振り三振に仕留めたが、佐野の一塁ゴロで、スアレスは一塁ベースカバーに入ったが、ボーアの送球を捕球できず...(記録はスアレスの失策)。直後に、ロペスの適時打で1点差。前日の逆転負けの悪夢がよぎった虎党の悲鳴も響いた。  「(九回のマウンドは)特別な気持ちだったよ」   抹消された藤川は、いつもブルペンを和ませてくれる存在だった。春季キャンプ中、スアレスは「自分はセ・リーグは初めて。阪神のことやパ・リーグとの違いなど、いろいろアドバイスしてくれる」と話していた。そんな藤川への感謝の気持ちを込めていた。  矢野監督は「やっぱり(ソフトバンク時代に)経験がありますしね。その経験とボールに力がある。それで最後はスアちゃんに託しました」と称賛した。  登板数は、岩崎と並んでチームトップタイの8試合。「ブルペンのみんながいい仕事をしたいと思っている。今、いるメンバーでチームを勝利に導けるように努めていきたい」と力を込めたスアレス。守護神が、元気に戻ってくるまで、フル回転も辞さない覚悟だ。(三木建次)

◆勝利を信じ、メガホンをたたく虎党を、主砲として大喜びさせた。肘をうまくたたんで、内角のシンカーを振り抜いた。これが4番"2年目"の大山の成長。スタンディングオベーションで沸く中、右拳を握った。  「サダ(岩貞)さんも一生懸命粘ってくれたので、何とか点を取りたいなというところで、タイムリーが出たのでよかった」  六回2死二塁。カウント2-1。バッティングカウントで持ち味の積極性を生かした。鋭い打球は打球は左前で弾み、先制打。スコアレスで進んでいた重苦しい空気を一気に吹き飛ばした。  ようやくチャンスで出た一本だった。意外にも今季初タイムリー。すでに3本塁打を放っているも、これまで7度得点圏で打席に立ち、4打数無安打、3四死球と快音はなかった。チームにとって適時打も4日の広島戦(マツダ)で七回に糸井が放って以来、38イニングぶり。4番に座って打率・529で「自分でもいいスイングができている」と自賛する若き大砲は八回も右翼線に、貴重な適時二塁打を放った。  甲子園の応援はやはり力になる。  「自分の名前が書いてあるタオルを広げてもらっているのが打席に入る前に見えている。すごい力になっています」  大声を張り上げての応援や鳴り物は使えないが、ファンは今できる応援をしてくれている。「何とか結果で喜んでもらいたい」。勝利こそ、ファンへの恩返し。昨季開幕から105試合4番を任せていた矢野監督は成長を感じ取っていた。  「あの場面で打つというのが、4番打者といわれるような、中身のしっかりあるような打撃。本当に心強く、頼もしく見える」  これぞ、厳命していた「本物」の4番。結果がすべてのポジションは大山なら耐えられる。そして自分のものにできる。  大山は「1試合1試合全力でやるだけ。それに向かって全力で頑張りたい」と約束した。チームの打の柱として、勝利を導く。(菊地峻太朗)

◆球児さんの分まで頑張る! 阪神はDeNAに2-1で勝利。先発した岩貞祐太投手(28)が8回3安打無失点と好投し、右肩コンディショニング不良で出場登録を抹消された藤川球児投手(39)の魂を引き継いだ。3カード連続勝ち越し。虎一丸で最下位脱出が見えてきたぞ!  4931人の手拍子を背に受け、リズムに乗った。最大のピンチを三振で切り抜けると、岩貞はガッツポーズ。気迫のこもったプレーで今季最長の8回を投げ、大山とともにチームで初めて甲子園のお立ち台に立った。  「初回はやっぱり久しぶりにお客さんが入っていて、懐かしいなという感じで。でも、その声援が力になって、攻めの姿勢で腕を振っていくことができました」  チーム打率・285の強力DeNA打線に付け入る隙を与えなかった。  四回まで与四球1つのみの無安打投球。最初で最後のピンチは1-0の八回だった。2死から安打と四球で一、二塁を招いたが、梶谷を決め球のフォークで空振させた。  「球児さんが戻ってくるその時まで、チームがいい状態にいて、球児さんが抑えをするというのがベストだと思う。そうなれるように投手陣が一つになって頑張っていきたい」  特別な思いがあった。  前日11日、九回に登板しながらも3失点した藤川が、この日、出場選手登録を抹消された。朝、その球児からLINEが送られてきたという。「本当に感謝しかないし、球児さんのためにも必死でやっていくしかない」。メールの内容はカーテンの向こう。ただし「常に完封するという気持ちでやっている」という左腕にとって、何よりのカンフル剤になった。  チームの活動を再開した5月、中継ぎから先発に再転向となり、投球フォームで悩んでいた。そのとき、アドバイスをくれたのも藤川。右足を一直線に伸ばす今のスタイルを二人三脚で編み出した。戦線から離脱した先輩に恩返しするために、どうしても勝利を届けたい。その思いだけだった。ガンケルが急きょ、中継ぎとして今後起用されるが、球児に勝るものはない。非常事態に陥った救援陣の負担を少しでも減らしたかった。  「もちろん、完封するつもりで九回の準備も入っていたんですが、(首脳陣から)『バトンタッチ』といわれた」  八回、自軍の攻撃時、一塁ベンチ前でキャッチボールをしていたが、スアレスに交代。2016年9月11日のヤクルト戦(神宮)以来の完封はお預けとなったが、三塁を踏ませない3安打投球で2勝目をゲット!  指揮官は「低めへしっかり投げ切れていたし、すごく頼もしく見えた。最後も行かせてやりたいというのももちろん(あった)ね」と最敬礼。苦渋の決断も目を細めた。  これで3カード連続の勝ち越し。借金4も、5位中日とゲーム差なしとなり、いよいよ最下位脱出が見えてきた。守護神が復活するまで、投手一丸で乗り切るしかない。岩貞がその旗手となる。(織原祥平)

◆今や左のエースと呼んでもいい岩貞の好投と、4番大山の2本のタイムリーで、会心の勝利と言っていいだろう。  相手先発・平良も素晴らしい内容で、なかなか点が取れないことは予想された。その中で、六回の大山の先制打は、難しい内角球を見事に打ち返したもの。八回の2点目も、パットンからファウルで粘って粘って、最後は外寄りのスライダーを右翼線へ運んだ。どちらも、内容のある打席だった。  技術的に評価したいのは、打席での左足。急いで降りていない。間がある。左足の着き方にゆとりがある、という表現の方がわかりやすいか。結果、ストレートに慌てた様子もないし、変化球にも対応できる好循環になっている。  現状、他に好調な打者が少ない中、4番が「4番の仕事」をしてくれた感じだ。チーム全体としては1、2番の出塁率が上がってくることを待ちたい。  岩貞もストレートが走り、変化球の切れもあり、コントロールも文句の付けようがなかった。嫌な負け方の翌日だったが、会心の勝ち方ができたことは大きい。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ヤクルト
1171 0.611
(↑0.023)
-
(↓0.5)
10192
(+3)
91
(+2)
19
(+1)
16
(-)
0.247
(↓0.003)
4.240
(↑0.12)
2
(1↓)
巨人
1071 0.588
(↓0.037)
0.5
(↑0.5)
10290
(+2)
63
(+3)
22
(+1)
13
(+1)
0.261
(↓0.002)
3.470
(↑0.02)
3
(-)
DeNA
1190 0.550
(↓0.029)
1
(↓0.5)
10091
(+1)
71
(+2)
20
(-)
3
(-)
0.285
(↓0.007)
3.490
(↑0.07)
4
(-)
広島
891 0.471
(↑0.033)
2.5
(↑0.5)
10292
(+7)
74
(+2)
19
(-)
7
(-)
0.288
(↑0.003)
3.980
(↑0.12)
5
(-)
中日
8121 0.400
(↓0.021)
4
(↓0.5)
9973
(+2)
108
(+7)
12
(-)
3
(-)
0.261
(-)
5.050
(↓0.09)
6
(-)
阪神
7110 0.389
(↑0.036)
4
(↑0.5)
10250
(+2)
81
(+1)
18
(-)
13
(-)
0.230
(↑0.002
4.360
(↑0.22)