ロッテ(★6対7☆)西武 =リーグ戦3回戦(2020.07.10)・ZOZOマリンスタジアム=
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西武
3001000217502
ロッテ
2031000006611
勝利投手:ギャレット(2勝0敗0S)
(セーブ:増田 達至(1勝0敗6S))
敗戦投手:益田 直也(0勝1敗4S)

本塁打
【西武】山川 穂高(6号・1回表3ラン),栗山 巧(2号・8回表2ラン)
【ロッテ】井上 晴哉(3号・3回裏3ラン)

  DAZN
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◆西武が接戦を制した。西武は2点ビハインドで迎えた8回表、栗山に2ランが飛び出し同点とする。続く9回には、2死満塁から栗山が押し出し四球を選び、勝ち越しに成功した。投げては、3番手・ギャレットが今季2勝目。敗れたロッテは、3番手・益田が誤算だった。

◆ZOZOマリンが一気に熱くなった。場内アナウンス担当・谷保恵美さんの声が響く。「ご来場のファンの皆様、ZOZOマリンスタジアムにおかえりなさい! 皆様のお越しをお待ちしておりました」。5000人の拍手は、音量測定器で80デシベルをマークした。 プレー1つ1つに、拍手が鳴る。無観客では平均48デシベルで進んだ試合が、有観客のざわめきでは平均58デシベルに上がる。3点先制されての1回裏。1番荻野の安打には83デシベル、2番マーティンの連打には85デシベルの拍手が響いた。無死一、三塁。3番菅野の二ゴロに73デシベルのため息が出るが、三塁走者荻野が忍者のようにタッチを避けてホームインすると、拍手は93デシベルに跳ね上がった。 やるべきことは、観客の有無では変わらない。でもある日、正捕手の田村が言った。「やっぱりお客さんがいないと、アドレナリンがなかなか上がらないっていうのはあるかな...」。その田村が遊ゴロで一塁へヘッドスライディング。アウトになったが、球場中から80デシベルの拍手をもらった。 主砲もやっぱり、この空間を意気に感じた。「いい雰囲気。この感じが戻ってきたな」と実感しながらの3回1死一、三塁。5番井上が左中間に逆転の3号3ランを放つと、打った瞬間に91デシベルの歓声が上がった。守備につき心を込めてファンに頭を下げると、87デシベルの拍手で球場が1つになった。勝敗は大事だ。勝敗以上に大事なものもある。海風に乗る拍手の数々は、たまりにたまった野球愛の証。本来の開幕から遅れること112日、スタジアムに熱気が戻った。

◆西武山川穂高内野手が、観客のいるスタンドへ"1号"を放った。 1回1死一、二塁で迎えた第1打席。執拗(しつよう)な外角攻めに対し、カウント1-2から、145キロの直球をとらえ、右翼ホームランラグーンへ運ぶ6号3ランで先制した。 有観客試合となってから初アーチ。スタンドの観客に山川は「ここまで、時間はかかってしまいましたが、ファンの皆さんの前で、プレーできることを幸せに感じています。球場入りするときに、早速ファンの方の姿が見えて、とてもうれしい気持ちになりました。この環境に感謝して、1本でもたくさんのホームランを皆さんの前で打っていきたいですね!」と誓っていた。早速アーチをかけ、ベンチ前でどすこいパフォーマンスも披露した。

◆西武は1回、山川の6号3ランで3点を先制。ロッテは1回に2点、3回に井上の3号3ランで逆転に成功した。 西武は4回に山野辺の適時打で1点をかえすも、ロッテは4回に荻野の適時打ですぐに突き放し、6回まで2点差で終盤へ入った。 西武は2点を追う8回に栗山の2号2ランで6-6の同点。9回に2死満塁から押し出し四球で勝ち越し、2連勝とした。 西武ギャレットが2勝目、増田が6セーブ目、ロッテ益田が1敗目。

◆日本一熱い応援のZOZOマリン右翼席も、3密防止で応援した。千葉市に住む常連ファンの鴎鴎さん(仮名)が観戦記を寄せた。階段を上ったら、グラウンドの景色が懐かしくて、感動しました。やっぱり、ずっと来たかった。私は9カ月ぶりでした。 マリーンズファン歴26年になります。ほとんど全試合、ライトスタンドの内野寄りで夫婦で応援します。開幕延期になった時、正直、今年はダメなんじゃないかと思いました。野球がなくて本当にきつかった。仕事に追われる日常でも、球場に行けば何か忘れられる。それがないのが、わが家にはきつかったです。 今日は、行くかどうか迷いました。コロナの、こういう状況でもありますし。野球観戦でも声を出せない。騒げない。それでもやっぱり、野球を球場で見たいっていうのが、勝っちゃいましたね。 試合では打球音がすごく聞こえて新鮮でした。井上選手のホームランに涙ぐみました。周りの人も泣いていました。拍手だけでこれだけ盛り上がれるスタンドと熱い仲間に感動です。明日こそ勝利を、そしてコロナ終息を祈ります。これからも拍手しまくります! ◆ZOZOマリン 5000人を球場全体に均等に配分し、6席に1人の割合で全て指定席として販売。シーズンシート購入者、ファンクラブ会員、一般販売の順で販売。座席位置確認のため、試合後14日間はチケット半券の保管を、来場者に要請する。球場内は一部飲食店舗が営業するものの、アルコール販売はなく、6回裏終了で閉店する。アルコール飲料は持ち込みも禁止する。「新型コロナウイルス感染拡大防止対策」の告知ポスターを約50枚、球場内外に貼り、周知徹底を行う。

◆敗れたが、ロッテは4891人の観衆を盛り上げた。打った瞬間、ファンが思わず叫び、立ち上がってしまったのは3回、井上の3号3ラン。「この感じが戻ってきたな」と喜ぶほどの高揚ムードの中で、ひと振りで球場を束ねた。 田村も燃えた。第1打席の遊ゴロでは一塁へ、4回は荻野の適時打で本塁へ、ともにヘッドスライディングした。「お客さんがいないとアドレナリンが...」と寂しがったこともある正捕手が熱くプレー。本塁突入の瞬間の歓声と拍手は、この日最大級の91デシベルだった。 ジャクソンが抜けた救援陣が打たれ逆転負け。投手陣の再編と安定化が新たな課題になっているが「ファンの皆様のためにも、今日から再スタートという形でいければ」と井口監督は前を向いた。試合前には場内アナウンス担当・谷保恵美さんの「おかえりなさい」が響き、大きなうねりを生んだ。後押しされ、残りを歩む。【金子真仁】

◆西武栗山巧外野手(36)が、同点弾&勝ち越し押し出し四球で、目の前のファンへ勝利を届けた。今季初めての有観客試合となる敵地でのロッテ戦。山川の6号先制3ランで幕を開けると、栗山は2点を追う8回に2号同点2ラン。9回2死満塁で四球を選んだ。プロ19年目のベテランが、土壇場で底力を発揮。両軍ファンの視線を敏感に感じ取りながら、"初勝利"をもたらした。交差する2つの視線を、打席の栗山は感じ取っていた。同点の9回2死満塁。「打つな」のロッテファンと「打ってくれ」の西武ファン。カウント2-2と追い込まれてからファウルで粘り、ボールを吟味した。フルカウントで迎えた7球目の外角低めを見極め、押し出し四球で勝ち越し。「何でもいいので僕が塁に出れば1点入る。僕の鼻息が聞こえるんじゃないかっていうくらい、球場が静かだったんでね」。いるはずのファンが息をのみ、静まりかえる空気を実感した。 有観客で迎えた一戦。試合前練習で、次々と入場するファンの姿を見届けていた。「みなさんのある意味厳しい目線ですとか、温かい目線ですとか、そういうものが感じられたので今日はうれしかったです」。2点を追う8回、右翼席へ同点2ランを放ちダイヤモンドを1周。「ライオンズファンからの温かい、逆をいえばロッテファンからの残念な視線といいますか。緊張感と臨場感がお互いに味わえた。それは非常に無観客ではちょっと無理かなという緊張感でしたね」。プロ19年目のベテランでも手に汗を握った。 無観客試合だった2日オリックス戦、今季1号を放つと山川のどすこいパフォーマンスを拝借。その際「いったんアグー(山川)から借りたものはお返しします」と返却していた。その山川が初回に先制3ランを放ち、有観客試合は「どすこい」で始まった。同点弾では借りることなく「まだ同点の場面だったので、次、必ずいい場面で回ってくるんじゃないかという直感があったので、ここは気を引き締めて。代わりにおかわり(中村)がやってくれていました」。栗山を旗頭に、プレーでもパフォーマンスでも、スタンドを盛り上げた山賊。有観客を潮目に変え、ファンとともに1勝をもぎ取った。【栗田成芳】 ▽西武辻監督(栗山の活躍に)「こういう大事なところでいっぱい救ってきてもらっているからね。大事なところはやっぱり経験がものをいう。2ストライクを平然と見逃しながらも見事に見てくれた。選んでくれたと思います」

◆西武辻発彦監督(栗山が同点2ランとV四球の活躍) 「こういう大事なところでいっぱい救ってきてもらっているからね。大事なところはやっぱり経験。2ストライクを平然と見逃しながらも見事に選んでくれた」

◆西武・山川穂高内野手(28)が10日、先制の6号3ランを放った。  一回1死一、二塁。ロッテ・石川の外角の145キロの直球を捉えた打球は、右翼席のラッキーゾーン飛び込んだ。  生還後は、スタンドにいるファンの前で「どすこい」ポーズを披露した。有観客試合での一発に主砲は「打った瞬間はホームランになると思いませんでした。久しぶりにファンの皆さんの前で打ててうれしい」と笑顔を見せた。

◆10日のプロ野球で、関東圏で唯一の開催地となったるZOZOマリン(ロッテ-西武)では、球場同様に交通機関も新型コロナウイルス感染防止策を徹底していた。  有観客に合わせて最寄りのJR海浜幕張駅から球場までの京成の臨時直行バスが"復活"。職員は乗客を乗せる前に手すりなどを入念に消毒し、運手席の脇には飛沫感染防止のシートを設置した。  乗客に対してはマスク着用や乗車前にソーシャルディスタンスを保って並ぶことを呼びかけ、利用客の手をアルコールスプレーで消毒。これまでは1台に70~80人を乗せていたが密を回避するために40人までに減らし、感染防止に努めた。

◆西武・栗山巧外野手(36)が10日、ロッテ3回戦(ZOZOマリンススタジアム)に「6番・DH」で先発出場。2点を追う八回に同点となる2号2ランを放った。  「手応え十分。あとは風だけ。ファンの前での一発は、もうこの上ない喜び。ふがいない打席が続いていたので、何とかいい姿を見せられるようにね。前向きな姿を見せたい、そう思って振りました」と満面の笑みで振り返った。

◆西武が逆転勝ちした。4-6の八回に栗山の2号2ランで追い付き、九回2死満塁で栗山が押し出し四球を選んだ。3番手のギャレットが2勝目を挙げ、九回は増田が締めて6セーブ目。ロッテは救援陣が踏ん張れなかった。

◆ロッテの石川は制球に苦しみながらも今季最長の7回を投げて3安打4失点と踏ん張った。勝ち投手の権利を持って降板したが、八回に味方が追い付かれ、開幕から4試合でいまだ白星なし。「毎回言っているが、来週また頑張る」と気持ちの切り替えを強調した。  「四球と死球が多過ぎた。球自体も良くなかった」と言うように、5四死球と荒れた。それでも要所で粘り、今季は全4試合で6回以上を投げ、先発の役割は果たしている。(ZOZOマリン)

◆ロッテは救援陣が崩れて逆転負けを喫した。6-4の八回に右横手の東條を送ったが、栗山に2ランを浴びて追い付かれ、九回は抑えの益田が制球を乱した。井口監督は「四死球が合計10個。四球が全て点に絡んでいる」と顔をしかめた。  八回を任せていたジャクソンと9日に契約を解除。翌10日に広島県警に大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕される事態となった。早くも課題が露呈した形で、井口監督は「ハーマンが七回に準備していて、八回は東條でいこうとなっていた。また考えないといけない」と悩ましそうに話した。(ZOZOマリン)

◆4891人が一つのボールに集中する。異様な緊張感が、久しぶりに球場を包んだ。6-6の九回2死満塁。フルカウントから西武・栗山巧外野手(36)が決勝点となる押し出し四球をロッテ・益田から選び、熱戦にケリをつけた。  「際どいところに投げられましたけど、集中力もあったので見極められた。(観客の)皆さんから緊張感というのが伝わってきて、身が引き締まった感じでした」  プロ19年目。決勝点は百戦錬磨の栗山の"読み"が生んだ。2点を追う八回に値千金の同点2ラン。7月2日に今季1号を放った際には、山川の"どすこいパフォーマンス"を拝借しておどけたが、この日は封印した。その心は「次にいい場面で回ってくるんじゃないかという直感的なもので、ここは気を引き締めて、と思って」。はしゃがずに落ち着いて、気持ちを切り替えていた。  今季初めて球場にファンを迎えての公式戦を、栗山は「無観客とは違った緊張感。厳しい視線、温かい視線が感じられたのでうれしかった」と振り返った。左翼席をわずかに埋めたレオ党の願いに応える、これぞベテランという活躍。チームに貯金「1」をもたらし、2位・ロッテに0・5ゲーム差とした。(樋口航)

◆ZOZOマリンスタジアムは記者の入場が各社2人までと制限されていることもあり、試合は後輩記者に任せて、46歳の私は球場周辺を取材。キッチンカーの前に設置されているテーブルで原稿を書いていた。  観衆は5000人以内と限られているためか、球場の外にいつもの歓声は聞こえない。試合が始まっていることに気づかなかった。急いで速報をチェックすると、すでに三回表。一回に西武・山川に3ランが飛び出し、ホームのロッテもその裏に2得点していたのに、その"空気"は感じなかった。大声での応援は禁止されていることを、ファンの皆さんがしっかり守っていたということだろう。  その後は耳を澄ますと、名物のアナウンスは聞こえたが、やはり歓声は聞こえない。新たな応援スタイルを、球場外で体感した。(プロ野球遊軍・湯浅大)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
1360 0.684
(↓0.038)
-
(-)
101118
(+1)
60
(+2)
18
(-)
19
(-)
0.288
(↓0.011)
3.000
(↑0.06)
2
(-)
ロッテ
1080 0.556
(↓0.032)
2.5
(-)
10272
(+6)
80
(+7)
16
(+1)
17
(-)
0.230
(↓0.003)
4.400
(↓0.16)
3
(-)
西武
981 0.529
(↑0.029)
3
(↑1)
10284
(+7)
87
(+6)
16
(+2)
13
(+2)
0.239
(↓0.005)
4.280
(↓0.1)
4
(1↑)
ソフトバンク
8101 0.444
(↑0.032)
4.5
(↑1)
10178
(+2)
91
(+1)
24
(+2)
12
(+1)
0.231
(-)
4.590
(↑0.23)
5
(1↓)
日本ハム
7102 0.412
(↓0.026)
5
(-)
10172
(+3)
96
(+4)
17
(+1)
9
(-)
0.214
(↑0.001)
4.590
(↑0.02)
6
(-)
ORIX
6112 0.353
(↑0.04)
6
(↑1)
10174
(+4)
84
(+3)
19
(+1)
17
(+1)
0.242
(↓0.003)
3.960
(↑0.06)